JP2001176416A

JP2001176416A - カラー陰極線管用マスク

Info

Publication number: JP2001176416A
Application number: JP2000354304A
Authority: JP
Inventors: Heinan Kin; 炳男金
Original assignee: LG Electronics Inc
Current assignee: LG Electronics Inc
Priority date: 1999-11-30
Filing date: 2000-11-21
Publication date: 2001-06-29
Also published as: US6674223B2; KR100364694B1; KR20010049033A; US20010007406A1; CN1305213A

Abstract

(57)【要約】【課題】本発明はマスクの構造を改善してハウリング
を低減すると共に輝度を向上させることを目的とする。【解決手段】このために、本発明は列状に配置された
複数のビーム通過孔を有し、ビーム通過孔の間の部分が
幅方向の無孔部を相互に連結するブリッジを形成するカ
ラー陰極線管用マスクにおいて、電子銃に向かう側のブ
リッジの厚さを、ブリッジを除いた部分の厚さより薄く
して成されるものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、カラー陰極線管に
係り、特に、電子ビームの色選別の機能を行うカラー陰
極線管用マスクに関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、カラー陰極線管(CRT：cathode
ray tube)はＴＶ受像管またはモニタなどに用いられる
画像出力装置である。かかるカラー陰極線管のうち現在
広く普及しつつある平面陰極線管について簡単に説明す
る。

【０００３】まず、平面陰極線管の構成は図１に示すよ
うにガラスからなる平板形のパネル１と、その後面にフ
リットガラス(frit glass)によって接合されるバルブ形
状のファンネル３によって外形をなし、該外形物の内部
は約１０⁻⁷Ｔｏｒｒ位の高真空の状態を保持してい
る。

【０００４】また、前記パネル１の前面には陰極線管の
防暴のための安全ガラス５が樹脂によって貼着され、後
面の有効領域には赤(Ｒ)、緑(Ｇ)、青（Ｂ)の蛍光膜２
が一定したパターンで塗布されている。また、前記パネ
ル１の非有効領域には四角形の金属材のレール結合体７
がフリットガラスによって接合され、前記レール結合体
７の上にはＲ、Ｇ、Ｂの電子ビーム９が選択的に通過で
きるようにスリット又は割れ目状の微細なビーム通過孔
１０が間隔を置いて形成されたマスク１１が溶接によっ
て接合されている。

【０００５】また、前記ファンネル３の後方に形成され
た瓶の首型のネック部４には電子ビーム９を放出する電
子銃１３が封入されていて、前記ネック部４の外側には
垂直及び水平方向に磁界を形成して電子ビーム９がパネ
ル１の全域に亘って照射されるように偏向させるヨーク
１５が取り付けられている。

【０００６】かかる構成の平面陰極線管は、その後方に
露出された複数のステムピン１６に電源電圧が印加され
ると電子銃１３を構成するヒータの発熱によってカソー
ドから熱電子（電子ビーム）が放出され、放出された電
子ビーム９は電子銃１３を構成する複数の電極を順に通
過しながら制御、加速、集束され、その後の電子ビーム
の進行経路上に位置したマスク１１を通過しながら色が
選別されてパネル１の内面に塗布された蛍光膜２と衝突
する。

【０００７】この時、前記ネック部４の外周上に取り付
けられたヨーク１５によって電子ビーム９がスクリーン
の全域に偏向されることによって画像が実現される。な
お、前記電子銃１３から照射された電子ビーム９は図２
及び図３に示すようにマスク１１を通過する時全体の電
子ビームのうち、約２０〜２５％だけがビーム通過孔１
０を通過し、残りの約７５〜８０％は孔のない無孔部１
２によって遮断される。

【０００８】この時、マスク１１によって遮断された電
子ビーム９は熱エネルギーに変換されつつマスク１１を
熱膨張させ、スクリーンに入射される電子ビームの進路
を変更させることによって色の純度を低下させる、いわ
ゆるドーミング（doming）現象を発生させる。

【０００９】そこで、前記マスク１１のドーミング現象
を防止するために、引張りが可能なテンションマスクが
適用されているが、かかるテンションマスクはレール結
合体７上にテンションマスクを固定する前に予め張力を
加えて熱膨張力に対抗できるようにしたものである。か
かる張着を可能にするにはマスク１１が材質的な特性及
び適した厚さを保持すべきであるが、通常マスク１１の
厚さは２５〜８０μm位の範囲内に決められている。

【００１０】しかしながら、マスク１１の厚さが前記範
囲内にあってもマスク１１を平らにするための圧延加工
をさらに１〜２回位行うべきであるので工程時間の遅延
はもちろんのこと価格上昇の原因となっている。

