JP2001061443A - 微細化ミネラル分散液及びその製造方法 - Google Patents

微細化ミネラル分散液及びその製造方法

Info

Publication number
JP2001061443A
JP2001061443A JP23785899A JP23785899A JP2001061443A JP 2001061443 A JP2001061443 A JP 2001061443A JP 23785899 A JP23785899 A JP 23785899A JP 23785899 A JP23785899 A JP 23785899A JP 2001061443 A JP2001061443 A JP 2001061443A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mineral
milk
present
magnesium
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP23785899A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshihito Akai
義仁 赤井
Ryoji Kageyama
良治 景山
Tsuguaki Nishitani
紹明 西谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Snow Brand Milk Products Co Ltd
Original Assignee
Snow Brand Milk Products Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Snow Brand Milk Products Co Ltd filed Critical Snow Brand Milk Products Co Ltd
Priority to JP23785899A priority Critical patent/JP2001061443A/ja
Publication of JP2001061443A publication Critical patent/JP2001061443A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Dairy Products (AREA)
  • Coloring Foods And Improving Nutritive Qualities (AREA)
  • Non-Alcoholic Beverages (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 飲食品等に用いる、苦味、収斂味が感じられ
ず呈味性が良好であり、保存中に沈澱の生じないマグネ
シウム、カルシウム、銅、亜鉛等のミネラル分散液を提
供すること。 【解決手段】 油脂中に微細化したミネラルを分散させ
ることを特徴とするミネラル分散液。予め微細化したミ
ネラルに、油脂と乳化剤の溶解液を添加混合する該ミネ
ラル分散液の製造方法。油脂と乳化剤の溶解液にミネラ
ルを添加、混合した後、ミネラルを微細化する該ミネラ
ル分散液の製造方法。該ミネラル分散液を添加したミネ
ラル強化飲食品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微細化ミネラル分
散液、その製造方法及び該ミネラル分散液を添加した飲
食品に関する。本発明の微細化ミネラル分散液は、飲食
品に添加しても苦味、収斂味が感じられず呈味性が良好
であり、かつ保存中にミネラルの沈澱が生じないという
安定性を有する。
【0002】
【従来の技術】近年、健康維持や成人病の予防等に関し
て、マグネシウム、カルシウム、銅、亜鉛等のミネラル
の役割が重要視され始めている。
【0003】マグネシウムは生体内においてその60%は
骨に、残りは筋肉やその他の軟組織に存在し、酵素の調
節作用、エネルギー産生作用、タンパク質合成調節作用
等を有しており、マグネシウムの摂取が不足すると臓器
において重大な症候性の変化が生じることが示唆されて
いる。我が国においても、出納試験の結果等から、1989
年の「第4次改定 日本人の栄養所要量」において、成
人のマグネシウム摂取目標量が300mg/日と設定された。
しかし、日本人成人の実際のマグネシウム摂取量は250m
g/日程度であるといわれており、マグネシウムの摂取は
不足していると考えられる。また、アルコールや精神的
なストレスにより、マグネシウムの尿中***が増大する
ことが知られており、現代ストレス社会におけるマグネ
シウムの損失が危惧されている。マグネシウムを補強す
るために食品に添加することのできる食品添加物とし
て、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム等の無機塩が
あるが、これら無機のマグネシウム塩は苦味を呈し、ま
た、牛乳等の乳製品に塩化マグネシウムや硫酸マグネシ
