JP2000336117A - ポリビニルアセタール樹脂の製造方法 - Google Patents

ポリビニルアセタール樹脂の製造方法

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JP2000336117A JP11146781A JP14678199A JP2000336117A JP 2000336117 A JP2000336117 A JP 2000336117A JP 11146781 A JP11146781 A JP 11146781A JP 14678199 A JP14678199 A JP 14678199A JP 2000336117 A JP2000336117 A JP 2000336117A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 少なくとも2種のアルデヒドを用いて、所望
の混合アセタール化度を有するポリビニルアセタール樹
脂を製造する際に、少なくとも2種のアルデヒドと効率
よく反応させ、所望の混合アセタール化度を有するポリ
ビニルアセタール樹脂を容易に製造する。 【解決手段】 ポリビニルアルコール水溶液と少なくと
も2種のアルデヒドとをループ状反応器13、15内へ
供給し、ループ状反応器内で循環させながら部分的に反
応させた後、部分反応液を釜状反応器16内へ移送し、
釜状反応器内で攪拌しながら反応を完結させることによ
り、ポリビニルアセタール樹脂を製造する方法におい
て、少なくとも2個のループ状反応器13、15を直列
に連結し、前段のループ状反応器13内へ供給されるア
ルデヒドは、その後段のループ状反応器15内へ供給さ
れるアルデヒドよりも反応速度が遅いアルデヒドとす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、少なくとも2種の
アルデヒドとを効率よく反応させ、所望の混合アセター
ル化度を有するポリビニルアセタール樹脂を得ることの
できる製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリビニルブチラール等のポリビニルア
セタール樹脂は、合わせガラスの中間膜、接着剤、バイ
ンダー、塗料等の原料として広く使用されている。この
ような原料樹脂には、水媒体を用いる沈澱法で製造され
たポリビニルブチラール樹脂が専ら用いられている。
【0003】その理由は、この水媒体を用いる沈澱法
が、溶液法のように溶剤の使用及びその回収の必要がな
く、工業的に有利であるからである。なお、反応器とし
ては釜状反応器が専ら使用されている。
【0004】しかし、沈澱法では酸触媒を比較的多く
(例えば、反応系に対して2〜4重量%)使用するた
め、この酸触媒等を除去する精製上の問題から粒子を細
かく(例えば、50μm以下)する必要がある。この場
合、粒子の凝集のない均一な粒子を得るために、アセタ
ール化反応を比較的低温(例えば、0〜30℃)で行う
必要がある。
【0005】また、比較的低温で反応を行わなければ釜
状反応器の内壁にスケールが付着し、長時間の運転が不
可能になったり、内壁からスケールが脱落して樹脂中に
混入して樹脂の品質が低下することがあり、この点から
もアセタール化反応を比較的低温で行う必要がある。
【0006】しかし、アセタール化反応を比較的低温で
行う場合は、アセタール化反応の際にポリビニルアルコ
ールのゲル化が発生し、得られる樹脂の溶融粘度や溶解
粘度が高くなる。
【0007】このような樹脂を用いて例えば中間膜を作
製し、この中間膜を用いて曲率の大きい合わせガラスを
製造する場合は、その溶融粘度の高さ故にガラス板の曲
面に追随することが困難となり、そのためガラス板と中
間膜との間に空気が残留し、品質の良好な合わせガラス
を効率良く製造することができない。
【0008】また、上記樹脂を用いて例えば接着剤やバ
インダーや塗料を製造する場合には、その溶解粘度の高
さ故に多量の溶剤を使用しなければ塗布作業性が悪くな
り、コストの安い接着剤やバインダーや塗料を製造する
ことができない。
【0009】上記の問題を解決するために、ポリビニル
アルコール水溶液とアルデヒドとをループ状反応器内へ
