JP2001100215A - 光配向液晶配向膜用組成物、光配向液晶配向膜、液晶挟持基板及び液晶表示装置 - Google Patents

光配向液晶配向膜用組成物、光配向液晶配向膜、液晶挟持基板及び液晶表示装置

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JP2001100215A
JP2001100215A JP28042799A JP28042799A JP2001100215A JP 2001100215 A JP2001100215 A JP 2001100215A JP 28042799 A JP28042799 A JP 28042799A JP 28042799 A JP28042799 A JP 28042799A JP 2001100215 A JP2001100215 A JP 2001100215A
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JP28042799A
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Yuichi Kanetani
雄一 金谷
Naoki Okuda
直紀 奥田
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Original Assignee
Hitachi Chemical DuPont Microsystems Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】本発明は、ラビング処理を行わずに配向機能が
得られ、耐熱性、信頼性に優れた光配向液晶配向膜用組
成物、前記光配向液晶配向膜を用いることにより、残像
現象の少ない高画質の画像が得られる液晶配向膜、液晶
挟持基板及び液晶挟持装置を提供する。 【解決手段】一般式(I) (式中、Wは4価の有機基を有し、Rは2価の有機基を
示す)で表わされる繰り返し単位を有し、かつ、その分
子の少なくとも片末端に、一般式(II) (式中、Xは反応性炭素炭素不飽和二重結合を有する酸
無水物残基である)で表わされる基を含むポリイミドま
たはその前駆体を含有してなる光配向液晶配向膜用組成
物、光配向液晶配向膜、液晶挟持基板及び液晶表示装
置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶の配向を制御
する光配向液晶配向膜用組成物、光配向液晶配向膜、液
晶挟持基板及び液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の液晶表示装置では、対向するそれ
ぞれの基板にITO(インジウム錫酸化物)などからな
る透明電極を用いて、ツイスティドネマチック表示方式
に代表される表示方式を採用している。この透明電極上
には、液晶配向膜が設けられ、ポリイミド系液晶配向膜
(特開昭55−10180号公報、特開昭63−259
515号公報等参照)が使用されている。これらは、基
板上に塗布したものを180〜350℃の範囲で乾燥、
脱水閉環させてポリイミド膜を形成し、ラビング処理を
行うことによって得られる。このラビング処理の場合、
静電気によるTFT(薄膜トランジスタ)の破壊による
表示不良やゴミの付着等によって発生する配向不良、な
どの問題点があるうえに、基板が大型化するにつれてラ
ビング時の過重を基板全体でコントロールすることが困
難となるため、面内が均一にラビングされない、といっ
た課題も発生してきた。
【0003】一方、光を照射することにより、配向機能
を持たせる方法も報告されている。アゾベンゼンのフォ
トクロミックによって配向を制御する方法(Ichim
ura.K , Langmuir ,4,1214,
1998参照)が提案されているが、耐熱性、信頼性に
問題がある。一方、感光性高分子などの光重合による配
向(特開平10−325957号公報参照)も提案され
ているが、光分解した物質が配向膜表面に吸着され、液
晶に対して悪影響を及ぼす可能性がある。またポリイミ
ド膜に光を照射し、配向させる方法(米国特許第531
7082号明細書参照)も提案されているが、高画質の
液晶表示装置を提供するものに関しては何ら言及されて
いない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術の
欠点を解決し、ラビング処理を行わずに配向機能が得ら
れ、耐熱性、信頼性に優れた光配向液晶配向膜用組成物
を提供するものである。また本発明は、前記光配向液晶
配向膜を用いることにより、残像現象の少ない高画質の
画像が得られる液晶配向膜、液晶挟持基板及び液晶挟持
装置を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、以下の手段を
用いるものである。すなわち、 (1) 一般式(I)
【化5】 (式中、Wは4価の有機基を有し、Rは2価の有機基を
示す)で表わされる繰り返し単位を有し、かつ、その分
子の少なくとも片末端に、一般式(II)
【化6】 (式中、Xは反応性炭素炭素不飽和二重結合を有する酸
無水物残基である)で表わされる基を含むポリイミドま
たはその前駆体を含有してなる光配向液晶配向膜用組成
物。
【0006】(2) 一般式(II)で表される基が、
【化7】 から選択されるものである前記(1)記載の光配向液晶
配向膜用組成物。
【0007】(3) 一般式(I)で表わされる繰り返
し単位を含むポリイミドまたはその前駆体が、Rの少な
くとも一部として、一般式(III)
【化8】 (R,R,R及びRは、相互独立的に−H、−
CH及び−CHCHから選択される)で示される
2価の有機基を有するものである前記(1)又は(2)
記載の光配向液晶配向膜用組成物。
【0008】(4) 一般式(I)で表わされる繰り返
し単位を含むポリイミドまたはその前駆体が、Wで示さ
れる4価の有機基の少なくとも一部として3,3',
4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物残
基を含む前記(1)、(2)又は(3)記載の光配向液
晶配向膜用組成物。 (5) 一般式(I)で表わされる繰り返し単位を含む
ポリイミドまたはその前駆体が、Wで示される4価の有
機基として3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカ
ルボン酸二無水物残基を、全繰り返し単位の30モル%
以上含むものである前記(4)記載の光配向液晶配向膜
用組成物。
【0009】(6) 前記(1)〜(5)の何れかに記
載の光配向液晶配向膜用組成物を用いて得られる、ポリ
イミド層に光照射により配向機能をもたせてなる光配向
