JP2001220403A - ペースト用塩化ビニル樹脂の製造方法 - Google Patents

ペースト用塩化ビニル樹脂の製造方法

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JP2001220403A
JP2001220403A JP2000030497A JP2000030497A JP2001220403A JP 2001220403 A JP2001220403 A JP 2001220403A JP 2000030497 A JP2000030497 A JP 2000030497A JP 2000030497 A JP2000030497 A JP 2000030497A JP 2001220403 A JP2001220403 A JP 2001220403A
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vinyl chloride
paste
chloride resin
activator
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JP2000030497A
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English (en)
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Hisayuki Nishitani
寿行 西谷
Hiroyuki Kurahashi
宏幸 倉橋
Toshiichi Nabeshima
敏一 鍋島
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DKS Co Ltd
Original Assignee
Dai Ichi Kogyo Seiyaku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ペーストゾルの調製に使用した場合にゾル粘
度が低く、脱泡性が良好で、吸水時の白化が少なく、し
かも、重合安定性に優れ、重合反応中に凝集物を生ずる
ことのないペースト用塩化ビニル樹脂の製造方法を提供
する。 【解決手段】 塩化ビニル単量体に示す一般式(I)で表
される重合性の単量体活性剤又はこれに一般式(II)で表
される重合性の二量体活性剤を更にを添加してミクロ懸
濁重合又は乳化重合を行うペースト用塩化ビニル樹脂の
製造方法である。 【化1】 上記化1中、R1は炭素数8〜30のアルキル基、R2
水素又はメチル基、Aは炭素数2〜4のアルキレン基又
は置換アルキレン基、nは0〜200の整数であり、X
は水素又は下記化2で表される置換基である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ペースト用塩化ビ
ニル樹脂の製造方法に関し、更に詳しくは、重合性の単
量体活性剤又はこれに二量体活性剤を添加してミクロ懸
濁重合又は乳化重合を行うペースト用塩化ビニル樹脂の
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、塩化ビニル樹脂には、オルガ
ノゾル、プラスチックゾル等のペーストゾルへの用途が
ある。このような用途に使用する塩化ビニル樹脂は、例
えば、特公昭63−35166号公報に記載されている
ように、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテ
ル硫酸エステル塩を塩化ビニル単量体に添加してミクロ
懸濁重合を行うことにより調製することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
塩化ビニル樹脂を用いた場合、ペーストゾルとして要求
される、ゾル粘度が低く、脱泡性が良好で、吸水時の白
化が少ないという特性が未だ不十分であり、改善が必要
とされている。
【0004】この点を解決するために、特開平6−56
915号公報に記載の発明では、分子内に重合性の二重
結合を有する界面活性剤を使用して塩化ビニル単量体の
重合を行う方法が採られている。この塩化ビニル樹脂の
製造方法によれば、ゾル粘度、脱泡性、吸水時白化等の
特性の改善が認められる。
【0005】しかしながら、この公報に記載の製造方法
では、ペースト用塩化ビニル樹脂の製造工程中での塩化
ビニル単量体の重合が不安定であるという欠点がある。
そのため、重合反応中に凝集物が生じ易いという欠点が
ある。
【0006】本発明はこのような従来のペースト用塩化
