JP2001042310A - 液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置

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JP2001042310A
JP2001042310A JP11215777A JP21577799A JP2001042310A JP 2001042310 A JP2001042310 A JP 2001042310A JP 11215777 A JP11215777 A JP 11215777A JP 21577799 A JP21577799 A JP 21577799A JP 2001042310 A JP2001042310 A JP 2001042310A
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pitch
lenses
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行広 角田
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岳志 増田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 視角特性に優れかつモアレ縞の発生が抑制・
防止された、表示品位の優れた液晶表示装置を提供す
る。 【解決手段】 一対の基板に挟持された液晶層と液晶層
を挟持するように配設された一対の偏光素子とを有する
液晶表示パネルと、液晶表示パネルに光を照射する面光
源と、液晶表示パネルの面光源とは反対側に配設された
レンズアレイとを備える。液晶表示パネルの複数の絵素
の周期方向とレンズアレイの複数のレンズの周期方向と
が互いに交差するように配置されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示装置に関
し、特に、広視角特性を有する透過型液晶表示装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置は、陰極線管(Catho
de Ray Tube:CRT)やプラズマディスプ
レイパネル(Plasma Display Pane
l:PDP)あるいは電気蛍光表示装置(Electr
o LuminescenceDisplay:EL)
等と同様にフラットパネルディスプレイを代表する表示
装置である。液晶表示装置は、軽量、薄型、低消費電力
の特徴を有するので、OA用機器、車載用テレビ、カー
ナビゲーション、ビデオカメラ用モニタ等に幅広く利用
されている。液晶表示装置のなかでも、反射型に比較し
てコントラスト比が優れているので、透過型液晶表示装
置が用いられることが多い。
【0003】しかしながら、液晶表示装置には、表示品
位の視角依存性が大きいという問題を有している。視角
依存性とは、例えば、ある角度で以上傾いた方向から表
示面を観察すると、本来黒に表示されるべき像が白っぽ
く観察されたり、中間調表示において階調が反転するな
ど表示品位が視角によって変化することを言う。また、
観察者が正常に(例えば、所定のコントラスト比以上
で)表示を観察できる視角の範囲を視野角と言う。視角
依存性の大きい液晶表示装置の視野角は狭い。
【0004】視角依存性は種々の原因によって生じる。
液晶分子の捩れ配向(螺旋の向きやプレチルト方向)、
液晶分子の屈折率異方性(光の進行方向によるリタデー
ションの相違)、偏光板の特性(偏光選択性の程度)
や、面光源の指向性が原因として挙げられる。
【0005】一般に、透過型液晶表示装置は、視角依存
性を考慮して、最も表示が見やすい方向が観察者の通常
使用範囲内に入るように設計されている。例えば、表示
面中央の法線方向ないし、それよりも少し下側(6時方
向)に傾けた方向からみたときのコントラスト比がその
他の方向からみたときのコントラスト比よりも高くなる
ように設計されている。
【0006】透過型液晶表示装置の視角特性を改善する
ために、特に上下方向(12時方向および6時方向)の
視角依存性を小さくするために、液晶表示パネルの観察
者側に複数のレンズを有するレンズアレイ(またはレン
ズシートと呼ぶ。)を配置した液晶表示装置が、例え
ば、特開平9−127309号公報、特開平7−120
743号公報、特開平8−76120号公報および特開
平6−230358号公報に開示されている。
【0007】
【発明が解決すべき課題】しかしながら、本願発明者が
検討した結果、上記の公報に開示されている液晶表示装
置においては、液晶表示パネルの観察者側にレンズアレ
イを配置することによって視角特性は改善されるもの
の、モアレ縞が発生しやすく、その結果表示品位の低下
を招くという問題がある。
【0008】一般に、スリット等の周期構造を有する2
つの物体を重ねると、互いの周期構造が干渉し、モアレ
縞と呼ばれる明暗縞が発生する。上記の公報に開示され
ている液晶表示装置においては、液晶表示パネルの複数
の絵素が形成する周期構造と、その前面に配置されるレ
ンズアレイの複数のレンズが形成する周期構造とが互い
に干渉し、モアレ縞を発生する。さらに、上記の特開平
9−127309号公報などに開示されているように、
レンズアレイと液晶表示パネルとをレンズの一部に接触
する接着層を介して貼り合わせると、レンズの接着部に
おいて屈折率変化が小さくなり、その部分のレンズ効果
が低下することよって、モアレ縞が顕著になる。
