JP2001171497A - 車両用衝突防止装置 - Google Patents

車両用衝突防止装置

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JP2001171497A
JP2001171497A JP35968199A JP35968199A JP2001171497A JP 2001171497 A JP2001171497 A JP 2001171497A JP 35968199 A JP35968199 A JP 35968199A JP 35968199 A JP35968199 A JP 35968199A JP 2001171497 A JP2001171497 A JP 2001171497A
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JP
Japan
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braking
automatic
reaction force
braking operation
driver
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JP35968199A
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English (en)
Inventor
Mitsuaki Hagino
光明 萩野
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
  • Regulating Braking Force (AREA)
  • Traffic Control Systems (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 要制動対象物を検知して自動制動制御を行っ
ている際に、運転者の制動操作を検出したときに、自動
制動制御を違和感無く、円滑に解除する。 【解決手段】 自車走行経路前方の要制動対象物を検知
したときに、自動制御減速度GT を算出し、これに基づ
いて基準ペダル反力RF0を設定し、さらに基準ペダル
反力RF0に基づいてペダル反力−ストローク特性を設
定する。このとき、ブレーキペダルを踏込み開始した時
点で始動制動制御を解除する基準ストロークS0を設定
し、ブレーキペダルストロークSが基準ストロークS0
に所定値ΔSを加算した値を越えてから基準ストローク
S0未満となった時点で自動制動制御を解除し、以後ペ
ダルストロークSに応じて減速度指令値を算出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自車進路前方の低
速或いは停止している先行車両、歩行者、障害物等の自
車が制動を必要とする要制動対象物を検出したときに自
動的に制動状態として要制動対象物への衝突を未然に防
止する車両用衝突防止装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の車両用衝突防止装置としては、例
えば特開平5−278581号公報(以下、第1従来例
と称す)、特開平10−147222号公報(以下、第
2従来例と称す)及び特開平11−189140号公報
(以下、第3従来例と称す)に記載されたものが知られ
ている。
【0003】第1従来例には、レーダ等により検出され
た障害物との距離、相対速度及び自車速度、経路(操舵
角)に基づき、障害物への衝突の可能性を算出し、規定
の閾値を越えた場合に警報を発令し、警報発令にもかか
らわず、運転者の衝突回避操作がなされない場合或いは
衝突の可能性がさらに高い場合には、自動制動状態に移
行して、対象としている障害物への衝突を防止し、自車
速が先行車速以下で且つ車間距離が解除車間距離以上と
なったときに自動制動状態を解除するようにした車両の
自動制動装置が開示されている。
【0004】第2従来例には、自動制動が行われて停止
状態となった後に、車速が所定値以上となって再び走行
を開始したと判定されたときに、自動制動による制動力
を解除するようにした車両の自動制動制御装置が開示さ
れている。第3従来例には、運転者のブレーキ操作操作
量から緊急性判断を行い、緊急時には、運転者のブレー
キペダル踏込量に相当する制動力に上乗せした制動力を
発生させ、制動距離を短縮することができる自動ブレー
キ機能(いわゆるブレーキアシスト機能)を有するもの
において、運転者のペダル操作量の減少度合いから、緊
急時の自動ブレーキ機能を解除する解除手段を備えたブ
レーキ装置が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記第
1従来例及び第2従来例にあっては、運転者がブレーキ
操作を行わなくても、レーザレーダなどの距離情報から
自動的に制動する従来の車両用衝突防止装置では、自動
制動開始時に運転者がブレーキペダルを踏んだ後、ブレ
ーキペダルを緩めて制動力を解除しようとした場合で
も、自車速が先行車車速以下で且つ車間距離が解除車間
距離以上であるか又は自動制動制御で停止状態となった
後に車速が所定値以上となるという所定解除条件が成立
しない場合には自動制動による制動力が作動し続けるの
で、他の衝突回避操作へ移行しづらいという未解決の課
題がある。
【0006】すなわち、特に歩行者や自転車など低速で
移動している者や、電柱や駐停車車両など停止物へ接近
する状況においては、一旦自動制動が作動し、危険状態
に気付けば、運転者が自らブレーキペダルを踏んでいる
場合が多い。このような状況では、運転者が周辺の状況
に注意を払いながら、対象となる歩行者、自転車に合わ
せて徐行させたり、操舵により進路変更を行うために、
制動力を弱めようとして、ブレーキペダルを緩める操作
う行う。ところが、第1従来例では、自車両が完全に停
止したあとに、車速が所定値とならない限り、制動力は
解除されず、次の操作に移行しにくい。
【0007】また、第3従来例にあっては、運転者がブ
レーキを踏込んだ時の踏込速度が規定値以上の場合に自
動ブレーキが作動し、その後運動者が踏込んでいたブレ
ーキ踏込量の最大値から所定値戻した時点で自動ブレー
キ機能を解除するようにしているが、この第3従来例で
前提とされている自動ブレーキ機能は、運転者が自ら緊
急ブレーキ操作を実施した場合に発生するものであり、
言い換えれば運転者の意志に基づいたタイミングで自動
ブレーキが作動されている。したがって、たとえ自動ブ
レーキであっても運転者には、自分のブレーキペダル操
作タイミングに応じた制動と感じられるが、運転者が障
害物の接近に気づかず、先に自動制御が作動し、それに
気づいた後に運転者が自らブレーキペダルを踏込む場合
には、踏込むべき目標ペダル操作量が運転者に分かりに
くい。しかも、先に自動ブレーキを作動させている場合
には自動ブレーキ力を発生させる機構的な制約により、
ペダル踏み始めに運転者が感じるペダル反力が、通常時
に運転者が自ら踏み始めることにより制動力が発生する
場合よりも大きく、その後のペダルストロークと反力と
の関係もアクチュエータに応じて異なる。例えば、負圧
式の倍力装置に付加されたソレノイドバルブを駆動する
ことによって、大気弁を強制的に解放して制動力を発生
させるタイプを用いて制動力を付加する場合には、発生
させている制動力に応じた量だけブレーキぺダルが初期
値よりも引き込まれており、ペダル反力もそれに応じた
大きさで立ち上がる。したがって、運転者がペダルを踏
込もうとしても、ペダル反力が軽い通常のペダル操作初
期ほど大きな速度で踏込むことができず、踏込量もほと
んど無い可能性が高い。このため、運転者の踏込量の最
大値、或いは最大値となる時点が、運転者が期待する最
大制動力や最大制動力を発生して欲しい時点とは限らな
いため、従来例のように単純に自動ブレーキ機能作動中
の運転者の最大踏込量からの踏込減少量を開示のタイミ
ングとして設定しても、運転者が真に自動ブレーキを解
除したいのかどうかを判定しにくいという未解決の課題
がある。
【0008】さらに、運転者のブレーキペダル操作を検
出して自動減速を解除するものとして所謂アダプティブ
・クルーズ・コントロールシステムが提案されている
が、このコントロールシステムでは、運転者のブレーキ
