JP2001032868A - 電動ブレーキ装置 - Google Patents

電動ブレーキ装置

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JP2001032868A
JP2001032868A JP11206686A JP20668699A JP2001032868A JP 2001032868 A JP2001032868 A JP 2001032868A JP 11206686 A JP11206686 A JP 11206686A JP 20668699 A JP20668699 A JP 20668699A JP 2001032868 A JP2001032868 A JP 2001032868A
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JP
Japan
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braking
disk rotor
brake
detecting means
braking force
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JP11206686A
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English (en)
Inventor
Masahiro Kubota
正博 久保田
Tadatsugu Tamamasa
忠嗣 玉正
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 制動に伴うディスクロータの熱倒れに起因し
て、ブレーキ引き摺りが生じることを回避する。 【解決手段】 制動終了時に、ブレーキパッド6aを移
動させるためのモータ11に設けられたエンコーダ14
のエンコーダ検出信号SE と、予め検出したディスクロ
ータ7の熱変形量の規定値θxとをもとに、ブレーキパ
ッド6aがディスクロータ7から現在位置よりも規定値
θxだけ離れるようにモータ11を駆動する。制動によ
る温度上昇に伴って、ディスクロータ7はブレーキパッ
ド6b側に傾倒し、また、ブレーキパッド6a及び6b
も偏磨耗する。制動終了後ディスクロータ7はその温度
低下に伴って直立状態に復帰し、このときディスクロー
タ7はブレーキパッド6a及び6bに近づくように直立
状態に復帰するが、ブレーキパッド6aを規定値θxだ
け引き離しているから、これらが接触することはない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電動ブレーキ装
置に関し、特に、ブレーキペダルを開放した場合のディ
スクブレーキにおけるブレーキの引き摺りを回避するこ
との可能な電動ブレーキ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、作動流体を用いた油圧ブレーキ装
置とは別に、ブレーキペダルの踏込量に応じてモータを
駆動し、このモータの回転力を用いて制動力を発生させ
る、いわゆるバイワイヤ方式の電動ブレーキ装置の開発
が進められている。このような電動ブレーキ装置の一例
としては、特開昭63−266228号公報に記載され
たもの等が提案されている。この公報には、ステータ側
の圧電振動子によって発生させた弾性進行波によってロ
ータを回転駆動させるようにした超音波モータの回転ト
ルクを、トルク変換手段によってディスクロータに対す
るブレーキパッドの押圧力に変換して前記被制動部材に
伝達するようにした電動ブレーキ装置が記載されてい
る。
【0003】この電動ブレーキ装置においては、小型且
つ軽量で、小消費電力によって、必要且つ十分な制動力
が得られ、制御性及び応答性のよいブレーキ制御を実現
できるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ディスクブ
レーキは、ディスクロータをその両側からブレーキパッ
ドを締めつけて制動力を発生するようにしているが、一
方のブレーキパッドをディスクロータに押圧しその反力
を利用して他方のブレーキパッドをディスクロータに押
圧するようにした、いわゆるフローティング型のディス
クブレーキ等においては、図5(e)に示すようにディ
スクロータに熱変形が生じる。
【0005】また、ディスクロータの熱変形に伴ってブ
レーキパッドに偏磨耗が生じるため、ブレーキパッドに
よる押圧の中止に伴って、ブレーキパッドを所定位置ま
でディスクロータから引き離したとしても、ディスクロ
ータの変形が生じているためにディスクロータとブレー
キパッドとが接触し、これによってブレーキの引き摺り
が生じるという問題がある。このブレーキの引き摺り
は、燃費を悪化させたり、ディスクロータに磨耗を生じ
させてジャダーを引き起こすことになる。
【0006】そこで、この発明は上記従来の未解決の課
題に着目してなされたものであり、ブレーキペダルを開
放したときのブレーキの引き摺りを回避することの可能
な電動ブレーキ装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1に係る電動ブレーキ装置は、ディ
スクロータをその両側から一対のブレーキパッドで押圧
して制動力を発生し、且つ前記ブレーキパッドの押圧力
を制御することにより前記制動力を制御可能な制動力発
生手段と、ブレーキペダルの踏込量を検出するブレーキ
踏込量検出手段と、前記ブレーキペダル踏込量検出手段
で検出したブレーキペダル踏込量に応じて前記ブレーキ
パッドの押圧力を制御する制動力制御手段と、を備えた
電動ブレーキ装置において、制動終了時に、制動に伴う
前記ディスクロータの熱変形量に応じて前記ブレーキパ
ッドを前記ディスクロータから引き離すようになってい
ることを特徴としている。
【0008】この請求項1に係る発明では、ブレーキペ
ダル踏込量検出手段で検出したブレーキペダル踏込量に
応じてブレーキパッドの押圧力が制御されて、これに応
じて一対のブレーキパッドがディスクロータを押圧する
力が制御されて、所定の制動力が発生する。ここで、制
動に伴う温度上昇に伴って前記ディスクロータには熱変
形による熱倒れが生じ、またブレーキパッドには熱変形
に応じた偏磨耗が生じる。制動終了時に、ブレーキパッ
ドが熱倒れが生じているときのディスクロータに接触し
ない位置に位置した場合、制動終了後にディスクロータ
の温度が低下しやがて熱倒れから復帰すると、ディスク
ロータは偏磨耗が生じたブレーキパッドに接触すること
になる。
【0009】しかしながら、制動終了時に、ディスクロ
ータの熱変形量に応じてブレーキパッドをディスクロー
タから引き離すようにしているから、ディスクロータが
熱倒れから復帰した場合に、ディスクロータとブレーキ
パッドとが接触することはなく、ブレーキ引き摺りが生
じることはない。また、請求項2に係る電動ブレーキ装
置は、ディスクロータをその両側から一対のブレーキパ
ッドで押圧して制動力を発生し、且つ前記ブレーキパッ
ドの押圧力を制御することにより前記制動力を制御可能
な制動力発生手段と、キャリパ内に形成したシリンダ
と、当該シリンダ内に摺動自在に配置され且つ前記ブレ
ーキパッドの一方と一体に移動するピストンと、ブレー
キペダルの踏込量を検出するブレーキペダル踏込量検出
手段と、前記ブレーキペダル踏込量検出手段で検出した
ブレーキペダル踏込量に応じて前記ピストンの位置制御
を行う制動力制御手段と、を備えた電動ブレーキ装置に
おいて、制動に伴う前記ディスクロータの熱変形量を検
出する熱変形量検出手段と、制動が終了したかどうかを
検出する制動終了検出手段と、当該制動終了検出手段で
制動が終了したことを検出したときに、前記熱変形量検
出手段で検出した熱変形量に基づき、前記ブレーキパッ
ドを前記ディスクロータから引き離す方向に前記ピスト