液晶配向膜。 (7) 前記(6)記載の光配向液晶配向膜を有してな
る液晶挟持基板。 (8) 前記(7)記載の光配向液晶配向膜を有してな
る液晶表示装置。
【0010】
【発明の実態の形態】本発明の光配向液晶配向膜用組成
物は、前記一般式(I)で表される繰り返し単位を有す
るポリイミド又はポリイミド前駆体を含むものである。
ポリイミド前駆体はテトラカルボン酸二無水物とジアミ
ン化合物を好ましくは100℃以下、より好ましくは0
〜80℃で反応させて得られ、主にポリアミド酸の繰り
返し単位からなるが、一部イミド化していてもよく、ポ
リアミド酸とポリイミドの混合物であってもよい。ポリ
イミドは、前記ポリアミド酸をイミド閉環することによ
り得ることができる。
【0011】本発明において用いられるポリイミド又は
ポリイミド前駆体は、反応性炭素炭素不飽和二重結合を
有する酸無水物残基を分子の少なくとも片末端に配置す
ることによって、この部位が光二量化反応で光配向する
ので、少ない光照射量でも良好な表示特性を示すことが
可能となるものである。このときに前記残基を含ませる
ために用いられる反応性炭素炭素不飽和二重結合を有す
る酸無水物としては、次式で示す残基を与えるもの、
【化9】 即ち、無水マレイン酸、5−ノルボルネン−2,3―カ
ルボン酸無水物、4−シクロヘキセン−1,2−ジカル
ボン酸無水物、無水イタコン酸が好ましいものとして挙
げられる。ポリイミド又はポリイミド前駆体の製造にお
いて、これらの酸無水物の使用量は、ジアミン成分10
0モル%に対して10〜50モル%とすることが好まし
い。50モル%を超えて配合すると十分なポリマー分子
量が得られないことから、良好な塗布性や成膜性が得ら
れないことや電圧保持率の低下の恐れがある。
【0012】一般式(I)において、Wで示される4価
の有機基は、一般に、原料として使用されるテトラカル
ボン酸二無水物の、2つの酸無水物基(−CO−O−C
O−)を除いた基であり、Rで示される2価の有機基
は、一般に、原料として使用されるジアミン化合物の2
つのアミノ基(−NH)を除いた基である。本発明で
用いるポリイミド及びポリイミド前駆体は光配向液晶配
向膜用組成物の溶剤に可溶性であることが好ましい。
【0013】本発明に用いられる、Rで表わされる残基
を与えるジアミン化合物としては、前記一般式(II
I)で示される残基を与えるものを使用することが好ま
しい。これらのジアミン化合物を使用することにより、
光照射時に遷移状態への形成速度が増大するので、光反
応性が増加し、ポリイミドの光配向性に優れる。前記一
般式(III)で示されるジアミン残基の割合は、全ジ
アミン残基の20モル%以上(即ち、一般式(I)にお
いて、前記ジアミン残基Rを有する繰り返し単位が、全
繰り返し単位の20モル%以上)とすることが好まし
い。即ち、ジアミン化合物として、前記一般式(II
I)で示される残基を与えるジアミン化合物を全ジアミ
ン化合物の20モル%以上使用することが好ましく、5
0〜100モル%とすることがより好ましい。この量
が、20モル未満であると良好な光配向性が得られにく
い傾向がある。
【0014】前記一般式(III)で示される残基を与
えるジアミン化合物としては、2,3,5,6−テトラ
メチル−1,4−フェニレンジアミン、2,3,5,6
−テトラエチル−1,4−フェニレンジアミン、2,
5,−ジメチル−1,4−フェニレンジアミン、2,
5,−ジメチル−1,3−フェニレンジアミン、2,
5,−ジエチル−1,4−フェニレンジアミン、2,
5,−ジエチル−1,3−フェニレンジアミン、1,4
−フェニレンジアミン、2,4,6−トリメチル−1,
3−フェニレンジアミン、2,4,6−トリエチル−
1,3−フェニレンジアミン、1,3−フェニレンジア
ミン、3,3',5,5'−テトラメチルベンジジン、
3,3',5,5'−テトラエチルベンジジン、ベンジジ
ンなどが挙げられ、これらは、単独でまたは2種以上を
組み合わせて用いられる。
【0015】さらに本発明で用いることができるジアミ
ン化合物としては、o−フェニレンジアミン、イソフタ
ロジルジヒドラジド、テレフタロジルジヒドラジド、
4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジ
アミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェ
ニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィ
ド、3,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,
3’−ジアミノジフェニルスルフィド、ビス(4−(3
−アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、ビス(4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、ビス
(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)スルフィ
ド、ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)ス
ルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、
3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジ
アミノジフェニルエーテル、2,4’−ジアミノジフェ
ニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、
2,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジア
ミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニル
メタン、,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フ
ェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(4−アミノフ
ェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2
−ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)ヘキ
サフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェノ
キシ)ヘキサフルオロプロパン、1,6−ヘキサメチレ
ンジアミン、1,8−オクタメチレンジアミン、1,1