【００１１】また、製造工程のうち、マスク１１がしわ
くちゃになるか、折れたり、破れたりするなどの塑性変
形及び損傷が起こりやすいので生産性の低下の要因とな
っている。また、変形のおそれによってマスク１１上に
付着された異物質を除去するための洗浄が不可能である
のでマスク１１に形成されたビーム通過孔１０に異物質
が挿入されるなどの不具合が生じる。

【００１２】また、陰極線管の外部からの微細な衝撃に
もマスクが振動しつつそのマスクを通過した電子ビーム
がスクリーン上で自己の色と衝突せず異色と衝突するこ
とによって画面が波立つように震えるいわゆるハウリン
グ現象が生じるという問題点がある。これを解決するた
めには、図３のようにマスク１１の厚さを許容可能な範
囲のうち、最大値の８０μｍ位まで厚くする。

【００１３】しかしながら、他の問題点としては、特に
マスク１１が厚いことから、これに形成されたビーム通
過孔１０の壁面の厚さも当然厚くなりビーム通過孔を通
過する電子ビーム９の透過率が低下する。

【００１４】即ち、図４及び図５に示すように二つのマ
スク１１の厚さがｔ₁<Ｔ₁であれば、ビーム通過孔１０
の壁面テーパーもｔ_２<Ｔ_２になり、これに伴って縦方
向の各ビーム通過孔１０の間に形成されたブリッジ面積
もまたｓ_３<Ｓ_３となる。

【００１５】これによって大きくなったブリッジ１２の
面積によって電子ビーム９の遮断量が増加して電子ビー
ムの実透過率が減少され、これは輝度を低下させる問題
をも招く。

【００１６】

【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来技術
の問題点を解決するためになされたもので、マスクの構
造を改善してハウリング及びドーミングを低減すると共
に輝度を向上させることのできるカラー陰極線管用マス
クを提供することを目的とする。

【００１７】

【課題を解決するための手段】本発明に係るカラー陰極
線管用マスクは、列状に配置された複数のビーム通過孔
を有し、ビーム通過孔の間の部分が幅方向の無孔部を相
互に連結するブリッジを形成するとき、電子銃に向かう
側のブリッジの厚さを、ブリッジを除いた部分の厚さよ
り薄くしたことを特徴とする。

【００１８】

【発明の実施の形態】以下、添付の図６ないし図８を参
照して本発明をより詳細に説明する。先ず、マスクは電
子ビーム９が選別的に透過されるようにビーム通過孔が
一定したパタンで複数形成され、前記ビーム通過孔のう
ち縦方向に配列された各ビーム通過孔の間には無孔部を
相互に連結したブリッジが形成されている。

【００１９】この時、本発明のマスク３０は図６のよう
にその厚さを許容可能な厚さの範囲のうち、最大値であ
る約８０μｍにして、厚さが薄いことによって発生され
ていた問題を解決できるようにした。また、厚さが厚く
なっていることに伴う電子ビームの実透過率の減少を次
のように解決している。

【００２０】即ち、マスク３０のブリッジ３２またはブ
リッジを含んでいるビーム通過孔３４の周辺部の厚さ
を、ブリッジを除いた部分の厚さより相対的に薄くする
ことによってビーム透過率を向上させるるようにした。

【００２１】前記ビーム透過率はビーム通過孔３４の厚
さ及びブリッジ３２が厚いほど低下し、薄いほど増加す
ることに鑑みるとき、本発明のマスク３０はビーム通過
孔３４及びブリッジ３２を薄くすることによってビーム
透過率を増大させることができる。この時、前記マスク
３０で厚さの薄い部分の幅Ａは図７のようにビーム通過
孔の幅Ｂより狭くなく、かつ、ビーム通過孔の幅の２倍
以下にしなければならない（Ｂ≦Ａ≦２Ｂ）。

【００２２】これは、厚さの薄い部分の幅Ａがビーム通
過孔の幅Ｂより小さいと、ブリッジ３２の一部分だけが
薄くなるのでビーム透過率の上昇効果が劣り、逆に厚さ
の薄い部分の幅Ａがビーム通過孔の幅Ｂの２倍より広い
とマスク３０の引張強度が低下されるという問題が発生
するからである。

【００２３】また、前記マスク３０で厚い部分と薄い部
分とは図８のように、厚さの厚い部分の厚さの１／８以
上で、かつ、厚さの厚い部分の厚さの６／８以下という
関係を保持しなければならない。これは、薄い部分の厚
さが厚い部分の１／８より薄いとマスクの引張強度が弱
くなるという問題が発生し、逆に薄い部分の厚さが厚い
部分の６／８より厚いと厚さの増加と共にビーム通過率
が低下するからである。