ウムを添加した場合、タンパク質の凝固が生じるといっ
た問題があった。そこで、穀類果皮由来のマグネシウム
(特開平 7-87930号公報)、マグネシウム含有量を増加
させたミルクカゼイン(特開平 8-84562号公報)等の天
然物由来のマグネシウムが提供されているが、これらは
風味の点では改善されているものの、マグネシウム含有
量が低く、製造コストも高いものである。
【0004】カルシウムは、「第4次改定 日本人の栄
養所要量」において1日当りの所要量が600mg に設定さ
れているが、平均的な日本人はカルシウムが不足してい
るといわれている。そのため多種多様なカルシウム強化
型の食品が上市されている。カルシウムを含む食品添加
物としては、主に炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、
ミルクカルシウム等が使用されているが、牛乳等の乳製
品中での安定性、風味等の点で必ずしも十分なものでは
なかった。牛乳はカルシウムを多く含む食品として広く
知られているが、その栄養価は高いものの、マグネシウ
ム含量は約10mg/100mlであり、必ずしもマグネシウムを
多く含んだ食品とはいえない。
【0005】また、銅及び亜鉛は人に限らずその他の動
植物にとっても必須な金属として知られている。亜鉛
は、アルカリホスファターゼ、炭酸脱水素酵素、アルコ
ール脱水素酵素等をはじめとする20種類以上の酵素を活
性化することや、タンパク質合成、インスリン合成、核
酸代謝等に関与していることが明らかにされている。ま
た、人の成長及び発育に欠くことのできない元素のひと
つであり、食事性の亜鉛の欠乏は、人体に障害をもたら
すことが知られている。銅はチトクロームオキシダー
ゼ、チロシナーゼ、アスコルビン酸酸化酵素、スーパー
オキサイドディスムターゼ等の構成成分として、生体内
で酸素の運搬、酸化還元、酵素添加等の働きに関与し、
また、銅は鉄とともに造血機能に関与することも知られ
ている。銅が欠乏したときの症状としては、骨格異常、
神経鞘形成不全・変性、毛髪の色素脱落や構造異常、心
筋変性,動脈壁の弾力性低下等が知られている。このよ
うに、人体にとっては重要な金属である銅、亜鉛につい
ては「第4次改定 日本人の栄養所要量」において、栄
養所要量が設定されておらず、母乳代替食品以外では、
これらを強化する目的で食品に添加された例は見られな
い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように、マグネシ
ウム、カルシウム、銅、亜鉛等は、健康維持や成人病の
予防に関して重要な役割を果たすミネラルである。これ
らのミネラルは、日常の食生活の中で摂取することが好
ましいが、現代人の食生活では十分に摂取できない現状
にある。
【0007】また、マグネシウム、カルシウム、銅、亜
鉛等のミネラルは、苦味、収斂味が感じられ呈味性が悪
く、また飲食品、特に牛乳、発酵乳等の乳製品中では安
定性に欠けるため、保存中に沈澱が生じる。このため、
これらのミネラルをそのままの状態で飲食品に添加する
ことは困難である。
【0008】そこで、本発明は、苦味、収斂味が感じら
れず呈味性が良好であり、かつ飲食品、特に牛乳、発酵
乳等の乳製品において安定であり、保存中に沈澱の生じ
ないマグネシウム、カルシウム、銅、亜鉛等のミネラル
分散液を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述した
課題に鑑み鋭意研究を重ねた結果、(1) 乳化剤を添加し
た油脂に、予め高圧処理して微細化したミネラルを添
加、混合することにより、また、(2) 乳化剤を添加した
油脂に、ミネラルを添加、混合し、高圧処理してミネラ
ルを微細化することにより得られる微細化ミネラル分散
液は、飲食品に添加しても苦味、収斂味が感じられず呈
味性が良好であり、かつ飲食品中で安定であり、保存中
に沈澱が生じないことを見出し本発明を完成させるに至
った。
【0010】本発明の微細化ミネラル分散液は、微細化
したミネラル粒子の表面に乳化剤を介して油脂が付着し
て皮膜が形成された状態であるため、ミネラル粒子が水
分と直接接触することがない。そのために本発明の微細
化ミネラル分散液を飲食品に添加してもミネラルの苦
味、収斂味を感じることなく、飲食品中で安定であり、
保存中に沈澱が生じないものである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の微細化ミネラル分散液
は、油脂中に微細化されたミネラルが分散しているもの
である。また、本発明の微細化ミネラル分散液は、(1)
油脂に乳化剤を添加して調製した溶解液に、予め高圧処
理して微細化したミネラルを添加、混合することにより
得ることができ、また、(2) 油脂に乳化剤を添加して調
製した溶解液に、ミネラルを添加、混合し、高圧処理し
てミネラルを微細化することにより得ることができる。
本発明のミネラル分散液において油脂中に分散している
ミネラルの平均粒子径は 0.7μm 以下であることが好ま
しく、平均粒子径が 0.7μm より大きいと、苦味、収斂