ペダル操作により先行車追従モードを解除するのが一般
的である。しかしながら、本発明が対象とする衝突防止
のための自動制動における減速度は、高速道路での利便
性を意図した上記コントロールシステムにおける減速度
に比較してかなり大きく、しかも大抵の場合、運転者が
危険に気付かず意図しないときに作動されるので、自動
制動直後になされるブレーキペダル操作は、パニックブ
レーキとなる可能性がある。したがって、運転者がブレ
ーキペダルを踏んだ瞬間に自動制動を解除することは必
要以上の制動力となる可能性があるため、却って運転者
の意志に反する減速結果となる可能性がある。
【0009】そこで、本発明は、上記従来例の未解決の
課題に着目してなされたものであり、自動制動中になさ
れる運転者の制動操作に応じて、適切に自動制御を解除
することによって、運転者の意図に対応した自動制御の
解除を行うことができる車両用衝突防止装置を提供する
ことを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係る車両用衝突防止装置は、自車が制動
を必要とする前方の要制動対象物を検出する制動対象物
検出手段と、該制動対象物検出手段の検出結果に基づい
て前記要制動対象物への衝突を防止可能な制動力を演算
し、演算した制動力を発生させるように制動操作部を制
御する自動制動制御手段とを備えた車両用衝突防止装置
において、前記自動制動制御手段で発生させる制動力に
対応する制動操作量を演算する自動制動操作量演算手段
と、運転者の制動操作量を検出する制動操作量検出手段
と、前記自動制動制御手段で自動制動を開始した後にお
ける運転者の制動操作開始時に前記自動制動操作演算手
段で演算した制動操作量をもとに自動制動解除基準値を
演算する基準値演算手段と、前記自動制動制御手段によ
る自動制動中に、前記制動操作量検出手段で検出した運
転者の制動操作量が前記基準値演算手段で演算した自動
制動解除基準値を下回った時点で自動制動を解除する自
動制動解除手段とを備えたことを特徴としている。
【0011】この請求項1に係る発明においては、制動
対象物検出手段で、低速又は停止している先行車、歩行
者、自転車、その他の障害物等の自車両が制動を必要と
する要制動対象物を検出することにより、自動制動制御
手段で、要制動対象物への衝突を防止可能な制動力を演
算し、この制動力を制動操作部で発生させるように制御
している自動制動中に、自動制動操作量演算手段で、自
動制動制御手段で発生させる制動力に対応する制動操作
量即ちブレーキペダルストローク、ブレーキペダル反力
等を演算すると共に、運転者が制動操作を開始した時点
で、基準値演算手段で自動制動操作量演算手段で演算さ
れた制動操作量を自動制動解除基準値として設定し、そ
の後運転者の制動操作量が自動制動解除基準値を下回っ
たときに自動制動を解除する。
【0012】また、請求項2に係る車両用衝突防止装置
は、請求項1に係る発明において、前記自動制動操作量
演算手段は、制動操作量として制動操作反力を演算する
ように構成されていると共に、該自動制動操作量演算手
段で演算した制動操作反力を前記制動操作部で発生させ
る操作反力生成手段を備え、前記基準値演算手段は、自
動制動中に、運転者が制動操作を開始した時点の前記操
作反力に相当する制動操作量をもとに基準制動操作量を
演算するように構成されていることを特徴としている。
【0013】この請求項2に係る発明においては、自動
制動操作量演算手段で、自動制動制御手段で制動操作部
を制御して制動力を自動的に発生させたときに、その制
動力に相当する運転者が制動操作を行ったときに生じる
ブレーキペダル反力等の制動操作反力を演算し、この制
動操作反力を操作反力生成手段で発生させると共に、基
準値演算手段で、運転者が制動操作を開始した時点の自
動制動操作量演算手段で演算した操作反力を基準制動操
作量として演算することにより、その後の自動制動中
に、運転者の制動操作による操作反力が基準制動操作量
以下となったときに自動制動を解除する。
【0014】さらに、請求項3に係る車両用衝突防止装
置は、請求項1に係る発明において、前記自動制動操作
量演算手段は、自動制動中に制動操作をした場合の制動
操作反力を推定する制動操作反力推定手段を有し、前記
基準値演算手段は、自動制動中に、運転者が制動操作を
開始した時点で前記制動操作反力推定手段で推定される
制動操作反力をもとに基準制動操作量を演算するように
構成されていることを特徴としている。
【0015】この請求項3に係る発明においては、自動
制動操作量演算手段で、自動制動中に、発生する制動力
に相当する制動操作した場合のブレーキ踏力等の制動操
作反力を例えばマスタシリンダ圧から推定し、基準値演
算手段で、自動制動中に、運手者が制動操作を開始した
時点で制動操作反力推定手段で推定される制動操作反力
をもとに基準制動操作量を演算することにより、その後
の自動制動中に、運転者の制動操作によるブレーキ踏力
等の操作反力が基準制動操作量以下となったときに自動
制動を解除する。
【0016】さらにまた、請求項4に係る車両用衝突防
止装置は、自車が制動を必要とする前方の要制動対象物
を検出する制動対象物検出手段と、該制動対象物検出手
段の検出結果に基づいて前記要制動対象物への衝突を防
止可能な制動力を演算し、演算した制動力を発生させる
ように制動操作部を制御する自動制動制御手段とを備え
た車両用衝突防止装置において、前記自動制動制御手段
で発生させる制動力に対応する制動操作反力及び/又は
制動ストロークを演算する自動制動操作量演算手段と、
運転者の制動操作反力及び/又は制動ストロークを検出
する制動操作量検出手段と、前記自動制動制御手段で自
動制動を開始した後における運転者の制動操作開始時に
前記自動制動操作演算手段で演算した制動操作反力及び
/又は制動ストロークをもとに基準制動操作反力及び/
又は基準制動ストロークを演算する基準値演算手段と、
前記自動制動制御手段による自動制動中に、前記制動操
作量検出手段で検出した運転者の制動操作反力及び/又
は制動ストロークが前記基準値演算手段で演算した基準
制動操作反力及び/又は基準制動ストロークを下回った
時点で自動制動を解除する自動制動解除手段とを備えた
ことを特徴としている。
【0017】この請求項4に係る発明においては、自動
制動操作量演算手段で、制動操作部で発生させる制動力
に対応するブレーキペダル反力等の制動操作反力及び/
又は制動ストロークを演算すると共に、制動操作量検出
手段で運転者の制動操作による制動操作反力及び/又は
制動ストロークを検出し、基準値演算手段で、自動制動
を開始した後に制動操作量検出手段で運転者の制動操作
の開始を検出したときに、そのときの自動制動操作量演
算手段で演算した制動操作反力及び/又は制動ストロー
クをもとに基準制動操作反力及び/又は基準制動ストロ
ークを演算し、自動制動解除手段で、自動制動制御手段
による自動制動中に、前記制動操作量検出手段で検出し
た運転者の制動操作反力及び/又は制動ストロークが前
記基準値演算手段で演算した基準制動操作反力及び/又
は基準制動ストロークを下回った時点で自動制動を解除
する。
【0018】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、自動制動
制御手段で制動操作部を制御している自動制動中に、運
転者が制動操作を開始した時点で、車両に加えられてい
る制動力に相当する制動操作量を基準値として設定し、
その後に運転者の制動操作量が基準値を下回った時点で
自動制動を解除するように構成したので、自動制動の解
除時点で運転者の制動操作による制動力のみが作用する
ことになり、運転者に違和感を与えることなく自動制動
を解除することができると共に、制動操作を加減しなが
ら要制動対象物に対する回避処理を行うことができると
いう効果が得られる。
【0019】また、請求項2に係る発明によれば、自動
制動中に、運転者が制動操作を開始した時点で制動操作
反力生成手段によってブレーキペダルに与えられている
制動操作反力を基準値に設定し、この基準値とそれ以降
になされる運転者の制動操作量とを比較して自動制御を
解除するので、運転者にははじめにブレーキペダルを踏
み始めた段階でのペダル踏力を基準として、ペダル踏力
を緩めた時点で、自動制動力が解除されることを実感す
