JP2001106678A - 新規複素環含有アリールアミン化合物およびそれを用いた有機エレクトロルミネッセント素子 - Google Patents
新規複素環含有アリールアミン化合物およびそれを用いた有機エレクトロルミネッセント素子Info
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Abstract
光効率、発光輝度が高く、成膜性にすぐれ、連続駆動時
の耐久性と保存安定性にも優れた有機エレクトロルミネ
ッセント素子とそれに用いる比較的分子量の大きいアリ
ールアミン化合物の提供。 【解決手段】 下記一般式(1) 【化1】 で示される分子量750以上の複素環含有アリールアミ
ン化合物およびそれを用いた有機エレクトロルミネッセ
ント素子。
Description
アリールアミン化合物およびそれを用いた有機エレクト
ロルミネッセント素子(以下有機EL素子と省略するこ
とがある)に関する。
L素子は低電圧駆動の大面積表示素子を実現するものと
して注目されている。素子の高効率化にはキャリア輸送
性の異なる有機層を積層する素子構造が有効であり、正
孔輸送層、電子輸送性発光層の2層型素子が報告されて
いる〔C.W.Tang et al,Appl.Ph
ys.Lett.,51,p.913(1987)〕。
この素子では10V以下の印加電圧で1000cd/m
2の実用化に十分な高輝度を得ている。これまで、前記
各層に用いる材料として種々の有機化合物が試されてき
ており、たとえば、正孔輸送性材料としてアリールアミ
ン化合物が、発光材料としてキノリノール誘導体〔C.
W.Tang et al,Appl.Phys.Le
tt.,51,p.913(1987)〕、オキサジア
ゾール誘導体〔浜田ら、日本化学会誌.p.1540
(1991)〕、トリアゾール誘導体〔J.Kido
etal,Chem.Lett.,p.47(199
6)〕などの複素環を含有する有機化合物が有効である
ことが報告されている。
は、分子量が例えば400〜600といったように小さ
いものが多く、連続駆動中や高い環境温度での保存にお
いて有機化合物の再結晶化や凝集による素子の劣化が問
題になっている。そのため、初期特性がよい素子でも長
時間の使用には向かず、駆動素子寿命が数千時間程度と
既存の無機系の発光素子、たとえば発光ダイオードに比
べると短い欠点を有している。
の短い材料に、下記式
この化合物は5.4eVの小さいイオン化ポテンシャル
を有し、有機EL素子において正孔輸送層として広く使
用されてきたが、分子量が516と小さく連続駆動時の
ジュール熱や保存時の環境温度により結晶化し素子劣化
することが報告されている〔E.M.Han et a
l,Chem.Lett.,p.969(199
4)〕。
いペリレンは、有機EL素子の発光層中に微量分散され
ドーパントとして用いられた場合に、発光中心として作
用するが、分子量が小さいため素子駆動中に熱により拡
散し凝集することにより蛍光量子収率が低下し、その結
果素子効率を低下させ素子劣化させることが報告されて
いる〔S.A.Van Slyke et al,Ex
tended Abstracts,The 8th
Intemational Workshopon E
lectroluminescence,August
13−15,Berlin,p.195(199
6)〕。
輸送層として良好に機能するばかりでなく熱安定性にも
優れていることが報告されている〔Adachiet
al,Appl. Phys.Lett.,66,p.