味が感じられ、また保存中にミネラルの沈澱が生じるた
め好ましくない。
【0012】本発明において油脂としては、食品の製造
に使用することができる油脂であればいずれのものも用
いることができるが、その中でも生体に対する安全性及
び風味を考慮すると、中鎖脂肪酸(Medium Chain Trigl
ycerid、以下、MCTと略す)を用いることが好まし
い。また、油脂はミネラル分散液中に30〜90重量%含有
していることが好ましく、30重量%未満では、ミネラル
粒子の表面に乳化剤を介して十分に付着させることがで
きず、90重量%を超えると、風味及び安定性が悪くなる
ため好ましくない。
【0013】本発明において乳化剤としては、通常、食
品の製造に用いることができ、その中でも安全性が高
く、ミネラル粒子の表面に安定な油脂の皮膜を形成させ
ることのできるものであればいずれのものも用いること
ができる。HLBは7以上のものが好ましい。例えば、
グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エス
テル類、ショ糖脂肪酸エステル類等を挙げることができ
る。また、乳化剤はミネラル分散液中に 0.3〜30重量%
含有していることが好ましく、0.3 重量%未満では、保
存中にミネラルの沈澱が生じ長期間安定してミネラルを
分散させることができず、30重量%を超えると、風味が
悪くなるため好ましくない。
【0014】本発明においてミネラルとしては、食品に
添加することのできるものであればいずれのものも用い
ることができ、例えば、マグネシウム、カルシウム、
銅、亜鉛等を挙げることができる。また、ミネラルはミ
ネラル分散液中に5〜40重量%含有していることが好ま
しく、5重量%未満では、牛乳や発酵乳等の乳製品に添
加する場合に多量に添加しなくてはならず、40重量%を
超えると、保存中にミネラルの沈澱が生じ長期間安定し
てミネラルを分散させることができないため好ましくな
い。
【0015】本発明において、ミネラルを微細化させる
方法としては、ロールミル、ボールミル、高圧ホモジナ
イザー等の公知の粉砕機を用いて、ミネラルを高圧で壁
面に衝突させる方法を挙げることができる。このうち、
高圧ホモジナイザーを用いると分散微粒子化の処理効率
が高いため特に好ましく、高圧ホモジナイザー処理を行
う際の圧力は、ミネラルの微粒子化や分散の安定性を考
慮に入れ、 100〜1,000kgf/cm2、特に 300〜600kgf/cm2
の範囲とすることが好ましい。
【0016】このようにして調製される微細化ミネラル
分散液を、牛乳、コーヒー飲料、果汁飲料等の飲料、発
酵乳、ゼリー、プリン、ババロア、ムース等のデザート
類に添加し、ミネラルを強化した飲食品を提供すること
ができる。
【0017】以下、実施例を示して本発明を詳細に説明
する。以下の実施例は、ミネラルが無機塩である場合に
ついて記載するが、ミネラルは無機塩に限定されるもの
ではない。例えば、クエン酸カルシウム、グルコン酸カ
ルシウム、乳酸カルシウム等を使用することができる。
【実施例1】油脂としてMCT(O.D.O;日清製油
社製)を用い、これを65℃に保持し、これに乳化剤とし
てポリグリセリン脂肪酸エステル(サンソフトQ-182S;
太陽化学社製)を6重量%となるように添加し、15分間
保持して溶解し、冷却した。ミネラルとして用いる炭酸
マグネシウム(冨田製薬社製)と先に調製したポリグリ
セリン脂肪酸エステルを含有するMCTとを混合し、炭
酸マグネシウムの濃度が15重量%、ポリグリセリン脂肪
酸エステルの濃度が 1.5重量%である分散液を得、これ
を高圧ホモジナイザーを用い、圧力400kgf/cm2で処理
し、微細化炭酸マグネシウム分散液を得、これを本発明
品1とした。なお、得られた本発明品1に分散している
マグネシウムの平均粒子径を電子顕微鏡写真により測定
したところ、 0.3μm であった。また、本発明品1を市
販の牛乳(雪印乳業社製)に濃度が10重量%になるよう
に添加し、ポリエチレン容器に詰めて10℃で保存したと
ころ、2週間保存後も炭酸マグネシウムの沈澱は見られ
なかった。
【0018】
【実施例2】油脂としてMCT(O.D.O;日清製油
社製)を用い、これを65℃に保持し、これに乳化剤とし
てショ糖脂肪酸エステル(DKエステルF110;第一工業製
薬社製)を6重量%となるように添加し、15分間保持し
て溶解し、冷却した。ミネラルとして用いるドロマイト
(協和ハイフーズ社製)と先に調製したショ糖脂肪酸エ
ステルを含有するMCTとを混合し、ドロマイトの濃度
が15重量%、ショ糖脂肪酸エステルの濃度が 1.5重量%
である分散液を得、これを高圧ホモジナイザーを用い、
圧力400kgf/cm2で処理し、微細化ドロマイト分散液を
得、これを本発明品2とした。なお、得られた本発明品
2に分散しているドロマイトの平均粒子径を電子顕微鏡
写真により測定したところ、 0.3μm であった。また、
本発明品2を市販の牛乳(雪印乳業社製)に濃度が10重
量%になるように添加し、ポリエチレン容器に詰めて10