ることができ、運転者の意図に対等して違和感なく次の
操作に移行することができるという効果が得られる。
【0020】さらに、請求項3に係る発明によれば、自
動制動中に、運転者が制動操作を開始した時点で、運転
者が感じる制動反力を推定してこれを基準値とし、これ
以降の運転者の制動操作力が基準値を下回った段階で適
切に自動制御を解除するので、制動反力生成手段を設け
ることなく、運転者には自己がブレーキを踏み始めた時
点よたもブレーキ踏力を緩めた時点で、自動制動力が解
除されるように感じられ、運転者の意図に対応して違和
感なく次の操作に移行することができるという効果が得
られる。
【0021】さらにまた、請求項4に係る発明によれ
ば、自動制御中に、運転者が制動操作を開始した時点
で、運転者が感じる制動反力と、ブレーキペダルのスト
ロークとの何れか一方又は双方を基準値として設定し、
以降の運転者の制動操作による制動反力と、ブレーキペ
ダルストロークとの何れか一方又は双方が基準値を下回
った時点で適切に自動制御を解除するので、自動制動に
よってブレーキペダルが移動してしまう車両において
も、運転者には、自己がブレーキを踏み始めた段階より
もブレーキ踏力を緩めた時点で自動制動力が解除される
ように感じられ、運転者の意図に対応し違和感なく次の
操作に移行することが可能となるという効果が得られ
る。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態を示
す概略構成図であり、図中、1は例えばマイクロコンピ
ュータを含んで構成される制御装置であって、この制御
装置1の入力側に、に自車の走行経路を検出するための
ステアリングホイールの操舵角を検出する操舵角センサ
2、自車のヨーレートを検出するヨーレートセンサ3及
び車両加減速度を検出する加減速度センサ4の各検出信
号が入力されると共に、自車速VSPを演算するための各
車輪の車輪速を検出する車輪速センサ5FL〜5RR
と、車両前方の物体をレーザ又はミリ波を使用して検出
するレーダ6及び単眼又は複眼のビデオカメラ7の各検
出情報が入力され、また、運転者の操作量を検出するブ
レーキスイッチ8、ブレーキペダル9のストロークを検
出するブレーキストロークセンサ10、アクセルペダル
11のストロークを検出するアクセルストロークセンサ
12の各検出信号が入力される。
【0023】さらに、制御装置1の出力側には、ブレー
キペダル9に対してペダル反力を生成するブレーキペダ
ル反力生成装置13と、各車輪に設けられたブレーキを
制御するブレーキアクチュエータ14と、警報音を発生
する警報器15と、障害物の情報を表示する警報表示部
16とが接続されている。ここで、ブレーキペダル反力
生成装置13は、図2に示すように、ブレーキペダル9
のプッシュロッド9aの周囲に配設されたソレノイド1
7を有し、このソレノイド17を励磁することによりブ
レーキペダルの踏込方向と逆方向の電磁力を発生させ、
この電磁力によってペダル反力を発生させ、ソレノイド
17に与える励磁電流を制御することにより、所望のペ
ダル反力を発生させる。
【0024】また、ブレーキアクチュエータ14は、ブ
レーキペダル9とは切り離されており、所謂ブレーキバ
イワイヤ方式の構成を有する。そして、制御装置1は、
入力される操舵角θ、ヨーレートψ、車両加減速度Gと
自車速VSPとに基づいて自車の走行経路を算出すると共
に、レーダ6及びビデオカメラ7から入力される車両前
方物体情報を参照して、車両前方物体が自車が制動を必
要とする要制動対象物であるか否かを判定し、要制動対
象物であるときには、要制動対象物の自車に対する相対
位置(進行方向の距離、横位置)と、相対速度とを算出
し、自車との衝突の可能性が大きい場合には、警報器1
5で警報音を発生させると共に、警報表示部16に制動
対象物の情報を表示し、さらに運転者がこれら警報に反
応せず、ブレーキペダル9を踏込まない場合には、ブレ
ーキアクチュエータ14を、要制動対象物に衝突しない
ために必要な目標減速度に応じた制動力を発生するよう
に自動制動制御する。
【0025】次に、上記第1の実施形態の動作を制御装
置1で実行する図3に示すフローチャートを伴って説明
する。すなわち、制御装置1では、所定時間(例えば1
0msec)毎のタイマ割込処理として図3に示す自動
制動制御処理を実行し、先ず、ステップS1で、操舵角
θ、ヨーレートψ及び車両加減速度Gに基づいて自車の
走行経路を算出すると共に、レーダ6及びビデオカメラ
7からの自車前方物体情報、相対速度に基づいて、自車
の走行経路に自車が制動を必要とする要制動対象物が存
在し、衝突の可能性が高いか否かを判定する。この判定
結果が、自車が制動を必要とする要制動対象物が存在し
ない場合即ち自車走行経路に制御対象物が存在しない場
合や自車走行経路に先行車が存在するがその速度が自車
速VSP以上である場合には、自動制動制御を行う必要が
ないものと判断してステップS2に移行し、後述する自
動制動制御状態フラグFBを“1”にセットすると共
に、運転者制動移行可能フラグFDを“0”にリセット
してからタイマ割込処理を終了して所定のメインプログ
ラムに復帰し、自車走行経路に要制動対象物が存在する
場合には、ステップS3に移行する。
【0026】このステップS3では、自動制動制御状態
であるか否かを表す自動制動制御状態フラグFBが自動
制動制御状態であることを表す“1”にセットされてい
るか否かを判定し、これが“1”にセットされていると
きには自動制動動制御状態であると判断してステップS
4に移行し、自動制動制御状態フラグFBが“0”にリ
セットされているときには自動制動制御が解除されたも
のと判断して後述するステップS18に移行する。
【0027】ステップS4では、自車速VSP、要制動対
象物との相対距離及び相対速度から算出される要制動対
象物に到達するまでの送達予想時間と目標停止位置とか
ら定まる危険度パラメータWL を算出し、この危険度パ
ラメータWL をもとに図4に示す目標減速度算出マップ
を参照して目標減速度GT を算出する。ここで、目標減
速度算出マップは、図4に示すように、危険度パラメー
タWLが所定値WL1より小さい値では、目標減速度GT
が緩やかに増加するが、危険度パラメータWL が所定値
L1以上となると危険度パラメータWL の増加に比例し
て目標減速度GT が急激に増加し、危険度パラメータW
L が所定値WL1より大きい所定値WL2以上となると目標
減速度GT が最大目標減速度GTmaxに固定されるように
設定されている。
【0028】次いで、ステップS5に移行して、目標減
速度GT をもとに図5に示す基準ペダル反力算出マップ
を参照して基準ペダル反力RF0を算出する。ここで、
基準ペダル反力算出マップは、図5に示すように、目標
減速度GT が“0”であるときに基準ペダル反力RF0
も“0”となり、この状態から目標減速度GT が増加す
るに応じて基準ペダル反力RF0が曲線に沿って増加す
るように設定されている。
【0029】次いで、ステップS6に移行して、基準ペ
ダル反力RF0をもとにブレーキペダル反力RFとブレ
ーキペダルストロークSとの関係を表すペダル反力算出
マップを図6に示すように設定する。すなわち、先ず、
ブレーキペダルの戻し側の特性線L1については、ペダ
ルストロークSが“0”でペダル反力RFが“0”であ
る原点oから予め設定した傾きで基準ペダル反力RF0
に達するa点まで線分L1A を引き、このa点からペダ
ルストロークの最大値Smax とペダル反力RFの最大値
RFmax との交点bからヒステリシス幅ΔSだけ減じた
点cと前記点aとを結ぶ線分L1B と、点b及びc間を
結ぶ線分L1C とで形成し、同様にブレーキペダルの踏
込側の特性線L2については、原点oとこの原点oから
ヒステリシス幅ΔS分オフセットした点dとを結ぶ線分
L2A と、点dと点aに対してヒステリシス幅ΔS分オ
フセットした点eとを結ぶ線分L2B と、点e及び点b
間を結ぶ線分L2C とで形成されている。
【0030】次いで、ステップS7に移行して、運転者
がブレーキペダル9を踏込んでいるか否かを判定する。
この判定は、ブレーキスイッチ8がオン状態であるか否
かを判定することにより行い、ブレーキスイッチ8がオ
フ状態であるときには、ブレーキペダル9が解放されて
