JP2000326456A - 化粧シート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 廃材の処理手段として焼却処理を利用する際
に塩素化合物等の有害ガスの発生が極めて少なく、耐溶
剤性、耐薬品性、耐侯性等の物性に優れ、Ｖカット、ラ
ッピング等の２次加工性に適した、意匠性に優れた化粧
シートを提供することにある。 【解決手段】 基材シートの上面に、絵柄模様層を形成
し、前記絵柄模様層の上面にオレフィン系樹脂の押出層
を介して透明フイルム層を積層してなる積層体におい
て、前記基材シートが着色剤を含有したポリエステル樹
脂フイルムからなる化粧シートとすることである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、各種家具類や建築
内装材等に用いられる化粧シートに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の化粧シートとして、（１）薄葉紙
に通常の方法で印刷を施し、表面保護のため、アミノア
ルキッド樹脂、ウレタン樹脂のコート層を設けたもの、
（２）ポリ塩化ビニルフイルムの上に通常の印刷を施し
た後、透明性のあるポリ塩化ビニルフイルムを積層して
なるもの、（３）薄葉紙に印刷した後、ポリ塩化ビニル
フイルムを積層したものが知られている。また、立体感
を現出させ、意匠性の改良を図るために、前記（２）、
（３）の化粧シートにおいて、ポリ塩化ビニルフイルム
を積層した後、エンボスを施し、更にエンボスの凹部に
インキを充填して例えば木目の導管模様等を表現してな
る化粧シートも知られている。

【０００３】しかしながら、上記（１）の化粧シートに
おいては、シートの強度が不充分であるためＶカット、
ラッピング等の曲面加工には適さず、且つ耐摩耗性等の
物理的性質及び耐水性、耐溶剤性、耐化学薬品性等の化
学的性質に劣り、（２）、（３）の化粧シートにおいて
はいずれもポリ塩化ビニルフイルムを用いているため
に、廃材の処理手段として焼却処理に付した時に塩素化
合物を発生するため、焼却処理を利用出来ないという問
題があり、塩素基を含まない化粧シートが求められてい
る。

【０００４】上記の欠点を解決するために、基材シート
に薄葉紙を用い表面保護層にポリ塩化ビニルフイルムに
代えてオレフィン系樹脂フイルムやエチレン−ビニルア
ルコール共重合体樹脂フイルムを積層した化粧シートが
用いられるようになってきたが、基材シートとしての薄
葉紙は加工性に劣るためＶカット、ラッピング等の２次
加工で薄葉紙層が破れ加工部から剥離し易いという問題
があった。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる問題点
に鑑みてなされたものであって、その目的とするところ
は、廃材の処理手段として焼却処理を利用する際に塩素
化合物等の有害ガスの発生が極めて少なく、耐溶剤性、
耐薬品性、耐侯性等の物性に優れ、Ｖカット、ラッピン
グ等の２次加工性に適した、意匠性に優れた化粧シート
を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の解決手段は、基材シートの上面に、絵柄模様
層を形成し、前記絵柄模様層の上面にオレフィン系樹脂
の押出層を介して透明樹脂フイルム層を積層してなる積
層体において、前記基材シートが着色剤を含有したポリ
エステル樹脂フイルムからなることを特徴とする化粧シ
ートとすることである。このように構成することによ
り、焼却などするときに塩素化合物等の有害物質の発生
を可能な限り抑え、容易に廃棄処理ができ、また、Ｖカ
ット、ラッピング等の２次加工性にも優れ、さらに、基
材シートが強度、耐熱性、特に耐熱寸法安定性に優れる
ので、印刷時やオレフィン系樹脂による押出貼着時にも
シートの寸法が安定しており非常に意匠性の高い化粧シ
ートとすることが可能である。

【０００７】絵柄模様層とオレフィン系樹脂の押出層と
の間にアンカーコート層が積層されているものとするこ
とである。アンカーコート層を設けることにより絵柄模
様層とオレフィン系樹脂の押出層の接着力を高めること
ができる。

【０００８】透明樹脂フイルム層の上面にエンボス加工
を施してエンボス凹部を形成し、さらにワイピングによ
り前記エンボス凹部に着色インキを充填し、しかるのち
に艶調整樹脂層を設けた化粧シートとすることにより、
化粧シートの意匠性を高めることが出来る。