℃で保存したところ、2週間保存後もドロマイトの沈澱
は見られなかった。
【0019】
【実施例3】油脂としてMCT(O.D.O;日清製油
社製)を用い、これを65℃に保持し、これに乳化剤とし
てポリグリセリン脂肪酸エステル(サンソフトQ-182S;
太陽化学社製)を6重量%となるように添加し、15分間
保持して溶解し、冷却した。ミネラルとして用いる酸化
マグネシウムと先に調製したポリグリセリン脂肪酸エス
テルを含有するMCTとを混合し、酸化マグネシウムの
濃度が10重量%、ポリグリセリン脂肪酸エステルの濃度
が 1.0重量%である分散液を得、これを高圧ホモジナイ
ザーを用い、圧力350kgf/cm2で処理し、微細化酸化マグ
ネシウム分散液を得、これを本発明品3とした。なお、
得られた本発明品3に分散している酸化マグネシウムの
平均粒子径を電子顕微鏡写真により測定したところ、
0.2μm であった。また、本発明品3を市販の牛乳(雪
印乳業社製)に濃度が10重量%になるように添加し、ポ
リエチレン容器に詰めて10℃で保存したところ、2週間
保存後も酸化マグネシウムの沈澱は見られなかった。
【0020】
【実施例4】油脂としてMCT(O.D.O;日清製油
社製)を用い、これを65℃に保持し、これに乳化剤とし
てショ糖脂肪酸エステル(DKエステルF110;第一工業製
薬社製)を6重量%となるように添加し、15分間保持し
て溶解し、冷却した。ミネラルとして用いる珊瑚由来マ
グネシウム(SMP-500;マリーンバイオ社製)と先に調製
したショ糖脂肪酸エステルを含有するMCTとを混合
し、珊瑚由来マグネシウムの濃度が18重量%、ショ糖脂
肪酸エステルの濃度が 2.0重量%である分散液を得、こ
れを高圧ホモジナイザーを用い、圧力450kgf/cm2で処理
し、微細化珊瑚由来マグネシウム分散液を得、これを本
発明品4とした。なお、得られた本発明品4に分散して
いる珊瑚由来マグネシウムの平均粒子径を電子顕微鏡写
真により測定したところ、0.2 μm であった。また、本
発明品4を市販の牛乳(雪印乳業社製)に濃度が10重量
%になるように添加し、ポリエチレン容器に詰めて10℃
で保存したところ、2週間保存後も珊瑚由来マグネシウ
ムの沈澱は見られなかった。
【0021】
【実施例5】油脂としてMCT(O.D.O ;日清製油
社製) を用い、これを65℃に保持し、これに乳化剤とし
てポリグリセリン脂肪酸エステル (サンソフトQ −182S
;太陽化学社製) を6重量%となるように添加し、15分
間保持して溶解し、冷却した。ミネラルとして用いる炭
酸マグネシウム (冨田製薬社製) を乾式粉砕し平均粒子
径を0.6 μm 以下にした微細化炭酸マグネシウムを、先
に調製したポリグリセリン脂肪酸エステルを含有するM
CTと混合し、炭酸マグネシウムの濃度が15重量%、ポ
リグリセリン脂肪酸エステルの濃度が1.5 重量%である
微細化炭酸マグネシウム分散液を得、これを本発明品5
とした。なお、得られた本発明品5に分散している炭酸
マグネシウムの平均粒子径を電子顕微鏡写真により測定
したところ、0.6 μm であった。また、本発明品5を市
販の牛乳(雪印乳業社製)に濃度が10重量%になるよう
に添加し、ポリエチレン容器に詰めて10℃で保存したと
ころ、2週間保存後も炭酸マグネシウムの沈澱は見られ
なかった。
【0022】
【実施例6】実施例1〜5で得られた本発明品1〜5の
微細化マグネシウム分散液をマグネシウム含量が50mg/1
00g となるように生乳にそれぞれ添加し、150kgf/cm2
均質処理した後、プレート殺菌機を用いて 130℃で2秒
間の加熱殺菌を行い、マグネシウム強化乳飲料を製造
し、本発明乳飲料1〜5とした。
【0023】また、塩化マグネシウム(比較品1)、硫
酸マグネシウム(比較品2)をマグネシウム含量が50mg
/100g となるように生乳にそれぞれ添加し、上述した方
法と同様にしてマグネシウム強化乳飲料を製造し、比較
乳飲料1〜2とした。
【0024】本発明乳飲料1〜5及び比較乳飲料1〜2
について官能評価を行った。官能評価は、専門パネル20
人により、飲用した時の苦味、収斂味及び全体の好まし
さについて、4段階の評価で行った。苦味、収斂味につ
いては、0点:全く感じない、1点:僅かに感じる、2
点:やや感じる、3点:かなり感じる、として評価し
た。全体の好ましさについては、0点:好ましい、1
点:やや好ましい、2点:やや好ましくない、3点:好
ましくない、として評価した。結果を表1に示す。
【0025】
【表1】 ───────────────────────────────── 苦味 収斂味 全体の好ましさ ───────────────────────────────── 本発明乳飲料1 0.56±0.51a 0.85±0.41a 0.75±0.59a 本発明乳飲料2 0.55±0.49a 0.60±0.47a 0.94±0.38a 本発明乳飲料3 0.60±0.56a 0.70±0.42a 0.75±0.54a 本発明乳飲料4 0.60±0.57a 0.70±0.47a 0.80±0.42a 本発明乳飲料5 0.60±0.56a 0.70±0.45a 0.80±0.43a 比較乳飲料 1 2.70±0.41b 2.75±0.27b 2.55±0.49b 比較乳飲料 2 2.45±0.39b 2.75±0.34b 2.75±0.27b ───────────────────────────────── 数値は評価点の平均値±SD (標準偏差) 危険率5%以下で本発明乳飲料と比較乳飲料の間に有意な差がある。