2679(1995)〕。
電子輸送層あるいは発光層として機能するが、低分子量
のものは結晶化による素子劣化が早い問題がある〔Ad
achi et al,Appl.Phys.Let
t.,55,p.1489(1989)〕。しかし、こ
の場合も高分子量化することにより熱安定性を付与でき
ることが示されている〔浜田ら、日本化学会誌.p.1
540(1991)〕。
素子構成材料として使用した場合には、結晶化や凝集に
より素子を劣化させる問題があり、アモルファス状態の
安定性や分散された状態での安全性に優れた新規な有機
材料の開発が望まれている。
造をとる必要があり、やみくもに高分子化すればよいと
いうわけではなく、これを薄膜化してデバイスを作製す
る場合、ピンホールのない均一で平滑な薄膜形成が要求
される。このような点から、緻密なアモルファス膜の作
製は高性能有機EL素子を作製する上で大変重要な問題
である。したがって、安定なアモルファス膜を作製する
には高い熱安定性を有するというだけでなく、安定な成
膜性、平滑性も不可欠である。
のこのような問題点を解決するため、発光効率、発光輝
度が高く、成膜性にすぐれ、連続駆動時の耐久性と保存
安定性にも優れた有機エレクトロルミネッセント素子と
それに用いる比較的分子量の大きいアリールアミン化合
物を提供する点にある。
前記課題を解決するため、成膜性にすぐれ、結晶化や凝
集を起こしにくく、膜安定性の高い比較的分子量の高い
アリールアミン化合物に着目し、種々のアリールアミン
化合物に複素環単位を導入することにより高い蛍光性を
持たせることについて鋭意検討した。その結果、これら
比較的分子量の高い複素環含有アリールアミン化合物が
アモルファス状態が安定であるうえ、熱安定性に優れ、
そして有機EL素子の正孔輸送層や発光層として良好に
機能し、高い発光効率、発光輝度を示すとともに素子の
安定性の向上に大いに有効であることを見いだし本発明
を完成するにいたった。
であって、Ar1が結合しているベンゼン環と縮合環を
形成していてもよく、R1〜R16は、水素原子、アミ
ノ基、アルキル基、アルコキシ基および置換基を有して
もよいアリール基よりなる群からそれぞれ独立して選ば
れた基、Ar2〜Ar5は置換基を有してもよいアリー
ル基よりなる群からそれぞれ独立して選ばれた基であ
る。)で示される分子量750以上の複素環含有アリー
ルアミン化合物に関する。
あってもよい。また、複素環に結合することのできる置
換基としては、アミノ基、シアノ基、水酸基、アルキル
基、ハロゲン置換アルキル基、アリール基、アルキルオ
キシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アル
キルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルキルア
ミノ基などを挙げることができる。
炭素数1〜4のアルキル基および炭素数1〜4のアルコ
キシ基よりなる群からそれぞれ独立して選ばれた基であ
り、R23は、ふっ素および炭素数1〜2のハロゲン化
アルキル基よりなる群から選ばれた基であり、R25は
メチレン基またはエチレン基である。)よりなる群から
選ばれた基であることができる。
る発光中心となっている骨格構造であることができる。
一般に、蛍光量子収率の高い有機化合物は複素環単位を
含有しており(Organic Luminescen
t Materials,B.M.Krasovits
kii and B.M.Bolotin,VCH,1
988)、蛍光色素やレーザー色素、オプチカルブライ
トナーにはすでにこの種の有機化合物が多く使用されて
いる。これらの発光化合物の発光中心となっている骨格
構造にアリールアミン単位を結合させることで正孔輸送
性を付与することができる。
クマリン−1、クマリン−6、クマリン−7、クマリン
−138、クマリン−152、クマリン−314、クマ
リン−334、クマリン−337、クマリン−343、
クマリン−DHBP、3−〔2−(ジエチルアミノ)エ
チル〕−7−ヒドロキシ−4−メチル−クマリン、DC
M、DCN−qなどを挙げることができる。
っている骨格構造は、それぞれ下記式
子は、複素環含有アリールアミン化合物を含有する有機
層を備えていれば、素子構造は特に限定されず、有機層
一層からなる単層型でも二層以上の多層型であってもよ
い。要するに本発明は前記複素環含有アリールアミン化
合物を備えた種々の素子構造をもつ有機EL素子である
ことができる。また、この高分子量複素環含有アリール
