JP2000081434A - サイログロブリンの測定方法 - Google Patents

サイログロブリンの測定方法

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JP2000081434A
JP2000081434A JP11180130A JP18013099A JP2000081434A JP 2000081434 A JP2000081434 A JP 2000081434A JP 11180130 A JP11180130 A JP 11180130A JP 18013099 A JP18013099 A JP 18013099A JP 2000081434 A JP2000081434 A JP 2000081434A
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Ryoji Kato
亮二 加藤
Masayuki Maruyama
正幸 丸山
Kenji Nakamura
賢治 中村
Kayoko Shimizu
佳代子 志水
Shinji Satomura
慎二 里村
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Fujifilm Wako Pure Chemical Corp
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Wako Pure Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 容易に且つ簡便に生体由来試料中の各種Tg
を測定できる方法、この測定結果に基づき甲状腺腫瘍の
悪性度を鑑別し得る方法並びに試薬の提供。 【解決手段】 サイログロブリンの不変領域に結合する
タンパク質と、特定の糖鎖構造を有するサイログロブリ
ンの当該糖鎖構造に特異的に結合するタンパク質を、夫
々1以上用いることを特徴とする、サイログロブリンの
測定方法、この測定結果に基づき甲状腺腫瘍の悪性度を
鑑別し得る方法並びに試薬。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、サイログロブリン(以
下、「Tg」と略記する。)の測定方法に関するもので
あり、特に特定の糖鎖構造を有するTgの測定方法に関
する。また、本発明は、特定の糖鎖構造を有するTgの
量を求め、この量に基づいて、甲状腺腫瘍悪性度を鑑別
する方法に関する。
【0002】
【発明の背景】Tgは甲状腺組織から分泌され、分子量
33万のサブユニットのダイマーで構成される分子量66万
の糖タンパク質であり、良性または悪性の甲状腺疾患に
おいて、細胞中や血液中の濃度が上昇することが知られ
ている。このため血液中のTg量の測定は甲状腺癌手術
後の経過観察に使用されている。しかしながら、血液中
のTg量で、甲状腺腫瘍の良性、悪性を鑑別することは
できない。
【0003】そのため、甲状腺腫瘍の悪性度の鑑別のた
めには、超音波診断、穿刺吸引細胞診がおこなわれてい
る。しかし、超音波診断では卓越した診断技術が要求さ
れ、また、穿刺吸引細胞診では、採取した細胞を培養す
る場合には鑑別までに数日間かかることや採取した細胞
を観察することにより鑑別する場合には熟練を要する、
等の問題がある。更に、穿刺吸引細胞診においては、濾
胞腺癌と濾胞腺腫との鑑別が困難であるという問題もあ
る。
【0004】更に、甲状腺腫瘍の良性と悪性の違いにつ
いて腫瘍細胞表面の糖鎖をレクチンなどの糖認識タンパ
ク質を用いて鑑別する方法が試みられ、良性甲状腺腫瘍
と甲状腺癌とで糖鎖が変化していることが判明するに至
った。しかし、この方法は、採取した各細胞を標識糖鎖
認識タンパク質と反応後、顕微鏡下でこの標識物の量を
確認するというものであるため、検査に熟練を要すると
いうことや、定量的な評価をすることが難しい、等の問
題がある。
【0005】一方、良性腫瘍細胞及び悪性腫瘍細胞より
Tgを夫々精製し、その糖鎖構造を解析した結果、良性
腫瘍と悪性腫瘍とでは結合している糖鎖の構造が違って
いることが明らかになっている。しかしこの方法でも、
採取した細胞からTgを精製したり、その糖鎖構造を解
析するために長時間かかるという問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上のような状況か
ら、本発明が解決しようとする課題は、容易に且つ簡便
に生体由来試料中の各種Tgを測定できる方法、この測
定結果に基づき甲状腺腫瘍の悪性度を鑑別し得る方法並
びに試薬の提供にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような課
題を解決するために成されたものであり、(1)Tgの
不変領域に結合するタンパク質と、特定の糖鎖構造を有
するTgの当該糖鎖構造に特異的に結合するタンパク質
を、夫々1以上用いることを特徴とする、Tgの測定方
法、(2)Tgの不変領域に結合するタンパク質と、特
定の糖鎖構造を有するTgの当該糖鎖構造に特異的に結
合するタンパク質を、夫々1以上含有してなる、Tg測
定用試薬、(3)特定の糖鎖構造を有するTg量又はそ
れ以外の糖鎖構造を有するTg量に基づいて鑑別を行う
ことを特徴とする、甲状腺腫瘍の悪性度鑑別方法、
(4)Tgの不変領域に特異的に結合するタンパク質
と、特定の糖鎖構造を有するTgの当該糖鎖構造に特異
的に結合するタンパク質を、夫々1以上含有してなる、
甲状腺腫瘍の悪性度鑑別用試薬、に関する。
【0008】即ち、本発明者らは、上記した如き課題を
解決するために鋭意研究した結果、Tgに特異的に結合
するタンパク質と、特定の糖鎖構造を有するTgの当該
糖鎖構造に特異的に結合するタンパク質を、夫々1以上
用いることにより、生体試料中のTgの総量、特定の糖
鎖構造を有するTg量又は/及びそれ以外の糖鎖構造を
有するTg量を測定し得ることを見出し、更に研究を重
ねた結果、得られる、特定の糖鎖構造を有するTg量又
はそれ以外の糖鎖構造を有するTg量、或いは全Tg中
の特定の糖鎖構造を有するTg又はそれ以外の糖鎖構造
を有するTgの割合が、甲状腺腫瘍の悪性度鑑別に有用
であることを見出し本発明を完成するに至った。
【0009】本発明に係るTgの不変領域に結合するタ
ンパク質(以下、「Tg結合タンパク質」と略記す
る。)としては、例えばTgの不変領域に結合する抗T
g抗体、Tg結合レセプター等が挙げられる。また、こ
れらは単独で用いても、適宜組み合わせて用いてもよ
い。尚、Tgの不変領域とは、生体試料中の全てのTg
に共通な構造領域のことを指す。また、本発明に係るT
g結合タンパク質は、Tgの不変領域以外の領域にも結
合する性質を有していてもよい。
【0010】Tg結合タンパク質には、特定の糖鎖構造
を有するTgの当該特定糖鎖構造に特異的に結合するタ
