JP2001098126A - 耐熱塩化ビニル系樹脂組成物および成形体 - Google Patents

耐熱塩化ビニル系樹脂組成物および成形体

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JP2001098126A
JP2001098126A JP28029099A JP28029099A JP2001098126A JP 2001098126 A JP2001098126 A JP 2001098126A JP 28029099 A JP28029099 A JP 28029099A JP 28029099 A JP28029099 A JP 28029099A JP 2001098126 A JP2001098126 A JP 2001098126A
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vinyl chloride
resin composition
chloride resin
resistant vinyl
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JP28029099A
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Hideki Inoue
秀樹 井上
Yoshiaki Okusako
芳明 奥迫
Yoshinobu Suenaga
義伸 末永
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた耐熱性と耐衝撃性とを有する耐熱塩化
ビニル系樹脂組成物および成形体を提供することを課題
とする。 【解決手段】 塩素化塩化ビニル系樹脂を主成分とし、
安定剤として有機系安定剤のみを含有する耐熱塩化ビニ
ル系樹脂組成物であって、該組成物から得られる成形体
が、JIS K 7111に準拠した23℃でのシャル
ピー衝撃値が50kg・cm/cm2 以上であり、AS
TM D 2837に準拠した90℃での長期内圧クリ
ープ試験において、破壊時間1000時間における破壊
応力が5.0MPa以上であることを特徴とする耐熱塩
化ビニル系樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱塩化ビニル系
樹脂組成物および成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニル系樹脂(以下、PVCともい
う)は、通常、水懸濁重合で製造されるため細孔を有す
る粒子(グレイン粒子)であり、その成形品は機械的強
度、耐候性、耐薬品性に優れており、しかも、他のプラ
スチック材料と比較しても安価なため、給水配管等の多
くの用途に使用されている。しかしながら、PVCは熱
変形温度が低く、使用可能な上限温度が60〜70℃付
近であるため、熱水を流す給湯管等には使用が困難であ
った。
【0003】そこで、PVCの高温下での耐久性能を向
上させるため、PVCを塩素化して耐熱性を向上させた
塩素化塩化ビニル樹脂(以下、CPVCともいう)が開
発された。これにより、PVC元来の特性である易施工
性及び易接着性を有するとともに耐熱性をも有する塩化
ビニル系樹脂成形品が製造されるようになった。
【0004】しかしながら、CPVCの成形品は塩素化
度が高くなるに従って耐熱性能が向上するものの、耐衝
撃性が低下し、搬送中や使用中に割れが発生したり、成
形時に樹脂温度を上げないと物性が充分発現しにくくな
るという問題があった。
【0005】このような耐衝撃性の問題については、メ
タクリル酸メチル/ブタジエン/スチレン共重合体(M
BS)やアクリル系の改質剤を添加することで解決する
ことが可能である。また成形品の物性を充分発現させる
ためには、一般に、成形樹脂温度や金型温度を上昇させ
たり、金型内での滞留時間を長くしたりする方法がとら
れるが、耐熱塩化ビニル系樹脂成形品に、充分な物性を
発現させるためには、成形温度をかなり上昇させたり、
金型内滞留時間をかなり長くする必要がある。したがっ
て、樹脂が熱履歴を受け分解しやすく、ロングラン性
(連続製造性)に問題を生じる場合があった。
【0006】このような問題を解決するためには、耐熱
塩化ビニル系樹脂組成物の熱安定性改善が必要となる。