アミン化合物を含む素子を構成する各層の膜厚について
は、本発明においては特に限定されない。有機層は真空
蒸着法などの気相成長法や溶液塗布法によって形成され
る。
きな仕事関数を有する陽極すなわち正孔注入電極から正
孔が有機層へ注入され、小さな仕事関数を有する陰極電
極から電子が有機層へ注入される。正孔輸送層と電子輸
送性発光層からなる二層型素子の場合、注入された正孔
は正孔輸送層を通り発光層との界面付近において発光層
に注入されてきた電子と再結合し、発光層中で励起子を
生ずる。この結果発光層より発光が生じる。このとき、
通電によりジュール熱が発生するので有機層の再結晶化
や凝集を促進する場合がある。したがって、素子劣化を
防ぐためにもガラス転移点の高い材料を選択する必要が
あり、本発明化合物は、この要件を充分満すものであ
る。
ミン化合物の例を下記に示す。
の製造方法の1例を下記に示す。
本発明はこれにより何ら限定されるものではない。
フェニルアミン(IBD)の合成> ジフェニルアミン5.9g(35mmol)、4,4′
−ジヨードビフェニル8.8g(20mmol)、活性
銅18.3g(300mmol)、炭酸カリウム6.7
g(50mmol)を加え、窒素雰囲気下230℃で1
2時間還流した。反応後、テトラヒドロフラン(TH
F)で抽出し、ろ過を行って銅を除去し、クロロホル
ム:ヘキサン=1:3を混合溶媒としてカラムクロマト
グラフィー法により精製を行い、白色粗結晶の目的化合
物を回収し、メタノールにより、再結晶精製を行って針
状結晶を得た。反応式は一括して下記に示す〔Tetr
ahedron Letters39(1998)23
67〜2370参照〕。 収率:16.8% 融点:118.3〜119.1℃
ミノ)フェニル〕フェニル}{4−(5−メチルベンゾ
チアゾール−2−イル)フェニル}アミン(DABAP
MB)の合成> IBD0.85g(2mmol)、2−(4−アミノフ
ェニル)−6−メチルベンゾチアゾール0.24g(1
mmol)、活性銅0.06g(10mmol)、炭酸
カリウム0.35g(2mmol)を加え、窒素雰囲気
下230℃で24時間還流した。反応後、THFで抽出
し、ろ過を行って銅を除去し、トルエン:ヘキサン=
3:1を混合溶媒としてカラムクロマトグラフィー法に
より精製を行い、粗結晶を回収し、アセトンにより約一
時間攪拌洗浄した。反応式は一括して下記に示す。本化
合物(DABAPMB)のIRスペクトルを図1に、1
H−NMRスペクトルを図2に示す。 収率:35.7% 融点:157.9〜159.1℃
カルバゾール(BBC)の合成> 酢酸パラジウム(II)0.28g(1.25mmo
l)、トリ−tert−ブチルホスフィン1.01g
(5mmol)をo−キシレン中で窒素気流下において
反応させ錯塩触媒を製造した。その後、ジブロモビフェ
ニル15.6g(50mmol)、カルバゾール8.3
6g(50mmol)、ナトリウム−tert−ブチラ
ート5.77g(60mmol)を加え、オイルバスの
温度を130℃にして24時間反応させた。反応終了
後、クロロホルムで抽出し、水で洗浄した。精製はカラ
ムクロマトグラフィー法(クロロホルム:n−ヘキサン
=1:3)により行い、その後アセトンを用いて再結晶
精製を行い白色の結晶を得た。反応式は一括して下記に
示す。 収率:16.1%
9−イル−フェニル)フェニル〕〔4−(5−メチルベ
ンゾチアゾール−2−イル)フェニル〕アミン(CzB
APMB)の合成> 酢酸パラジウム(II)0.03g(0.15mmo
l)、トリ−tert−ブチルホスフィン0.12g
(0.6mmol)をo−キシレン中で窒素気流下にお
いて反応させ錯塩触媒を製造した。その後、9−{4−
(4−ブロモフェニル)フェニル}カルバゾール(BB
C)2.39g(6mmol)、2−(4−アミノフェ
ニル)−6−メチルベンゾチアゾール0.72g(3m
mol)、ナトリウム−tert−ブチラート0.7g
(7.2mmol)を加え、オイルバスの温度を130
℃にして24時間反応させた。反応終了後、クロロホル
ムで抽出し、水で洗浄した。精製はカラムクロマトグラ
フィー法(クロロホルム:n−ヘキサン=1:2)によ
り精製を行い黄白色の固体を回収し、昇華精製(窒素流
量50cc/min、ヒータ温度390℃;195℃)
を行い黄色の目的物を得た。反応式は一括して下記に示
す。本発明化合物(CzBAPMB)のIRスペクトル
を図3に、1H−NMRスペクトルを図4に示す。 収率:44.9% 融点:190.5〜192.0℃