いるものと判断してステップS8に移行し、前記ステッ
プS4で算出した目標減速度GT を減速度指令値GT *
として設定してから後述するステップS15に移行し、
ブレーキスイッチ8がオン状態であるときには、運転者
によってブレーキペダル9が踏込まれているものと判断
してステップS9に移行する。
【0031】このステップS9では、自動制動状態とな
って最初の処理であるか否かを判定し、最初の処理であ
るときには、ステップS10に移行して、前記ステップ
S6で設定したペダル反力算出マップを参照して現在の
目標減速度GT に相当する基準ペダル反力RF0に相当
する、戻し側のペダルストロークを基準ストロークS0
として算出し、これをRAM等の記憶装置の所定記憶領
域に更新記憶してからステップS11に移行し、最初の
処理ではないときには直接ステップS11に移行する。
【0032】ステップS11では、運転者のブレーキペ
ダル9の踏込みによるブレーキペダルストロークSが基
準ストロークS0にヒステリシス幅ΔSを加算した値を
越えたことを表す運転者制動移行可能フラグFDが
“1”にセットされているか否かを判定し、これが
“0”にリセットされているときには、ステップS12
に移行して、現在のブレーキペダルストロークSが基準
ストロークS0にヒステリシス幅ΔSを加算した値を越
えているか否かを判定し、S>S0+ΔSであるときに
は、ステップS13に移行して、運転者制動移行可能フ
ラグFDを“1”にセットしてからステップS14に移
行し、S≦S0+ΔSであるときには前記ステップS8
に移行する。
【0033】ステップS14では、下記(1)式に従っ
て前記ステップS4で算出した自動制動制御による目標
減速度GT とブレーキペダル9のストロークSに応じた
ペダル反力RFをもとに図5の基準ペダル反力算出マッ
プを参照して算出した目標減速度GTDから目標減速度G
T を減算した値とを加算して、減速度指令値GT * を算
出し、次いでステップS15に移行して、減速度指令値
T * に対応した値の電流値でなるブレーキ圧指令値P
B を圧力制御弁27FL〜27RRに出力してからタイ
マ割込処理を終了して所定のメインプログラムに復帰す
る。
【0034】 GT * =GT +(GTD−GT ) …………(1) また、前記ステップS11の判定結果が、運転者制動移
行可能フラグFDが“1”にセットされているものであ
るときには、ステップS16に移行して、現在のブレー
キペダルストロークSが基準ストロークS0未満である
か否かを判定し、S≧S0であるときには前記ステップ
S14に移行し、S<S0であるときにはステップS1
7に移行する。
【0035】このステップS17では、自動制動制御を
解除するように、自動制動制御状態フラグFBを“0”
にリセットし、次いでステップS18に移行して、下記
(2)式の演算を行って自動制動制御状態から運転者に
よる制動状態に切換える切換え処理を行ってからステッ
プS19に移行する。 GT * =GT * (ta)−GT * (ta)・(S0−S)/S0 …………(2) ここで、GT * (ta)は自動制動制御が解除された時点t
aにおける減速度指令値である。
【0036】ステップS19では、減速度指令値GT *
が“0”であるか否かを判定し、G T * =0であるとき
には運転者によるブレーキペダル9の踏込みが解放され
たものと判断してステップS20に移行し、自動制動制
御状態フラグFBを“1”にセットすると共に、運転者
制動移行可能フラグFDを“0”にリセットしてから前
記ステップS14に移行し、GT * >0であるときには
直接ステップS14に移行する。
【0037】この図3の制動制御処理において、ステッ
プS4〜S6の処理が自動制動操作量演算手段に対応
し、ステップS7〜S10の処理が基準値演算手段に対
応し、ステップS11〜S17の処理が自動制動解除手
段に対応している。したがって、今、自車の走行経路に
制動制御を必要とする障害物や低速又は停止している先
行車等の要制動対象物が存在しない状態で走行している
場合には、図3の制動制御処理が実行されたときに、ス
テップS1からステップS2に移行し、自動制動制御状
態フラグFBを“1”にセットすると共に、運転者制動
移行可能フラグFDを“0”にリセットしてからタイマ
割込処理を終了することになり、ブレーキアクチュエー
タ14の各圧力制御弁27FL〜27RRに対してブレ
ーキ圧指令値PB が出力されることはなく、圧力制御弁
27FL〜27RRの制御ポートpcから出力される制
動圧は“0”に維持されて、ディスクブレーキ29FL
〜29RRが非制動状態に維持されている。
【0038】この状態で、図7の時点t0で、自車走行
経路に例えば渋滞の最後尾の先行車が存在する状態とな
ると、図3の制動制御処理が実行されたときに、ステッ
プS1で要制動対象物の存在を認識することからステッ
プS3に移行し、自動制動制御状態フラグFBが“1”
にセットされていることにより、ステップS4に移行し
て自車が要制動対象物に対して所定の停止時車間距離を
保って停止することができる目標減速度GT を算出す
る。このとき、自車速VSPが速く、要制動対象物が停車
した先行車である場合には、危険度パラメータWL が大
きな値WL0となって、図4に示すように、大きな目標減
速度GT0が算出される。
【0039】このため、図7(b)に示すように、時点
t0で目標減速度GT が急激にGT0まで増加する。この
時点t0で運転者はブレーキペダル9を踏込んでいない
ものとすると、ブレーキペダル9のペダルストロークS
が図7(c)に示すように“0”の状態を維持してい
る。このため、図3の制動制御処理では、ステップS5
で基準ペダル反力RF0を設定し、これに基づいてステ
ップS6に移行して図6のペダル反力算出マップを設定
してからステップS7に移行し、ブレーキペダル9が解
放されているので、ステップS8に移行して、減速度指
令値GT * として図7(a)に示すようにステップS3
で算出された目標減速度GT がそのまま設定され、次い
でステップS15で減速度指令値GT * に応じたブレー
キ圧指令値PB がブレーキアクチュエータ14の各圧力
制御弁27FL〜27RRに出力されることにより、こ
れら圧力制御弁27FL〜27RRからブレーキ圧指令
値PB に応じて制動圧がディスクブレーキ29FL〜2
9RRに供給されて、減速度指令値GT * に対応する制
動力が発生されて、自動制動制御状態となる。
【0040】その後、運転者が反応時間分だけ遅れた時
点t1でブレーキペダル9を踏込みを開始すると、これ
に応じて、ペダルストロークSが図7(c)に示すよう
に踏込速度に応じて増加する。このようにブレーキペダ
ル9が踏込まれると、図3の制動制御処理におけるステ
ップS7からステップS9を経てステップS10に移行
し、時点t1での目標減速度GT に相当する基準ペダル
反力FR0が算出され、この基準ペダル反力FR0をも
とに図6のペダル反力算出マップを参照して算出したペ
ダルストロークが基準ストロークS0として設定され
る。
【0041】この時点t1では図7(c)に示すよう
に、ペダルストロークSが基準ストロークS0を下回っ
ているので、ステップS11、S12を経てステップS
8に移行することになり、ステップS4で算出される目
標減速度GT が減速度指令値G T * として設定される状
態が継続される。その後、運転者がブレーキペダル9を
さらに踏込んで時点t2で、ペダルストロークSが基準
ストロークS0にヒステリシス幅ΔSを加算した値を越
える状態となると、ステップS12からステップS13
に移行して、運転者制動移行可能フラグFDを“1”に
セットしてからステップS14に移行して、前記(1)
に従って減速度指令値GT * を算出する。
【0042】このとき、運転者がブレーキペダル9を踏
込むことによるペダルストロークSに対応するペダル反
力RFが基準ペダル反力RF0より大きくなることによ
り、図5を参照して算出される目標減速度GTDが自動制
動制御による目標減速度GTより大きな値となるため、
算出される減速度指令値GT * は、図7(a)に示すよ
うに、自動制動制御による目標減速度GT に運転者のブ
レーキペダル操作による目標減速度GTDと目標減速度G
T との偏差分を加算した値となる。
【0043】したがって、ディスクブレーキ29FL〜