【０００９】透明樹脂フイルム層の上面に艶調整樹脂層
と艶消し絵柄層を設けた化粧シートとすることにより、
艶調整樹脂層と艶消し絵柄層との間に光沢差が形成さ
れ、実際には凸面であるが凹面に視覚で感じさせてエン
ボス調の模様とすることができ、意匠性に優れた化粧シ
ートを安価に得られる。

【００１０】透明樹脂フイルム層をエチレン−ビニルア
ルコール共重合体樹脂フイルムとすることにより、上記
特徴を有した上に、耐溶剤性、耐薬品性、耐侯性等の表
面物性の向上した化粧シートとすることが出来る。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的な実施形態
を図面を参照しながら説明する。図１は本発明の化粧シ
ートの実施例の積層構成を示す断面図、図２は本発明の
化粧シートの他の実施例の積層構成を示す断面図、図３
は本発明の化粧シートのその他の実施例の積層構成を示
す断面図であり、１、１’、１’’は化粧シート、２は
着色ポリエステル樹脂フイルム、３は着色下地層、４は
絵柄模様層、５はアンカーコート層、６はオレフィン系
樹脂層、７はエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂
フイルム層、８は着色インキ層、９は艶調整樹脂層、１
０は艶消し絵柄層をそれぞれ表す。

【００１２】本発明の化粧シート１の基本的な構成は図
１に示すように、着色ポリエステル樹脂フイルム２の上
に、着色下地層３、絵柄模様層４、アンカーコート層５
を形成し、前記アンカーコート層５上にオレフィン系樹
脂層６を介してエチレン−ビニルアルコール共重合体樹
脂フイルム層７を積層したものである。

【００１３】本発明に用いる着色ポリエステル樹脂フイ
ルム２とは、いわゆる押出口金から溶融押し出されたフ
イルムであって、通常、縦方向および横方向の二軸方向
に配向させたフイルムであり、ジカルボン酸とグリコー
ルとから縮重合によって得られたポリマーであり、ジカ
ルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタ
ル酸、２，６−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、
セバチン酸などが挙げられ、またグリコールとしては、
エチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラ
メチレングリコール、シクロヘキサンジメタノールなど
が挙げられる。具体的には例えばポリエチレンテレフタ
レート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリエチ
レン−ｐ−オキシベンゾエート、ポリ−１，４−シクロ
ヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−
２，６−ナフタレンジカルボキシレートなどが挙げられ
る。本発明の場合、特にポリエチレンテレフタレートが
好ましい。

【００１４】本発明において、着色ポリエステル樹脂フ
イルム２には、隠蔽性を付与するために、顔料および／
または染料を配合されていることが必要である。顔料と
しては、無機顔料と有機顔料とに分類することができ、
無機顔料としては、酸化チタン白、亜鉛華、カーボンブ
ラック、弁柄、朱、黄鉛、群青、コバルト青、コバルト
紫、ジンククロメートなどが挙げられる。有機顔料とし
ては、フタロシアニン系、ジオキサジン系、アントラキ
ノン系などの顔料で代表的なものとして、キナクリド
ン、ウォッチアングレッド、ジオキサジンバイオレット
等が挙げられる。また染料としては、天然染料と合成染
料に分類することができ、天然染料としては、インジゴ
（藍）等が代表される。合成染料としては、アゾ染料、
インジゴイド染料、硫化染料、ニトロ染料、ニトロソ染
料等が挙げられる。これらの顔料および染料は、１種ま
たは２種以上併用して使用することができ、耐光性に優
れ、基材シートに隠蔽性を持たすようにするためには、
無機顔料が最適である。

【００１５】また、必要によって着色ポリエステル樹脂
フイルム２に表面処理を施す。いわゆるコーティングに
より、印刷インキの密着性を向上させるためのプライマ
ー処理、あるいは裏面基板との接着のためのプライマー
即ち易接着性樹脂層を設けたものとしてもよいものであ
る。着色ポリエステル樹脂フイルム２の厚みとしては２
０〜１００μｍ、コストおよび使用上の取扱の良さから
４０〜５０μｍが好ましいものである。

