JP2001123225A - 磁束密度が高く、鉄損の低い熱延珪素鋼板の製造方法 - Google Patents

磁束密度が高く、鉄損の低い熱延珪素鋼板の製造方法

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JP2001123225A
JP2001123225A JP30602199A JP30602199A JP2001123225A JP 2001123225 A JP2001123225 A JP 2001123225A JP 30602199 A JP30602199 A JP 30602199A JP 30602199 A JP30602199 A JP 30602199A JP 2001123225 A JP2001123225 A JP 2001123225A
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Ryutaro Kawamata
竜太郎 川又
Takeshi Kubota
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気特性に優れる薄手ホットファイナル熱延
珪素鋼板を安価に安定して製造する方法を提供する。 【解決手段】 特定のSi,Mnを含有する鋼を熱延し
て珪素鋼板を製造する方法において、仕上板厚を1.5
mm以下とすると共に、仕上熱延の終了温度を800〜1
100℃、巻取温度を750〜1050℃とし、コイル
自身の保有熱で5分〜3時間自己焼鈍することを特徴と
する。更に、仕上熱延において、少なくとも1パスは下
式で示すZパラメーターが12.10以上であり、かつ
前記条件を満足するパスの圧下率の和を20%以上とす
ることを特徴とする。 Z= Log{εexp [32100/(273+t)] }≧12.10 ただし、ε:歪み速度(1/s) 、t:圧延温度 (℃)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は鉄損が低く、磁束密
度の高い磁性に優れた熱延珪素鋼板を製造する方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、無方向性電磁鋼板がその鉄心材料
として使用される回転機においては、世界的な電力、エ
ネルギー節減、環境保全の動きの中で、高効率化の動き
が急速に広まりつつある。このため無方向性電磁鋼板に
対しても、その特性向上、すなわち高磁束密度かつ低鉄
損化への要請がますます強まってきている。また世界的
大競争時代に突入しつつある中、需要家からは低コスト
で磁気特性の優れた無方向性電磁鋼板の提供を強く求め
られている。
【0003】ところで無方向性電磁鋼板においては、従
来、低鉄損化の手段として一般に、電気抵抗増大による
渦電流損低減の観点から、SiあるいはAl等の含有量
を高める方法がとられてきた。しかしこの方法では反
面、磁束密度の低下は避け得ないという問題点があっ
た。このような問題点の克服のために、熱延板結晶粒径
を粗大化することで磁束密度と鉄損の両方を改善させる
方法が行われてきた。
【0004】従来技術における無方向性電磁鋼板製造法
としては、熱間圧延後、一回の圧延工程で最終板厚とし
その後焼鈍を施して最終製品とするか、中間焼鈍を挟む
2回以上の冷間圧延により最終板厚とし、最終焼鈍を施
すフルプロセス無方向性電磁鋼板製造法か、一回の冷間
圧延後焼鈍を施し、その後10%前後のスキンパス圧延
を施すことにより最終板厚とするセミプロセス無方向性
電磁鋼板製造法に大別される。
【0005】このような従来技術による無方向性電磁鋼
板の磁性を安価に改善する技術として、特開昭59−7
4222号公報には、仕上熱延最終スタンドの圧下率を
20%以上として、熱延板の巻取温度を700℃以上と
する技術が開示されている。この公知例においては、最
終スタンド圧下率を高めて巻取温度を上昇させることに
より熱延終了後の熱延組織の再結晶および粒成長を促進
し、結果として磁気特性を改善することを狙っている。
しかしながら鋼板中のSi含有量が高い場合、この技術
では熱延板の再結晶は促進されるものの、その後の粒成
長が不十分であり、冷間圧延・最終焼鈍後の特性の改善
が不十分であった。
【0006】また特開昭54−76422号公報には、
仕上熱延後の熱延板を700℃から1000℃の高温で
