JP2000503614A - 超音波変換器を備えた上塗り可能なバンパー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は超音波変換器（５）を収容するのに適したホルダー（２）を備えたバンパーに関する。本発明の課題は分離継ぎ目（３，６，９）を省略することによってこのようなホルダーの塗装を改善することである。本発明は実質的に、ホルダー（２）が一体鋳造された枠部（１０）を備え、この枠部によって変換器（５）の分離継ぎ目が覆われ、およびまたはホルダーを二つのホルダー部分（１７，１８）に分割し、第１のホルダー部分（１７）がバンパー（１）に一体鋳造されていることにある。

Description

【発明の詳細な説明】 超音波変換器を備えた上塗り可能なバンパー 本発明は、超音波変換器を収容するためのホルダーを備えた特に上塗り可能な バンパーに関する。車間距離警告装置、駐車補助装置等のために、自動車のバン パーへの超音波変換器の組み込みが増えている。そのために、超音波変換器を収 容するための大量生産バンパーを準備しなければならない。これは、穴をあけて 、超音波変換器を収容するホルダーを挿入することによって行われる。その際、 このホルダーは取外しできないようにバンパーに何度も溶接される。本出願人の ドイツ連邦共和国特許出願第１９５２８４７４．７号明細書に記載されているよ うに、交換可能な保持装置が提案されている。この保持装置によって、異なる寸 法の変換器がバンパーの同じ収容穴に適合可能である。 自動車の場合、バンパーも塗装を行うようになってきている。超音波変換器を 収容するためのホルダーを備えた公知のバンパーの場合、ホルダーが比較的に多 数の狭い分離継ぎ目を有し、上塗りの際にこの分離継ぎ目は見栄えがよくないと いう欠点がある。更に、分離継ぎ目の突き合わせされる境界面に沿って塗料が流 れ、そして固まる。 そこで、本発明の課題は、バンパーの塗装のために特に有利である、バンパー 用ホルダーの新規な構造を提供することである。 本発明は請求項１の上位概念に記載した種類のバンパーから出発する。課題は 請求項１の特徴部分に記載した特徴の組み合わせによって解決される。課題の第 １の解決策は原理的には、第１のホルダー部分が最初からバンパーに一体的に連 結され、後で第２のホルダー部分が第１のホルダー部分に取外し不能に連結され ることにある。その際、例えば請求項２記載の特徴に従って、第１のホルダー部 分をその製作時にバンパーに直接一体鋳造することができ、第１のホルダー部分 を比較的に簡単に構成可能であるという利点がある。これにより、バンパーの鋳 型に特別な要求はいらない。なぜなら、例えばドイツ連邦共和国特許出願第１９ ５２８４７４．７号明細書によって知られている、ホルダーと変換器ケーシング との間の連結要素を、バンパーに直接的に一体鋳造する必要がないからである。 超音波変換器を備えていないバンパーが納品され、第１のホルダーを取付けるこ とによってバンパー形状があまり複雑にならない場合には、特別な装備を予め行 う必要はない。その際、変換器ケーシングを収容するために必要なバンパーの穴 は、バンパーの鋳造過程で形成してもよいし、変換器を取付けるために後であけ てもよい。この解決策の重要な利点は、バンパーの外側表面における、バンパー とホルダーの間の分離継ぎ目が見えなくなることにある。そうでない場合には、 ホルダー全体を後からバンパーに溶接して嵌め込む際に、この分離継ぎ目が生じ る。 他の利点は、後から取付けられる第２のホルダー部分が或る程度の適合機能を 有することにある。これは例えば、いろいろな変換器の外形寸法を第１のホルダ ー部分の内部寸法に適合させることができるからである。そのためには、第２の ホルダー部分のリング状の突起を、バンパー側から見える変換器ケーシングの端 部まで前方へ出すだけでよい。この場合、第２のケーシング部分の内径はそれぞ れ変換器ケーシングの外径に一致している。 