【００１６】また、着色ポリエステル樹脂フイルム２の
上面には、必要により着色下地層３および例えば、オー
ク、チーク、ウォルナット等の柾目、板目状の木目の木
肌模様を現出する木目絵柄を形成する絵柄模様層４を通
常インキによりグラビア印刷によって形成されており、
これら通常インキによる着色下地層３および絵柄模様層
４を形成するインキとしては、従来のセルロース系、セ
ルロース−アルキッド系、塩−酢ビ系、アクリル系、ア
クリルポリオール系のバインダー用樹脂を利用したもの
が用いられ、、木目の「照り」を良く表現できるように
するためには、パール顔料や金属粉などの光輝性顔料を
添加したものが好ましい。

【００１７】また、絵柄印刷層４とオレフィン系樹脂層
６の接着力を向上させる目的で絵柄印刷層４上にアンカ
ーコート層５を設けることが好ましいものであり、アン
カーコート層５としては、ポリウレタン、アクリル樹
脂、ポリエステル樹脂等の１種または２種以上の混合樹
脂のベヒクルを用いたインキが適当であり、接着力向上
には２液硬化型タイプが好ましい。

【００１８】本発明におけるアンカーコート層５を構成
する２液硬化型ウレタン系樹脂としては、主剤にＯＨ基
を有するポリオール成分（アクリルポリオール、ポリエ
ステルポリオール、ポリエーテルポリオール、エポキシ
ポリオール等）を用い、これに硬化剤として、トリレン
ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキ
サメチレンジイソシアネート等のイソシアネート化合物
を添加したものが好ましいものである。

【００１９】オレフィン系樹脂層６は絵柄模様層４とエ
チレン−ビニルアルコール共重合体樹脂フイルム７との
間に介在してトータルシート層の厚みを増し、ラッピン
グやＶカット等の曲面加工適性を付与し、更に意匠的な
肉持ち感を増加させる為に設けるものであるとともに、
両者の接着力を良好ならしめるために設けるものであ
り、絵柄模様層４に直接前記エチレン−ビニルアルコー
ル共重合体樹脂フイルム７を積層しても良好な接着力が
得られないものである。また、オレフィン系樹脂層６の
形成法としては、ポリエチレン等のオレフィン系樹脂や
その他の樹脂をエクストルージョンラミネート法により
押出コーティングする方法、ゴム系、アクリル系、エポ
キシ系、ウレタン系等の樹脂をドライラミネート法によ
りコーティングする方法、ゴムエマルジョン系、酢酸ビ
ニル−アクリルエマルジョン系、エポキシエマルジョン
系等の樹脂をウエットラミネート法によりコーティング
する方法等が用いられるがトータルシート層の厚みを増
加させ、曲面加工適性や肉持ち感を付与させるためには
オレフィン系樹脂を押出コーティングする方法が望まし
い。オレフィン系樹脂層６の厚みとしては２０〜５０μ
ｍが好ましい。

【００２０】エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂
フイルム７としては、一般にエチレンとビニルアルコー
ルのランダム共重合体を成膜したフイルムが用いられ
る。共重合成分の比率を変えることにより、エチレンの
持つ剛性、耐油性、耐溶剤性、非帯電性の性能の大小を
任意に調整し得るが、なるべく両者の特徴を兼ね備え、
且つ加工適性に優れたフイルムとするためにはエチレン
成分が３０〜４５モル％であるエチレン−ビニルアルコ
ール共重合体樹脂フイルムを用いる。３０モル％未満で
は熱可塑性、熱加工適性、耐水性能に劣り、また、４５
モル％を超えると剛性、耐油性、耐溶剤性、非帯電性に
劣ることとなり好ましくない。また厚みは１０〜１００
μｍが好ましい。

【００２１】さらに、本発明の他の構成の化粧シート
１’として図２に示すように、前記エチレン−ビニルア
ルコール共重合体樹脂フイルム層７の表面に設けられた
エンボス凹部に着色インキ８を充填し、しかるのちに艶
調整樹脂層９を設ける構成があり、表面に設けられた凹
凸模様の凹部にワイピングにより着色インキ８を充填す
ることで、化粧シートの意匠効果をより高めたものであ
る。

