JP2001143356A5 - - Google Patents
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Description
【書類名】 明細書
【発明の名称】 ディスクカートリッジ及び記録及び/又は再生装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】 情報信号の記録及び/又は再生が可能な第1のディスクと、
上記第1のディスクが回転可能に格納されたカートリッジ筐体と、を備え、
上記カートリッジ筐体には、上記第1のディスクに対して情報信号の記録及び/又は再生を行うピックアップ装置に対する所定位置に位置決めするための一対の第1の位置決めピンが嵌合される一対の第1の位置決め穴と、上記第1のディスクと直径が異なる第2のディスクが格納された大きさの異なる第2のディスクカートリッジを上記ピックアップ装置に対する所定位置に位置決めするための一対の第2の位置決めピンによっては位置決めされることのないように当該一対の第2の位置決めピンを退避する一対の逃げ穴を設けたことを特徴とするディスクカートリッジ。
【請求項2】 上記一対の第1の位置決め穴は、上記ピックアップ装置に対する所定位置を基準として上記第1のディスクの外径に対応する位置よりも外側に設けたことを特徴とする請求項1記載のディスクカートリッジ。
【請求項3】 上記一対の逃げ穴は、上記ピックアップ装置に対する所定位置を基準として上記第1のディスクの外径に対応する位置よりも外側に設けたことを特徴とする請求項1記載のディスクカートリッジ。
【請求項4】 情報信号の記録及び/又は再生が可能な第1のディスクが回転可能に格納された第1のカートリッジ筐体に設けた一対の第1の位置決め穴に嵌合することにより第1のディスクカートリッジを所定位置に位置決めする一対の第1の位置決めピンと、
上記第1のディスクとは直径が異なる第2のディスクが回転可能に格納された大きさの異なる第2のカートリッジ筐体に設けた一対の第2の位置決め穴に嵌合することにより第2のディスクカートリッジを所定位置に位置決めするが、上記第1のカートリッジ筐体に設けた逃げ穴によっては上記第1のディスクカートリッジを位置決めすることなく退避される一対の第2の位置決めピンと、
上記一対の第1の位置決めピンにより位置決めされた上記第1のカートリッジ筐体に格納されている上記第1のディスク又は上記一対の第2の位置決めピンにより位置決めされた上記第2のカートリッジ筐体に格納されている上記第2のディスクに対して情報信号の記録及び/又は再生を行うピックアップ装置と、
上記一対の第1の位置決めピンと上記一対の第2の位置決めピンを設けたシャーシと、を備えたことを特徴とする記録及び/又は再生装置。
【請求項5】 上記一対の第1の位置決めピンは、上記ピックアップ装置に対する所定位置を基準として上記第1のディスクの外径に対応する位置よりも外側に設けたことを特徴とする請求項3記載の記録及び/又は再生装置。
【請求項6】 上記一対の第2の位置決めピンは、上記ピックアップ装置に対する所定位置を基準として上記第2のディスクの外径に対応する位置よりも外側に設けたことを特徴とする請求項3記載の記録及び/又は再生装置。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば光ディスクの信号記録層に光ビームを照射し、信号記録層に情報信号を記録あるいは信号記録層に記録された情報信号を再生するようにした記録及び/又は再生装置及びこれに用いて好適なディスクカートリッジに関し、詳しくは、ディスク径の異なるディスクが大きさの異なるそれぞれのカートリッジ筐体内に格納されている複数のディスクカートリッジが、記録及び/又は再生装置に選択的に装着される、いわゆるコンバチブル方式であって、大きさの異なるディスクカートリッジが記録及び/又は再生装置の位置決めピンに支障なく位置決め保持できるようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、オーディオ情報や映像情報等の各種情報の記録媒体として、この記録媒体に記録された情報を光ビームを用いて再生し、あるいは記録するようにした光ディスクが提案されている。この種の光ディスクは、1枚の板状のディスクにより構成することができるので、取り扱いが容易である上、磁気テープ等の記録媒体に比較して大きな記録容量を有することから、オーディオ情報や映像情報、さらにはコンピュータ処理されるデータの記録媒体として広く適用されている。
【0003】
一方、光ディスク等の光記録媒体を用いる記録及び/又は再生装置にあっては、例えばコンピュータ等の情報処理装置に組み込むときの設置スペースを考慮して一層の小型化が要求されている。
【0004】
また、記録及び/又は再生装置の小型化を図るためには、記録媒体も小型化する必要があり、記録媒体の高容量化も要求されている。このため、記録媒体としてディスク径の異なるディスクがそれぞれ大きさの異なるカートリッジ筐体内に格納された複数種類のディスクカートリッジが提案され、これらディスクカートリッジは本出願人が先に特願平11−176029号公報により提案している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述したディスクカートリッジは、それぞれのディスクカートリッジが専用のカートリッジ挿入口に装着する方式であるので、記録再生装置もそれぞれのディスクカートリッジに対応した記録再生装置が必要である。
【0006】
このため、大きさの異なるディスクカートリッジを互換性のある記録再生装置に選択的に装着することは不可能である。
【0007】
すなわち、大きさの異なるディスクカートリッジでは、ディスクカートリッジを記録再生装置に位置決めするための位置決め穴の位置が異なる場合がある。特に、一つのスピンドルモータを使用する場合が多い記録再生装置では、位置決め穴を大きさの異なるディスクカートリッジで一致させることは非常に困難である。
【0008】