ンを移動する引き離し手段と、を備えることを特徴とし
ている。
【0010】また、請求項3に係る電動ブレーキ装置
は、制動力発生状態を検出する制動力検出手段を有し、
前記制動終了検出手段は、前記制動力検出手段で検出し
た制動力発生状態が予め設定した規定状態となったとき
に制動が終了したと判定するようになっていることを特
徴としている。また、請求項4に係る電動ブレーキ装置
は、前記制動力検出手段は、前記制動力発生手段で発生
する制動力を直接検出する制動力センサであって、前記
制動終了検出手段は、前記制動力センサの検出値が予め
設定したしきい値を下回ったときに制動が終了したと判
定するようになっていることを特徴としている。
【0011】また、請求項5に係る電動ブレーキ装置
は、前記制動終了検出手段は、前記ブレーキペダル踏込
み量検出手段で検出したブレーキペダル踏込量が予め設
定したしきい値を下回ったときに制動が終了したと判定
するようになっていることを特徴としている。この請求
項2から請求項5に係る発明では、ストロークセンサ或
いは踏力センサ等のブレーキペダル踏込量検出手段で検
出したブレーキペダル踏込量に応じてピストンの位置制
御が行われ、これによってブレーキパッドの押圧力が制
御されて、所定の制動力が発生する。
【0012】ここで、制動による温度上昇に伴って前記
ディスクロータには熱変形による熱倒れが生じ、またブ
レーキパッドには熱変形に応じた偏磨耗が生じる。制動
終了時にブレーキパッドが、熱倒れが生じているときの
ディスクロータに接触しない位置に位置した場合、制動
終了後にディスクロータの温度が低下しやがて熱倒れか
ら復帰すると、ディスクロータは偏磨耗が生じたブレー
キパッドに接触することになる。
【0013】しかしながら、押圧力センサ、制動力セン
サ等の制動力発生状態検出手段で検出した制動力発生状
態が、制動が終了したとみなすことの可能な状態となっ
たとき、或いはストロークセンサ、踏力センサ等で検出
したブレーキペダル踏込量が制動が終了したとみなすこ
との可能な状態となったとき等、制動終了を検出したと
きには、例えば予め実験等によって予測したディスクロ
ータの熱変形量、或いは、ディスクロータの温度を測定
或いは予測して推定したディスクロータの熱変形量に応
じてブレーキパッドをディスクロータから引き離すよう
にしているから、ディスクロータが熱倒れから復帰した
場合に、ディスクロータとブレーキパッドとが接触する
ことはなく、ブレーキ引き摺りが生じることはない。
【0014】また、本発明の請求項6に係る電動ブレー
キ装置は、前記熱変形量検出手段は、前記ディスクロー
タの温度を検出するディスクロータ温度検出手段を備
え、予め設定したディスクロータの温度と熱変形量との
対応と、前記ディスクロータ温度検出手段で検出したデ
ィスクロータの温度とに基づいて、前記熱変形量を推定
するようになっていることを特徴としている。
【0015】また、本発明の請求項7に係る電動ブレー
キ装置は、前記ディスクロータ温度検出手段は、前記デ
ィスクロータの温度を直接検出する温度センサであるこ
とを特徴としている。また、本発明の請求項8に係る電
動ブレーキ装置は、前記ディスクロータ温度検出手段
は、前記ブレーキパッドの温度を検出する温度センサで
あることを特徴としている。
【0016】また、本発明の請求項9に係る電動ブレー
キ装置は、前記ディスクロータ温度検出手段は、車速を
検出する車速検出手段と、外気温度を検出する温度検出
手段と、制動状態であるか否かを検出する制動/非制動
検出手段と、を備え、前記車速検出手段で検出した車
速、前記温度検出手段で検出した外気温度及び前記制動
/非制動検出手段で検出した状態をもとに、前記ディス
クロータの入力エネルギ及び放熱エネルギを算出し、こ
れらエネルギの累積値に基づいて前記ディスクロータ温
度を推定するようになっていることを特徴としている。
【0017】この請求項6から請求項9に係る発明で
は、ディスクロータの温度に基づいてディスクロータの
現在の熱変形量を推定するようにしているから、ディス
クロータの現在の熱変形量に応じてブレーキパッドを引
き離すことが可能となる。また、請求項10に係る電動
ブレーキ装置は、空走状態になったかどうかを検出する
空走状態検出手段と、当該空走状態検出手段で空走状態
になったことを検出したとき、前記ピストンを、前記熱
変形量検出手段で検出した熱変形量に応じて前記ブレー
キパッドを前記ディスクロータに近づく方向に移動する
押し戻し手段を備えることを特徴としている。
【0018】この請求項10に係る発明では、ブレーキ
ペダルが踏み込まれようとしているとき或いはアクセル
ペダルが開放状態となったとき等、空走状態になったこ
とを検出したときには、熱変形量推定手段で推定したこ
の時点におけるディスクロータの熱変形量に応じて、ブ
レーキパッドがディスクロータに近づく方向にピストン
が移動される。
【0019】ここで、前回の制動によってディスクロー
タが熱変形し、これに応じてブレーキパッドをディスク
ロータから引き離した場合に、まだディスクロータに熱
倒れが生じている状態で制動状態となると、ブレーキパ
ッドとディスクロータとのクリアランスは通常のクリア
ランスよりも大きいため、ディスクロータにブレーキパ
ッドが作用するまでの応答性が低下する。
【0020】しかしながら、空走状態となったときに
は、このときのディスクロータの熱変形量に応じてブレ
ーキパッドがディスクロータ側に押されるから、制動時
の応答性を確保することが可能となる。また、請求項1
1に係る電動ブレーキ装置は、前記制動力制御手段は、
前記ピストンを移動させるモータを備え、前記ブレーキ
ペダル踏込量検出手段で検出したブレーキペダル踏込量
が増加傾向にあり且つ予め設定したしきい値以下である
とき、前記モータに、前記ピストンを移動させない暗電
流を供給するようになっていることを特徴としている。
【0021】この請求項11に係る発明では、ブレーキ
ペダル踏込量が増加傾向にあり且つしきい値以下である
とき、つまりブレーキペダルが踏み込まれようとしてい
るときに、モータにピストンを移動させない程度の暗電
流が供給される。したがって、ブレーキペダルが踏み込
まれたときには速やかにピストンが移動し制動時の応答
性が向上することになる。
【0022】さらに、請求項12に係る電動ブレーキ装
置は、ディスクロータをその両側から一対のブレーキパ
ッドで押圧して制動力を発生し、且つ前記ブレーキパッ
ドの一方の押圧力を制御することにより前記制動力を制
御可能な制動力発生手段と、キャリパ内に形成したシリ
ンダと、当該シリンダ内に摺動自在に配置され且つ前記
ブレーキパッドの一方と一体に移動するピストンと、制
動力発生状態を検出する制動力検出手段と、ブレーキペ
ダルの踏込量を検出するブレーキペダル踏込量検出手段
と、前記制動力検出手段で検出した制動力発生状態が、
前記ブレーキペダル踏込量検出手段で検出したブレーキ
ペダル踏込量に応じた制動力発生状態となるように前記
ピストンを移動する制動力制御手段と、を備えた電動ブ
レーキ装置において、制動に伴う前記ディスクロータの
熱変形量を検出する熱変形量検出手段と、制動が終了し
たことを検出する制動終了検出手段と、当該制動終了検
出手段で制動が終了したことを検出した時点から非制動
状態である間に、前記熱変形量検出手段で検出した熱変
形量に基づき、前記ブレーキパッドと前記ディスクロー
タとのクリアランスが所定値となるように前記ピストン
の位置制御を行うピストン位置制御手段と、を備えるこ
とを特徴としている。
【0023】この請求項12に係る発明では、例えばブ
レーキパッドのディスクロータへの押圧力を検出する押
圧力センサなどの制動力発生状態検出手段で検出した制
動力発生状態が、ストロークセンサ等のブレーキペダル
踏込量検出手段で検出したブレーキペダル踏込量に応じ
た制動力発生状態となるように、ピストンの位置制御が
