JP2001107089A - 半導体部品用洗浄剤、半導体部品の洗浄方法、研磨用組成物、および研磨方法 - Google Patents

半導体部品用洗浄剤、半導体部品の洗浄方法、研磨用組成物、および研磨方法

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JP2001107089A
JP2001107089A JP28643899A JP28643899A JP2001107089A JP 2001107089 A JP2001107089 A JP 2001107089A JP 28643899 A JP28643899 A JP 28643899A JP 28643899 A JP28643899 A JP 28643899A JP 2001107089 A JP2001107089 A JP 2001107089A
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Keiichi Bessho
啓一 別所
Makoto Higami
誠 樋上
Toshio Ono
寿男 小野
Katsuhiro Ishikawa
克廣 石川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 環境への負荷が少なく、かつ、化学的機械研
磨(CMP)後に、半導体基板などの半導体部品上に残
った不純物に対して洗浄効果の高い洗浄剤、および、半
導体基板などの半導体部品、記録媒体部品および光学用
部品などの表面を研磨するために使用される研磨用組成
物を提供すること。 【解決手段】 スルホン酸(塩)基、カルボン酸(塩)
基、ホスホン酸(塩)基、水酸基、エチレンオキサイド
もしくはプロピレンオキサイドに由来する骨格を有する
官能基、および窒素原子を含有する官能基の群から選ば
れた少なくとも1種の官能基を有する水溶性(共)重合
体(塩)、ならびにホスホン酸化合物を主成分とする半
導体部品用洗浄剤、ならびに、上記半導体部品用洗浄剤
からなる研磨助剤を含有する研磨用組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体用部品用洗
浄剤および半導体部品の洗浄方法に関し、特に半導体製
造工程において、化学的機械研磨(CMP)の前後の半
導体基板などの半導体部品の表面を清浄するために使用
される半導体部品用洗浄剤および半導体部品の洗浄方法
に関する。また、本発明は、研磨用組成物および研磨方
法に関し、特に半導体基板などの半導体部品、記録媒体
部品および光学用部品などの表面を研磨するために使用
される研磨用組成物および研磨方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体デバイス製造プロセスにおける新
たな平坦化技術として、化学的機械研磨(CMP)が注
目されており、従来のリフロー技術やRIE(反応性イ
オンエッチング)などのエッチバック技術に比べ工程が
短縮でき、しかもパターン依存性を受けにくく、良好な
平坦化が実現できるという利点がある。この種のCMP
は、例えば、多層でのメタル平坦化あるいは層間絶縁膜
の平坦化などに適用されている。従来から、層間絶縁膜
の平坦化工程としての化学的機械研磨後の基板洗浄方法
として、さまざまな方法が提案されている。最も汎用性
の高いものとしては、半導体製造工程でよく使われるR
CA洗浄が挙げられる。このRCA洗浄は、アンモニア
と過酸化水素水と水の混合液による洗浄工程と、塩酸と
過酸化水素水と水の混合液による洗浄工程からなるもの
である。
【0003】また、希フッ酸溶液での層間絶縁膜表面の
エッチングや、アルカリ系研磨剤を用いる際、酸洗浄を
行う方法なども提案されている。化学的機械研磨工程の
後処理として現在最も多く使用されているのは、ブラシ
スクラブ洗浄後、例えば、アンモニア:過酸化水素:水
(重量比)が1:1:5のアルカリ性洗浄液によるSC
1洗浄を行い、基板表面に研磨工程で付着した粒子の除
去を行うというものである。
【0004】さらに、CMP後の基板表面に吸着した金
属不純物の洗浄として、クエン酸の水溶液が使用される
こと、さらには、クエン酸水溶液またはエチレンジアミ
ン四酢酸(EDTA)などがフッ化水素とともに使用さ
れることなどが知られている。また、クエン酸などの有
機酸と錯化剤とを含む洗浄液も知られている。しかしな
がら、上記洗浄液では、化学的機械研磨後に基板上に残
った研磨粒子などの金属不純物を問題のないレベルまで
除去することが難しいうえ、洗浄効果を出すためには高
濃度にする必要があり、廃液処理など環境への負担が大
きいという問題がある。
【0005】また、従来から、半導体基板、層間絶縁膜
などの半導体部品、記録媒体部品および光学用部品など
の平坦化工程で採用されている化学的機械研磨(CM
P)に使用する研磨用組成物としては、例えば、サブミ
クロンから数10ミクロンオーダーのダイヤモンド、ア
ルミナ、SiCなどの研磨砥粒を水中に分散させた研磨
用組成物などが知られている(特開平1−205973
号公報、特開昭62−25187号公報、特開平9−1
43455号公報など)。しかし、これらの研磨用組成
物を使用した場合、研磨砥粒の分散性、研磨により発生
する研磨屑の分散除去・再付着防止が不充分であるた
め、被研磨物表面に、ピット、スクラッチ、オレンジピ
ール、クラックなどの凹凸が生じやすく、研磨速度が上
げられず、生産性に劣るものである。また、研磨効果の
高い研磨用組成物も知られているが、それらは高価なた
め、低コスト化には限界がある。
【0006】また、近年、電子機器の発達に従い、磁気
ディスク記録装置の記録の高密度化が要求されている。
高密度化には、磁気ディスクからの磁気ヘッドの浮上量
低減が必要である。浮上量が小さいと、ハードディスク
面上に突起が存在した場合、ヘッドクラッシュを招き、
ハードディスクや磁気ヘッドを損傷させる恐れがある。
また、ヘッドクラッシュに至らない微小突起でも、突起
部の磁気特性の乱れにより、情報の読み書きに際し、種
々のエラー原因となりやすい。従って、ハードディスク
基板の研磨工程では、優れた平滑性を有する研磨面を形
成することが重要である。磁気ディスク基板としては、
従来のアルミニウム基板のほか、脆性材料であるガラス
状炭素基板も使用されており、ガラス状炭素基板、ガラ
ス基板、セラミックス基板などの脆性材料を研磨して、
高い研磨速度で、高度の平滑性を有する表面とするのに
適した、比較的安価な研磨用組成物は提供されていな
い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、環境
への負荷が少なく、かつ、化学的機械研磨(CMP)後
に、半導体基板などの半導体部品上に残った、シリカ、
アルミナなどのCMP研磨砥粒、CMP中に含まれる金
属不純物あるいは金属配線などに基づくFe,Mn,A
l,Ce,Cu,W,Tiなどの不純物に対して洗浄効
果の高い洗浄剤および半導体部品の洗浄方法を提供する
ことにある。また、本発明の目的は、半導体基板、層間
絶縁膜などの半導体部品や、記録媒体部品および光学用
部品などの化学的機械研磨(CMP)に適し、被研磨物
の表面を平坦にし、かつ研磨速度を高くできる研磨用組
成物および研磨方法を提供することにもある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、(a)カルボ
ン酸(塩)基、スルホン酸(塩)基、ホスホン酸(塩)
基、水酸基、エチレンオキサイドもしくはプロピレンオ
キサイドに由来する骨格を有する官能基、および窒素原
子を含有する官能基の群から選ばれた少なくとも1種の
官能基を有する水溶性(共)重合体(塩)、ならびに、
(b)ホスホン酸化合物を主成分とする半導体部品用洗