ンパク質(以下、「特定糖鎖結合タンパク質」と略記す
る。)が結合したTgとは結合しない性質を有するTg
結合タンパク質(以下、「競合性Tg結合タンパク質」
と略記する。)や特定糖鎖結合タンパク質の結合の有無
に拘わらず、全てのTgと結合し得る性質を有するTg
結合タンパク質(以下、「非競合性Tg結合タンパク
質」と略記する。)等が含まれる。
【0011】Tgの不変領域に結合する抗Tg抗体は、
このような性質を有する抗体であれば、常法、例えば
[免疫実験学入門、第2刷、松橋直ら、(株)学会出版
センター、1981]等に記載の方法に従って、例えば馬、
牛、羊、兎、山羊、ラット、マウス等の動物に測定対象
を免役して作製されるポリクローナル性抗体でも、或い
はまた常法、即ちケラーとミルスタイン(Nature、256
巻,495頁,1975)により確立された細胞融合法に従っ
て、例えばマウスの腫瘍ラインからの細胞と測定対象物
で予め免役されたマウスの脾臓細胞を融合させて得られ
るハイブリドーマが産出する単クローン性抗体でもよ
い。
【0012】本発明に係る特定糖鎖結合タンパク質とし
ては、例えばTgの特定糖鎖構造に特異的に結合する抗
体、レクチンなどが挙げられる。より具体的には、例え
ばルイス型糖鎖に反応する、例えば抗Lea抗体、抗L
b抗体、抗Lex抗体、抗Ley抗体、抗S−Lea抗体
等の抗体類、例えばミヤコグサレクチン等のL−フコー
ス結合性レクチン、例えばピーナッツレクチン,ダイズ
レクチン,ヒマレクチン,インゲンマメレクチン等のD
−ガラクトース又はN−アセチル−D−ガラクトサミン
結合性レクチン、例えばコンカナバリンA,レンズマメ
レクチン,エンドウマメレクチン等のD−マンノース結
合性レクチン、例えば小麦胚芽レクチン,ダツラレクチ
ン等のN−アセチルグルコサミン結合性レクチン、例え
ばカブトガニレクチン等のシアル酸結合性レクチン等の
レクチン類が挙げられる。中でもD−ガラクトース又は
N−アセチル−D−ガラクトサミン結合性レクチン、D
−マンノース結合性レクチン等が好ましい。また、これ
らは単独で用いても、適宜組み合わせて用いてもよい。
【0013】尚、上記のレクチンの分類に於いて、結合
性とは、適当な糖鎖を結合させたアフィニティーカラム
に一旦結合させたレクチンがどのような糖で溶出され易
いかを示すもので、例えばD−ガラクトース又はN−ア
セチル−D−ガラクトサミン結合性レクチンとは、アフ
ィニティーカラムに一旦結合させた後、D−ガラクトー
ス若しくはN−アセチル−D−ガラクトサミンにより溶
出されるレクチンのことを意味する。
【0014】また、特定糖鎖構造に特異的に結合する抗
体も、上記した如き常法に準じて調製されたポリクロー
ン性抗体でも単クローン性抗体でもよい。
【0015】本発明において、特定糖鎖構造とは、より
具体的には、上記した如きレクチンが結合し得る糖鎖
構造、例えば甲状腺腫瘍細胞等の腫瘍細胞が産生する
Tgが有する糖鎖構造、等であり、更に具体的には例え
ば Yamamoto, K., Eur. J.Biochem.,vol.143,133-144,
1984等の文献に記載された如き糖鎖構造である。
【0016】本発明の測定方法は、Tg結合タンパク質
と特定糖鎖結合タンパク質とを適宜組み合わせて、例え
ば血漿、血清、髄液、各種生体組織の成分抽出液、尿等
の生体由来試料中の種々のTgを測定することを特徴と
するものであり、その具体的な測定対象は、例えば総T
g、特定の糖鎖構造を有するTg、それ以外の糖鎖構造
を有するTg等である。尚、Tgは、生体中で分解作用
により、種々のフラグメントになるが、このようなもの
であってもTg結合タンパク質又は/及び特定糖鎖結合
タンパク質が結合し得るものは、本発明の測定対象であ
る。これら測定対象は、別々に測定してもよいし、一度
の測定で同時に測定してもよい。
【0017】以下に、本発明の実施態様について述べ
る。 (1)生体由来試料と、Tg結合タンパク質又は特定
糖鎖結合タンパク質とを反応させて、[Tg結合タンパ
ク質]−[Tg]又は[特定糖鎖結合タンパク質]−[Tg]
の複合体を形成させる。 次いで、得られた複合体に、適当な標識物質が結合し
た特定糖鎖結合タンパク質(以下、「標識特定糖鎖結合
タンパク質」と略記する。)又は適当な標識物質が結合
したTg結合タンパク質(以下、「標識Tg結合タンパ
ク質」と略記する)を反応させて、[Tg結合タンパク
質]−[Tg]−[標識特定糖鎖結合タンパク質]又は[特定
糖鎖結合タンパク質]−[Tg]−[標識Tg結合タンパク
質]の複合体を形成させる。 次いで、遊離の標識特定糖鎖結合タンパク質又は標識
Tg結合タンパク質を除去した後、 で得られた複合体中の標識物質量を測定し、その値
をもとに特定糖鎖構造を有するTg量を求める。
【0018】(2)生体由来試料と、標識特定糖鎖結
合タンパク質と、非競合性Tg結合タンパク質とを反応
させて、[標識特定糖鎖結合タンパク質]−[Tg]−[非
競合性Tg結合タンパク質]の複合体を形成させる。 次いで、得られた複合体と遊離の標識特定糖鎖結合タ
ンパク質とを分離した後、 で得られた複合体中の標識物質量を測定し、その値
をもとに特定糖鎖構造を有するTg量を求める。
【0019】(3)生体由来試料と、特定糖鎖結合タ
ンパク質とを反応させて、[Tg]−[特定糖鎖結合タン
パク質]の複合体を形成させる。 次いで、得られた複合体と、特定糖鎖結合タンパク質
が結合しなかったTgとを分離し、 複合体中の特定糖鎖構造を有するTg量又は特定の糖
鎖構造以外の糖鎖構造を有するTg量を求める。
【0020】(4)生体由来試料と、Tg結合タンパ
ク質とを反応させて、[Tg結合タンパク質]−[Tg]の
複合体を形成させる。 次いで、特定糖鎖結合タンパク質と、適当な標識物質
を結合させた競合性Tg結合タンパク質(以下、「標識
競合性Tg結合タンパク質」と略記する。)を反応させ
て、[Tg結合タンパク質]−[Tg]−[特定糖鎖結合タ
ンパク質]と、[Tg結合タンパク質]−[Tg]−[標識競
合性Tg結合タンパク質]の複合体を形成させる。 次いで、遊離の標識競合性Tg結合タンパク質を除去
した後、 で得られた複合体中の標識物質量を測定し、その値
をもとに特定の糖鎖構造以外の糖鎖構造を有するTg量
を求める。
【0021】(5)生体由来試料と、特定糖鎖結合タ
ンパク質とを反応させ、次いで競合性Tg結合タンパク
質を反応させて、複合体(a)[特定糖鎖結合タンパク質]
−[Tg]と複合体(b)[競合性Tg結合タンパク質]−[T
g]の複合体を形成させる。 次いで、得られた複合体(b)を分離し、 該複合体(b)に標識Tg結合タンパク質を反応させ
て、複合体(c)[競合性Tg結合タンパク質]−[Tg]−
[標識Tg結合タンパク質]の複合体を形成させた後、 遊離の標識Tg結合タンパク質を分離し、 で得られた複合体(c)中の標識物質量を測定し、そ