供給し、ループ状反応器内で循環させながら部分的に反
応させた後、部分反応液を釜状反応器内へ移送し、釜状
反応器内で攪拌しながら反応を完結させることにより、
沈澱法でポリビニルアセタール樹脂を製造する方法が知
られている。
【0010】この場合、アルデヒドとしては、1種のア
ルデヒドみならず、少なくとも2種のアルデヒドを混合
して用いることがある。また、ループ状反応器は、1個
のループ状反応器のみならず、少なくとも2個のループ
状反応器を直列に連結して用いることがある(例えば、
特開平4−275310号公報、特開平4−1108号
公報及び特開平5−59117号公報参照)。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】このようにループ状反
応器と釜状反応器とを併用することにより、溶剤溶解性
が改善され、溶液粘度や溶融粘度の低下した樹脂を得る
ことができるとともに、樹脂粒子の凝集が防止され、し
かも反応装置内壁にスケールが付着するのを防止するこ
とができる。
【0012】しかしながら、上記提案の従来方法にあっ
て、少なくとも2種のアルデヒドを用いて、所望の混合
アセタール化度を有するポリビニルアセタール樹脂を製
造する場合、少なくとも2種のアルデヒドを混合し、こ
の混合アルデヒドを最初のループ状反応器内に供給して
部分的にアセタール化反応を行っている。
【0013】このように、少なくとも2種の混合アルデ
ヒドを用いて同時に反応させると、混合アセタール化度
を所望の割合に調節することが容易ではない。また、反
応速度の遅いアルデヒドが遅れて反応し、所望の混合ア
セタール化度を有するポリビニルアセタール樹脂を得る
には、反応速度の遅いアルデヒドが多量に必要となり、
そのため反応終了後の未反応のアルデヒドが多くなり、
その処理により多くの工数がかかり生産性が低下すると
いう問題がある。
【0014】本発明は、上記の問題を解決するものであ
り、その目的とするところは、少なくとも2種のアルデ
ヒドを用いて、所望の混合アセタール化度を有するポリ
ビニルアセタール樹脂を製造する際に、少なくとも2種
のアルデヒドと効率よく反応させ、所望の混合アセター
ル化度を有するポリビニルアセタール樹脂を容易に製造
する方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明では、ポリビニルアルコール
水溶液と少なくとも2種のアルデヒドとをループ状反応
器内へ供給し、ループ状反応器内で循環させながら部分
的に反応させた後、部分反応液を釜状反応器内へ移送
し、釜状反応器内で攪拌しながら反応を完結させること
により、ポリビニルアセタール樹脂を製造する方法にお
いて、少なくとも2個のループ状反応器を直列に連結
し、それぞれのループ状反応器内へそれぞれ1種のアル
デヒドを供給することを特徴とするポリビニルアセター
ル樹脂の製造方法が提供される。
【0016】また、請求項2に記載の発明では、反応速
度の異なる少なくとも2種のアルデヒドが用いられ、前
段のループ状反応器内へ供給されるアルデヒドは、その
後段のループ状反応器内へ供給されるアルデヒドよりも
反応速度が遅いアルデヒドであることを特徴とする請求
項1に記載のポリビニルアセタール樹脂の製造方法が提
供される。
【0017】以下、図1に示す反応装置を参照しなが
ら、本発明を詳細に説明する。図1は、本発明に用いる
反応装置の一例を示す概略説明図である。この反応装置
は、攪拌翼を備えたポリビニルアルコール溶解槽10
と、第1のアルデヒドタンク11と、触媒タンク12
と、第1のループ状反応器(前段のループ状反応器)1
3と、第2のアルデヒドタンク14と、第2のループ状
反応器(後段のループ状反応器)15と、攪拌翼を備え
た慣用の釜状反応器16とを備えている。
【0018】ポリビニルアルコール溶解槽10と第1の
ループ状反応器13とは、供給パイプ10aにより連結
され、この供給パイプ10aには定量ポンプ10bが設
けられている。第1のアルデヒドタンク11と第1のル
ープ状反応器13とは、供給パイプ11aにより連結さ
れ、この供給パイプ11aには定量ポンプ11bが設け
られている。
【0019】触媒タンク12と第1のループ状反応器1
