JP2553268B2 - 窒化アルミニウム焼結体の製造方法 - Google Patents

窒化アルミニウム焼結体の製造方法

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JP2553268B2
JP2553268B2 JP3249558A JP24955891A JP2553268B2 JP 2553268 B2 JP2553268 B2 JP 2553268B2 JP 3249558 A JP3249558 A JP 3249558A JP 24955891 A JP24955891 A JP 24955891A JP 2553268 B2 JP2553268 B2 JP 2553268B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は導電層を有する窒化アル
ミニウム焼結体の製造方法に関する。詳しくは、導電層
と窒化アルミニウム焼結体との密着が良好で、更に該導
電層の表面へのメッキの密着強度も高い上記窒化アルミ
ニウム焼結体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器の小型化・高密度化及び
半導体部品の高出力化に伴い、半導体部品から発生する
熱をいかに放散させるかが大きな問題となっている。こ
れに対し窒化アルミニウム焼結体は、高い熱伝導率を有
し、電機絶縁性が良く、Siとほぼ同じ熱膨張率を有す
る等の優れた性質を持つため、半導体部品の基板として
使用され始めている。
【0003】窒化アルミニウム焼結体を半導体基板とし
て使用するには、その表面に導電性金属による導電層の
形成、所謂メタライズを行う必要がある。上記メタライ
ズを行う方法の一つとして同時焼成法が行われている。
かかる同時焼成法は、導電層の基板への焼きつけと、基
板の焼結を一回の焼成で同時に行う方法であり、焼成後
にメタライズを行う方法に比べ、工程数が少ないという
有利な面を持っている。
【0004】従来、窒化アルミニウムの同時焼成法は、
有機化合物よりなる結合剤を用いて成形された窒化アル
ミニウム粉体の成形体表面に、高融点金属粉ペーストを
積層し、該積層成形体を加熱脱脂した後、非酸化性雰囲
気で焼結する製造方法が一般に実施されている。
【0005】ところが、上記方法では、窒化アルミニウ
ム焼結体と導電層との十分に高い接合強度を得る事が難
しく、不安定であった。そこで、上記問題点を解決する
手段として、上記高融点金属粉ペーストに窒化アルミニ
ウム粉を添加した高融点金属粉ペーストを使用する技術
が提案されている。この方法により窒化アルミニウム焼
結体と導電層との接合強度を著しく向上させることが可
能となった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、窒化ア
ルミニウムを添加した高融点金属粉ペーストを使用した
場合、該ペーストによって形成される導電層表面に窒化
アルミニウムによる変色が発生し易くなるという現象が
生ずる。そのため、該導電層の表面に半田付け又はろう
付けにより、Siチップ又はピン等の電極を接合しよう
とする場合、次のような問題を有する。即ち、高融点金
属の半田等の濡れを改良するために、導電層表面にNi
等のメッキを施す際に、上記変色部位は窒化アルミニウ
ムが導電層表面に析出しているため、メッキが掛かり難
く、もし掛かったとしてもメッキの十分な接合強度を得
ることができない。従って、同時焼成法において、窒化
アルミニウム焼結体への接合強度及びメッキとの接合強
度が共に優れた導電層を形成する方法の開発が望まれ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決すべく研究を重ねた結果、上記した変色が導電ペ