【００２２】エンボス加工は、従来公知のエンボス加工
方法ならどの様な方法も採用できるが、例えば、通常の
熱エンボス機を用いて行うことができ、化粧シートの表
面に凹凸を与えることができる。その凹部にワイピング
により着色インキ８が充填されている。エンボス凹部の
深さはそれによって表現される模様等により多少異なる
が、特に化粧シート表面に良好な凹凸感をもたらすため
には２０〜１００μｍ程度であることが好ましい。エン
ボスは木目の導管を表現したもの、塗装板の艶状態を再
現したもの、及びそれらを組合わせたものの他、抽象パ
ターンや石目パターン、布目パターンを用いることがで
きる。

【００２３】エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂
フイルム７のエンボス凹部に充填される着色インキ８と
しては、塗料ないしインキが用いられる。例えば、天然
樹脂又はその変性樹脂類、セルロース誘導体類、アクリ
ル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂等
の合成樹脂類をベヒクルの構成材料としベヒクル中に着
色顔料、体質顔料、可塑剤等を添加してなる塗料又はイ
ンキが用いられる。使用されるベヒクルとしては２液硬
化性ウレタン系樹脂のものが好適に用いられる。ワイピ
ング法としては、ドクターブレード法、ロールコート法
等、従来から使用されているワイピング法のいずれによ
っても良い。

【００２４】艶調整樹脂層９は無色の透明であっても、
あるいは着色透明であっても、更に艶消しの透明であっ
てもよく、化粧シート表面の光沢度を調整するために設
けるものであるが、表面保護の役割もある。艶調整樹脂
層９は適宜のベヒクルを用いた塗料を塗布することによ
り形成され、該ベヒクルとしてはフェノール樹脂、不飽
和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン系樹
脂、アクリル系樹脂等の熱硬化性樹脂の１種又は２種以
上の混合樹脂を用いることが出来る。艶調整樹脂層９を
形成する塗料には通常、適量の艶消し剤を分散させて所
望の光沢を与えるが、艶消し剤としては、マイカ、シリ
カ、アルミナ、炭酸カルシウム、ケイ砂、シラスバルー
ン等が用いられる。上記塗料の塗布方法としては、グラ
ビアコート、ロールコート、エアナイフコート等の方式
が用いられる。

【００２５】さらに、本発明のその他の構成の化粧シー
ト１''として、図３に示すように、前記エチレン−ビニ
ルアルコール共重合体樹脂フイルム７の表面に艶調整樹
脂層９および艶消し絵柄層１０を形成した構成のものが
ある。エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂フイル
ム７上に実際には凸面であるが凹面に視覚で感じさせて
エンボス調の模様となるように艶消し絵柄層１０を設
け、化粧シートの意匠効果を高めたものであり、エンボ
ス、ワイピングの工程が不要となり低コストで意匠性に
優れた化粧シートを得ることが出来る。

【００２６】本発明の化粧シートを用いて化粧板を製造
するには、上記で得られた化粧シートの、絵柄模様層を
設けていない面に酢酸ビニル樹脂、尿素樹脂、エポキシ
樹脂、ウレタン系樹脂などの接着剤を使用して、合板、
ＭＤＦ、パーチクルボード等の基板に接着積層するもの
である。さらに、この化粧板の製造において、化粧シー
トと基板との接着を強固にするために、化粧シートの裏
面に予めポリエステル樹脂などのプライマー層を設けて
もよいものである。

【００２７】実施例１ 厚さ５０μｍの着色ポリエステル樹脂フイルムの表面に
ニトロセルロース・アルキッド系樹脂からなるインキを
使用して着色ベタインキ層と木目模様からなる絵柄模様
層をグラビア印刷し、その上に２液硬化型のウレタン樹
脂をベヒクルとするアンカーコート層を形成し、このア
ンカーコート層面と厚さ２５μｍのエチレン−ビニルア
ルコール共重合体樹脂フイルムのコロナ放電処理面との
間にポリエチレン樹脂を膜厚３０〜４０μｍ程度に押出
しラミネートすることにより表面保護層を設けた化粧シ
ートを作製した。

【００２８】実施例２ 前記実施例１で得た化粧シートを加熱したヒートドラム
に通した直後、木目導管形状を有した金属ロールにて熱
圧エンボス加工を施し、次いで、前記エンボスによる凹
部が表面に賦形されたエチレン−ビニルアルコール共重
合体樹脂フイルム面に２液硬化型ウレタン系着色インキ
をロールコート法によって塗工したあと、ドクターブレ
ードで凹部以外の部分に付着している着色インキを除去
し、積層シートの表面に形成されているエンボス凹部内
に着色インキを充填、固化させた。さらにこのシート上
に２液硬化型ウレタン系艶消し塗料を版深６０μｍのグ
ラビアロールにてコートする事によって、高意匠、高加
工性な化粧シートを作製した。