行われ、これによってブレーキパッドの押圧力が制御さ
れて、所定の制動力が発生する。
【0024】ここで、制動に伴う温度上昇に伴って前記
ディスクロータには熱変形による熱倒れが生じ、またブ
レーキパッドには熱変形に応じた偏磨耗が生じる。制動
終了時にブレーキパッドが、熱倒れが生じているときの
ディスクロータに接触しない位置に位置する場合、制動
終了後にディスクロータの温度が低下しやがて熱倒れか
ら復帰すると、ディスクロータは偏磨耗が生じたブレー
キパッドに接触することになる。
【0025】しかしながら、押圧力センサ或いはストロ
ークセンサの検出値等に基づき制動が終了したことを検
出したときには、この時点から非制動状態である間に、
ディスクロータの温度を測定或いは予測して推定したデ
ィスクロータの熱変形量に基づき、ディスクロータとブ
レーキパッドとのクリアランスが所定値となるようにピ
ストンの位置制御が行われるから、ディスクロータの熱
変形量に関わらず前記クリアランスを一定に保つことが
可能となる。
【0026】
【発明の効果】本発明の請求項1に係る電動ブレーキ装
置によれば、制動終了時に、ディスクロータの熱変形量
に応じてブレーキパッドをディスクロータから引き離す
から、ディスクロータが制動に伴う熱倒れから復帰した
場合に、ディスクロータとブレーキパッドとが接触する
ことはなく、ブレーキ引き摺りの発生を防止することが
できる。
【0027】また、請求項2乃至請求項11に係る電動
ブレーキ装置によれば、制動終了時に、ディスクロータ
の熱変形量に応じてブレーキパッドをディスクロータか
ら引き離すようにしているから、ディスクロータが熱倒
れから復帰した場合に、ディスクロータとブレーキパッ
ドとが接触することはなく、ブレーキ引き摺りが生じる
ことを回避することができる。
【0028】特に、請求項5に係る電動ブレーキ装置で
は、ブレーキペダル踏込量に基づいて制動が終了したか
どうかを判定するようにしているから、ブレーキペダル
の踏込みを緩めた状態から再度踏み込まれた場合でも、
制動時の応答性を確保することができる。また、請求項
6から請求項9に係る電動ブレーキ装置では、ディスク
ロータの温度に基づいてディスクロータの現在の熱変形
量を推定するようにしているから、ディスクロータの現
在の熱変形量に応じてブレーキパッドを引き離すことが
できる。
【0029】また、請求項10に係る電動ブレーキ装置
では、空走状態となったときには、このときのディスク
ロータの熱変形量に応じてブレーキパッドをディスクロ
ータ側に押し戻すから、ディスクロータの熱倒れが復帰
していない状態でブレーキペダルが踏み込まれたときの
応答性を確保することができる。また、請求項11に係
る電動ブレーキ装置では、ブレーキペダルが踏み込まれ
ようとしているときに、モータに暗電流を供給するよう
にしたから、ブレーキペダルが踏み込まれたときの応答
性を向上させることができる。
【0030】さらに、請求項12に係る電動ブレーキ装
置では、制動終了時から非制動状態である間に、推定し
たディスクロータの熱変形量に基づき、ディスクロータ
とブレーキパッドとのクリアランスが所定値となるよう
にピストンの位置制御を行うようにしたから、ディスク
ロータが熱倒れしている場合でもディスクロータとブレ
ーキパッドとのクリアランスを一定に保つことができ
る。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。まず、第1の実施の形態を説明す
る。図1は、キャリパ内に組み込んだ本発明における電
動ブレーキ装置の概略構成を示す、断面図である。
【0032】図中、1はフローティング型のキャリパで
あって、このキャリパ1内には、ピストン2を摺動自在
に支持するシリンダ3が形成されている。前記ピストン
2は一端が閉じた円筒状に形成され、ピストン2の内周
にはナット4が固定されている。そして、このナット4
には、ピストン2の軸と一致して配置されたネジシャフ
ト5がネジ結合され、これらナット4とネジシャフト5
とで、回転運動を直線運動に変換する直線変換機構を構
成している。
【0033】前記ピストン2の閉じた側の外面2aには
ブレーキパッド6aが取り付けられ、このブレーキパッ
ド6aと対向する位置にブレーキパッド6bが設けら
れ、このブレーキパッド6bはキャリパ1に支持されて
いる。そして、これらブレーキパッド6a及び6bの間
に、図示しない車輪と一体に回転するディスクロータ7
が配設されている。
【0034】前記ピストン2とブレーキパッド6aとの
間の前記外面2aには、ピストン2の回転を防止するた
めの環状の回転防止部材8が設けられ、さらに外面2a
の中央部には、歪ゲージ応力計等の押圧力センサ9が取
り付けられている。さらに、ピストン2の閉じた側の端
部近傍の外周には環状の凹溝2bが形成されている。そ
して、この凹溝2bと、前記シリンダ3の内周に形成さ
れた環状の凹溝3aとの間に、前記ピストン2とシリン
ダ3との間のシール部材を兼ねた弾性体10がはめ込ま
れている。ここで、前記凹溝3aは、前記ブレーキパッ
ド6a側に開いたテーパ状に形成されていて、ピストン
2がブレーキパッド2aをディスクロータ3に押圧する
方向に移動したときに、前記弾性体10が凹溝3aに形
成されたテーパに沿って変形し、この変形によってピス
トン2を復帰させるための付勢力を与えるようになって
いる。
【0035】一方、キャリパ1には、後述のコントロー
ラ20によって駆動制御されるステッピングモータ或い
は超音波モータ等のモータ11が設けられ、このモータ
11の出力は減速機12で減速される。この減速機12
の出力軸12aは前記ネジシャフト5に接続され、モー
タ11の回転が減速機12、出力軸12aを介してネジ
シャフト5に伝達され、直線変換機構を構成するナット
4及びネジシャフト5によって直線運動に変換されて、
ピストン2が直線運動する。そして、このピストン2の
直線運動に伴ってブレーキパッド6aがディスクロータ
7を押圧することによって、ブレーキパッド6a及び6
bがディスクロータ7を押圧し、ディスクロータ7をブ
レーキパッド6a及び6bによって締めつけることによ
って、制動力を発生するようになっている。
【0036】一方前記モータ11には、このモータ11
の回転角度を検出するためのエンコーダ14が取り付け
られ、このエンコーダ14の出力はコントローラ20に
出力される。前記コントローラ20は、例えばマイクロ
コンピュータを含んで構成され、このコントローラ20
には、ブレーキペダル15の踏込量を検出するためのス
ロトークセンサ16で検出したペダルストロークPS、
磁歪センサやストレンゲージ等のトルクセンサ等といっ
たブレーキペダル15の踏力を検出する踏力センサ17
で検出した踏力PF、前記エンコーダ14のエンコーダ
検出信号SE が入力される。そして、コントローラ20
は、これら各種センサの検出信号をもとに、モータ11
を駆動制御してピストン2を移動させることによってブ
レーキパッド6aを移動させ、ディスクロータ7をブレ
ーキパッド6a及び6bで締めつけて、ブレーキペダル
15の踏込量に応じた制動力を発生させる。また、制動
力を緩めるときには、モータ11を逆回転させ、ピスト
ン2をブレーキパッド6aがディスクロータ7から離れ
る方向に移動し、ブレーキパッド6a及び6bによるデ
ィスクロータ7への押圧力を減少させて、制動力を緩め
るようになっている。さらに、ブレーキペダル15が開
放状態となったときには、前記ディスクロータ7の制動
に伴う熱変形量に応じて、ブレーキパッド6aがディス
クロータ7から離れる方向に、ピストン2を移動させる
ようになっている。
【0037】図2は、コントローラ20で実行される制
動制御処理の処理手順の一例を示すフローチャートであ
る。この制動制御処理を、コントローラ20では常時行
っている。まず、ステップS1でストロークセンサ16