浄剤に関する。上記半導体部品用洗浄剤は、化学的機械
研磨後の半導体部品洗浄に使用することが好ましい。ま
た、本発明は、上記半導体部品用洗浄剤を使用して半導
体部品を洗浄することを特徴とする半導体部品の洗浄方
法に関する。さらに、本発明は、少なくとも研磨材、お
よび、上記記載の半導体部品用洗浄剤からなる研磨助剤
を含有することを特徴とする研磨用組成物に関する。上
記研磨用組成物には、さらに溶剤を配合することが好ま
しい。また、上記研磨用組成物は、化学的機械研磨に使
用することが好ましい。さらに、本発明は、上記研磨用
組成物を使用して被研磨物を研磨することを特徴とする
研磨方法に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の半導体部品用洗浄剤は、
(a)カルボン酸(塩)基、スルホン酸(塩)基、ホス
ホン酸(塩)基、水酸基、エチレンオキサイドもしくは
プロピレンオキサイドに由来する骨格を有する官能基、
および窒素原子を含有する官能基の群から選ばれた少な
くとも1種の官能基を有する水溶性(共)重合体
(塩)、ならびに、(b)ホスホン酸化合物を主成分と
する。上記水溶性(共)重合体(塩)は、カルボン酸
(塩)基を有する単量体、スルホン酸(塩)基を有する
単量体、ホスホン酸(塩)基を有する単量体、水酸基を
有する単量体、エチレンオキサイドもしくはプロピレン
オキサイドに由来する骨格を有する単量体、および窒素
原子を含有する官能基を有する単量体の群から選ばれた
少なくとも1種からなる単量体成分を(共)重合するこ
とにより得ることができる。
【0010】カルボン酸(塩)基を有する単量体として
は、カルボン酸基を含み重合可能な二重結合を有する単
量体であれば特に限定されないが、例えば、イタコン
酸、無水イタコン酸、(メタ)アクリル酸、マレイン
酸、無水マレイン酸、フマル酸、無水フマル酸、シトラ
コン酸、無水シトラコン酸、グルタコン酸、ビニル酢
酸、アリル酢酸、フォスフィノカルボン酸、α−ハロア
クリル酸、β−カルボン酸、またはこれらの塩類、(メ
タ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、
(メタ)アクリル酸オクチルなどの(メタ)アクリル酸
アルキルエステル類、などが挙げられる。好ましくは、
イタコン酸、無水イタコン酸、アクリル酸、メタクリル
酸またはこれらの塩類である。これらのカルボン酸
(塩)基を含み重合可能な二重結合を有する単量体は、
1種単独で使用することも、あるいは2種以上を混合し
て用いることもできる。
【0011】スルホン酸(塩)基を有する単量体として
は、例えば、イソプレンスルホン酸、(メタ)アクリル
アミド−2−メチルプロパンスルホン酸、スチレンスル
ホン酸、メタリルスルホン酸、ビニルスルホン酸、アリ
ルスルホン酸、イソアミレンスルホン酸、下記一般式
(I) で表される不飽和(メタ)アリルエーテル系単量
体〔例えば、3−アリロキシ−2−ヒドロキシプロパン
スルホン酸、3−メタアリロキシ−2−ヒドロキシプロ
パンスルホン酸〕、
【0012】
【0013】〔式中、R1 は水素原子または炭素数1〜
8のアルキル基、a〜dは同一または異なり、0または
1〜100の整数を示し(ただし、a+b+c+d=0
〜100)、(OC2 4 )単位と(OC3 6 )単位
とは、任意の順序で結合しており、Y,Zはスルホン酸
基または水酸基であり、Y,Zの少なくとも一方はスル
ホン酸基である。〕、スルホエチル(メタ)アクリレー
ト、下記一般式(II)で表される共役ジエンスルホン酸
(例えば、2−メチル−1,3−ブタジエン−1−スル
ホン酸)
【0014】
【0015】(式中、R2 〜R7 は水素原子、炭素数1
〜8のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基または
−SO3 Xであり、ここでXは水素原子、金属原子、ア
ンモニウム基、もしくはアミノ基であり、R2 〜R7
少なくとも一つは−SO3 Xである)、(メタ)アクリ
ルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸)、2−ヒド
ロキシ−3−アクリルアミドプロパンスルホン酸、およ
びこれらの塩などが挙げられる。好ましくは、イソプレ
ンスルホン酸、(メタ)アクリルアミド−2−メチルプ
ロパンスルホン酸およびこれらの塩である。特に好まし
くは、イソプレンスルホン酸、(メタ)アクリルアミド
−2−メチルプロパンスルホン酸、およびこれらの塩で
ある。これらのスルホン酸(塩)基含有単量体は、1種
単独で使用することも、あるいは2種以上を混合して用
いることもできる。
【0016】ホスホン酸(塩)基を有する単量体として
は、ビニルホスホン酸およびその塩が挙げられる。好ま
しくはビニルホスホン酸の塩である。ビニルホスホン酸
(塩)は、1種または2種以上を併用できる。水酸基を
有する単量体としては、例えば、ビニルアルコール、ア
リルアルコール、メチルビニルアルコール、エチルビニ
ルアルコール、ビニルグリコール酸などの不飽和アルコ
ール類、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、ヒド
ロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピ
ル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アク
リレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、ポリ
テトラメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、
ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、ヘキサ
ンジオールモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリ
トールモノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシフェノキ
シエチル(メタ)アクリレートなどの水酸基含有(メ
タ)アクリル酸エステル類が挙げられる。好ましくはヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレートである。これらの
水酸基を有する単量体は、1種単独で使用することも、
あるいは2種以上を混合して用いることもできる。
【0017】エチレンオキサイドもしくはプロピレンオ
キサイドに由来する骨格を有する単量体としては、ポリ
オキシエチレンモノメタクリレート(アルキレンオキサ
イド2〜20モル付加物)、および下記一般式(III)で
表される構造を有する化合物、 (式中、R8 は水素原子またはメチル基、R9 は、炭素
数1〜18の脂肪族基または芳香族基であり、Aはメチ
レン基、プロピレン基、テトラメチレン基である)など
が挙げられる。好ましくはポリオキシエチレンモノメタ
クリレート(エチレンオキサイド5モル付加物)であ
る。上記単量体は、1種または2種以上使用できる。
【0018】窒素原子を含有する官能基を有する単量体
としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N−メチ
ル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリ
ルアミド、N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、
N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ジメチ
ル(メタ)アクリルアミド、N−ジエチル(メタ)アク