【００２９】実施例３ 前記実施例１で得た化粧シートのエチレン−ビニルアル
コール共重合体樹脂フイルムの表面に、艶調整樹脂層と
して、２液硬化型ウレタン系樹脂塗料をグラビアコーテ
ィングした。更に、その上に２液硬化型ウレタン系艶消
しインキにて木目導管印刷を行いエンボス調の意匠を有
する安価な化粧シートを作製した。

【００３０】

【発明の効果】本発明は以上説明したように、ベース基
材としての着色ポリエステル樹脂フイルムの表面に、透
明エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂フイルムを
表面保護層として積層したことにより、耐溶剤性、耐薬
品性、耐侯性等の表面物性、Ｖカット、ラッピング等の
２次加工性に優れた化粧シートとなり、さらに、着色剤
を含有したポリエステル樹脂フイルムが強度、耐熱性、
特に耐熱寸法安定性に優れるので、印刷時やオレフィン
系樹脂による貼着時にもシートの寸法が安定しており非
常に意匠性の高い化粧シートとすることが可能である。
また共に樹脂中に塩素原子を含まない構成となるので、
焼却処理時に発生するガス中に塩化水素等の発生が極め
て少ないため、燃焼等により容易に廃棄処理のできる化
粧シートとなる。

【００３１】また、絵柄模様層とオレフィン系樹脂の押
出層との間に２液硬化型ウレタン系樹脂よりなるアンカ
ーコート層を設けているので、層間接着強度の強い化粧
シートが得られる。

【００３２】さらに、透明樹脂フイルム層をエチレン−
ビニルアルコール共重合体樹脂フイルムとすることによ
り、上記特徴を有した上に、耐溶剤性、耐薬品性、耐侯
性等の表面物性の向上した化粧シートが得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の化粧シートの実施例の積層構成を示す
断面図である。

【図２】本発明の化粧シートの他の実施例の積層構成を
示す断面図である。

【図３】本発明の化粧シートのその他の実施例の積層構
成を示す断面図である。

【符号の説明】

１、１’、１'' 化粧シート ２ 着色ポリエステル樹脂フイルム ３ 着色下地層 ４ 絵柄模様層 ５ アンカーコート層 ６ オレフィン系樹脂層 ７ エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂フ
イルム ８ 着色インキ層 ９ 艶調整樹脂層 １０ 艶消し絵柄層

フロントページの続き Ｆターム(参考） 4F100 AK03C AK04 AK41A AK51 AK69D AR00D AR00E AT00A BA04 BA05 BA07 BA10A BA10D BA10E CC00 CC00B DD20E EJ39D EJ55D EJ65A GB08 GB81 HB00B HB00E HB01 JB01 JB07 JJ03 JL00 JL01 JL04 JL09 JL10A JL11E JN01D JN22E JN26E

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 基材シートの上面に、絵柄模様層を形成
   し、前記絵柄模様層の上面にオレフィン系樹脂の押出層
   を介して透明樹脂フイルム層を積層してなる積層体にお
   いて、前記基材シートが着色剤を含有したポリエステル
   樹脂フイルムからなることを特徴とする化粧シート。
2. 【請求項２】 前記絵柄模様層と前記オレフィン系樹脂
   の押出層との間にアンカーコート層が積層されているこ
   とを特徴とする請求項１に記載の化粧シート。
3. 【請求項３】 前記透明樹脂フイルム層の上面にエンボ
   ス加工を施してエンボス凹部を形成し、さらにワイピン
   グにより前記エンボス凹部に着色インキを充填し、しか
   るのちに艶調整樹脂層を設けたことを特徴とする請求項
   １または２に記載の化粧シート。
4. 【請求項４】 前記透明樹脂フイルム層の上面に艶調整
   樹脂層と艶消し絵柄層を設けたことを特徴とする請求項
   １または２に記載の化粧シート。
5. 【請求項５】 前記透明樹脂フイルム層がエチレン−ビ
   ニルアルコール共重合体樹脂フイルムからなることを特
   徴とする請求項１〜４のいずれかに記載の化粧シート。