の値をもとに特定の糖鎖構造以外の糖鎖構造を有するT
g量を求める。
【0022】(6)生体由来試料と、特定糖鎖結合タ
ンパク質と、標識競合性Tg結合タンパク質とを反応さ
せて、複合体(a)[特定糖鎖結合タンパク質]−[Tg]と
複合体(b)[標識競合性Tg結合タンパク質]−[Tg]の
複合体を形成させる。 次いで、複合体(b)を遊離の標識競合性Tg結合タン
パク質及び複合体(a)から分離し、 複合体(b)中の標識物質の量を測定し、その値をもと
に特定の糖鎖構造以外の糖鎖構造を有するTg量を求め
る。
【0023】(7)生体由来試料と、標識Tg結合タ
ンパク質と、特定糖鎖結合タンパク質とを反応させて、
複合体(a)[標識Tg結合タンパク質]−[Tg]と、複合
体(b)[標識Tg結合タンパク質]−[Tg]−[特定糖鎖結
合タンパク質]の複合体を形成させる。 次いで、遊離の標識Tg結合タンパク質を除去した
後、 で得られた複合体(a)と複合体(b)中の標識物質量を
夫々測定し、その値をもとに特定の糖鎖構造を有するT
g量、それ以外の糖鎖構造を有するTg量、及び総Tg
量を求める。
【0024】(8)生体由来試料と、適当な標識物質
が結合した非競合性Tg結合タンパク質(以下、「標識
非競合性Tg結合タンパク質」と略記する。)と特定糖
鎖結合タンパク質と、競合性Tg結合タンパク質とを反
応させて、複合体(a)[標識非競合性Tg結合タンパク
質]−[Tg]−[競合性Tg結合タンパク質]と複合体(b)
[標識非競合性Tg結合タンパク質]−[Tg]−[特定糖
鎖結合タンパク質]の複合体を形成させる。 次いで、遊離の標識非競合性Tg結合タンパク質、複
合体(a)及び複合体(b)を分離し、 で得られた複合体(a)又は複合体(b)中の標識物質
量を夫々測定し、その値をもとに特定の糖鎖構造を有す
るTg量、それ以外の糖鎖構造を有するTg量及び総T
g量を求める。
【0025】(9)生体由来試料と、標識Tg結合タ
ンパク質と特定糖鎖結合タンパク質と、競合性Tg結合
タンパク質とを反応させて、複合体(a)[標識Tg結合タ
ンパク質]−[Tg]−[競合性Tg結合タンパク質]と複
合体(b)[標識Tg結合タンパク質]−[Tg]−[特定糖鎖
結合タンパク質]の複合体を形成させる。 次いで、遊離の標識Tg結合タンパク質、複合体(a)
及び複合体(b)を分離し、 で得られた複合体(a)又は複合体(b)中の標識物質
量を夫々測定し、その値をもとに特定の糖鎖構造を有す
るTg量、それ以外の糖鎖構造を有するTg量及び総T
g量を求める。
【0026】以下に測定方法の具体例を述べる。 I.測定対象を別々に測定する方法。 測定対象、即ち、例えば総Tg、特定の糖鎖構造を有す
るTg、それ以外の糖鎖構造を有するTg等は、夫々例
えば以下のようにして測定される。 I−1.総Tgの測定 Tg結合タンパク質を用いる自体公知の測定法により測
定すればよい。
【0027】I−2.特定の糖鎖構造を有するTgの測
定 I−2−1)Tg結合タンパク質固定化不溶性担体を用
いる方法。 例えば血漿、血清、髄液、各種生体組織の成分抽出液、
尿等の生体由来試料と、Tg結合タンパク質固定化不溶
性担体とを反応させて、下記の固定化複合体を形成させ
る。 [不溶性担体]−Tg結合タンパク質−Tg 次いで、不要な共存物質を洗浄等で除去した後、当該固
定化複合体に、更に標識特定糖鎖結合タンパク質を反応
させて、下記の固定化複合体を形成させる。 [不溶性担体]−Tg結合タンパク質−Tg−標識特定
糖鎖結合タンパク質次いで、当該固定化複合体を洗浄す
る等して遊離の標識特定糖鎖結合タンパク質を除去した
後、当該固定化複合体中の標識物質量を適当な方法によ
り測定し、得られた測定値を、例えば予め濃度既知の特
定糖鎖構造を有するTgを含む標準液を用いて同様の方
法により測定を行って得られた、標識物質量(測定値)
とTg濃度との関係を表す検量線等に当てはめる等する
ことにより、試料中の特定糖鎖構造を有するTg量を求
めることができる。
【0028】I−2−2)特定糖鎖結合タンパク質固定
化不溶性担体を用いる方法。 例えば血漿、血清、髄液、各種生体組織の成分抽出液、
尿等の生体由来試料と、特定糖鎖結合タンパク質固定化
不溶性担体とを反応させて、下記の固定化複合体を形成
させる。 [不溶性担体]−特定糖鎖結合タンパク質−Tg 次いで、不要な共存物質を洗浄等で除去した後、当該固
定化複合体に、更に標識Tg結合タンパク質を反応させ
て、下記の固定化複合体を形成させる。 [不溶性担体]−特定糖鎖結合タンパク質−Tg−標識
Tg結合タンパク質次いで、当該固定化複合体を洗浄す
る等して遊離の標識Tg結合タンパク質を除去した後、
当該固定化複合体中の標識物質量を適当な方法により測
定し、得られた測定値を、例えば予め濃度既知の特定糖
鎖構造を有するTgを含む標準液を用いて同様の方法に
より測定を行って得られた、標識物質量(測定値)とT
g濃度との関係を表す検量線等に当てはめる等すること
により、試料中の特定糖鎖構造を有するTg量を求める
ことができる。
【0029】I−2−3)標識特定糖鎖結合タンパク質
と高速液体クロマトグラフィー(HPLC)等とを用い
る方法。 例えば血漿、血清、髄液、各種生体組織の成分抽出液、
尿等の生体由来試料と、標識特定糖鎖結合タンパク質と
非競合性Tg結合タンパク質とを反応させて、試料中に
下記の複合体を形成させる。 標識特定糖鎖結合タンパク質−Tg−非競合性Tg結合
タンパク質 次いで、この複合体と遊離の標識特定糖鎖結合タンパク
質とを、適当な充填剤を充填したHPLCや電気泳動法
等を用いて分離し、該複合体中の標識物質量を適当な方
法により測定し、得られた測定値を、例えば予め濃度既
知の特定糖鎖構造を有するTgを含む標準液を用いて同
様の方法により測定を行って得られた、標識物質量(測
定値)とTg濃度との関係を表す検量線等に当てはめる
等することにより、試料中の特定糖鎖構造を有するTg
量を求めることができる。
【0030】I−3.特定の糖鎖構造以外の糖鎖構造を
有するTgの測定 I−3−1)遊離の特定糖鎖結合タンパク質を用いる方
法 先ず、例えば血漿、血清、髄液、各種生体組織の成分抽
出液、尿等の生体由来試料と、特定糖鎖結合タンパク質
とを反応させ、試料中の特定糖鎖構造を有するTgと特
定糖鎖結合タンパク質との複合体(以下、「糖鎖結合T
g」と略記する場合がある。)を生成させる。次いで、
糖鎖結合Tgと、特定糖鎖結合タンパク質が結合しなか
ったTg、言い換えれば、特定の糖鎖構造以外の糖鎖構
造を有するTg(以下、「非結合Tg」と略記する場合
がある。)とを、例えば、遠心分離法、ゲル濾過法、分
子分画膜法、電気泳動法等の自体公知の分離方法を利用
して試料から分離することにより非結合Tgのみを含む
試料を調製する。このようにして得られた、非結合Tg
のみを含む試料中のTg量を、Tg結合タンパク質を用
いる自体公知の測定法により測定することにより、非結