ビニル樹脂の製造方法を改善するために為されたもので
あり、本発明の目的は、ペーストゾルの調製に使用した
場合にゾル粘度が低く、脱泡性が良好で、吸水時の白化
が少なく、しかも、重合安定性に優れ、重合反応中に凝
集物を生ずることのないペースト用塩化ビニル樹脂の製
造方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、一般式
(I)で表される重合性の単量体活性剤を使用することに
より、上記従来の問題点を解決し得ることを見出し、本
発明を完成するに至ったものである。即ち、本発明のペ
ースト用塩化ビニル樹脂の製造方法は、塩化ビニル単量
体に化1に示す一般式(I)で表される重合性の単量体活
性剤を添加してミクロ懸濁重合又は乳化重合を行うこと
を特徴とする。
【0008】
【化4】
【0009】ここで、上記化4で示す一般式(I)中、
1は炭素数8〜30のアルキル基、R2は水素又はメチ
ル基、Aは炭素数2〜4のアルキレン基又は置換アルキ
レン基、nは0〜200の整数であり、Xは水素又は下
記化5で表される置換基であり、化5中、Mはアルカリ
金属、NH4又はアルカノールアミン残基であり、R3
化4のX以外の残基である。
【0010】
【化5】
【0011】また、本発明のペースト用塩化ビニル樹脂
の製造方法は、化6に示す一般式(II)で表される重合性
の二量体活性剤を更に添加してもよい。この重合性二量
体活性剤の添加により、乳化分散性が更に良好となり、
重合時に於ける重合安定性を向上させることができる。
【0012】
【化6】
【0013】ここで、上記化6に示す一般式(II)中、R
1は化4とは独立の炭素数8〜30のアルキル基、R2
化4とは独立の水素又はメチル基、Aは化4とは独立の
炭素数2〜4のアルキレン基又は置換アルキレン基、n
は化4とは独立の0〜200の整数であり、Xは、化4
とは独立の水素又は上記化5で表される置換基と同様の
置換基であり、化5中、Mは化4とは独立のアルカリ金
属、NH4又はアルカノールアミン残基であり、R3は化
4とは独立の化4又は化6のX以外の残基である。
【0014】上記一般式(II)で表される重合性の二量体
活性剤は、一般式(I)で表される前記単量体活性剤と前
記二量体活性剤との合計の重量に対して30重量%以下
の比率で添加されることが好ましく、1重量%以上〜3
0重量%以下の範囲が更に好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】上記化1及び化4に示す一般式
(I)で表される重合性の単量体活性剤に於いて、上述の
ようにR1は炭素数8〜30のアルキル基であるが、そ
の例としては、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウン
デシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル
基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル
基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基等が
挙げられ、これらのアルキル基の混合物であってもよ
い。
【0016】また、上記化1及び化4に加えて、化3及
び化6の一般式(II)で表される重合性の二量体活性剤を
添加する場合に於いて、化3及び化6に於けるR1は、
化1及び化4とは独立の炭素数8〜30のアルキル基で
あるが、その例としては、上述と同様の、オクチル基、
ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリ
デシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデ
シル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル
基、エイコシル基等が挙げられ、これらのアルキル基の
混合物であってもよい。化1及び化4に於けるR1と化
3及び化6に於けるR1とは、同じでも異なっていても
よい。これらのR1が同じ場合には、反応条件の調整に
より、化1及び化4の単量体活性剤と化3及び化6の二
量体活性剤とを一回の反応で同時に調製することができ
るという利点がある。
【0017】また、Aは上述のように炭素数2〜4のア
ルキレン基または置換アルキレン基であるが、その例と
しては、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレ
ン等であり、それらの単独又はブロック若しくはランダ