例えば、ディスクカートリッジの位置決め穴が係合されて位置決めされる記録再生装置側の位置決めピンは、大きさの異なるディスクカートリッジを使用する場合、その処理に困ることがある。つまり、ディスク径の小さいディスクカートリッジの位置決めピンは、ディスク径の大きいディスクカートリッジを挿入するときには不必要であるので、この位置決めピンから逃げなくてはならない。例えばフロッピーディスクやMD(ミニディスク)、MO(光磁気ディスク)等のディスクカートリッジでは、大きさの異なるディスクカートリッジを一台の記録再生装置で使用することを想定した退避策はない。
【0009】
本発明は、上述したような課題を解消するためになされたもので、大きさの異なる複数種類のディスクカートリッジを一つの記録及び/又は再生装置に支障なく選択的に位置決めされ装着することのできるディスクカートリッジ、及びこれを用いて好適な記録及び/又は再生装置を得ることを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するため、本発明のディスクカートリッジは、情報信号の記録及び/又は再生が可能な第1のディスクと、その第1のディスクが回転可能に格納されたカートリッジ筐体と、を備え、カートリッジ筐体には、第1のディスクに対して情報信号の記録及び/又は再生を行うピックアップ装置に対する所定位置に位置決めするための一対の第1の位置決めピンが嵌合される一対の第1の位置決め穴と、第1のディスクと直径が異なる第2のディスクが格納された大きさの異なる第2のディスクカートリッジをピックアップ装置に対する所定位置に位置決めするための一対の第2の位置決めピンによっては位置決めされることのないように一対の第2の位置決めピンを退避する一対の逃げ穴を設けたものである。
また、本発明の記録及び/又は再生装置は、情報信号の記録及び/又は再生が可能な第1のディスクが回転可能に格納された第1のカートリッジ筐体に設けた一対の第1の位置決め穴に嵌合することにより第1のディスクカートリッジを所定位置に位置決めする一対の第1の位置決めピンと、第1のディスクとは直径が異なる第2のディスクが回転可能に格納された大きさの異なる第2のカートリッジ筐体に設けた一対の第2の位置決め穴に嵌合することにより第2のディスクカートリッジを所定位置に位置決めするが、第1のカートリッジ筐体に設けた逃げ穴によっては第1のディスクカートリッジを位置決めすることなく退避される一対の第2の位置決めピンと、一対の第1の位置決めピンにより位置決めされた第1のカートリッジ筐体に格納されている第1のディスク又は一対の第2の位置決めピンにより位置決めされた第2のカートリッジ筐体に格納されている第2のディスクに対して情報信号の記録及び/又は再生を行うピックアップ装置と、一対の第1の位置決めピンと一対の第2の位置決めピンを設けたシャーシと、を備えたことを特徴としている。
【0011】
このように構成したことにより、記録及び/又は再生装置にディスク径の大きいディスクカートリッジを装着した際に、ディスク径の小さいディスクカートリッジを位置決めする位置決めピンを逃げ穴により退避することができ、これによって、記録及び/又は再生装置に大きさの異なるディスクカートリッジを支障なく装着することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明によるディスクカートリッジ及び記録及び/又は再生装置の実施の形態をディスク径の異なる大小2種類のディスクカートリッジに適用した場合を例にとって図面を参照して説明する。
【0013】
図1はディスク径の大きいディスクカートリッジ(以下、第1のディスクカートリッジという)を上面側より見たシャッター解放状態の斜視図、図2は同じく下面側より見たシャッター解放状態の斜視図、図3はディスク径の小さいディスクカートリッジ(以下、第2のディスクカートリッジという)を上面側より見たシャッター解放状態の斜視図、図4は同じく下面側より見たシャッター解放状態の斜視図である。
【0014】
第1のディスクカートリッジの全体を符号1で示し、カートリッジ筐体2は上ハーフ3と下ハーフ4の接合面を高周波溶着により合体式に構成されている。第1のディスクカートリッジ1内に格納されている第1のディスク5は、例えば光ディスクであり、そのディスク外径は一例としてφ64.8mmであり、この場合、ディスク筐体2は第1のディスクカートリッジ1の挿入方向(矢印マーカー6で示す)と直交する一辺の長さW1は72mm、この辺と直交する他辺の長さW2は68mm、厚みD 1 が5mmのサイズに規格されている。
【0015】
上述した第1のディスクカートリッジ1には、カートリッジ筐体2の両面をスライド式に開閉可能のシャッター板7を有し、このシャッター板7が解放されることで第1のディスクカートリッジ1の上面側では上ハーフ2の開口窓2aから第1のディスク5の上面の径方向の一部が露見すると共に、第1のディスクカートリッジ1の下面側では下ハーフ3の開口窓3aから第1のディスク5の下面(記録層)の径方向の一部が露見するようになっている。尚、第1のディスクカートリッジ1の下面側では、シャッター板7の解放により第1のディスク5のチャッキングプレート8が露見するようになる。
【0016】
また、第1のディスクカートリッジ1の下ハーフ3には、挿入先端側の一側方に長穴状の第1の位置決め穴9と、この第1の位置決め穴9とは反対側の挿入後端側に丸穴状の第1の位置決め穴10が形成されている。さらに、第1のディスクカートリッジ1の挿入先端側はその両角部を斜めにカットした比較的大きな切欠面11,11に形成されている。
【0017】
一方、第2のディスクカートリッジの全体を符号12で示し、この場合、カートリッジ筐体13も上ハーフ14と下ハーフ15の接合面を高周波溶着により合体式に構成されている。第2のディスクカートリッジ12内に格納されている第2のディスク16は光ディスクであり、そのディスク外径は一例としてφ50mmであり、この場合、カートリッジ筐体13は第2のディスクカートリッジ12の挿入方向(矢印マーカー17で示す)と直交する一辺の長さW3は58mm、この辺と直交する他辺の長さW4は53mm、厚みD2が4mmのサイズに規格されている。
【0018】