【0026】また、本発明乳飲料1〜5及び比較乳飲料
1〜2を10℃で1週間保存し、マグネシウムの沈澱及び
タンパク質の凝集の有無を目視にて観察した。なお、マ
グネシウムはタンパク質と反応してタンパク質を凝集さ
せる作用があるため、タンパク質の凝集についても確認
した。結果を表2に示す。
【0027】
【表2】 ───────────────────────────────── マグネシウムの沈澱 タンパク質の凝集 ───────────────────────────────── 本発明乳飲料1 なし なし 本発明乳飲料2 なし なし 本発明乳飲料3 なし なし 本発明乳飲料4 なし なし 本発明乳飲料5 なし なし 比較乳飲料 1 なし あり 比較乳飲料 2 なし あり ─────────────────────────────────
【0028】表1の結果より、本発明乳飲料1〜5は、
苦味及び収斂味も殆ど感じられず、全体的に好ましいと
の評価を得た。一方、比較乳飲料1〜2は、塩化マグネ
シウム、硫酸マグネシウムをそのまま添加しているた
め、苦味及び収斂味が感じられ、全体的にも好ましくな
いとの評価であった。また、表2の結果より、本発明乳
飲料1〜5は、マグネシウムの沈澱及びタンパク質の凝
集がなく安定であった。一方、比較乳飲料1〜2は、マ
グネシウムの沈殿はなかったものの、タンパク質の凝集
が生じていた。
【0029】
【実施例7】実施例1〜5で得られた本発明品1〜5の
微細化マグネシウム分散液をマグネシウム含量が 100mg
/100g となるように牛乳にそれぞれ添加し、95℃で5分
間の加熱殺菌を行った後、40℃まで冷却し、容器に充填
した。そして、乳酸菌スターターを3%添加して3時間
発酵させ、さらに10℃で16時間冷却してマグネシウム強
化発酵乳を製造し、本発明発酵乳1〜5とした。
【0030】また、塩化マグネシウム(比較品1)、硫
酸マグネシウム(比較品2)をマグネシウム含量が100m
g/100gとなるように牛乳にそれぞれ添加し、上述した方
法と同様にしてマグネシウム強化発酵乳を製造し、比較
発酵乳1〜2とした。本発明発酵乳1〜5及び比較発酵
乳1〜2について、官能評価と1週間保存後のマグネシ
ウムの沈澱の有無の確認を、実施例6と同様に行った。
結果を表3及び表4に示す。
【0031】
【表3】 ─────────────────────────────── 苦味 収斂味 全体の好ましさ ─────────────────────────────── 本発明発酵乳1 0.70±0.52a 1.04±0.49a 0.85±0.45a 本発明発酵乳2 0.83±0.54a 1.03±0.55a 1.04±0.63a 本発明発酵乳3 0.95±0.76a 1.05±0.69a 1.10±0.55a 本発明発酵乳4 1.05±0.76a 0.95±0.69a 1.00±0.69a 本発明発酵乳5 1.01±0.75a 1.02±0.69a 1.05±.065a 比較発酵乳 1 2.90±0.31b 2.90±0.31b 2.90±0.31b 比較発酵乳 2 2.75±0.55b 2.90±0.31b 2.85±0.37b ─────────────────────────────── 数値は評価点の平均値±SD(標準偏差) 危険率5%以下で本発明発酵乳と比較発酵乳の間に有意な差がある。
【0032】
【表4】 ────────────────────── マグネシウムの沈澱 ────────────────────── 本発明発酵乳1 なし 本発明発酵乳2 なし 本発明発酵乳3 なし 本発明発酵乳4 なし 本発明発酵乳5 なし 比較発酵乳 1 あり 比較発酵乳 2 あり ──────────────────────
【0033】表3の結果より、本発明発酵乳1〜5は、
苦味及び収斂味も殆ど感じられず、全体的に好ましいと
の評価を得た。一方、比較発酵乳1〜2は、苦味及び収
斂味が感じられ、全体的にも好ましくないとの評価であ
った。また、表4の結果より、本発明発酵乳1〜5は、
マグネシウムの沈澱がなく安定であった。一方、比較発
酵乳1〜2はマグネシウムの沈澱が生じていた。
【0034】
【実施例8】油脂としてMCT(O.D.O;日清製油
社製)を用い、これを65℃に保持し、これに乳化剤とし
てポリグリセリン脂肪酸エステル(サンソフトQ-182S;
太陽化学社製)を6重量%となるように添加し、15分間
保持して溶解し、冷却した。ミネラルとして用いるリン
酸3カルシウム(富田製薬社製)と先に調製したポリグ