ムの付加物の混合であってもよい。Aについても、化1
及び化4に於けるR1と化3及び化6とに於けるR1とは
同じでも異なっていてもよく、同じ場合には、化1及び
化4の単量体活性剤と化3及び化6の二量体活性剤とを
一回の反応で同時に調製することができるという利点が
ある。
【0018】化1及び化4のR1と化3及び化6のR1
に於いて、nは0〜200の整数であり、より好ましく
は、0〜100の範囲である。nの値が200より大き
いと、界面活性剤としての能力が弱くなるので好ましく
ない。
【0019】また、上記Xは上述のように水素又は化2
及び化5で表される置換基であり、化2及び化5中、M
は、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属原子、NH
4、若しくはモノエタノールアミン、トリエタノールア
ミン等のアルカノールアミン残基であり、又はこれらの
混合物であってもよい。Xについても、化1及び化4に
於けるR1と化3及び化6とに於いて同じでも異なって
いてもよく、同じ場合には、化1及び化4の単量体活性
剤と化3及び化6の二量体活性剤とを同時に調製するこ
とができるという利点がある。
【0020】本発明のペースト用塩化ビニル樹脂の製造
方法に於ける化1及び化4に示す単量体活性剤及び化3
及び化6に示す二量体活性剤は、工業的に容易に製造で
きるものであり、例えば次のようにして製造することが
できる。
【0021】まず、α−オレフィンオキシド(例えば、
AOE−X24(ダイセル化学工業(株)製、炭素数1
2及び14)と、アリルアルコールとを触媒存在下で加
熱反応させる。その際、α−オレフィンオキシドとアリ
ルアルコールとのモル比が等モル又はアリルアルコール
が過剰であれば化1及び化4の単量体活性剤が主として
生成し、α−オレフィンオキシドが過剰になると化3及
び化6の二量体活性剤の生成量が増加する。本発明の製
造方法に於ける単量体活性剤と二量体活性剤との含有比
率は、(1)α−オレフィンオキシドとアリルアルコール
とのモル比の調整により変更することができる。また、
上記含有比率は、(2)単量体活性剤を主に生成させる等
モル又はアリルアルコール過剰での反応と、二量体活性
剤の生成比率が大きくなる比率の反応とを別々に行い、
それぞれの反応生成物の混合比率を調整することによ
り、又は(3)上記等モル又はアリルアルコール過剰での
反応と、二量体活性剤の生成比率が大きくなる反応とを
別々に行った後、分取液体クロマトグラフィーにより各
々を分取し、その混合比率を調整することにより、自由
に変更することができる。上記(1)の場合、即ち、単量
体活性剤と二量体活性剤とを一回の反応で同時に得る場
合には、R1は化1及び化4と化3及び化6とで同じと
なり、(2)及び(3)の場合、即ち単量体活性剤と二量体活
性剤とを別々の反応で得て後に混合する場合には、R1
は化1及び化4と化3及び化6とで同じ又は異なるもの
とすることができる。なお、以下の説明では、α−オレ
フィンオキシドとアリルアルコールとの付加反応生成物
が上記の何れかの方法により混合物となっているものと
して説明するが、単量体活性剤と二量体活性剤とを別々
の反応で得る場合も、以下の説明と同様の反応を行うこ
とにより、最終的に単量体活性剤と二量体活性剤とを得
ることができる。そして、その場合には、R1、R2、A
及びXは、化1及び化4と化3及び化6とで異なるもの
とすることができる。
【0022】化1及び化4並びに化3及び化6に於い
て、nが0でXが水素の場合は、上記のα−オレフィン
オキシドとアリルアルコールとの付加反応により、目的
とする単量体活性剤と二量体活性剤とが得られることと
なるが、nが0でない場合には、更にアルキレンオキシ
ドが常法によって付加されて最終的な単量体活性剤と二
量体活性剤とが得られる。
【0023】Xが化2及び化5に於ける(a)で示される
基である場合には、更に上記アルキレンオキシド付加物
に、硫酸、スルファミン酸等の硫酸化剤にて硫酸化を行
ない、必要に応じて、塩基性物質で中和して、最終的な
単量体活性剤と二量体活性剤とを得ることができる。
【0024】Xが化2及び化5に於ける(b)で示される
基である場合には、上記アルキレンオキシド付加物を無
水リン酸(P25)と反応させた後、必要に応じアルカ
リ性物質で中和することにより、最終的な単量体活性剤
と二量体活性剤とを得ることができる。
【0025】Xが化2及び化5に於ける(c)で示される
基である場合には、上記アルキレンオキシド付加物のヒ
ドロキシル基を酸化することにより、最終的な単量体活
性剤と二量体活性剤とを得ることができる。また、上記