上述した第2のディスクカートリッジ12には、カートリッジ筐体13の両面をスライド式に開閉可能のシャッター板18を有し、このシャッター板18が解放されることで第2のディスクカートリッジ12の上面側では上ハーフ14の開口窓14aから第2のディスク16の上面の径方向の一部が露見すると共に、第2のディスクカートリッジ12の下面側では下ハーフ15の開口窓15aから第2のディスク16の下面(記録層)の径方向の一部が露見するようになっている。尚、第2のディスクカートリッジ12の下面側では、シャッター板18の解放により第2のディスク16のチャッキングプレート19が露見するようになる。
【0019】
また、第2のディスクカートリッジ12の下ハーフ15には、挿入先端側の一側方に長穴状の第2の位置決め穴20と、この第2の位置決め穴20とは反対側の挿入後端側に丸穴状の第2の位置決め穴21が形成されている。さらに、第2のディスクカートリッジ12の挿入先端側はその両角部を斜めにカットした比較的大きな切欠面22,22に形成されている。
【0020】
ここで、図5に上述したディスクカートリッジが装着される記録及び/又は再生装置のカセットコンパートメント(以下、カセコンという)のシャーシ23の平面図を示し、シャーシ23上に第1のディスクカートリッジ1が装填された状態を仮想線で示し、図6にシャーシ23上に第1のディスクカートリッジ1が位置決めされた断面図を示す。
【0021】
第1のディスクカートリッジ1はヒンジ部24を支点としてホップアップ式(はね上げ式)に回動するホルダー25に矢印方向から挿着され、ホルダー25をシャーシ23側へ回動することで装填位置となる。
【0022】
シャーシ23上のヒンジ部24側とその反対側の一側方(右側方)には第1のディスクカートリッジ1の高さ決めのための第1の高さ基準面を有する一対の第1の位置決め台座26,27が形成され、両第1の位置決め台座26,27上の第1の高さ基準面にそれぞれ第1のディスクカートリッジ1の第1の位置決め穴9,10が係合される第1の位置決めピン28,29が突出形成されている。
【0023】
これら両第1の位置決めピン28,29の内側に隣接してシャーシ23上に第2のディスクカートリッジ12の高さ決めのための第2の高さ基準面を有する一対の第2の位置決め台座30,31が形成され、両第2の位置決め台座30,31上の第2の高さ基準面にそれぞれ第2のディスクカートリッジ12の第2の位置決め穴20,21が形成される第2の位置決めピン32,33が突出形成されている。
【0024】
一方、第1のディスクカートリッジ1の一対の第1の位置決め台座26,27とは左右対称位置のシャーシ23上には、第1のディスクカートリッジ1の高さ決めのための一対の第1の位置決め台座26,27と同じ高さの第1の高さ基準面を有する第1の台座34,35が形成されている。そして、この両第1の台座34,35の内側に隣接してシャーシ23上に第2のディスクカートリッジ12の高さ決めのための一対の第2の位置決め台座30,31と同じ高さの第2の高さ基準面を有する第2の台座36,37が形成されている。尚、第2のディスクカートリッジ12の高さ決めのための第2の位置決め台座30,31及び第2の台座36,37は、第1のディスクカートリッジ1の高さ決めのための第1の位置決め台座26,27及び第1の台座34,35より高くされている。
【0025】
また、上述したシャーシ23において、第1のディスク5をチャッキングし回転駆動するためのターンテーブル38及び第1のディスク5の記録情報を再生あるいは第1のディスク5に記録情報を記録するためのピックアップ装置である光学ピックアップ装置39が配置されている。
【0026】
上述したシャーシ23上に装填された第1のディスクカートリッジ1は、その一対の第1の位置決め穴9,10がシャーシ23の一対の第1の位置決めピン28,29に係合されて位置決めされると共に、第1のディスクカートリッジ1の下面がそれぞれの第1の位置決め台座26,27及び第1の台座34,35によって高さ決めされ、第1のディスクカートリッジ1を水平状態に保持することができる。
【0027】
ここで、本発明では第1のディスクカートリッジ1が第2のディスクカートリッジ12の一対の第2の位置決めピン32,33及び第2の位置決め台座30,31に干渉しないように段付き逃げ穴40,41が形成されている。また、第2のディスクカートリッジ12の第2の台座36,37から退避するための逃げ穴42,43(図2参照)が形成されている。これによって、第1のディスクカートリッジ1の装填状態では第2のディスクカートリッジ12の第2の位置決めピン32,33及び第2の位置決め台座30,31及び第2の台座36,37から退避して干渉されることなく第1の高さ基準面で高さ決めされ位置決めすることができる。
【0028】
図7にシャーシ23上に第2のディスクカートリッジ12が装填された状態を仮想線で示し、図8にシャーシ23に第2のディスクカートリッジ12が位置決めされた断面図を示す。
【0029】
シャーシ23上に装填された第2のディスクカートリッジ12は、その一対の第2の位置決め穴20,21がシャーシ23の一対の第2の位置決めピン32,33に係合されて位置決めされると共に、第2のディスクカートリッジ12の下面がそれぞれの第2の位置決め台座30,31及び第2の台座36,37の第2の高さ基準面によって高さ決めされ、第2のディスクカートリッジ12を水平状態に保持することができる。
【0030】
第2のディスクカートリッジ12のシャーシ23上への装填状態では、第1のディスクカートリッジ1の第1の位置決めピン28,29及び第1の台座34,35は第2のディスクカートリッジ12とは干渉しない位置にあるので、特別な逃げ穴は必要なく、第2のディスクカートリッジ12はその第2の位置決め穴20,21が第2の位置決めピン32,33に位置決めされると共に、第2の位置決め台座30,31の第2の高さ基準面により高さ決めされる。ここで重要なことは、第2のディスクカートリッジ12の第2の位置決めピン32,33は、第1のディスクカートリッジ1がシャーシ23上に装填されたとき、その第1のディスク5と干渉しないように第1のディスク5の外径より外方へ配置させるようにし、これによって、第1のディスクカートリッジ1に支障のない装填が可能となる。