ン(DBDEF)の合成> この化合物の合成については、Chem.Mate
r.,10(7),1863−1874,(1998)
の方法で合成した。 収率:78% m.p.157.5〜159.0℃
チルフルオレン−2−イル)カルバゾール(CzBDE
F)の合成> 酢酸パラジウム(II)0.28g(1.25mmo
l)、トリ−tert−ブチルホスフィン1.01g
(5mmol)をo−キシレン中において窒素気流下で
反応させて錯塩触媒を製造した。その後、2,7−ジブ
ロモ−9,9−ジエチルフルオレノン(DBDEF)1
9.0g(50mmol)、カルバゾール8.36g
(50mmol)、ナトリウム−tert−ブチラート
5.77g(60mmol)を加え、オイルバスの温度
を130℃にして24時間反応させた。反応終了後、ク
ロロホルムで抽出し、水で洗浄した。精製はカラムクロ
マトグラフィー法(クロロホルム:n−ヘキサン=1:
3)により行い、その後アセトンを用いて再結晶精製を
行い白色の結晶を得た。反応式は一括して下記に示す。
収率:14.8%
ル−9,9−ジエチルフルオレン−2−イル)〔4−
(5−メチルベンゾチアゾール−2−イル)フェニル〕
アミン(CzBEFPMB)の合成> 酢酸パラジウム(II)0.03g(0.15mmo
l)、トリ−tert−ブチルホスフィン0.12g
(0.6mmol)をo−キシレン中において窒素気流
下で反応させ錯塩触媒を製造した。その後、2−(7−
ブロモ−9,9−ジエチルフルオレニル)カルバゾール
(CzBDEF)2.8g(6mmol)、2−(4−
アミノフェニル)−6−メチルベンゾチアゾール0.7
2g(3mmol)、ナトリウム−tert−ブチラー
ト0.7g(7.2mmol)を加え、オイルバスの温
度を130℃にして24時間反応させた。反応終了後、
クロロホルムで抽出し、水で洗浄した。精製はカラムク
ロマトグラフィー法(クロロホルム:n−ヘキサン=
1:2)により行い、黄白色の固体を回収し、昇華精製
(窒素流量50cc/min、ヒータ温度390℃;1
95℃)を行い黄色の目的物を得た。反応式は一括して
下記に示す。 収率:36.7% 融点:>300℃
2−イル)ジフェニルアミン(BDEFDP)の合成> 酢酸パラジウム(II)0.28g(1.25mmo
l)、トリ−tert−ブチルホスフィン1.01g
(5mmol)をo−キシレン中において窒素気流下で
反応させ錯塩触媒を製造した。その後、2,7−ジブロ
モ−9,9−ジエチルフルオレノン(DBDEF)1
9.0g(50mmol)、ジフェニルアミン0.85
g(50mmol)、ナトリウム−tert−ブチラー
ト5.77g(60mmol)を加え、オイルバスの温
度を130℃にして24時間反応させた。反応終了後、
クロロホルムで抽出し、水で洗浄した。精製は、カラム
クロマトグラフィー法(クロロホルム:n−ヘキサン=
1:3)により行い、その後アセトンを用いて再結晶精
製を行い白色の結晶を得た。反応式は一括して下記に示
す。 収率:19.6%
−9,9−ジエチルフルオレン−2−イル〕〔4−(6
−メチル(ベンゾチアゾール−2−イル)フェニル〕ア
ミン(DPEFRPMB)の合成> 酢酸パラジウム(II)0.03g(0.15mmo
l)、トリ−tert−ブチルホスフィン0.12g
(0.6mmol)をo−キシレン中において窒素気流
下で反応させ錯塩触媒を製造した。その後、(7−ブロ
モ−9,9−ジエチルフルオレン−2−イル)ジフェニ
ルアミン(BDEFDP)2.8g(6mmol)、2
−(4−アミノフェニル)−6−メチルベンゾチアゾー
ル0.72g(3mmol)、ナトリウム−tert−
ブチラート0.7g(7.2mmol)を加え、オイル
バスの温度を130℃にして24時間反応させた。反応
終了後、クロロホルムで抽出し、水で洗浄した。精製は
カラムクロマトグラフィー法(クロロホルム:n−ヘキ
サン=1:2)により行い、黄白色の固体を回収し、昇
華精製(窒素流量50cc/min、ヒータ温度390
℃;195℃)を行い黄色の目的物を得た。反応式は一
括して下記に示す。 収率:45.2%融点:>300℃
場合)図5は本実施例の断面図である。ガラス基板の上
にシート抵抗15Ω/□のITO(インジウム−チン−
オキサイド)を1000Åコートする。次に正孔輸送剤
のTPD(〔0004〕の〔化6〕)を1.0×10
−6Torrで400Åの厚みに真空蒸着する。その上
から、下記式
MBを(95:5の重量パーセント比になるように)共
蒸着して厚さ150Åの発光層を形成した。さらに、電