0−デカメチレンジアミン、1,12−ドデカメチレン
ジアミン、アゼライン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒ
ドラジド、2,6−ナフトエ酸ジヒドラジド、2,4’
−ジアミノ−3−メチル−ステアリルフェニルエーテ
ル、2,4’−ジアミノ−3−メチル−ラウリルフェニ
ルエーテル、2,4’−ジアミノ−3−メチル−パルミ
チルフェニルエーテル、2,4’−ジアミノ−1−オク
チルオキシベンゼン、2,2−ビス(4−(4−アミノ
フェノキシ)フェニル)オクタン、2,2−ビス(4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル)トリデカン、2,
2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)ペ
ンタデカン、ビス(4−(4−アミノベンゾイルオキ
シ)安息香酸)オクタン、ビス(4−(4−アミノベン
ゾイルオキシ)安息香酸)デカン、ビス(4−(4−ア
ミノベンゾイルオキシ)安息香酸)ドデカン、ビス(4
−(4−アミノベンゾイルオキシ)安息香酸)メチルシ
クロヘキサン、ビス(4−(4−アミノベンゾイルオキ
シ)安息香酸)メタン、ビス(4−(3−アミノベンゾ
イルオキシ)安息香酸)ブタン、ジアミノシロキサン、
1,3−ジ(3−アミノプロピル)−1,1,3,3−
テトラメチルジシロキサンなどが挙げられ、これらは2
種以上を併用してもよい。
【0016】本発明で使用する前記一般式(I)で示さ
れる繰り返し単位を有するポリイミド又はその前駆体に
おいて、Wで示される4価の有機基、即ちテトラカルボ
ン酸の残基、の少なくとも一部として、3,3',4,
4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物残基を
有すると、光配向性の向上に良好な特性を示すので好ま
しい。この基の割合は、全テトラカルボン酸残基の30
モル%以上(即ち、一般式(I)において、前記テトラ
カルボン酸残基Wを有する繰り返し単位が、全繰り返し
単位の30モル%以上)であることが好ましい。これが
30モル%未満であると、光配向性が低下する傾向にあ
る。良好な光配向性を得るためには50〜100モル%
であることがより好ましい。なお、この残基の量の調整
は、3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン
酸二無水物の全テトラカルボン酸二無水物に対する割合
を調製することにより行うことができる。
【0017】その他、本発明に用いられる、Wで示され
る4価の有機基を与えるテトラカルボン酸二無水物とし
ては、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水
物、1,2,4,5−ペンタンテトラカルボン酸二無水
物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二
無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボ
ン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラ
カルボン酸二無水物、ビシクロ(2,2,2)オクタ−
7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水
物、3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒ
ドロ−1−ナフタレンコハク酸二無水物、ピロメリット
酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカ
ルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルエ
ーテルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,
4−ジカルボキシルフェニル)ヘキサフルオロプロパン
酸二無水物、オクチルコハク酸二無水物、ドデシルコハ
ク酸二無水物、オクチルマロン酸二無水物、メチレン−
1,2−ビス(1,3−ジヒドロ−1,3−ジオキソ−
5−イソベンゾフラニル)ジエーテル、プロピレン−
1,3−ビス(1,3−ジヒドロ−1,3−ジオキソ−
5−イソベンゾフラニル)ジエーテル、ブタン−1,4
−ビス(1,3−ジヒドロ−1,3−ジオキソ−5−イ
ソベンゾフラニル)ジエーテル、ヘキサン−1,6−ビ
ス(1,3−ジヒドロ−1,3−ジオキソ−5−イソベ
ンゾフラニル)ジエーテル、オクタン−1,8−ビス
(1,3−ジヒドロ−1,3−ジオキソ−5−イソベン
ゾフラニル)ジエーテル、デカン−1,10−ビス
(1,3−ジヒドロ−1,3−ジオキソ−5−イソベン
ゾフラニル)ジエーテル、ドデカン−1,12−ビス
(1,3−ジヒドロ−1,3−ジオキソ−5−イソベン
ゾフラニル)ジエーテル、ヘキサデカン−1,16−ビ
ス(1,3−ジヒドロ−1,3−ジオキソ−5−イソベ
ンゾフラニル)ジエーテル、イコサン−1,20−ビス
(1,3−ジヒドロ−1,3−ジオキソ−5−イソベン
ゾフラニル)ジエーテル、1,3−シクロヘキサンビス
トリメリテート酸二無水物、1,4−シクロヘキサンビ
ストリメリテート酸二無水物、1,2−シクロヘキサン
ビストリメリテート酸二無水物などが挙げられ、単独ま
たは2種類以上を併用して使用することができる。
【0018】本発明においては、上記のジアミン化合物
のモル数の総和1.0に対して、テトラカルボン酸二無
水物のモル数の総和を0.8〜1.2の範囲にして反応
させることが好ましく、0.9〜1.1にして反応させ
ることがより好ましい。また、末端に前記一般式(I
I)を形成する酸無水物は、ジアミン化合物のモル数の
総和1.0に対して0.1〜0.5の範囲とすることが
好ましい。
【0019】本発明のポリイミド又はその前駆体を合成
するにあたり、一般に不活性溶媒が用いられる。不活性
溶媒としては、前記の単量体の全てを溶解する必要はな
いが、生成するポリアミド酸を溶解するものが好まし
く、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジ
メチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、
γ−ブチロラクトン、ε−カプロラクトン、γ−カプロ
ラクトン、γ−バレロラクトン、ジメチルスルホキシ
ド、1,4−ジオキサン、シクロヘキサノン、N−メチ
ル−プロピオンアミドなどが挙げられ、これらは2種以
上を併用してもよい。