リセリン脂肪酸エステルを含有するMCTとを混合し、
リン酸3カルシウムの濃度が15重量%、ポリグリセリン
脂肪酸エステルの濃度が 1.5重量%である分散液を得、
これを高圧ホモジナイザーを用い、圧力400kgf/cm2で処
理し、微細化リン酸3カルシウム分散液を得、これを本
発明品6とした。なお、得られた本発明品6に分散して
いるリン酸3カルシウムの平均粒子径を電子顕微鏡写真
により測定したところ、 0.3μm であった。また、本発
明品6を市販の牛乳(雪印乳業社製)に濃度が10重量%
になるように添加し、ポリエチレン容器に詰めて10℃で
保存したところ、2週間保存後もリン酸3カルシウムの
沈澱は見られなかった。
【0035】
【実施例9】油脂としてMCT(O.D.O;日清製油
社製)を用い、これを65℃に保持し、これに乳化剤とし
てポリグリセリン脂肪酸エステル(サンソフトQ-182S;
太陽化学社製)を6重量%となるように添加し、15分間
保持して溶解し、冷却した。ミネラルとして用いる硫酸
銅(富田製薬社製)と先に調製したポリグリセリン脂肪
酸エステルを含有するMCTとを混合し、硫酸銅の濃度
が15重量%、ポリグリセリン脂肪酸エステルの濃度が
1.5重量%である分散液を得、これを高圧ホモジナイザ
ーを用い、圧力400kgf/cm2で処理し、微細化硫酸銅分散
液を得、これを本発明品7とした。なお、得られた本発
明品7に分散している硫酸銅の平均粒子径を電子顕微鏡
写真により測定したところ、 0.3μm であった。また、
本発明品7を市販の牛乳(雪印乳業社製)に濃度が10重
量%になるように添加し、ポリエチレン容器に詰めて10
℃で保存したところ、2週間保存後も硫酸銅の沈澱は見
られなかった。
【0036】
【実施例10】油脂としてMCT(O.D.O;日清製
油社製)を用い、これを65℃に保持し、これに乳化剤と
してポリグリセリン脂肪酸エステル(サンソフトQ-182
S;太陽化学社製)を6重量%となるように添加し、15
分間保持して溶解し、冷却した。ミネラルとして用いる
硫酸亜鉛(富田製薬社製)と先に調製したポリグリセリ
ン脂肪酸エステル溶液を含有するMCTとを混合し、硫
酸亜鉛の濃度が15重量%、ポリグリセリン脂肪酸エステ
ルの濃度が 1.5重量%である分散液を得、これを高圧ホ
モジナイザーを用い、圧力400kgf/cm2で処理し、微細化
硫酸亜鉛分散液を得、これを本発明品8とした。なお、
得られた本発明品8に分散している硫酸亜鉛の平均粒子
径を電子顕微鏡写真により測定したところ、 0.3μm で
あった。また、本発明品8を市販の牛乳(雪印乳業社
製)に濃度が10重量%になるように添加し、ポリエチレ
ン容器に詰めて10℃で保存したところ、2週間保存後も
硫酸亜鉛の沈澱は見られなかった。
【0037】
【実施例11】実施例8〜10で得られた本発明品6〜8
の微細化ミネラル分散液をミネラル含量が 50mg/100gと
なるように生乳にそれぞれ添加し、150kgf/cm2で均質処
理した後、プレート殺菌機を用いて 130℃で2秒間の加
熱殺菌を行い、ミネラル強化乳飲料を製造し、本発明乳
飲料6〜8とした。また、リン酸3カルシウム(比較品
3)、硫酸銅(比較品4)、硫酸亜鉛(比較品5)をミ
ネラル含量が 50mg/100gとなるように生乳にそれぞれ添
加し、上述した方法と同様にしてミネラル強化乳飲料を
製造し、比較乳飲料3〜5とした。本発明乳飲料6〜8
及び比較乳飲料3〜5について、官能評価と1週間保存
後の沈澱の有無の確認を、実施例6と同様に行った。結
果を表5及び表6に示す。
【0038】
【表5】 ──────────────────────────────── 苦味 収斂味 全体の好ましさ ──────────────────────────────── 本発明乳飲料6 0.54±0.41 a 0.85±0.41 a 0.64±0.39 a 本発明乳飲料7 0.75±0.57 a 0.73±0.37 a 0.75±0.37 a 本発明乳飲料8 0.60±0.65 a 0.85±0.42 a 0.80±0.66 a 比較乳飲料 3 2.70±0.31 b 2.95±0.27 b 2.55±0.39 b 比較乳飲料 4 2.45±0.39 b 2.85±0.43 b 2.45±0.35 b 比較乳飲料 5 2.55±0.40 b 2.85±0.54 b 2.65±0.47 b ──────────────────────────────── 数値は評価点の平均値±SD(標準偏差) 危険率5%以下で本発明乳飲料と比較乳飲料の間に有意な差がある。
【0039】
【表6】 ──────────────────────── ミネラルの沈澱 ──────────────────────── 本発明乳飲料6 なし 本発明乳飲料7 なし 本発明乳飲料8 なし 比較乳飲料 3 あり 比較乳飲料 4 あり 比較乳飲料 5 あり ────────────────────────
【0040】表5の結果より、本発明乳飲料6〜8は、
苦味及び収斂味も殆ど感じられず、全体的に好ましいと
の評価を得た。一方、比較乳飲料3〜5は、苦味及び収