合Tg量を求めることができる。尚、非結合Tgのみを
含有する試料は、特定糖鎖結合タンパク質を固定化した
担体を用いるアフィニティクロマトグラフィーによって
試料を処理することにより調製してもよい。
【0031】I−3−2)競合性Tg結合タンパク質を
用いる方法 先ず、Tg結合タンパク質を固定化した不溶性担体と、
例えば血漿、血清、髄液、各種生体組織の成分抽出液、
尿等の生体由来試料とを反応させ、下記の固定化複合体
を形成させる。 [不溶性担体]−Tg結合タンパク質−Tg 次いで、不要な共存物質を洗浄等で除去した後、当該固
定化複合体に特定糖鎖結合タンパク質を反応させ、更に
標識競合性Tg結合タンパク質を反応させて、下記の固
定化複合体を形成させる。 [不溶性担体]−Tg結合タンパク質−Tg−特定糖鎖
結合タンパク質 [不溶性担体]−Tg結合タンパク質−Tg−標識競合
性Tg結合タンパク質 次いで、当該固定化複合体を洗浄する等して遊離の標識
競合性Tg結合タンパク質を除去した後、当該固定化複
合体中の標識物質量を適当な方法により測定し、得られ
た測定値を、例えば予め濃度既知の特定糖鎖構造以外の
糖鎖構造を有するTg、即ち、非結合Tgを含む標準液
を用いて同様の方法により測定を行って得られた、標識
物質量(測定値)とTg濃度との関係を表す検量線等に
当てはめる等することにより、試料中の非結合Tg量を
求めることができる。
【0032】I−3−3)競合性Tg結合タンパク質固
定化不溶性担体を用いる方法。 先ず、例えば血漿、血清、髄液、各種生体組織の成分抽
出液、尿等の生体由来試料と、特定糖鎖結合タンパク質
とを反応させ、試料中に糖鎖結合Tgを生成させる。次
いで、この試料と、競合性Tg結合タンパク質固定化不
溶性担体とを反応させて下記の固定化複合体を生成させ
る。 [不溶性担体]−競合性Tg結合タンハ゜ク質−非結合Tg 次いで、不要な共存物質を洗浄等で除去した後、当該固
定化複合体に標識Tg結合タンパク質を反応させて、下
記の固定化複合体を形成させる。 [不溶性担体]−競合性Tg結合タンハ゜ク質−非結合Tg
−標識Tg結合タンハ゜ク質次いで、当該固定化複合体を洗
浄する等して遊離の標識Tg結合タンパク質を除去した
後、当該固定化複合体中の標識物質量を適当な方法によ
り測定し、得られた測定値を、例えば予め濃度既知の非
結合Tgを含む標準液を用いて同様の方法により測定を
行って得られた、標識物質量(測定値)とTg濃度との
関係を表す検量線等に当てはめる等することにより、試
料中の非結合Tg量を求めることができる。
【0033】I−3−4)標識競合性Tg結合タンパク
質とHPLC等を用いる方法。 先ず、例えば血漿、血清、髄液、各種生体組織の成分抽
出液、尿等の生体由来試料と、特定糖鎖結合タンパク質
とを反応させ、糖鎖結合Tgを生成させる。次いで、こ
の試料と、標識競合性Tg結合タンパク質とを反応させ
て下記の複合体を生成させる。 非結合Tg−標識競合性Tg結合タンパク質 次いで、この複合体と遊離の標識競合性Tg結合タンパ
ク質とを、適当な充填剤を充填したHPLCや電気泳動
法等を用いて分離し、該複合体中の標識物質量を適当な
方法により測定し、得られた測定値を、例えば予め濃度
既知の非結合Tgを含む標準液を用いて同様の方法によ
り測定を行って得られた、標識物質量(測定値)とTg
濃度との関係を表す検量線等に当てはめること等によ
り、試料中の非結合Tg量を求めることができる。尚、
当然のことながら、特定糖鎖構造を有するTg(糖鎖結
合Tg)量は、総Tg量から特定糖鎖構造以外の糖鎖構
造を有するTg(非結合Tg)量を差し引くことによっ
ても求めることができるし、特定糖鎖構造以外の糖鎖構
造を有するTg(非結合Tg)量は、総Tg量から特定
糖鎖構造を有するTg(糖鎖結合Tg)量を差し引くこ
とによっても求めることができる。
【0034】II.測定対象を一度の測定操作で測定する
方法。 II−1.標識Tg結合タンパク質と特定糖鎖結合タンパ
ク質を用いる方法 特開平7−191027号公報に開示された方法に準じ
て以下の如く行えばよい。即ち、先ず、例えば血漿、
血清、髄液、各種生体組織の成分抽出液、尿等の生体由
来試料と、標識Tg結合タンパク質及び特定糖鎖結合タ
ンパク質とを反応させるか、又は、生体由来試料と、
標識Tg結合タンパク質を反応させた後、当該反応液に
更に特定糖鎖結合タンパク質を添加して反応させて、以
下の複合体を形成させる。 標識Tg結合タンパク質−Tg 標識Tg結合タンパク質−Tg−特定糖鎖結合タンパク
質 次いで、これら複合体並びに遊離の標識Tg結合タンパ
ク質を、適当な充填剤を充填したHPLCや電気泳動法
等を用いて夫々分離し、夫々の複合体中の標識物質量を
適当な方法により測定し、得られた測定値を、例えば予
め濃度既知の、特定糖鎖構造を有するTg又は/及びそ
れ以外の糖鎖構造を有するTgを含む標準液を用いて同
様の方法により測定を行って得られた、標識物質量(測
定値)と各種Tg濃度との関係を表す検量線等に当ては
める等することにより、試料中の特定糖鎖構造を有する
Tg及びそれ以外の糖鎖構造を有するTg、並びにこれ
らTgの合計、即ち総Tgを一度の測定で求めることが
できる。尚、複合体並びに遊離の標識Tg結合タンパク
質を分離する方法としては、操作性や繰り返し使用でき
ること等を考慮するとHPLCを用いる方法が好まし
い。また、使用するTg結合タンパク質は、非競合性の
ものが好ましい。
【0035】II−2.非競合性Tg結合タンパク質、競
合性タンパク質及び特定糖鎖結合タンパク質とを用いる
方法 先ず、例えば血漿、血清、髄液、各種生体組織の成分抽
出液、尿等の生体由来試料と、標識非競合性Tg結合タ
ンパク質、競合性Tg結合タンパク質及び特定糖鎖結合
タンパク質とを反応させて、以下の複合体を形成させ
る。 標識非競合性Tg結合タンパク質−Tg−競合性Tg結
合タンパク質 標識非競合性Tg結合タンパク質−Tg−特定糖鎖結合
タンパク質 次いで、これら複合体並びに遊離の標識非競合性Tg結
合タンパク質を、適当な充填剤を充填したHPLCや電
気泳動法等を用いて分離し、夫々の複合体中の標識物質
量を適当な方法により測定し、得られた測定値を、例え
ば予め濃度既知の、特定糖鎖構造を有するTg又は/及
びそれ以外の糖鎖構造を有するTgを含む標準液を用い
て同様の方法により測定を行って得られた、標識物質量
(測定値)と各種Tg濃度との関係を表す検量線等に当
てはめる等することにより、試料中の特定糖鎖構造を有
するTg及びそれ以外の糖鎖構造を有するTg、並びに
これらTgの合計、即ち総Tgを一度の測定で求めるこ
とができる。さらに、標識非競合Tg結合タンパク質と
エピト−プの違う非競合Tg結合タンパク質を同時に反
応させることにより、複合体の性質を測定に影響する血
清成分の性質との違いを大きくすることができ、血清成
分の影響が少なくなり、測定精度が向上するため好まし