ーストに含有される窒化アルミニウムと脱脂後の炭素の
作用により生じることの知見を得、高融点金属粉の粒
径、導電ペーストへの窒化アルミニウム粉の添加量、前
記積層成形体の脱脂体の残炭率をそれぞれ特定の範囲に
制御することにより、導電層表面の窒化アルミニウムに
よる変色の発生を抑えることができ、該導電層とメッキ
層との均一且つ十分な接合強度が得られると共に、該導
電層は窒化アルミニウム焼結体にも十分な接合強度を有
することを見い出し、本発明を提案するに至った。
【0008】即ち、本発明は、窒化アルミニウム,焼結
助剤及び有機結合剤よりなる成形体(以下、AlN成形
体ともいう)表面に、平均粒径0.8〜5μmの高融点
金属粉末100重量部及び窒化アルミニウム2〜10重
量部よりなる導電ペーストの層を形成した導電ペースト
積層成形体を残炭率が2000ppm以下となるように
脱脂した後、焼結することを特徴とする導電層を有する
窒化アルミニウム焼結体の製造方法である。
【0009】本発明において、AlN成形体を構成する
窒化アルミニウム粉末は、公知のものが特に制限なく使
用される。一般に好適に用いられる窒化アルミニウム粉
末としては、沈降法で測定した平均粒径が5μm以下で
あり、好適には3μm以下、最も好適には0.5〜2μ
mの範囲にある粉末が好ましい。また、比表面積から算
出した平均粒径D1と沈降法で測定した平均粒径D2とが
下記式 0.2μm≦D1≦1.5μm D2/D1≦2.60 を共に満足する窒化アルミニウム粉末は、焼結時におけ
る線収縮率を小さくすることができ、焼結体の寸法安定
性が向上するばかりでなく、導電ペースト層の線収縮率
に近づくため、かかる接合強度を一層高めることができ
ることより好適に使用される。
【0010】また、上記窒化アルミニウム粉末は、酸素
含有量が3.0重量%以下、且つ窒化アルミニウム組成
をAlNとするとき含有する陽イオン不純物が0.5重
量%以下、特に、酸素含有量が0.4〜1.3重量%の
範囲にあり、そして陽イオン不純物の含有量が0.2重
量%以下であり且つ陽イオン不純物のうちFe、Ca、
Si及びCの合計含有量が0.17重量%以下である窒
化アルミニウム粉末が好適である。このような窒化アル
ミニウム粉末を用いた場合には、得られる窒化アルミニ
ウム焼結体の熱伝導率の向上が大きくなるために本発明
で好適に用いられる。
【0011】本発明において使用される焼結助剤は、公
知のものが特に制限なく使用される。具体的には、アル
カリ土類金属化合物、例えば酸化カルシウムなどの酸化
物、イットリウム及びランタニド元素よりなる化合物、
例えば酸化イットリウムなどの酸化物等が好適に使用さ
れる。
【0012】また、本発明において使用される有機結合
剤も公知のものが特に制限なく使用される。具体的に
は、ポリビニールブチラール、ポリメチルメタアクリレ
ート、セルロースアセテートブチレート、ニトロセルロ
ース、ポリアクリル酸エステル、ポリビニールアルコー
ル、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、
及びポリエチレンオキサイド等の含酸素有機高分子体、
その他石油レジン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リスチレン等の炭化水素系合成樹脂、ポリ塩化ビニー
ル、アクリル系樹脂及びそのエマルジョン等の有機高分
子体が一種又は二種以上混合して使用される。
【0013】本発明において、AlN成形体を構成する
上記各成分の割合は、公知の配合割合が特に制限なく採
用される。例えば、窒化アルミニウム100重量部に対
して、焼結助剤0.01〜10重量部、有機結合剤0.