【0031】
尚、第1のディスクカートリッジ1の高さ決めのための台座に対して第2のディスクカートリッジ12の高さ決めのための台座を高くしてあることは、第1のディスクカートリッジ1の筐体2の厚み(5mm)より第2のディスクカートリッジ12の筐体13の厚み(4mm)が若干薄くなっている分、光学ピックアップ装置39からの光ビームのスポットが第1のディスク5や第2のディスク16の記録層に正確に照射できるように台座の高さで調整されている。
【0032】
上述したように本発明による記録及び/又は再生装置は、大きさの異なる2種類のディスクカートリッジがカセコンに選択的に挿着し記録あるいは再生動作を行うことができるといった特長を有するものである。
【0033】
また、第1のディスクカートリッジ1の装填時に第2のディスクカートリッジ12の第2の位置決めピン32,33との干渉を避けるため、第1のディスクカートリッジ1に逃げ穴を設けたこと、そして、第2のディスクカートリッジ12の第2の位置決めピン32,33を、第1のディスクカートリッジ1がシャーシ23上に装填されたとき、その第1のディスク5と干渉しないように第1のディスク5の外径より外方に配置することによって、大きさの異なる2種類のディスクカートリッジ1,12の挿着が可能となり、信頼性の高い記録及び/又は再生装置となる。
【0034】
また、両ディスクカートリッジ1,12は、それぞれの挿入側の両角部に切欠面11,22を形成したことによって、ディスクカートリッジの挿入向きが容易に認識することができ、誤挿入を防止することができる。また、ホルダー25への挿入の際にディスクカートリッジを斜めの姿勢で挿入した場合であっても、切欠面11,22がガイド機能となり、ディスクカートリッジが正常な姿勢となってホルダー25への挿入が可能となる。
【0035】
尚、ディスクカートリッジのホルダー25への挿入において、大きな第1のディスクカートリッジ1の場合は、カートリッジの左右側面がホルダー25にガイドされるので、特別なガイド機構を設けることなく正確な位置に挿着することができる。これに対して、小さな第2のディスクカートリッジ12の場合は、ホルダー25にガイド機構を備えることが必要である。この場合、ガイド機構は大きな第1のディスクカートリッジ1がホルダー25に挿入された際に退避されるような機構を備えることによって容易に可能となる。
【0036】
本発明は、上述しかつ図面に示した実施の形態に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。
【0037】
本例では、一対の位置決めピンをディスクカートリッジの挿入方向に沿って前後に配置した場合について説明したが、その他、ディスクカートリッジの後端側の左右に配置された場合であっても上述の場合と同様に行うことができる。この場合、一対の位置決めピンは丸穴状の位置決めピンでよい。
【0038】
また、本例では、大きさの異なる2種類のディスクカートリッジに適用した場合について説明したが、その他、2種類以上の大きさ異なるディスクカートリッジについてもカートリッジが干渉する位置に位置決めピンの逃げ穴を設けたり、ディスクから退避する位置に位置決めピンを配置することによって容易に可能となる。
【0039】
また、第1および第2のディスクカートリッジの台座は同じ高さであってもよい。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のディスクカートリッジ及び記録及び/又は再生装置は、記録及び/又は再生装置にディスク径の大きいディスクカートリッジを装着した際に、ディスク径の小さいディスクカートリッジを位置決めする位置決めピンを逃げ穴により退避する構成としたため、記録及び/又は再生装置に複雑な機構を設ける必要もなく、大きいディスクカートリッジの装填に対して支障のない信頼性の高いディスクカートリッジ及び記録及び/又は再生装置となる。
【0041】
また、ディスク径の小さいディスクカートリッジの台座の高さを、ディスク径の大きいディスクカートリッジの台座の高さより若干高く設定したことによって、厚みの異なるディスクカートリッジであっても簡単な機構の対策で光学ピックアップ装置からの光ビームのスポットをディスクの記録層に正確に照射することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明による大きいディスクカートリッジを上面から見た斜視図である。
【図2】
同じく大きいディスクカートリッジを下面から見た斜視図である。
【図3】
本発明による小さいディスクカートリッジを上面から見た斜視図である。
【図4】
同じく大きいディスクカートリッジを下面から見た斜視図である。
【図5】
カセコンに大きいディスクカートリッジを装填したときの平面図である。
【図6】
同じくカセコンに大きいディスクカートリッジを装填したときの断面図である。
【図7】
カセコンに小さいディスクカートリッジを装填したときの平面図である。
【図8】
同じくカセコンに小さいディスクカートリッジを装填したときの断面図である。
【符号の説明】
1‥第1のディスクカートリッジ、 2‥カートリッジ筐体、 5‥第1のディスクカートリッジの第1のディスク、 7‥シャッター板、 9‥長穴状の第1の位置決め穴、 10‥丸穴状の第1の位置決め穴、 11‥切欠面、 12‥第2のディスクカートリッジ、 13‥カートリッジ筐体、 16‥第2のディスクカートリッジの第2のディスク、 18‥シャッター板、 20‥長穴状の第1の位置決め穴、 21‥丸穴状の第1の位置決め穴、 22‥切欠面、 23‥カセコンのシャーシ、 24‥ヒンジ部、 25‥スライダー、 26,27‥第1のディスクカートリッジの第1の位置決め台座、 28,29‥第1のディスクカートリッジの第1の位置決めピン、 30,31‥第2のディスクカートリッジの第2の位置決め台座、 32,33‥第2のディスクカートリッジの第2の位置決めピン、 34,35‥第1のディスクカートリッジの第1の台座、 36,37‥第2のディスクカートリッジの第2の台座、 39‥光学ピックアップ装置(ピックアップ装置)、 40,41‥段付き逃げ穴、 42,43‥逃げ穴