い。尚、複合体並びに遊離の標識非競合性Tg結合タン
パク質を分離する方法としては、操作性や繰り返し使用
できること等を考慮するとHPLCを用いる方法が好ま
しい。
【0036】II−3.標識Tg結合タンパク質と競合性
Tg結合タンパク質を用いる方法 先ず、例えば血漿、血清、髄液、各種生体組織の成分
抽出液、尿等の生体由来試料と、標識Tg結合タンパク
質を反応させた後、当該反応液にさらに特定糖鎖結合タ
ンパク質及び競合性Tg結合タンパク質を反応させて、
以下の複合体を形成させる。 標識Tg結合タンパク質−Tg−競合性Tg結合タンパ
ク質 標識Tg結合タンパク質−Tg−特定糖鎖結合タンパク
質 次いで、これら複合体並びに遊離の標識Tg結合タンパ
ク質を、適当な充填剤を充填したHPLCや電気泳動法
等を用いて夫々分離し、夫々の複合体中の標識物質量を
適当な方法により測定し、得られた測定値を、例えば予
め濃度既知の、特定糖鎖構造を有するTg又は/及びそ
れ以外の糖鎖構造を有するTgを含む標準液を用いて同
様の方法により測定を行って得られた、標識物質の測定
値と各種Tg濃度との関係を表す検量線等に当てはめる
ことにより、試料中の特定糖鎖構造を有するTg及びそ
れ以外の糖鎖構造を有するTg、並びにこれらTgの合
計、即ち総Tgを一度の測定で求めることができる。さ
らに標識Tg結合タンパク質の反応後に、標識Tg結合
タンパク質とエピト−プの違うTg結合タンパク質を反
応させることにより、複合体の性質を測定に影響する血
清成分の性質との違いを大きくすることができ、血清成
分の影響が少なくなり、測定精度が向上するため好まし
い。尚、複合体並びに遊離の標識Tg結合タンパク質を
分離する方法としては、操作性や繰り返し使用できるこ
と等を考慮するとHPLCを用いる方法が好ましい。
【0037】Tg結合タンパク質を用いる自体公知のT
g測定法は、例えばTg結合タンパク質として抗Tg抗
体を用いて、いわゆる酵素免疫測定法(EIA)、放射免
疫測定法(RIA)、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)、
蛍光免疫測定法(FIA)、HPLCを用いる測定方法
(特開平9−301995号公報等)等の免疫学的測定
法に準じて行えばよい。また、その測定原理も、サンド
イッチ法、競合法、二抗体法等のいずれにてもよい。
【0038】種々のTg結合タンパク質や特定糖鎖結合
タンパク質を固定化するために用いられる不溶性担体と
しては、上記した如き免疫学的測定法の分野で通常用い
られるものでよく、例えば金属、ガラス、セラミック、
シリコンラバー、例えばポリスチレン,ポリ塩化ビニ
ル,ポリプロピレン,アクリル樹脂,ポリメチルメタク
リレート等の合成高分子等で調製された、ビーズ、チュ
ーブ、多数のチューブが一体成形された専用のトレイ、
マイクロタイタープレート等が挙げられ、固定化方法と
しても、上記した如き免疫学的測定法の分野で通常用い
られる、例えば物理的吸着法、化学的結合法等が挙げら
れる。
【0039】本発明に係るTg結合タンパク質や特定糖
鎖結合タンパク質に結合させる標識物質としては、例え
ばEIAに於いて用いられるアルカリホスファターゼ,
β-ガラクトシダーゼ,パーオキシダーゼ,マイクロペ
ルオキシダーゼ,グルコースオキシダーゼ,グルコース
-6-リン酸脱水素酵素,アセチルコリンエステラーゼ,
リンゴ酸脱水素酵素,ルシフェラーゼ等の酵素類、例え
ばRIAで用いられる 99mTc,131I,125I,14C,3
H等の放射性同位元素、例えばFIAで用いられるフル
オレセイン,ダンシル,フルオレスカミン,クマリン,
ナフチルアミン或はこれらの誘導体等の蛍光性物質、例
えばルシフェリン,イソルミノール,ルミノール,ビス
(2,4,6-トリフロロフェニル)オキザレート等の発光性物
質、例えばフェノール,ナフトール,アントラセン或は
これらの誘導体等の紫外部に吸収を有する物質、例えば
4-アミノ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オキシ
ル,3-アミノ-2,2,5,5-テトラメチルピロリジン-1-オキ
シル,2,6-ジ-t-ブチル-α-(3,5-ジ-t-ブチル-4-オキソ
-2,5-シクロヘキサジエン-1-イリデン)-p-トリルオキシ
ル等のオキシル基を有する化合物に代表されるスピンラ
ベル化剤としての性質を有する物質等が挙げられる。
【0040】また、上記した如き標識物質を、Tg結合
タンパク質や特定糖鎖結合タンパク質に結合させる(標
識する)方法としては、自体公知のEIA、RIA或は
FIA等に於いて一般に行われている自体公知の標識方
法に準じて行えばよい。また、標識方法として、アビジ
ン(又はストレプトアビジン)とビオチンの反応を利用
した常法を利用しても良い。
【0041】本発明のHPLCを利用する測定法に於い
て用いられるHPLC用装置も、通常この分野で用いら
れるものであればよい。
【0042】本発明のHPLCを利用する測定法に於い
ては、複合体と遊離の標識Tg結合タンパク質(或いは
標識特定糖鎖結合タンパク質)とをより明確に分離する
ために、例えば特開平7−191027号公報、特開平
9−301995号公報等に開示された、これらの分離
を向上させるための物質(以下、「分離向上物質」と略
記する。)を結合させた、Tg結合タンパク質や特定糖
鎖結合タンパク質等を用いてもよい。
【0043】このような目的に用いられる分離向上物質
としては、例えばα−キモトリプシノーゲン,β−ガラ
クトシダーゼ,リゾチーム,チトクロームC,トリプシ
ンインヒビター等のタンパク質、例えばフェニルアラニ
ン,プロリン,アルギニン,リジン,アスパラギン酸,
グルタミン酸等のアミノ酸を含むペプチド、例えば臭
素,塩素,沃素等のハロゲン原子、例えばポリエチレン
グリコール等の合成高分子、例えばポリグルタミン酸,
ポリアスパラギン酸,ポリリジン,ポリアルギニン,ポ
リフェニルアラニン,ポリチロシン等のポリアミノ酸、
炭素数3〜10のアルキル鎖、例えばパルミチン酸,オレ
イン酸,ステアリン酸等の脂肪酸、例えばN-(ε-マレイ
ミドカプロイルオキシ)スクシンイミド[N-(ε-maleimi
docaproyloxy)succinimide](EMCS),N-スクシン
イミヂル-6-マレイミドヘキサノエイト(N-Succinimidy
l-6-maleimidohexanoate),ビスマレイミドヘキサン
(Bismaleimidohexane)(BMH),オクチルアミン等
のTg結合タンパク質や特定糖鎖結合タンパク質に結合
し得る反応基を有し且つ疎水性若しくはイオン性を有す
る化学物質、例えば特開平9-301995号公報に記載された
4-(p-マレイミドフェニル)ブチリルAla-(Tyr(SO
3H))5、4-(p-マレイミドフェニル)ブチリルAla-(Tyr(S
