JP2001004632A - 糖鎖構造の変異した癌胎児性抗原類の検出方法 - Google Patents
糖鎖構造の変異した癌胎児性抗原類の検出方法Info
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Abstract
類を分別測定できる方法、この測定結果に基づき癌を鑑
別し得る方法並びに試薬の提供。 【解決手段】 癌胎児性抗原(以下、CEAと略記す
る。)類の不変領域に特異的な抗体と、CEA類の変異
した糖鎖構造を認識する蛋白質とを用いることを特徴と
する、糖鎖構造の変異したCEA類の検出方法、糖鎖構
造の変異したCEA類の量に基づいて判定を行う、癌の
判定方法、及びCEA類結合抗体と特定糖鎖結合蛋白質
とを含有させて成る、糖鎖の変異したCEA類の検出用
キット。
Description
rcinoembryonic antigen、以下、「CEA」と略記す
る。)の検出方法に関するものであり、特に糖鎖構造の
変異したCEA類の検出方法及びキットに関する。ま
た、本発明は、糖鎖構造の変異したCEA類の量を求
め、この量に基づいて判定を行う、癌の判定方法に関す
る。
抗原の一つであり、正常消化器粘膜細胞表面および腫瘍
組織から産生され、分子量20万前後、糖含量が約50
%の糖蛋白質の一種である。CEAは、正常ヒトの血中
には存在しないが、大腸癌、肺癌、胃癌、乳癌、肝癌な
どの臓器癌になると、細胞中や血中の濃度が上昇するこ
とが知られている。そのため、CEA量は広範囲の腫瘍
マーカーとして有用であり、血中のCEA量の測定は、
癌のスクリーニングや術後の経過観察、再発予防に広く
用いられている。しかしながら、血中のCEA量の測定
だけでは早期癌の鑑別は困難であった。そのため、腫瘍
組織の早期癌の鑑別には、X線診断、内視鏡的診断等が
おこなわれている。しかし、X線診断では早期癌を発見
するのは困難であり、内視鏡的診断では診断技術と知識
の程度によって診断が左右されるという問題がある。
粘膜細胞および腫瘍細胞よりCEA類を夫々精製し、そ
の糖鎖構造を解析した結果、正常消化器粘膜細胞と腫瘍
細胞とでは結合している糖鎖の構造が違っていることが
判明し、癌の診断に有用ではないかと期待された(Kats
uko Yamashita,J.Biol.Chem.,264(30),17873-17881(198
9)、Katsuko Yamashita,Glycobiology,5(1),105-115(19
95))。しかしこの方法では、採取した細胞からCEA類
を精製したり、その糖鎖構造を解析しなければならない
ため、診断までに長時間を要するという問題があった。
ら、本発明が解決しようとする課題は、容易に且つ簡便
に生体由来試料中の各種CEA類を検出できる方法、こ
の測定結果に基づき癌を鑑別し得る方法並びにそのため
に用いられる試薬の提供にある。
題を解決するために成されたものであり、(1)CEA
類の不変領域に特異的な抗体(以下、「CEA類結合抗
体」と略記する。)と、CEA類の変異した糖鎖構造を
認識する蛋白質(以下、「特定糖鎖結合蛋白質」と略記
する。)とを用いることを特徴とする、糖鎖の変異した
CEA類の検出方法、(2)糖鎖構造の変異したCEA
類の量に基づいて判定を行う、癌の判定方法、(3)C
EA類結合抗体と、特定糖鎖結合蛋白質を含有させて成
る、糖鎖の変異したCEA類の検出用キット、に関す
る。
解決するために鋭意研究した結果、CEA類結合抗体
と、特定糖鎖結合蛋白質を夫々1以上用いることによ
り、生体試料中のCEA類の総量、特定の変異した糖鎖
構造を有するCEA類量又は/及びそれ以外の糖鎖構造
を有するCEA類量を測定し得ることを見出し、更に研
究を重ねた結果、特定の変異した糖鎖構造を有するCE
A類量又はそれ以外の糖鎖構造を有するCEA類量、或
いは全CEA類中の、特定の変異した糖鎖構造を有する
CEA類又はそれ以外の糖鎖構造を有するCEA類の割
合が、例えば大腸癌等の判別に有用であることを見出
し、本発明を完成するに到った。
CEA類の不変領域に特異的な性質を有する抗体であれ
ば特に限定されず、常法、例えば[免疫実験学入門、第
2刷、松橋直ら、(株)学会出版センター、1981]等に
記載の方法に従って、例えば馬、牛、羊、兎、山羊、ラ
ット、マウス等の動物に測定対象を免役して作製される
ポリクローナル性抗体でも、或いはまた常法、即ちケラ
ーとミルスタイン(Nature、256巻,495頁,1975)により
確立された細胞融合法に従って、例えばマウスの腫瘍ラ
インからの細胞と測定対象物で予め免役されたマウスの
脾臓細胞を融合させて得られるハイブリドーマが産出す
る単クローン性抗体でもよい。また、これらは単独で用
いても、適宜組み合わせて用いてもよい。尚、CEA類
の不変領域とは、生体試料中の全てのCEA類に共通な
構造領域のことを指す(MASAHIDEKUROKI,HYBRIDOMA,4(1
1),391-407(1992))。
を有するCEA類の当該変異した糖鎖構造に特異的に結
合する蛋白質(特定糖鎖結合蛋白質)が結合したCEA