29RRで、減速度指令値GT * の増加分に応じて制動
力が増加されることになり、運転者のブレーキペダル9
の操作に応じた制動力が発生される。その後は、運転者
制動移行可能フラグFDが“1”にセットされることに
より、ステップS11からステップS16に移行し、ペ
ダルストロークSが基準ストロークS0以上であるとき
にはステップS14に移行して、前記(1)式による減
速度指令値GT * の算出を継続する。
【0044】このように、運転者のブレーキペダル9の
操作による目標減速度GTDの自動制動制御による目標減
速度GT との差分だけ減速度指令値GT * が大きな値と
なることにより、自車速VSPの低下量が自動制動制御の
みの場合に比較して大きくなるため、ステップS4で算
出される目標減速度GT は図7(b)に示すように、時
点t2以降で徐々に低下し、ステップS14で算出され
る減速度指令値GT *も図7(a)で示すように徐々に
減少する。
【0045】その後、時点t3で、運転者がブレーキペ
ダル9の踏込みを戻し始め、その後の時点taでペダル
ストロークSが基準ストロークS0を下回る状態となる
と、図3の制動制御処理において、ステップS16から
ステップS17に移行し、自動制動制御状態フラグFB
を“0”にリセットしてからステップS18に移行する
ことにより、前記(2)式に従って減速度指令値GT *
を算出する。
【0046】その後は、自動制動制御状態フラグFBが
“0”にリセットされていることにより、ステップS3
からステップS18に移行して前記(2)式の演算を繰
り返す。このため、図7(c)に示すようにペダルスト
ロークSが減少するに応じて、(2)式の右辺第2項の
値が大きくなるので、算出される減速度指令値GT *
図7(a)に示すようにペダルストロークSの減少に応
じて減少し、時点t4でペダルストロークSが“0”と
なると減速度指令値GT * も“0”となり、この時点t
4でステップS19からステップS20に移行して、自
動制動制御状態フラグFBが“1”にセットされると共
に、運転者制動移行可能フラグFDが“0”にリセット
されて、再度自動制動制御の開始が可能となる。
【0047】この自動制動制御が解除された状態で、運
転者がブレーキペダル9を踏み増した場合には、ペダル
ストロークSが増加することにより、ステップS18に
おける前記(2)式の右辺第2項の値が減少することに
より、算出される減速度指令値GT * が増加して、ディ
スクブレーキ29FL〜29RRで発生される制動力を
増加させることができる。
【0048】なお、自動制動制御中に運転者がブレーキ
ペダル9を踏込んだ場合には、図示しないペダル反力生
成処理によって、ペダルストロークSをもとに図6のペ
ダル反力算出マップを参照してペダル反力RFを算出
し、算出したペダル反力RFに応じたソレノイド電流を
ペダル反力生成装置13のソレノイド17に供給するこ
とにより、ブレーキペダル9を押し戻すペダル反力を発
生させて、運転者に適切なペダル踏込感覚を与えること
ができる。
【0049】また、要制動対象物が存在しない状態で、
例えば赤信号によって自車を停車させるためにブレーキ
ペダル9を踏込んだ場合には、このときのペダルストロ
ークSに基づいて図6に対応する通常のブレーキストロ
ークSとペダル反力RFN との関係を示す通常ペダル反
力算出マップを参照してペダル反力RFN を算出し、こ
れに応じてペダル反力生成装置13を制御すると共に、
算出したペダル反力RFN をもとに図5に対応する制御
マップを参照して目標減速度GTNを算出し、この目標減
速度GTNに対応するブレーキ圧指令値PB をブレーキア
クチュエータ14に出力することにより、ディスクブレ
ーキ29FL〜29RRで運転者のブレーキペダル9の
踏込量に応じた制動力を発生させる。
【0050】このように、上記第1の実施形態による
と、運転者は、自分が制動開始した時点のペダル反力
と、それに応じた減速度を基準に、その後のペダル操作
を制御するので、あたかも運転者に自身の操作に従って
制動力を発生させているように感じさせることができ、
違和感なくスムーズに、蛇行状態や操舵による回避へ移
行することができる。しかも、要制動対象物への衝突を
防止するための必要最低限の制動力を発生しているの
で、衝突回避を確実に行うことができる。
【0051】なお、上記第1の実施形態においては、ペ
ダルストロークSが基準ストロークS0にヒステリシス
幅ΔSを加算した値を越えた時点t2で自動制動制御に
よる目標減速度GT に運転者の操作による目標減速度G
TDの差分を加算する場合について説明したが、これに限
定されるものではなく、図3の制動制御処理において、
ステップS14を省略し、これに代えてステップS13
からステップS8に移行すると共に、ステップS16の
判定結果がS≧S0であるときにもステップS8に移行
して、図8(a)〜(c)に示すように、ペダルストロ
ークSが基準ストロークS0にヒステリシス幅ΔSを加
算した値を越えた時点t2移行も減速度指令値GT *
自動制動制御による目標減速度GT のみに基づいて算出
するようにしてもよい。
【0052】次に、本発明の第2の実施形態を図9及び
図10に基づいて説明する。この第2の実施形態は、要
制動対象物を検出した時点で運転者が既にブレーキペダ
ル9を踏込んでいる場合に対応させるようにしたもので
ある。すなわち、第2の実施形態では、制御装置1で実
行する制動制御処理が、図9に示すように、前述した第
1の実施形態における図3の制動制御処理において、ス
テップS12、ステップS14及びステップS16が省
略され、これらに代えてステップS21及びS22が設
けられていることを除いては図3と同様の処理を行い図
3との対応処理には同一ステップ番号を付しその詳細説
明はこれを省略する。
【0053】ここで、ステップS21では、ブレーキペ
ダル9の単位時間当たりのペダルストローク変化量で表
される戻し速度δS/Δtが設定値δS0(δS0<0)未
満であるか否かを判定し、δS/Δt≧δS0であるとき
には、運転者の制動操作に移行する可能性がないものと
判断して前記ステップS8に移行するが、δS/Δt<
δS0であるときには自動制動制御を解除して運転者の制
動操作に移行する可能があるものと判断してステップS
13に移行して運転者制動移行可能フラグFDを“1”
にセットしてからステップS22に移行する。
【0054】このステップS22では、現在のペダルス
トロークSが基準ストロークS0に下記(3)式で算出
される所定値ΔS1を加算した値未満であるか否かを判
定し、S≧S0+ΔS1であるときには前記ステップS
8に移行して自動制動制御を継続し、S<S0+ΔS1
であるときにはステップS17に移行して自動制動制御
を解除する。
【0055】 ΔS1=A/|δS/Δt| …………(3) ここで、Aは正の既定数である。この図9の制動制御処
理において、ステップS4〜S6の処理が自動制動操作
量演算手段に対応し、ステップS7〜S10の処理が基
準値演算手段に対応し、ステップS11,S13,S1
6〜S18,S21,S22の処理が自動制動解除手段
に対応している。
【0056】この第2の実施形態によると、先ず、運転
者が、要制動対象物を認識して時点tpでブレーキペダ
ル9を踏込み始め、これによってペダルストロークSが
図10(c)に示すように増加を始め、これに応じて図
6に対応する通常のブレーキストロークSとペダル反力
RFN との関係を示す通常ペダル反力算出マップを参照
してペダル反力RFN を算出し、これに応じてペダル反
力生成装置13を制御すると共に、算出したペダル反力
RFN をもとに図5に対応する制御マップを参照して目
標減速度GTNを算出し、この目標減速度GTNに対応する
ブレーキ圧指令値PB をブレーキアクチュエータ14に
出力することにより、ディスクブレーキ29FL〜29
RRで運転者のブレーキペダル9の踏込量に応じた制動
力を発生させる。
【0057】その後時点t0でレーダ6及びビデオカメ
ラ7で要制動対象物を検知すると、図9の制動制御処理
において、ステップS1からステップS3を経てステッ
プS4に移行し、前述した第1の実施形態と同様に図1
0(b)に示す自動制動目標減速度GT を算出し(ステ
ップS4)、基準ペダル反力RF0を設定し(ステップ