【発明の名称】 ディスクカートリッジ及び記録及び/又は再生装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】 情報信号の記録及び/又は再生が可能な第1のディスクと、
上記第1のディスクが回転可能に格納されたカートリッジ筐体と、を備え、
上記カートリッジ筐体には、上記第1のディスクに対して情報信号の記録及び/又は再生を行うピックアップ装置に対する所定位置に位置決めするための一対の第1の位置決めピンが嵌合される一対の第1の位置決め穴と、上記第1のディスクと直径が異なる第2のディスクが格納された大きさの異なる第2のディスクカートリッジを上記ピックアップ装置に対する所定位置に位置決めするための一対の第2の位置決めピンによっては位置決めされることのないように当該一対の第2の位置決めピンを退避する一対の逃げ穴を設けたことを特徴とするディスクカートリッジ。
【請求項2】 上記一対の第1の位置決め穴は、上記ピックアップ装置に対する所定位置を基準として上記第1のディスクの外径に対応する位置よりも外側に設けたことを特徴とする請求項1記載のディスクカートリッジ。
【請求項3】 上記一対の逃げ穴は、上記ピックアップ装置に対する所定位置を基準として上記第1のディスクの外径に対応する位置よりも外側に設けたことを特徴とする請求項1記載のディスクカートリッジ。
【請求項4】 情報信号の記録及び/又は再生が可能な第1のディスクが回転可能に格納された第1のカートリッジ筐体に設けた一対の第1の位置決め穴に嵌合することにより第1のディスクカートリッジを所定位置に位置決めする一対の第1の位置決めピンと、
上記第1のディスクとは直径が異なる第2のディスクが回転可能に格納された大きさの異なる第2のカートリッジ筐体に設けた一対の第2の位置決め穴に嵌合することにより第2のディスクカートリッジを所定位置に位置決めするが、上記第1のカートリッジ筐体に設けた逃げ穴によっては上記第1のディスクカートリッジを位置決めすることなく退避される一対の第2の位置決めピンと、
上記一対の第1の位置決めピンにより位置決めされた上記第1のカートリッジ筐体に格納されている上記第1のディスク又は上記一対の第2の位置決めピンにより位置決めされた上記第2のカートリッジ筐体に格納されている上記第2のディスクに対して情報信号の記録及び/又は再生を行うピックアップ装置と、
上記一対の第1の位置決めピンと上記一対の第2の位置決めピンを設けたシャーシと、を備えたことを特徴とする記録及び/又は再生装置。
【請求項5】 上記一対の第1の位置決めピンは、上記ピックアップ装置に対する所定位置を基準として上記第1のディスクの外径に対応する位置よりも外側に設けたことを特徴とする請求項3記載の記録及び/又は再生装置。
【請求項6】 上記一対の第2の位置決めピンは、上記ピックアップ装置に対する所定位置を基準として上記第2のディスクの外径に対応する位置よりも外側に設けたことを特徴とする請求項3記載の記録及び/又は再生装置。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば光ディスクの信号記録層に光ビームを照射し、信号記録層に情報信号を記録あるいは信号記録層に記録された情報信号を再生するようにした記録及び/又は再生装置及びこれに用いて好適なディスクカートリッジに関し、詳しくは、ディスク径の異なるディスクが大きさの異なるそれぞれのカートリッジ筐体内に格納されている複数のディスクカートリッジが、記録及び/又は再生装置に選択的に装着される、いわゆるコンバチブル方式であって、大きさの異なるディスクカートリッジが記録及び/又は再生装置の位置決めピンに支障なく位置決め保持できるようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、オーディオ情報や映像情報等の各種情報の記録媒体として、この記録媒体に記録された情報を光ビームを用いて再生し、あるいは記録するようにした光ディスクが提案されている。この種の光ディスクは、1枚の板状のディスクにより構成することができるので、取り扱いが容易である上、磁気テープ等の記録媒体に比較して大きな記録容量を有することから、オーディオ情報や映像情報、さらにはコンピュータ処理されるデータの記録媒体として広く適用されている。
【0003】
一方、光ディスク等の光記録媒体を用いる記録及び/又は再生装置にあっては、例えばコンピュータ等の情報処理装置に組み込むときの設置スペースを考慮して一層の小型化が要求されている。
【0004】
また、記録及び/又は再生装置の小型化を図るためには、記録媒体も小型化する必要があり、記録媒体の高容量化も要求されている。このため、記録媒体としてディスク径の異なるディスクがそれぞれ大きさの異なるカートリッジ筐体内に格納された複数種類のディスクカートリッジが提案され、これらディスクカートリッジは本出願人が先に特願平11−176029号公報により提案している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述したディスクカートリッジは、それぞれのディスクカートリッジが専用のカートリッジ挿入口に装着する方式であるので、記録再生装置もそれぞれのディスクカートリッジに対応した記録再生装置が必要である。
【0006】
このため、大きさの異なるディスクカートリッジを互換性のある記録再生装置に選択的に装着することは不可能である。
【0007】
すなわち、大きさの異なるディスクカートリッジでは、ディスクカートリッジを記録再生装置に位置決めするための位置決め穴の位置が異なる場合がある。特に、一つのスピンドルモータを使用する場合が多い記録再生装置では、位置決め穴を大きさの異なるディスクカートリッジで一致させることは非常に困難である。
【0008】
例えば、ディスクカートリッジの位置決め穴が係合されて位置決めされる記録再生装置側の位置決めピンは、大きさの異なるディスクカートリッジを使用する場合、その処理に困ることがある。つまり、ディスク径の小さいディスクカートリッジの位置決めピンは、ディスク径の大きいディスクカートリッジを挿入するときには不必要であるので、この位置決めピンから逃げなくてはならない。例えばフロッピーディスクやMD(ミニディスク)、MO(光磁気ディスク)等のディスクカートリッジでは、大きさの異なるディスクカートリッジを一台の記録再生装置で使用することを想定した退避策はない。