【0009】なお、上記の特開平9−127309号公
報は、レンズアレイのレンズのピッチを絵素ピッチに対
して小さくする(1つの絵素に複数のレンズが対応する
ように配置する)ことによって、モアレ縞を低減できる
と記載されている。しかしながら、ピッチの調整によっ
てモアレ縞を低減するためには、絵素ピッチおよびレン
ズピッチをそれぞれ高精度で制御する必要があるととも
に、レンズアレイと液晶表示パネルとの貼り合わせにも
高い精度が要求されるという問題がある。
【0010】また、上記特開平6−230358号公報
に開示されているように、絵素ごとに凹レンズを配置す
ると、1絵素内での光の分布にひずみが生じ、表示品位
が低下するという問題がある。
【0011】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたものであり、その主な目的は、視角特性に優れかつ
モアレ縞の発生が抑制・防止された、表示品位の優れた
液晶表示装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の液晶表示装置
は、一対の基板に挟持された液晶層と前記液晶層を挟持
するように配設された一対の偏光素子とを有する液晶表
示パネルと、前記液晶表示パネルに光を照射する面光源
と、前記液晶表示パネルの前記面光源とは反対側に配設
されたレンズアレイとを備える液晶表示装置であって、
前記液晶表示パネルは、第1の方向に第1ピッチ(P
1)で、前記第1方向に交差する第2方向に第2ピッチ
(P2)で、それぞれ規則的に配列された複数の絵素を
有し、前記レンズアレイは第3の方向に第3ピッチ(P
3)で規則的に配列され、前記第3の方向を含む面内か
ら入射する光の進行方向を変える機能を有する複数のレ
ンズを有し、前記第3の方向は前記第1および第2の方
向と交差するように配置されており、そのことによって
上記目的が達成される。
【0013】前記第3の方向と前記第2の方向との間の
第2の角(θ2)は、前記第3の方向と前記第1の方向
との間の第1の角(θ1)と同じかまたは小さく(θ2
≦θ1)、且つ、前記第3ピッチ(P3)は前記第2ピ
ッチ(P2)と、P3・cosθ2≦P2の関係を満足
することが好ましい。
【0014】前記複数のレンズのそれぞれは、前記第3
の方向に直交する第4の方向に延びるレンチキュラーレ
ンズであってよい。
【0015】前記複数のレンズは、前記第3の方向に直
交し、前記第1方向と第3の角(θ3)をなす第4の方
向に、第4ピッチ(P4)で規則的に配列され、前記第
4の方向を含む面内から入射する光の進行方向を変化す
る機能をさらに有し、且つ、前記第4ピッチ(P4)は
前記第1ピッチ(P1)とP4・cosθ3≦P1の関
係を満足する構成としてもよい。
【0016】前記第3の方向と前記第2の方向とがなす
第2の角θ2は30゜以下であることが好ましい。
【0017】前記レンズアレイと前記一対の偏光素子の
一方とを接合する接着層をさらに有し、前記接着層は前
記複数のレンズのそれぞれのレンズの表面の一部とで接
触している構成としてもよい。
【0018】前記複数のレンズは、前記液晶表示パネル
の前記複数の絵素に対して前記面光源とは反対側に焦点
を有するように配置されていることが好ましい。
【0019】前記複数のレンズのそれぞれは、焦点距離
f、レンズ幅Pw、屈折率nlを有する凸レンズであっ
て、前記複数のレンズが形成されている面から前記複数
の絵素が形成されている面までの空気換算距離daが、
Pw/{2・(nl−1)}≦f<daの関係を満足す
ることが好ましい。
【0020】本発明の他の液晶表示装置は、一対の基板
に挟持された液晶層と前記液晶層を挟持するように配設
された一対の偏光素子とを有する液晶表示パネルと、前
記液晶表示パネルに光を照射する面光源と、前記液晶表
示パネルに対して前記面光源とは反対側に配設されたレ
ンズアレイとを備える液晶表示装置であって、前記複数
のレンズは、前記液晶表示パネルの前記複数の絵素に対
して前記面光源とは反対側に焦点を有するように配置さ
れており、そのことによって上記目的が達成される。
【0021】前記複数のレンズのそれぞれは、焦点距離
f、レンズ幅Pw、屈折率nlを有する凸レンズであっ
て、前記複数のレンズが形成されている面から前記複数
の絵素が形成されている面までの空気換算距離daが、
Pw/{2・(nl−1)}≦f<daの関係を満足す
ることが好ましい。
【0022】以下に、本発明の作用を説明する。
【0023】本発明の液晶表示装置では、液晶表示パネ
ルに形成された複数の絵素の周期方向とレンズアレイに
形成された複数のレンズの周期方向とが互いに交差する
ように配置されている。すなわち、レンズの周期方向が
絵素の周期方向に対して傾斜する(傾斜角:θ、θ>
0)ように配置されている。このように配置すると、絵
素とレンズとの位置関係(重なりなど)が絵素の位置に
よって異なるので、干渉によるモアレ縞の発生が抑制さ
れる。また、絵素とレンズとの間に特定の位置関係が要
求されないので、絵素ピッチやレンズピッチの高精度な
制御や高い貼り合わせ精度は要求されない。
【0024】本明細書において、「絵素」とは、表示を
行うために光学的な状態が制御される最小単位を指す。
カラー表示においては、典型的には、R、G、Bのそれ
ぞれの最小表示単位を、R絵素、G絵素、B絵素と呼
ぶ。1組のR絵素、G絵素およびB絵素が画素を形成す
る。絵素は、液晶表示装置の絵素電極ごとに規定され
る。複数の絵素は、典型的にはマトリクス状に配列され
