JP2001293839A - 化粧材 - Google Patents

化粧材

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JP2001293839A
JP2001293839A JP2000115058A JP2000115058A JP2001293839A JP 2001293839 A JP2001293839 A JP 2001293839A JP 2000115058 A JP2000115058 A JP 2000115058A JP 2000115058 A JP2000115058 A JP 2000115058A JP 2001293839 A JP2001293839 A JP 2001293839A
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resin
layer
decorative material
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adhesive layer
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JP2000115058A
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English (en)
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Naganori Ohama
長法 大濱
Hitoshi Suzuki
仁 鈴木
Takanori Matsuzawa
孝教 松沢
Tsutomu Saito
努 齋藤
Takashi Kada
崇 荷田
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Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】化粧材基材の表面色や欠陥等に対する隠蔽性に
優れ、しかも層間密着性にも優れた化粧材を提供する。 【解決手段】基材21と隠蔽ベタ印刷層23との間に接
着剤層22を設ける。接着剤層22は望ましくは水酸基
価が5〜45mgKOH/gの水酸基を含有する飽和ポ
リエステル樹脂を主成分とするものが良い。更にイソシ
アネート化合物を配合するとなお良い。接着剤層の厚さ
は1〜30μmが良い。基材21の上にこの接着剤層2
2を介して、隠蔽性無機顔料を結着剤樹脂100重量部
当たり300〜800重量部配合した隠蔽ベタ印刷層2
3を設けると、層間密着性を損なわずに、優れた隠蔽性
を有する化粧材を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、住宅等の建築物の
内外装材や造作材、建具等の建築資材、家具什器類、住
設機器や家電製品等の表面化粧等に使用するための化粧
材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】上記用途の化粧材としては、古くは美麗
な木目を有する天然木などが使用されていたが、木材資
源の枯渇や木材価格の高騰が進むにつれ、より木目の意
匠性に劣る安価な木材や、合板、パーティクルボード又
は繊維板等の木材加工品、或いは合成樹脂系又は金属
系、無機材質系等の合成基材などの化粧材基材の表面
に、印刷等による木目やその他の美麗な絵柄を施す手法
が、意匠性に優れた化粧材を安価に得る手段として、ま
すます広く用いられるようになっている。
【0003】化粧材基材の表面に絵柄を施す方法として
は、化粧材基材の表面にグラビアオフセット印刷法又は
スクリーン印刷法等により直接絵柄を施す直接印刷法、
予め紙又は金属箔、合成樹脂フィルム等のシート体に適
宜の印刷方法等により絵柄を施してなる化粧シートを化
粧材基材の表面に貼付する化粧シートラミネート法、離
型性のシート体の離型性面に適宜の印刷方法等により剥
離可能な絵柄を施してなる転写シートを、化粧材基材の
表面に押圧し、絵柄のみを化粧材基材に接着させて離型
性のシート体を剥離除去する転写法等、各種の方法が用