【0020】得られたポリアミド酸ワニスは、必要に応
じて、ポリイミドワニスとすることができる。これは、
脱水閉環反応によって行うことができる。脱水閉環反応
は、(イ)ポリアミド酸を加熱する方法、(ロ)ポリア
ミド酸に脱水剤及び脱水閉環触媒を添加し必要に応じて
加熱する方法などにより行われる。
【0021】(イ)の加熱によって得る方法では、反応
温度を通常100〜200℃とされ、好ましくは130
〜170℃にされる。反応温度が100℃未満では脱水
閉環反応が十分に進行せず、反応温度が200℃を越え
ると熱イミド化と同時に分子量の低下がみられる。 (ロ)の方法において、脱水剤としては、例えば無水酢
酸、無水プロピオン酸、無水トリフルオロ酢酸などの酸
無水物を用いることができる。脱水剤の使用量はポリア
ミド酸の繰り返し単位1モルに対して1〜20モルとす
るのが好ましい。
【0022】また脱水閉環触媒としては、例えばピリジ
ン、トリエチルアミン、コリジン、ルチジンなどの3級
アミンを用いることができる。脱水閉環触媒の使用量と
しては、脱水剤1モルに対して0.5〜10モルとする
のが好ましい。なお、脱水閉環反応に用いられる有機溶
媒としては、ポリアミド酸の合成に用いられる有機溶媒
を挙げることができる。そして脱水閉環反応の反応温度
は通常0〜180℃、好ましくは50〜150℃とされ
る。この時ポリイミドの他に、「ポリイミド前駆体」の
一つである「ポリイソイミド」が生成される場合があ
る。
【0023】脱水閉環反応後のワニスは、大量の貧溶媒
中に注いで析出物を得、この析出物を洗浄後、減圧下乾
燥することによってポリイミドを得ることができる。ま
たこのポリイミドを再度有機溶媒に溶解させてポリイミ
ドワニスができる。この時の貧溶媒としては、水、メチ
ルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコ
ール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロ
ピレングリコール、1,4−ブタンジオール、アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シ
クロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレング
リコールエチルエーテル、エチレングリコール−n−プ
ロピルエーテル、エチレングリコール−n−ブチルエー
テル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、
エチレングリコールメチルエーテルアセテート、エチレ
ングリコールプロピルエーテルアセテート、ヘキサン、
ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、
テトラヒドロフラン、1,2−ジクロロエタン、1,4
−ジクロロブタン、トリクロロエタンなどを挙げること
ができる。これらは1種もしくは2種以上を組み合わせ
て用いられる。
【0024】また、被印刷体への濡れ性を良くするため
の溶媒を、反応前または反応終了後に添加することもで
きる。これらの溶媒としては例えば、エチルセロソロ
ブ、エチルセロソロブアセテート、ブチルセロソロブ、
ブチルセロソロブアセテート、キシレン、トルエン、1
−エトキシ−2−アセトキシプロパン、ジイソブチルケ
トン、メチル−n−ヘキシルケトンなどが挙げられる。
【0025】ワニスとして使用される際のポリイミド又
はその前駆体のワニス中の濃度は、1〜20重量%の範
囲とされることが好ましく、3〜15重量%の範囲とさ
れることがより好ましい。濃度が1重量%未満である場
合には、塗布後の膜厚が薄くなってしまい、良好な膜が
得られない場合があり、20重量%を越える場合には、
粘度が高くなってしまうため塗布特性が劣る傾向にあ
る。
【0026】本発明の光配向液晶配向膜用組成物は、ガ
ラス基板との密着性を向上させるために、シランカップ
リング剤、チタンカップリング剤等のカップリング剤を
添加することができる。上記シランカップリング剤とし
ては例えば、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、
γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプ
ロピルトリプロポキシシラン、γ−アミノプロピルトリ
ブトキシシラン、γ−アミノエチルトリエトキシシラ
ン、γ−アミノエチルトリメトキシシラン、γ−アミノ
エチルトリプロポキシシラン、γ−アミノエチルトリブ
トキシシラン、γ−アミノブチルトリエトキシシラン、
γ−アミノブチルトリメトキシシラン、γ−アミノブチ
ルトリプロポキシシラン、γ−アミノブチルトリブトキ
シシランなどが挙げられ、また上記チタンカップリング
剤としては、例えば、γ−アミノプロピルトリエトキシ
チタン、γ−アミノプロピルトリメトキシチタン、γ−
アミノプロピルトリプロポキシチタン、γ−アミノプロ
ピルトリブトキシチタン、γ−アミノエチルトリエトキ
シチタン、γ−アミノエチルトリメトキシチタン、γ−
アミノエチルトリプロポキシチタン、γ−アミノエチル
トリブトキシチタン、γ−アミノブチルトリエトキシチ
タン、γ−アミノブチルトリメトキシチタン、γ−アミ
ノブチルトリプロポキシチタン、γ−アミノブチルトリ
ブトキシチタンなどが挙げられる。これらは2種以上を
併用してもよい。このときの使用量は、ポリイミド又は
その前駆体100重量部(樹脂分)に対して、0.5〜
5重量部が好ましい。
【0027】本発明の光配向液晶配向膜用組成物は光配
向液晶配向膜として使用されるが、その他、例えば、半
導体用絶縁膜、液晶用カラーフィルタ保護膜としての適
用も可能である。本発明の光配向液晶配向膜用組成物を
用いて光配向液晶配向膜を製造する方法(即ち、ポリイ
ミド膜形成方法)としては、スピン塗布法、浸漬法、印
刷法、吹き付け法などが挙げられるが、フォトリソグラ
フィー工程がなくパターニング形成が容易な印刷法によ
るポリイミド膜形成が好ましく、ワニスを保持しやすく
被印刷体への転写量も多いフレキソ印刷機による樹脂膜
製造がさらに好ましい。このとき用いられる被印刷体と
してはガラス基板、プラスチック基板、シリコンウエハ
などが挙げられる。
【0028】本発明の光配向液晶配向膜用組成物がポリ
イミド前駆体を含む場合は、加熱乾燥、脱水閉環してポ
リイミド膜を形成する。その加熱温度としては100〜
400℃が好ましく、120〜230℃がより好まし
く、150〜200℃がさらに好ましい。また加熱時間
は通常1分〜6時間、好ましくは1分〜3時間とされ
る。形成されるポリイミド膜の膜厚は、通常0.01〜
3μmであり、好ましくは0.05〜1μmである。