両ホルダー部分を互いに永久的に連結するために、本発明の他の実施形におい て、請求項３に記載した手段が推奨される。 両ホルダー部分の間の連結面を拡大するために、請求項４記載の特徴を適用す ることが好ましい。その際、互いに付設された両連結要素（突起と凹部）はセン タリング作用と連結面の拡大作用を行う。上述のように、両ホルダー部分に形成 した互いに対応する段部を使用することによっても、有利な解決策となり、同時 に或る程度の適合機能を発揮する。 ホルダーを備えたバンパーのための特に簡単な構造は、請求項５記載の特徴の 組み合わせによって生じる。この特徴の組み合わせによれば、突出部がバンパー の簡単な貫通穴を画成する。変換器ケーシングの固定は、第１のホルダー部分に 後で取付けられる複雑に形成された第２のホルダー部分に係止することによって 行われる。 課題の第２の解決策は本発明によるバンパーにおいて、請求項６記載の特徴の 組み合わせによって与えられる。これは、ホルダーの貫通穴が内側に突出するブ ラケットを備え、このブラケットが変換器の縁部範囲を被覆するための枠部とし て役立つことを意味する。変換器ケーシングの横断面と、ケーシング内面を共振 器外面に連結するシールが、変換器の半径方向外側縁部範囲内にあるので、ブラ ケット状の突起によって、ケーシングの横断面とシールのリング状の部分面を被 覆することができ、それによって２つの分離継ぎ目が突起によって覆われる。そ の際同時に、ケーシング形状を簡単化することができる。そうしないと、ケーシ ングに対してシールを保持するために、ケーシングが内側に向いた突起を備えな ければならない。そのためには、請求項７記載の特徴の組み合わせが有利である 。共振器の放射作用とその外観を改善するために、請求項８記載の特徴の適用が 推奨される。その際、共振器はシールに対して次のように前に出される。すなわ ち、共振器の前縁部が突起の端面と面一になり、この突起が同じ高さ位置となる ように前に出される。この場合、共振器の外周面と突起の内面との間に充分な間 隔が存在するように留意すべきである。それによって、両部分が侵入する薄い塗 料層によって互いに接着され、変換器の交換が困難になることが防止される。 本発明の他の実施形では、共振器の放射作用を更に改善するために、請求項９ 記載の特徴の組み合わせが推奨される。この特徴の組み合わせによれば、ダイヤ フラムを取り囲むバンパーの範囲が、突起を含めて漏斗状に形成されているので 、有利な放射密度が生じる。本発明の他の有利な実施形は、請求項６〜９記載の 特徴を請求項１〜５記載の特徴に適用することによって生じる。これは、第２の 解決策の場合にも、ホルダーの一部をバンパーに一体的に連結することができる ことを意味する。それによって、請求項１〜５に関連して述べた付加的な利点が 生じる。すなわち、ホルダーをバンパーに組み込むことによって生じる分離継ぎ 目が無くなるだけでなく、変換器の分離継ぎ目が部分的に覆われ、同時に変換器 の構造が簡単になる。バンパーの鋳型に対する要求については、上述したことが 当てはまるので、複数の分離継ぎ目が省略されるにもかかわらず、鋳型を簡単に 形成可能である。 次に、図に基づいて本発明の実施の形態を説明する。 図１は公知のバンパーの構造を示す図、 図２はホルダーが第１のホルダー部分と第２のホルダー部分からなっているバ ンバーの概略図、 図３は図２の第２のホルダー部分の斜視図、 図４は分離継ぎ目を被覆する突起を備えたホルダーを示す図、そして 図５は図４に概略的に示した変換器の拡大斜視図である。 図１の概略図では、ホルダー２が部分的に示したバンパー１に挿入され、バン パー１に溶接または接着されている。バンパー１とホルダー２の間には、第１の 分離継ぎ目３が生じる。ホルダー２は貫通穴４を有し、この貫通穴には超音波変 換器（超音波トランスデューサ、超音波センサ）のケーシング５が挿入されてい る。その際、変換器ケーシング５はホルダー２に適当な方法で係止されている。 係止の一例は例えばドイツ連邦共和国特許出願第１９５２８４７４．