O3H))8等の強酸残基含有ペプチド等が好ましく挙げられ
る。尚、分離向上物質は、測定対象であるTg、Tg結
合タンパク質、特定糖鎖結合タンパク質の性質(例えば
pH安定性,疎水度,水溶液への溶解度,等電点等)を
考慮した上で適宜選択して用いればよい。
【0044】分離向上物質と、Tg結合タンパク質又は
/及び特定糖鎖結合タンパク質とのの結合方法も、
(1)自体公知のEIA、RIA或いはFIA等におい
て一般に行われている自体公知の標識物質と抗体との結
合方法(例えば、医学実験口座、第8巻、山村雄一監
修、第1版、中山書店、1971;図説 蛍光抗体、川生明
著、第1版、(株)ソフトサイエンス社、1983;酵素免疫
測定法、石川栄治、河合忠、宮井潔編、第2版、医学書
院、1982、等)、(2)自体公知の物質の修飾および結
合方法(例えば、蛋白質の化学修飾〈上〉〈下〉、瓜谷
郁三、志村憲助、中村道徳、船津勝編集、第1版、(株)
学会出版センター、1981;ポリエチレングリコール修飾
タンパク質、稲田祐二他、生化学、第62巻、第11号、P1
351ー1362、(社)日本生化学会、1990;DNA PROBES, Ge
orge H.K. and Mark M.M. STOCKTON PRESS,1989、等)
等に準じて行えばよい。
【0045】本発明の測定方法により得られた、総T
g、特定の糖鎖構造を有するTg、それ以外の糖鎖構造
を有するTg等の値を適宜組み合わせることにより甲状
腺腫瘍の悪性度を鑑別することが可能である。
【0046】即ち、例えば総Tg中の特定の糖鎖構造を
有するTg又はそれ以外の糖鎖構造を有するTgの割合
を求めることにより、甲状腺腫瘍の悪性度、言い換えれ
ば、その腫瘍が良性か悪性かを鑑別することができる。
【0047】更に具体的に述べれば、例えば特定糖鎖結
合タンパク質として、例えばピーナッツレクチン,ダイ
ズレクチン,ヒマレクチン,インゲンマメレクチン等の
D−ガラクトース又はN−アセチル−D−ガラクトサミ
ン結合性レクチン、例えばコンカナバリンA,レンズマ
メレクチン,エンドウマメレクチン等のD−マンノース
結合性レクチン等を用いて、総Tg中の、特定の糖鎖構
造を有するTg又はそれ以外の糖鎖構造を有するTgの
割合を求めれば、その値に基づいて甲状腺乳頭癌と例え
ば良性甲状腺腫瘍、バセドウ病等との鑑別や、甲状腺濾
胞癌と甲状腺濾胞腺腫との鑑別等が可能となる。
【0048】即ち、本発明の甲状腺腫瘍の悪性度鑑別方
法は、本発明者らが初めて見出したこれらの事実に基づ
いて成されたものである。
【0049】本発明のTg測定用試薬は、Tgの不変領
域に結合するタンパク質と、特定の糖鎖構造を有するT
gの当該糖鎖構造に特異的に結合するタンパク質を、夫
々1以上含有してなるものであり、その構成要素の好ま
しい態様と具体例は上で述べたとおりである。
【0050】また、本発明の甲状腺腫瘍の悪性度鑑別用
試薬は、Tgの不変領域に特異的に結合するタンパク質
と、特定の糖鎖構造を有するTgの当該糖鎖構造に特異
的に結合するタンパク質を、夫々1以上含有してなるも
のであり、その構成要素の好ましい態様と具体例は上で
述べたとおりである。
【0051】これら試薬中には、通常この分野で用いら
れる試薬類、例えば緩衝剤、反応促進剤、糖類、タンパ
ク質、塩類、界面活性剤等の安定化剤、防腐剤等であっ
て、共存する試薬等の安定性を阻害したり、Tgと、T
g結合タンパク質又は/及び特定糖鎖結合タンパク質と
の反応を阻害しないものが含まれていてもよい。また、
その濃度も、通常この分野で通常用いられる濃度範囲か
ら適宜選択すればよい。
【0052】また、マグネシウム等の金属イオンがレク
チン活性や安定性に影響を与えることはよく知られてお
り、これらを含んでいてもよい。
【0053】本発明の試薬に於いて用いることのできる
緩衝剤としては、例えばトリス緩衝剤、リン酸緩衝剤、
ベロナール緩衝剤、ホウ酸緩衝剤、グッド緩衝剤等通常
免疫比濁法、免疫比ろう法、RIA、EIAに用いられ
ている緩衝剤は全て挙げられ、測定反応時のpHとして
は抗原抗体反応やTgとレクチン等との反応を抑制しな
い範囲であれば特に限定されないが、通常6〜10であ
る。
【0054】以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に
説明するが、本発明はこれら実施例により何等制限され
るものではない。
【0055】
【実施例】実施例1 コンカナバリンA(ConA)を用い
た乳頭癌の鑑別方法 (パーオキシダーゼ標識抗Tg抗体) 抗Tg抗体(以下、「抗Tg-1」と略記する。)とパーオキ
シダーゼとを常法により結合させてパーオキシダーゼ標
識抗Tg抗体(以下、「抗Tg-1・POD」略記する。)を調
製した。 (試料)ヒト甲状腺組織小片0.1g(湿重量)を0.1Mり
ん酸緩衝液(pH7.5、0.9%NaCl含有、以下「PBS」と略
す)1ml中でガラスホモジナイザーを用いてホモジナイ
ズ後、4℃、30000g、5分間遠心分離を行い、得られた上
清を試料とした。使用したヒト甲状腺組織は、乳頭癌11
例、良性甲状腺腫5例、バセドウ病5例、正常5例であっ
た。 (試液1)ConA(株式会社ホーネンコーポレーション社
製)をPBSに15mg/mLとなるように溶解したものを試液1
とした。 (試料の前処理)試料と試液1の各50μLを混合し、4℃
で一晩インキュベーションを行い、4℃、3000g、20min
で遠心分離し、沈殿物を除去し、得られた上清を前処理
液1とした。尚、遠心分離処理により、ConAと結合した
Tgは除去される。また試液1のかわりにPBSを用い、同
様の方法で得た上清を前処理液2とした。 (Tg濃度の測定)抗Tg-1とエピトープの違う抗Tg抗体
(以下、「抗Tg-2」と略記する)を5μg含むPBS1ml
を96穴マイクロプレートの各ウエルに注入し、20℃
で1時間放置した後PBSで洗浄して、抗Tg-2を固定化し
た。次いで、1%牛胎児血清含有PBS 0.2mlをこのマイク
ロプレートの各ウエルに注入し、20℃で1時間放置し
た後PBSで洗浄して、ブロッキング処理を行った。1%牛
胎児血清含有PBS 100μL、及び前処理液1または前処理
液2の50μLとを、このマイクロプレートのウエルに注
入し、20℃で1時間反応させた。反応終了後、マイクロ
プレートの各ウエルをPBSで洗浄した後、10000倍に希釈
した抗Tg-1・POD100μLを注入し、20℃で1時間反応さ
せた。反応終了後、PBSで洗浄後、3.3'5.5'-tetramethy
lbenzidine(Kirkegaad and Perry Labs Inc社製)溶液
100μL加え、20℃、30分反応させ、次いで1Mりん酸50
μLを加え反応を停止させた。各ウエルの450nmの吸光度
をマイクロプレートリーダー スペクトラ1(和光純薬
工業(株)製)で測定し、得られた吸光度を、予め濃度