いられている。
【0004】絵柄の付与方法は上記のいずれの方法によ
るとしても、化粧材基材の表面の色彩は必ずしも所望の
意匠に適合したものであるとは限らず、また見苦しい色
ムラや節、割れ目等の欠陥や継ぎ目等を有する場合もあ
るので、これらが絵柄を透して表面から透けて見えるこ
とのない様に、十分に隠蔽する必要がある。この隠蔽の
ための手法としては、一般的には絵柄のみでは不十分で
ある場合が多いので、隠蔽性を有する十分に厚い紙や着
色プラスチックフィルム等を、化粧材基材の表面に貼付
する場合も多い。
【0005】しかし、その場合にあっても、絵柄の下地
として好ましい色彩に予め着色された着色紙や着色プラ
スチックフィルム等が容易に入手できない場合もある。
また、消費者の嗜好の多様化に伴い、多品種少量生産化
が進むにつれて、設備の稼働率の低下、材料のロスの増
大、工程管理や製品の在庫管理の煩雑化等の問題の発生
の原因ともなる。特に、着色紙や着色プラスチックフィ
ルムを少量ずつ生産することは、工程的にも経済的にも
著しく不効率であるので、安価に且つ短納期で対応する
ことは非常に困難である。
【0006】そこで、着色紙や着色プラスチックフィル
ム等に替えて、無着色の白色紙や白色乃至透明のプラス
チックフィルムを使用して、その全面にベタ状に隠蔽性
インキを印刷して隠蔽ベタ印刷層を形成する手法も、色
彩調整の容易な隠蔽付与方法として、広く用いられてい
る。上記隠蔽性インキとしては、適宜の結着剤樹脂に、
二酸化チタン等の隠蔽性顔料と、必要に応じて所望の適
宜の色彩の着色顔料とを配合してなる印刷インキ組成物
が使用されている。
【0007】上記隠蔽性インキは、基本的には通常の絵
柄用の印刷用インキと略同様の材料から構成されるもの
であるが、通常の印刷用インキとしては複数色のインキ
の刷り重ねによる多色表現を目的として透明性の高いイ
ンキが用いられるのに対し、隠蔽性を目的として二酸化
チタン等の隠蔽性顔料を大量に配合した不透明のインキ
が用いられる点、及び、隠蔽性を稼ぐ目的で通常の絵柄
用の印刷用インキと比較して遥かに厚く印刷される点
で、大きく相違している。
【0008】そして、上記隠蔽ベタ印刷層は、隠蔽性顔
料の配合比を増す程、隠蔽性の面では有利であるが、反
面、層間密着性の面では不利である。すなわち、結着剤
樹脂に対する隠蔽性顔料の配合比を増す程、インキ被膜
の内部凝集力も被印刷体に対する接着力も低下する。従
って、隠蔽性の向上を目的として、隠蔽性顔料の配合比
を増したり厚みを増したりすると、インキ被膜内部の凝
集破壊や被印刷体との界面剥離が発生し易くなり、化粧
材として必要な表面強度やラミネート強度が得られなく
なってしまうという問題点がある。
【0009】こうした問題点は、木材資源の枯渇の他、
リサイクルの推進やコストダウン等の社会的要請の高ま
りを受けて、好ましくない表面色や欠陥を多く含む低品
質の化粧材基材を活用しつつ、生活水準の向上に伴う高
品質化の要求にも応えなければならない現在、ますます
切実なものとなっており、隠蔽性と層間密着性の双方に
優れ、しかも簡便で安価な隠蔽手段の開発が待望されて
いる。
【0010】特に、合成樹脂系の化粧シートにあって
は、多品種少量生産や短納期化、コストダウン等への対
応がますます強く要請されるに従い、従来の着色合成樹
脂フィルムに替えて、安価な汎用の透明、半透明又は白
色等の合成樹脂フィルムを利用する技術の開発が求めら
れているが、それに伴って、隠蔽ベタ印刷層の層間密着
性を低下させることなく隠蔽力や着色力を向上する技術
の開発が、急務となっている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の技術
における以上の様な問題点を解決するためになされたも
のであり、その課題とするところは、化粧材基材の表面
色や欠陥等に対する隠蔽性に優れ、しかも層間密着性に
も優れた化粧材を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
する為に、基材上に隠蔽ベタ印刷層を少なくとも具備す
る化粧材において、前記基材と前記隠蔽ベタ印刷層との