７号明細書 に記載されているので、ここでは再度説明しない。ホルダーの公知の構造の場合 には、第１の分離継ぎ目３のほかに、第２の分離継ぎ目６が変換器ケーシング５ と貫通穴４の内壁の間に設けられ、第３の分離継ぎ目９が半径方向壁７と共振器 ８との間に設けられていることが重要である。このような構造は本発明に従い、 図４に示すように半径方向の突起（ブラケット）１０をホルダー２に設けること によって簡単化することができる。この突起は枠部として作用し、変換器ケーシ ング５の端面と、共振器８を変換器ケーシング５の内壁に弾性的に懸吊するシー ル１１の部分とを覆っている。これにより一方では、分離継ぎ目６が不要となり 、ケーシング５が簡単に構成される。なぜなら、突起１０がケーシング５とシー ル１１のストッパーとして作用するので、ケーシング５の半径方向の壁７（図１ ）を省略することができるからである。第３の分離継ぎ目９は図１の公知の構造 の場合ほど狭く形成されない。というのは、そうでないと、塗装の際に第３の分 離継ぎ目に塗料が入り、ホルダーからの変換器の取り出しが妨げられるからであ る。 図４に示した本発明による構造の場合には、分離継ぎ目６が省略され、分離継 ぎ目９の場合には上塗り塗装によって継ぎ目が閉塞することが回避され、変換器 ケーシング５の形が簡単になる。 図５は図４のホルダーの実施の形態の拡大斜視図である。この図には更に、係 止舌片１２が示してある。この係止舌片はホルダー２の外周面１３に対する変換 器ケーシング５の係止を可能にする。図５から判るように、係止舌片１２は、ホ ルダー２からの変換器５の滑り落ちを確実に防止するために、一体射出成形され たばね脚１４によって補強されている。図５から判るように、突起１０は通過面 １５を取り囲んでいる。この通過面には、共振器の部分面１６が挿入されている 。この部分面は円形であってもよいが、本実施の形態では適切な放射線ローブを 発生するために、部分面１６が円形面から二つの側方の円切片を切除することに よって形成されている。 図２は他の分離継ぎ目（付加的な分離継ぎ目）を省略するための他の例を示し ている。その際、バンパー１には、２つのホルダー部分で構成されたホルダーが 接続されている。その際、第１のホルダー部分１７がバンパー１に一体鋳造され 、図１，２に示した分離継ぎ目３が省略されている点が本発明にとって重要であ る。ホルダー２を第１のホルダー部分１７と第２のホルダー部分１８によって構 成する理由は、図５から判るように、下側のホルダー部分１８が係止舌片と差込 み継手によって比較的に複雑に構成され、この複雑な形状がバンパーの鋳型では 困難であることにある。鋳型のこのような構造は事情によっては不経済である。 なぜなら、すべての車両がバンパーに変換器を備えているとはかぎらないからで ある。更に、第２のホルダー部分１８は変換器ケーシング５の寸法が異なるとき に或る程度の適合機能を有することができる。これは、第２のホルダー部分が変 換器ケーシング５の外面に適合し、同時に第１のホルダー部分１７に対する適当 な切断個所を有することによって行われる。それによって、異なる変換器を有す るこの両ホルダー部分を組み立て可能である。ホルダー２の第２のホルダー部分 １８の複雑な構造は図３に示してある。 第１のホルダー部分１７にセンタリング突起１９を設けることも本発明にとっ て重要である。この突起は第２のホルダー部分１８のセンタリング凹部２０（図 ３参照）に適合する。突起１９と凹部２０が互いに嵌合することにより、両ホル ダー部分の大きな連結面積が得られ、同時にセンタリングが行われる。第１と第 ２のホルダー部分に取り替えて配置することができる突起と凹部を使用すること により、合致するホルダー部分だけを嵌め合わせることができるので、或る程度 のキー機能を達成することができる。従って、適切でない変換器の装備を防止す ることができる。 図２の実施の形態を図４の実施の形態を組み合わせることができ、それによっ て２つの分離継ぎ目が省略され、両構造の利点を組み合わせることができる。従 って、このようにして得られた、ホルダーを装備し変換器を挿入したバンパーは 、塗装のために特に適している。分離線は図５においてＴで示してある。