斂味が感じられ、全体的にも好ましくないとの評価であ
った。
【0041】また、表6の結果より、本発明乳飲料6〜
8は、ミネラルの沈澱がなく安定であった。一方、比較
乳飲料3〜5は、ミネラルの沈澱が生じていた。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、飲食品に添加しても苦
味、収斂味が感じられず呈味性が良好であり、かつ安定
であるため、保存中にミネラルの沈澱が生じないという
微細化ミネラル分散液を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4B001 AC31 AC40 AC46 BC02 BC12 EC05 4B017 LC03 LE03 LK01 LK18 LK21 LL06 LP11 4B018 LB07 LB08 MD03 MD04 MD05 MD09 MD14 ME02 MF02 MF07

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油脂中に微細化したミネラルが分散して
    いることを特徴とする微細化ミネラル分散液。
  2. 【請求項2】 微細化ミネラルの平均粒子径が 0.7μm
    以下である請求項1記載の微細化ミネラル分散液。
  3. 【請求項3】 油脂を30〜90重量%、乳化剤を 0.3〜30
    重量%及びミネラルを5〜40重量%含有する請求項1又
    は2記載の微細化ミネラル分散液。
  4. 【請求項4】 ミネラルを予め微細化し、次いで、油脂
    と乳化剤の溶解液に添加、混合することを特徴とする微
    細化ミネラル分散液の製造方法。
  5. 【請求項5】 油脂と乳化剤の溶解液にミネラルを添
    加、混合した後、ミネラルを微細化することを特徴とす
    る微細化ミネラル分散液の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至3のいずれかに記載のミネ
    ラル分散液を添加したミネラル強化飲食品。
JP23785899A 1999-08-25 1999-08-25 微細化ミネラル分散液及びその製造方法 Pending JP2001061443A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23785899A JP2001061443A (ja) 1999-08-25 1999-08-25 微細化ミネラル分散液及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23785899A JP2001061443A (ja) 1999-08-25 1999-08-25 微細化ミネラル分散液及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001061443A true JP2001061443A (ja) 2001-03-13

Family

ID=17021467

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP23785899A Pending JP2001061443A (ja) 1999-08-25 1999-08-25 微細化ミネラル分散液及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001061443A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003026446A1 (fr) * 2001-09-19 2003-04-03 Maruo Calcium Company Limited Composition d'additif alimentaire en poudre et en coulis et composition alimentaire les contenant
JP2006045217A (ja) * 2004-07-08 2006-02-16 Taisho Pharmaceut Co Ltd 亜鉛含有経口投与組成物
EP1649762A1 (en) * 2003-07-10 2006-04-26 Taiyo Kagaku Co., Ltd. Mineral composition
JP2006169180A (ja) * 2004-12-17 2006-06-29 Taisho Pharmaceut Co Ltd 銅含有経口投与組成物

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003026446A1 (fr) * 2001-09-19 2003-04-03 Maruo Calcium Company Limited Composition d'additif alimentaire en poudre et en coulis et composition alimentaire les contenant