当該組成物の主成分である塩素化塩化ビニル系樹脂の熱
安定性を改良するため、塩素化温度、塩素化時の圧力、
過酸化水素の添加量、添加時期等についてこれまで様々
な検討が行われてきたが、塩素化時の条件を最適化する
だけでは、充分な熱安定性を確保することができず、上
記課題を解決することは困難であった。
【0007】また、安定剤を増量して熱安定性の改良を
行うことによりロングラン性は改善されるが、錫系安定
剤等の液体の安定剤や使用温度領域で溶融するような有
機系の安定剤を使用すると、一方で耐熱性が低下するた
め高温での長期クリープ性能が劣るという問題があっ
た。
【0008】上記の問題に対しては、大成社発行『改訂
新版・プラスチックス配合剤−基礎と応用』48頁にも
記載されている様な無機系の安定剤を使用することで、
耐熱性を低下させることなく熱安定性を付与することが
可能である。しかし、これら無機系の安定剤を使用した
場合、特に耐衝撃性等の物性の低下が著しいという問題
があった。さらにこの様な場合に、耐衝撃性改質剤を多
量に加えることで耐衝撃性は改善されるが、高温での耐
久性が著しく低下するという問題が発生する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を解決するためになされたものであり、耐熱塩化ビニル
系樹脂組成物および優れた耐熱性と耐衝撃性とを有する
成形体を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の耐熱塩化ビニル
系樹脂組成物は、塩素化塩化塩化ビニル系樹脂を主成分
とし、安定剤として有機系安定剤のみを含有する耐熱塩
化ビニル系樹脂組成物であって、該組成物から得られる
成形体が、JIS K 7111に準拠した23℃での
シャルピー衝撃値が50kg・cm/cm2 以上であ
り、ASTM D2837に準拠した90℃での長期内
圧クリープ試験において、破壊時間1000時間におけ
る破壊応力が5.0MPa以上であることを特徴とす
る。
【0011】上記耐熱塩化ビニル系樹脂組成物から得ら
れる成形体は、JIS K 7111に準拠した23℃
でのシャルピー衝撃値が50kg・cm/cm2 以上で
あることが必要である。上記シャルピー衝撃値が50k
g・cm/cm2 未満であると、衝撃により成形体が破
壊し、管で使用している場合、高温の流体が流出した
り、搬送中や加工中に破壊する可能性がある。
【0012】また、上記耐熱塩化ビニル系樹脂組成物か
ら得られる成形体は、ASTM D2837に準拠した
90℃での長期内圧クリープ試験において、破壊時間1
000時間における破壊応力が5.0MPa以上である
ことが必要である。上記破壊応力が5.0M Pa未満で
あると、熱水を流す用途での使用が困難であったり、高
温雰囲気下での使用や高温流体の使用時に破壊せずに長
期間使用できる信頼性に欠ける。
【0013】上記耐熱塩化ビニル系樹脂組成物は、塩素
化塩化ビニル系樹脂(CPVC)を主成分として用いら
れ、前記CPVCは、塩化ビニル系樹脂(PVC)を塩
素化することにより得ることができる。本発明において
は、CPVCの耐熱性を向上させるため、塩素化前のP
VCの樹脂構造に着目し、熱安定性に優れるCPVCを
得ることを可能とした。
【0014】上記CPVCの塩素化前のPVCの表面状
態や粒子構造に関し、上記した特性を有する耐熱塩化ビ
ニル系樹脂組成物を得るには、例えば、BET比表面積
値が2.0〜12.0m2 /gで、電子分光化学(ES
CA)分析による粒子表面分析において、炭素原子と塩
素原子の1s結合エネルギー値(eV)におけるピーク
比が0.6を超えるもので、かつ、水銀圧入法による圧
力0〜2000kg/cm2 までの範囲の測定細孔容積
分布において、0.001〜0.1μmの範囲の空隙容
積が全空隙容積中の2〜15容積%であることが好まし
い。
【0015】上記PVCのBET比表面積値が2.0m
2 /g未満では、PVC粒子内部に0.1μm以下の微
細孔が少なくなるため、塩素化が均一になされなくな
り、熱安定性が向上しなくなる場合がある。また、ゲル
化が遅く、成形加工上好ましくなくなる。一方、BET
比表面積値が12.0m2 /gを超えると、塩素化前の
PVC粒子自体の熱安定性が低下するため、得られるC
PVCの加工性が悪くなる場合がある。
【0016】上記PVCの炭素原子と塩素原子の1s結