3とは、供給パイプ12aにより連結され、この供給パ
イプ12aには定量ポンプ12bが設けられている。ま
た、第2のアルデヒドタンク14と第2のループ状反応
器15とは、供給パイプ14aにより連結され、この供
給パイプ14aには定量ポンプ14bが設けられてい
る。
【0020】そして、第1のループ状反応器13と第2
のループ状反応器15とは、移送パイプ13aにより直
列に連結されている。第2のループ状反応器15と釜状
反応器16とは、移送パイプ15aにより連結され、こ
の移送パイプ15aには抜き出しバルブ15cが設けら
れている。16aは釜状反応器16の排出パイプであ
る。
【0021】さらに、上記第1のループ状反応器13に
は循環ポンプ13bが設けられており、また上記第2の
ループ状反応器15には循環ポンプ15bが設けられて
いる。なお、第1のループ状反応器13及び第2のルー
プ状反応器15には、圧力計(図は省略)と流量計(図
は省略)とがそれぞれ設けられている。また、釜状反応
器16には、未反応アルデヒドが系外へ流出するのを防
ぐために、還流冷却器(図は省略)が設けられている。
【0022】このように装備された反応装置において、
ポリビニルアルコール溶解槽10には、ポリビニルアル
コールの水溶液が用意される。ポリビニルアルコールと
しては、一般に平均重合度が200〜3500、鹸化度
が90〜100モル%のポリビニルアルコールが用いら
れる。そして、一般に5〜12重量%の水溶液に調整さ
れる。しかしながら、これ等の範囲のみに限定されるも
のではない。
【0023】第1のアルデヒドタンク11には、アルデ
ヒド又はその水溶液が用意される。アルデヒドとして
は、一般にホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロ
ピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド等の1種のアルデ
ヒドが用いられる。なお、上記アルデヒドには、該アル
デヒドに変換し得るパラホルムアルデヒドやパラアセト
アルデヒドなどのアルデヒド類も含むものとする。
【0024】また、第2のアルデヒドタンク14には、
上記のような各種アルデヒドの中から、第1のアルデヒ
ドタンク11に用意されたアルデヒドとは異なる種類の
単独アルデヒド又はその水溶液が用意される。このよう
に、異なる種類のアルデヒドを用いることにより、得ら
れるポリビニルアセタール樹脂の物性を適当な物性に調
整することができる。
【0025】例えば、ホルムアルデヒドのような低級ア
ルデヒドを用いる場合は、得られるポリビニルアセター
ル樹脂の耐熱性などを高めることができる。また、ブチ
ルアルデヒドのような高級アルデヒドを用いる場合は、
得られるポリビニルアセタール樹脂の溶剤溶解性などを
高めることができる。したがって、ホルムアルデヒドと
ブチルアルデヒドとを併用することにより、耐熱性や溶
剤溶解性などを適当に調整することができる。
【0026】さらに、触媒タンク12には酸触媒が用意
される。酸触媒としては、塩酸、蟻酸、燐酸、硫酸、パ
ラトルエンスルホン酸等が用いられる。これ等の酸触媒
は、例えば、塩酸触媒の場合は、反応全系に対して一般
に0.05〜1重量%含有されるか、或いは、水溶液の
pHが、反応全系に対して一般に1〜2になるように調
整される。しかしながら、これ等の範囲のみに限定され
るものではない。なお、酸触媒はポリビニルアルコール
の水溶液と混合して使用してもよく、この場合は触媒タ
ンク12は必要でない。
【0027】先ず、ポリビニルアルコール溶解槽10か
らポリビニルアルコールの水溶液が、供給ポンプ10b
により供給パイプ10aを経て第1のループ状反応器1
3内に一定割合で供給されるとともに、触媒タンク12
から酸触媒が、供給ポンプ12bにより供給パイプ12
aを経て第1のループ状反応器13内に一定割合で供給
される。同時に、第1のアルデヒドタンク11から、例
えばパラアセトアルデヒドのような反応速度の遅い第1
のアルデヒドが、供給ポンプ11bにより供給パイプ1
1aを経て第1のループ状反応器13内に一定割合で供
給される。
【0028】上記第1のアルデヒドの供給量は、目的の