【手続補正書】特許法第１８４条の８第１項 【提出日】１９９８年３月１０日（１９９８．３．１０） 【補正内容】 請求の範囲 １．超音波変換器ケーシング（５）を収容するためのホルダー（２）を備えたバ ンパー（１）において、ホルダー（２）が二分割され、両ホルダー部分（１７ ，１８）が収容すべき変換器（５）の縦方向に並べて配置され、バンパー（１ ）寄りの第１のホルダー部分（１７）がバンパー（１）に一体的に連結され、 バンパー（１）から離れている第２のバンパー部分（１８）が第１のホルダー 部分に連結されていることを特徴とするバンパー。 ６．ホルダー（２）が超音波変換器ケーシング（５）を収容する貫通穴（４）を 有し、かつバンパー（１）に固定されている、超音波変換器を含む超音波変換 器ケーシング（５）収容するためのホルダーを備えたバンパー（１）において 、貫通穴に挿入可能な変換器ケーシングのためのストッパーを形成する周方向 に延びるブラケット（１０）か、貫通穴（４）のバンパー側の端部の高さ位置 においてホルダー（２）に設けられていることを特徴とするバンパー。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．超音波変換器（５）を収容するためのホルダー（２）を備えたバンパー（１ ）において、ホルダー（２）が二分割され、両ホルダー部分（１７，１８）が 収容すべき変換器（５）の縦方向に並べて配置され、バンパー（１）寄りの第 １のホルダー部分（１７）がバンパー（１）に一体的に連結され、バンパー（ １）から離れている第２のバンパー部分（１８）が特にこのバンパーに取外し 不能に連結されていることを特徴とするバンパー。 ２．第１のホルダー部分（１７）がバンパー（１）に一体鋳造されたほぼ中空円 箇状の突出部であることを特徴とする請求項１記載のバンパー。 ３．両ホルダー部分（１７，１８）の互いに向き合った縁部が互いに溶接または 接着されているかあるいは互いに係止していることを特徴とする請求項１また は２記載のバンパー。 ４．突出部（１７）がバンパー（１）と反対側のその縁部に、特に周方向に延び る突出部（１９）または凹部を備え、この突起または凹部に、第２のホルダー 部分（１８）（図３）の縁部の凹部（２０）または突起が対応していることを 特徴とする請求項２または３記載のバンパー。 ５．突起がバンパーに特に鋳込まれた、変換器（５）を収容するための貫通穴の 縁部を画成していることを特徴とする請求項１〜４のいずれか一つに記載のバ ンパー。 ６．ホルダー（２）が超音波変換器（５）を収容する穴（１５）を有する、超音 波変換器を収容するためのホルダーを備えたバンパー（１）において、貫通穴 に挿入可能な変換器（５）のためのストッパーを形成する周方向に延びるブラ ケット（１０）が、貫通穴のバンパー側の端部の高さ位置に設けられているこ とを特徴とするバンパー。 ７．変換器（５）がほぼ中空円筒状のケーシングを備え、このケーシング内に、 リング状のシール（１１）を介して変換器（５）の共振器（８）が懸吊され、 超音波を放射するために設けられシールの端面から突出する共振器（８）の部 分面だけが、ブラケットによって画成された通過面（１５）内に達しているこ とを特徴とする請求項６記載のバンパー。 ８．共振器の端面がバンパー（１）の前面とほぼ面一であることを特徴とする請 求項１〜７のいずれか一つに記載のバンパー。 ９．ホルダー（２）の端面が漏斗状に内側に傾斜し、ホルダーの外側縁部がほぼ バンパーの前面の平面内にあり、ホルダーの内側縁部がほぼ共振器（８）の端 面の平面内にあることを特徴とする請求項１〜８のいずれか一つに記載のバン パー。 10．バンパー（１）寄りのホルダー（２１、図５）の少なくとも一部がバンパー （１）に統合されて、特にバンパーに一体鋳造されていることを特徴とする請 求項６〜９のいずれか一つに記載のバンパー。