【0029】本発明の光配向液晶配向膜用組成物は、ポ
リマ末端に光二量化反応が可能な炭素炭素不飽和二重結
合を有する酸無水物残基を配置することで、光配向性が
向上され、より少ない照射量で良好な表示特性を示すも
のである。この光二量化によって発生した四員環は芳香
環でないため、直流電荷が膜表面に吸着しにくく、その
ため残留直流電圧は低下し、残像現象を改良することが
できる。
【0030】また、ポリイミド膜にカルボニル基を有す
る場合、光照射によりカルボニル基が開裂、ラジカルを
発生させ分子間結合を発生することによって、良好な光
配向が生じる。また、同時にラジカルの発生のため、液
晶中の直流電荷が配向膜表面との吸着しやすくなる。
【0031】加えてこのラビング時の静電気やゴミの付
着等によって発生する配向不良、表示不良や基板が大型
化するにつれてラビング時の過重を基板全体でコントロ
ールすることが困難となるため、面内が均一にラビング
されない、といった課題についても改善することができ
る。
【0032】本発明において、光照射の方法としては、
特に制限されないが、例えば、図1に示すように、基板
4上に形成された光配向液晶配向膜3に、光源1から発
せられた光を偏光フィルム2を通して偏光で照射するこ
とができる。これにより、光配向が生じる。このとき使
用される光源1としては、紫外線、紫外パルスレーザ、
エキシマレーザ、電子線などが挙げられる。また、この
とき、ステージ5の傾斜角6の角度を変えることで、液
晶の配向性やプレチルト角を制御することができる。ま
た偏光の入射角を変えて2回以上照射してもよい。
【0033】本発明において、液晶狭持基板の構造や製
造法に特に制限はない。例えば、TFT液晶表示装置用
の液晶狭持基板として、カラーフィルタ側のものは、よ
く研磨したガラス基板上にブラックマトリクスを作成し
た後、ストライプ状などの、R,G,Bの3色のカラー
フィルタを備え、ついで、そのカラーフィルタに対し
て、カラーフィルタ保護膜で表面を平坦化した後、透明
電極を形成し、最後に本発明の液晶配向膜を形成し、光
照射を行い、液晶配向能を付与した液晶狭持基板とする
ことができる。一方、TFT側のものは、研磨したガラ
ス基板上にゲート電極、ゲート絶縁膜を形成し、さらに
アモルファスシリコン、ドレイン電極、ソース電極の成
膜により、TFTを形成し、その後、無機絶縁膜、透明
電極を形成し、最後に本発明の液晶配向膜を形成した
後、光照射を行い、液晶配向能を付与して液晶狭持基板
とすることができる。
【0034】本発明の液晶表示装置としては、前記液晶
配向膜を有すること以外特に制限されない。液晶表示装
置の構造としては、(1)表示画素、TFT及び電極群
が基板上に構成され、前記基板上には液晶配向膜が絶縁
層を介して形成されており、前記基板により液晶層が挟
持され、前記液晶層の光学特性を変化させる偏向特性を
変化させる偏向手段を備えた液晶表示装置において、前
記液晶配向膜が前記液晶配向膜用組成物で形成されてい
る液晶表示装置、(2)画素電極が走査信号電極、映像
信号電極、画素電極、共通電極及びTFTにより基板上
に構成され、前記基板上には液晶配向膜が絶縁層を介し
て配置され、前記基板により液晶層が挟持され、前記電
極群には前記液晶層に対し前記基板面と概ね平行な電界
を印加するように構成され、前記電極群は前記液晶層の
光学特性を変化させる偏向特性を変化させる偏向手段を
備えた液晶表示装置において、前記液晶配向膜が前記液
晶配向膜用組成物で形成されている液晶表示装置、など
が挙げられる。一例として、図3に、TFT液晶表示装
置の例の模式図を示す。
【0035】
【実施例】以下、本発明の実施の形態につき、実施例に
より詳細に説明する。 [合成例1]温度計、攪拌装置、冷却管及び窒素導入管
を備えた4つ口セパラブルフラスコに、2,4,5,6
−テトラメチル−1,4−フェニレンジアミン16.4
14g(0.1モル)をN−メチル−2−ピロリドン1
87.6g中に溶解させ、これに3,3',4,4'−ベ
ンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物29.0g
(0.09モル)を加え、室温中15分間攪拌して反応
させた後、無水マレイン酸1.471g(0.015モ
ル)を加え、少なくとも片末端に無水マレイン酸残基を
有する、濃度が20重量%のポリアミド酸ワニスを得
た。粘度はE型粘度計(25℃)において8000mP
a・sであった。
【0036】得られたポリアミド酸ワニスに無水酢酸3
0.8g、ピリジン12.6gを加え、50℃で3時間
攪拌した。得られたポリイミドは、イオン交換水中に再
沈させた後、ろ過及びメチルアルコールで洗浄した後、
60℃で減圧乾燥をした。ポリイミド樹脂の2重量%の
γ−アミノプロピルトリエトキシシランを添加したの
ち、5重量%のポリイミドワニスとなるようにγ―ブチ
ロラクトン溶媒に再溶解させた。得られたポリイミドワ
ニスAの粘度はE型粘度計(25℃)において25mP
a・sであった。
【0037】[合成例2]温度計、攪拌装置、冷却管及
び窒素導入管を備えた4つ口セパラブルフラスコに、
2,4,6−トリメチル−1,3−フェニレンジアミン
15.012g(0.1モル)をN−メチル−2−ピロ
リドン186.0g中に溶解させ、これに3,3',
4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物2
7.389g(0.085モル)を加え、室温中5分間
攪拌して反応させた後、5−ノルボルネン−2,3−ジ
カルボン酸無水物4.104g(0.025モル)を加
え、少なくとも片末端に5−ノルボルネン−2,3−ジ
カルボン酸残基を有する、濃度が20重量%のポリアミ
ド酸ワニスを得た。得られたポリアミド酸ワニスの粘度
は5400mPa・sであった。
【0038】得られたポリアミド酸ワニスに無水酢酸3
0.8g、ピリジン12.6gを加え、50℃で3時間
攪拌した。得られたポリイミドは、合成例1と同様な方
法で6重量%のポリイミドワニスとなるようにγ−ブチ
ロラクトンに再溶解させた。得られたポリイミドワニス
Bの粘度はE型粘度計(25℃)において23mPa・
sであった。
【0039】[合成例3]温度計、攪拌装置、冷却管及
び窒素導入管を備えた4つ口セパラブルフラスコに、
2,4,5,6−テトラメチル−1,4−フェニレンジ
アミン16.414g(0.1モル)をN−メチル−2
−ピロリドン138.3g中に溶解させ、これに3,
3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水
物25.777g(0.08モル)、室温中5分間攪拌
して反応させた後、無水マレイン酸3.922g(0.