【0009】
本発明は、上述したような課題を解消するためになされたもので、大きさの異なる複数種類のディスクカートリッジを一つの記録及び/又は再生装置に支障なく選択的に位置決めされ装着することのできるディスクカートリッジ、及びこれを用いて好適な記録及び/又は再生装置を得ることを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するため、本発明のディスクカートリッジは、情報信号の記録及び/又は再生が可能な第1のディスクと、その第1のディスクが回転可能に格納されたカートリッジ筐体と、を備え、カートリッジ筐体には、第1のディスクに対して情報信号の記録及び/又は再生を行うピックアップ装置に対する所定位置に位置決めするための一対の第1の位置決めピンが嵌合される一対の第1の位置決め穴と、第1のディスクと直径が異なる第2のディスクが格納された大きさの異なる第2のディスクカートリッジをピックアップ装置に対する所定位置に位置決めするための一対の第2の位置決めピンによっては位置決めされることのないように一対の第2の位置決めピンを退避する一対の逃げ穴を設けたものである。
また、本発明の記録及び/又は再生装置は、情報信号の記録及び/又は再生が可能な第1のディスクが回転可能に格納された第1のカートリッジ筐体に設けた一対の第1の位置決め穴に嵌合することにより第1のディスクカートリッジを所定位置に位置決めする一対の第1の位置決めピンと、第1のディスクとは直径が異なる第2のディスクが回転可能に格納された大きさの異なる第2のカートリッジ筐体に設けた一対の第2の位置決め穴に嵌合することにより第2のディスクカートリッジを所定位置に位置決めするが、第1のカートリッジ筐体に設けた逃げ穴によっては第1のディスクカートリッジを位置決めすることなく退避される一対の第2の位置決めピンと、一対の第1の位置決めピンにより位置決めされた第1のカートリッジ筐体に格納されている第1のディスク又は一対の第2の位置決めピンにより位置決めされた第2のカートリッジ筐体に格納されている第2のディスクに対して情報信号の記録及び/又は再生を行うピックアップ装置と、一対の第1の位置決めピンと一対の第2の位置決めピンを設けたシャーシと、を備えたことを特徴としている。
【0011】
このように構成したことにより、記録及び/又は再生装置にディスク径の大きいディスクカートリッジを装着した際に、ディスク径の小さいディスクカートリッジを位置決めする位置決めピンを逃げ穴により退避することができ、これによって、記録及び/又は再生装置に大きさの異なるディスクカートリッジを支障なく装着することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明によるディスクカートリッジ及び記録及び/又は再生装置の実施の形態をディスク径の異なる大小2種類のディスクカートリッジに適用した場合を例にとって図面を参照して説明する。
【0013】
図1はディスク径の大きいディスクカートリッジ(以下、第1のディスクカートリッジという)を上面側より見たシャッター解放状態の斜視図、図2は同じく下面側より見たシャッター解放状態の斜視図、図3はディスク径の小さいディスクカートリッジ(以下、第2のディスクカートリッジという)を上面側より見たシャッター解放状態の斜視図、図4は同じく下面側より見たシャッター解放状態の斜視図である。
【0014】
第1のディスクカートリッジの全体を符号1で示し、カートリッジ筐体2は上ハーフ3と下ハーフ4の接合面を高周波溶着により合体式に構成されている。第1のディスクカートリッジ1内に格納されている第1のディスク5は、例えば光ディスクであり、そのディスク外径は一例としてφ64.8mmであり、この場合、ディスク筐体2は第1のディスクカートリッジ1の挿入方向(矢印マーカー6で示す)と直交する一辺の長さW1は72mm、この辺と直交する他辺の長さW2は68mm、厚みD 1 が5mmのサイズに規格されている。
【0015】
上述した第1のディスクカートリッジ1には、カートリッジ筐体2の両面をスライド式に開閉可能のシャッター板7を有し、このシャッター板7が解放されることで第1のディスクカートリッジ1の上面側では上ハーフ2の開口窓2aから第1のディスク5の上面の径方向の一部が露見すると共に、第1のディスクカートリッジ1の下面側では下ハーフ3の開口窓3aから第1のディスク5の下面(記録層)の径方向の一部が露見するようになっている。尚、第1のディスクカートリッジ1の下面側では、シャッター板7の解放により第1のディスク5のチャッキングプレート8が露見するようになる。
【0016】
また、第1のディスクカートリッジ1の下ハーフ3には、挿入先端側の一側方に長穴状の第1の位置決め穴9と、この第1の位置決め穴9とは反対側の挿入後端側に丸穴状の第1の位置決め穴10が形成されている。さらに、第1のディスクカートリッジ1の挿入先端側はその両角部を斜めにカットした比較的大きな切欠面11,11に形成されている。
【0017】
一方、第2のディスクカートリッジの全体を符号12で示し、この場合、カートリッジ筐体13も上ハーフ14と下ハーフ15の接合面を高周波溶着により合体式に構成されている。第2のディスクカートリッジ12内に格納されている第2のディスク16は光ディスクであり、そのディスク外径は一例としてφ50mmであり、この場合、カートリッジ筐体13は第2のディスクカートリッジ12の挿入方向(矢印マーカー17で示す)と直交する一辺の長さW3は58mm、この辺と直交する他辺の長さW4は53mm、厚みD2が4mmのサイズに規格されている。
【0018】