1〜30重量部が適当である。
【0014】また、本発明によって得られる焼結体をパ
ッケージ等として使用する場合、紫外線等の通過による
ICメモリーへの悪影響を防止するために、必要に応じ
て、黒色化剤を上記成形体に添加しても良い。
【0015】黒色化剤としては、W、Mo、V、Nb、
Ta、Ni、Pd、Ti、Zr、Hf、Cr、Mn、F
e、Co、Nd、Ho等の化合物が挙げられる。特にこ
の中で、W、Mo、Ti化合物は、熱伝導率等の焼結体
物性を損なうことなく、効果的に黒色焼結体を得ること
ができるため、好適に使用される。上記W化合物として
は、WO 3 、CaWO 4 等が、上記Mo化合物としては、
MoO 3 、CaMoO 4 等が、上記Ti化合物としては、
TiN等が挙げられる。
【0016】上記黒色化剤の添加量は、窒化アルミニウ
ム100重量部に対して、通常0.01〜15重量部、
好ましくは0.1〜10重量部の範囲から選択すればよ
い。また、AlN成形体の形状は、シート状、板状、箱
型、筒状等、特に限定されるものではない。更に、該成
形体は、一体成形により得られるものであってもよい
し、シート状成形体を複数枚積層して得られるものでも
よい。
【0017】本発明において、導電ペーストを構成する
高融点金属粉末は、窒化アルミニウムの焼結温度より高
い融点を有するものであれば特に制限されない。具体的
には、タングステン、モリブデン等の金属が好適に使用
される。
【0018】上記高融点金属粉末は、平均粒径0.8〜
5μm、好ましくは0.8〜4μm、更に好ましくは1
〜3μmのものが使用される。平均粒径が0.8μmよ
り小さい場合は、導電層の焼成時の収縮率が窒化アルミ
ニウム部の収縮率より大きく成り過ぎるため、導電層に
亀裂が入ってしまい、窒化アルミニウム焼結体と導電層
との接合強度も低下する。また平均粒径が5μmより大
きい場合は、高融点金属粉末の焼結性が悪くなり、焼結
後の高融点金属粒子間の隙間が大きくなるため、窒化ア
ルミニウムが導電層表面に析出し易くなり、前記したよ
うに、該導電層とメッキ層との接合強度が低下し、本発
明の目的を達成することができない。
【0019】また、導電ペーストに使用される窒化アル
ミニウムは、公知のものが特に制限なく使用される。特
に前記したAlN成形体において好適に使用される性状
の窒化アルミニウム粉は、高融点金属との焼結性が良
く、導電層の密着性を向上させるのに効果があるため、
好適に使用される。
【0020】本発明において、導電ペーストは、上記高
融点金属粉末100重量部に対して、2〜10重量部、
好ましくは3〜8重量部の窒化アルミニウム粉末を配合
した組成を有する。また、一般に、上記高融点金属粉末
及び窒化アルミニウム粉末との組成物をペースト状とす
るため、該組成物とエチルセルロース等の有機結合剤、
テルピネオール等の有機溶剤等とを混合して、適当な粘
度、一般には、8万〜12万センチポイズ(cps)の
粘度のペーストに調整される。
【0021】上記導電ペーストの組成において、窒化ア
ルミニウムの割合が2重量部より少ない場合は、導電層
と窒化アルミニウム焼結体との密着が悪くなり、接合強
度が低くなったり、引張(Pull)試験において導電
層と窒化アルミニウム焼結体間での剥離という好ましく
ない剥離モードが発生する。また、窒化アルミニウムが
10重量部より多い場合は、導電層表面に窒化アルミニ
ウムによる変色が発生し易くなるため、メッキが掛かり
難くなり、たとえメッキを掛けたとしてもメッキ層と導
電層間の均一且つ十分な接合強度を得ることが出来な
い。
【0022】本発明においては、上記窒化アルミニウム
等よりなる成形体表面に上記導電ペーストの層を形成
し、導電ペースト積層成形体を得る。成形体表面に導電
ペーストの層を形成する方法は、公知の方法が特に制限
なく採用される。一般には、上記導電ペーストを、スク
リーン印刷等によって塗布する方法が採用される。
【0023】本発明において、上記導電ペースト積層成
形体は、残炭率が2000ppm以下、好ましくは15
00ppm以下、更に好適には1000ppm以下とな
るように脱脂することが必要である。即ち、残炭率が2