合エネルギー値(eV)におけるピーク比が0.6以下
では、PVC粒子表面に分散剤等の添加剤が吸着してい
ると考えられるため、後工程での塩素化速度が遅くなる
だけではなく、得られるCPVCの成形加工性に問題が
生じ、また、熱安定性が劣るようになる。より好ましく
は、上記ピーク比が0.7を超えるものである。
【0017】なお、上記PVC中の塩素原子と炭素原子
のとの存在比は、塩素原子:炭素原子=1:2であり
(末端構造、分岐を考慮しないとき)、上記1s結合エ
ネルギー値(eV)におけるピーク比(塩素原子ピーク
×2/炭素原子ピーク)は0〜1の値となる。ピーク比
が0の場合は、PVC粒子表面がPVC以外で、かつ、
塩素を含まない他の物質により覆われていることを意味
し、ピーク比が1の場合は、PVC粒子表面が、完全に
塩化ビニル成分のみで覆われていることを意味する。
【0018】上記PVCの測定細孔容積分布において、
0.001〜0.1μmの範囲の空隙容積が全空隙容積
中の2容積%未満であると、粒子内部の微細孔の割合が
少なくなるため成形加工時のゲル化性に劣ることがあ
り、15容積%を超えると、塩素化時の塩素の拡散がバ
ランスよく行われず、粒子内の塩素含有率分布が大きく
なりすぎて熱安定性に劣ることがある。より好ましく
は、上記0.001〜0.1μmの範囲の空隙容積が全
空隙容積中の2〜15容積%である。
【0019】上記PVCは,塩化ビニル単量体(以下、
VCMという)単独,又は,VCM及びVCMと共重合
可能な他の単量体の混合物を公知の方法(例えば、懸濁
重合、塊状重合等)で重合してなる樹脂である。上記V
CMと共重合可能な他の単量体としては特に限定され
ず、例えば、酢酸ビニル等のアルキルビニルエステル
類、エチレン、プロピレン等のα−モノオレフィン類、
塩化ビニリデン、スチレン等が挙げられる。これらは単
独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0020】上記PVCの平均重合度は特に限定されな
いが、高すぎると耐熱塩化ビニル系樹脂成形体の平滑性
が損なわれることがあり、低すぎると高温下での長期ク
リープ性に劣ることがあるため700〜1500が好ま
しい。より好ましくは900〜1100である。上記平
均重合度は、JIS K 6721に準拠した方法によ
り測定することができる。
【0021】上記PVCを塩素化する方法としては特に
限定されず、従来公知の各種方法で行うことができる。
例えば、上記PVCを懸濁した状態、溶剤に溶解した状
態、又は固体状態とした後、塩素と接触させること等に
より行うことができる。
【0022】上記塩素化反応により得られるCPVCの
塩素化度は特に限定されるないが、高すぎると耐熱塩化
ビニル系樹脂成形体の平滑性やムラの問題、または耐衝
撃性の低下が発生し易く、該耐熱塩化ビニル系樹脂成形
体を成形する際の成形性に劣ることがあり、低すぎると
高温下での長期クリープ性に劣ることがあるため60.
0〜72.0重量%が好ましい。より好ましくは65.
0〜68.0重量%である。
【0023】上記CPVCの空隙率やBET比表面積は
特に限定されないが、CPVCに易ゲル化性を付与する
ことができる点から、空隙率は30〜40容量%が好ま
しく、BET比表面積は2〜12m2 /gが好ましい。
【0024】本発明の耐熱塩化ビニル系樹脂組成物にお
いては、前記CPVCを主成分とし、安定剤として有機
系安定剤のみを含有するが、前記安定剤として無機系の
安定剤を使用した場合、成形時にも完全に溶融しないた
め、成形体の破壊の起点となり常温での耐衝撃性の低下
が著しい。
【0025】上記有機系安定剤としては、特に限定され
ず、例えば、熱安定剤、熱安定化助剤等が挙げられる。
上記熱安定剤としては、例えば、ジメチル錫メルカプ
ト、ジブチル錫メルカプト、ジオクチル錫メルカプト等
の有機錫系安定剤、ステアリン酸鉛等の鉛系安定剤等が
挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を
併用してもよい。これらの熱安定剤のなかでは、本発明
の耐熱塩化ビニル系樹脂成形体を給湯用管として用いる
場合には、毒性の強い鉛系安定剤等を用いることは好ま
しくなく錫系安定剤を用いることが好ましい。
【0026】また、上記熱安定化助剤としては特に限定