ている。従って、複数の絵素は、行方向およびそれに直
交する列方向に周期的に配列されている。行方向および
列方向を絵素の「周期方向」とよぶ。また、それぞれの
絵素は、典型的には略矩形の形状を有しているので、行
方向および列方向とでそれぞれの周期(「絵素ピッチ」
という)が異なる。絵素と同様に、レンズアレイのレン
ズも、一般的には行方向および列方向に互いに異なるレ
ンズピッチで配列される。上述したように典型的には、
行方向と列方向とは互いに直交するが、絵素およびレン
ズの配列はこれに限られず、互いに異なる方向であれば
よい。例えば、デルタ配列のカラー液晶表示装置におい
ては、行方向に対して傾斜した方向に列方向が設定され
得る。
【0025】一般化すると、液晶表示パネルの複数の絵
素は、第1の方向に第1ピッチ(P1)で、第1方向に
交差する第2方向に第2ピッチ(P2)でそれぞれ規則
的に配列されている。この液晶表示パネルに対して、例
えば、複数のレンチキュラレンズは、第1および第2方
向と交差する第3の方向に第3ピッチ(P3)で規則的
に配列することによって、本発明の効果が得られる。レ
ンチキュラレンズは、典型的には第3の方向に沿った断
面が半円形のヘミシンドリカルレンズであり、第3の方
向を含む面内から入射する光の進行方向を変える(屈折
する)機能を有するので、第3の方向を含む面内の視角
特性を改善(視野角を広げる)ことができる。
【0026】また、傾斜角θは、表示面全面に亘って絵
素とレンズが一対一で対応することが無いように設定す
ることが好ましい。P3のP1に対する傾斜角をθ1、
P3のP2に対する傾斜角をθ2それぞれとし、θ2≦
θ1とすると、P3・cosθ2≦P2の関係を満たせ
ばよい。すなわち、第1および第2方向のうちの第3の
方向と平行に近い方を第2の方向(傾斜角θ2)とする
と、P3・cosθ2≦P2の関係を満足すればよい。
【0027】レンチキュラレンズに代えて、第3の方向
と異なる(典型的には直交する)第4方向に、第4ピッ
チ(P4)で規則的に配列された構造を有するレンズア
レイを用いてもよい。第4方向に沿った曲面をさらに有
するレンズを用いることによって、第4方向を含む面内
の視角特性を改善(視野角を広げる)ことができる。こ
のとき、第4方向の周期構造と絵素の周期構造とが干渉
してモアレ縞が発生することを抑制・防止するために
は、第4方向は第1方向と交差する方向(傾斜角θ3>
0)であることが好ましく、第4ピッチ(P4)が絵素
の第1ピッチ(P1)とP4・cosθ3≦P1の関係
を満足することがさらに好ましい。第1第2方向が互い
に直交し、第3および第4方向が互いに直交する場合に
は、P3・cosθ2≦P2の関係を満足すれば、P4
・cosθ3≦P1の関係は自動的に満足される。
【0028】上述の関係を満足すれば、モアレ縞の発生
は防止できるものの、視角特性の対称性が崩れて表示品
位が低下する場合がある。モアレ縞を低減するとともに
視角特性の方位角依存性の対称性を十分に確保するため
には、傾斜角(θ2)は30゜以下であることが好まし
いことを発明者は見いだした。
【0029】上述したように、レンズの周期構造の方向
を絵素の周期構造の方向に対して傾斜させることによっ
て、レンズアレイと液晶表示パネルとをレンズの一部に
接触する接着層を介して貼り合わせた構造を採用して
も、モアレ縞の発生を抑制・防止することができる。従
って、簡便な方法で製造でき、且つ単純な構造を有する
液晶表示装置が実現できる。
【0030】さらに、レンズアレイの複数のレンズは、
液晶表示パネルの複数の絵素に対して面光源とは反対側
に焦点を有するように配置することによって、モアレ縞
の発生を抑制・防止することができる。レンズアレイに
凸レンズを用い、レンズの焦点を絵素(カラーフィルタ
から液晶層の間)に合わせると、絵素の周期構造がレン
ズによって強調されるので、かえってモアレ縞が顕著に
観察される場合があった。上記のように、レンズの焦点
を絵素の観察者側に設定することによって、絵素の周期
構造を光学的にぼかすことができるので、モアレ縞の発
生を抑制・防止することができる。具体的には、短焦点
距離の凸レンズを用いたり、凹レンズを用いればよい。
長焦点距離(絵素の光源側に焦点を有する)凸レンズを
用いても、絵素の周期構造を光学的にぼかすことができ
るが、レンズ効果が低下するので、広視野角化の効果が
短焦点距離レンズよりも劣るので好ましくない。
【0031】モアレ縞を観察されないようにするための
条件を検討する。視力1.0の人間の目の分解能は、ラ
ンドル環と呼ばれる指標で表され、5mの距離から1.
5mmの切れ目が識別できる視力として規定される。こ
の指標に基づくと、モアレ縞の周期が0.09mm未満
であると、視力1.0の観察者が300mm離れた位置
から表示面(絵素が形成されている面)を観察してもモ
アレ縞を識別できないことになる。従って、一般的に
は、上記の条件を満足すればモアレ縞が観察者に認識さ
れない、高品位の表示が提供できると考えられる。
【0032】上記の条件を満足するためには、凸レンズ
を用いる場合、複数のレンズのそれぞれは、焦点距離
f、レンズ幅Pw、屈折率nlを有し、複数のレンズが
形成されている面から複数の絵素が形成されている面ま
での空気換算距離daが、Pw/{2・(nl−1)}
≦f<daの関係を満足することが好ましい。
【0033】レンズを液晶表示パネルの複数の絵素に対
して面光源とは反対側に焦点を有するように配置する構
成は、レンズの周期構造の方向を絵素の周期構造の方向
に対して傾斜させる構成と併用することが好ましいが、