000ppmを超えた場合、他の条件を満足しても、形
成される導電層表面に窒化アルミニウムが析出し易くな
り、前記したように、メッキ層と導電層間の均一且つ十
分な接合強度を得ることができず、本発明の目的を達成
することができない。
【0024】上記導電性ペーストを積層したAlN成形
体を、残炭率が2000ppm以下となるように脱脂を
行う方法は特に制限されない。代表的な方法を例示すれ
ば、加湿した還元性ガス雰囲気で加熱脱脂する方法が挙
げられる。上記還元性ガス雰囲気としては、一般に水素
が使用され、必要により窒素、アルゴン、ヘリウム等の
不活性ガスで希釈して使用される。また、上記還元性ガ
ス雰囲気は、これに水蒸気が含まれる。水蒸気圧は、1
〜100mmHgとすることが残炭率を前記範囲に下
げ、且つ高融点金属の酸化を抑えるために好ましい。
【0025】また、上記の脱脂温度は適宜選択される
が、通常700〜1200℃、好ましくは800〜10
00℃の温度が採用される。また、かかる温度への昇温
速度は、特に限定されるものではないが、一般に10℃
/分以下が好ましい。
【0026】更に、脱脂時間は、脱脂後の成形体の残炭
率が、2000ppm以下となる時間を設定すればよ
い。かかる時間は、成形体の肉厚、脱脂温度等により多
少異なるため、一概に特定することはできないが、一般
に1〜500分の範囲で決定される。
【0027】本発明において、脱脂された残炭率200
0ppm以下の導電ペースト積層AlN成形体(以下、
「脱脂体」という)は、次いで非酸化性雰囲気又は乾燥
した還元性ガス雰囲気下で焼結する。上記非酸化性雰囲
気としては例えば、窒素、アルゴン、ヘリウム等のガス
の単独或いは混合ガスよりなる雰囲気又は真空(又は減
圧)雰囲気が使用される。また、乾燥した還元性ガス雰
囲気としては、前記した雰囲気が使われる。また、焼結
の温度条件は、特に限定されないが、一般に徐々に昇温
して、1400〜2100℃、好ましくは1650〜1
900℃で焼成する。かかる温度への昇温速度は、特に
限定されるものではないが、1〜40℃/分が一般的で
ある。また、上記温度の保持時間は、一般に1分〜20
時間の条件が採用される。
【0028】本発明の方法によって得られた窒化アルミ
ニウム焼結体の導電層表面にメッキ層を形成する方法
は、公知の方法が特に制限なく採用される。例えば、メ
ッキの材質としては、ニッケル、金等の金属が一般的で
あり、メッキの手段としては、無電解メッキ、電解メッ
キ、及びこれらの組合せ等による手段を特に制限なく採
用することができる。
【0029】
【発明の効果】以上の説明より理解されるように、本発
明によれば、導電層の密着を改善するために添加した窒
化アルミニウムによる導電層表面の変色を極めて効果的
に防止できるため、メッキ層と均一且つ高度な接合強度
を得ることができると共に、該導電層が窒化アルミニウ
ム焼結体との接合強度においても優れているという効果
を発揮する。従って、窒化アルミニウムの同時焼成法に
より、導電層及びメッキ層の両者共に密着の優れたメタ
ライズされた窒化アルミニウム焼結体を得ることがで
き、その工業的価値は極めて大である。
【0030】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に例示
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。
【0031】尚、実施例・比較例において、残存炭素は
非分散型赤外吸収法炭素分析装置(EMIA−110、
堀場製作所製)により分析した値である。
【0032】比表面積から求める平均粒径D1は、下記
式により算出した。
【0033】 また、沈降法による平均粒径D2は、堀場製作所製遠心
式粒度分布測定装置CAPA500で測定した。
【0034】Pull強度は、以下のように測定した。
まず、導電層表面に厚み2μmのNiメッキ層を形成
後、Niメッキしたネールヘッドピンを垂直に半田付け
した。ネールヘッドピンは、ネールヘッド径1.1m
m、ピン径0.5mm、42−アロイ製であり、半田
は、スズ60重量%、鉛40重量%の組成のものであ
る。これを、(株)東洋精機製作所製ストログラフM2