上述した第2のディスクカートリッジ12には、カートリッジ筐体13の両面をスライド式に開閉可能のシャッター板18を有し、このシャッター板18が解放されることで第2のディスクカートリッジ12の上面側では上ハーフ14の開口窓14aから第2のディスク16の上面の径方向の一部が露見すると共に、第2のディスクカートリッジ12の下面側では下ハーフ15の開口窓15aから第2のディスク16の下面(記録層)の径方向の一部が露見するようになっている。尚、第2のディスクカートリッジ12の下面側では、シャッター板18の解放により第2のディスク16のチャッキングプレート19が露見するようになる。
【0019】
また、第2のディスクカートリッジ12の下ハーフ15には、挿入先端側の一側方に長穴状の第2の位置決め穴20と、この第2の位置決め穴20とは反対側の挿入後端側に丸穴状の第2の位置決め穴21が形成されている。さらに、第2のディスクカートリッジ12の挿入先端側はその両角部を斜めにカットした比較的大きな切欠面22,22に形成されている。
【0020】
ここで、図5に上述したディスクカートリッジが装着される記録及び/又は再生装置のカセットコンパートメント(以下、カセコンという)のシャーシ23の平面図を示し、シャーシ23上に第1のディスクカートリッジ1が装填された状態を仮想線で示し、図6にシャーシ23上に第1のディスクカートリッジ1が位置決めされた断面図を示す。
【0021】
第1のディスクカートリッジ1はヒンジ部24を支点としてホップアップ式(はね上げ式)に回動するホルダー25に矢印方向から挿着され、ホルダー25をシャーシ23側へ回動することで装填位置となる。
【0022】
シャーシ23上のヒンジ部24側とその反対側の一側方(右側方)には第1のディスクカートリッジ1の高さ決めのための第1の高さ基準面を有する一対の第1の位置決め台座26,27が形成され、両第1の位置決め台座26,27上の第1の高さ基準面にそれぞれ第1のディスクカートリッジ1の第1の位置決め穴9,10が係合される第1の位置決めピン28,29が突出形成されている。
【0023】
これら両第1の位置決めピン28,29の内側に隣接してシャーシ23上に第2のディスクカートリッジ12の高さ決めのための第2の高さ基準面を有する一対の第2の位置決め台座30,31が形成され、両第2の位置決め台座30,31上の第2の高さ基準面にそれぞれ第2のディスクカートリッジ12の第2の位置決め穴20,21が形成される第2の位置決めピン32,33が突出形成されている。
【0024】
一方、第1のディスクカートリッジ1の一対の第1の位置決め台座26,27とは左右対称位置のシャーシ23上には、第1のディスクカートリッジ1の高さ決めのための一対の第1の位置決め台座26,27と同じ高さの第1の高さ基準面を有する第1の台座34,35が形成されている。そして、この両第1の台座34,35の内側に隣接してシャーシ23上に第2のディスクカートリッジ12の高さ決めのための一対の第2の位置決め台座30,31と同じ高さの第2の高さ基準面を有する第2の台座36,37が形成されている。尚、第2のディスクカートリッジ12の高さ決めのための第2の位置決め台座30,31及び第2の台座36,37は、第1のディスクカートリッジ1の高さ決めのための第1の位置決め台座26,27及び第1の台座34,35より高くされている。
【0025】
また、上述したシャーシ23において、第1のディスク5をチャッキングし回転駆動するためのターンテーブル38及び第1のディスク5の記録情報を再生あるいは第1のディスク5に記録情報を記録するためのピックアップ装置である光学ピックアップ装置39が配置されている。
【0026】
上述したシャーシ23上に装填された第1のディスクカートリッジ1は、その一対の第1の位置決め穴9,10がシャーシ23の一対の第1の位置決めピン28,29に係合されて位置決めされると共に、第1のディスクカートリッジ1の下面がそれぞれの第1の位置決め台座26,27及び第1の台座34,35によって高さ決めされ、第1のディスクカートリッジ1を水平状態に保持することができる。
【0027】
ここで、本発明では第1のディスクカートリッジ1が第2のディスクカートリッジ12の一対の第2の位置決めピン32,33及び第2の位置決め台座30,31に干渉しないように段付き逃げ穴40,41が形成されている。また、第2のディスクカートリッジ12の第2の台座36,37から退避するための逃げ穴42,43(図2参照)が形成されている。これによって、第1のディスクカートリッジ1の装填状態では第2のディスクカートリッジ12の第2の位置決めピン32,33及び第2の位置決め台座30,31及び第2の台座36,37から退避して干渉されることなく第1の高さ基準面で高さ決めされ位置決めすることができる。
【0028】
図7にシャーシ23上に第2のディスクカートリッジ12が装填された状態を仮想線で示し、図8にシャーシ23に第2のディスクカートリッジ12が位置決めされた断面図を示す。
【0029】
シャーシ23上に装填された第2のディスクカートリッジ12は、その一対の第2の位置決め穴20,21がシャーシ23の一対の第2の位置決めピン32,33に係合されて位置決めされると共に、第2のディスクカートリッジ12の下面がそれぞれの第2の位置決め台座30,31及び第2の台座36,37の第2の高さ基準面によって高さ決めされ、第2のディスクカートリッジ12を水平状態に保持することができる。
【0030】
第2のディスクカートリッジ12のシャーシ23上への装填状態では、第1のディスクカートリッジ1の第1の位置決めピン28,29及び第1の台座34,35は第2のディスクカートリッジ12とは干渉しない位置にあるので、特別な逃げ穴は必要なく、第2のディスクカートリッジ12はその第2の位置決め穴20,21が第2の位置決めピン32,33に位置決めされると共に、第2の位置決め台座30,31の第2の高さ基準面により高さ決めされる。ここで重要なことは、第2のディスクカートリッジ12の第2の位置決めピン32,33は、第1のディスクカートリッジ1がシャーシ23上に装填されたとき、その第1のディスク5と干渉しないように第1のディスク5の外径より外方へ配置させるようにし、これによって、第1のディスクカートリッジ1に支障のない装填が可能となる。
【0031】