されず、例えば、エポキシ化大豆油、りん酸エステル等
が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上
を併用してもよい。上記安定剤及び安定化助剤の添加量
は特に限定されない。
【0027】上記耐熱塩化ビニル系樹脂組成物を成形し
て成形体を製造する際には、上記有機系安定剤以外に、
改質剤、加工助剤、滑剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外
線吸収剤、帯電防止剤、顔料、充填剤、可塑剤等の一般
に塩化ビニル系樹脂の成形時に用いられている配合剤
を、本発明の目的を損なわない範囲でCPVCに配合し
てもよい。
【0028】上記改質剤としては特に限定されず、例え
ば、シリコン系改質剤、メチルメタクリレート/ブタジ
エン/スチレン共重合体(MBS)系改質剤、塩素化ポ
リエチレン(CPE)系改質剤、アクリル系改質剤等が
挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を
併用してもよい。上記改質剤の添加量は、本発明の耐熱
塩化ビニル系樹脂成形体の特性を損なわない範囲であれ
ば特に限定されない。
【0029】上記加工助剤としては特に限定されず、例
えば、重量平均分子量10万〜200万のアルキルアク
リレート/アルキルメタクリレート共重合体等のアクリ
ル系加工助剤等が挙げられる。具体的には、n−ブチル
アクリレート/メチルメタクリレート共重合体、2−エ
チルヘキシルアクリレート/メチルメタクリレート/ブ
チルメタクリレート共重合体等が挙げられる。これらは
単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記
加工助剤の添加量は特に限定されないが、多すぎるとコ
ストアップにつながり、少なすぎると安定して耐熱塩化
ビニル系樹脂成形体の平滑性やムラを良好に保ちにくい
ことから、CPVC100重量部に対して0.1〜5.
0重量部が好ましく、0.3〜2.5重量部がより好ま
しい。
【0030】上記滑剤としては、内部滑剤、外部滑剤が
挙げられる。上記内部滑剤とは、成形加工時の溶融樹脂
の流動粘度を低下させ、摩擦発熱を防止する目的で使用
されるものであり、具体的には、例えば、ブチルステア
レート、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、
エポキシ大豆油、グリセリンモノステアレート、ステア
リン酸、ビスアミド等が挙げられる。これらは単独で用
いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0031】上記外部滑剤とは、成形加工時の溶融樹脂
と金属面との滑り効果を上げる目的で使用されるもので
あり、具体的には、例えば、パラフィンワックス、ポリ
オレフィンワックス、エステルワックス、モンタン酸ワ
ックス等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、
2種以上を併用してもよい。
【0032】上記酸化防止剤としては特に限定されず、
例えば、フェノール系抗酸化剤等が挙げられる。
【0033】上記光安定剤としては特に限定されず、例
えば、ヒンダードアミン系等が挙げられる。
【0034】上記紫外線吸収剤としては特に限定され
ず、例えば、サリチル酸エステル系、ベンゾフェノン
系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系等が
挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を
併用してもよい。
【0035】上記帯電防止剤としては特に限定されず、
例えば、カチオン系帯電防止剤、非イオン系帯電防止剤
等が挙げられる。
【0036】上記顔料としては特に限定されず、例え
ば、アゾ系、フタロシアニン系、スレン系、染料レーキ
系等の有機顔料、酸化物系、クロム酸モリブデン系、硫
化物・セレン化物系、フェロシアニン化物系等の無機顔
料等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種
以上を併用してもよい。
【0037】上記充填剤としては特に限定されず、例え
ば、炭酸カルシウム、タルク等が挙げられる。これらは