巻取り、これをコイルの保有熱で焼鈍する自己焼鈍法が
開示されている。しかしながらこの技術においては、高
温で巻き取ったコイルの自己焼鈍中の粒成長がばらつき
やすい問題点があった。さらに、冷間圧延を前提とする
無方向性電磁鋼板製造法では、冷間圧延、最終焼鈍のコ
ストが製品価格を押し上げるため、需要家のさらなるコ
ストダウンの要求には十分応じていないという問題点が
あった。
【0007】このような課題に対して、低コスト無方向
性電磁鋼板を提供する手段として、特開平9−1949
39号公報には、粗熱間圧延後、シートバーを巻取り均
熱処理を施した後、板厚1mm以下のホットファイナル無
方向性電磁鋼板を製造する技術が開示されている。しか
しながらシートバーの巻取りによるシートバー自身の均
熱化のみで薄手熱延板を安定製造することには限界があ
り、薄手材を製造した場合に、仕上熱延の圧下率が増大
することからシートバー噛み込み時にスタンド間で上反
りが生じやすく、結果として圧延を度々停止せざるを得
なかった。
【0008】また、仕上熱延の圧下率低減のためにシー
トバーを薄手化すると、シートバー巻取りを行ったとし
ても、シートバーの温度むらが生じるため、成品の特性
がコイル採取位置に対して安定せず、限界があった。さ
らに、得られる製品においても従来の冷間圧延を施した
無方向性電磁鋼板に比べて大きく磁性が劣り、低コスト
ながら昨今の高効率材を求める需要家には注目されない
と言う問題点があった。この様に、薄手ホットファイナ
ル無方向性電磁鋼板の製造には大きな課題を残してい
た。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来のコス
ト増を招く無方向性電磁鋼板製造法の問題点を解決し、
安価で磁気特性に優れる薄手ホットファイナル無方向性
電磁鋼板を安定して製造する方法を提供することを目的
とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨とするとこ
ろは、以下の通りである。 (1)鋼中にSi、Mnのうち少なくとも1種を、重量
%で0.1%≦Si≦4.0%、 0.1%≦Mn≦
2.0%の範囲で含有し、残部がFeおよび不可避不純
物からなるスラブを用い、粗圧延を行いシートバーと
し、更に仕上熱間圧延した熱延板を直ちに巻取り、コイ
ル自身の保有熱で自己焼鈍を実施する熱延珪素鋼板の製
造方法において、仕上板厚1.5mm以下とすると共に、
仕上熱間圧延の終了温度を800〜1100℃とし、コ
イルの巻取り温度を750〜1050℃とし、自己焼鈍
時間を5分〜3時間とし、仕上げ熱延において少なくと
も1パスは下式(1)を満足させると共に、粗圧延後の
シートバーに対する仕上熱間圧延の圧延率のうち、下式
(1)を満足するパスの圧下率の和を20%以上とする
ことを特徴とする磁束密度が高く、鉄損の低い熱延珪素
鋼板の製造方法。
【数式2】
【0011】(2)粗圧延後のシートバーを先行するシ
ートバーに接続し、仕上熱延を連続して行うことを特徴
とする前項(1)に記載の磁束密度が高く、鉄損の低い
熱延珪素鋼板の製造方法。 (3)更に付加的成分として、酸可溶性Alを重量%で
0.1%≦sol.Al≦2.5%を含有することを特徴と
する前項(1)または(2)に記載の磁束密度が高く、
鉄損の低い熱延珪素鋼板の製造方法。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。発明者らは、自己焼鈍を前提とする熱延珪素鋼板の
制御熱延について鋭意検討を重ねた結果、仕上熱間圧延
時の最終パス付近の圧延を適切な条件下で行うことによ
って、製品における磁気特性が安定すると共に、磁束密
度が極めて高く、鉄損が良好な(鉄損値が低い)熱延珪
素鋼板を製造することに成功した。
【0013】まず、本発明の成分について説明する。成
分含有量は重量%である。Siは、鋼板の固有抵抗を増
大させ渦流損を低減させ、鉄損値を改善するために添加
される。Si含有量が0.1%未満であると固有抵抗が
十分に得られないので、0.1%以上添加する必要があ
る。一方、Si含有量が4.0%を超えると熱間圧延が
困難となるので、4.0%以下とする必要がある。
【0014】Mnは、Al,Siと同様に鋼板の固有抵
抗を増大させ渦電流損を低減させる効果を有する。この
ため、Mn含有量は0.1%以上とする必要がある。一