S5)、図6のペダル反力算出マップを選定してからス
テップS7に移行し、運転者がブレーキペダル9を踏込
んでいるので、ステップS9に移行し、初回処理である
ので、ステップS10にいこうして自動制動制御を解除
するための基準ストロークS0を算出してからステップ
S11を経てステップS21に移行する。
【0058】この時点t0では、運転者がブレーキペダ
ル9の踏込みを継続しているので、戻し速度δS/δt
が正の値となるため、ステップS8に移行して、ステッ
プS4で算出された自動制動目標減速度GT を減速度指
令値GT * として設定し、これに応じたブレーキ圧指令
値PB をブレーキアクチュエータ14の各圧力制御弁2
7FL〜27RRに出力して、ディスクブレーキ29F
L〜29RRで自動制動制御に応じた制動力を発生させ
る。
【0059】その後、時点t2で運転者がブレーキペダ
ル9の踏込みを戻し始めると、その戻し速度δS/Δt
が負の値となり、これが設定値δS0を下回ると図9の制
動制御処理において、ステップS21からステップS1
3に移行して、運転者制動移行可能フラグFDが“1”
にセットされる。しかしながら、時点taに達するまで
はペダルストロークSが基準ストロークS0に所定値Δ
S1を加算した値より大きいので、ステップS22から
ステップS8に移行して、自動制動制御が継続される。
【0060】その後、時点taでペダルストロークSが
基準ストロークS0に所定値ΔS1を加算した値を下回
る状態となると、ステップS22からステップS17に
移行して、自動制動制御が解除されて自動制動制御状態
フラグFBを“0”にリセットしてからステップS18
に移行して、図10(a)に示すように、運転者のペダ
ルストロークSの減少に応じて減速度指令値GT * を減
少させる。
【0061】このとき、所定値ΔS1が前記(3)式に
示すように、ブレーキペダル9の戻し速度δS/Δtに
基づいて算出されるので、戻し速度δS/Δtが速けれ
ば速い程所定値ΔS1が大きな値となることからこの分
自動制動制御の解除が早まることになる。このように、
上記第2の実施形態によると、運転者がブレーキペダル
を踏込んでディスクブレーキ29FL〜29RRを作動
させた後に、自動制動制御が作動した場合に、その自動
制動制御の必要性を運転者が容認しているかどうかを判
定することができ、素早くブレーキペダルを戻すこと
は、自動制動制御を不要と判断しているとみなし、早く
自動制動制御を解除する。したがって、運転者の自動制
動制御を解除する意志を、ブレーキペダル9のストロー
クだけで判断する場合よりも、より精度良く判定するこ
とができる。
【0062】次に、本発明の第3の実施形態を図11〜
図14について説明する。この第3の実施形態は、ブレ
ーキアクチュエータ14として、ブレーキバイワイヤ式
に代えてブレーキペダル9を負圧ブースタを介してマス
ターシリンダに接続した構成を有する場合に使用して好
適なものである。すなわち、第3の実施形態では、ブレ
ーキアクチュエータ14が、図11に示すように、ブレ
ーキペダル9のプッシュロッド9aが負圧ブースタ18
で倍力されてマスタシリンダ19に接続され、マスタシ
リンダ19から出力される作動油が電磁開閉弁31を介
して油圧ポンプ25の吸入側に接続されていると共に、
電磁開閉弁32FL〜32RRを介してディスクブレー
キ29FL〜29RRに接続された構成とされている。
そして、ブレーキペダル9の回動軸にブレーキペダル9
の踏力をトルクとして検出するブレーキペダル踏力セン
サ17が取付けられている。
【0063】そして、ブレーキペダル9を踏込んだ通常
制動時には、電磁開閉弁22及び31が閉状態に制御さ
れ、逆に32FL〜32RRが開状態に制御されて、負
圧ブースタ18で倍力されてマスタシリンダ19から吐
出される作動油が電磁開閉弁32FL〜32RRを介し
てディスクブレーキ29FL〜29RRに供給されるこ
とにより、ブレーキペダル9の踏込み量に応じた制動力
を発生し、自動制動制御時には、電磁開閉弁22及び3
1を開状態に、電磁開閉弁32FL〜32RRを閉状態
に制御して、圧力制御弁27FL〜27RRから出力さ
れる制動圧によってディスクブレーキ29FL〜29R
Rで自動制動制御の減速度指令値GT *に応じた制動力
を発生させる。
【0064】また、制御装置1には、図12に示すよう
に、第1の実施形態におけるブレーキペダル反力生成装
置13が省略されていると共に、新たにマスタシリンダ
圧P M を検出するブレーキペダル踏力センサ17が接続
されていることを除いては図1と同様の構成の有し、図
1との対応部分には同一符号を付しその詳細説明はこれ
を省略する。
【0065】そして、制御装置1では、図13に示す制
動制御処理を実行する。この制動制御処理は、第1の実
施形態における図3の制動制御処理において、ステップ
S5、ステップS6ステップS10、ステップS12、
ステップS14及びステップS16が省略され、これら
に代えてステップS41〜S43が追加されていること
を除いては図3と同様の処理を実行し、図3との対応処
理には同一ステップ番号を付しその詳細説明はこれを省
略する。
【0066】すなわち、ステップS9の判定結果が自動
制動制御開始後の初回処理であるときにステップS41
に移行して、自動制動制御を解除するための基準反力R
F0を推定演算してからステップS11に移行する。こ
こで、基準反力RF0の推定は、初回処理時にステップ
S4で算出した自動制動目標減速度GT0をもとに図14
に示す目標減速度GT とマスターシリンダ圧PM との関
係を示すマスタシリンダ圧算出マップを参照してマスタ
ーシリンダ圧PM0を算出し、このマスターシリンダ圧P
M0をブレーキペダル踏力に変換した値を基準反力RF0
として記憶する。
【0067】また、ステップS11の判定結果が運転者
制動移行可能フラグFDが“0”にリセットされている
ときにステップS42に移行して、現在のブレーキペダ
ル踏力センサ17で検出したブレーキ踏力BFが基準反
力RF0にヒステリシス幅ΔRFを加算した値を越えて
いるか否かを判定し、BF≦RF0+ΔRFであるとき
には運転者が自動制動制御を解除する意志がないものと
判断してステップS8に移行し、BF>RF0+ΔRF
であるときには運転者が自動制動制御を解除する意志が
あるものと判断してステップS13に移行して運転者制
動移行可能フラグFDを“1”にセットしてからステッ
プS8に移行する。
【0068】さらに、ステップS11の判定結果が、運
転者制動移行可能フラグFDが“1”にセットされてい
るものであるときには、ステップS43に移行して、現
在のブレーキペダル踏力センサ17で検出したペダル踏
力BFが基準反力RF0未満となったか否かを判定し、
BF≧RF0であるときにはブレーキペダル9の踏込み
を継続して自動制動制御を解除する意志がないものと判
断して前記ステップS8に移行し、BF<RF0である
ときには、ブレーキペダル9の踏込み状態から戻し状態
として自動制動制御を解除する意志があるものと判断し
て前記ステップS17に移行して、自動制動制御状態フ
ラグFBを“0”にリセットする。
【0069】この図13の制動制御処理において、ステ
ップS4の処理が自動制動操作量演算手段に対応し、ス
テップS7,S9及びS41の処理が基準値演算手段に
対応し、ステップS11,S13,S17,S18,S
42,S43の処理が自動制動解除手段に対応してい
る。この第3の実施形態によると、第1の実施形態と同
様に自動制動制御状態となった後に運転者がブレーキペ
ダル9を踏込むと、その時点のブレーキペダル踏力に相
当する基準反力RF0を推定し、その後ブレーキペダル
踏力センサ17で検出したブレーキペダル踏力BFが基
準反力RF0にヒステリシス幅ΔRFを加算した値を越
えたときに運転者が自動制動制御を解除する意志がある
と判断して運転者移行可能フラグFDを“1”にセット
し、その後ブレーキペダル踏力BFが基準反力RF0未
満となったときに、自動制動制御状態フラグFBを
“0”にリセットして自動制動制御を解除し、その後は
ブレーキペダルストロークSの減少に応じて減速度指令
値GT * を減少させて、徐々に制動力を低下させる。
【0070】このように、上記第3の実施形態でも、ブ
レーキペダル9が負圧ブースタ18及びマスターシリン