類とは結合しない性質を有するCEA類結合抗体(以
下、「競合性CEA類結合抗体」と略記する。)や特定
糖鎖結合蛋白質の結合の有無に拘わらず、全てのCEA
類と結合し得る性質を有するCEA類結合抗体(以下、
「非競合性CEA類結合抗体」と略記する。)等が含ま
れる。
は、例えばCEA類の特定糖鎖構造に特異的に結合する
抗体、レクチンなどが挙げられる。具体的には、フコー
ス残基又は/及びシアル酸残基の存在を認識する抗体、
更に具体的には、例えばLea,Leb,Lex,Ley等の
ルイス型糖鎖を認識する抗ルイス抗体,S−Lea,S―
LeX等のシアリルルイス型糖鎖を認識する抗シアリル
ルイス抗体等の抗体類、例えばミヤコグサレクチン等の
L−フコース結合性レクチン、例えばピーナッツレクチ
ン,ダイズレクチン,ヒマレクチン,インゲンマメレク
チン等のD−ガラクトース又はN−アセチル−D−ガラ
クトサミン結合性レクチン、例えばコンカナバリンA,
レンズマメレクチン,エンドウマメレクチン等のD−マ
ンノース結合性レクチン、例えば小麦胚芽レクチン,ダ
ツラレクチン等のN−アセチルグルコサミン結合性レク
チン、例えばカブトガニレクチン等のシアル酸結合性レ
クチン等のレクチン類が挙げられる。中でもD−ガラク
トース又はN−アセチル−D−ガラクトサミン結合性レ
クチン、D−マンノース結合性レクチン等が好ましい。
また、これらは単独で用いても、適宜組み合わせて用い
てもよい。
性とは、適当な糖鎖を結合させたアフィニティーカラム
に一旦結合させたレクチンがどのような糖で溶出され易
いかを示すもので、例えばD−ガラクトース又はN−ア
セチル−D−ガラクトサミン結合性レクチンとは、アフ
ィニティーカラムに一旦結合させた後、D−ガラクトー
ス若しくはN−アセチル−D−ガラクトサミンにより溶
出されるレクチンのことを意味する。
認識する抗体も、上記した如き常法に準じて調製された
ポリクローン性抗体でも単クローン性抗体でもよい。
具体的には、上記した如きレクチンが結合し得る糖鎖
構造、例えば大腸癌細胞等の腫瘍細胞が産生するCE
A類が有する糖鎖構造、等であり、更に具体的には例え
ばYamamoto, K., Eur. J. Biochem.,143(1),133-144,19
84等の文献に記載された如き糖鎖構造である。
の検出方法としては、CEA類結合抗体と特定糖鎖結合
蛋白質とを適宜組み合わせて、例えばCEA類とCEA
類結合抗体と特定糖鎖結合蛋白質との複合体の有無を測
定することにより行う。
構造の変異したCEA類の量に基づいて判定を行う方法
であり、具体的には、上記方法により求めた、CEA
類とCEA類結合抗体と特定糖鎖結合蛋白質との複合体
の量に基づいて判定を行う方法、CEA類とCEA類
結合抗体と特定糖鎖結合蛋白質との複合体(糖鎖構造の
変異したCEA類)の量と、CEA類とCEA類結合抗
体との複合体(それ以外の糖鎖構造を有するCEA類)
の量に基づいて判定を行う方法、又はCEA類とCE
A類結合抗体との複合体の量(それ以外の糖鎖構造を有
するCEA類)及びCEA類とCEA類結合抗体と特定
糖鎖結合蛋白質との複合体(糖鎖構造の変異したCEA
類)の量を夫々求め、これら複合体の総量に対する後者
の複合体の割合、換言すればCEA類結合抗体及び特定
糖鎖結合蛋白質と複合体を形成したCEA類(糖鎖構造
の変異したCEA類)の割合を求めて、この値に基づい
て判定を行う方法等が挙げられる。
CEA類、変異した特定の糖鎖構造を有するCEA類及
びそれ以外の糖鎖構造を有するCEA類等である。尚、
CEA類は、生体中で分解作用により、種々のフラグメ
ントになるが、このようなものであってもCEA類結合
抗体又は/及び特定糖鎖結合蛋白質が結合し得るもの
は、本発明の測定対象である。これら測定対象は、別々
に測定してもよいし、一度の測定で同時に測定してもよ
い。
は抗CEA抗体等の特定糖鎖結合蛋白質を用いて、総C
EA類中の、特定の糖鎖構造を有するCEA類又はそれ
以外の糖鎖構造を有するCEA類の割合を求め、その値
を正常の試料を用いて得られた値と比較すれば、癌の判
別が可能となる。本方法は、本発明者らが初めて見出し
たものである。以下にCEA類の測定方法の具体例を述
べる。
鎖構造を有するCEA類、それ以外の糖鎖構造を有する
CEA類等は、夫々例えば以下のようにして測定され
る。
すればよい。
CEA類の測定 I−2―1)CEA類結合抗体固定化不溶性担体を用い
る方法。 例えば血漿、血清、髄液、各種生体組織の成分抽出液、
糞便、尿等の生体由来試料と、CEA類結合抗体固定化
不溶性担体とを反応させて、下記の固定化複合体を形成
させる。 [不溶性担体]−CEA類結合抗体−CEA類 次いで、不要な共存物質を洗浄等で除去した後、当該固
定化複合体に、更に標識物質が結合した特定糖鎖結合蛋
白質(以下、「標識特定糖鎖結合蛋白質」と略記す
る。)を反応させて、下記の固定化複合体を形成させ
る。 [不溶性担体]−CEA類結合抗体−CEA類−標識特
定糖鎖結合蛋白質 次いで、当該固定化複合体を洗浄する等して遊離の標識
特定糖鎖結合蛋白質を除去した後、当該固定化複合体中