方、Mn含有量が2.0%を超えると、熱延時の変形抵
抗が増加し熱延が困難となると共に、熱延後の結晶組織
が微細化しやすくなり製品の磁気特性が悪化するので、
Mn含有量は2.0%以下とする必要がある。
【0015】鋼中のAlは、不純物レベルであっても何
ら問題はないが、AlはSiと同様に鋼板の固有抵抗を
増大させ渦電流損を低減させる効果を有するので、特に
低鉄損を得たい場合には0.1〜2.5%添加するのが
好ましい。過剰にAl添加した場合には磁束密度が低下
し、コスト高ともなるので、2.5%以下とする。
【0016】また製品の機械的特性の向上、磁気的特
性、耐錆性の向上あるいはその他の目的のために、P,
B,Ni,Cr,Sb,Sn,Cuの1種または2種以
上を鋼中に含有させても本発明の効果は損なわれない。
【0017】C,N,S,B,Pは本発明の請求項では
規定していないが、良好な磁気特性あるいは加工性を有
する無方向性電磁鋼板の製造にあたっては、その含有量
を注意深く制御する必要があるので、以下に言及する。
Cは、磁気時効を回避し鉄損の圧下を防止するため、
0.0050%以下であれば本発明の目的を達成するこ
とが出来る。一方、Si含有量が少なく硬度が低い成分
系の熱延珪素鋼板の場合、C含有量を0.0250%程
度にすることで、打抜き性の改善を図っても良い。
【0018】S,Nは、熱間圧延工程におけるスラブ加
熱中に一部再固溶し、熱間圧延中にMnS,AlN等の
析出物を形成し、仕上げ焼鈍時に再結晶粒の成長を妨げ
たり、製品が磁化されるときに磁壁の移動を妨げる、い
わゆるピニング効果を発揮し、製品の低鉄損化を妨げる
原因となる。従って、S≦0.0050%、N≦0.0
050%とすることが好ましい。
【0019】Bは、熱間圧延時にBNを形成させてAl
Nの微細析出を妨げ、Nを無害化させるために添加され
る。B含有量はNとの量のバランスが必要であり、その
含有量は両者の比:B%/N%が0.5から1.5の範
囲を満たすことが好ましい。
【0020】Pは、製品の打抜き性を良好ならしめるた
めに、0.1%までの範囲内で添加される。P≦0.2
%であれば、製品の磁気特性の観点からは問題がない。
【0021】次に、本発明のプロセス条件について説明
する。前記成分からなる鋼スラブは、転炉で溶製され連
続鋳造あるいは造塊−分塊圧延により製造される。鋼ス
ラブは公知の方法にて加熱される。このスラブに粗圧
延、仕上圧延からなる熱間圧延を施し所定の厚みとす
る。
【0022】以下に本発明の仕上圧延条件を規定する理
由について述べる。仕上熱間圧延の終了温度は、800
℃未満であると熱間変形抵抗が急激に増大し圧延が困難
となるので、800℃以上とする。また1100℃超で
あると、熱延板の剛性が不足しコイルの巻取りが著しく
不安定となるので、1100℃以下とする。
【0023】コイルの巻取り温度は、750℃未満であ
ると自己焼鈍時の結晶粒成長が不十分となり、製品の磁
束密度が本発明の意図する高磁束密度が得られなくなる
ので、750℃以上と定める。また1050℃超である
と、自己焼鈍時の酸化を抑制することが困難となり、酸
洗歩留まりが低下し生産性が低下するので、1050℃
以下と定める。
【0024】自己焼鈍時間については、5分未満である
と焼鈍による結晶粒成長が不十分であり、本発明の意図
する高磁束密度が得られないので、5分以上とする。自
己焼鈍時間が3時間超であると、自己焼鈍時の酸化を抑
制することが困難となり、酸洗歩留まりが低下し生産性
が低下するので、3時間以内と定める。
【0025】本発明では、仕上げ熱延において少なくと
も1パスは下式(1)を満足すること、並びにその圧下
率の和が20%以上であることが必要である。下式
(1)で定めるZパラメーターの値が12.10未満で
あると、自己焼鈍時の結晶粒成長の駆動力が不足し、本
発明の意図する高磁束密度低鉄損熱延珪素鋼板が得られ
なくなるので、式(1)で定めるZパラメーターの値は
12.10以上である必要がある。
【0026】また、Zの値には上限を特に設けない。Z
の値は圧延温度が低くなるか、歪み速度が大きくなると
増加するが、圧延温度が低すぎると熱延時の圧延反力が
大きくなりすぎるので、その下限値は熱延機の性能によ
り自ずから決まり、歪速度の上限も圧延速度の限界から
熱延機の能力により自ずから決まるからである。
【数式3】
【0027】さらにその際、粗圧延後のシートバーに対