ダ19を介して直接ブレーキ油圧配管に接続された構成
を有するブレーキアクチュエータ14を使用した場合
に、自動制動制御を作動させた後に、運転者がブレーキ
ペダルを踏込んだとき、第1の実施形態と同様に、ブレ
ーキペダル9を踏み始めた時点での踏力を基準にして、
この基準値よりも、ブレーキペダル9の踏込みを緩めた
時点で自動制動制御を解除し、その後は運転者の操作の
みによる制動圧となる。これにより、運転者は、違和感
無く、蛇行や操舵による回避などの次の操作を移ること
が可能となる。
【0071】なお、上記第3の実施形態においては、ブ
レーキペダル踏力を、ブレーキペダル9の回動軸のトル
クを検出することにより、検出する場合について説明し
たが、これに限定されるものではなく、ブレーキペダル
9の表面に配設したブレーキペダルパッドにテープ式の
圧力センサを取付けたり、プッシュロッドに磁歪式トル
クセンサを取付けたり、さらにはマスターシリンダ圧を
検出してブレーキペダル踏力を推定するようにしてもよ
い。
【0072】また、上記第3の実施形態においては、負
圧ブースタを適用した場合について説明したが、これに
代えて油圧ブースタを適用するようにしてもよい。次
に、本発明の第4の実施形態を図15及び図16につい
て説明する。この第4の実施形態では、前述した第3の
実施形態における負圧ブースタに代えて制御型負圧ブー
スタを適用したブレーキアクチュエータを備えている場
合に好適なものである。
【0073】すなわち、第4の実施形態では、ブレーキ
アクチュエータ14が、図15に示すように、第3の実
施形態における図12の負圧ブースタ18が図16に示
す制御型負圧ブースタ40に変更されていることを除い
ては図12と同様の構成を有し、図11との対応部分に
は同一符号を付し、その詳細説明はこれを省略する。こ
こで、制御型負圧ブースタ41は、図16に示すよう
に、変圧室1と負圧室2とがダイヤフラム14によって
画成され、変圧室41はブレーキ非作動時はエンジン負
圧によって定まる負圧状態となって、負圧室42と圧力
釣り合い状態にあり、ブレーキ作動時には大気が導入さ
れ、負圧室42との差圧が生じて、マスタシリンダ19
に倍力された荷重が伝達される。負圧室42は、エンジ
ン始動中は常に所定の負圧に維持されている。
【0074】そして、ダイヤフラム54の中央部には軸
筒57が固定され、この軸筒57内に負圧室42と変圧
室41とを連通する連通路51が形成され、この連通路
51の右端側開口部に真空弁43が配設され、この真空
弁43は運転者によってブレーキペダル9がストローク
したとき或いは電磁弁45が励磁されたときに閉じ、負
圧室42と変圧室41との連通を遮断する。
【0075】また、変圧室41と大気との間には大気弁
44が配設され、この大気弁44は、後述する摺動筒体
45bに形成された弁体62と協働して動作し、運転者
によりブレーキペダル9がストロークしたとき或いは電
磁弁45が励磁されたときに開き、変圧室41に大気が
導入される。電磁弁45は、軸筒57の内周部に配設さ
れたソレノイド45aと、このソレノイド45aと対向
して摺動自在に配設された摺動筒体45bとで構成さ
れ、摺動筒体45bの右端側に前述した真空弁43及び
大気弁44を作動させる係合部58が形成されている。
【0076】この摺動筒体45bは、負圧室42内に配
設されたリターンスプリング55によって右方向に付勢
されているとともに、内部には、オペレーティングロッ
ド46が配設され、このオペレーティングロッド46の
先端がプッシュロッド48を介してマスタシリンダ19
に連結されている。また、オペレーティングロッド46
と軸筒57及び真空弁43,大気弁44との間に夫々リ
ターンスプリング53a及び53bが配設されていると
共に、オペレーティングロッド46と摺動筒体45bと
の間にリターンスプリング56が配設されている。
【0077】また、制御装置1には、図16に示す出力
側に制御型負圧ブースタ40の電磁弁45が接続されて
いると共に、図17に示す制動制御処理を実行する。こ
の制動制御処理は、上述した第3の実施形態における図
13の制動制御処理において、ステップS9及びステッ
プS41間にステップS4で算出した自動制動目標減速
度GT が制御型負圧ブースタ40で制御可能な減速度限
界値GTL未満であるか否かを判定するステップS51を
設け、その判定結果が、GT ≧GTLであるときには前記
ステップS41に移行し、GT <GTLであるときにはス
テップS52に移行して、前述した第1及び第2の実施
形態におけるステップS10と略同様に自動制動制御を
解除するための基準ストロークS0を算出してから前記
ステップS11に移行するように設定され、また、ステ
ップS42の処理が、前記ステップS51でステップS
41が選択されたときにはBF>RF0+ΔRFを判定
し、ステップS52が選択されたときにはS>S0+Δ
Sの判定を行う処理に変更され、同様にステップS43
の処理が、前記ステップS51でステップS41が選択
されたときにはBF<RF0を判定し、ステップS52
が選択されたときにはS<S0の判定を行う処理に変更
され、さらにステップS8とステップS15との間に前
記ステップS51と同様の自動制動目標減速度GT が制
御型負圧ブースタ40で制御可能な減速度限界値GTL
満であるか否かを判定するステップS53を設け、その
判定結果がGT ≧GTLであるときにはステップS15に
移行し、GT <GTLであるときにはステップS54に移
行して、減速度指令値GT * に対応する減速度を制御型
負圧ブースタ40で発生させる電磁弁45に対する制御
信号を出力してから制動制御処理を終了することを除い
ては図13と同様の処理を行い、図3との対応処理には
同一ステップ番号を付し、その詳細説明はこれを省略す
る。
【0078】この図17の制動制御処理において、ステ
ップS4の処理が自動制動操作量演算手段に対応し、ス
テップS7,S9,S41,S51及びS52の処理が
基準値演算手段に対応し、ステップS11,S13,S
17,S18,S42,S43の処理が自動制動解除手
段に対応している。この第4の実施形態によると、要制
動対象物を検知したときに算出される自動制動目標減速
度GT が制御型負圧ブースタ40における電磁弁45の
ソレノイド45aの励磁電流を制御することにより発生
可能な程度に小さい値であるときには、運転者がブレー
キペダル9を踏込んだ時点でステップS51からステッ
プS52に移行して、その時点のブレーキペダルストロ
ークSを基準として、これに既定値ΔS2を加えた値を
自動制動制御を解除するための基準ストロークS0とし
て記憶する。これは、目標減速度GT が限界値GTL未満
の緩制動状態では、ステップS53からステップS54
に移行して、制御型負圧ブースタ40の電磁弁45を制
御して制動圧を発生させる。このように制御型負圧ブー
スタ40を作動させると、その負圧に応じてブレーキペ
ダル9が引き込まれるという構成状の機械的な制約があ
り、引き込まれているペダルストロークで感じるペダル
踏力が、運転者の感じるペダル反力初期値となるので、
これを基準にしてその後の踏みまし加減を調整する。た
だし、一般に人間は、初期操作では、ある程度の変位量
を想定した操作を行うので、これを考慮して、実際のス
トローク位置よりも既定量踏込んだ位置を基準位置S0
として設定している。
【0079】そして、ストロークセンサ10で検出した
ブレーキペダル9のストロークSが基準ストロークS0
にヒステリシス幅ΔSを加算した値を越えてから基準ス
トロークS0未満となった時点で自動制動制御が解除さ
れる。この制御型負圧ブースタ40による自動制動制御
中に、この制御型負圧ブースタ40の制御範囲内即ちG
T <GTLである場合では踏み増し量に相当する部分は構
成上、機械的にマスターシリンダ19の増圧に直接反映
されるが、これによって自動制動制御が解除されること
はないため、運転者がブレーキペダル9を踏込んでいる
状況であっても、要制動対象物の移動等により、さらに
危険度が大きくなって自動制動目標減速度GT が大きく
なる場合にも対応することができ、この自動制動目標減
速度GT が限界値GTLを越えたときには圧力制御弁27
FL〜27RRによる自動制動状態に移行する。
【0080】逆に、ステップS4で算出された自動制動