単独で採用してもモアレ縞の発生を抑制・防止すること
もできる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
による実施形態を説明する。
【0035】(実施形態1)図1に実施形態1の透過型
液晶表示装置100の模式的な断面図を示す。液晶表示
装置100は、液晶表示パネル100aと、液晶表示パ
ネル100aに光を照射する面光源101と、レンズア
レイ103とを有している。
【0036】液晶表示パネル100aは、一対の基板1
04aおよび104bに挟持された液晶層105と、液
晶層105を挟持するように配設された一対の偏光素子
(典型的には偏光板または偏光フィルム)とを備える。
一方の基板(例えば、アクティブマトリクス基板)10
4aの液晶層105側の表面には、透明導電材料(例え
ば、インジウム錫酸化物:ITO)からなる複数の絵素
電極(不図示)がマトリクス状に形成されている。絵素
電極のそれぞれは、薄膜トランジスタ(TFT)によっ
て、ON/OFF制御される。他方の基板(例えば、カ
ラーフィルタ基板)104bの液晶層105側表面に
は、透明導電材料からなる対向電極(共通電極)および
カラーフィルタ層が形成されている(いずれも不図
示)。両基板104aおよび104bの間には、例え
ば、ツイスト角が90゜となるように調製されたネマチ
ック液晶材料が注入され、シール剤105aによって封
止されている。所定の配向を得るために、基板104a
および104bの液晶層105側表面にそれぞれ配向膜
(不図示)を形成してもよい。液晶表示パネル100a
としは上記の例に限られず、公知の液晶表示パネルを広
く用いることができる。なお、コントラスト比や応答速
度の観点から、TNモードの液晶表示パネルを用いるこ
とが好ましい。面光源101としても公知の面光源を広
く利用することができる。
【0037】液晶表示パネル100aの観察者側(面光
源101とは反対側)に、レンズアレイ103が接着層
106を介して接着されている。レンズアレイ103
は、複数のレンズ103aを有している。レンズ103
aはガラス基板103b上に形成されてもよい。レンズ
アレイ103は典型的にはシート状に形成されており、
レンズシートと呼ばれることもある。なお、本明細書に
おいて、「レンズ」とは光の進行方向を変化させる(屈
折させる)機能を有する光学素子を指し、焦点を有する
必要はない。典型的には、図1に示したように、断面が
半円形のレンチキュラーレンズ(またはヘミシリンドリ
カルレンズ)103aを複数有するレンズアレイが用い
られる。
【0038】液晶表示装置100においては、液晶表示
パネル100aの絵素の周期構造と、レンズアレイ10
3のレンズ103aの周期構造とが互いに干渉しないよ
うに配置されている。この配置関係を図2を参照しなが
ら説明する。
【0039】図2は、液晶表示パネル100aの絵素の
配置と、レンズアレイ200(図1のレンズアレイ10
3の一例)のレンズ201の配置との関係を説明するた
めの模式図である。図2(a)は上面図であり、図2
(b)は図2(a)のd3方向(ピッチP3方向)に沿
った断面図である。図2(c)は図2(b)に示した断
面の他の例を示す。
【0040】液晶表示パネル100aは、図2(a)に
示したように、互いに直交する行方向(d1方向)およ
び列方向(d2方向)にマトリクス状に配列された複数
の絵素100bを有している。図示の例では、行列状に
配列された典型的な絵素配列を示しているが、本発明は
これに限られず、2つの異なる方向(d1方向、d2方
向)に周期的に(規則的に)配列された絵素を有する液
晶表示パネルを用いることができる。各絵素100bは
矩形を有し、行方向(d1方向)にはピッチP1(典型
的には水平方向のピッチPh)で、列方向(d2方向)
にはピッチP2(典型的には垂直方向のピッチPv)
で、それぞれ周期的に配列されている。
【0041】対角20インチ(縦:304.8mm、
横:406.4mm)、ストライプ配列の水平絵素数6
40(R、G、Bのそれぞれに対して640)、垂直絵
素数480、絵素ピッチ(水平方向Phが、0.212
mm、垂直方向Pvが0.635mm)、カラーフィル
タ基板(ストライプ配列)の厚さが0.7mm、屈折率
1.52、観察者側の偏光板102bの厚さが0.30
mm、屈折率1.52の液晶表示パネル100aに、ア
クリル樹脂からなり厚さ0.02mm、屈折率1.50
の接着層106を用いて、レンズアレイ200を貼り合
わせて、具体例1の液晶表示装置を作製した。
【0042】レンズアレイ200は、複数のレンチキュ
ラーレンズ201がピッチP3で、d3方向に周期的に
配列されている。図2(b)に示した例では、各レンズ
201のレンズ幅PwがレンズピッチP3と同一である
が、これに限られず、図2(c)に示したレンズアレイ
200’のように、レンズ幅PwがレンズピッチP3よ
りも小さいレンズ201’を用いてもよい。光の利用効
率の観点から、レンズ幅PwのレンズピッチP3に対す
る比(Pw/P3)は、0.9以上が好ましい。
【0043】具体的には、レンズ201は、例えば透明
基板(例えば、日本合成ゴム社製アートンフィルム)2
02上に、所定の凹部を有する金型に充填・硬化した紫
外線硬化樹脂(例えば、日本合成ゴム社製Z9001、
屈折率1.59、1J/cm2の紫外線照射)を転写す
ることによって形成できる。
【0044】具体例1の液晶表示装置のレンズアレイ2
00として、レンズのピッチP3=レンズ幅Pwを0.