アセタール化度を得るに必要な理論量よりも一般に5〜
40重量%過剰に供給される。しかしながら、この範囲
のみに限定されるものではない。供給量は変動しないよ
うに正確に制御される。ポリビニルアルコールの水溶液
と酸触媒と第1のアルデヒド又はその水溶液とは、それ
ぞれ第1のループ状反応器13の合流点を通って混合さ
れ、その混合液は循環ポンプ13bにより第1のループ
状反応器13内を循環する。この第1のループ状反応器
13内でポリビニルアルコールの水溶液と第1のアルデ
ヒドとが部分反応する。反応温度は、一般に10〜90
℃とされる。また、この時のアセタール化度は、一般に
10〜60モル%とされる。しかしながら、これ等の範
囲のみに限定されるものではない。
【0029】ポリビニルアルコール水溶液と酸触媒と第
1のアルデヒド又はその水溶液とを第1のループ状反応
器13内を循環させるとともに、これ等の原料の供給に
見合う量の部分反応液が、移送パイブ13aを経て第2
のループ状反応器13内に一定割合で移送される。それ
と同時に、第2のアルデヒドタンク14から、例えばブ
チルアルデヒドのような反応速度の早い第2のアルデヒ
ドが、供給ポンプ14bにより供給パイプ14aを経て
第2のループ状反応器15内に一定割合で供給される。
【0030】上記第2のアルデヒドの供給量は、目的の
アセタール化度を得るに必要な理論量よりも一般に5〜
40重量%過剰に供給される。しかしながら、この範囲
のみに限定されるものではない。供給量は変動しないよ
うに正確に制御される。第2のアルデヒドは、第2のル
ープ状反応器15の合流点を通って、第2のループ状反
応器15内へ移送されてきた部分反応液と混合され、そ
の混合液は循環ポンプ15bにより第2のループ状反応
器15内を循環する。この第2のループ状反応器15内
で上記部分反応液と第2のアルデヒドとがさらに部分的
に反応する。反応温度は、一般に0〜90℃とされる。
この時の混合アセタール化度は、一般に70モル%以下
とされる。しかしながら、これ等の範囲のみに限定され
るものではない。
【0031】こうして、ポリビニルアルコールの水溶液
と第1のアルデヒド及び第2のアルデヒドとが部分的に
反応して、最終の部分反応液が得られる。そして、第2
のループ状反応器15内へ移送されてきた部分反応液と
第2のアルデヒドの供給に見合う量の最終の部分反応液
が、抜出しバルブ15cを操作することにより釜状反応
器16内へ移送される。釜状反応器16内において、最
終の部分反応液を攪拌しながら、一般に20〜90℃で
2〜5時間程度反応、熟成させて反応を完結される。し
かしながら、これ等の範囲のみに限定されるものではな
い。その後、冷却され、排出パイプ16aから排出さ
れ、常法によりアルカリを加えて中和され、水洗、乾燥
されて、粉末状或いは顆粒状の所望の混合アセタール化
度を有するポリビニルアセタール樹脂が製造される。
【0032】得られるポリビニルアセタール樹脂のアセ
タール化度は、用途により異なるが、一般に最終の全ア
セタール化度で60〜80モル%とされる。しかしなが
ら、この範囲のみに限定されるものではない。ここで、
部分反応におけるアセタール化度及び反応が完結した後
のアセタール化度は、例えば、部分反応液又は反応完結
後の反応液(スラリー液)を常法によりアルカリで中
和、水洗、乾燥して得られる反応物を用い、この反応物
の10〜20重量%ジメチルスルホキシド(DMSO−
d6)溶液を作製し、共鳴種として同位元素13Cを用いる
13C核磁気共鳴スペクトル法で測定することができる。
【0033】(作用)上述のように、第1のアルデヒド
タンク11と第2のアルデヒドタンク14とに、それぞ
れ異なる種類のアルデヒドを用意して、所望の混合アセ
タール化度を有するポリビニルアセタール樹脂を製造す
ると、異なる種類のアルデヒドを効率よく反応させ、所
望の混合アセタール化度を得るのが容易となり、物性の
バランスがとれたポリビニルアセタール樹脂を製造する
ことができる。
【0034】特に、前段のループ状反応器内へ供給され
るアルデヒドは、その後段のループ状反応器内へ供給さ
れるアルデヒドよりも反応速度が遅いアルデヒドを用い
ると、反応速度の遅いアルデヒドが先に効率よく反応す