子輸送層としてZnOXDを450Å、1×10−6T
orrの真空下で蒸着し、最後に陰極電極としてMgと
Ag(10:1)を同じ真空度で2000Å厚に共蒸着
した。発光領域は、縦0.5cm、横0.5cmの正方
形状とした。このようにして作製した有機エレクトロル
ミネッセント素子において、ITOを陽極、Mg:Ag
を陰極として、直流電圧を印加し、ガラス基板を通して
発光を観察した。輝度はトプコン輝度計BM−8により
測定した。この素子は、初期駆動5Vで水色(481n
m)の発光が得られ、発光スペクトルから発光層のDA
BAPMBが発光していることを確認した。輝度は15
Vで4100cd/m2と高い値を示した。得られた有
機EL素子の輝度−電圧特性を図6に示す。
nOXDとDABAPMBが90:10の重量パーセン
ト比になるように共蒸着した以外は実施例5と同様に素
子を作製した。この素子は、初期駆動4Vで水色(48
1nm)の発光が得られ、発光スペクトルから発光層の
DABAPMBが発光していることを確認した。輝度は
14Vで6200cd/m2と高い値を示した。得られ
た有機EL素子の輝度−電圧特性を図6に示す。
nOXDとDABAPMBが80:20の重量パーセン
ト比になるように共蒸着した以外は実施例5と同様に素
子を作製した。この素子は、初期駆動4Vで水色(48
1nm)の発光が得られ、発光スペクトルから発光層の
DABAPMBが発光していることを確認した。輝度は
14Vで8300cd/m2と高い値を示した。得られ
た有機EL素子の輝度−電圧特性を図6に示す。
nOXDとDABAPMBが70:30の重量パーセン
ト比になるように共蒸着した以外は実施例5と同様に素
子を作製した。この素子は、初期駆動4Vで水色(48
1nm)の発光が得られ、発光スペクトルから発光層の
DABAPMBが発光していることを確認した。輝度は
14Vで10800cd/m2と高い値を示した。得ら
れた有機EL素子の輝度−電圧特性を図6に示す。
nOXDとDABAPMBが60:40の重量パーセン
ト比になるように共蒸着した以外は実施例5と同様に素
子を作製した。この素子は、初期駆動4Vで水色(48
1nm)の発光が得られ、発光スペクトルから発光層の
DABAPMBが発光していることを確認した。輝度は
12Vで8400cd/m2と高い値を示した。得られ
た有機EL素子の輝度−電圧特性を図6に示す。
nOXDだけを600Åの厚みに1×10−6Torr
で真空蒸着した以外は、実施例5と同様にして有機EL
素子を作製した。この素子は、初期駆動5Vにて青色の
発光が観察され、また最高輝度は14Vで1400cd
/m2であったが、DABAPMBをドープした素子に
比べ初期電圧が高かった。得られた有機EL素子の輝度
−電圧特性を図6に示す。
場合)図7は本実施例の断面図である。ガラス基板の上
にシート抵抗15Ω/□のITO(インジウム−チン−
オキサイド)を1000Åコートする。次に正孔輸送剤
のTPDを1.0×10−6Torrで400Åの厚み
に真空蒸着する。その上から、下記式
MBを(95:5の重量パーセント比になるように)共
蒸着して厚さ150Åの発光層を形成した。さらに、電
子輸送層としてZnOXDを450Å、1×10−6T
orrの真空下で蒸着し、最後に陰極電極としてMgと
Ag(10:1)を同じ真空度で2000Å厚に共蒸着
した。発光領域は、縦0.5cm、横0.5cmの正方
形状とした。このようにして作製した有機エレクトロル
ミネッセント素子において、ITOを陽極、Mg:Ag
を陰極として、直流電圧を印加し、ガラス基板を通して
発光を観察した。輝度はトプコン輝度計BM−8により
測定した。この素子は、初期駆動5Vで水色(475n
m)の発光が得られ、発光スペクトルから発光層のCz
BAPMBが発光していることを確認した。この素子の
電流密度−電圧特性を測定したところ、13Vで300
mA/cm2であった。また、最高輝度は13Vで23
00cd/m2であった。得られた有機EL素子の輝度
−電圧特性を図8に、電流密度−電圧特性を図9に示
す。
nOXDとCzBAPMBが90:10の重量パーセン
ト比になるように共蒸着した以外は実施例10と同様に
素子を作製した。この素子は、初期駆動5Vで水色(4
75nm)の発光が得られ、発光スペクトルから発光層
のCzBAPMBが発光していることを確認した。この
素子の電流密度−電圧特性を測定したところ、14Vで
500mA/cm2であった。また最高輝度は13Vで