既知のTg溶液を用いて同様の操作を行って得られたT
g濃度と吸光度との関係を表す検量線に当てはめ、前処
理液1及び2のTg濃度を算出した。尚、前処理液1中の
Tg濃度は、ConA非結合性Tg量を表し、前処理液2中の
Tg濃度は、総Tg量を表す。 (ConA非結合性Tg割合の算出)下記の式によりConA非結
合性Tg割合(%)を算出した。 ConA非結合性Tg割合(%)=[(ConA非結合性Tg量)/(総
Tg量)]×100 (結果)測定したConA非結合性Tg割合(%)を図1に示
す。図1から明らかな如く、乳頭癌組織抽出液ではConA
非結合性Tg割合(%)が、良性甲状腺腫組織抽出液、バ
セドウ病組織抽出液又は正常組織抽出液のそれに比べ有
意に高いことが判る。また、良性甲状腺腫組織抽出液、
バセドウ病組織抽出液及び正常組織抽出液間では、ConA
非結合性Tg割合(%)に差は認められないことも判
る。即ち、乳頭癌組織では糖鎖の変化したTg、即ちCo
nA非結合性Tgが増加すること、言い換えれば、ConA非結
合性Tg割合(%)は、良性甲状腺腫瘍と乳頭癌の鑑別に
非常に有用であることが判った。
【0056】実施例2 ヒマレクチン−120(RCA120)
を用いた乳頭癌の鑑別方法 (パーオキシダーゼ標識抗Tg抗体)実施例1と同じ。 (試料)実施例1の試料と同様にして調製した。尚、使
用したヒト甲状腺組織は、乳頭癌7例、バセドウ病5例、
及び正常4例であった。 (試液1)RCA120(株式会社ホーネンコーポレーション
社製)をPBSに2.5mg/mLとなるように溶解したものを試
液1とした。 (試料の前処理)実施例1の試料の前処理方法と同様に
して、前処理液1及び2を調製した。 (Tg濃度の測定)実施例1のTg濃度の測定方法と同様に
して行った。即ち、前処理液1中のTg濃度は、RCA120
非結合性Tg量を表し、前処理液2中のTg濃度は、総Tg
量を表す。 (RCA120非結合性Tg割合の算出)下記の式によりRCA120
非結合性Tg割合(%)を算出した。 RCA120非結合性Tg割合(%)=[(RCA120非結合性Tg量)/
(総Tg量)]×100 (結果)測定したRCA120非結合性Tg割合(%)を図2に
示す。図2から明らかな如く、乳頭癌組織抽出液ではRC
A120非結合性Tg割合(%)が、バセドウ病組織抽出液又
は正常組織抽出液のそれに比べ有意に高いことが判る。
即ち、乳頭癌組織では糖鎖の変化したTg、即ちRCA120
非結合性Tgが増加すること、言い換えれば、RCA120非結
合性Tg割合(%)は、乳頭癌の鑑別に有用であることが
判った。
【0057】実施例3 コンカナバリンA(ConA)を用
いた濾胞癌と濾胞腺腫の鑑別 (パーオキシダーゼ標識抗Tg抗体の調製)実施例1と同
じ。 (試料)実施例1の試料と同様にして調製した。尚、使
用したヒト甲状腺組織は、濾胞癌4例、濾胞腺腫7例、及
び正常5例であった。 (試液1)実施例1と同じ。 (試料の前処理)実施例1の試料の前処理方法と同様に
して、前処理液1及び2を調製した。 (Tg濃度の測定)実施例1のTg濃度の測定方法と同様に
して行った。即ち、前処理液1中のTg濃度は、ConA非
結合性Tg量を表し、前処理液2中のTg濃度は、総Tg量
を表す。 (ConA非結合性Tg割合の算出)実施例1と同様にしてCo
nA非結合性Tg割合(%)を算出した。 (結果)測定したConA非結合性Tg割合(%)を図3に示
す。図3から明らかな如く、ConA非結合性Tg割合(%)
は、正常組織抽出液、濾胞癌組織抽出液、濾胞腺腫組織
抽出液の順に高くなり、濾胞癌組織抽出液中のそれと濾
胞腺腫組織抽出液中のそれとでは有意に差があることが
判る。即ち、この結果から、ConA非結合性Tg割合(%)
を測定するにより、細胞診でも診断が難しい濾胞癌と濾
胞腺腫の鑑別を、簡単に行うことができることが判っ
た。
【0058】実施例4 レンズマメレクチン(LCA)を用
いた糖鎖構造の異なるTgの分別測定 (パーオキシダーゼ標識抗Tg抗体Fab'フラグメント)LC
Aが結合したTgとは結合せず且つ認識するエピトープ
の異なる2種類の抗Tg抗体(以下、「抗Tg-86」と「抗Tg
-78」と略記する。)を常法により処理してFab'フラグ
メントとし、これに常法によりパーオキシダーゼ(東洋
紡社製)を結合させてパーオキシダーゼ標識抗Tg抗体Fa
b'フラグメント(以下、夫々「抗Tg-86・Fab'-POD」及
び「抗Tg-78・Fab'-POD」と略記する。)を調製した。 (抗体液1)抗Tg-86・Fab-PODを2nM含有する50mMりん
酸緩衝液(pH7.5、0.15M NaCl,0.5(w/v)%牛血清アル
ブミン含有)を調製し、抗体液1とした。 (抗体液2)抗Tg-78・Fab-PODを3nM含有する50mMりん酸
緩衝液(pH7.5、0.15M NaCl,0.5(w/v)%牛血清アルブ
ミン含有)を調製し、抗体液2とした。 (試液1)LCA(株式会社ホーネンコーポレーション社
製)を15μM含有する50mMりん酸緩衝液 pH7.5、0.15M
NaCl調製し、試液1とした。 (試料)ヒト甲状腺組織小片0.1g(湿重量)を0.1Mり
ん酸緩衝液(pH7.2、0.9%NaCl含有)1ml中でガラスホモ
ジナイザーを用いてホモジナイズ後、4℃、100000g、6
0分間遠心して上清を得、これを更に50mMりん酸緩衝液
(pH7.5、0.15M NaCl,0.5(w/v)%牛血清アルブミン含
有)で200〜1100倍に希釈したものを試料とした。尚、
使用したヒト甲状腺組織は、良性疾患4例(濾胞腺腫、
腺腫様甲状腺腫2例、バセドウ病)、乳頭癌4例であっ
た。 (測定方法)試料25μLと試液1 15μLとを混合し、8℃
で1時間反応させた。この反応液15μLに抗体液1 90μ
Lを混合し、更に8℃で30分間反応させた。得られた反応
液50μLを下記条件の高速液体クロマトグラフィー(HPL
C)を用いて分析し、LCA非結合性Tg量を求めた。同じ
試料について、LCA含有の試液1の代わりに50mMりん酸
緩衝液(pH7.5、0.15M NaCl, 0.5(w/v)%牛血清アル
ブミン含有)を用いて同様に測定を行って、総Tg量を
測定した。この2つの測定結果下記式に代入し、抗Tg-8
6・Fab-PODを用いた場合のLCA非結合性Tg割合(%)を
算出した。 LCA非結合性Tg割合(%)=[(LCA非結合性Tg量)/(総T
g量)]×100 また、抗体液1の代わりに抗体液2を用いた以外は、同
様に操作を行って、抗Tg-78・Fab'-PODを用いた場合のL
CA非結合性Tg割合(%)の併せて算出した。 (HPLC条件) カラム : Wakopack Wakosil-5Diol-200 8.0mm×300mm(w) 溶離液 : 50mMりん酸緩衝液 pH7.5、0.15M NaCl 基質液 : 15mMクエン酸緩衝液(pH5.5,313mMアセトアミノフェノール (同仁化学研究所(株)社製)、0.12%H2O2含有) 流速 : 溶離液 1.0mL/min、基質液 0.1 mL/min 検出 : Ex 328nm、Em 432nm (結果)抗Tg-86・Fab-POD及び抗Tg-78・Fab-PODを用い