間に、接着剤層を具備することを特徴とする化粧材を提
供する。
【0013】本発明は更に、上記化粧材において、前記
接着剤層が、飽和ポリエステル樹脂を主成分とすること
を特徴とする化粧材を提供する。
【0014】本発明は更に、上記化粧材において、前記
飽和ポリエステル樹脂が水酸基を含有し、水酸基価が5
mgKOH/g以上45mgKOH/g以下であること
を特徴とする化粧材を提供する。
【0015】本発明は更に、上記化粧材において、前記
接着剤層に、イソシアネート化合物が配合されてなるこ
とを特徴とする化粧材を提供する。
【0016】本発明は更に、上記化粧材において、前記
接着剤層の厚みが、1μm以上30μm以下であること
を特徴とする化粧材を提供する。
【0017】本発明は更に、上記化粧材において、前記
隠蔽ベタ印刷層が、結着剤樹脂100重量部当たり隠蔽
性無機顔料が300重量部以上800重量部以下配合さ
れた組成物からなることを特徴とする化粧材を提供す
る。
【0018】本発明は更に、前記隠蔽ベタ印刷層の結着
剤樹脂が、活性水素基を含有する化合物と、イソシアネ
ート基を含有する化合物との反応生成物である硬化型ウ
レタン系樹脂からなることを特徴とする化粧材を提供す
る。
【0019】本発明は更に、前記活性水素基を含有する
化合物と、前記イソシアネート基を含有する化合物との
配合比率が、イソシアネート基の数が活性水素基の数の
5倍以上20倍以下となる比率であることを特徴とする
化粧材を提供する。
【0020】本発明は更に、上記化粧材において、前記
基材が、熱可塑性樹脂フィルムであることを特徴とする
化粧材を提供する。
【0021】本発明は更に、上記化粧材において、前記
熱可塑性樹脂フィルムが、ポリエチレンテレフタレート
系樹脂フィルムであることを特徴とする化粧材を提供す
る。
【0022】本発明は更に、上記化粧材において、前記
隠蔽ベタ印刷層上に、絵柄印刷層と、透明又は半透明樹
脂層とが順次積層されてなることを特徴とする化粧材を
提供する。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の化粧材は、例えば図1に
示す様に、化粧材基材11の表面に、接着剤層12を介
して、隠蔽ベタ印刷層13が設けられ、更に必要に応じ
て、任意の所望の意匠を表現するための絵柄層14や、
化粧材の表面を物理的又は化学的な外的作用から保護す
るための表面保護層15等が適宜設けられて構成される
ものである。
【0024】上記化粧材基材11の材質や形状、寸法等
には特に制限はなく、従来より化粧材基材として使用さ
れている任意の材質を使用することができる。具体的に
は例えば、薄葉紙、チタン紙、樹脂含浸紙、難燃紙、無
機質紙等の紙類や、天然繊維又は合成繊維からなる織布
又は不織布、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹
脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリアミド系樹
脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、ウレタン系樹
脂、フェノール系樹脂、尿素系樹脂、アルキド系樹脂、
繊維素系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル
樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、フッ素系樹脂等の合成
樹脂系基材、木材単板、突板、合板、集成材、パーティ
クルボード、中密度繊維板等の木質系基材、石膏板、セ
メント板、珪酸カルシウム板、ガラス板、陶磁器板等の
無機質系基材、鉄、銅、真鍮、アルミニウム、ステンレ
ス等の金属系基材等、又はそれらの複合体、積層体等の
中から、目的とする用途に応じて適宜選択すればよい。
またその形状も、例えばフィルム状乃至シート状、板
状、異型成型体等、一切制限はない。
【0025】接着剤層12は、本発明の化粧材におい
て、化粧材基材11と隠蔽ベタ印刷層13との接着性を
向上する目的で設けられるものである。すなわち、前述