リルアミド、N−ジ−n−ジプロピル(メタ)アクリル
アミド、N−メチル−N−エチル(メタ)アクリルアミ
ド、N−ビニルホルムアミド、2−ビニルピリジン、4
−ビニルピリジン、N−ビニルピロリドンなどが挙げら
れる。好ましくはアクリルアミド、ジメチルアクリルア
ミド、ビニルピリジンである。窒素原子を含有する官能
基を有する単量体は、1種または2種以上を併用でき
る。
【0019】本発明の水溶性(共)重合体(塩)は、上
記単量体成分のほかに、共重合可能なその他の単量体を
共重合して得ることもできる。その他の単量体として
は、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、
p−メチルスチレンなどの芳香族ビニル化合物、ブタジ
エン、イソプレン、2−クロル−1,3−ブタジエン、
1−クロル−1,3−ブタジエンなどの脂肪族共役ジエ
ン、(メタ)アクリロニトリルなどのシアン化ビニル化
合物、ビニルホスホン酸(塩)以外のリン酸化合物など
が挙げられる。上記単量体は、1種または2種以上使用
できる。これらその他の単量体を共重合させる場合に
は、単量体成分中に、30モル%以下であることが好ま
しい。
【0020】本発明において、スルホン酸(塩)基を有
する単量体、カルボン酸(塩)基を有する単量体、ホス
ホン酸(塩)、水酸基を有する単量体、エチレンオキサ
イドもしくはプロピレンオキサイドに由来する骨格を有
する単量体、および窒素原子を含有する官能基を有する
単量体の群から選ばれた少なくとも1種からなる単量体
成分から、水溶性(共)重合体(塩)を製造する方法
は、例えば、下記のとおりである。すなわち、上記単量
体成分を過酸化水素、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウ
ムなどの公知の重合開始剤の存在下、反応温度を、通
常、20〜200℃、好ましくは40〜150℃で、
0.1〜20時間、好ましくは1〜15時間にわたり重
合反応させ、水溶性(共)重合体(塩)を製造すること
ができる。一つの処方として、重合に使用する単量体成
分を逐次添加し(共)重合を行うことができる。ここ
で、逐次重合とは、単位時間あたり一定量で、あるいは
添加量を変量させて単量体成分を重合系に所定時間内に
投入することである。
【0021】上記(共)重合反応において、反応を円滑
に行うため重合溶媒を用いることができ、この重合溶媒
としては、水、または水と混合可能な有機溶剤と水との
混合物などを用いることができる。この有機溶剤の具体
例としては、水と混合可能であれば特に限定されない
が、例えば、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサ
ン、アルコール類などが挙げられる。
【0022】上記(a)成分に含まれるスルホン酸
(塩)基を有する水溶性(共)重合体(塩)は、上記単
量体成分の(共)重合反応の他にも、ジエン構造あるい
は芳香族構造を含むベースポリマー(前駆体)の芳香族
環または残存二重結合の一部もしくは全部をスルホン化
したり、ジエン構造を一部もしくは全部水添したのちス
ルホン化することで得られる。その場合、公知の水添触
媒が使用可能で、例えば特開平5―222115号公報
に記載されているような水添触媒、水添方法が挙げられ
る。ベースポリマーを水添後、後述する方法でスルホン
化することもできるが、上記ベースポリマーをスルホン
化したのち、水添してもなんら問題ない。
【0023】本発明に使用されるベースポリマーは、ラ
ンダム型でもAB型あるいはABA型などのブロック型
の共重合体でも特に制限なく使用できる。ベースポリマ
ーとして、ブロック型の共重合体を使用すると、ブロッ
ク構造を有する、スルホン酸(塩)基を有する共重合体
が得られる。例えば、スチレン−イソプレン2元ブロッ
ク共重合体であれば、後述する無水硫酸/電子供与性化
合物を用いることにより、イソプレンユニットを優先的
にスルホン化でき、また、スチレン−イソプレンブロッ
ク共重合体のイソプレンユニットを水添後、無水硫酸で
スチレンの芳香族環を優先的にスルホン化することによ
り、スルホン酸(塩)基ブロックおよび疎水ブロックを
有する共重合体が得られる。
【0024】好ましいベースポリマーとしては、例えば
ポリスチレン、イソプレン単独重合体、ブタジエン単独
重合体、スチレン−イソプレンランダム共重合体、スチ
レン−イソプレンブロック共重合体、スチレン−イソプ
レン−スチレン三元ブロック共重合体、ブタジエン−ス
チレンランダム共重合体、ブタジエン−スチレンブロッ
ク共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック
共重合体、およびこれら(共)重合体の水添物、エチレ
ン−プロピレン−ジエン三元共重合体などが挙げられ、
好ましくは芳香族モノマー重合体、芳香族モノマー−共
役ジエンブロック共重合体、さらに好ましくはポリスチ
レン、スチレン−イソプレン系ランダム共重合体、スチ
レン−イソプレン系ブロック共重合体およびこれらの水
添物である。
【0025】本発明のスルホン酸(塩)基を有する水溶
性(共)重合体(塩)は、上記ベースポリマーを、公知
の方法、例えば日本化学会編集、新実験講座(14巻 I
II、1773頁)、あるいは特開平2−227403号
公報などに記載された方法でスルホン化して得られる。
【0026】すなわち、上記ベースポリマーは、該ポリ
マー中の二重結合部分をスルホン化剤を用いて、スルホ
ン化することができる。このスルホン化の際、二重結合
は開環して単結合になるか、あるいは二重結合は残った
まま、水素原子がスルホン酸基と置換することになる。
なお、他のモノマーを使用した場合、二重結合部分がジ
エンユニット部分以外にも、例えば芳香族ユニットがス
ルホン化されてもかまわない。この場合のスルホン化剤
としては、好ましくは無水硫酸、無水硫酸と電子供与性
化合物との錯体のほか、硫酸、クロルスルホン酸、発煙
硫酸、亜硫酸水素塩(Na塩、K塩、Li塩など)など
が使用される。
【0027】ここで、電子供与性化合物としては、N,
N−ジメチルホルムアミド、ジオキサン、ジブチルエー
テル、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルなどのエ
ーテル類;ピリジン、ピペラジン、トリメチルアミン、
トリエチルアミン、トリブチルアミンなどのアミン類;
ジメチルスルフィド、ジエチルスルフィドなどのスルフ
ィド類;アセトニトリル、エチルニトリル、プロピルニ
トリルなどのニトリル化合物などが挙げられ、このうち
でもN,N−ジメチルホルムアミド、ジオキサンが好ま
しい。
【0028】スルホン化剤の量は、ベースポリマー中の
ジエンユニット1モルに対して、通常、無水硫酸換算で
0.2〜2.0モル、好ましくは0.3〜1.2モルで
あり、0.2モル未満では、スルホン酸ポリマーが得ら
れにくく、一方、2.0モルを超えると、未反応の無水
硫酸などのスルホン化剤が多くなり、アルカリで中和し
たのち、多量の硫酸塩を生じ、純度が低下するため好ま
しくない。
【0029】このスルホン化の際には、無水硫酸などの
スルホン化剤に不活性な溶媒を使用することもでき、こ
の溶媒としては、例えばクロロホルム、ジクロロエタ
ン、テトラクロロエタン、テトラクロロエチレン、ジク
ロロメタンなどのハロゲン化炭化水素;ニトロメタン、
ニトロベンゼンなどのニトロ化合物;液体二酸化イオ
ウ、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、シクロヘ
キサンなどの脂肪族炭化水素が挙げられる。これらの溶
媒は、適宜、2種以上混合して使用することができる。
【0030】このスルホン化の反応温度は、通常、−7