尚、第1のディスクカートリッジ1の高さ決めのための台座に対して第2のディスクカートリッジ12の高さ決めのための台座を高くしてあることは、第1のディスクカートリッジ1の筐体2の厚み(5mm)より第2のディスクカートリッジ12の筐体13の厚み(4mm)が若干薄くなっている分、光学ピックアップ装置39からの光ビームのスポットが第1のディスク5や第2のディスク16の記録層に正確に照射できるように台座の高さで調整されている。
【0032】
上述したように本発明による記録及び/又は再生装置は、大きさの異なる2種類のディスクカートリッジがカセコンに選択的に挿着し記録あるいは再生動作を行うことができるといった特長を有するものである。
【0033】
また、第1のディスクカートリッジ1の装填時に第2のディスクカートリッジ12の第2の位置決めピン32,33との干渉を避けるため、第1のディスクカートリッジ1に逃げ穴を設けたこと、そして、第2のディスクカートリッジ12の第2の位置決めピン32,33を、第1のディスクカートリッジ1がシャーシ23上に装填されたとき、その第1のディスク5と干渉しないように第1のディスク5の外径より外方に配置することによって、大きさの異なる2種類のディスクカートリッジ1,12の挿着が可能となり、信頼性の高い記録及び/又は再生装置となる。
【0034】
また、両ディスクカートリッジ1,12は、それぞれの挿入側の両角部に切欠面11,22を形成したことによって、ディスクカートリッジの挿入向きが容易に認識することができ、誤挿入を防止することができる。また、ホルダー25への挿入の際にディスクカートリッジを斜めの姿勢で挿入した場合であっても、切欠面11,22がガイド機能となり、ディスクカートリッジが正常な姿勢となってホルダー25への挿入が可能となる。
【0035】
尚、ディスクカートリッジのホルダー25への挿入において、大きな第1のディスクカートリッジ1の場合は、カートリッジの左右側面がホルダー25にガイドされるので、特別なガイド機構を設けることなく正確な位置に挿着することができる。これに対して、小さな第2のディスクカートリッジ12の場合は、ホルダー25にガイド機構を備えることが必要である。この場合、ガイド機構は大きな第1のディスクカートリッジ1がホルダー25に挿入された際に退避されるような機構を備えることによって容易に可能となる。
【0036】
本発明は、上述しかつ図面に示した実施の形態に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。
【0037】
本例では、一対の位置決めピンをディスクカートリッジの挿入方向に沿って前後に配置した場合について説明したが、その他、ディスクカートリッジの後端側の左右に配置された場合であっても上述の場合と同様に行うことができる。この場合、一対の位置決めピンは丸穴状の位置決めピンでよい。
【0038】
また、本例では、大きさの異なる2種類のディスクカートリッジに適用した場合について説明したが、その他、2種類以上の大きさ異なるディスクカートリッジについてもカートリッジが干渉する位置に位置決めピンの逃げ穴を設けたり、ディスクから退避する位置に位置決めピンを配置することによって容易に可能となる。
【0039】
また、第1および第2のディスクカートリッジの台座は同じ高さであってもよい。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のディスクカートリッジ及び記録及び/又は再生装置は、記録及び/又は再生装置にディスク径の大きいディスクカートリッジを装着した際に、ディスク径の小さいディスクカートリッジを位置決めする位置決めピンを逃げ穴により退避する構成としたため、記録及び/又は再生装置に複雑な機構を設ける必要もなく、大きいディスクカートリッジの装填に対して支障のない信頼性の高いディスクカートリッジ及び記録及び/又は再生装置となる。
【0041】
また、ディスク径の小さいディスクカートリッジの台座の高さを、ディスク径の大きいディスクカートリッジの台座の高さより若干高く設定したことによって、厚みの異なるディスクカートリッジであっても簡単な機構の対策で光学ピックアップ装置からの光ビームのスポットをディスクの記録層に正確に照射することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明による大きいディスクカートリッジを上面から見た斜視図である。
【図2】
同じく大きいディスクカートリッジを下面から見た斜視図である。
【図3】
本発明による小さいディスクカートリッジを上面から見た斜視図である。
【図4】
同じく大きいディスクカートリッジを下面から見た斜視図である。
【図5】
カセコンに大きいディスクカートリッジを装填したときの平面図である。
【図6】
同じくカセコンに大きいディスクカートリッジを装填したときの断面図である。
【図7】
カセコンに小さいディスクカートリッジを装填したときの平面図である。
【図8】
同じくカセコンに小さいディスクカートリッジを装填したときの断面図である。
【符号の説明】
1‥第1のディスクカートリッジ、 2‥カートリッジ筐体、 5‥第1のディスクカートリッジの第1のディスク、 7‥シャッター板、 9‥長穴状の第1の位置決め穴、 10‥丸穴状の第1の位置決め穴、 11‥切欠面、 12‥第2のディスクカートリッジ、 13‥カートリッジ筐体、 16‥第2のディスクカートリッジの第2のディスク、 18‥シャッター板、 20‥長穴状の第1の位置決め穴、 21‥丸穴状の第1の位置決め穴、 22‥切欠面、 23‥カセコンのシャーシ、 24‥ヒンジ部、 25‥スライダー、 26,27‥第1のディスクカートリッジの第1の位置決め台座、 28,29‥第1のディスクカートリッジの第1の位置決めピン、 30,31‥第2のディスクカートリッジの第2の位置決め台座、 32,33‥第2のディスクカートリッジの第2の位置決めピン、 34,35‥第1のディスクカートリッジの第1の台座、 36,37‥第2のディスクカートリッジの第2の台座、 39‥光学ピックアップ装置(ピックアップ装置)、 40,41‥段付き逃げ穴、 42,43‥逃げ穴
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