で検出したペダルストロークPSを読み込み、次いで、
ステップS2に移行してペダルストロークPSが減少過
程にあるかどうか、つまり、ペダルストロークPSが減
少しているか、又は前回減少過程にあると判定され且つ
今回のペダルストロークPSが前回値を維持しているか
どうかを判定する。そして、ペダルストロークPSが減
少過程にないと判定されるときには、後述のステップS
5に移行し、ペダルストロークPSが減少過程にあると
判定されるときには、ステップS3に移行する。
【0038】このステップS3では、押圧力センサ9か
らの押圧力検出値Spを読み込み、次いでステップS4
に移行して、押圧力センサ9の押圧力検出値Spが予め
設定したしきい値Sp0 よりも小さいかどうか(Sp<
Sp0 )を判定する。前記しきい値Sp0 は、ブレーキ
パッド6a及び6bによるディスクロータ7への制動力
の付加が終了し制動が終了したとみなすことの可能な値
であって、予め実験等により、零又は零近傍の値に設定
される。
【0039】そして、ステップS4で押圧力センサ9の
押圧力検出値Spがしきい値Sp0よりも小さくないと
きには、制動終了ではないと判定しステップS5に移行
する。このステップS5では、ステップS1で読み込ん
だペダルストロークPSが予め設定したしきい値PS0
よりも大きいかどうかを判定する(PS>PS0 )。前
記しきい値PS0 はブレーキペダル15が踏み込まれた
とみなすことの可能な値であって、零又は零近傍の値に
設定される。そして、PS>PS0 でないときには、ブ
レーキペダル15が踏まれていないと判定してステップ
S1に戻り、PS>PS0 であるときには、ブレーキペ
ダル15が踏まれたと判定してステップS6に移行す
る。
【0040】このステップS6では、従来の制動制御処
理と同様に、予め設定した例えば図3に示すブレーキペ
ダル15の踏力とモータ電流との対応を表す特性図、ス
トロークセンサ16のペダルストロークPS、押圧力セ
ンサ9の押圧力検出値Spに基づいて、モータ11を駆
動するための駆動電流IM を決定する。次いでステップ
S7に移行し、駆動電流IM を、モータ11を駆動する
ための図示しない駆動回路に出力しモータ11を駆動さ
せる。そして、ステップS8に移行してフラグFをF=
0に設定した後ステップS1に戻る。
【0041】一方、前記ステップS4で押圧力検出値S
pがしきい値Sp0 より小さいときには(Sp<S
0 )制動終了であると判定し、ステップS10に移行
する。そして、フラグFがF=1であるかどうかを判定
し、F=1であるときには、すでに戻し量θ* だけピス
トン2をディスクロータ7から引き離す方向に移動した
と判定してステップS1に戻る。一方、フラグFがF=
1でないときにはステップS11に移行し、エンコーダ
14からのエンコーダ検出信号SE を読み込み、次いで
ステップS12に移行し、予め設定した規定値θxを戻
し量θ* とし、ピストン2をディスクロータ7から引き
離す方向に、戻し量θ* だけモータ11を駆動する。
【0042】次いで、ステップS13に移行し、再度エ
ンコーダ14からのエンコーダ検出信号SE を読み込
み、戻し量θ* だけピストン2が移動したかどうかを判
定し、戻し量θ* だけ移動していなければ、ステップS
12に戻って再度モータ11を駆動する。そして、戻し
値θ* だけピストン2が移動したならば、ステップS1
4に移行し、フラグFをF=1に設定した後ステップS
1に戻る。
【0043】ここで、前記規定値θxは、ディスクロー
タ7の熱倒れによる熱変形量の最大値に基づいて設定さ
れる。すなわち、ディスクロータ7は、制動状態となる
とその温度が上昇し、この温度の上昇に伴って熱変形を
起こし、直立状態からブレーキパッド6b側に倒れた状
態、つまり熱倒れを起こす。そして、制動終了後、ディ
スクロータ7の冷却に伴って温度が低下すると、熱倒れ
による変形量が徐々に減少し、やがて、元の直立状態に
戻る。
【0044】このディスクロータ7の熱変形量と温度と
の関係は、図4に示すように、ディスクロータの形状に
よって異なり、これら間の特性は実験や解析等を行うこ
とによって容易に検出することができる。また、ディス
クロータの最高温度は車両重量やブレーキパッドの耐フ
ェード性等から設計時に予測することができる。例え
ば、図4の形状Aのディスクロータを用いた場合、設計
上の最高温度がTaであるとすると、熱倒れによる最大
の熱変形量はθaであると予測することができる。した
がって、前記規定値θxは、図4に示すようなディスク
ロータ7の温度とその熱変形量との対応を表す特性図
と、設計時の各種諸元に基づいて推定されるディスクロ
ータ7の設計上の最高温度とに基づいて、ディスクロー
タ7の熱変形量の最大値を予測し、予測した熱変形量の
最大値に誤差分を含めた値に設定される。
【0045】ここで、ディスクロータ7及びブレーキパ
ッド6a、6bが制動力発生手段に対応し、押圧力セン
サ9が制動状態検出手段に対応し、ストロークセンサ1
6がブレーキペダル踏込量検出手段に対応し、コントロ
ーラ20が制動力制御手段に対応し、図2のステップS
12の処理で規定値θxを設定する処理が熱変形量検出
手段に対応し、ステップS4で処理が押圧力検出値Sp
がSp<Sp0 であるかどうかを判定する処理が制動終
了検出手段に対応し、ステップS11〜ステップS13
の処理が引き離し手段に対応している。
【0046】次に、上記第1の実施の形態の動作を図5
に基づいて説明する。なお、図5において、(a)は車
速、(b)はディスクロータ7の温度、(c)はディス
クロータ7の熱変形量、(d)は第1の実施の形態によ
るディスクロータ7、ブレーキパッド6a及び6bの変
化状況、(e)は従来のディスクロータ7、ブレーキパ
ッド6会及び6bの変化状況、を表したものである。
【0047】車両がブレーキペダル15を開放した状態
で走行しているときには、ストロークセンサ16で検出
されるペダルストロークPSが略零であるから、ステッ
プS1、S2、S5を経てステップS1に戻るため、モ
ータ11の駆動は行われない。したがって、図5(d)
に示すように、ディスクロータ7は直立状態を維持し、
また、ブレーキパッド6a及び6bは、ディスクロータ
7とのクリアランスが予め設定した規定クリアランスと
なる位置に位置する。
【0048】この状態から、時点t1 でブレーキペダル
15を踏み込むと、ペダルストロークPSがしきい値P
0 を越えるから、ステップS2からS5を経てS6に
移行し、図3に示す特性図、ペダルストロークPS、及
び押圧力検出値Spに基づいて、押圧力検出値Spがペ
ダルストロークPSの踏込量に応じた値となるように、
ブレーキパッド6aを移動させる駆動電流IM を決定
し、ステップS7に移行して、駆動電流IM を図示しな
いモータ11の駆動回路に出力し、フラグFはF=0に
設定される(ステップS8)。
【0049】これによって、モータ11が駆動され、ピ
ストン2の移動に伴ってブレーキパッド6aがディスク
ロータ7に押圧され、ディスクロータ7がブレーキパッ
ド6a及び6bによってその両側から締めつけられて制
動力が発生する。そして、ブレーキペダル15の踏込量
が減少すると、ペダルストロークPS等に基づいてモー
タ11の制御が行われてモータ11が逆回転する。これ
に伴って、減速機12を介してネジシャフト5が逆転
し、ネジシャフト5が逆転すると、変形した前記弾性体
10の付勢力とあいまって、ピストン2が図中右側へ移
動し、ブレーキパッド6a及び6bの押圧力が弱まり制
動力が弱められる。
【0050】これによって、車両は減速状態となり(図
5(a))、制動に伴ってディスクロータ7の温度が上
昇し(図5(b))、ディスクロータ7に熱変形が生じ
てディスクロータ7はブレーキパッド6b側に倒れる。
制動状態が継続するにつれてディスクロータ7の温度は