04モル)を加え、少なくとも片末端に無水マレイン酸
残基を有する、濃度が20重量%のポリアミド酸ワニス
を得た。得られたポリアミド酸ワニスの粘度は2600
mPa・sであった。得られたポリアミド酸ワニスに無
水酢酸30.8g、ピリジン12.6gを加え、50℃
で3時間攪拌した。得られたポリイミドは、合成例1と
同様な方法で6重量%のポリイミドワニスとなるように
γ−ブチロラクトンに再溶解させた。得られたポリイミ
ドワニスCの粘度は11mPa・sであった。
【0040】[合成例4]温度計、攪拌装置、冷却管及
び窒素導入管を備えた4つ口セパラブルフラスコに、
2,4,5,6−テトラメチル−1,4−フェニレンジ
アミン8.207g(0.02モル)及び4,4'−ジ
アミノジフェニルエーテル10.012g(0.08モ
ル)をN−メチル−2−ピロリドン147.6g中に溶
解させ、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水
物4.104g(0.03モル)を加え、室温中10分
間攪拌して反応させた後、これに3,3',4,4'−ベ
ンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物30.611g
(0.03モル)、3,3’,4,4’−ビスシクロヘ
キサンテトラカルボン酸二無水物15.316g(0.
05モル)を加え、室温中8時間攪拌して反応させ、少
なくとも片末端に3,3’,4,4’−ビスシクロヘキ
サンテトラカルボン酸残基を有する、濃度が20重量%
のポリアミド酸ワニスを得た。得られたポリアミド酸ワ
ニスの粘度は5000mPa・sであった。
【0041】得られたポリアミド酸ワニスに無水酢酸3
0.8g、ピリジン12.6gを加え、50℃で3時間
攪拌した。得られたポリイミドは、合成例1と同様な方
法で6重量%のポリイミドワニスとなるようにN−メチ
ル−2−ピロリドン/ブチルセロソルブ=85/15
(重量比)混合溶媒に再溶解させた。得られたポリイミ
ドワニスDの粘度は20mPa・sであった。
【0042】[比較合成例1]温度計、攪拌装置、冷却
管及び窒素導入管を備えた4つ口セパラブルフラスコ
に、4,4'−ジアミノジフェニルエーテル20.02
4g(0.1モル)をN−メチル−2−ピロリドン15
1.9g中に溶解させ、これにオキシジフタル酸二無水
物31.022g(0.1モル)、室温中8時間反応さ
せた後、粘度調整を行い、濃度が20重量%のポリアミ
ド酸ワニスを得た。得られたポリアミド酸ワニスEの粘
度は10Pa・sであった。
【0043】得られたポリアミド酸ワニスに無水酢酸3
0.8g、ピリジン12.6gを加え、50℃で3時間
攪拌した。得られたポリイミドは、合成例1と同様な方
法で4重量%のポリイミドワニスとなるようにγ―ブチ
ロラクトンに再溶解させた。得られたポリイミドワニス
E粘度は25mPa・sであった。
【0044】[実施例1]合成例1で得られたワニスA
をITO電極が形成されているガラス基板にスピン塗布
をして、80℃2分間、200℃30分間加熱処理をし
て、膜厚0.1μmのポリイミド膜を得た。図1にしめ
す光配向液晶配向膜用組成物に対する光照射方法に従っ
て、光照射した。光配向液晶配向膜用組成物3を塗布し
た基板4を傾斜角15度に配置し、z軸方向からは偏光
フィルム2、 HNP'B PLASTIC (ポラ
ロイド社製商品名)を使用して、低圧水銀ランプ(光源
1)を照射した。中心波長254nmの偏光UVを1J
/cm照射し、ポリイミド膜に配向機能を持たせた。
このように作製した2枚の基板をポリイミドの配向方向
が90度になるように組み合わせて、周りを熱硬化性接
着剤樹脂ストラクトボントXN−21−S(三井化学
(株)製商品名)で封止し、150℃1時間加熱硬化し
た。セルギャップはポリマビーズを基板間に分散させ、
液晶封入状態で4μmとした。この基板間に、ネマチッ
ク液晶ZLI−2042(メルク社製商品名)を真空含
浸法で注入した。液晶の相転移温度以上である110℃
20分間でアイソトロピック処理を行いツイスティドネ
マチック液晶表示素子(以降TNセルと省略する)を形
成した。その後2枚の偏光板G1220DU(日東電工
(株)製商品名)でパネルを挟み一方の偏光板の偏光透
過軸を液晶配向方向に平行とし、他方をそれと直交とし
てノーマリクローズ特性を得た。このようにして得た液
晶表示素子に電圧を加えて偏光顕微鏡で液晶配向状態を
観察したが、良好であった。また電圧保持率はソース信
号の周波数30Hz、振幅6V、オフセット0Vで、1
6.5msの矩形波、ゲート信号はパルス幅35μsと
して評価した。25℃の電圧保持率は、98.4%の値
を示した。
【0045】残留直流電圧はフリッカ消去法により測定
した。液晶表示素子に交流電圧として振幅1.5V、周
波数30Hzの方形波及びオフセット電圧1Vを30分
間印加し、オフセット電圧を0Vにした直後に、フリッ
カを最小とする直流オフセット電圧を測定し、この値を
残留直流電圧とした。25℃の残留直流電圧は、0.0
4Vを示した。
【0046】また、光配向させたポリイミドの配向方向
が180度になるように基板を組み合わせて、周りを封
止した。なおセルギャップはポリエチレンテレフタレー
トフィルムを基板間に介在させ、液晶封入状態で25μ
mとし、110℃20分間でアイソトロピック処理を行
い、プレチルト角評価用液晶表示素子(以降アンチパラ
レルセルと省略する)とした。クリスタルローテーショ
ン法によってプレチルト角を評価したところ、0.8度
であった。UV照射量、配向性、電圧保持率、残留直流
電圧、プレチルト角の結果は、まとめて表1に示す。