の標識物質量を適当な方法により測定し、得られた測定
値を、例えば予め濃度既知の特定糖鎖構造を有するCE
A類を含む標準液を用いて同様の方法により測定を行っ
て得られた、標識物質量(測定値)とCEA類濃度との
関係を表す検量線等に当てはめる等することにより、試
料中の特定糖鎖構造を有するCEA類量を求めることが
できる。
溶性担体を用いる方法。 例えば血漿、血清、髄液、各種生体組織の成分抽出液、
糞便、尿等の生体由来試料と、特定糖鎖結合蛋白質固定
化不溶性担体とを反応させて、下記の固定化複合体を形
成させる。 [不溶性担体]−特定糖鎖結合蛋白質−CEA類 次いで、不要な共存物質を洗浄等で除去した後、当該固
定化複合体に、更に標識物質が結合したCEA類結合抗
体(以下、「標識CEA類結合抗体」と略記する。)を
反応させて、下記の固定化複合体を形成させる。 [不溶性担体]−特定糖鎖結合蛋白質−CEA類−標識
CEA類結合抗体 次いで、当該固定化複合体を洗浄する等して遊離の標識
CEA類結合抗体を除去した後、当該固定化複合体中の
標識物質量を適当な方法により測定し、得られた測定値
を、例えば予め濃度既知の特定糖鎖構造を有するCEA
類を含む標準液を用いて同様の方法により測定を行って
得られた、標識物質量(測定値)とCEA類濃度との関
係を表す検量線等に当てはめる等することにより、試料
中の特定糖鎖構造を有するCEA類量を求めることがで
きる。
速液体クロマトグラフィー(HPLC)等とを用いる方
法。 例えば血漿、血清、髄液、各種生体組織の成分抽出液、
糞便、尿等の生体由来試料と、標識特定糖鎖結合蛋白質
と非競合性CEA類結合抗体とを反応させて、試料中に
下記の複合体を形成させる。 標識特定糖鎖結合蛋白質−CEA類−非競合性CEA類
結合抗体 次いで、この複合体と遊離の標識特定糖鎖結合蛋白質と
を、適当な充填剤を充填したHPLCや電気泳動法等を
用いて分離し、該複合体中の標識物質量を適当な方法に
より測定し、得られた測定値を、例えば予め濃度既知の
特定糖鎖構造を有するCEA類を含む標準液を用いて同
様の方法により測定を行って得られた、標識物質量(測
定値)とCEA類濃度との関係を表す検量線等に当ては
める等することにより、試料中の特定糖鎖構造を有する
CEA類量を求めることができる。
有するCEA類の測定 I−3−1)遊離の特定糖鎖結合蛋白質を用いる方法 先ず、例えば血漿、血清、髄液、各種生体組織の成分抽
出液、糞便、尿等の生体由来試料と、特定糖鎖結合蛋白
質とを反応させ、試料中の特定糖鎖構造を有するCEA
類と特定糖鎖結合蛋白質との複合体(以下、「糖鎖結合
CEA類」と略記する場合がある。)を生成させる。次
いで、糖鎖結合CEA類と、特定糖鎖結合蛋白質が結合
しなかったCEA類、言い換えれば、特定の糖鎖構造以
外の糖鎖構造を有するCEA類(以下、「非結合CEA
類」と略記する場合がある。)とを、例えば、遠心分離
法、ゲル濾過法、分子分画膜法、電気泳動法等の自体公
知の分離方法を利用して試料から分離することにより非
結合CEA類のみを含む試料を調製する。このようにし
て得られた、非結合CEA類のみを含む試料中のCEA
類量を、CEA類結合抗体を用いる自体公知の測定法に
より測定することにより、非結合CEA類量を求めるこ
とができる。尚、非結合CEA類のみを含有する試料
は、特定糖鎖結合蛋白質を固定化した担体を用いるアフ
ィニティクロマトグラフィーによって試料を処理するこ
とにより調製してもよい。
いる方法 先ず、CEA類結合抗体を固定化した不溶性担体と、例
えば血漿、血清、髄液、各種生体組織の成分抽出液、糞
便、尿等の生体由来試料とを反応させ、下記の固定化複
合体を形成させる。 [不溶性担体]−CEA類結合抗体−CEA類 次いで、不要な共存物質を洗浄等で除去した後、当該固
定化複合体に特定糖鎖結合蛋白質を反応させ、更に適当
な標識物質を結合させた競合性CEA類結合抗体(以
下、「標識競合性CEA類結合抗体」と略記する。)を
反応させて、下記の固定化複合体を形成させる。 [不溶性担体]−CEA類結合抗体−CEA類−特定糖
鎖結合蛋白質 [不溶性担体]−CEA類結合抗体−CEA類−標識競合性CE
A類結合抗体 次いで、当該固定化複合体を洗浄する等して遊離の標識
競合性CEA類結合抗体を除去した後、当該固定化複合
体中の標識物質量を適当な方法により測定し、得られた
測定値を、例えば予め濃度既知の特定糖鎖構造以外の糖
鎖構造を有するCEA類、即ち、非結合CEA類を含む
標準液を用いて同様の方法により測定を行って得られ
た、標識物質量(測定値)とCEA類濃度との関係を表
す検量線等に当てはめる等することにより、試料中の非
結合CEA類量を求めることができる。
化不溶性担体を用いる方法。 先ず、例えば血漿、血清、髄液、各種生体組織の成分抽
出液、糞便、尿等の生体由来試料と、特定糖鎖結合蛋白
質とを反応させ、試料中に糖鎖結合CEA類を生成させ
る。次いで、この試料と、競合性CEA類結合抗体固定
化不溶性担体とを反応させて下記の固定化複合体を生成
させる。 [不溶性担体]−競合性CEA類結合抗体−非結合CE