単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0038】上記可塑剤としては特に限定されず、例え
ば、ジブチルフタレート、ジ−2―エチルヘキシルフタ
レート、ジ−2―エチルヘキシルアジペート等が挙げら
れる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用し
てもよい。
【0039】上記した酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸
収剤、帯電防止剤、顔料、充填材、可塑剤の添加量は、
本発明の耐熱塩化ビニル系樹脂成形体の特性を損なわな
い範囲内であれば特に限定されない。
【0040】本発明の耐熱塩化ビニル系樹脂組成物を成
形する際に用いる成形機としては特に限定されず、例え
ば、単軸押出機、二軸異方向パラレル押出機、二軸異方
向コニカル押出機、二軸同方向押出機等が挙げられる。
【0041】上記成形機を用いて成形するとき、賦形す
る金型、樹脂温度、成形条件等は、特に限定されない。
【0042】上記樹脂温度は、分解、ロングラン性、物
性等に問題のないレベルであれば、高ければ高いほど、
成形品の平滑性が良好となるが、熱安定性とロングラン
性の点から、成形体の耐熱温度をt℃とすると、〔19
5+(t−120)/2〕℃〜〔210+(t−12
0)〕℃が好ましい。
【0043】また、金型先端の温度も特に限定されない
が、熱安定性とロングラン性の点から、成形体の耐熱温
度をt℃とすると、〔190+(t−120)/2〕℃
〜〔220+(t−120)〕℃が好ましい。
【0044】
【発明の実施の形態】本発明をさらに詳しく説明するた
め以下に実施例を挙げるが、本発明はこれら実施例のみ
に限定されるものではない。
【0045】(実施例1)〔PVCの調製〕内容積10
0リットルの重合器(耐圧オートクレーブ)に脱イオン
水50kgを入れた後、塩化ビニル単量体に対して、平
均ケン化度88モル%及び重合度1000の部分ケン化
ポリ酢酸ビニル1200ppmとなる量を懸濁分散剤と
して投入し、更に、t−ブチルパーオキシネオデカノエ
ート550ppmとなる量を投入した。次いで、重合器
内を45mmHgまで脱気した後、塩化ビニル単量体3
3kgを仕込み、撹拌を開始した。重合器を56℃に昇
温して重合を開始し、重合反応終了までこの温度を保っ
た。重合転化率が50%になった時点で反応を終了し、
重合器内の未反応単量体を回収した後、重合体をスラリ
ー状で系外へ取り出し、脱水乾燥してPVCを得た。得
られたPVCの重合度は、1050であった。
【0046】〔CPVCの調製〕内容積300リットル
のグラスライニング製耐圧反応槽に、得られた含水PV
C200kg(塩化ビニル系樹脂40kgと水性媒体1
60kgとからなる)を入れ、撹拌してPVCを水中に
分散させた。その後、反応槽内を加温して槽内を110
℃に保った。次いで、反応槽内に窒素ガスを吹き込み、
槽内を窒素ガスで置換した後、反応槽内に塩素ガスを吹
き込みPVCの塩素化を行った。反応槽内の塩酸濃度を
測定することにより塩素化反応の進行をモニターしなが
ら塩素化反応を続け、生成したCPVCの塩素含有率が
66.4重量%に達した時点で塩素ガスの供給を停止
し、塩素化反応を終了した。更に、反応槽内に窒素ガス
を吹き込んで未反応塩素を除去し、得られた樹脂を水酸
化ナトリウムで中和した後、水で洗浄し脱水、乾燥して
粉末状のCPVCを得た。得られたCPVCの塩素含有
率は66.5重量%であった。
【0047】〔配合〕上記CPVC100重量部に対し
て、表1に示す各種配合剤を添加し、ヘンシェルミキサ
ーで室温から130℃まで昇温しながら混合した後、ク
ーリングミキサーで45℃まで冷却した。
【0048】〔成形〕上記配合粉を用い、以下の押出条
件で成形を行った。 押出機:長田製作所社製、SLM50(2軸異方向コニ
カル押出機) 金型:パイプ用金型、出口部外半径11.66mm、出
口部内半径9.4mm、L/D=60/2.3(m
m)、樹脂流動面クロムメッキ、3本ブリッジ 押出量:25kg/h 樹脂温度:200℃(金型入口部での温度) 回転数:20〜25rpm 金型温度:D1 190℃、D2 205℃、D3 2
10℃(先端平行部)
【0049】(実施例2) 〔PVCの調製〕実施例1と同様に行った。 〔CPVCの調製〕得られたCPVCの塩素含有率を6