する仕上熱間圧延の圧延率のうち、式(1)を満足する
パスの圧下率の和が20%未満であると、自己焼鈍時の
結晶粒成長の駆動力が不足し、本発明の意図する高磁束
密度低鉄損熱延珪素鋼板が得られなくなるので、粗圧延
後のシートバーに対する仕上熱間圧延の圧延率のうち、
式(1)を満足するパスの圧下率の和を20%以上とす
ることが必要である。
【0028】この時、式(1)を満足するパスの圧下率
の和とは、式(1)を満足するパスの圧下率を足して計
算した和を示して言う。ここで、Zパラメーターの値を
求めるには歪み速度を求める必要がある。その方法とし
ては諸方法があるが、本発明では下記の式(2)に従っ
て歪み速度を求めるものとする。
【数式4】
【0029】仕上熱延終了後、コイル自身の保有熱によ
り自己焼鈍を行う。熱延珪素鋼版の板厚を1.5mm以下
に定めたのは、板厚が1.5mm超であると、本発明が目
指す低鉄損が得られないからである。板厚の下限は特に
定めないが、熱間圧延の安定性の観点から、0.5mm以
上であることが好ましい。このようにして得られた熱延
板はその後、一回の冷間圧延と連続焼鈍により製品とす
るか、あるいはさらにスキンパス圧延工程を付加して製
品としてもよい。スキンパス圧延率は、2%未満ではそ
の鉄損改善効果が得られず、10%超ではかえって鉄損
が悪化するため、2〜10%とする。
【0030】本発明における熱延条件と磁気特性との関
係を調査するため、以下の2種類の実験を行った。まず
第1に、表1に示す成分及び残部Feと不可避不純物か
らなる鋼を転炉により溶製し、連続鋳造設備により厚さ
220mmのスラブとした。このスラブを通常の方法にて
1250℃に加熱し、粗圧延により30mmのシートバー
とした。さらに仕上熱延により1.2mmに仕上げた。実
験の際、熱延条件の指標であるZパラメーターの値を、
最終パスにおいて種々の値を取るように圧延速度、パス
スケジュール、圧延温度を調整した。
【0031】仕上げ熱延終了後、800℃で巻き取っ
た。巻き取ったコイルは直ちに保熱カバー内に装入し8
00℃、1時間の自己焼鈍を行った。得られた熱延板を
酸洗後、エプスタイン試料を切り出し磁気特性を測定し
た。この時の熱延条件の指標であるZの値と、製品磁気
特性の関係を図1、図2に示す。図1、図2に示した結
果より、Zの値が12.10以上の場合において優れた
磁気特性が得られていることが分かる。このように、本
発明の熱延条件を満たす様に仕上げ熱延を実施すること
により、低鉄損かつ高磁束密度の熱延珪素鋼板を得るこ
とが可能である。
【0032】
【表1】
【0033】
【実施例】(実施例1)表2に示す成分及び残部Feと
不可避不純物からなる鋼を転炉により溶製し、連続鋳造
設備により厚さ220mmのスラブとした。このスラブを
通常の方法にて1250℃に加熱し、粗圧延により30
mmのシートバーとした。さらに6スタンドのタンデム仕
上熱延機により1.0mm厚みに仕上げた。仕上圧延の
際、熱延条件の指標であるZパラメーターの値を、最終
パスにおいて種々の値を取るように圧延速度、圧延温
度、パススケジュールを調整した。このため、熱延終了
温度は1000〜1090℃とし、本発明の構成要件で
ある800〜1100℃を満たすようにした。また、最
終パスの圧下率は20〜25%に変化させて実験を行っ
た。
【0034】仕上熱延終了後、825℃で熱延板をコイ
ルに巻き取った。巻き取ったコイルは直ちに保熱カバー
内に装入し820℃、1時間の自己焼鈍を行った。得ら
れた熱延板を酸洗後、エプスタイン試料を切り出し磁気
特性を測定した。この時の熱延条件の指標である最終パ
スにおけるZパラメーターの値と、磁気測定結果の関係
を表3に示す。表3に示した結果より、Zパラメーター
の値が12.10以上の場合において優れた磁気特性が
得られていることが分かる。このように、本発明で定め
た熱延条件を満たす様に仕上げ熱延を実施することによ
り、低鉄損かつ高磁束密度の熱延珪素鋼板を得ることが
可能である。
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】(実施例2)表4に示す成分及び残部Fe
と不可避不純物からなる鋼を転炉により溶製し、連続鋳
造設備により厚さ200mmのスラブとした。このスラブ
を通常の方法にて1250℃に加熱し、粗圧延により3
0mmのシートバーとした。さらに6スタンドのタンデム