A類 次いで、不要な共存物質を洗浄等で除去した後、当該固
定化複合体に標識CEA類結合抗体を反応させて、下記
の固定化複合体を形成させる。 [不溶性担体]−競合性CEA類結合抗体−非結合CEA類−
標識CEA類結合抗体 次いで、当該固定化複合体を洗浄する等して遊離の標識
CEA類結合抗体を除去した後、当該固定化複合体中の
標識物質量を適当な方法により測定し、得られた測定値
を、例えば予め濃度既知の非結合CEA類を含む標準液
を用いて同様の方法により測定を行って得られた、標識
物質量(測定値)とCEA類濃度との関係を表す検量線
等に当てはめる等することにより、試料中の非結合CE
A類量を求めることができる。
とHPLC等を用いる方法。 先ず、例えば血漿、血清、髄液、各種生体組織の成分抽
出液、糞便、尿等の生体由来試料と、特定糖鎖結合蛋白
質とを反応させ、糖鎖結合CEA類を生成させる。次い
で、この試料と、標識競合性CEA類結合抗体とを反応
させて下記の複合体を生成させる。 非結合CEA類−標識競合性CEA類結合抗体 次いで、この複合体と遊離の標識競合性CEA類結合抗
体とを、適当な充填剤を充填したHPLCや電気泳動法
等を用いて分離し、該複合体中の標識物質量を適当な方
法により測定し、得られた測定値を、例えば予め濃度既
知の非結合CEA類を含む標準液を用いて同様の方法に
より測定を行って得られた、標識物質量(測定値)とC
EA類濃度との関係を表す検量線等に当てはめること等
により、試料中の非結合CEA類量を求めることができ
る。尚、当然のことながら、特定糖鎖構造を有するCE
A類(糖鎖結合CEA類)量は、総CEA類量から特定
糖鎖構造以外の糖鎖構造を有するCEA類(非結合CE
A類)量を差し引くことによっても求めることができる
し、特定糖鎖構造以外の糖鎖構造を有するCEA類(非
結合CEA類)量は、総CEA類量から特定糖鎖構造を
有するCEA類(糖鎖結合CEA類)量を差し引くこと
によっても求めることができる。
る方法。 II−1.標識CEA類結合抗体と特定糖鎖結合蛋白質
を用いる方法 特開平7-191027号公報に開示された方法に準じて以下の
如く行えばよい。即ち、例えば血漿、血清、髄液、各種
生体組織の成分抽出液、糞便、尿等の生体由来試料と、
標識CEA類結合抗体及び特定糖鎖結合蛋白質とを反応
させて、以下の複合体を形成させる。 標識CEA類結合抗体−CEA類 標識CEA類結合抗体−CEA類−特定糖鎖結合蛋白質 次いで、これら複合体並びに遊離の標識CEA類結合抗
体を、適当な充填剤を充填したHPLCや電気泳動法等
を用いて夫々分離し、夫々の複合体中の標識物質量を適
当な方法により測定し、得られた測定値を、例えば予め
濃度既知の、特定糖鎖構造を有するCEA類又は/及び
それ以外の糖鎖構造を有するCEA類を含む標準液を用
いて同様の方法により測定を行って得られた、標識物質
量(測定値)と各種CEA類濃度との関係を表す検量線
等に当てはめる等することにより、試料中の特定糖鎖構
造を有するCEA類及びそれ以外の糖鎖構造を有するC
EA類、並びにこれらCEA類の合計、即ち総CEA類
を一度の測定で求めることができる。尚、複合体並びに
遊離の標識CEA類結合抗体を分離する方法としては、
操作性や繰り返し使用できること等を考慮するとHPL
Cを用いる方法が好ましい。また、使用するCEA類結
合抗体は、非競合性のものが好ましい。
合性CEA類結合抗体及び特定糖鎖結合蛋白質とを用い
る方法 先ず、例えば血漿、血清、髄液、各種生体組織の成分抽
出液、糞便、尿等の生体由来試料と、適当な標識物質が
結合した非競合性CEA類結合抗体(以下、「標識非競
合性CEA類結合抗体」と略記する。)、競合性CEA
類結合抗体及び特定糖鎖結合蛋白質とを反応させて、以
下の複合体を形成させる。 標識非競合性CEA類結合抗体−CEA類−競合性CE
A類結合抗体 標識非競合性CEA類結合抗体−CEA類−特定糖鎖結
合蛋白質 次いで、これら複合体並びに遊離の標識非競合性CEA
類結合抗体を、適当な充填剤を充填したHPLCや電気
泳動法等を用いて分離し、夫々の複合体中の標識物質量
を適当な方法により測定し、得られた測定値を、例えば
予め濃度既知の、特定糖鎖構造を有するCEA類又は/
及びそれ以外の糖鎖構造を有するCEA類を含む標準液
を用いて同様の方法により測定を行って得られた、標識
物質量(測定値)と各種CEA類濃度との関係を表す検
量線等に当てはめる等することにより、試料中の特定糖
鎖構造を有するCEA類及びそれ以外の糖鎖構造を有す
るCEA類、並びにこれらCEA類の合計、即ち総CE
A類を一度の測定で求めることができる。尚、複合体並
びに遊離の標識非競合性CEA類結合抗体を分離する方
法としては、操作性や繰り返し使用できること等を考慮
するとHPLCを用いる方法が好ましい。
CEA類結合抗体及び特定糖鎖結合蛋白質を用いる方法 先ず、例えば血漿、血清、髄液、各種生体組織の成分
抽出液、糞便、尿等の生体由来試料と、標識CEA類結
合抗体を反応させた後、当該反応液にさらに特定糖鎖結
合蛋白質及び競合性CEA類結合抗体を反応させて、以
下の複合体を形成させる。 標識CEA類結合抗体−CEA類−競合性CEA類結合