アルキレンオキシド付加物にハロゲン化酢酸を反応させ
てカルボキシル化を行った後必要に応じ中和することに
よっても、最終的な単量体活性剤と二量体活性剤とを得
ることができる。
【0026】Xが化2及び化5に於ける(d)で示される
基である場合には、(b)の場合と同様に、上記アルキレ
ンオキシド付加物を無水リン酸(P25)と反応させた
後、必要に応じアルカリ性物質で中和することにより、
最終的な単量体活性剤と二量体活性剤とを得ることがで
きる。
【0027】Xが化2及び化5に於ける(e)で示される
基である場合には、上記アルキレンオキシド付加物に無
水マレイン酸を反応させ、中和後、重亜硫酸ソーダ、亜
硫酸ソーダ等によりスルホン化反応を行うことにより、
最終的な単量体活性剤と二量体活性剤とを得ることがで
きる。
【0028】本発明のペースト用塩化ビニル樹脂の製造
方法に於いて使用し得る重合開始剤としては、従来公知
のものを使用することができ、例えば、過酸化水素、過
硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、アゾビスイソブチ
ロニトリル、ベンゾイルパーオキシド等が挙げられる。
【0029】また、重合促進剤として、亜硫酸水素ナト
リウム、硫酸第1鉄アンモニウム等を用いることもでき
る。
【0030】本発明の製造方法を適用して得られるペー
スト用塩化ビニル樹脂は、例えば、壁紙、床材等の分野
で使用することができる。
【0031】
【実施例】以下本発明を実施例により、具体的に説明す
る。なお、本明細書中に於いて、%とあるのは重量%で
ある。
【0032】(製造例1…二量体活性剤含有量2.3
%)撹拌機、温度計及び還流管を備えた反応容器に、ア
リルアルコール64g、触媒として苛性ソーダ0.3g
を仕込み、次に、AOE−X24(炭素数12,14の
α−オレフィンオキシド、ダイセル化学工業(株)製)
196gを滴下し、90℃にて10時間撹拌反応した。
その後、110℃に加温し、減圧にて過剰のアリルアル
コールを除去した。
【0033】次に、得られた反応粗製物257gをオー
トクレーブに移し、圧力2.0kg/cm2、温度13
0℃の条件にてエチレンオキサイド220gを反応さ
せ、エチレンオキサイド5モル付加体を得た。
【0034】次に、上記のエチレンオキサイド5モル付
加体477gを、スルファミン酸97gを用いて120
℃5時間の条件にて硫酸化し、得られた反応粗製物を組
成物1とした。
【0035】(製造例2…二量体活性剤含有量2.1
%)製造例1と同様にAOE−X24(α−オレフィン
オキシド)とアリルアルコールとの付加反応を行い、次
に、製造例1と同様の温度及び圧力でエチレンオキサイ
ドを10モル付加した。更に、製造例1と同様にスルフ
ァミン酸を用いて硫酸化し、得られた反応粗製物を組成
物2とした。
【0036】(製造例3…二量体活性剤含有量7.0
%)撹拌機、温度計及び還流管を備えた反応容器に、ア
リルアルコール58g、触媒として苛性ソーダ0.3g
を仕込み、次に、AOE−X24(炭素数12,14の
α−オレフィンオキシド、ダイセル化学工業(株)製)
196gを滴下し、90℃にて10時間撹拌反応した。
その後、減圧にて過剰のアリルアルコールを除去した。
【0037】次に、得られた反応粗製物264gをオー
トクレーブに移し、圧力2.0kg/cm2、温度13
0℃の条件にてエチレンオキサイド220gを反応さ
せ、エチレンオキサイド5モル付加体を得た。
【0038】次に、上記のエチレンオキサイド5モル付
加体484gを、スルファミン酸97gを用いて120
℃5時間の条件にて硫酸化し、得られた反応粗製物を組
成物3とした。
【0039】(製造例4…二量体活性剤含有量25.4
%)撹拌機、温度計及び還流管を備えた反応容器に、ア
リルアルコール46g、触媒として苛性ソーダ0.4g
を仕込み、次に、AOE−Y08(炭素数20,22,
24,26,28及び30のα−オレフィンオキシド、
ダイセル化学工業(株)製)342gを滴下し、90℃
にて10時間撹絆反応した。その後、110℃に加温
し、減圧にて過剰のアリルアルコールを除去した。
【0040】次に、得られた反応粗製物464gをオー
トクレーブに移し、圧力2.0kg/cm2、温度13
0℃の条件にてエチレンオキサイド220gを反応さ
せ、エチレンオキサイド5モル付加体を得た。
【0041】次に、上記のエチレンオキサイド5モル付
加体684gを、スルファミン酸97gを用いて120
℃5時間の条件にて硫酸化し、得られた反応粗製物を組
成物4とした。
【0042】(製造例5…二量体活性剤含有量62.2