0〜+200℃、好ましくは−30〜+50℃であり、
−70℃未満ではスルホン化反応が遅くなり経済的でな
く、一方、+200℃を超えると副反応を起こし、生成
物が黒色化あるいは不溶化する場合があり好ましくな
い。かくて、ベースポリマーに無水硫酸などのスルホン
化剤が結合した中間体(ベースポリマーのスルホン酸エ
ステル、以下「中間体」という)が生成する。
【0031】本発明のスルホン酸(塩)基を有する水溶
性(共)重合体(塩)は、この中間体に水または塩基性
化合物を作用させることにより、二重結合は開環してス
ルホン酸基が結合した単結合になるか、あるいは二重結
合は残ったまま、水素原子がスルホン酸基と置換するこ
とによって得られる。
【0032】この塩基性化合物としては、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどのアルカリ
金属水酸化物;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエト
キシド、カリウムメトキシド、ナトリウム−t−ブトキ
シド、カリウム−t−ブトキシドなどのアルカリ金属ア
ルコキシド;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチ
ウムなどの炭酸塩;メチルリチウム、エチルリチウム、
n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、アミル
リチウム、プロピルナトリウム、メチルマグネシウムク
ロライド、エチルマグネシウムブロマイド、プロピルマ
グネシウムアイオダイド、ジエチルマグネシウム、ジエ
チル亜鉛、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルア
ルミニウムなどの有機金属化合物;アンモニア水、トリ
メチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミ
ン、トリブチルアミン、ピリジン、アニリン、ピペラジ
ンなどのアミン類;ナトリウム、リチウム、カリウム、
カルシウム、亜鉛などの金属化合物を挙げることができ
る。これらの塩基性化合物は、1種単独で使用すること
も、また2種以上を併用することもできる。これらの塩
基性化合物の中では、アルカリ金属水酸化物、アンモニ
ア水が好ましく、特に水酸化ナトリウム、水酸化リチウ
ムが好ましい。
【0033】塩基性化合物の使用量は、使用したスルホ
ン化剤1モルに対して、2モル以下、好ましくは1.3
モル以下であり、2モルを超えると、未反応の塩基性化
合物が多くなり、製品の純度が低下し好ましくない。こ
の中間体と塩基性化合物の反応の際には、上記塩基性化
合物を水溶液の形で使用することもでき、あるいは塩基
性化合物に不活性な有機溶媒に溶解して使用することも
できる。この有機溶媒としては、上記各種の有機溶媒の
ほか、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化
水素化合物;メタノール、エタノール、プロパノール、
イソプロパノール、エチレングリコールなどのアルコー
ル類などが挙げられる。これらの溶媒は、適宜、2種以
上混合して使用することができる。
【0034】塩基性化合物を水溶液または有機溶媒溶液
として使用する場合には、塩基性化合物濃度は、通常、
1〜70重量%、好ましくは10〜50重量%程度であ
る。また、この反応温度は、通常、−30〜+150
℃、好ましくは0〜+120℃、さらに好ましくは+5
0〜+100℃で行われ、また常圧、減圧あるいは加圧
下のいずれでも実施することができる。さらに、この反
応時間は、通常、0.1〜24時間、好ましくは0.5
〜5時間である。
【0035】本発明の(a)水溶性(共)重合体(塩)
の重量平均分子量は、1,000〜50万、好ましくは
3,000〜30万、さらに好ましくは5,000〜3
0万である。1,000未満では、洗浄効果が充分発揮
されない場合があり、一方、50万を超えると、ゲル化
などを伴い、取り扱いが困難となる。本発明の(a)水
溶性(共)重合体(塩)として、好ましくは、アクリル
酸重合体(塩)、アクリルアミド−2−メチルプロパン
スルホン酸共重合体(塩)、スチレン/イソプレンラン
ダム共重合体のスルホン化物(塩)、ビニルホスホン酸
重合体、メタクリル酸/アクリルアミド共重合体
(塩)、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン
酸/ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体(塩)、
アクリル酸/イソプレンスルホン酸/ポリオキシエチレ
ンモノメタクリレート(エチレンオキサイド5モル付加
物)共重合体(塩)である。
【0036】本発明の(a)(共)重合体(塩)は水溶
性であり、そのためには、カチオン種の対イオンを有す
る(共)重合体(塩)であることが好ましい。カチオン
種は、特に限定されるものでないが、水素、アルカリ金
属、アルカリ土類金属、アンモニア、アミンなどが好ま
しい。上記アルカリ金属としては、ナトリウム、カリウ
ムなどを、アルカリ土類金属としてはカルシウム、マグ
ネシウムなどを、アミンとしてはメチルアミン、エチル
アミン、プロピルアミン、ジメチルアミン、ジエチルア
ミン、トリエチルアミン、ブチルアミンジブチルアミ
ン、トリブチルアミンなどのアルキルアミン、エチレン
ジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラ
ミンなどのポリアミン、モルホリン、ピペリジンなどを
例示することができる。好ましくは、水素、カリウム、
アンモニア、アルキルアミンである。
【0037】また、これらのカチオン種を有する(共)
重合体(塩)を得るためには、好ましいカチオン種を有
する単量体を(共)重合してもよいし、酸タイプの単量
体を(共)重合したのち、該当するアルカリで中和して
もよい。また、(共)重合体(塩)を種々のイオン交換
技法により他種のカチオン種と相互に交換することも可
能である。これら、カチオン種は1種単独で用いること
も、2種以上併用することも可能である。
【0038】本発明の半導体部品用洗浄剤は、水および
/または親水性有機溶剤(以下「溶剤」ともいう)中
に、(a)水溶性(共)重合体(塩)の濃度が0.1〜
20重量%、特に好ましくは1.0〜10重量%となる
ように溶解して使用することが好ましい。水溶性(共)
重合体(塩)の濃度が0.1重量%未満では、洗浄効果
は充分に発揮されず、一方、20重量%を超えて高濃度
にした場合、濃度に見合う効果が期待できず効率的でな
い。
【0039】上記溶剤のうち、水としては、蒸留水、脱
イオン水、水道水、工業用水などが適宜選択できる。ま
た、他の溶剤としては、アルコール、エーテル、ケトン
などが挙げられる。なかでも、水を主成分とするもの、
特に水が好ましい。上記親水性有機溶剤のうち、アルコ
ール類の具体例としては、メタノール、エタノール、n
−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−
ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、t−ブ
チルアルコール、n−ヘキシルアルコール、n−オクチ
ルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコ
ール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモ
ノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエー
テルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエー
テル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロ
ピレンモノメチルエーテルアセテート、ジアセトンアル
コールなどを挙げることができる。また、エーテル類の
具体例としては、テトラヒドロフラン、ジオキサンなど
を、ケトン類の具体例としては、アセトン、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケト
ンなどが挙げられる。これらの親水性有機溶剤は、1種
単独であるいは2種以上を併用することができる。
【0040】本発明の(b)ホスホン酸化合物は、上記
ホスホン酸(塩)基を有する水溶性(共)重合体(塩)
とは異なり、低分子化合物である。ホスホン酸化合物と
して、例えば、ホスホン酸、アミノトリメチレンホスホ
ン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン
酸、エチルホスホン酸、イソプロピルホスホン酸、ブチ
ルホスホン酸、メチレンジホスホン酸、1−ヒドロキシ
エチリデンー1−ジホスホン酸、1,1−アミノエタン
ジホスホン酸、1,1−ヒドロキシプロパンジホスホン
酸、1,1―アミノブタンジホスホン酸、エチレンジア
ミンテトラメチルホスホン酸、ヘキサメチレンジアミン
テトラメチルホスホン酸、ジエチレントリアミンーペン
タメチルホスホン酸、2−ホスホノ酢酸、2−ホスホノ
プロピオン酸、2−ホスホノサクシン酸、2−ホスホノ
ブタンー1,2,4,−トリカルボン酸およびこれらの
塩が挙げられる。好ましくは、ホスホン酸、2−ホスホ
ノブタンー1,2,4,−トリカルボン酸、1−ヒドロ
キシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、アミノトリメ
チレンホスホン酸およびその塩である。上記ホスホン酸
化合物は、1種または2種以上を併用できる。
【0041】本発明の半導体部品用洗浄剤中に含まれる
ホスホン酸化合物の量は、(a)水溶性(共)重合体
(塩)に対して、好ましくは0.1〜100重量%、さ
らに好ましくは1〜50重量%である.0.1重量%未
満であると、洗浄剤として使用した場合に金属(イオ
ン)除去能が低下し、また、研磨材組成物として使用し
た場合には十分な研磨速度が得られない場合があり、好
ましくない。一方、100重量%を超えて添加しても、
それに見合う効果は得られない。
【0042】なお、本発明の半導体部品用洗浄剤には、
他の公知の洗浄剤成分を併用することも可能である。他
の洗浄剤成分としては、例えば、エチレンジアミン四酢
酸(EDTA)、トランス−1,2−シクロヘキサンジ
アミン四酢酸(CyDTA)、ニトリロトリ酢酸(NT
A)、ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)、
N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン−N,
N′,N′−トリ酢酸(EDTA−OH)などの化合物
およびその塩などのポリアミノカルボン酸類のほか、シ
ュウ酸、クエン酸、グルコン酸、コハク酸、酒石酸、フ
マル酸、リンゴ酸、ピロリン酸、乳酸、安息香酸などの
有機酸、フッ化水素、過酸化水素、炭酸、塩酸、過塩素
酸、硝酸、硫酸、亜硫酸、過硫酸、リン酸、亜リン酸、
次亜リン酸などの無機酸、およびこれらを官能基として
有する有機酸が挙げられる。一般に、これらの化合物
は、遊離酸あるいは塩の形で用いられ、半導体製造用に
は特性に悪影響を及ぼさない、プロトンタイプ、アンモ
ニウム塩、アミン塩や、リチウム、ナトリウム、カリウ
ムなどのアルカリ金属、マグネシウム、カルシウムなど
のアルカリ土類金属、亜鉛、アルミニウム、ニッケル、
鉄などとの塩、などの塩の形で使用することが好まし
い。なかでも、アンモニア、アミン、カリウムなどの塩
がさらに好ましく、最も好ましくはアンモニア、カリウ
ムとの塩である。これらの化合物は、1種単独で使用す
ることもできるし、2種以上使用することも可能であ
る。また、これらの化合物の使用量は、特に制限はない
が、通常、本発明の水溶性(共)重合体(塩)に対し
て、5倍重量以下である。また、洗浄効果を上げるため
に、各種アルカリ溶液、オゾン水、酸化還元水などの機
能水を併用してもよい。
【0043】本発明の半導体部品用洗浄剤は、主とし
て、CMP後に半導体用部品上に残った研磨粒子に基づ
く金属不純物を除去するために使用されるが、使用方法
としては特に制限はなく、公知の方法が採用できる。ま
た、本発明の洗浄剤を使用して洗浄を行う前、あるいは
後に、公知の洗浄剤の使用、あるいは浸漬洗浄、パドル
洗浄、スプレー洗浄、ブラシ洗浄、超音波洗浄などの公
知の洗浄方法を実施することにより、さらに、金属不純
物の除去効率を上げることも可能である。本発明の洗浄
剤のPHに特に制限はないが、通常、1〜12で使用で
き、好ましくは2〜10、さらに好ましくは3〜9であ
る。この範囲外では、洗浄能力が低下したり、金属部分
の腐食が生じる場合があり、好ましくない。PHは、対
イオン種の種類を適宜選択すること、または酸、塩基を
添加することにより調整することが可能である。例え
ば、対イオンに使用する、H+ とアンモニアイオン(N
3 + )などのアルカリ成分の割合を変化させることで
PHの調整を行うことができる。また、使用温度は、通
常、5〜50℃である。
【0044】本発明の半導体部品用洗浄剤は、環境への
負荷が少なく、かつ、化学的機械研磨後に、半導体部品
上に残った、シリカ、アルミナなどのCMP研磨砥粒、
CMP中に含まれる金属不純物あるいは金属配線などに
基づくFe,Mn,Al,Ce,Cu,W,Tiなどの
不純物に対して洗浄効果があるので、半導体基板、層間
絶縁膜、メタル配線などの半導体部品の洗浄に有用であ
る。
【0045】また、本発明の半導体部品洗浄剤は、半導
体基板などの半導体部品、記録媒体部品および光学用部
品などの表面を研磨するのに使用される、研磨用組成物
中の研磨助剤としても使用できる。上記研磨材として
は、研磨砥粒として通常使用されるものを適宜使用でき
る。研磨粒径として、例えば、ダイヤモンド粒子、アル
ミナ粒子、炭化ケイ素(SiC)粒子、酸化マグネシウ
ム粒子、酸化セリウム粒子、酸化ジルコニウム粒子、ク
ロミア(Cr2 3 )粒子、ヒュームドシリカ粒子、コ
ロイダルシリカ粒子などが挙げられる。半導体基板、記
録媒体用基板および光学用部品などの研磨用としては、
中でも、アルミナ粒子、SiC粒子、酸化セリウム粒
子、酸化ジルコニウム粒子、ヒュームドシリカ粒子、コ
ロイダルシリカ粒子などが挙げられ、好ましくはアルミ
ナ粒子、ヒュームドシリカ粒子、コロイダルシリカ粒子
である。アルミナ粒子の中でも、γ−アルミナ粒子、δ
−アルミナ粒子、θ−アルミナ粒子、η−アルミナ粒子
および無定形アルミナ粒子が好ましい。これらは、1種
単独でも、または2種以上を組み合わせて使用してもよ
い。
【0046】一般に、研磨砥粒には、大きな粒子を破砕
し、所望の粒度に分級して得られる破砕タイプのもの
と、コロイド溶液から生成させる球状タイプのものがあ
る。破砕タイプとしては、例えば、湿式スラリー方式で
は、微粉砕装置(ボールミルなど)で粉砕し、粗大粒子
は重力沈降、遠心分離して得られるもの、乾式方式で
は、ジェット気流による粉砕分級して得られるものなど
が挙げられる。同一粒径で比較した場合、破砕タイプの
ものは、球状タイプのものに比べ、比表面積が大きく、
研磨速度も大きい。本発明の研磨材として、層間絶縁
膜、金属膜を研磨する場合、どちらのタイプでも使用で
きるが、好ましくは破砕タイプのものである。
【0047】研磨砥粒の平均粒径は、好ましくは0.0
01〜10.0μm、さらに好ましくは0.01〜5.