7.0重量%とする以外は、実施例1と同様に行った。 〔配合〕表1に示す各種配合剤を用いて、実施例1と同
様に行った。 〔成形〕実施例1と同じ押出機及び金型を用い、同じ押
出条件で成形を行った。
【0050】(実施例3) 〔PVCの調製〕実施例1と同様に行った。 〔CPVCの調製〕得られたCPVCの塩素含有率を6
6.0重量%とする以外は、実施例1と同様に行った。 〔配合〕表1に示す各種配合剤を用いて、実施例1と同
様に行った。 〔成形〕実施例1と同じ押出機及び金型を用い、同じ押
出条件で成形を行った。
【0051】(比較例1) 〔PVCの調製〕実施例1と同様に行った。 〔CPVCの調製〕実施例1と同様に行った。 〔配合〕表1に示す各種配合剤を用いて、実施例1と同
様に行った。 〔成形〕実施例1と同じ押出機及び金型を用い、同じ押
出条件で成形を行った。
【0052】(比較例2) 〔PVCの調製〕実施例1と同様に行った。 〔CPVCの調製〕得られたCPVCの塩素含有率を6
7.0重量%とする以外は、実施例1と同様に行った。 〔配合〕表1に示す各種配合剤を用いて、実施例1と同
様に行った。 〔成形〕実施例1と同じ押出機及び金型を用い、同じ押
出条件で成形を行った。
【0053】〔耐熱塩化ビニル系樹脂成形体の評価方
法〕上記実施例1〜3及び比較例1〜2で得られた耐熱
塩化ビニル系樹脂成形体について、シャルピー衝撃値、
破壊時間1000時間の破壊応力を以下の評価方法で評
価した。結果を表1に示した。
【0054】(1)シャルピー衝撃値 JIS K 7111に準拠して、測定温度23℃で測
定を行った。
【0055】(2)長期内圧クリープ試験 ASTM D 2837に準拠して、90℃の熱水で測
定し、破壊時間1000時間の破壊応力を評価した。
【0056】
【表1】
【0057】表1に示したように、実施例1、2及び3
の耐熱塩化ビニル系樹脂組成物から得られる成形体は、
破壊時間1000時間の破壊応力が5.0MPa以上で
あるため高温下で長期間使用した際の信頼性が高く、 ま
た、シャルピー衝撃値が50kg・cm/cm2 以上の
優れた耐衝撃性を併せ発揮する。
【0058】表1に示したように、比較例1の耐熱塩化
ビニル系樹脂組成物から得られる成形体は、無機系の安
定剤を用いているため、耐衝撃性が低く、使用中や移送
中に破壊に至る危険性が高い。
【0059】表1に示したように、比較例2の耐熱塩化
ビニル系樹脂組成物から得られる成形体は、無機系の安
定剤を用いることによる耐衝撃性の低下を補う目的で、
改質剤を多めに加えたため、破壊時間1000時間の破
壊応力が5.0MPa以下であり、高温下で長期間使用
した際の信頼性が低い。
【0060】
【発明の効果】本発明の耐熱塩化ビニル系樹脂組成物は
上述の構成からなるため、得られる成形体は優れた耐衝
撃性と高温下での高い長期クリープ性とを有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA24 AA79 AC13 AC15 AE05 AF02 AF17Y AF23Y AF37 AF58 BA01 BB06 BC03 4J002 BD181 EG046 EZ076 FD010 FD020 FD036 FD040 FD050 FD070 FD090 FD100 FD170

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩素化塩化ビニル系樹脂を主成分とし、
    安定剤として有機系安定剤のみを含有する耐熱塩化ビニ
    ル系樹脂組成物であって、該組成物から得られる成形体
    が、JIS K 7111に準拠した23℃でのシャル
    ピー衝撃値が50kg・cm/cm2 以上であり、AS
    TM D 2837に準拠した90℃での長期内圧クリ
    ープ試験において、破壊時間1000時間における破壊
    応力が5.0MPa以上であることを特徴とする耐熱塩
    化ビニル系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の耐熱塩化ビニル系樹脂組
    成物により成形されることを特徴とする耐熱塩化ビニル
    系樹脂成形体。
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