%)α−オレフィンオキサイドとしてAOE−X24を
用いたこと以外は製造例4と同様の方法にてアリルアル
コールとの付加反応を行い、次に、減圧下でアリルアル
コールを除去した後、GPCモードの分取液体クロマト
グラフィーにより、化7に示す単量体中間体と、化8に
示す二量体中間体とに分離した。
【0043】
【化7】
【0044】
【化8】
【0045】ここで、化7及び化8中、R1はそれぞれ
炭素数10及び12のアルキル基、R2はそれぞれ水素
である。
【0046】以上のようにして分離した化7の単量体中
間体30重量%と、化8の二量体中間体70重量%とを
混合し、この混合物3.7gに、苛性ソーダ0.01g
を触媒として、定法によりエチレンオキサイドを10モ
ル付加させた(圧力2.0kg/cm2、温度130
℃)。次に、上記エチレンオキサイド10モル付加体
8.07gにスルファミン酸0.97gを用いて硫酸化
を行い、得られた反応粗製物を組成物5とした。
【0047】(製造例6…エチレンオキサイド30モル
付加)製造例3と同様にして得られた反応粗製物(単量
体中間体91重量%と二量体中間体9重量%とを含む)
264gをオートクレーブへ移し、圧力2.0kg/c
2、温度130℃の条件にてエチレンオキサイド30
モルを上記粗製物に対して付加させ、本製造例の組成物
6を得た。
【0048】(製造例7…リン酸エステルナトリウム)
製造例3と同様にして得られた反応粗製物(単量体中間
体91重量%と二量体中間体9重量%とを含む)264
gをオートクレーブへ移し、圧力2.0kg/cm2
温度130℃の条件にてエチレンオキサイド10モルを
上記粗製物に対して付加させた。
【0049】次に、上記エチレンオキサイド10モル付
加物704gに対して、無水リン酸47gを用いてリン
酸エステル化反応を80℃で5時間行った後、苛性ソー
ダを用いて中和し、本製造例の組成物7を得た。なお、
本製造例の組成物7では、化5に示したX基が(b)のモ
ノエステル及び(d)のジエステルの混合物であり、(b)の
モノエステルが55重量%、(d)のジエステルが45重
量%の混合比となっていた。
【0050】(製造例8…エーテルカルボン酸)製造例
3と同様にして得られた反応粗製物(単量体中間体91
重量%と二量体中間体9重量%とを含む)264gをオ
ートクレーブへ移し、圧力2.0kg/cm2、温度1
30℃の条件にてエチレンオキサイド10モルを上記粗
製物に対して付加させた。
【0051】次に、エチレンオキサイド10モル付加体
704gを反応容器に仕込み、撹拌しながらモノクロル
酢酸ナトリウム117gを粉末のまま室温にて30分間
かけて仕込んだ。次に、反応容器内を40℃に保ち、水
酸化ナトリウム44gを粉末のまま3時間かけて添加し
た。その後、更に40℃にて17時間反応させた。
【0052】次に、75%リン酸で中和した後、塩化メ
チレン400ml及び水200mlを加え、水洗を行っ
た。更に水200mlを使用した水洗を2回行った後、
有機層の塩化メチレンを蒸留により除去した。残された
反応組成物を48%水酸化ナトリウムを用いてpH8ま
で中和し、本製造例の組成物8を得た。
【0053】(製造例9…スルホコハク酸ナトリウム)
製造例3と同様にして得られた反応粗製物(単量体中間
体91重量%と二量体中間体9重量%とを含む)264
gをオートクレーブへ移し、圧力2.0kg/cm2
温度130℃の条件にてエチレンオキサイド10モルを
上記粗製物に対して付加させた。
【0054】次に、エチレンオキサイド10モル付加体
704gと無水マレイン酸100gとのエステル化反応
を80℃で2時間行った。その後、この反応混合物に水
3000gを投入し、内温30℃以下にて水酸化ナトリ
ウム水溶液により中和した。次に、重亜硫酸ソーダ12
0gを仕込み、70℃にて3時間スルホン化反応を行
い、本製造例の組成物9を得た。
【0055】(製造例10…エチレンオキサイドを含ま
ない硫酸エステル化物)製造例3と同様にして得られた
反応粗製物(単量体中間体91重量%と二量体中間体9
重量%とを含む)264gにスルファミン酸97gを用
いて硫酸化を行い、得られた反応粗製物を組成物10と
した。
【0056】(製造例11…単量体活性剤含有量100
%)製造例5で分離した化7の単量体中間体2.3gに
苛性ソーダ0.01gを触媒として、定法によりエチレ
ンオキサイドを10モル付加させた(圧力2.0kg/
cm2、温度130℃)。次に、上記エチレンオキシド
10モル付加体6.7gにスルファミン酸0.97gを
用いて硫酸化を行い、得られた反応組成物を組成物11
とした。