さらに上昇し、この温度上昇に伴ってその熱変形量も大
きくなる。(図5(c))。また、ディスクロータ7の
熱倒れと共に、ブレーキパッド6a、6bにもディスク
ロータ7の熱倒れに応じた偏磨耗が生じる(図5
(d))。
【0051】そして、ブレーキペダル15の踏込量が減
少すると、ステップS1からS2を経てS3に移行し、
押圧力センサ9で検出される押圧力検出値Spを読み込
むが、この押圧力検出値Spがしきい値Sp0 より大き
いときには、ステップS4からS5を経てS6に移行
し、上記と同様にしてペダルストロークPSに応じて電
動モータ11を逆回転させて、ブレーキパッド6a及び
6bによるディスクロータ7への押圧力を弱めて制動力
を弱める。
【0052】そして、時点t2 で押圧力センサ9で検出
される押圧力検出値Spがしきい値Sp0 を下回ると、
制動が終了したと判定して、ステップS4からS10を
経てS11に移行する。そして、エンコーダ14からの
エンコーダ検出信号SE を読み込み、エンコーダ検出信
号SE に基づいてブレーキパッド6aの制動終了時の位
置L1 を認識し、戻し量θ* つまり予め設定した規定値
θxをもとに、モータ11を駆動して、ブレーキパッド
6aを戻し量θ* つまり規定値θxだけディスクロータ
7から引き離しフラグFをF=1に設定する(ステップ
S12〜S14)。そして、以後、ブレーキペダル15
の踏込みが行われなければ、ステップS1、S2、S
3、S4を経てS10に移行し、このときフラグFはF
=1に設定されているから、S10からS1に戻るた
め、モータ11の駆動は行われない。
【0053】ここで、押圧力検出値Spがしきい値を下
回った時点t2 では、図5(d)に示すように、ディス
クロータ7には熱倒れが生じ、また、ブレーキパッド6
a及び6bにはディスクロータ7の熱倒れ状態に応じて
偏磨耗が生じている。そして、この熱倒れが生じている
ディスクロータ7とのクリアランスが規定クリアランス
となる位置にブレーキパッド6a及び6bが位置するこ
とになる。
【0054】この状態から、ブレーキペダル15に代え
て図示しないアクセルペダルを踏み込んで、加速状態と
なると、図5(b)に示すように、ディスクロータ7の
温度は徐々に低下し、これに伴ってディスクロータ7の
熱変形量も減少する。つまり、ディスクロータ7は直立
状態に復帰することになる。このとき、図5(e)に示
すように、ブレーキパッド6aが制動終了時の位置L1
にあった場合ディスクロータ7が直立状態に移行する
と、ディスクロータ7はブレーキパッド6aに近づいて
くるため、やがてブレーキパッド6aと接触し、ディス
クロータ7の直立状態への移行に伴ってブレーキパッド
6aへの押圧力が増加すると、やがてブレーキパッド6
bもディスクロータ7に接触することになる。
【0055】しかしながら、図5(d)に示すように、
制動終了時には、制動終了時の位置L1 よりもさらに規
定値θxだけディスクロータ7から離れた位置L2 に、
ブレーキパッド6aが位置するから、ディスクロータ7
が直立状態に復帰した場合でもブレーキパッド6aはデ
ィスクロータ7に接触することはなく、よってブレーキ
パッド6a及び6bがディスクロータ7に接触しないか
ら、ブレーキ引き摺りが生じることはない。
【0056】このとき、規定値θxは、設計上予測され
るディスクロータ7の熱変形量の最大値に基づいて設定
されているから、確実にブレーキ引き摺りの発生を防止
することができる。したがって、ブレーキ引き摺りを回
避することができるから、燃費の悪化や、ディスクロー
タ7の磨耗によるジャダーの発生を抑制することができ
る。
【0057】なお、上記第1の実施の形態においては、
押圧力センサ9を設け、この押圧力検出値Spに基づい
て制動終了時であるかどうかを判定するようにしたが、
ブレーキキャリパに制動力センサを設け、この制動力セ
ンサの制動力検出値が予め設定したしきい値を下回った
ときに、制動終了時であると判定し、ブレーキパッド6
aを規定値θxだけ引き離すようにしてもよい。
【0058】次に、本発明の第2の実施の形態を説明す
る。この第2の実施の形態は、図6に示すように、図2
に示す上記第1の実施の形態における制動制御処理にお
いて、その処理手順が異なること以外は同様である。な
お、図6においては、図2と同一部には同一符号を付与
しその詳細は説明は省略する。
【0059】すなわち、この第2の実施の形態では、図
6に示すように、ステップS4の処理で押圧力センサ9
の押圧力検出値Spがしきい値Sp0 よりも小さいかど
うかを判定し、押圧力検出値Spがしきい値Sp0 を下
回ったと判定したときには、ステップS21に移行す
る。そして、このステップS21では、ステップS1で
読み込んだペダルストロークPSがしきい値PS0 より
も小さいかどうかを判定する(PS<PS0 )。
【0060】そして、ステップS21で、PS<PS0
でないときには、制動終了ではないと判定してステップ
S1に戻る。一方、PS<PS0 であるときには、制動
終了であると判定し、ステップS10に移行する。そし
て、フラグFがF=0に設定されているから、ステップ
S11に移行し、以後、上記と同様にして制動終了時の
ブレーキパッド6aの位置を認識しこれをもとにモータ
11を駆動して規定値θxだけブレーキパッド6aをデ
ィスクロータ7から引き離す。そして、フラグFをF=
1に設定する(ステップS11〜13)。
【0061】つまり、この第2の実施の形態において
は、押圧力センサ9の押圧力検出値Spがしきい値Sp
0 を下回ったときには、ストロークセンサ16からのペ
ダルストロークPSがしきい値PS0 よりも小さいかど
うかを判定し、PS<PS0 であるときにブレーキパッ
ド6aを引き離すようにしている。したがって、押圧力
検出値Spがしきい値Sp0 を下回った場合でも、ブレ
ーキペダル15が踏まれているときには、ブレーキパッ
ド6aを引き離さないようにしたから、押圧力検出値の
しきい値Sp0 の前後で再度ブレーキペダル15が踏み
込まれた場合の、制動力の立ち上がりの応答時間を短縮
することができる。
【0062】なお、上記第1の実施の形態と同等の作用
効果を得ることができることはいうまでもない。次に、
本発明の第3の実施の形態を説明する。図7は、第3の
実施の形態における概略構成図であって、図1に示す第
1の実施の形態の概略構成図において、車両の適所に設
けられた車速を検出する車速センサ(車速検出手段)2
1及び例えばブレーキ冷却風導入部であるバンパー近傍
に設けられた外気温度を検出する外気温度センサ(温度
検出手段)22が新たに追加され、これらの検出信号は
コントローラ20に入力されるようになっている。
【0063】図8は、第3の実施の形態における制動制
御処理の一例を示すフローチャートであって、図2に示
す第1の実施の形態における制動制御処理のフローチャ
ートにおいて、ステップS31の処理が追加されたこと
以外は同一である。すなわち、この第3の実施の形態で
は、図8に示すように、ステップS10の処理で、フラ
グFがF=1であるかどうかを判定し、F=1でないと
きにはステップS31に移行する。
【0064】そして、このステップS31では、後述の
戻し量推定処理によって推定されて所定の記憶領域に記
憶されている、推定熱変形量θR を読み込む。次いでス
テップS11に移行してエンコーダ14からエンコーダ
検出信号SE を読み込み、次いでステップS12に移行
して、推定熱変形量θR を戻し量θ* として設定し、こ
の戻し量θ* とエンコーダ検出信号SE とをもとに、モ
ータ11を駆動して、ブレーキパッド6aをディスクロ
ータ7から推定熱変形量θR だけ戻す。
【0065】図9は、熱変形量推定処理の一例を示すフ
ローチャートである。この熱変形量推定処理は、制動制
御処理と同様に常時行われる。そして、まず、ステップ
S41で車速センサ21からの車速検出値を読み込み、