にセットし、ネールヘッドピンを垂直方向に引っ張った
際の破壊強度を測定した。引っ張り速度は、10mm/
分とした。また、剥離モードは、試験後のピン及び焼結
体の破壊面を、実体顕微鏡及びX線マイクロアナライザ
ーにより観察することにより調べた。
【0035】実施例1 沈降法による平均粒径が1.60μmで、比表面積が
2.5m2/g、従って比表面積から算出された平均粒
径が0.74μmで表1に示す組成の窒化アルミニウム
100重量部と、Y 2 3 を5重量部、有機結合剤として
分子量30000〜34000のポリビニールブチラー
ルを7.3重量部、解膠剤としてグリセリントリオレエ
ートを1.6重量部及び可塑剤としてジブチルフタレー
トを12.2重量部を、61重量部のトルエン−ブタノ
ール−混合溶媒(混合重量比トルエン/ブタノール=6
0/40)中で混合してスラリーを調製した。
【0036】
【表1】
【0037】得られたスラリーをドクターブレード方式
のシート成形機を用いてポリプロピレンィルム上にシー
ト状に成形し、次いでこの成形物を室温で5時間、その
後60℃で6時間乾燥して前記溶媒を飛散させ幅約10
cm、厚さ約0.7mmの窒化アルミニウムグリーンシ
ートを作製した。このシートを50×50mmに切断し
た。次に平均粒径2.5μmのタングステン粉末100
重量部に対して、上記窒化アルミニウム粉末5重量部、
エチルセルロース2重量部、テルピネオール20重量部
をらいかい機、続いて3本ロールミルで十分に混練して
ペーストにし、スクリーン印刷により前記切断した窒化
アルミニウムグリーンシートの両面にベタパターンの印
刷を行った。印刷膜厚は15μmであった。
【0038】このように作製した窒化アルミニウムグリ
ーンシート印刷体を、露点35℃の加湿水素ガスを流通
させながら850℃、2時間加熱脱脂を行った。昇温速
度は2.5℃/分であった。同時に加熱脱脂したテスト
サンプルの残留炭素を調べたところ、980ppmであ
った。
【0039】脱脂後、前記脱脂体を窒化アルミニウム製
の容器に入れ、窒素雰囲気中1800℃で5時間加熱し
た(焼結)。得られた窒化アルミニウム焼結体の導電層
表面には変色は発生せず、均一な面であった。続いて、
該焼結体の導電層表面に無電解Ni−Bメッキを施し
た。メッキ不析出も無く、均一な色調のメッキ表面であ
った。導電層のPull強度を測定したところ、最大1
5.0kg/mm2、最小12.0kg/mm2、平均1
3.0kg/mm2(N=10)であった。最大強度の
サンプルの剥離モードは、半田内破壊であり、最小強度
のサンプルの剥離モードも同じく半田内破壊であった。
これらの結果をまとめて表2に示す。
【0040】実施例2〜9、比較例1〜4 実施例1において、表2に示す導電ペーストにおけるタ
ングステン粉の粒径及び、該ペーストへの窒化アルミニ
ウム添加量を変更した以外は、実施例1と同様にした。
その結果を表2に示す。
【0041】実施例10 実施例1で作製した窒化アルミニウムグリーンシート印
刷体を、露点30℃の加湿水素ガスを流通させながら8
00℃、30分間加熱脱脂を行った。更に加湿を止め乾
燥水素ガスに切替え、900℃まで昇温し2時間加熱脱
脂を続けた。昇温速度は2.5℃/分であった。同時に
加熱脱脂したテストサンプルの残留炭素を調べたとこ
ろ、1480ppmであった。
【0042】脱脂後、前記脱脂体を窒化アルミニウム製
の容器に入れ、窒素雰囲気中1800℃で5時間加熱し
た(焼結)。得られた窒化アルミニウム焼結体の導電層
表面には変色は発生せず、均一な面であった。続いて、
該焼結体の導電層表面に無電解Ni−Bメッキを施し
た。メッキ不析出も無く、均一な色調のメッキ表面であ
った。導電層のPull強度を測定したところ、最大1
4.6kg/mm2、最小11.2kg/mm2、平均1
1.8kg/mm2(N=10)であった。最大強度の
サンプルの剥離モードは、半田内破壊であり、最小強度
のサンプルの剥離モードも同じく半田内破壊であった。
これらの結果をまとめて表2に示す。
【0043】実施例11〜15 実施例10において、表2に示す導電ペーストにおける