1mmとし、レンズ高さRhは0.04mmとし、焦点
距離f=0.087mmのレンズ201を複数有するレ
ンズアレイ200を形成した。
【0045】さらに、レンズ201の液晶表示パネル1
00a側表面に、例えば黒色樹脂からなる反射防止膜
(遮光層)203を形成することによって、レンズ20
1の表面における反射を防止することができる。具体的
には、黒色顔料を分散した紫外線硬化樹脂をスピンコー
トし、1.5J/cm2の紫外線照射によって硬化し
た。レンズアレイ200の透過率が70%となるよう
に、反射防止膜203の厚さを0.005mmとした。
【0046】図2に示したレンズアレイ200の各レン
ズは、d3方向と直交する方向に延びるレンチキュラー
レンズであり、d3方向に規則的に配列されている。d
3方向は、d2方向に対して8゜(θ2=8゜)の角を
なしている。このように、液晶表示パネルの複数の絵素
の周期方向d1およびd2とレンズアレイの複数のレン
ズの周期方向d3とが互いに交差するように配置されて
いるので、干渉によるモアレ縞の発生が抑制・防止され
る。また、絵素とレンズとの間に特定の位置関係が要求
されないので、絵素ピッチやレンズピッチの高精度な制
御や高い貼り合わせ精度は要求されない。
【0047】ここで、絵素の周期方向とレンズの周期方
向との関係を規定する傾斜角の規定の仕方について説明
する。d1方向とd3方向とがなす傾斜角θ1及びd2
方向とd3方向とがなす傾斜角θ2とは、それぞれの傾
斜角が90゜よりも小さくなるように規定する。すなわ
ち、d1方向、d2方向およびd3方向は、それぞれ独
立に図2(a)に矢印で示した方向と180゜異なる方
向として規定することも可能であるが、傾斜角θ1およ
びθ2を90゜以下の角度として規定するように選択す
る。なお、d1方向とd2方向との定義は任意であり、
列方向をd1方向とし、行方向をd2方向としてもよ
い。
【0048】絵素の周期方向(d2方向)とレンズの周
期方向(d3方向)とのなす角(θ2)は8゜に限られ
ない。上述した具体例1の20インチ液晶表示パネルに
ついて、レンズピッチP3の異なるレンズアレイ200
を傾斜角θ2を種々変化させて配置することによって得
られた液晶表示装置におけるモアレ縞の発生を目視で評
価した。得られた結果を表1(第1欄)に示す。
【0049】
【表1】 具体例1(20インチ) 具体例2(18インチ) 絵素ピッチ(Ph×Pv) 0.211×0.635 0.095×0.286 レンズピッチ(P3) 傾斜角範囲(度) 傾斜角範囲(度) 0.1mm 5〜85 8〜40 50〜80 0.11mm 6〜84 4〜10 15〜22 25〜35 40〜85 0.14mm 6〜10 12.5〜30 20〜25 35〜50 33〜42 55〜80 50〜85 表1に示したように、具体例1の構成(レンズピッチ
0.1mm)では、傾斜角θ2が5゜〜85゜の範囲に
おいてモアレ縞の発生を実質的に防止することができ
る。また、具体例1の構成において0.11mmピッチ
のレンズを用いると、傾斜角θ2が6゜〜84゜の範囲
においてモアレ縞の発生を実質的に防止することができ
る。このように、レンズピッチが変わると、モアレ縞の
発生を抑制できる傾斜角範囲が変わる。さらに、レンズ
ピッチが0.14mmの場合には、モアレ縞が実質的に
発生しない傾斜角θ2の範囲が不連続となっている。例
えば、傾斜角θ2が小さい側では、6゜〜10゜および
20゜〜25゜ではモアレ縞の発生は実質的に防止され
るが、10゜〜20゜(両端を含まない)の範囲ではモ
アレ縞の発生が確認される。このように、モアレ縞の発
生を抑制する条件が、レンズピッチと傾斜角に大きく依
存している。
【0050】また、モアレ縞の発生を実質的に防止でき
る傾斜角の範囲の幅は、例えば、具体例1の構成におい
て140mmピッチのレンズを用いた場合、最小でも4
゜(傾斜角6゜〜10゜)が得られる。従って、所定の
傾斜角範囲の相対配置を有するように液晶セルとレンズ
アレイとを貼り合わせる工程において要求される傾斜角
の精度は、±2゜であり、現有のプロセス精度で十分に
実現できる。
【0051】モアレ縞の発生と傾斜角θ2との関係を他
の液晶表示装置(具体例2)について調べた結果を表1
に合わて示す。具体例2は、液晶セルとして、対角18
インチ、ストライプ配列の水平絵素数1240(R、
G、Bのそれぞれに対して1240)、垂直絵素数96
0、絵素ピッチ(水平方向Phが、0.095mm、垂
直方向Pvが0.286mm)を用いた。表1において
具体例1と具体例2とを比較すると明らかなように、液
晶セルの周期構造が変化すると、レンズアレイの周期構
造が同じでも、モアレ縞の発生を抑制できる傾斜角θ2
の範囲は異なる。
【0052】上述したように、モアレ縞の発生を抑制す
るための傾斜角θ2の範囲は、液晶セルの周期構造およ
びレンズアレイの周期構造に大きく依存する。モアレ縞
の発生を抑制できる条件、すなわち、それぞれの周期構
造(絵素ピッチ、レンズピッチ)と傾斜角との関係を数
式を用いて一般化するのは困難であるが、モアレ縞の発
生を抑制できる傾斜角θ2(θ2>0)の範囲は、実験
的に容易に見いだすことができる。また、モアレ縞の発
生を抑制できる傾斜角θ2(θ2>0)の範囲は、数度
(表1に示した例では、少なくとも4゜)あるので、液
晶セルとレンズアレイとの貼り合わせ工程における位置
あわせ精度は、現行プロセスで十分に実現できる範囲内
にある。
【0053】モアレ縞の発生を抑制するためには、表示
面全面に亘って(d2方向において)絵素とレンズが一
対一で対応することが無いように設定することが好まし
く、P3・cosθ2≦P2の関係を満することが好ま
しい。表示面における均一性を考慮すると、P3・co
sθ2≦P2/2、さらに好ましくは、P3・cosθ
2≦P2/6であることが好ましい。ただし、P3があ
まり小さくなくると、レンズ幅Pwも小さくなり、レン
ズアレイの形成が困難(精度の低下等による)となるの