次にステップS42で外気温度セサ22からの検出信号
を読み込む。次いで、ステップS43に移行し、例えば
押圧力センサ9の押圧力検出値SE 或いはストロークセ
ンサ16からのペダルストロークPSをもとに、制動状
態であるか、又は非制動状態であるかを判定する(制動
/非制動検出手段)。
【0066】次いで、ステップS44に移行し、ステッ
プS43の判定の結果制動状態であるならば、ディスク
ロータ7への入熱エネルギを推定し、ステップS43で
非制動状態であると判定したならばディスクロータ7か
らの放熱エネルギを推定する。前記入熱エネルギは、制
動開始時の車速である初速と制動終了時の車速である終
速とをもとに算出する。一方、放熱エネルギは空走時の
車速と外気温度とをもとに推定する。
【0067】次いで、ステップS45に移行し、ステッ
プS44で推定した入熱エネルギ及び放熱エネルギを積
算してディスクロータ7の現在の温度を推定する(ディ
スクロータ温度検出手段)。次いでステップS46に移
行して、ステップS44で推定したディスクロータ7の
温度から、熱変形量を推定する。この推定は、例えば予
め実験等によって設定した図4に示すようなディスクロ
ータ7の温度と熱変形量との対応を表す特性図、或いは
これらの相関関係を表す特性式等に基づいて推定され
る。そして、推定した推定熱変形量θR を所定の記憶領
域に記憶する。
【0068】ここで、このようにして推定したディスク
ロータ7の温度とディスクロータ7の実際の温度とを比
較してみたところ、図10に示すように、最大約10%
の誤差で推定できることを確認できた。なお、図10
は、図4の形状Aのディスクロータ7を搭載した車両A
及び車両Bについて、ディスクロータ7の実際の温度と
推定した温度とをグラフにしたものである。
【0069】したがって、上述のようにして推定したデ
ィスクロータ7の温度Tbと、予め設定したディスクロ
ータ7の温度と熱変形量との対応を表す特性図(図1
0)とをもとに、推定したディスクロータ7の温度に対
応する熱変形量θbを求めることによって、最大約10
%の誤差で熱変形量を推定することができる。次に、上
記第3の実施の形態の動作を説明する。
【0070】コントローラ20では、図9に示す熱変形
量推定処理を常時実行する。そして、車速センサ21か
らの車速検出値、外気温度センサからの外気温度検出値
をもとに、制動状態であるか非制動状態であるかに応じ
て入熱エネルギ或いは放熱エネルギを推定し、これを順
次積算してディスクロータ7の現在の温度を推定する。
そして、この推定したディスクロータ7の温度から例え
ば図4に示す特性図に基づいて熱変形量を求め、推定し
た推定熱変形量θR を所定の記憶領域に格納する。
【0071】コントローラ20では図8に示す制動制御
処理を上記と同様に実行しているが、ステップS31の
処理で、熱変形量推定処理で推定し所定の記憶領域に格
納している推定熱変形量θR を読み込み、これを戻し量
θ* とし、この戻し量θ* に基づいてモータ11を駆動
し、ブレーキパッド6aをディスクロータ7から引き離
す。
【0072】したがって、ディスクロータ7の現在の温
度を推定し、これに基づき設定した戻し量θ* だけブレ
ーキパッド6aを引き離すようにしているから、実際の
ディスクロータ7の熱変形量に応じてブレーキパッド6
aを引き離すことができ、必要以上にブレーキパッド6
aを引き離すことを回避することができる。また、ディ
スクロータ7が何らかによって通常よりも大きく熱変形
した場合等でもブレーキ引き摺りが発生することを確実
に回避することができる。
【0073】なお、上記第3の実施の形態においては、
車速センサ21と外気温度センサ22とに基づいてディ
スクロータ7の温度を推定するようにした場合について
説明したが、車速センサ21及び外気温度センサ22に
代えて、例えばディスクロータ7の温度を検出する非接
触式のディスクロータ温度センサを、ディスクロータ7
の摺動面の近傍に設け、このディスクロータ温度センサ
の検出値に基づいて熱変形量を推定するようにしてもよ
い。
【0074】また、制動時のディスクロータ7の温度
と、ブレーキパッド6a及び6bの温度とはほぼ一致す
るので、ブレーキパッド6a或いは6bに温度センサを
設け、この温度センサで検出したブレーキパッド6a或
いは6bの温度をディスクロータ7の温度とみなし、こ
れに基づいて熱変形量を推定するようにしてもよい。次
に、本発明の第4の実施の形態を説明する。
【0075】この第4の実施の形態は、上記第3の実施
の形態において、空走状態となったときに、そのときの
ディスクロータ7の熱変形量に応じて、ブレーキパッド
6aをディスクロータ7に近づける方向に押し戻す、押
し戻し処理を実行するようにようにしたものである。上
記第3の実施の形態において、押し戻し処理を実行する
ようにしたこと以外は同様であるので、同一部の詳細な
説明は省略する。
【0076】図11は、押し戻し処理の一例を示すフロ
ーチャートである。この押し戻し処理では、まず、ステ
ップS51で車両が空走状態であるかどうかを判定する
(空走状態検出手段)。この空走状態であるかどうかの
判定は、例えばストロークセンサ16で検出したペダル
ストロークPSをもとに、ペダルストロークPSが増加
傾向にあり且つ予め設定したしきい値以下であるときに
空走状態であると判定する。
【0077】そして、ステップS51で、空走状態とな
ったと判定されたときには、ステップS52に移行し、
前記図9に示す熱変形量推定処理で推定し所定の記憶領
域に書き込まれている推定熱変形量θR を読み込む。次
いで、ステップS53に移行して、推定熱変形量θR
もとに、ブレーキパッド6aをディスクロータ7の方向
に押し戻す必要があるかどうかを判定する。つまり、推
定熱変形量θR が略零であれば戻す必要はないと判定す
る。
【0078】そして、ステップS53でブレーキパッド
6aを押し戻す必要がないと判定されるときにはステッ
プS51に戻る。一方、ブレーキパッドを押し戻す必要
があると判定されるときには、ステップS54に移行
し、エンコーダ14からのエンコーダ検出信号SE を読
み込む。次いで、ステップS55に移行して、エンコー
ダ検出信号SE で特定されるブレーキパッド6aの位置
と、推定熱変形量θR から特定されるディスクロータ7
の熱倒れ状態と、ブレーキパッド6aとディスクロータ
7とのクリアランスを規定クリアランスとし得るブレー
キパッド6aの位置等をもとに、ブレーキパッド6aの
移動量を特定し、これを実現すべくモータ11を駆動す
る。
【0079】次いで、ステップS56に移行し、再度エ
ンコーダ14からのエンコーダ検出信号SE を読み込
み、所定の移動量だけブレーキパッド6aが移動したか
どうかを判定し、移動していなければステップS55に
戻って再度モータ11を駆動する。そして、所定の移動
量だけブレーキパッド6aが移動した場合には処理を終
了してステップS51に戻る。
【0080】なお、前記ステップS54〜S56の処理
が押し戻し手段に対応している。次に、上記第4の実施
の形態の動作を、図5に基づいて説明する。今、ブレー
キペダル15が踏み込まれている状態から、ブレーキペ
ダル15が開放状態となると、踏込量が減少し、押圧力
センサ9の押圧力検出値Spが減少して、しきい値Sp
0 を下回った時点で、図8に示す制動制御処理におい
て、ステップS4からS10を経てステップS31に移
行し、この時点における推定熱変形量θR が読み込ま
れ、この推定熱変形量θR だけブレーキパッド6aをデ
ィスクロータ7から引き離すようにモータ11が駆動さ
れて、ブレーキパッド6aとディスクロータ7とのクリ
アランスは、ディスクロータ7の推定熱変形量θRであ
る戻し量θ* に保たれる。
【0081】この状態から、加速状態となると、時間が
経過するにつれてディスクロータ7は空転しディスク温