したように、隠蔽ベタ印刷層13には、隠蔽性の付与の
為に大量の隠蔽性顔料が配合されるために、相対的に樹
脂分が少なく、従って化粧材基材11に対する接着力が
不足し勝ちであるので、化粧材基材11と隠蔽ベタ印刷
層13との間に、接着性に優れた樹脂組成物からなる接
着剤層12を介在させることによって、化粧材基材11
と隠蔽ベタ印刷層13との強固な接着を確保するために
設けられるものである。
【0026】接着剤層12を構成する樹脂組成物は、化
粧材基材11と隠蔽ベタ印刷層13を構成する印刷イン
キ組成物との両方に対して良好な接着性を有する樹脂組
成物であればよく、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合
体系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂、塩
素化ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、エチレン
−(メタ)アクリル酸(エステル)共重合体系樹脂、
(メタ)アクリル酸(エステル)−ブタジエン共重合体
系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ
エステル系樹脂、エポキシ系樹脂等、従来公知の各種の
接着剤樹脂組成物から適宜選択して使用すればよい。
【0027】上記した各種の接着剤樹脂組成物の中で
も、各種の化粧材基材11、特に熱可塑性樹脂系の化粧
材基材11に対する接着性や、隠蔽性顔料を大量に含有
する隠蔽性印刷インキとの接着性、化粧材として必要な
耐熱性、耐候性、耐久性等を考慮すると、本発明におい
ては接着剤層12としては飽和ポリエステル系樹脂を主
成分とする樹脂組成物を使用することが最も望ましい。
【0028】上記飽和ポリエステル系樹脂としては、例
えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,
3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール等の脂
肪族ジオール及び/又は1,4−シクロヘキサンジメタ
ノール等の脂環族ジオールと、テレフタル酸、イソフタ
ル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸
及び/又はシクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカ
ルボン酸及び/又はアジピン酸、セバシン酸等の脂肪族
ジカルボン酸とを共重合させた熱可塑性の樹脂組成物を
使用することができる。
【0029】特に、テレフタル酸にイソフタル酸及び/
又はセバシン酸を30〜40%程度配合し、これをエチ
レングリコールとランダム共重合させた飽和ポリエステ
ル樹脂などは、ポリエステル骨格に由来する優れた耐熱
性を有すると共に、分子構造的には柔軟で歪を吸収し易
い構造を有しており、隠蔽性顔料を大量に含有する隠蔽
ベタ印刷層13の不均質な構造に起因する剥離力の応力
集中にも良く耐えることから、隠蔽ベタ印刷層13に対
する接着性に極めて優れる利点がある。
【0030】上記飽和ポリエステル樹脂としては、水酸
基を有する樹脂を採用することが望ましい。水酸基は通
常、線状の樹脂分子の両末端に導入されるが、適当な多
価アルコールの共重合等により側鎖にも導入されていて
もよい。この水酸基は、樹脂の活性を高め接着性を向上
すると共に、隠蔽ベタ印刷層13に含有される隠蔽性顔
料との水素結合により馴染みを良くし、隠蔽ベタ印刷層
13の結着剤樹脂がイソシアネート化合物を含有する場
合には、該イソシアネート化合物との架橋反応により、
隠蔽ベタ印刷層13との接着性を更に向上する作用をな
す。
【0031】飽和ポリエステル樹脂中の水酸基の含有量
は、少な過ぎても上記した効果が十分に発揮されないた
めに接着力があまり向上せず、一方多過ぎても樹脂の内
部凝集力が低下するために却って接着力の低下を招くの
で、水酸基価が5mgKOH/g以上45mgKOH/
g以下の範囲内の飽和ポリエステル樹脂を使用すること
が望ましい。