【0057】〔重合試験〕次に、上記で得られた各製造
例1〜11の組成物1〜11を用いて、以下の実施例1
に示すようにしてミクロ懸濁重合を行って塩化ビニル樹
脂ペーストを調製し、試験例1〜12とした。また、比
較のために従来の乳化剤を用いて塩化ビニル樹脂ペース
トを調製し、比較試験例1〜3とした。用いた乳化剤組
成物は、表1及び表2の乳化剤組成物の欄に示したもの
である。
【0058】同様に、各製造例1〜11の組成物1〜1
1を用いて、実施例2に示すようにして乳化重合を行っ
て塩化ビニル樹脂ペーストを調製し、試験例1〜12と
した。また、比較のために従来の乳化剤を用いて塩化ビ
ニル樹脂ペーストを調製し、比較試験例1〜3とした。
用いた乳化剤組成物は、表3及び表4の乳化剤組成物の
欄に示したものである。
【0059】(実施例1)300リットルのステンレス
製オートクレーブに、イオン交換水130kg、塩化ビ
ニルモノマー100kg、α,α−アゾビスイソブチロ
バレロニトリル0.05kg及び乳化剤として表1及び
表2に示す乳化剤を1.5kgを仕込み、この重合液を
90分間ホモジナイザーを用いて循環させて均質化処理
を行った後、温度を50℃に上げて重合を進め、重合圧
が50℃における塩化ビニルの飽和蒸気圧から1kg/
cm2降下した時点で重合を停止させ、未反応モノマー
を回収した。
【0060】次に、ラテックス中のスケール並びに撹拌
翼及び重合器壁に付着しているスケールを集め、乾燥さ
せた後、その重量を測定した。
【0061】得られたラテックスは、スプレー乾燥機に
より、入口温度160℃、出口温度50℃の条件で噴霧
乾燥させた後、粉砕して塩化ビニルペースト樹脂を得
た。
【0062】(実施例2)300リットルのグラスライ
ニング製オートクレーブに、イオン交換水130kg及
び単位粒子径0.4μmの均一の塩化ビニルシード重合
体ラテックスを重合体として5kg投入した後、酸素を
除いて塩化ビニルモノマー100kgを加え、温度を5
0℃に上げるとともに、全量で0.05kgの過硫酸カ
リウムを全重合時間を通じて連続的に添加した。
【0063】更に、重合率が10%に達した時点から重
合の終わりまでの間、全量で0.6kgの乳化剤を塩化
ビニルモノマーに対して毎時0.025kgの割合で2
4時間かけて連続的に添加した。
【0064】重合圧が50℃における塩化ビニルの飽和
蒸気圧から1kg/cm2降下した時点で重合を停止さ
せ、未反応モノマーを回収した。
【0065】次に、ラテックス中のスケール並びに撹拌
翼及び重合器壁に付着しているスケールを集め、乾燥さ
せた後、その重量を測定した。
【0066】得られたラテックスは、スプレー乾燥機に
より、入口温度160℃、出口温度50℃の条件で噴霧
乾燥させた後、粉砕して塩化ビニルペースト樹脂を得
た。
【0067】〔性能試験〕実施例1及び実施例2の手順
に従って得られた樹脂を用いて調製したペーストゾルの
ゾル粘度及びゾル粘度の経日変化、脱泡性、並びにペー
ストゾルを加熱ゲル化して得られたフィルムの透明性及
び吸水白化性を測定した。その結果をそれぞれ表1及び
表3に試験例として示した。また、従来の乳化剤を用い
て実施例1及び実施例2の手順に従って得られた樹脂を
用いて調製したペーストゾルについても同様の比較試験
を行った。その結果を表2及び表4に示した。
【0068】各試験例及び各比較試験例で使用したペー
ストゾルの組成は、ペーストレジン100重量部、ジオ
クチルフタレート65重量部、Ca/Zn系安定剤3重
量部、である。各試験方法は以下のとおりである。
【0069】(1)凝集物量 乳化重合後の上記各試験例及び各比較試験例のエマルジ
ョンを150メッシュの金網で濾過し、金網上の残渣を
105℃で乾燥し、その重量を測定し、全モノマーに対
する重量%で表示した。
【0070】(2)ゾル粘度及び経日変化 ペーストゾルをBM型粘度計にて30±1℃の条件で測
定した。経日変化についてはペーストゾルを25℃で保
管し、1日後及び7日後に再度粘度を上記と同条件で測
定した。
【0071】(3)脱泡性 上記配合で未脱泡にて20分間混練したペーストゾル1
0mlを300mlのメスシリンダーに採り、メスシリ
ンダーを減圧用デシケーターの中に入れ真空ポンプにて
減圧にし、メスシリンダー内のペーストゾルの泡が消え
た時のデシケーター内の減圧度を水銀マノメーターで測
定し、発泡した体積を発泡前のペーストゾルの体積で割
って発泡倍率を求めた。この試験では、デシケーター内
の減圧度が高く、発泡倍率が小さいほど、脱泡性が良い
ことになる。
【0072】(4)透明性 上記配合で真空ポンプにて20分間脱泡混練したペース