度が減少し、その熱変形量は徐々に小さくなりディスク
ロータ7は直立状態に移行する。そして、時点t3 でア
クセルペダルが開放されて空走状態となると、図11の
押し戻し処理において、ステップS51からステップS
52に移行し、図9に示す熱変形量推定処理で推定され
た推定熱変形量θR が読み込まれる。そして、推定熱変
形量θR が大きいとき、つまりディスクロータ7の熱変
形量が大きいときには、ブレーキパッド6aとディスク
ロータ7との間のクリアランスが大きくブレーキパッド
6aを押し戻す必要があると判定されて、ステップS5
3からS54に移行し、この時点のエンコーダ14のエ
ンコーダ検出信号SE をもとにブレーキパッド6aの現
在位置が特定され、これと、推定熱変形量θR に基づく
ディスクロータ7の熱倒れ状態とに基づいてモータ11
が駆動される。
【0082】これによって、ブレーキパッド6aがディ
スクロータ7側に移動し、ブレーキパッド6aとディス
クロータ7とのクリアランスが規定クリアランスに保た
れる。したがって、空走状態からブレーキペダル15の
踏込みが行われた場合、このときブレーキパッド6aと
ディスクロータ7とのクアランスは規定クリアランスに
保たれているから、直ちにブレーキパッド6aがディス
クロータ7に作用することになって、制動時の応答性を
確保することができる。
【0083】そして、加速中の空転によって、ディスク
ロータ7がすでに直立状態に復帰しており、推定熱変形
量θR が略零であるときには、ステップS53の処理
で、ブレーキパッド6aを押し戻す必要はないと判定さ
れ、ブレーキパッド6aの押し戻しは行われない。した
がって、このように、空走状態となったとき、つまり、
ブレーキペダル15が踏み込まれると予測されるとき
に、現在のディスクロータ7の熱変形量に応じて、ブレ
ーキパッド6aをディスクロータ7側に戻すようにした
から、ディスクロータ7とブレーキパッド6aとのクリ
アランスは規定クリアランスに維持される。よって、ブ
レーキペダル15が踏み込まれたときの応答性を確保す
ることができる。
【0084】なお、上記第4の実施の形態においては、
ストロークセンサ14のペダルストロークPSをもと
に、空走状態となったかどうかを検出するようにした場
合について説明したが、例えば、図示しないアクセルペ
ダルの踏込み量を検出するセンサを設け、このセンサの
検出信号に基づいてアクセルペダルが開放状態となった
ときに、空走状態となったと判定するようにしてもよ
い。
【0085】また、上記第4の実施の形態においては、
空走状態となったときにブレーキパッド6aを押し戻す
ようにしているが、空走状態となった後、制動状態に移
行せずに再度加速した場合には、ブレーキパッド6aを
戻した分だけ引き離すようにしてもよい。このようにす
ることによって、制動状態に移行せずに加速した場合
に、ディスクロータ7が直立状態に復帰することによっ
て、ブレーキパッド6aと接触しブレーキ引き摺りが生
じることを防止することができる。
【0086】また、この第4の実施の形態においては、
制動終了時に、このときのディスクロータ7の熱変形量
に応じた戻し量だけブレーキパッド6aをディスクロー
タ7から引き離し、空走状態となったときに、この時点
におけるディスクロータ7の熱変形量に応じてブレーキ
パッド6aをディスクロータ7側に戻すようにした場合
について説明したが、例えば、制動終了時から、非制動
状態であり且つディスクロータ7が直立状態に復帰する
までの間は、ディスクロータ7の熱変形量とエンコーダ
14のエンコーダ検出信号SE に基づくブレーキパッド
6aの位置とをもとに、ディスクロータ7とブレーキパ
ッド6aとのクリアランスが規定クリアランスとなるよ
うに、モータ11を駆動し(ピストン位置制御手段)、
ディスクロータ7の熱倒れ状態に関わらず、常にブレー
キパッド6aとディスクロータ7との間のクリアランス
を所定値に維持するようにしてもよい。
【0087】次に、本発明の第5の実施の形態を説明す
る。この第5の実施の形態は、上記第1の実施の形態に
おいて、ストロークセンサ16のペダルストロークPS
がしきい値PS0 以下であるときに、暗電流を流すこと
によって、制動時の応答性を向上させるようにしたもの
である。その構成は第1の実施の形態と同等であるので
その詳細な説明は省略する。
【0088】すなわち、第5の実施の形態における制動
制御処理は、図12に示すように、図2に示す第1の実
施の形態における制動制御処理において、ステップS5
の処理でストロークセンサ16からのペダルストローク
PSがしきい値PS0 よりも小さいときには、ステップ
S61に移行し、前回読み込み時のペダルストロークP
Sと今回のペダルストロークPSとを比較すること等に
よってブレーキペダル15が踏込み傾向にあるかどうか
を判定する。
【0089】このステップS61の処理で、踏込み傾向
にないと判定されるときにはそのままステップS1に戻
る。一方、ステップS61の処理で踏込み傾向にあると
判定されるときには、ステップS62に移行し、図示し
ないモータ11の駆動回路に対し、ピストン2を移動さ
せない電流、つまり、モータ11の出力軸からネジ4ま
でのフリクション以内のトルクを発生させる暗電流をモ
ータ11に供給するように指示を行う。そして、ステッ
プS1に戻る。
【0090】したがって、ブレーキペダル15の踏込量
がブレーキペダル15の遊びの範囲にあるときに、暗電
流が供給されるから、その後ブレーキペダル15が踏み
込まれたときには、モータ11は速やかに駆動すること
になる。したがって、ピストン2が速やかに移動し、こ
れに伴ってブレーキパッド6aが速やかにディスクロー
タ7に作用するから、制動時の応答性を向上させること
ができる。
【0091】なお、この第5の実施の形態においては、
第1の実施の形態に適用した場合について説明したが、
第2〜第4の実施の形態に適用することができることは
いうまでもなく、この場合にも、第5の実施の形態と同
等の作用効果を得ることができる。なお、上記各実施の
形態においては、ナット4及びネジシャフト5からなる
直線変換機構、減速機12を設けた場合について説明し
たが、必要に応じて遊星ギヤ等を用いて構成することも
できる。また、直線変換機構としてナット4及びネジシ
ャフト5を用いる場合について説明したが、これに限る
ものではなく回転運動を直線運動に変換する機構であれ
ば適用することができる。
【0092】また、上記各実施の形態において、制動制
御処理のステップS12の処理でブレーキパッド6aを
ディスクロータ7から引き離すときに、位置制御の応答
性及び制御精度を向上させるために、エンコーダ14の
信号からモータ11の回転速度を算出し、慣性を保証す
る制御を行うようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す概略構成図で
ある。
【図2】第1の実施の形態における、制動制御処理の一
例を示すフローチャートである。
【図3】踏力とモータの駆動電流との対応を表す特性図
である。
【図4】ディスクロータの温度と熱変形量との対応を表
す特性図である。
【図5】第1の実施の形態の動作説明に供する説明図で
ある。
【図6】第2の実施の形態における、制動制御処理の一
例を示すフローチャートである。
【図7】第3の実施の形態を示す概略構成図である。
【図8】第3の実施の形態における、制動制御処理の一
例を示すフローチャートである。
【図9】熱変形量推定処理の一例を示すフローチャート
である。
【図10】熱変形量の推定精度の説明に供する説明図で
ある。
【図11】第4の実施の形態における押し戻し処理の一
例を示すフローチャートである。
【図12】第5の実施の形態における、制動制御処理の