抗体 標識CEA類結合抗体−CEA類−特定糖鎖結合蛋白質 次いで、これら複合体並びに遊離の標識CEA類結合抗
体を、適当な充填剤を充填したHPLCや電気泳動法等
を用いて夫々分離し、夫々の複合体中の標識物質量を適
当な方法により測定し、得られた測定値を、例えば予め
濃度既知の、特定糖鎖構造を有するCEA類又は/及び
それ以外の糖鎖構造を有するCEA類を含む標準液を用
いて同様の方法により測定を行って得られた、標識物質
の測定値と各種CEA類濃度との関係を表す検量線等に
当てはめることにより、試料中の特定糖鎖構造を有する
CEA類及びそれ以外の糖鎖構造を有するCEA類、並
びにこれらCEA類の合計、即ち総CEA類を一度の測
定で求めることができる。さらに標識CEA類結合抗体
の反応後に、標識CEA類結合抗体とエピト−プの違う
CEA類結合抗体を反応させることにより、複合体と、
測定に影響する血清成分との性質の違いを大きくするこ
とができるので、血清成分の影響が少なくなり、測定精
度が向上するため好ましい。尚、複合体並びに遊離の標
識CEA類結合抗体を分離する方法としては、操作性や
繰り返し使用できること等を考慮するとHPLCを用い
る方法が好ましい。
A類測定法は、例えばCEA類結合抗体として抗CEA
類抗体を用いて、いわゆる酵素免疫測定法(EIA)、放
射免疫測定法(RIA)、ELISA、蛍光免疫測定法(F
IA)、HPLCを用いる測定方法(特開平9-301995号公
報等)等の免疫学的測定法に準じて行えばよい。また、
その測定原理も、サンドイッチ法、競合法、二抗体法等
のいずれにてもよい。種々のCEA類結合抗体や特定糖
鎖結合蛋白質を固定化するために用いられる不溶性担体
としては、上記した如き免疫学的測定法の分野で通常用
いられるものでよく、例えば金属、ガラス、セラミッ
ク、シリコンラバー、例えばポリスチレン,ポリ塩化ビ
ニル,ポリプロピレン,アクリル,ポリメチルメタクリ
レート等の合成高分子等で調製された、ビーズ、チュー
ブ、多数のチューブが一体成形された専用のトレイ、マ
イクロタイタープレート等が挙げられ、固定化方法とし
ても、上記した如き免疫学的測定法の分野で通常用いら
れる、例えば物理的吸着法、化学的結合法等が挙げられ
る。
結合蛋白質に結合させる標識物質としては、例えばEI
Aに於いて用いられるアルカリホスファターゼ,β-ガ
ラクトシダーゼ,ペルオキシダーゼ(POD),マイク
ロペルオキシダーゼ, グルコースオキシダーゼ,グル
コース-6-リン酸脱水素酵素,アセチルコリンエステラ
ーゼ,リンゴ酸脱水素酵素,ルシフェラーゼ等の酵素
類、例えばRIAで用いられる99mTc,131I,125I,
14C,3H等の放射性同位元素、例えばFIAで用いら
れるフルオレセイン,ダンシル,フルオレスカミン,ク
マリン,ユーロピウム,ナフチルアミン或はこれらの誘
導体等の蛍光性物質、例えばルシフェリン,イソルミノ
ール,ルミノール,ビス(2,4,6-トリフロロフェニル)オ
キザレート等の発光性物質、例えばフェノール,ナフト
ール,アントラセン或はこれらの誘導体等の紫外部に吸
収を有する物質、例えば4-アミノ-2,2,6,6-テトラメチ
ルピペリジン-1-オキシル,3-アミノ-2,2,5,5-テトラメ
チルピロリジン-1-オキシル,2,6-ジ-t- ブチル-α-(3,
5-ジ-t-ブチル-4-オキソ-2,5-シクロヘキサジエン-1-イ
リデン)-p-トリルオキシル等のオキシル基を有する化合
物に代表されるスピンラベル化剤 としての性質を有す
る物質等が挙げられる。
結合抗体や特定糖鎖結合蛋白質に結合させる(標識す
る)方法としては、自体公知のEIA、RIA或はFI
A等に於いて一般に行われている自体公知の標識方法に
準じて行えばよい。また、標識方法として、アビジン
(又はストレプトアビジン)とビオチンの反応を利用し
た常法を利用しても良い。
て用いられるHPLC用装置も、通常この分野で用いら
れるものであればよい。本発明のHPLCを利用する測
定法に於いては、複合体と遊離の標識CEA類結合抗体
(或いは標識特定糖鎖結合蛋白質)とをより明確に分離
するために、例えば特開平7−191027号公報、特
開平9-301995号公報等に開示された、これらの分離を向
上させるための物質(以下、「分離向上物質」と略記す
る。)を結合させた、CEA類結合抗体や特定糖鎖結合
蛋白質等を用いてもよい。
としては、例えばα−キモトリプシノーゲン,β−ガラ
クトシダーゼ,リゾチーム,チトクロームC,トリプシ
ンインヒビター等の蛋白質、例えばフェニルアラニン,
プロリン,アルギニン,リジン,アスパラギン酸,グル
タミン酸等のアミノ酸を含むペプチド、例えば臭素,塩
素,沃素等のハロゲン原子、例えばポリエチレングリコ
ール等の合成高分子、例えばポリグルタミン酸,ポリア
スパラギン酸,ポリリジン,ポリアルギニン,ポリフェ
ニルアラニン,ポリチロシン等のポリアミノ酸、炭素数
3〜10のアルキル鎖、例えばパルミチン酸,オレイン
酸,ステアリン酸等の脂肪酸、例えばN-(ε-マレイミド