目標減速度GT が制御型負圧ブースタ40で制御可能な
減速度限界値GTL以上であるときには、ステップS53
からステップS15に移行して、圧力制御弁27FL〜
27RRに対して、減速度指令値GT * に対応するブレ
ーキ圧指令値PB が出力されることにより、これら圧力
制御弁27FL〜27RRからディスクブレーキ29F
L〜29RRに制動圧が供給されることにより、ブレー
キペダル9は制御型負圧ブースタ40を制御する場合の
ようにストロークすることはないので、運転者がブレー
キペダル9に加える踏力を操作量として検知する方が精
度が見込める。そこで、GT ≧GTLであるときには、ス
テップS51からステップS41に移行して、自動制動
制御を解除するための基準値としてブレーキペダル踏力
に相当する基準反力RF0を推定し、ブレーキペダル踏
力BFが基準反力RF0に既定値ΔRFを加算した値を
越えた後、基準反力RF0未満に低下したときに自動制
動制御を解除する。
【0081】このように、上記第4の実施形態による
と、制御型負圧ブースタ40を使用する自動ブレーキペ
ダルによって、ブレーキペダル9のストロークが変化す
る場合にも、前述した第1〜第3の実施形態と同様に、
自動制動制御中に踏み始めの踏力或いはストロークを基
準として、運転者がブレーキペダル9を戻したときに、
自動制動制御を解除するので、衝突を防止しながらも、
運転者の蛇行や操舵による回避などの次の操作を行うこ
とができ、運転者の操作を的確に反映した自動制動制御
を行うことができる。
【0082】なお、上記第1〜第4の実施形態において
は、ブレーキアクチュエータ14の一例を示したにすぎ
ず、上記構成に限定されるものではなく、他の種々の構
成のブレーキアクチュエータを適用することができる。
例えば、圧力制御弁27FL〜27RRに代えて、ディ
スクブレーキに供給する制動圧を増圧、減圧及び保持状
態に制御可能な3位置電磁方向切換弁を適用することも
できる。
【0083】また、上記第1〜第4の実施形態において
は、ディスクブレーキ29FL〜29RRを適用した場
合について説明したが、これに限定されるものではな
く、ドラムブレーキを適用することもでき、さらには油
圧以外の電動モータを使用したブレーキシステム或いは
ハイブリッド車や電気自動車のように駆動用の電動モー
タの回生制動力を利用して自動制動制御を行うようにし
てもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す概略構成図であ
る。
【図2】ブレーキアクチュエータの一例を示す構成図で
ある。
【図3】制御装置における制動制御処理手順の一例を示
すフローチャートである。
【図4】危険度パラメータと目標減速度との関係を示す
特性線図である。
【図5】目標減速度と基準ペダル反力との関係を示す特
性線図である。
【図6】ペダルストロークとペダル反力との関係を示す
特性線図である。
【図7】第1の実施形態の動作の説明に供するタイムチ
ャートである。
【図8】第1の実施形態の変形例における動作の説明に
供するタイムチャートである。
【図9】本発明の第2の実施形態における制御装置の制
動制御処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図10】第2の実施形態の動作の説明に供するタイム
チャートである。
【図11】第3の実施形態に適用するブレーキアクチュ
エータの一例を示す油圧回路図である。
【図12】本発明の第3の実施形態を示す概略構成図で
ある。
【図13】第3の実施形態における制御装置の制動制御
処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図14】目標減速度とマスターシリンダ圧との関係を
示す特性線図である。
【図15】本発明の第4の実施形態を示す概略構成図で
ある。
【図16】第4の実施形態に適用し得る制御型負圧ブー
スタの構成を示す断面図である。
【図17】第4の実施形態における制御装置の制動制御
処理手順の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 制御装置 2 操舵角センサ 3 ヨーレートセンサ 4 車両加減速センサ 6 レーダ 7 ビデオカメラ 8 ブレーキスイッチ 9 ブレーキペダル 10 ブレーキペダルストロークセンサ 13 ペダル反力生成装置 14 ブレーキアクチュエータ 17 ブレーキペダル踏力センサ 18 負圧ブースタ 19 マスターシリンダ 27FL〜27RR 圧力制御弁 40 制御型負圧ブースタ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自車が制動を必要とする前方の要制動対
    象物を検出する制動対象物検出手段と、該制動対象物検
    出手段の検出結果に基づいて前記要制動対象物への衝突
    を防止可能な制動力を演算し、演算した制動力を発生さ
    せるように制動操作部を制御する自動制動制御手段とを
    備えた車両用衝突防止装置において、前記自動制動制御
    手段で発生させる制動力に対応する制動操作量を演算す
    る自動制動操作量演算手段と、運転者の制動操作量を検
    出する制動操作量検出手段と、前記自動制動制御手段で
    自動制動を開始した後における運転者の制動操作開始時
    に前記自動制動操作演算手段で演算した制動操作量をも
    とに自動制動解除基準値を演算する基準値演算手段と、
    前記自動制動制御手段による自動制動中に、前記制動操
    作量検出手段で検出した運転者の制動操作量が前記基準
    値演算手段で演算した自動制動解除基準値を下回った時
    点で自動制動を解除する自動制動解除手段とを備えたこ
    とを特徴とする車両用衝突防止装置。
  2. 【請求項2】 前記自動制動操作量演算手段は、制動操
    作量として制動操作反力を演算するように構成されてい
    ると共に、該自動制動操作量演算手段で演算した制動操
    作反力を前記制動操作部で発生させる操作反力生成手段
    を備え、前記基準値演算手段は、自動制動中に、運転者
    が制動操作を開始した時点の前記操作反力に相当する制
    動操作量をもとに基準制動操作量を演算するように構成
    されていることを特徴とする請求項1記載の車両用衝突
    防止装置。
  3. 【請求項3】 前記自動制動操作量演算手段は、自動制
    動中に制動操作をした場合の制動操作反力を推定する制
    動操作反力推定手段を有し、前記基準値演算手段は、自
    動制動中に、運転者が制動操作を開始した時点で前記制
    動操作反力推定手段で推定される制動操作反力をもとに
    基準制動操作量を演算するように構成されていることを
    特徴とする請求項1記載の車両用衝突防止装置。
  4. 【請求項4】 自車が制動を必要とする前方の要制動対
    象物を検出する制動対象物検出手段と、該制動対象物検
    出手段の検出結果に基づいて前記要制動対象物への衝突
    を防止可能な制動力を演算し、演算した制動力を発生さ
    せるように制動操作部を制御する自動制動制御手段とを
    備えた車両用衝突防止装置において、前記自動制動制御
    手段で発生させる制動力に対応する制動操作反力及び/
    又は制動ストロークを演算する自動制動操作量演算手段
    と、運転者の制動操作反力及び/又は制動ストロークを
    検出する制動操作量検出手段と、前記自動制動制御手段
    で自動制動を開始した後における運転者の制動操作開始
    時に前記自動制動操作演算手段で演算した制動操作反力
    及び/又は制動ストロークをもとに基準制動操作反力及
    び/又は基準制動ストロークを演算する基準値演算手段
    と、前記自動制動制御手段による自動制動中に、前記制
    動操作量検出手段で検出した運転者の制動操作反力及び
    /又は制動ストロークが前記基準値演算手段で演算した
    基準制動操作反力及び/又は基準制動ストロークを下回
    った時点で自動制動を解除する自動制動解除手段とを備
    えたことを特徴とする車両用衝突防止装置。
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