タングステン粉の粒径及び、該ペーストへの窒化アルミ
ニウム添加量を変更した以外は、実施例10と同様にし
た。その結果を表2に示す。
【0044】比較例5 実施例1において作製した窒化アルミニウムグリーンシ
ート印刷体を、真空下1000℃、2時間加熱脱脂を行
った。昇温速度は1℃/分であった。同時に加熱脱脂し
たテストサンプルの残留炭素を調べたところ、3600
ppmであった。
【0045】脱脂後、前記脱脂体を窒化アルミニウム製
の容器に入れ、窒素雰囲気中1800℃で5時間加熱し
た(焼結)。得られた窒化アルミニウム焼結体の導電層
表面には変色が発生していた。続いて、該焼結体の導電
層表面に無電解Ni−Bメッキを施した。メッキ前の導
電層表面に変色が発生していた部位の一部に、メッキ不
析出が発生した。導電層のPull強度を測定したとこ
ろ、最大11.5kg/mm2、最小2.5kg/m
2、平均7.5kg/mm2(N=10)であった。最
大強度のサンプルの剥離モードは、半田内破壊である
が、最小強度のサンプルの剥離モードは、W層とメッキ
層間の剥離であった。これらの結果をまとめて表2に示
す。
【0046】実施例16 実施例1において、タングステン粉をモリブデン粉に変
更した以外は、実施例1と同様にした。
【0047】得られた窒化アルミニウム焼結体の導電層
表面には変色は発生せず、均一な面であった。続いて、
該焼結体の導電層表面に無電解Ni−Bメッキを施し
た。メッキ不析出も無く、均一な色調のメッキ表面であ
った。導電層のPull強度を測定したところ、最大1
4.5kg/mm2、最小9.9kg/mm2、平均1
1.0kg/mm2(N=10)であった。最大強度の
サンプルの剥離モードは、半田内破壊であり、最小強度
のサンプルの剥離モードも同じく半田内破壊であった。
【0048】これらの結果をまとめて表2に示す。
【0049】
【表2】
【0050】
【表3】
【0051】
【表4】
【0052】実施例17 実施例1において、沈降法で測定した平均粒径が1.3
1μmで、比表面積が3.3m2/g、従って比表面積
から算出した平均粒径が0.56μmで表5に示す組成
の窒化アルミニウムを使用した以外は、実施例1と同様
にした。
【0053】
【表5】
【0054】得られた窒化アルミニウム焼結体の導電層
表面には変色は発生せず、均一な面であった。続いて、
該焼結体の導電層表面に無電解Ni−Bメッキを施し
た。メッキ不析出も無く、均一な色調のメッキ表面であ
った。導電層のPull強度を測定したところ、最大1
4.8kg/mm2、最小11.6kg/mm2、平均1
2.5kg/mm2(N=10)であった。最大強度の
サンプルの剥離モードは、半田内破壊であり、最小強度
のサンプルの剥離モードも同じく半田内破壊であった。
【0055】実施例18 実施例1において、ドクターブレード成形用の泥漿に更
にMoO3粉末を0.2重量部添加した他は、実施例1
と同様にした。
【0056】得られた窒化アルミニウム焼結体の色は黒
色で、導電層表面には変色は発生せず、均一な面であっ
た。続いて、該焼結体の導電層表面に無電解Ni−Bメ
ッキを施した。メッキ不析出も無く、均一な色調のメッ
キ表面であった。導電層のPull強度を測定したとこ
ろ、最大14.5kg/mm2、最小10.8kg/m
2、平均12.0kg/mm2(N=10)であった。
最大強度のサンプルの剥離モードは、半田内破壊であ
り、最小強度のサンプルの剥離モードも同じく半田内破
壊であった。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】窒化アルミニウム、焼結助剤及び有機結合
    剤よりなる成形体表面に、平均粒径0.8〜5μmの高
    融点金属粉末100重量部及び窒化アルミニウム2〜1
    0重量部よりなる導電ペーストの層を形成した導電ペー
    スト積層成形体を残炭率が2000ppm以下となるよ
    うに脱脂した後、焼結することを特徴とする導電層を有
    する窒化アルミニウム焼結体の製造方法。
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