で、P3は約10μm以上であることが好ましいが、特
に制限は無い。
【0054】次に、本実施形態1の液晶表示装置の視角
特性を調べた結果を図3に示す。図3は、具体例1の液
晶表示装置(傾斜角8゜;レンズピッチ0.1mm)の
視角依存性を示すグラフであり、横軸は視角(表示面法
線と観察方向とのなす角)を縦軸はコントラスト比を示
す。なお、視角は、表示面内の6時方向(下側)を正
(グラフ右側)、12時方向(上側)を負(グラフ左
側)として表している。すなわち、図3は、レンズによ
って視角を広げたい方向における視角依存性を示してい
る。比較のために、レンズアレイを設けていない従来の
TNモードの液晶表示装置(比較例)の視角特性を図3
に合わせ示している。
【0055】図3から明らかなように、具体例1の液晶
表示装置の視角依存性は、比較例の液晶表示装置の視角
依存性に比較し、著しく小さくなっており、広い視角範
囲(視角範囲±80゜)に亘って高いコントラスト比
(CR≧10)を実現している。なお、傾斜角θ2が大
きくなると、レンズによって視角が広がる方向が本来視
角を広げたい方向からずれるので、傾斜角があまり大き
くなると所望の視角特性が得られない場合がある。傾斜
角θ2が30゜以下であれば、表示の観察に影響を与え
ないことを実験的に確認した。従って、視角依存性の方
位角(表示面内方向)依存性を考慮すると、傾斜角θ2
の範囲は、モアレ縞の発生を抑制する範囲で、且つ30
゜以下であることが好ましい。なお、液晶表示装置に要
求される視角特性は、液晶表示装置の用途にもよるの
で、傾斜角の範囲(特に上限値)は上記の範囲外であっ
てもよい場合がある。
【0056】上述の具体例では、ストライプ配列の絵素
を有する液晶セルに対してレンチキュラーレンズ有する
レンズアレイを配設した構成を例示したが、本発明はこ
れらに限定されない。例えば、図4に示したように、図
2のd3方向に直交するd4方向にピッチP4で周期的
に配列され、d4方向を含む面内から入射する光に対し
てレンズ機能を有するレンズ(レンズ幅Pw’)を用い
てもよい。この場合、液晶セルのd1方向の周期構造
(ピッチP1)とレンズアレイのd4方向との周期構造
(ピッチP4)との干渉に起因するモアレ縞の発生を抑
制・防止するためには、θ4>0で、表示面全面に亘っ
て、d1方向において、絵素とレンズが一対一で対応す
ることが無いように、P4・cosθ3≦P1の関係を
満足することが好ましい。また、表示面における均一性
を考慮すると、上述と同様に、P4・cosθ3≦P1
/2、さらに好ましくは、P4・cosθ3≦P1/6
であることが好ましい。ただし、P4があまり小さくな
くると、レンズ幅Pw’も小さくなり、レンズアレイの
形成が困難(精度の低下等による)となるので、P4は
約10μm以上であることが好ましいが、特に制限は無
い。また、上述したように、傾斜角が大きいと視角特性
の方位角依存性が大きくなるので、傾斜角θ3は30゜
以下であることが好ましい。
【0057】上述のように、本実施形態によると、レン
ズアレイを液晶表示パネルに接着層を介して接合した構
成においても、効果的にモアレ縞の発生を抑制・防止す
ることができるので、高品位の表示が可能な広視野角液
晶表示装置を提供することができる。なお、レンズアレ
イと液晶表示パネルとを接着層を介することなく、例え
ば周辺部において接着する構造に対して、本実施形態を
適用してもモアレ縞の発生を抑制・防止できることは言
うまでもない。
【0058】(実施形態2)図5に実施形態2の透過型
液晶表示装置500の模式的な断面図を示す。液晶表示
装置300は、液晶表示パネル100aと、液晶表示パ
ネル100aに光を照射する面光源101と、レンズア
レイ503とを有している。液晶表示パネル100aと
面光源101は実施形態1の液晶表示装置100と同じ
ものが用いられるので、それぞれの構成要素を同じ参照
符号で示し、ここでは説明を省略する。また、液晶表示
装置500において、レンズアレイ503と液晶表示パ
ネル100aとの接合に接着層(図1の106)を用い
ていない。液晶表示パネル100aおよびレンズアレイ
603の接合は、液晶表示パネル100aおよびレンズ
アレイ603の周辺部において、接着剤等を用いて接合
されている(不図示)。
【0059】本実施形態の液晶表示装置500において
は、レンズアレイ603のレンズ603aは、液晶表示
パネル100aの絵素に対して面光源101とは反対側
に焦点を有するように配置されている。実施形態1のよ
うに粘着層を用いることなく、液晶表示パネル100a
およびレンズアレイ503の周辺部で接合すると、モア
レ縞は比較的観察され難いので、実施形態1のように絵
素の周期方向に対してレンズの周期方向を傾斜させる必
要は必ずしもなく、レンズアレイのレンズが液晶表示パ
ネル100aの絵素に対して面光源101とは反対側に
焦点を有するように配置することによって、モアレ縞の
発生を実質的に防止できる。勿論、実施形態1の構成と
組み合わせることによって、より効率的にモアレ縞の発
生を防止することができる。
【0060】以下では、絵素の周期構造に対するレンズ
アレイの周期構造の傾斜角を0゜とした例について、本
実施形態を説明する。
【0061】図6は、液晶表示パネル100aの絵素の
配置と、レンズアレイ600(図5のレンズアレイ60
3の一例)のレンズ601の配置との関係を説明するた
めの模式図である。図6(a)は上面図であり、図6
(b)は図6(a)のd3方向(ピッチP3方向)に沿
った断面図である。
【0062】レンズアレイ600は、ピッチP3(=レ
ンズ幅Pw)で規則的配列された複数のレンチキュラー
レンズ603を有している。この周期方向d3は、絵素
の列方向d2の周期P2(Pv)と同じである(傾斜角
が零度)。
【0063】本発明の具体例3の液晶表示装置として、
実施形態1の具体例1で用いた液晶表示パネル100a
(20インチ)に対し、レンズピッチ(P3)が0.1