一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 キャリパ 2 ピストン 3 シリンダ 4 ナット 5 ネジシャフト 6a,6b ブレーキパッド 7 ディスクロータ 9 押圧力センサ 11 モータ 12 減速機 14 エンコーダ 15 ブレーキペダル 16 ストロークセンサ 17 踏力センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3D046 BB03 EE01 HH02 HH15 HH16 HH22 HH51 JJ01 3D048 BB33 CC49 HH18 HH64 HH66 QQ07 RR06 RR11 RR13 RR25 RR29 RR35 3J058 AA43 AA48 AA53 AA69 AA73 AA78 AA83 AA87 BA16 BA60 CC12 CC77 DB18 DB20 DB21 DB23 DB25 DB27 FA01

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディスクロータをその両側から一対のブ
    レーキパッドで押圧して制動力を発生し、且つ前記ブレ
    ーキパッドの押圧力を制御することにより前記制動力を
    制御可能な制動力発生手段と、 ブレーキペダルの踏込量を検出するブレーキ踏込量検出
    手段と、 前記ブレーキペダル踏込量検出手段で検出したブレーキ
    ペダル踏込量に応じて前記ブレーキパッドの押圧力を制
    御する制動力制御手段と、を備えた電動ブレーキ装置に
    おいて、 制動終了時に、制動に伴う前記ディスクロータの熱変形
    量に応じて前記ブレーキパッドを前記ディスクロータか
    ら引き離すようになっていることを特徴とする電動ブレ
    ーキ装置。
  2. 【請求項2】 ディスクロータをその両側から一対のブ
    レーキパッドで押圧して制動力を発生し、且つ前記ブレ
    ーキパッドの押圧力を制御することにより前記制動力を
    制御可能な制動力発生手段と、 キャリパ内に形成したシリンダと、 当該シリンダ内に摺動自在に配置され且つ前記ブレーキ
    パッドの一方と一体に移動するピストンと、 ブレーキペダルの踏込量を検出するブレーキペダル踏込
    量検出手段と、 前記ブレーキペダル踏込量検出手段で検出したブレーキ
    ペダル踏込量に応じて前記ピストンの位置制御を行う制
    動力制御手段と、を備えた電動ブレーキ装置において、 制動に伴う前記ディスクロータの熱変形量を検出する熱
    変形量検出手段と、 制動が終了したかどうかを検出する制動終了検出手段
    と、 当該制動終了検出手段で制動が終了したことを検出した
    ときに、前記熱変形量検出手段で検出した熱変形量に基
    づき、前記ブレーキパッドを前記ディスクロータから引
    き離す方向に前記ピストンを移動する引き離し手段と、
    を備えることを特徴とする電動ブレーキ装置。
  3. 【請求項3】 制動力発生状態を検出する制動力検出手
    段を有し、前記制動終了検出手段は、前記制動力検出手
    段で検出した制動力発生状態が予め設定した規定状態と
    なったときに制動が終了したと判定するようになってい
    ることを特徴とする請求項2記載の電動ブレーキ装置。
  4. 【請求項4】 前記制動力検出手段は、前記制動力発生
    手段で発生する制動力を直接検出する制動力センサであ
    って、前記制動終了検出手段は、前記制動力センサの検
    出値が予め設定したしきい値を下回ったときに制動が終
    了したと判定するようになっていることを特徴とする請
    求項3記載の電動ブレーキ装置。
  5. 【請求項5】 前記制動終了検出手段は、前記ブレーキ
    ペダル踏込み量検出手段で検出したブレーキペダル踏込
    量が予め設定したしきい値を下回ったときに制動が終了
    したと判定するようになっていることを特徴とする請求
    項2記載の電動ブレーキ装置。
  6. 【請求項6】 前記熱変形量検出手段は、前記ディスク
    ロータの温度を検出するディスクロータ温度検出手段を
    備え、予め設定したディスクロータの温度と熱変形量と
    の対応と、前記ディスクロータ温度検出手段で検出した
    ディスクロータの温度とに基づいて、前記熱変形量を推
    定するようになっていることを特徴とする請求項2乃至
    5の何れかに記載の電動ブレーキ装置。
  7. 【請求項7】 前記ディスクロータ温度検出手段は、前
    記ディスクロータの温度を直接検出する温度センサであ
    ることを特徴とする請求項6記載の電動ブレーキ装置。
  8. 【請求項8】 前記ディスクロータ温度検出手段は、前
    記ブレーキパッドの温度を検出する温度センサであるこ
    とを特徴とする請求項6記載の電動ブレーキ装置。
  9. 【請求項9】 前記ディスクロータ温度検出手段は、車
    速を検出する車速検出手段と、外気温度を検出する温度
    検出手段と、制動状態であるか否かを検出する制動/非
    制動検出手段と、を備え、 前記車速検出手段で検出した車速、前記温度検出手段で
    検出した外気温度及び前記制動/非制動検出手段で検出
    した状態をもとに、前記ディスクロータの入力エネルギ
    及び放熱エネルギを算出し、これらエネルギの累積値に
    基づいて前記ディスクロータ温度を推定するようになっ
    ていることを特徴とする請求項6記載の電動ブレーキ装
    置。
  10. 【請求項10】 空走状態になったかどうかを検出する
    空走状態検出手段と、 当該空走状態検出手段で空走状態になったことを検出し
    たとき、前記ピストンを、前記熱変形量検出手段で検出
    した熱変形量に応じて前記ブレーキパッドを前記ディス
    クロータに近づく方向に移動する押し戻し手段を備える
    ことを特徴とする請求項2乃至9の何れかに記載の電動
    ブレーキ装置。
  11. 【請求項11】 前記制動力制御手段は、前記ピストン
    を移動させるモータを備え、 前記ブレーキペダル踏込量検出手段で検出したブレーキ
    ペダル踏込量が増加傾向にあり且つ予め設定したしきい
    値以下であるとき、前記モータに、前記ピストンを移動
    させない暗電流を供給するようになっていることを特徴
    とする請求項2乃至10に記載の電動ブレーキ装置。
  12. 【請求項12】 ディスクロータをその両側から一対の
    ブレーキパッドで押圧して制動力を発生し、且つ前記ブ
    レーキパッドの一方の押圧力を制御することにより前記
    制動力を制御可能な制動力発生手段と、 キャリパ内に形成したシリンダと、 当該シリンダ内に摺動自在に配置され且つ前記ブレーキ
    パッドの一方と一体に移動するピストンと、 制動力発生状態を検出する制動力検出手段と、 ブレーキペダルの踏込量を検出するブレーキペダル踏込
    量検出手段と、 前記制動力検出手段で検出した制動力発生状態が、前記
    ブレーキペダル踏込量検出手段で検出したブレーキペダ
    ル踏込量に応じた制動力発生状態となるように前記ピス
    トンを移動する制動力制御手段と、を備えた電動ブレー
    キ装置において、 制動に伴う前記ディスクロータの熱変形量を検出する熱
    変形量検出手段と、 制動が終了したことを検出する制動終了検出手段と、 当該制動終了検出手段で制動が終了したことを検出した
    時点から非制動状態である間に、前記熱変形量検出手段
    で検出した熱変形量に基づき、前記ブレーキパッドと前
    記ディスクロータとのクリアランスが所定値となるよう
    に前記ピストンの位置制御を行うピストン位置制御手段
    と、を備えることを特徴とする電動ブレーキ装置。
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