【0032】なお、上記飽和ポリエステルに更にイソシ
アネート化合物を配合すると、架橋反応により接着剤層
12の内部凝集力が更に強化される他、イソシアネート
化合物の化学的活性により化粧材基材11や隠蔽ベタ印
刷層13との接着性も更に向上するので、非常に好適で
ある。係るイソシアネート化合物としては、例えばトリ
レンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、メ
シチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシア
ネート、イソホロンジイソシアネート等を使用すること
ができる。
【0033】接着剤層12は、上記した接着性樹脂組成
物を適当な溶剤に溶解又は分散した塗工組成物の形で、
例えばグラビアコート法、ロールコート法、ナイフコー
ト法、キスコート法、リップコート法、ダイコート法等
の任意の方法で化粧材基材11上に塗布して形成するこ
とができる。またその厚さは、少な過ぎても十分な接着
性の効果を得ることができず、一方多過ぎても、一定以
上の厚さでは接着性の効果が飽和に達し、厚さを増して
もそれ以上の向上は望めず、材料の無駄となるので不経
済である他、塗布後の乾燥の負担も増して生産性が悪化
し、接着剤層12の乾燥不良による印刷機ロールへのブ
ロッキングや絵柄印刷層14の印刷不良等の原因にもな
るので、接着剤層の厚さは1μm以上30μm以下とす
ることが望ましく、通常1〜5μm程度が最も望まし
い。
【0034】なお、接着剤層12の形成に先立って必要
に応じて、化粧材基材11の表面に例えばコロナ処理、
オゾン処理、プラズマ処理、電離放射線処理、重クロム
酸処理等の表面処理を施すことによって、化粧材基材1
1と接着剤層12との間の密着性を更に向上することも
できる。
【0035】隠蔽ベタ印刷層13は、本発明の化粧材に
おいて下地に対する隠蔽性を付与するために設けられる
ものであって、隠蔽性顔料及び結着剤樹脂を主成分とし
て構成されるものである。これに使用する隠蔽性顔料や
結着剤樹脂としては、従来より係る化粧材に使用されて
いる任意の材料を使用することができる。但し、隠蔽性
顔料を大量に含有させても十分な内部凝集力を確保する
ために、結着剤樹脂としては、活性水素基を含有する化
合物と、イソシアネート基を含有する化合物との反応生
成物である硬化型ウレタン系樹脂を使用することが望ま
しい。
【0036】活性水素基を含有する化合物と、イソシア
ネート基を含有する化合物とを反応させてなる硬化型ウ
レタン系樹脂は、硬化後の柔軟性と内部凝集力とのバラ
ンスが良く、他の材質に対する接着性にも優れるので、
化粧材用の隠蔽性インキの結着剤樹脂として非常に好適
である。但し、活性水素基とイソシアネート基とがほぼ
理論的な当量となる配合比で配合したのであっては、そ
の凝集力の限界故に、隠蔽ベタ印刷層13の内部凝集力
を十分に維持しつつ配合可能な隠蔽性顔料の配合比率が
制限され、結果として隠蔽ベタ印刷層13の隠蔽性能に
は限界がある。
【0037】そこで、イソシアネート基を含有する化合
物を、活性水素基を含有する化合物に対する当量の5倍
以上という過剰な比率で配合すると、隠蔽性顔料の配合
比率を結着剤樹脂100重量部当たり例えば500重量
部以上にまで増し、しかも隠蔽ベタ印刷層13の厚さを
例えば10μm以上にまで厚くしても、十分な内部凝集
力を維持することができる。
【0038】但し、イソシアネート基を含有する化合物
を過度に過剰に配合すると、隠蔽ベタ印刷層13の内部
凝集力が向上する反面、柔軟性を失って脆化し、クラッ
ク等の原因となったり、隣接層に対する接着力を失って
界面剥離を起こし易くなる傾向がある。そのため、イソ
シアネート基が活性水素基の20倍以下となる比率で両
者を配合することが望ましい。
【0039】上記活性水素基を含有する化合物として
は、例えばアクリルポリオール樹脂、ポリエステルポリ
オール樹脂、ポリエーテルポリオール樹脂、ポリビニル
ブチラール樹脂等のポリオール化合物等、上記イソシア
ネート基を含有する化合物としては、例えばトリレンジ
イソシアネート、メシチレンジイソシアネート、キシレ
ンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート等のポリイソシアネー
ト化合物等を使用することができる。
【0040】隠蔽ベタ印刷層13のもう一つの必須成分
である隠蔽性顔料とは、従来周知である様に、分散媒た
る結着剤樹脂と比較して著しく高い屈折率を有する微細
粉末状顔料であって、その屈折率差による界面での光の
反射や屈折による光散乱効果によって、化粧シートの表
裏面間での光の直接透過が妨げられ、隠蔽性が発現する
のである。前記した硬化型ウレタン系樹脂をはじめとす
る一般的な結着剤樹脂の屈折率は概ね1.5前後である
から、隠蔽性顔料としては屈折率が概ね2.0以上の顔
料が選ばれるのが一般的であり、また光(可視光線)に
対する散乱能の観点から通常は粒径0.1〜1μm程度
の範囲のものが使用される。
【0041】係る隠蔽性顔料の内、光吸収性の高い顔料
は、入射した光の一部を吸収して着色作用を発現するの
で着色顔料と称され、逆に光吸収性の殆どない顔料は、
光散乱効果により入射光の大部分を入射方向へ反射して
色調を明るく(白く)見せる作用を発現するので白色顔
料と称される。そして、光吸収係数と屈折率とのバラン
スの良い顔料を選択するか、若しくは、上述した着色顔
料と白色顔料とを適宜の比率で配合して使用することに
より、任意の所望の色調を得ることができる訳である。
【0042】前記隠蔽性顔料としては、有機及び無機の
各種の顔料が知られているが、一般に有機顔料よりも無
機顔料の方が屈折率が高く隠蔽性に優れているので、本
発明の化粧材においては、その用途により要求される非
常に高度な隠蔽性を、比較的に薄い印刷又はコーティン
グ被膜によって十分に達成する為に、無機顔料を使用す
ることが好ましい。無機顔料は、上述した隠蔽性に加え
て、耐光性(耐褪色性)や耐薬品性にも優れているの
で、耐久性や堅牢性の面から見ても非常に好適である。
【0043】係る無機顔料の内、着色顔料としては例え
ば黄鉛、黄色酸化鉄、カドミウムイエロー、チタンイエ
ロー、バリウムイエロー、オーレオリン、モリブデート
オレンジ、カドミウムレッド、弁柄、鉛丹、辰砂、マル
スバイオレット、マンガンバイオレット、コバルトバイ
オレット、コバルトブルー、セルリアンブルー、群青、
紺青、エメラルドグリーン、クロムバーミリオン、酸化
クロム、ビリジアン、鉄黒、カーボンブラック等、白色
顔料としては例えば酸化チタン(チタン白、チタニウム
ホワイト)、酸化亜鉛(亜鉛華)、塩基性炭酸鉛(鉛
白)、塩基性硫酸鉛、硫化亜鉛、リトポン、チタノック
ス等を使用することができる。
【0044】中でも、隠蔽性や耐光性に優れ、意匠面で
も色調的に化粧シート用に好適な顔料として、着色顔料
としては弁柄、黄色酸化鉄、鉄黒等の酸化鉄系顔料、白
色顔料としては酸化チタン系顔料を使用することが好ま
しい。尤も、これらに加えて、色調の調整等の目的で他
の隠蔽性又は非隠蔽性の無機顔料又は有機顔料を少量併
用することは差し支えない。但し、飽くまでも酸化鉄系
顔料及び酸化チタン系顔料を主体とすることが肝要であ
って、他の顔料の使用量は顔料全体に占める比率で概ね
20重量%以下とすることが好ましい。併用する顔料と
しては耐光性の高いものを選択することが好ましく、無
機顔料の中ではコバルトブルー又はカーボンブラック
等、有機顔料の中ではフタロシアニンブルー等のフタロ
シアニン系顔料等を使用することが好ましい。その他、
必要に応じて例えばシリカ、炭酸カルシウム、硫酸バリ
ウム等の体質顔料を併用することもできる。
【0045】隠蔽ベタ印刷層13への隠蔽性の無機顔料
の配合比率は、多い程隠蔽性の面では有利であるが、凝
集力が低下して化粧材の表面強度やラミネート強度の低
下の原因となるので、両者のバランスを取る為には、結
着剤樹脂100重量部あたり300〜800重量部程度
の範囲とするのが良い。また、隠蔽ベタ印刷層2の厚さ
は、厚い程隠蔽性の面では有利であるが、反面凝集力が
低下するきらいがあるので、これも両者のバランスを取
る為に5〜20μm程度の範囲とすることが好ましい。
【0046】隠蔽ベタ印刷層13は一般的には、上記各