4mm、レンズ高さRhが0.04mm、焦点距離fが
0.14mmの凸レンズを有するレンズアレイを用い
た。この具体例3の液晶表示装置において、レンズアレ
イから絵素までの空気換算距離daは、0.66mm
(0.7/1.52+0.3/1.52)であり、焦点
距離f(=0.14)はレンズアレイから絵素までの空
気換算距離da(=0.66mm)よりも短くなってい
る。従って、絵素を透過した光はレンズによって拡散さ
れ、複数の絵素が形成する像はぼやけるので、絵素の周
期構造が目立たなくなり、その結果、モアレ縞の発生が
抑制される。レンズの焦点距離fの下限値は、レンズ幅
をPw、屈折率n1とすると、Pw/{2・(nl−
1)}となる。これよりも焦点距離fを短かくするため
には、レンズの幅よりもレンズの高さが大きなレンズを
形成する必要があり、レンズの形成が困難となる。
【0064】具体例3の構成において、焦点距離を変化
させてモアレ縞の発生を目視で評価した結果を示す。
【0065】
【表2】 焦点距離f(mm) モアレ縞の発生状況 0.70 × 0.65 × 0.60 × 0.55 × 0.50 △ 0.45 △ 0.40 ○ 0.35 ○ 0.30 ○ 0.25 ○ 0.20 ○ 0.15 ○ 0.10 ○ 表2中において、×はモアレ縞の周期が0.5mm以上
の幅で観察され、表示品位の低下が認められたものを示
し、△は、モアレ縞の周期が0.3mm〜1.0mmの
幅で観察され、表示品位が若干低下したものを示し、○
はモアレ縞の周期が0.09mm以下となり表示品位の
低下が認められなかったものを示す。なお、評価結果が
△の液晶表示装置も用途によって使用できる。
【0066】表2の結果から明らかなように、焦点距離
fが上記空気換算距離daとほぼ等しい場合には、モア
レ縞が観察され表示品位が低下することがわかる。表2
から、焦点距離fは0.5mm以下が好ましいこと、す
なわち空気換算距離daの約0.75倍以下であること
が好ましいことがわかる。レンズアレイのレンズの焦点
距離fは、用いる液晶表示パネル100aの空気換算距
離da(カラーフィルタ基板の厚さや屈折率など)に応
じて、上記の条件を満足するように適宜設定すればよ
い。
【0067】図7に本実施形態の具体例3の液晶表示装
置の視角特性を示す。図7は、図3と同様の視角特性を
示すグラフであり、比較のために実施形態1の比較例と
同じ液晶表示装置の視角特性を合わせて示してある。図
7から明らかなように、具体例3の液晶表示装置の視角
依存性は、比較例の液晶表示装置の視角依存性に比較
し、著しく小さくなっており、広い視角範囲(視角範囲
±80゜)に亘って高いコントラスト比(CR≧10
°)を実現している。
【0068】本実施形態の液晶表示装置に用いられるレ
ンズアレイは、上述の例に限られない。焦点距離が上述
の関係を満たせば、図4を参照しながら実施形態1で説
明したように、d3方向に直交するd4方向にもレンズ
機能を有するレンズを用いてもよいことは勿論である。
【0069】さらに、図6(c)に示すように、図6
(b)に示したレンズアレイ600に代えて、複数の凹
レンズ701を有する用いることもできる。例えば、凹
レンズ701のピッチP3を0.14mm、高さRhを
−0.04mmとすることによって、具体例3と同等の
表示特性を得ることができる。凹レンズ701は、観察
者側に焦点を有するので、液晶表示パネル100aの絵
素の像をぼかす作用を有するので、モアレ縞の発生を抑
制・防止する効果がある。
【0070】凹レンズ701を有するレンズアレイ60
0は、例えば、以下の方法で作製できる。所定の形状の
凹部が複数形成されたマスター金型を用いて、アクリル
樹脂を射出成形することによって、複数の凸部を有する
アクリル樹脂板を形成する。このアクリル樹脂板の表面
に電鋳法を用いてニッケル層を形成し、成形型を得る。
このニッケル層は、成形型の表面硬度を向上させる。次
に、成形型に紫外線硬化樹脂(例えば、日本合成ゴム
(株)社製Z9001;屈折率1.59)を滴下し、紫
外線を照射(例えば、約1.0J/cm2)することに
よって紫外線硬化樹脂を硬化し、レンズシート基材(例
えば、日本合成ゴム(株)社製のアートンフィルム)に
所定の形状の凹部が転写形成されたレンズアレイを得
る。
【0071】上述の実施形態では、TN型の液晶表示パ
ネルを用いた液晶表示装置を例に本発明を説明したが、
STN型やECBモードなど他の表示モードの液晶表示
パネルを用いることができる。また、絵素の配列もスト
ライプ配列に限られず、デルタ配列の絵素を有する液晶
表示パネルを用いてもよい。また、レンズによって視角
を拡大する方向は、用いる液晶表示パネルの表示モード
や偏光板の配置などを考慮して適宜設定すればよい。ま
た、レンズアレイの製造方法は例示した方法に限られ
ず、公知の方法で製造できる。なお、例示の方法を用い
ると本願発明のレンズアレイを効率よく製造することが
できる。
【0072】
【発明の効果】本発明によると、液晶表示装置の液晶表
示パネルの複数の絵素の周期方向とレンズアレイの複数
のレンズの周期方向とが互いに交差するように配置され
ているので、干渉によるモアレ縞の発生が抑制される。
また、絵素とレンズとの間に特定の位置関係が要求され
ないので、絵素ピッチやレンズピッチの高精度な制御や
高い貼り合わせ精度は要求されず、従来の製造装置を用
いて従来のプロセスで製造することができる。
【0073】また、本発明の液晶表示装置のレンズアレ
イの複数のレンズは、液晶表示パネルの複数の絵素に対
して面光源とは反対側に焦点を有するように配置されい
るので、絵素の周期構造を光学的にぼかすことができる
ので、モアレ縞の発生を抑制・防止することができる。
【0074】このように、本発明によると、視角特性に
優れかつモアレ縞の発生が抑制・防止された、表示品位
の優れた液晶表示装置が提供される。本発明は、特に大
型の直視型液晶表示装置に好適に適用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による実施形態1の透過型液晶表示装置