0μm、特に好ましくは0.02〜3.0μmである。
0.001μm未満であると、研磨速度が著しく低下
し、一方、10.0μmを超えると、被研磨物の表面の
平坦性を保つことが困難となる。また、大小粒径の研磨
材を組み合わせて使用することもできる。なお、上記平
均粒径は、例えば、SEM観察、TEM観察で得られる
粒径を測定して得られるものである。
【0048】研磨砥粒の硬度は、ヌープ硬度(JIS
Z2251)が、好ましくは600〜10,000、さ
らに好ましくは1,000〜5,000、特に好ましく
は1,500〜3,000である。ヌープ硬度が600
未満であると、充分な研磨速度を得られず、生産性が低
下し、一方、10,000を超えると、被研磨物の表面
の平坦性が低下し、品質が低下する。また、上記研磨砥
粒の比表面積は、好ましくは0.1〜50m2 /g、比
重が好ましくは2〜5、さらに好ましくは3〜4であ
る。比重がこの範囲内であると、取り扱い性、研磨の際
の分散性、回収再利用性の点で好ましい。
【0049】上記研磨材は、研磨助剤と共にスラリー状
の研磨用組成物として使用される。研磨用組成物中の研
磨材の配合割合は、研磨用組成物の粘度や被研磨物に要
求される品質などに応じて適宜選択することができる
が、好ましくは0.01〜40重量%、さらに好ましく
は0.1〜35重量%、特に好ましくは1〜30重量%
である。0.01重量%未満であると目標とする研磨特
性が得られず、一方、40重量%を超えると、組成物の
粘度が高くなりすぎるので好ましくない。
【0050】本発明の研磨用組成物が、本発明の半導体
部品洗浄剤からなる研磨助剤を含むことにより、研磨効
果が上昇し、研磨表面の平坦性が上昇する理由として、
下記の理由が考えられる。すなわち、研磨により発生し
た研磨屑に研磨助剤が吸着することにより、研磨屑の間
に働く凝集力が低下し、研磨屑が研磨用組成物中に均一
に分散して被研磨物の表面から素早く除去され、被研磨
物の表面は常に新しい面が露出する。また、研磨材は、
研磨助剤が吸着することにより、均一に分散化して研磨
パッド表面に捕捉された状態を保ち、研磨に使用される
研磨材量が増大し、それぞれの研磨材にかかる荷重が低
下し、研磨材が被研磨物表面に均一に作用する。さら
に、本発明の半導体部品洗浄剤からなる研磨助剤は、安
定性が高く、高加圧条件においても研磨処理を行えるた
め、研磨速度の上昇が可能である。
【0051】本発明の研磨助剤は、半導体部品用洗浄剤
からなるものであり、半導体部品用洗浄剤は、水溶性
(共)重合体(塩)およびホスホン酸化合物を主成分と
するものである。本発明の研磨助剤の使用量は、研磨用
組成物中に好ましくは0.001〜10重量%、さらに
好ましくは0.01〜5重量%である。0.001重量
%未満であると、充分な研磨特性が得られない場合があ
り、一方、10重量%を超えると、添加効果の向上が見
られず効果的でない。
【0052】また、本発明における研磨材と研磨助剤と
の配合量の関係は、研磨用組成物中の研磨材と研磨助剤
との濃度比〔研磨材の濃度(重量%)/研磨助剤の濃度
(重量%)〕が、好ましくは0.1/30〜40/0.
01、さらに好ましくは1/20〜30/0.1、特に
好ましくは5/10〜25/1となるように配合する。
0.1/30未満であると、研磨効果の低下が生じ、一
方、40/0.01を超えると研磨助剤を配合した効果
が充分に発現しない。
【0053】本発明の研磨用組成物に配合される溶剤
は、上記水および/または親水性有機溶剤である。通
常、上記半導体部品用洗浄剤からなる研磨助剤を、溶剤
中に溶解させ、研磨砥粒とともにスラリー状の研磨用組
成物とする。上記溶剤としては、上記半導体部品用洗浄
剤を溶解して使用する溶剤として挙げられたものと同じ
ものが挙げられる。溶剤は、1種単独であるいは2種以
上を併用することができる。本発明の研磨用組成物中の
固形分濃度は、好ましくは1〜60重量%、さらに好ま
しくは5〜40重量%、特に好ましくは10〜30重量
%である。固形分濃度が1重量%未満であると、充分な
研磨特性が得られない場合があり、一方、60重量%を
超えると、添加効果の向上がみられず効果的でない。
【0054】本発明の研磨用組成物のPHに特に制限は
ないが、通常、1〜13、好ましくは2〜12、さらに
好ましくは3〜11で使用できる。この範囲外では、研
磨助剤が不安定になり、研磨能力が低下したり、金属部
分の腐食が生じる場合があり、好ましくない。PHの調
節は、上記洗浄剤のPHの調節と同様に行うことができ
る。本発明の研磨用組成物には、上記研磨助剤のほか
に、各種増粘剤、分散剤、防錆剤などの公知の添加剤を
加えることができる。これらの添加剤は、本発明の研磨
助剤中に好ましくは0〜3重量%含まれる。
【0055】本発明の研磨用組成物は、主として、半導
体用部品、記録媒体部品および光学用部品の研磨のため
に使用される。これら被研磨物の材質としては、例え
ば、半導体製造過程で使用されるタングステン、銅、ア
ルミニウムなどが配線された金属膜、Ni−Pメッキさ
れたアルミニウム合金などの金属、シリコン、ガラス状
炭素材料、ガラス、Al2 3 ・TiCなどのセラミッ
クなどの脆性材料が挙げられる。上記ガラス状炭素材料
としては、例えば、アモルファス炭素のマトリックス中
にグラファイトが分散した構造となっているものなどが
挙げられる。
【0056】これら被研磨物の形状としては、例えば、
ディスク状、プレート状、スラブ状、プリズム状、レン
ズ状など、様々な形状のものが挙げられる。本発明の研
磨用組成物を使用する研磨には、上記被研磨物を粗研磨
(ラッピング)して、通常、0.01〜1μm、好まし
くは0.05〜0.5μmの表面粗さにしたものを使用
する。なお、本発明における表面粗さは、中心線平均粗
さRaのことであり、ランク・テーラーホブソン社製の
タリ0ステップを用いて測定される。
【0057】本発明の研磨用組成物の使用方法として
は、特に制限はなく公知の方法が採用できる。例えば、
SPEED FAM(株)製両面研磨機9B型により研
磨加工を行える。加工圧力は、通常、10〜2,000
gf/cm2 、好ましくは50〜500gf/cm2
加工時間は、通常、0.5〜150分、好ましくは1〜
100分、加工温度は、通常、5〜70℃、好ましくは
5〜50℃である。また、研磨パッドの硬度(JIS
K6301に準拠)は、硬質であるほど表面の平坦性を
上昇させることができるため、通常、86〜99、好ま
しくは88〜95である。研磨パッドの材料としては、
例えば、発泡ポリウレタンなどの樹脂、ポリエステル不