た場合のLCA非結合性Tg割合(%)を図4と図5に夫々
示す。図4及び図5から、良性疾患組織抽出液中のLCA
非結合性Tg割合(%)に比較して、乳頭癌組織抽出液中
のそれは有意に高いことが判る。即ち、LCAを用いるこ
とにより、良性疾患と乳頭癌の鑑別診断が可能となるこ
とが判る。
【0059】実施例5 ConAを用いた糖鎖構造の異なる
Tg(Tg)の分別測定 (パーオキシダーゼ標識抗Tg抗体Fab'フラグメント)実
施例4で調製した抗Tg-86・Fab'-PODを使用した。 (抗体液1)抗Tg-86・Fab-PODを4nM含有する50mMりん
酸緩衝液(pH7.5、0.15M NaCl, 0.5(w/v)%牛血清ア
ルブミン含有)を調製し、抗体液1とした。 (試液1)ConA(株式会社ホーネンコーポレーション社
製)を15μM含有する50mMりん酸緩衝液 pH7.5、0.15M
NaClを調製し、試液1とした。 (試料)実施例4と同じものを用いた。 (測定方法)試料10μLと試液145μLとを混合した後、
8℃で1時間反応させた。この反応液に抗体液1 45μL
を加え、更に8℃で1時間反応させた。得られた反応液50
μLを下記条件の高速液体クロマトグラフィー(HPLC)
を用いて分析し、ConA非結合性Tg量を求めた。同じ試
料について、試液1の代わりに50mMりん酸緩衝液(pH7.
5、0.15M NaCl, 0.5(w/v)%牛血清アルブミン含有)
を用いて同様に測定を行って、総Tg量を測定した。こ
の2つの測定結果下記式に代入し、ConA非結合性Tg割合
(%)を算出した。 ConA非結合性Tg割合(%)=[(ConA非結合性Tg量)/(総
Tg量)]×100 (HPLC条件)実施例4と同じ。 (結果)得られたConA非結合性Tg割合(%)を図6に示
す。図6から、良性疾患組織抽出液中のConA非結合性Tg
割合(%)に比較して、乳頭癌組織抽出液中のそれは有
意に高いことが判る。即ち、ConAを用いることにより、
良性疾患と乳頭癌の鑑別診断が可能となることが判る。
【0060】
【発明の効果】本発明は、簡便且つ高精度に各種生体由
来試料中の各種Tgを測定し得る測定方法並びにその為
の試薬を提供するものであり、本発明の測定方法により
得られた各種Tgの測定値を適宜組み合わせて用いるこ
とにより、甲状腺乳頭癌と良性甲状腺腫瘍との鑑別や甲
状腺濾胞癌と甲状腺濾胞腺腫との鑑別をすることができ
る。
【0061】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた、各種甲状腺組織抽出液中
のコンカナバリンA(ConA)非結合性サイログロブリン
(Tg)の割合(%)を示す。
【図2】実施例2で得られた、各種甲状腺組織抽出液中
のヒママメレクチン−120(RCA-120)非結合性Tgの
割合(%)を示す。
【図3】実施例3で得られた、各種甲状腺組織抽出液中
のコンカナバリン(ConA)非結合性サイログロブリン(T
g)の割合(%)を示す。
【図4】実施例4で得られた、抗Tg抗体として抗Tg-8
6を用いた場合の、各種甲状腺組織抽出液中のレンズマ
メレクチン(LCA)非結合性サイログロブリン(Tg)の
割合(%)を示す。
【図5】実施例4で得られた、抗Tg抗体として抗Tg-7
8を用いた場合の、各種甲状腺組織抽出液中のレンズマ
メレクチン(LCA)非結合性サイログロブリン(Tg)の
割合(%)を示す。
【図6】実施例5で得られた、各種甲状腺組織抽出液中
のコンカナバリン(ConA)非結合性サイログロブリン(T
g)の割合(%)を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 里村 慎二 大阪府大阪市中央区道修町三丁目1番2号 和光純薬工業株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】サイログロブリンの不変領域に結合するタ
    ンパク質と、特定の糖鎖構造を有するサイログロブリン
    の当該糖鎖構造に特異的に結合するタンパク質を、夫々
    1以上用いることを特徴とする、サイログロブリンの測
    定方法。
  2. 【請求項2】測定すべきサイログロブリンが、総サイロ
    グロブリン、特定の糖鎖構造を有するサイログロブリン
    又は/及びそれ以外の糖鎖構造を有するサイログロブリ
    ンである、請求項1に記載の測定方法。
  3. 【請求項3】特定の糖鎖構造が、レクチン結合性糖鎖構
    造である、請求項1に記載の測定方法。
  4. 【請求項4】レクチンが、D−ガラクトース又はN−ア
    セチル−D−ガラクトサミン結合性レクチン、又はD−
    マンノース結合性レクチンである、請求項3に記載の測
    定方法。
  5. 【請求項5】レクチンが、コンカナバリンA、レンズマ
    メレクチン又はヒマレクチン−120である、請求項3
    に記載の測定方法。
  6. 【請求項6】特定の糖鎖構造が、腫瘍細胞が産生するサ
    イログロブリンが有する糖鎖構造である、請求項1に記
    載の測定方法。
  7. 【請求項7】腫瘍細胞が、甲状腺腫瘍由来のものであ
    る、請求項6に記載の測定方法。
  8. 【請求項8】サイログロブリンの不変領域に結合するタ
    ンパク質と、特定の糖鎖構造を有するサイログロブリン
    の当該糖鎖構造に特異的に結合するタンパク質を、夫々
    1以上含有してなる、サイログロブリン測定用試薬。
  9. 【請求項9】特定の糖鎖構造を有するサイログロブリン
    量又はそれ以外の糖鎖構造を有するサイログロブリン量
    に基づいて鑑別を行うことを特徴とする、甲状腺腫瘍の
    悪性度鑑別方法。
  10. 【請求項10】サイログロブリン中の、特定の糖鎖構造
    を有するサイログロブリン又はそれ以外の糖鎖構造を有
    するサイログロブリンの割合を、サイログロブリンの不
    変領域に結合するタンパク質と、特定の糖鎖構造を有す
    るサイログロブリンの当該糖鎖構造に特異的に結合する
    タンパク質を、夫々1以上用いて求める、請求項9に記
    載の鑑別方法。
  11. 【請求項11】サイログロブリンの不変領域に結合する
    タンパク質と、特定の糖鎖構造を有するサイログロブリ
    ンの当該糖鎖構造に特異的に結合するタンパク質を、夫
    々1以上含有してなる、甲状腺腫瘍の悪性度鑑別用試
    薬。
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