種顔料や結着剤樹脂を適当な溶剤に溶解乃至分散してな
る隠蔽性インキ印刷乃至コーティングして形成される。
ここで該溶剤としては、イソシアネート基が反応し易い
水酸基等の活性水素基を含有する溶剤を避けるのが普通
であるが、ブロックイソシアネート化合物を使用する場
合には必ずしもその限りではない。
【0047】具体的には例えばヘキサン、ヘプタン、オ
クタン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、シクロ
ヘキサン、メチルシクロヘキサン等の石油系有機溶剤
や、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸−2−メトキシエチ
ル、酢酸−2−エトキシエチル等のエステル系有機溶
剤、メチルアルコール、エチルアルコール、ノルマルプ
ロピルアルコール、イソプロピルアルコール、イソブチ
ルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコ
ール等のアルコール系有機溶剤、アセトン、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン
等のケトン系有機溶剤、ジエチルエーテル、ジオキサ
ン、テトラヒドロフラン等のエーテル系有機溶剤、ジク
ロロメタン、四塩化炭素、トリクロロエチレン、テトラ
クロロエチレン等の塩素系有機溶剤等の各種有機溶剤
や、水等の無機溶剤、又はそれらの2種以上の混合溶剤
等を使用することができる。
【0048】その他、必要に応じて、例えば分散剤、可
塑剤、界面活性剤、粘着付与剤、接着助剤、乾燥剤、硬
化剤、硬化促進剤又は硬化遅延剤等の各種添加剤を適宜
添加することもできる。
【0049】隠蔽ベタ印刷層13の形成方法としては、
例えばグラビア印刷法、オフセット印刷法、スクリーン
印刷法、凸版印刷法、フレキソ印刷法、静電印刷法、イ
ンクジェット印刷法、電子写真法等等の各種印刷法や、
例えばグラビアコート法、ロールコート法、ディップコ
ート法、エアーナイフコート法、ナイフコート法、コン
マコート法、ダイコート法、リップコート法、キスコー
ト法、ロッドコート法、スプレーコート法、フローコー
ト法等の各種コーティング法等、従来公知の任意の印刷
方法又はコーティング方法を適宜選択して実施すること
ができる。
【0050】絵柄印刷層14の構成材料には特に制限は
なく、基本的には上記隠蔽ベタ印刷層13の場合と同
様、染料又は顔料等の着色剤を、適当な結着剤樹脂と共
に、適当な溶剤に溶解又は分散してなる印刷インキが使
用される。但し、前記した隠蔽ベタ印刷層13によって
十分な隠蔽性が確保されていれば、絵柄印刷層14を構
成する印刷インキには特に格段の隠蔽性は要求されず、
例えば着色透明な印刷インキであっても良い。従って、
使用する顔料も特に無機顔料に限定されることはなく、
化粧シート用として十分な耐光性や耐久性等の要件さえ
備えていれば、有機顔料を使用することも十分に可能で
ある。具体的には例えばアゾ顔料、レーキ顔料、アント
ラキノン顔料、フタロシアニン顔料、イソインドリノン
顔料、ジオキサジン顔料等、またはこれらの有機顔料と
前掲の各種無機顔料とから選ばれる2種以上を組み合わ
せて使用することができる。
【0051】絵柄印刷層14の形成方法にも特に制限は
なく、例えばグラビア印刷法、オフセット印刷法、スク
リーン印刷法、インクジェット印刷法等の適宜の印刷法
による他、例えば手描き法、墨流し法、写真法、レーザ
ービーム又は電子ビーム描画法、金属等の部分蒸着法や
エッチング法等、又はこれらの方法を複数組み合わせて
行うこともできる。
【0052】絵柄印刷層13が構成する絵柄の種類には
特に制限はなく、例えば従来より係る化粧材の分野にお
いて広く採用されている木目柄や、石目柄、布目柄、抽
象柄、幾何学模様柄等、或いは単なる着色や色彩調整を
目的とする場合には単色無地であっても良く、要する
に、目的の化粧シートの用途に応じ任意の所望の絵柄を
採用することができる。
【0053】表面保護層15の構成材料にも一切制限は
ないが、一般的には、透明又は半透明の合成樹脂が使用