トゾルをガラス板上に流し、ドクターナイフにて1mm
の厚さでコーテイングし、170℃の熱風乾燥器中で1
0分間ゲル化させた。得られたフィルムの透明性を目視
にて評価した。評価基準は以下のとおりである。
【0073】 ○:透明性良好、 △:透明性やや不良、 ×:透明性不良。
【0074】(5)吸水白化性 透明性の評価に使用したフィルムを4cm×4cmの大
きさに切り取り、25±1℃の温度に保った蒸留水中に
浸漬し、膜を透して4.5ポイントの文字が読めなくな
るまでの時間を測定した。即ち、吸水白化するまでの時
間が長いほど吸水白化性が良いことになる。
【0075】
【表1】
【0076】
【表2】
【0077】
【表3】
【0078】
【表4】
【0079】(各試験結果)表1と表2との比較及び表
3と表4との比較から、各試験例で調製したペーストゾ
ルは、各比較試験例で調製したペーストゾルに比較して
何れもゾル粘度が低いことが分かる。しかも、脱泡性が
良好で透明性に優れ、吸水時の白化が少なく、重合反応
中に生ずる凝集物が少ないことから重合安定性に優れて
いると言える。
【0080】
【発明の効果】重合性の単量体活性剤又はこれに重合性
の二量体活性剤を添加してミクロ懸濁重合又は乳化重合
を行う本発明のペースト用塩化ビニル樹脂の製造方法に
よれば、ペーストゾルの調製に使用した場合に、従来の
ペースト用塩化ビニル樹脂より、低いゾル粘度が得ら
れ、脱泡性が良好で、吸水時の白化が少なく、しかも、
重合安定性に優れ、重合反応中に凝集物を生ずることの
ないペースト用塩化ビニル樹脂が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J011 AA05 DA01 DA03 JA13 JB29 KA14 4J100 AC03P AE18Q AE18R BA02Q BA02R BA03Q BA03R BA07Q BA07R BA12Q BA12R BA17Q BA17R BA56Q BA56R BA64Q BA64R BA65Q BA65R CA04 CA05 FA20 FA21 JA03

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ペースト用塩化ビニル樹脂の製造方法で
    あって、塩化ビニル単量体に化1に示す一般式(I)で表
    される重合性の単量体活性剤を添加してミクロ懸濁重合
    又は乳化重合を行うことを特徴とするペースト用塩化ビ
    ニル樹脂の製造方法。 【化1】 (ここで、上記化1中、R1は炭素数8〜30のアルキ
    ル基、R2は水素又はメチル基、Aは炭素数2〜4のア
    ルキレン基又は置換アルキレン基、nは0〜200の整
    数であり、Xは水素又は下記化2で表される置換基であ
    り、 【化2】 化2中、Mはアルカリ金属、NH4又はアルカノールア
    ミン残基であり、R3は化1のX以外の残基である。)
  2. 【請求項2】 化3に示す一般式(II)で表される重合性
    の二量体活性剤を更に添加したことを特徴とする請求項
    1記載のペースト用塩化ビニル樹脂の製造方法。 【化3】 (ここで、上記化3中、R1は化1とは独立の炭素数8
    〜30のアルキル基、R2は化1とは独立の水素又はメ
    チル基、Aは化1とは独立の炭素数2〜4のアルキレン
    基又は置換アルキレン基、nは化1とは独立の0〜20
    0の整数であり、Xは、化1とは独立の水素又は上記化
    2で表される置換基と同様の置換基であり、化2中、M
    は化1とは独立のアルカリ金属、NH4又はアルカノー
    ルアミン残基であり、R3は化1とは独立の化1又は化
    3のX以外の残基である。)
  3. 【請求項3】 一般式(II)で表される前記二量体活性剤
    は、一般式(I)で表される前記単量体活性剤と前記二量
    体活性剤との合計の重量に対して30重量%以下の比率
    で添加されることを特徴とする請求項2記載のペースト
    用塩化ビニル樹脂の製造方法。
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Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH0718009A (ja) * 1993-06-29 1995-01-20 Dai Ichi Kogyo Seiyaku Co Ltd 乳化重合用乳化剤

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