織布およびポリウレタンの複合体などの樹脂複合体など
が挙げられる。さらに、下定盤回転数は、通常、5〜1
00rpm、好ましくは10〜60rpm、研磨用組成
物流量は、通常、3〜300ml/分、好ましくは10
〜200ml/分である。
【0058】本発明の研磨用組成物は、半導体基板、層
間絶縁膜などの半導体部品や、ガラス状炭素基板、ガラ
ス基板、セラミックス基板のような脆性材料からなる、
記録媒体部品および光学用部品などの化学的機械研磨
(CMP)に適し、被研磨物の表面を平坦にし、かつ研
磨速度を高くできる。なお、本発明において、「基板」
とは、平面部を有する形状のものに限られず、曲面部を
有する形状のものも含む。
【0059】
【実施例】以下、実施例を挙げ、本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるもの
ではない。なお、実施例中の%および部は、特に断らな
い限り重量基準である。また、実施例中における各種の
測定は、以下のようにして実施した。
【0060】重量平均分子量 重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロ
マトグラフィー(GPC)によって判定した結果を、ポ
リスチレンスルホン酸ナトリウムを標準サンプルとして
作成した検量線を用いて換算したものである。ここで、
GPCの測定条件は、下記のとおりである。 カラム;G3000PWXL〔東ソー(株)製〕 カラム;GMPWXL 〔東ソー(株)製〕 カラム;GMPWXL 〔東ソー(株)製〕 カラムを〜の順に直列につなぎ、カラム側より試
料を導入する。 検出器;示差屈折計RI−8021〔東ソー(株)製〕 溶離液;水/アセトニトリル/硫酸ナトリウム=2,1
00/900/15(重量比) 流速;1.0ml/分 温度;40℃ サンプル濃度;0.2% サンプル注入量;400μl
【0061】研磨 粗研磨により表面粗さを0.1μmとした直径2.5イ
ンチの銅膜付きウェハ基板を研磨用組成物を用いて、両
面研磨機により研磨加工を行った。なお、被研磨物の表
面粗さ(中心線平均粗さRa)は、ランク・テーラーホ
ブソン社製のタリ0ステップを用いて測定した。加工条
件は、下記のとおりである。 両面研磨機:ラップマスター社製、型式LGP−510 加工圧力:150gf/cm2 加工時間:2分 加工温度:25℃ 研磨パッドの硬度:90(JIS K6301に準拠) 下定盤回転数:50rpm 研磨用組成物流量:50ml/分
【0062】研磨速度 銅膜付きウェハ基板を、上記と同条件で研磨し、下式
(IV)により研磨速度(μm/分)を求めた。 研磨速度(μm/分)=〔研磨前の銅膜の厚さ(μm)−研磨後の銅膜の厚さ (μm)〕/研磨時間(分) ・・・・・(IV) なお、銅膜の厚さ(μm)は、抵抗率測定機(NPS社
製、型式Σ−5)により、直流4探針法でシート抵抗を
測定し、このシート抵抗値と銅の抵抗率から、下式
(V)により算出した。 銅膜の厚さ(μm)=〔シート抵抗値(Ω/cm2 )×銅の抵抗率(Ω/cm )〕×104 ・・・・・(V)
【0063】スクラッチ数 光学顕微鏡を使用して、倍率50倍で研磨した基板の表
面を、60度おきに6個所観察し、スクラッチの数を測
定した。スクラッチの深さは、Zygo(株)製のZy
goで測定した。評価基準は下記のとおりである。 ○:深さ0.05μm以上のスクラッチが、1視野に
0.5本未満。 △:深さ0.05μm以上のスクラッチが、1視野に
0.5〜1本。 ×:深さ0.05μm以上のスクラッチが、1視野に1
本を超える。
【0064】参考例1 20%濃度のアクリル酸水溶液500g、35%過酸化
水素水14gを溶解したものを、水1,000gを仕込
んだ内容積2リットルの容器中に、還流下で撹拌しなが
ら10時間かけて均等に滴下した。滴下終了後、2時間
還流下で保ったのち、アンモニア水溶液で中和して対イ
オンを(NH3 + )とし、アクリル酸重合体のアンモニ
ウム塩(A)を得た。重合体(塩)の重量平均分子量
は、10,000であった。
【0065】参考例2 参考例1において、20%濃度のアクリル酸水溶液50
0gを20%濃度のアクリルアミド−2−メチルプロパ
ンスルホン酸水溶液500gに変更して、対イオンを
(H+ )とした以外は、参考例1と同様に実施し、アク
リルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸重合体
(B)を得た。重合体の重量平均分子量は、10,00
0であった。
【0066】参考例3 内容積3リットルの容器に、スチレン/イソプレン(2
0/80モル比)ランダム共重合体100gを仕込み、
ジオキサン1リットルに溶解した。溶解後、無水硫酸/
ジオキサン錯体(85g/500g)を、内温を25℃
に保ちながら容器内に滴下し、滴下後、25℃で1時間
攪拌した。その後、水およびアンモニアを添加して、対
イオンを(NH3 + )とし、溶剤などを除去して、スチ
レン/イソプレン(20/80モル比)ランダム共重合
体のスルホン化物のアンモニウム塩(C)を得た。共重
合体(塩)の重量平均分子量は、10,000であっ
た。
【0067】参考例4 参考例1において、20%濃度のアクリル酸水溶液50
0gを20%濃度のビニルホスホン酸水溶液500gに
変更して、対イオンを(H+ )とした以外は、参考例1
と同様に実施し、ビニルホスホン酸重合体(D)を得
た。重合体の重量平均分子量は、3,000であった。
【0068】参考例5 参考例1において、20%濃度のアクリル酸水溶液50
0gを、20%濃度のメタクリル酸水溶液460gおよ
び20%濃度のアクリルアミド水溶液40gに変更し
て、対イオンを(H+ )とした以外は、参考例1と同様
に実施し、メタクリル酸/アクリルアミド(90/10
モル比)共重合体(E)を得た。共重合体の重量平均分
子量は、20,000であった。
【0069】参考例6 参考例1において、20%濃度のアクリル酸水溶液50
0gを、20%濃度のアクリルアミド−2−メチルプロ
パンスルホン酸水溶液430gおよび20%濃度のヒド
ロキシエチルメタクリレート水溶液70gに変更して、
対イオンを(H + )とした以外は、参考例1と同様に実
施し、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸
/ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体(80/2
0モル比)(F)を得た。共重合体の重量平均分子量