仕上熱延機により0.8mm厚みに仕上げた。仕上圧延の
際、熱延条件の指標であるZパラメーターの値を、最終
パス付近において種々の値を取るように圧延速度、圧延
温度、パススケジュールを調整した。熱延終了温度は1
050℃とし、本発明の構成要件である800〜110
0℃を満たすようにした。また、最終パスの圧下率は2
5%に設定して実験を行った。本実験ではシートバーを
先行するシートバーに接合し、仕上熱延を連続して行っ
た。
【0038】仕上熱延終了後、820℃で熱延板をコイ
ルに巻き取った。巻き取ったコイルは直ちに保熱カバー
内に装入し820℃、1時間の自己焼鈍を行った。得ら
れた熱延板からエプスタイン試料を切り出し磁気特性を
測定した。この時の熱延条件の指標である最終パス付近
の各パスにおけるZパラメーターの値と、磁気測定結果
の関係を表5に示す。表5に示した結果より、Zパラメ
ーターの値が12.10以上の場合において、優れた磁
気特性が得られていることが分かる。このように、本発
明で定めた熱延条件を満たす様に仕上熱延を実施するこ
とにより、低鉄損かつ高磁束密度の熱延珪素鋼板を得る
ことが可能である。
【0039】
【表4】
【0040】
【表5】
【0041】
【発明の効果】上記のように本発明によれば、自己焼鈍
法による熱延珪素鋼板の製造法において、磁束密度が高
く鉄損の低い、磁気特性の優れた熱延珪素鋼板を提供す
ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】磁束密度とZパラメーターとの関係を示す図で
ある。
【図2】鉄損とZパラメーターとの関係を示す図であ
る。
フロントページの続き Fターム(参考) 4K033 AA01 FA03 FA05 FA10 FA14 RA03 RA10 SA01 5E041 AA02 AA19 CA04 HB11 NN01 NN17 NN18

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼中にSi、Mnのうち少なくとも1種
    を、重量%で0.1%≦Si≦4.0%、0.1%≦M
    n≦2.0%の範囲で含有し、残部がFeおよび不可避
    不純物からなるスラブを用い、粗圧延を行いシートバー
    とし、更に仕上熱間圧延した熱延板を直ちに巻取り、コ
    イル自身の保有熱で自己焼鈍を実施する熱延珪素鋼板の
    製造方法において、仕上板厚を1.5mm以下とすると共
    に、仕上熱間圧延の終了温度を800〜1100℃と
    し、コイルの巻取り温度を750〜1050℃とし、自
    己焼鈍時間を5分〜3時間とし、仕上げ熱延において少
    なくとも1パスは下式(1)を満足させると共に、粗圧
    延後のシートバーに対する仕上熱間圧延の圧延率のう
    ち、下式(1)を満足するパスの圧下率の和を20%以
    上とすることを特徴とする磁束密度が高く、鉄損の低い
    熱延珪素鋼板の製造方法。 【数式1】
  2. 【請求項2】 粗圧延後のシートバーを先行するシート
    バーに接続し、仕上熱延を連続して行うことを特徴とす
    る請求項(1)記載の磁束密度が高く、鉄損の低い熱延
    珪素鋼板の製造方法。
  3. 【請求項3】 更に付加的成分として、酸可溶性Alを
    重量%で0.1%≦sol.Al≦2.5%を含有するスラ
    ブを用いることを特徴とする請求項(1)または(2)
    に記載の磁束密度が高く、鉄損の低い熱延珪素鋼板の製
    造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003527483A (ja) * 2000-03-16 2003-09-16 ティッセンクルップ シュタール アクチェンゲゼルシャフト 無方向性電磁鋼板の製造方法
US7658807B2 (en) * 2001-10-31 2010-02-09 Thyssenkrupp Steel Ag Hot-rolled strip intended for the production of non-grain oriented electrical sheet and a method for the production thereof

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