カプロイルオキシ)スクシンイミド[N-(ε-maleimidoca
proyloxy)succinimide](EMCS),N-スクシンイミヂル-6-
マレイミドヘキサノエイト(N-Succinimidyl-6-maleimi
dohexanoate),ビスマレイミドヘ キサン(Bismaleimi
dohexane)(BMH),オクチルアミン等のCEA類結合抗
体や特定糖鎖結合蛋白質に結合し得る反応基を有し且つ
疎水性若しくはイオン性を有する化学物質、例えば特開
平9-301995号公報に記載された4-(p-マレイミドフェニ
ル)ブチリルAla-(Tyr(SO3H))5、4-(p-マレイミドフェ
ニル)ブチリルAla-(Tyr(SO3H))8等の強酸残基含有ペプ
チド等が好ましく挙げられる。尚、分離向上物質は、測
定対象であるCEA類、CEA類結合抗体、特定糖鎖結
合蛋白質の性質(例えばpH安定性,疎水度,水溶液へ
の溶解度,等電点等)を考慮した上で適宜選択して用い
ればよい。
及び特定糖鎖結合蛋白質との結合方法も、(1)自体公
知のEIA、RIA或いはFIA等において一般に行わ
れている自体公知の標識物質と抗体との結合方法(例え
ば、医学実験口座、第8巻、山村雄一監修、第1版、中
山書店、1971;図説 蛍光抗体、川生明著、第1版、
(株)ソフトサイエンス社、1983;酵素免疫測定法、石川
栄治、河合忠、宮井潔編、第2版、医学書院、1982、
等)、(2)自体公知の物質の修飾および結合方法(例
えば、蛋白質の化学修飾〈上〉〈下〉、瓜谷郁三、志村
憲助、中村道徳、船津勝編集、第1版、(株)学会出版セ
ンター、1981;ポリエチレングリコール修飾蛋白質、稲
田祐二他、生化学、第62巻、第11号、P1351ー1362、
(社)日本生化学会、1990;DNA PROBES, George H.K.
and Mark M.M. STOCKTON PRESS,1989 、等)等に準じて
行えばよい。
A類、特定の糖鎖構造を有するCEA類、それ以外の糖
鎖構造を有するCEA類等の値を適宜組み合わせること
により癌の判定を行うことが可能である。また、種々の
異なる特定糖鎖結合蛋白質を用いて測定を行い、その結
果を解析することにより、癌の種類(癌の存在部位)を
判別することも可能となる。
した本発明の測定法に用いられるものであって、CEA
類結合抗体と特定糖鎖結合蛋白質を含有してなるもので
あり、その構成要素の好ましい態様と具体例は上で述べ
たとおりである。
る試薬類、例えば緩衝剤、反応促進剤、糖類、蛋白質、
塩類、界面活性剤等の安定化剤、防腐剤等であって、共
存する試薬等の安定性を阻害したり、CEA類と、CE
A類結合抗体又は/及び特定糖鎖結合蛋白質との反応を
阻害しないものが含まれていてもよい。また、その濃度
も、通常この分野で通常用いられる濃度範囲から適宜選
択すればよい。
チン活性や安定性に影響を与えることはよく知られてお
り、これらを含んでいてもよい。
緩衝剤としては、例えばトリス緩衝剤、リン酸緩衝剤、
ベロナール緩衝剤、ホウ酸緩衝剤、グッド緩衝剤等通常
免疫比濁法、免疫比ろう法、RIA、EIAに用いられ
ている緩衝剤は全て挙げられ、測定反応時のpHとして
は抗原抗体反応やCEA類とレクチン等との反応を抑制
しない範囲であれば特に限定されないが、通常6〜10
である。
説明するが、本発明はこれら実施例により何等制限され
るものではない。
測定法 (POD標識CEA類結合抗体)抗CEA抗体(和光純
薬工業(株)製)をCEA類結合抗体として用い、これを
常法によりFab'とし、このFab'とPODとを常法によ
り結合させてPOD標識CEA類結合抗体とした。 (試料)CEA(COSMO-Bio社製)を50mMリン酸緩衝液
(pH6.5、0.9%NaCl,1% BSA含有)に溶解して1000ng/ml
としたものを用いた。 (CEA類の糖鎖分別測定用分析機器類及び試薬)以下
の機器及び試薬を用いた。 (HPLC条件) 分析機器:高速液体クロマトグラフィー(LC−9A
(株)島津製作所製) 分析カラム:Diol-300(φ8.0mm×300mm、和光純薬工業
(株))、ゲルろ過分画分子量 22,000〜660,000 分析用溶離液:50mM PBS pH7.5 分析用基質液:25mM アセトアミドフェノール(15mMク
エン酸緩衝液、pH5.5) 流速:溶離液1ml/min、基質液0.1ml/min 検出:Ex 328nm、Em 432nm (分析方法) CEA類結合抗体の溶出位置の確認 精製水30μlにPOD標識CEA類結合抗体溶液30ul
(抗体濃度:1×10ー 8M)を加え、30℃で30分間インキ
ュベーションした後、30μlをゲルろ過カラムに注入
し、分離しながら、溶出液にオンラインで分析用基質液
を添加し、60℃、30秒反応により生成する蛍光量を検出
した。 総CEA類の溶出位置の確認 試料30μlにPOD標識CEA類結合抗体溶液30ul(抗
体濃度:1×10ー 8M)を加え、30℃で30分間反応させた
後、反応液の30μlをゲルろ過カラムに注入し、分離し
ながら、溶出液にオンラインで分析用基質液を添加、60