は、15,000であった。
【0070】参考例7 参考例1において、20%濃度のアクリル酸水溶液50
0gを、20%濃度のアクリル酸水溶液12g、20%
濃度のイソプレンスルホン酸水溶液440g、および2
0%濃度のポリオキシエチレンモノメタクリレート(エ
チレンオキサイド5モル付加物)水溶液49gに変更し
た以外は、参考例1と同様に実施し、アクリル酸/イソ
プレンスルホン酸/ポリオキシエチレンモノメタクリレ
ート(5/90/5モル比)共重合体のアンモニウム塩
(G)を得た。共重合体(塩)の重量平均分子量は、1
5,000であった。
【0071】実施例1〜7 SiO2 膜付きシリコンウェハを、3%KOH水溶液、
3%Fe(NO3 2水溶液、3%CuSO4 水溶液に
順次3分間浸漬し、かるく水洗して汚染処理を行った。
この汚染したSiO2 膜付きシリコンウェハを、テクノ
ス(株)製全反射蛍光X線装置(装置名;TREX−6
10T)を用いてウェハ表面のCu,Fe,Kの濃度を
測定した。Cuの表面濃度は、100×1010(原子/
cm2 )、Feの表面濃度は、15,000×10
10(原子/cm2 )、Kの表面濃度は、90×10
10(原子/cm2 )であった。次に、参考例1〜7の水
溶性共重合体(塩)(A〜G)を2%濃度、表1に示す
ホスホン酸化合物を0.5%濃度で含む水溶液を洗浄液
として調製した。汚染したSiO2 膜付きシリコンウェ
ハを、洗浄液中で40℃、3分洗浄し、水洗、乾燥後、
再びウェハ表面のCu,Fe,Kの濃度を測定し、C
u,Fe,Kの除去能力を評価した。結果を表1に示
す。
【0072】比較例1 実施例2において、ホスホン酸化合物を使用しない以外
は、同様に実施した。結果を表1に示す。 比較例2 実施例4において、本発明の水溶性(共)重合体(塩)
を使用しない以外は、同様に実施した。結果を表1に示
す。表1に示すように、本発明の洗浄剤は、ホスホン酸
化合物を使用しない比較例1、および本発明の水溶性
(共)重合体(塩)を使用しない比較例2よりも、C
u,Fe,Kの除去能力に優れていることが分かった。
【0073】
【表1】
【0074】実施例8〜14 研磨材としてアルミナ砥粒〔住友化学(株)製、商品
名:AKP10−αアルミナ〕(純度99.9%、平均
粒径1.0μm、比表面積2.0m2 /g)を表2に示
す濃度で、濃度30%の過酸化水素水を研磨用組成物に
対し6.7%使用し、参考例1〜7の水溶性共重合体
(塩)(A〜G)、ならびに必要に応じてホスホン酸化
合物を、表2に示す濃度で混合・攪拌し、研磨用組成物
を得た。なお、表2に示す量は、水を溶剤として含む研
磨用組成物に対する濃度(%)である。PHは4〜10
であった。上記研磨用組成物を用いて、両面研磨機によ
り研磨加工を行った。研磨後の基板を洗浄液にて洗浄
し、研磨表面の評価を行った。結果を表2に示す。
【0075】比較例3 実施例9において、ホスホン酸化合物を使用しない以外
は、同様に実施した。結果を表2に示す。 比較例4 実施例11において、水溶性共重合体(塩)を使用しな
い以外は、同様に実施した。結果を表2に示す。表2に
示すように、本発明の研磨用組成物を使用すると、被研
磨物のスクラッチ数が低く、平坦性を保ったままで、研
磨速度を高くできた。
【0076】
【表2】
【0077】上記実施例において、本発明の研磨用組成
物を使用して研磨すると、被研磨物の表面粗さが低く、
かつ研磨速度を高くできた。また、本発明の研磨用組成
物は、研磨材の分散が安定しており、流動性に富み、取
り扱い性に優れていた。さらに、研磨パッドの目詰まり
が少なく、研磨パッドの清掃、交換頻度を低く抑えられ
た。
【0078】
【発明の効果】本発明の半導体部品用洗浄剤を使用して
半導体部品を洗浄すると、環境への負荷が少なく、か
つ、化学的機械研磨後に半導体部品上に残存している金
属不純物を効率良く除去できる。また、本発明の研磨用
組成物は、半導体基板、層間絶縁膜などの半導体部品
や、ガラス状炭素基板、ガラス基板、セラミックス基板
のような脆性材料からなる、記録媒体部品および光学用
部品などの化学的機械研磨(CMP)に適し、被研磨物
の表面粗さが低く、かつ研磨速度を高くできる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C11D 7/60 C11D 7/60 H01L 21/304 622 H01L 21/304 622Q 622D 647 647A (72)発明者 小野 寿男 東京都中央区築地二丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内 (72)発明者 石川 克廣 東京都中央区築地二丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内 Fターム(参考) 4H003 BA12 DA15 DA16 DB01 EB24 EB28 EB30 ED02 FA03 FA05

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)カルボン酸(塩)基、スルホン酸
    (塩)基、ホスホン酸(塩)基、水酸基、エチレンオキ
    サイドもしくはプロピレンオキサイドに由来する骨格を
    有する官能基、および窒素原子を含有する官能基の群か
    ら選ばれた少なくとも1種の官能基を有する水溶性
    (共)重合体(塩)、ならびに、 (b)ホスホン酸化合物を主成分とする半導体部品用洗
    浄剤。
  2. 【請求項2】 化学的機械研磨前後の半導体部品洗浄に
    使用する請求項1記載の半導体部品用洗浄剤。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の半導体部品用洗
    浄剤を使用して半導体部品を洗浄することを特徴とする
    半導体部品の洗浄方法。
  4. 【請求項4】 少なくとも研磨材、および請求項1記載
    の半導体部品用洗浄剤からなる研磨助剤を含有すること
    を特徴とする研磨用組成物。
  5. 【請求項5】 さらに溶剤を配合してなる請求項4記載
    の研磨用組成物。
  6. 【請求項6】 化学的機械研磨に使用する請求項4また
    は5記載の研磨用組成物。
  7. 【請求項7】 請求項4または5記載の研磨用組成物を
    使用して被研磨物を研磨することを特徴とする研磨方
    法。
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