【００２４】また、前記ブリッジ３２またはブリッジ３
２を含むビーム通過孔３４の周辺部を薄くするために、
ブリッジ３２またはブリッジ３２を含むビーム通過孔３
４の周辺部の電子銃１３に向かう側またはパネル１に向
かう側のうちいずれかの一面を陥没させるか、あるいは
両面を均一に陥没させる。しかし、製造工程上、都合の
良い電子銃１３に向かう面を陥没させるのがより望まし
い。この時、陥没方法としては薄板の食刻に主に用いら
れるハーフエッチング（half etching）方法が用いられ
る。

【００２５】以上本発明は、ブリッジ３２またはブリッ
ジ３２を含んだビーム通過孔３４の周辺部をハーフエッ
チングによって薄くすることによって、電子ビーム９の
入射方向に対してブリッジ３２の面積が減ることになり
電子ビーム９がブリッジによって遮断される量を減らす
ことができる。従って、マスク３０は厚い状態を保持す
ることによって振動を抑制できることはもちろん、一律
的な厚さを有するマスクに比べてビーム通過孔３４を通
過する電子ビーム９の透過量を増やすのみならず、スク
リーンの輝度を向上させることができる。

【００２６】

【発明の効果】本発明のマスクは、厚さが厚いため、製
作工程のうち、マスクの変形が防止できるばかりでな
く、陰極線管に取り付けられた後、陰極線管の外側から
衝撃が加えられても振動発生量が大きくないのでハウリ
ングを防止することができる。

【００２７】また、変形のおそれのため洗浄工程を採用
することが不可能であった薄いマスクに比べて洗浄工程
が入っても変形のおそれがないのでビーム通過孔が異物
質によって詰まる現象を防止することができる。

【００２８】また、全体的なマスクの厚さは厚くてもハ
ーフエッチングによってビーム通過孔の周辺部は薄く形
成されるので２５μｍのマスクの透過率とほぼ同一な状
態を保持することができる。

【００２９】また、マスクを平らにするための圧延工程
を３回から１回または２回に減らすことで工程の単純化
のみならず、マスクの移送時変形のおそれがないので原
資材普及の迅速性が向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】一般的な平面陰極線管の構造を示した縦断面
図。

【図２】従来のマスクの構造を示した斜視図。

【図３】図２のＡ部拡大図。

【図４】図３のＩ−Ｉ線断面図。

【図５】従来の厚いマスクの要部断面図。

【図６】本発明によるマスクの構造を示した要部斜視
図。

【図７】図６のII−II線断面図。

【図８】図６のIII−III線断面図。

【符号の説明】

３０マスク３２ブリッジ３４ビーム通過孔

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】列状に配置された複数のビーム通過孔を有
し、前記ビーム通過孔の間の部分が幅方向の無孔部を相
互に連結するブリッジを形成するカラー陰極線管用マス
クにおいて、電子銃に向かう側の前記ブリッジの厚さを、前記ブリッ
ジを除いた部分の厚さより薄くしたことを特徴とするカ
ラー陰極線管用マスク。
【請求項２】厚さの薄い部分の厚さが、厚さの厚い部分
の厚さの１／８以上で、かつ、厚さの厚い部分の厚さの
６／８以下であることを特徴とする請求項１に記載のカ
ラー陰極線管用マスク。
【請求項３】厚さの薄い部分の幅（Ａ）が、前記ビーム
通過孔の幅（Ｂ）より狭くなく、かつ、ビーム通過孔の
幅（Ｂ）の２倍以下であることを特徴とする請求項１に
記載のカラー陰極線管用マスク。
【請求項４】前記ブリッジを含む前記ビーム通過孔の周
辺部の厚さを、前記周辺部を除いた部分の厚さより薄く
したことを特徴とする請求項１に記載のカラー陰極線管
用マスク。
【請求項５】前記ブリッジ又は前記ブリッジを含む前記
ビーム通過孔の周辺部がエッチングによって陥没された
ことを特徴とする請求項４に記載のカラー陰極線管用マ
スク。
【請求項６】厚さの薄い部分の厚さが、厚さの厚い部分
の厚さの１／８以上で、かつ、厚さの厚い部分の厚さの
６／８以下であることを特徴とする請求項４に記載のカ
ラー陰極線管用マスク。
【請求項７】厚さの薄い部分の幅（Ａ）が、前記ビーム
通過孔の幅（Ｂ）より狭くなく、かつ、ビーム通過孔の
幅（Ｂ）の２倍以下であることを特徴とする請求項４に
記載のカラー陰極線管用マスク。
【請求項８】マスク自体の厚さが２５〜８０μmである
ことを特徴とする請求項１に記載のカラー陰極線管用マ
スク。