℃、30秒反応により生成する蛍光量を検出した。 糖鎖変異CEA類の溶出位置の確認 試料30μlにPOD標識CEA類結合抗体溶液30ul(抗
体濃度:1×10ー 8M)を加え、30℃で30分間反応させ
た。次いで特定糖鎖結合抗体であるLebに対する抗体
(Signet社製)含有50mMリン酸緩衝液(pH6.5,0.9%NaC
l,1% BSA含有、抗体濃度:1×10ー 7M)30μlを反応液
に加え、30℃で30分間反応させた。 反応後、反応液の3
0μlをゲルろ過カラムに注入し、分離しながら、溶出液
にオンラインで分析用基質液を添加し、60℃、30秒反応
により生成する蛍光量を検出した。
ィー分析パターンを図1に示す。図1(a)の結果から、
遊離のPOD標識CEA類結合抗体は保持時間約11分の
位置に溶出することが判る。これに対し、POD標識C
EA類結合抗体と試料とを反応させた場合、CEA類―
POD標識CEA類結合抗体の免疫複合体のピーク1
が、保持時間約8.5分の位置に出現し(図1(b))、更に特
定糖鎖結合抗体を添加すると、ピーク1以外に、POD
標識CEA類結合抗体-CEA類-特定糖鎖結合抗体の免
疫複合体のピーク2が保持時間約7.5分の位置に出現す
ることが判る(図1(c))。また、抗Leb抗体の代わりに
抗Ley抗体を用いて同様の実験を行っても、POD標
識CEA類結合抗体−CEA類−特定糖鎖結合抗体の免
疫複合体(ピーク2)が出現することが確認できた。
定糖鎖結合蛋白質を用いる本発明の方法に依れば、特定
の変異した糖鎖構造を有するCEA類とそれ以外の糖鎖
構造を有するCEA類を分別測定できることが判る。
調製した。 (試料)癌患者由来血清9例、健常人由来血清4例を試
料として用いた。 (各種CEA類の分別測定)実施例1と同じ機器、試薬
を用い、以下のようにして行った。尚、HPLC条件
も、実施例1と同様にして行った。 (分析方法) 試料30μlにPOD標識CEA類結合抗体溶液30ul
(抗体濃度:1×10ー 8M)を加え、30℃で30分間反応さ
せた。次いで抗糖鎖抗体であるS-Lea,S-Lex,Lea,Le yの
いずれかに対する抗体(抗S-Lea抗体及び抗S-Lex抗体は
和光純薬工業(株)製、抗Lea抗体及び抗Ley抗体はSignet
社製)含有50mMリン酸緩衝液(pH6.5,0.9%NaCl,1% BSA
含有、抗体濃度:1×10ー 7M)30μlを反応液に加え、更
に30℃で30分間反応させた。 反応後、反応液の30μlをゲルろ過カラムに注入し、
分離しながら、溶出液にオンラインで分析用基質液を添
加、60℃、30秒反応により生成する蛍光量を検出し、各
ピーク面積を測定した。 (CEA濃度・計算方法)上記方法に従って得られた結果
を下記の式に代入して、試料中の、総CEA類量に対す
る特定の糖鎖構造を有するCEA類の量比(%)を算出
した。尚、ピーク1はCEA類ーPOD標識CEA類結
合抗体の免疫複合体のピークであり、ピーク2はPOD
標識CEA類結合抗体-CEA類-特定糖鎖結合抗体の免
疫複合体のピークである。 試料中の総CEA類量に対する、特定の糖鎖構造を有するC
EA類の量比(%)=[ピーク2の面積/(ピーク1の面
積+ピーク2の面積)]×100 得られた結果を表1に示す。
らは、変異した糖鎖構造を持つCEA類は検出されなか
った。一方、癌患者の血清中からは各種変異した糖鎖構
造を持つCEA類が検出され、癌の症例により糖鎖構造
の変異が異なることが確認された。例えば、直腸癌では
S-LeaとLeaが観察され、結腸癌ではLeyが、肺癌ではS-L
ea,S-Lex,Leaが、肝癌及び中咽頭癌ではS-Leaが、乳癌
ではS-LexとLeyが、子宮頸癌ではS-Lea,S-Lexが、骨髄
リンパ節転移ではS-Lexが、それぞれ観察され、癌の種
類によって、糖鎖構造の変異の様子が異なることが判
る。以上のことから、糖鎖構造の変異したCEA類の分
別測定は、癌の判定に用いることができ、また、癌の種
類を鑑別するのにも非常に有用であることが示唆され
た。
変異したCEA類を分別測定できる方法及びこの測定結
果に基づき癌を鑑別し得る方法並びに試薬を提供するも
のであり、本発明の測定方法により得られた各種CEA
類の測定値を適宜組み合わせて用いることにより、癌の
判別をすることができる。
ー分析パターンを示し、図1(a)はペルオキシダーゼ
(POD)標識癌胎児性抗原(CEA)類結合抗体の溶
出パターン、図1(b)はCEA類とPOD標識CEA類
結合抗体(ピーク1)の免疫複合体の溶出パターン、図
1(c)はCEA類とPOD標識CEA類結合抗体の免疫
複合体(ピーク1)及びPOD標識CEA類結合抗体と
CEA類と特定糖鎖結合抗体との免疫複合体(ピーク
2)の溶出パターンを夫々示す。
Claims (30)
- 【請求項1】癌胎児性抗原(以下、CEAと略記す
る。)類の不変領域に特異的な抗体(以下、CEA類結
合抗体と略記する。)と、CEA類の変異した糖鎖構造
を認識する蛋白質(以下、特定糖鎖結合蛋白質と略記す
る。)とを用いることを特徴とする、糖鎖構造の変異し
たCEA類の検出方法。 - 【請求項2】CEA類とCEA類結合抗体と特定糖鎖結