100の模式的な断面図である。
【図2】実施形態1の液晶表示装置100における、液
晶表示パネルの絵素の配置とレンズアレイのレンズの配
置との関係を説明するための模式図である。
【図3】実施形態1の液晶表示装置の視角特性を示すグ
ラフである。
【図4】本発明で用いられるレンズアレイの断面図(図
2(b)と直交する方向に沿った断面図)である。
【図5】本発明による実施形態2の透過型液晶表示装置
500の模式的な断面図である。
【図6】実施形態2の液晶表示装置500における、液
晶表示パネルの絵素の配置とレンズアレイのレンズの配
置との関係を説明するための模式図である。
【図7】実施形態2の液晶表示装置の視角特性を示すグ
ラフである。
【符号の説明】
100、500 液晶表示装置 100a 液晶表示パネル 101 面光源 102a、102b 偏光素子 103、200、503、600、700 レンズアレ
イ 104a、104b 基板 105 液晶層 105a シール剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水嶋 繁光 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 Fターム(参考) 2H091 FA02Y FA08X FA08Z FA29X FA37X FA42Z FB03 FB04 FC12 FD14 FD15 HA07 HA09 HA10 KA03 KA10 LA19 LA21 5G435 AA00 AA17 BB12 BB15 EE26 EE33 FF00 FF05 GG01 GG06 GG25

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の基板に挟持された液晶層と前記液
    晶層を挟持するように配設された一対の偏光素子とを有
    する液晶表示パネルと、前記液晶表示パネルに光を照射
    する面光源と、前記液晶表示パネルの前記面光源とは反
    対側に配設されたレンズアレイとを備える液晶表示装置
    であって、 前記液晶表示パネルは、第1の方向に第1ピッチ(P
    1)で、前記第1方向に交差する第2方向に第2ピッチ
    (P2)で、それぞれ規則的に配列された複数の絵素を
    有し、前記レンズアレイは第3の方向に第3ピッチ(P
    3)で規則的に配列され、前記第3の方向を含む面内か
    ら入射する光の進行方向を変える機能を有する複数のレ
    ンズを有し、前記第3の方向は前記第1および第2の方
    向と交差するように配置されている液晶表示装置。
  2. 【請求項2】 前記第3の方向と前記第2の方向との間
    の第2の角(θ2)は、前記第3の方向と前記第1の方
    向との間の第1の角(θ1)と同じかまたは小さく(θ
    2≦θ1)、且つ、 前記第3ピッチ(P3)は前記第2ピッチ(P2)と、
    P3・cosθ2≦P2の関係を満足する請求項1に記
    載の液晶表示装置。
  3. 【請求項3】 前記複数のレンズのそれぞれは、前記第
    3の方向に直交する第4の方向に延びるレンチキュラー
    レンズである請求項1または2に記載の液晶表示装置。
  4. 【請求項4】 前記複数のレンズは、前記第3の方向に
    直交し、前記第1方向と第3の角(θ3)をなす第4の
    方向に、第4ピッチ(P4)で規則的に配列され、前記
    第4の方向を含む面内から入射する光の進行方向を変化
    する機能をさらに有し、且つ、 前記第4ピッチ(P4)は前記第1ピッチ(P1)とP
    4・cosθ3≦P1の関係を満足する請求項2に記載
    の液晶表示装置。
  5. 【請求項5】 前記第3の方向と前記第2の方向とがな
    す第2の角θ2は30゜以下である請求項1から4のい
    ずれかに記載の液晶表示装置。
  6. 【請求項6】 前記レンズアレイと前記一対の偏光素子
    の一方とを接合する接着層をさらに有し、前記接着層は
    前記複数のレンズのそれぞれのレンズの表面の一部とで
    接触している請求項1から5のいずれかに記載の液晶表
    示装置。
  7. 【請求項7】 前記複数のレンズは、前記液晶表示パネ
    ルの前記複数の絵素に対して前記面光源とは反対側に焦
    点を有するように配置されている請求項1から6のいず
    れかに記載の液晶表示装置。
  8. 【請求項8】 前記複数のレンズのそれぞれは、焦点距
    離f、レンズ幅Pw、屈折率nlを有する凸レンズであ
    って、 前記複数のレンズが形成されている面から前記複数の絵
    素が形成されている面までの空気換算距離daが、Pw
    /{2・(nl−1)}≦f<daの関係を満足する請
    求項7に記載の液晶表示装置。
  9. 【請求項9】 一対の基板に挟持された液晶層と前記液
    晶層を挟持するように配設された一対の偏光素子とを有
    する液晶表示パネルと、前記液晶表示パネルに光を照射
    する面光源と、前記液晶表示パネルに対して前記面光源
    とは反対側に配設されたレンズアレイとを備える液晶表
    示装置であって、 前記複数のレンズは、前記液晶表示パネルの前記複数の
    絵素に対して前記面光源とは反対側に焦点を有するよう
    に配置されている液晶表示装置。
  10. 【請求項10】 前記複数のレンズのそれぞれは、焦点
    距離f、レンズ幅Pw、屈折率nlを有する凸レンズで
    あって、 前記複数のレンズが形成されている面から前記複数の絵
    素が形成されている面までの空気換算距離daが、Pw
    /{2・(nl−1)}≦f<daの関係を満足する請
    求項9に記載の液晶表示装置。
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