【0047】[実施例2]合成例2で得られたワニスB
をITO電極が形成されているガラス基板にスピン塗布
をして、80℃2分間、200℃30分間加熱処理をし
て、膜厚0.1μmのポリイミド膜を得た。実施例1と
同様にTNセル及びアンチパラレルセルを作製した。U
V照射量、配向性、電圧保持率、残留直流電圧、プレチ
ルト角の結果は、まとめて表1に示す。
【0048】[実施例3]合成例3で得られたワニスC
をITO電極が形成されているガラス基板にスピン塗布
をして、80℃2分間、200℃30分間加熱処理をし
て、膜厚0.1μmのポリイミド膜を得た。実施例1と
同様にTNセル及びアンチパラレルセルを作製した。U
V照射量、配向性、電圧保持率、残留直流電圧、プレチ
ルト角の結果は、まとめて表1に示す。
【0049】[実施例4]合成例4で得られたワニスD
をITO電極が形成されているガラス基板にスピン塗布
をして、80℃2分間、200℃30分間加熱処理をし
て、膜厚0.1μmのポリイミド膜を得た。実施例1と
同様にTNセル及びアンチパラレルセルを作製した。U
V照射量、配向性、電圧保持率、残留直流電圧、プレチ
ルト角の結果は、まとめて表1に示す。
【0050】[比較例1]比較合成例1で得られたワニ
スEをITO電極が形成されているガラス基板にスピン
塗布をして、80℃2分間、200℃30分間加熱処理
をして、膜厚0.1μmのポリイミド膜を得た。実施例
1と同様にTNセル及びアンチパラレルセルを作製し
た。UV照射量、配向性、電圧保持率、残留直流電圧、
プレチルト角の結果は、まとめて表1に示す。
【0051】
【表1】
【0052】表1に示した通り、ジアミン成分100モ
ル%に対して、酸無水物成分が10〜50モル%の範囲
では、特に良好な配向機能、電圧保持率、残量直流電圧
が得られた。
【0053】[実施例5]図2は本発明の横電界TFT
液晶表示装置の単位画素の説明図である。(1)は正面
図、(2)は(1)のa−a’断面図、(3)は(1)
のb−b’断面図である。よく研磨したガラス基板4上
にゲート絶縁膜8となるSiNが形成され、さらにその
うえに、共通電極7、画素電極10、映像信号電極9、
アモルファスシリコン11が形成され、さらに本発明に
拘わる光配向用液晶配向膜3を順次形成して、いづれも
ストライプ状の共通電極と平行で走査信号電極14と交
差するような構造とし、TFT 13と金属電極群を形
成して、一方の横電界TFT基板が形成される。基板上
の電極はいづれもアルミニウムからなるが電気抵抗の少
ないものであれば、特に材料の制約はなく、クロム、銅
などでもよい。画素数は40(×3)×30で、画素ピ
ッチは横方向(すなわち共通電極間)は80μm、縦方
向(すなわち走査信号電極14間)は240μmであ
る。ここで共通電極の幅は12μmであり、隣接する共
通電極7の間隙の68μmよりも狭くし、高い開口率を
確保した。なお電極の高さは0.2μmとした。なお無
機絶縁膜12は膜厚0.1μm確保した。
【0054】他方の基板には、遮光層としてカーボン微
粒子を混合したエポキシ樹脂を用い、ストライプ状の
R,G,B3色のカラーフィルターを備えた。カラーフ
ィルタ上には表面を平坦化するための透明樹脂HP−1
009(日立化成工業社製商品名)を塗布した。このよ
うにして作成した横電界方式TFT基板及びにカラーフ
ィルター基板上に合成例1で作成したワニスAを用いて
フレキソ印刷により樹脂膜を形成した。形成された樹脂
膜を80℃2分間、200℃30分間加熱硬化を行い、
膜厚を0.2μmのポリイミド膜とした。このポリイミ
ド膜に1 J/cmの光照射をして、液晶配向膜とし
た。
【0055】この上下基板を組み合わせ、周りを熱硬化
性接着剤樹脂ストラクボンドXN−21−Sで封止し、
150℃1時間加熱硬化した。なおポリイミドの配向方
向が互いにほぼ平行でかつ印加電圧方向とのなす角度を
15度とした。セルギャップはポリマービーズを基板間
に分散して挟持し、液晶封入状態で4.0μmとした。
この基板間には、ネマチック液晶MLC−2042(メ
ルク社製商品名)を真空含浸法で注入した。液晶MLC
−2042の相転移温度以上である110℃20分間熱
処理をして液晶表示素子を形成した。その後2枚の偏光
板G1220DUでパネルを挟み、一方の偏光板の偏光
透過軸をポリマーの配向方向にほぼ平行とし、他方をそ
れに直交として、ノーマリクローズ特性を得た。配向性
は良好であった。このように作製した液晶表示装置のコ
ントラスト比は、電圧無印加状態(暗状態)での光透過
率及び光透過率が最大となる電圧下(明状態)での光透
過率を共通電極と画素電極の間の領域について測定し、
その光透過率の比からコントラスト比を求めた。この液
晶表示装置のコントラスト比の平均は330だった。ま
た残像の評価については、一定の図形を30分間表示
し、表示部分を消去してから、該表示部分と非表示部分
が識別できなくなる時間を目視によって評価した。残像
が全く起こらなかったものを"5"、30秒未満の残像が
解消されたのを"4"、30秒以上1分以内に残像が解消
されたのを"3"、1分以上5分未満に残像が解消された
のを"2"、5分以上かかって残像が解消されたのを"1"
とした。UV照射量、配向性、コントラスト比、残像の
結果は、まとめて表2に示す。
【0056】[実施例6]合成例2で得られたワニスB
を実施例5と同様の横電界TFT基板及び対向基板にフ
レキソ印刷によって塗布をして、80℃2分間、200
℃30分間加熱処理をして、膜厚0.2μmのポリイミ
ド膜を得た。得られた挟持基板は実施例5と同様にして
横電界TFT液晶表示装置を作製した。UV照射量、配
向性、コントラスト比の結果は、まとめて表2に示す。