合蛋白質との複合体の有無を測定することを特徴とす
る、請求項1に記載の検出方法。 - 【請求項3】試料と、CEA類結合抗体及び特定糖鎖結
合蛋白質とを反応させ、生成したCEA類とCEA類結
合抗体と特定糖鎖結合蛋白質との複合体の有無を測定す
る、請求項1に記載の検出方法。 - 【請求項4】特定糖鎖結合蛋白質が抗体又はレクチンで
ある、請求項1〜3の何れかに記載の検出方法。 - 【請求項5】抗体がフコース残基又は/及びシアル酸残
基の存在を認識する抗体である、請求項4に記載の検出
方法。 - 【請求項6】抗体が抗ルイス抗体又は抗シアリルルイス
抗体である、請求項4に記載の検出方法。 - 【請求項7】抗ルイス抗体が抗Lea抗体、抗Leb抗
体、抗Lex抗体又は抗Ley抗体である、請求項6に記
載の検出方法。 - 【請求項8】抗シアリルルイス抗体が抗S-Lea抗体又
は抗S−Lex抗体である、請求項6に記載の検出方
法。 - 【請求項9】レクチンがL−フコース結合性レクチン、
D−ガラクトース又はN−アセチル−D−ガラクトサミ
ン結合性レクチン、D−マンノース結合性レクチン、N
−アセチルグルコサミン結合性レクチン又はシアル酸結
合性レクチンである、請求項4に記載の検出方法。 - 【請求項10】レクチンがコンカナバリンA、ヒマレク
チン、レンズマメレクチン又はインゲンマメレクチンで
ある、請求項4に記載の検出方法。 - 【請求項11】糖鎖構造の変異したCEA類の量に基づ
いて判定を行う、癌の判定方法。 - 【請求項12】CEA類とCEA類結合抗体と特定糖鎖
結合蛋白質との複合体の量を測定し、この値に基づいて
判定を行う請求項11に記載の癌の判定方法。 - 【請求項13】CEA類とCEA類結合抗体と特定糖鎖
結合蛋白質との複合体の量と、CEA類とCEA類結合
抗体との複合体の量とを測定し、これらの値に基づいて
判定を行う請求項11に記載の判定方法。 - 【請求項14】CEA類を含む試料と、CEA類結合抗
体及び特定糖鎖結合蛋白質とを反応させ、生成したCE
A類とCEA類結合抗体との複合体の量及びCEA類と
CEA類結合抗体と特定糖鎖結合蛋白質との複合体の量
とを測定し、これらの値に基づいて判定を行う請求項1
1に記載の判定方法。 - 【請求項15】CEA類を含む試料と、CEA類結合抗
体及び特定糖鎖結合蛋白質とを反応させ、生成したCE
A類とCEA類結合抗体との複合体の量、及びCEA類
とCEA類結合抗体と特定糖鎖結合蛋白質との複合体の
量を夫々測定し、これら複合体の総量に対する後者の複
合体の割合を求め、この値に基づいて判定を行う請求項
11に記載の判定方法。 - 【請求項16】特定糖鎖結合蛋白質が抗体又はレクチン
である、請求項12〜15の何れかに記載の判定方法。 - 【請求項17】抗体がフコース残基又は/及びシアル酸
残基の存在を認識する抗体である、請求項16に記載の
判定方法。 - 【請求項18】抗体が抗ルイス抗体又は抗シアリルルイ
ス抗体である、請求抗16に記載の判定方法。 - 【請求項19】抗ルイス抗体が抗Lea抗体、抗Leb抗
体、抗Lex抗体又は抗Ley抗体である、請求項18に
記載の判定方法。 - 【請求項20】抗シアリルルイス抗体が抗S-Lea抗体
又は抗S−Lex抗体である、請求項18に記載の判定
方法。 - 【請求項21】レクチンがL−フコース結合性レクチ
ン、D−ガラクトース又はN−アセチル−D−ガラクト
サミン結合性レクチン、D−マンノース結合性レクチ
ン、N−アセチルグルコサミン結合性レクチン又はシア
ル酸結合性レクチンである、請求項16に記載の判定方
法。 - 【請求項22】レクチンがコンカナバリンA、ヒマレク
チン、レンズマメレクチン又はインゲンマメレクチンで
ある、請求項16に記載の判定方法。 - 【請求項23】CEA類結合抗体と特定糖鎖結合蛋白質
とを含有させて成る、糖鎖の変異したCEA類の検出用
キット。 - 【請求項24】特定糖鎖結合蛋白質が抗体又はレクチン
である、請求項23に記載のキット。 - 【請求項25】抗体がフコース残基又は/及びシアル酸
残基の存在を認識する抗体である、請求項24に記載の
キット。 - 【請求項26】抗体が抗ルイス抗体又は抗シアリルルイ
ス抗体である、請求抗24に記載のキット。 - 【請求項27】抗ルイス抗体が抗Lea抗体、抗Leb抗
体、抗Lex抗体又は抗Ley抗体である、請求項26に
記載のキット。 - 【請求項28】抗シアリルルイス抗体が抗S-Lea抗体
又は抗S−Lex抗体である、請求項26に記載のキッ
ト。 - 【請求項29】レクチンがL−フコース結合性レクチ
ン、D−ガラクトース又はN−アセチル−D−ガラクト
サミン結合性レクチン、D−マンノース結合性レクチ
ン、N−アセチルグルコサミン結合性レクチン又はシア
ル酸結合性レクチンである、請求項24に記載のキッ
ト。 - 【請求項30】レクチンがコンカナバリンA、ヒマレク
チン、レンズマメレクチン又はインゲンマメレクチンで
ある、請求項24に記載のキット。
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