2400cd/m2であった。得られた有機EL素子の
輝度−電圧特性を図8に、電流密度−電圧特性を図9に
示す。
nOXDとDABAPMBが80:20の重量パーセン
ト比になるように共蒸着した以外は実施例10と同様に
素子を作製した。この素子は、初期駆動5Vで水色(4
75nm)の発光が得られ、発光スペクトルから発光層
のCzBAPMBが発光していることを確認した。この
素子の電流密度−電圧特性を測定したところ、13Vで
400mA/cm2であった。また最高輝度は13Vで
2800cd/m2であった。得られた有機EL素子の
輝度−電圧特性を図8に、電流密度−電圧特性を図9に
示す。
nOXDとDABAPMBが70:30の重量パーセン
ト比になるように共蒸着した以外は実施例10と同様に
素子を作製した。この素子は、初期駆動5Vで水色(4
75nm)の発光が得られ、発光スペクトルから発光層
のCzBAPMBが発光していることを確認した。この
素子の電流密度−電圧特性を測定したところ、13Vで
600mA/cm2であった。また最高輝度は12Vで
3400cd/m2であった。得られた有機EL素子の
輝度−電圧特性を図8に、電流密度−電圧特性を図9に
示す。
ZnOXDだけを600Åの厚みに1×10−6Tor
rで真空蒸着した以外は、実施例10と同様にして有機
EL素子を作製した。この素子は、初期駆動5Vにて青
色の発光が観察され、また最高輝度は13Vにて220
0cd/m2であったが、CzBAPMBをドープした
素子に比べ初期電圧が高かった。また、電流密度−電圧
特性を測定したところ、9Vで6mA/cm2とCzB
APMBをドープした素子に比べ低い値を示した。得ら
れた有機EL素子の輝度−電圧特性を図8に、電流密度
−電圧特性を図9に示す。
ルアミン化合物を提供することができた。 (2)本発明の新規化合物は、ホール輸送性の発光化合
物として有用であり、有機EL素子の発光層として用い
ることができる。 (3)本発明により、新規な発光層をもつ有機EL素子
を提供することができた。
IRスペクトル図である。
1H−NMRスペクトル図(溶媒:CDCl3)であ
る。
IRスペクトル図である。
1H−NMRスペクトル図である。
す。
輝度−電圧特性を示す。白丸は実施例5、白三角は実施
例6、白四角は実施例7、黒丸は実施例8、黒三角は実
施例9、黒四角は比較例1である。
子の積層構造を示す。
子の輝度−電圧特性を示す。黒丸は実施例10、白三角
は実施例11、白四角は実施例12、白丸は実施例1
3、黒四角は比較例2である。
子の電流密度−電圧特性を示す。黒丸は実施例10、白
三角は実施例11、白四角は実施例12、白丸は実施例
13、黒四角は比較例2である。
Claims (5)
- 【請求項1】 下記一般式(1) 【化1】 (式中、Ar1は、置換基を有していてもよい複素環基
であって、Ar1が結合しているベンゼン環と縮合環を
形成していてもよく、R1〜R16は、水素原子、アミ
ノ基、アルキル基、アルコキシ基および置換基を有して
もよいアリール基よりなる群からそれぞれ独立して選ば
れた基、Ar2〜Ar5は置換基を有してもよいアリー
ル基よりなる群からそれぞれ独立して選ばれた基であ
る。)で示される分子量750以上の複素環含有アリー
ルアミン化合物。 - 【請求項2】 前記一般式(1)中 【化2】 が、ホール輸送性の複素環を含有する発光化合物におけ
る発光中心となっている骨格構造である請求項1記載の
分子量750以上の複素環含有アリールアミン化合物。 - 【請求項3】 前記一般式(1)中 【化3】 が、 【化4】 【化5】 (式中、R21、R22、R24およびR26は水素、
炭素数1〜4のアルキル基および炭素数1〜4のアルコ
キシ基よりなる群からそれぞれ独立して選ばれた基であ
り、R23は、ふっ素および炭素数1〜2のハロゲン化
アルキル基よりなる群から選ばれた基であり、R25は
メチレン基またはエチレン基である。)よりなる群から
選ばれた基である請求項1記載の分子量750以上の複
素環含有アリールアミン化合物。 - 【請求項4】 前記一般式(1)中 【化6】 が、 【化7】 【化8】 よりなる群から選ばれた基である請求項1記載の分子量
750以上の複素環含有アリールアミン化合物。 - 【請求項5】 請求項1〜4いずれか記載の分子量75
0以上の複素環含有アリールアミン化合物を含有する層
をもつことを特徴とする有機エレクトロルミネッセント
素子。
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