US7264834B2 (en) 2001-09-19 2007-09-04 Maruo Calcium Company Limited Food-additive slurry composition and powder composition, and food composition containing these
AU2001290234B2 (en) * 2001-09-19 2007-09-06 Maruo Calcium Company Limited Food-additive slurry composition and powder composition, and food composition containing these
EP1649762A1 (en) * 2003-07-10 2006-04-26 Taiyo Kagaku Co., Ltd. Mineral composition
EP1649762A4 (en) * 2003-07-10 2008-07-09 Taiyo Kagaku Kk MINERAL COMPOSITION
US7923024B2 (en) 2003-07-10 2011-04-12 Taiyo Kagaku Co., Ltd. Mineral composition
JP2006045217A (ja) * 2004-07-08 2006-02-16 Taisho Pharmaceut Co Ltd 亜鉛含有経口投与組成物
JP2006169180A (ja) * 2004-12-17 2006-06-29 Taisho Pharmaceut Co Ltd 銅含有経口投与組成物

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI360395B (en) Acid prothin food with mineral
AU782748B2 (en) Calcium/calcium-magnesium fortified water, juices, beverages and other liquid food products
ES2210850T3 (es) Alimentos gelificados y procedimiento para su fabricacion.
EP0667107B1 (en) Bifidobacterium growth promoter
US20030069202A1 (en) Compositions, kits, and methods for promoting defined health benefits
WO2004010796A1 (ja) ゲル状飲料組成物
JP5384333B2 (ja) ホエイタンパク質を高濃度で含む液状栄養組成物およびその製造方法
ES2199143T3 (es) Sistema de refuerzo de hierro.
TW200936060A (en) Induced viscosity nutritional emulsions comprising a carbohydrate-surfactant complex
JPH10225263A (ja) 鉄分を強化した発酵乳およびその製造方法
JP4832404B2 (ja) 乳化飲料組成物
CN108497250A (zh) 一种mct强化的乳清蛋白运动饮料及生产工艺
JP2001061443A (ja) 微細化ミネラル分散液及びその製造方法
JP5789981B2 (ja) 液状栄養組成物
JPH0567A (ja) カルシウム及び食物繊維含有飲食物とその製造方法
JP2001316278A (ja) 液状経腸栄養組成物
CA2408611A1 (en) Kits and methods for optimizing the efficacy of chondroprotective compositions
JP2004154086A (ja) 麹・豆乳入りヨーグルト食品とその製造方法
JP2017171593A (ja) 液状栄養組成物
JP6753255B2 (ja) 液体栄養組成物
JPH0723737A (ja) 液状飲食用組成物およびその製造方法
JP3271172B2 (ja) マグネシウムエマルジョン、その製造方法及びその用途
CN115444035B (zh) 羊奶咖啡伴侣
JP2013215128A (ja) コンドロイチン硫酸含有酸性乳飲料の製造方法
JPS595111A (ja) フエニ−ルケトン尿症乳幼児用栄養調製物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060710

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070202

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080115

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080514