るので、このアルデヒドの使用量が比較的少量ですみ、
そのため反応終了後の未反応のアルデヒドが少なくな
り、その処理により多くの工数をかけずにすみ生産性が
向上する。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例及び比較例
を示す。 (実施例1)この実施例では図1に示す反応装置を用い
た。ポリビニルアルコール溶解槽10は、容積100リ
ットルのステンレス製であり、第1のアルデヒドタンク
11及び第2のアルデヒドタンク14は、いずれも容積
6リットルのステンレス製である。触媒タンク12は、
容積20リットルのポリエチレン製である。また、第1
のループ状反応器13及び第2のループ状反応器15
は、いずれも口径40mmの内面ガラスライニング配管
で形成され、その容量はいずれも5リットルである。釜
状反応器16は、容積100リットルの内面ガラスライ
ニング材からなる。なお、移送パイプ13a、15aは
内面ガラスライニング配管で形成されている。
【0036】先ず、ポリビニルアルコール溶解槽10に
純水60kgを入れ、これに平均重合度2000、鹸化
度98.5モル%のポリビニルアルコール5.2kgを
投入して分散させた後、これを90℃に昇温してポリビ
ニルアルコールを完全に溶解した後、60℃まで冷却保
持した。また、触媒タンク12には、酸触媒として濃度
35%の塩酸700gを投入した。また、第1のアルデ
ヒドタンク11には、パラアセトアルデヒド1280g
を投入し、第2のアルデヒドタンク14には、ブチルア
ルデヒド1370gを投入した。
【0037】第1のループ状反応器13及び第2のルー
プ状反応器15内には、循環ポンプによる始動を円滑に
行うために、いずれも純水を充満させ、これを60℃に
加熱保持し循環ポンプ13b及び循環ポンプ15bを運
転して循環させた。その後、供給ポンプ10b、供給ポ
ンプ11b及び供給ポンプ12bを運転して、ポリビニ
ルアルコールの水溶液、パラアセトアルデヒド、酸触媒
を第1のループ状反応器13内に供給するとともに、供
給ポンプ14bを運転して、ブチルアルデヒドを第2の
ループ状反応器15内に供給した。
【0038】ポリビニルアルコールの水溶液、パラアセ
トアルデヒド、酸触媒及びブチルアルデヒドの供給速度
は、各原料が52分で供給終了するように、供給ポンプ
10b、供給ポンプ11b及び供給ポンプ12bを調整
した。なお、第1のループ状反応器13内及び第2のル
ープ状反応器15内における反応温度は60℃に調節し
た。
【0039】第1のループ状反応器13及び第2のルー
プ状反応器15内への原料供給開始と同時に、抜出しバ
ルブ15cで圧力計が4kg/cm2 となるように各ル
ープ状反応器内の圧力を調節し、攪拌中の釜状反応器1
6内へ部分反応液を移送した。次に、各原料の供給終了
を確認後、各ループ状反応器内に60℃の純水を10リ
ットル流して各ループ状反応器内の反応を終了させた。
【0040】釜状反応器16内へ移送した部分反応液
は、60℃で6時間反応、熟成させて反応を完結させた
後冷却した。その後、排出パイプ16aより排出させ、
常法によりアルカリを加えて中和し、水洗、乾燥して、
白色粉末状のポリビニルアセタール樹脂を得た。得られ
たポリビニルアセタール樹脂について、核磁気共鳴スペ
クトル法によりアセタール化度を求めたところ、アセト
アセタール化度は39.0モル%、ブチラール化度は3
2.5モル%であった。
【0041】この実施例において、使用したパラアセト
アルデヒドは、使用したポリビニルアルコール100重
量部に対して24.6重量部となり、また使用したブチ
ルアルデヒドは、使用したポリビニルアルコール100
重量部に対して26.3重量部となる。
【0042】(比較例1)実施例1において、第2のア
ルデヒドタンク14を使用せずに、第1のアルデヒドタ
ンク11にパラアセトアルデヒド1280gとブチルア
ルデヒド1370gとの混合アルデヒドを投入し、ポリ
ビニルアルコールの水溶液、混合アルデヒド及び酸触媒
の供給速度は、各原料が52分で供給終了するように、
供給ポンプ10b、供給ポンプ11b及び供給ポンプ1
2bを調整した。それ以外は実施例1と同様に行って、