【0057】[実施例7]合成例3で得られたワニスC
を実施例5と同様の横電界TFT基板及び対向基板にフ
レキソ印刷によって塗布をして、80℃2分間、200
℃30分間加熱処理をして、膜厚0.2μmのポリイミ
ド膜を得た。得られた挟持基板は実施例5と同様にして
横電界TFT液晶表示装置を作製した。UV照射量、配
向性、コントラスト比の結果は、まとめて表2に示す。
【0058】[実施例8]合成例3で得られたワニスD
を実施例5と同様の横電界TFT基板及び対向基板にフ
レキソ印刷によって塗布をして、80℃2分間、200
℃30分間加熱処理をして、膜厚0.2μmのポリイミ
ド膜を得た。得られた挟持基板は実施例5と同様にして
横電界TFT液晶表示装置を作製した。UV照射量、配
向性、コントラスト比の結果は、まとめて表2に示す。
【0059】[比較例2]比較合成例1で得られたワニ
スEを実施例9と同様の横電界TFT基板にフレキソ印
刷によって塗布をして、80℃2分間、200℃30分
間加熱処理をして、膜厚0.2μmのポリイミド膜を得
た。得られた挟持基板は実施例9と同様にして横電界T
FT液晶表示装置を作製した。UV照射量、配向性、コ
ントラスト比の結果は、まとめて表2に示す。
【0060】
【表2】 表2に示した通り、実施例は、いづれも良好な配向特
性、コントラスト特性及び残像特性を示した。
【0061】
【発明の効果】本発明の光配向液晶配向膜用組成物は、
ラビング処理を行わずに配向機能が得られるだけでな
く、耐熱性、信頼性に優れ、残像現象の少ない高画質の
液晶表示装置が得られる。また、前記光配向液晶配向膜
用組成物を用いる本発明の光配向液晶配向膜、液晶狭持
基板及び液晶表示装置は、残像現象の少ない高画質の画
像が得られるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の光照射方法の一例を示す模式図であ
る。
【図2】 横電界方式TFT液晶表示装置の実施例及び
比較例における電極構造の説明図である。
【図3】 TFT液晶表示装置の一例を示す模式図であ
る。
【符号の説明】
1…UV光源、2…偏光フィルム、3…光配向液晶配向
膜、4…基板、5…ステージ、6…傾斜角、7…共通電
極、8…ゲート絶縁膜、9…映像信号電極(ドレイン電
極)、10…画素電極(ソース電極)、11…アモルフ
ァスシリコン、12…無機絶縁膜、13…TFT(薄膜
トランジスタ)、14…走査信号電極(ゲート電極)、
15…偏光板、16…ブラックマトリクス、17…カラ
ーフィルタ、18…液晶分子、19…電界方向、20…
エッチングストッパ、21…透明電極、22…カラーフ
ィルタ保護膜、23…スペーサビーズ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奥田 直紀 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成デュポンマイクロシステムズ株式会社山 崎開発センタ内 Fターム(参考) 2H090 HB08Y HC05 HC15 KA05 MA10 MB14 5C094 AA02 AA13 AA31 AA33 AA43 BA43 DA13 EA05 EB02 ED20 FB01 FB15 GB10 JA01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I) 【化1】 (式中、Wは4価の有機基を有し、Rは2価の有機基を
    示す)で表わされる繰り返し単位を有し、かつ、その分
    子の少なくとも片末端に、一般式(II) 【化2】 (式中、Xは反応性炭素炭素不飽和二重結合を有する酸
    無水物残基である)で表わされる基を含むポリイミドま
    たはその前駆体を含有してなる光配向液晶配向膜用組成
    物。
  2. 【請求項2】一般式(II)で表される基が、 【化3】 から選択されるものである請求項1記載の光配向液晶配
    向膜用組成物。
  3. 【請求項3】一般式(I)で表わされる繰り返し単位を
    含むポリイミドまたはその前駆体が、Rの少なくとも一
    部として、一般式(III) 【化4】 (R,R,R及びRは、相互独立的に−H、−
    CH及び−CHCHから選択される)で示される
    2価の有機基を有するものである請求項1又は2記載の
    光配向液晶配向膜用組成物。
  4. 【請求項4】一般式(I)で表わされる繰り返し単位を
    含むポリイミドまたはその前駆体が、Wで示される4価
    の有機基の少なくとも一部として3,3',4,4'−ベ
    ンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物残基を含む請求
    項1、2又は3記載の光配向液晶配向膜用組成物。
  5. 【請求項5】一般式(I)で表わされる繰り返し単位を
    含むポリイミドまたはその前駆体が、Wで示される4価
    の有機基として3,3',4,4'−ベンゾフェノンテト
    ラカルボン酸二無水物残基を、全繰り返し単位の30モ
    ル%以上含むものである請求項4記載の光配向液晶配向
    膜用組成物。
  6. 【請求項6】請求項1〜5の何れかに記載の光配向液晶
    配向膜用組成物を用いて得られる、ポリイミド層に光照
    射により配向機能をもたせてなる光配向液晶配向膜。
  7. 【請求項7】請求項6記載の光配向液晶配向膜を有して
    なる液晶挟持基板。
  8. 【請求項8】請求項7記載の光配向液晶配向膜を有して
    なる液晶表示装置。
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