白色粉末状のポリビニルアセタール樹脂を得た。
【0043】得られたポリビニルアセタール樹脂につい
て、核磁気共鳴スペクトル法によりアセタール化度を求
めたところ、アセトアセタール化度は22.5モル%、
ブチラール化度は33.0モル%であり、実施例1と同
量のパラアセトアルデヒド及びブチルアルデヒドを使用
しても、実施例1と比べて特にアセトアセタール化度が
低く、所望の混合アセタール化度を有するポリビニルア
セタール樹脂は得られなかった。
【0044】(比較例2)比較例1において、パラアセ
トアルデヒド1280gを1530gに増量した。それ
以外は比較例1と同様に行って、白色粉末状のポリビニ
ルアセタール樹脂を得た。
【0045】得られたポリビニルアセタール樹脂につい
て、核磁気共鳴スペクトル法によりアセタール化度を求
めたところ、アセトアセタール化度は29.1モル%、
ブチラール化度は32.8モル%であり、実施例1に比
べてパラアセトアルデヒドの使用量を増やすことによ
り、比較例1よりはアセトアセタール化度の高い混合ア
セタール化度を有するポリビニルアセタール樹脂が得ら
れた。
【0046】しかし、この場合は、実施例1に比べてパ
ラアセトアルデヒドの使用量が多く、そのため実施例1
に比べて、その処理により多くの工数がかかり生産性が
低下した。
【0047】
【発明の効果】上述の通り、本発明によれば、異なる種
類のアルデヒドを効率よく反応させ、所望の混合アセタ
ール化度を得るのが容易となり、物性のバランスがとれ
たポリビニルアセタール樹脂を製造することができる。
【0048】特に、前段のループ状反応器内へ供給され
るアルデヒドは、その後段のループ状反応器内へ供給さ
れるアルデヒドよりも反応速度が遅いアルデヒドを用い
ると、反応速度の遅いアルデヒドが先に効率よく反応す
るので、このアルデヒドの使用量が比較的少量ですみ、
そのため反応終了後の未反応のアルデヒドが少なくな
り、その処理により多くの工数をかけずにすみ生産性が
向上する。
【0049】したがって、本発明の製造方法により得ら
れるポリビニルアセタール樹脂は、曲率の大きい合わせ
ガラスを製造する場合でも、溶融粘度の低下によりガラ
ス板と中間膜との間に空気が残留することが防止され、
品質の良好な合わせガラスを効率良く製造することがで
きる。また、比較的少量の溶剤を使用して塗布作業性が
良好で且つコストの安い接着剤や塗料を製造することが
できる。本発明のポリビニルアセタール樹脂の製造方法
は、以上のような利点をもっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる反応装置の一例を示す概略説明
図である。
【符号の説明】
10 ポリビニルアルコール溶解槽 11 第1のアルデヒドタンク 12 触媒タンク 13 第1のループ状反応器 14 第2のアルデヒドタンク 15 第2のループ状反応器 16 釜状反応器

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリビニルアルコール水溶液と少なくと
    も2種のアルデヒドとをループ状反応器内へ供給し、ル
    ープ状反応器内で循環させながら部分的に反応させた
    後、部分反応液を釜状反応器内へ移送し、釜状反応器内
    で攪拌しながら反応を完結させることにより、ポリビニ
    ルアセタール樹脂を製造する方法において、少なくとも
    2個のループ状反応器を直列に連結し、それぞれのルー
    プ状反応器内へそれぞれ異なる種類のアルデヒドを供給
    することを特徴とするポリビニルアセタール樹脂の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 反応速度の異なる少なくとも2種のアル
    デヒドを用い、前段のループ状反応器内へ供給されるア
    ルデヒドは、その後段のループ状反応器内へ供給される
    アルデヒドよりも反応速度が遅いアルデヒドであること
    を特徴とする請求項1に記載のポリビニルアセタール樹
    脂の製造方法。
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