されるのが通例である。具体的には、例えばポリオレフ
ィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ス
チレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エポキシ系樹脂、メ
ラミン系樹脂、ウレタン系樹脂、フェノール系樹脂、尿
素系樹脂、アルキド系樹脂、繊維素系樹脂、ポリカーボ
ネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン
樹脂、フッ素系樹脂等の合成樹脂、或いはそれらの2種
以上の混合物等を使用することができる。
【0054】図2に示すのは本発明の化粧材の他の実施
の形態であって、合板等の他の化粧材基材(図示せず)
に貼付して使用するための、熱可塑性合成樹脂系の可撓
性の化粧シートである。この化粧シートは基本的には、
基材シート21上に、接着剤層22、隠蔽ベタ印刷層2
3、絵柄印刷層24及び透明又は半透明の熱可塑性樹脂
層25が積層されて構成されるものである。接着剤層2
2、隠蔽ベタ印刷層23及び絵柄印刷層24の構成材料
や形成方法等については、前述した第1の実施の形態に
おける接着剤層12、隠蔽ベタ印刷層13及び絵柄印刷
層14と基本的に全く同様である。
【0055】基材シート21は、適宜の熱可塑性樹脂を
フィルム状乃至シート状に成形してなるものであって、
熱可塑性樹脂の種類には特に制限はなく、従来より化粧
シート用の基材シートの素材として使用されている任意
の熱可塑性樹脂を使用することができる。具体的には、
例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポ
リメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂、エチレン
−酢酸ビニル共重合体又はその鹸化物、エチレン−(メ
タ)アクリル酸(エステル)共重合体等のポリオレフィ
ン系共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチ
レンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ
アリレート、ポリカーボネート等のポリエステル系樹
脂、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル系樹脂、6−
ナイロン、6,6−ナイロン、6,10−ナイロン等の
ポリアミド系樹脂、ポリスチレン樹脂、AS樹脂、AB
S樹脂等のスチレン系樹脂、セルロースアセテート、ニ
トロセルロース等の繊維素誘導体、ポリ塩化ビニル、ポ
リ塩化ビニリデン等の塩素系樹脂、ポリフッ化ビニル、
ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフロロエチレン、エ
チレン−テトラフロロエチレン共重合体等のフッ素系樹
脂等、又はこれらから選ばれる2種又は3種以上の共重
合体や混合物、複合体、積層体等を使用することができ
る。但し、近年頓に社会問題化しつつある環境問題への
適応を考慮すると、上記した塩素系樹脂やフッ素系樹脂
の使用は余り好ましいものとは言えず、塩素やフッ素等
のハロゲン元素を含有しない樹脂、すなわち非ハロゲン
系樹脂を使用することが好ましい。
【0056】上記した各種の樹脂の中でも、化粧シート
用基材シートとしての適度の柔軟性と強度のバランス
や、折り曲げや切断・切削等の加工適性、耐磨耗性や耐
溶剤性等の表面物性、耐候性・耐久性、市場価格や流通
量等の調達の容易性、環境に優しい非ハロゲン系樹脂で
あること等を総合的に考慮すると、オレフィン系樹脂、
アクリル系樹脂又はポリエステル系樹脂を採用すること
が最も好ましい。
【0057】上記オレフィン系樹脂としては上掲したも
のを始め種々の単独重合体や共重合体が知られている
が、中でも化粧シート用基材シートの素材として最も好
適なのはポリプロピレン系樹脂、すなわちポリプロピレ
ンを主成分とする単独又は共重合体であり、具体的に
は、例えばホモポリプロピレン樹脂、ランダムポリプロ
ピレン樹脂、ブロックポリプロピレン樹脂、及び、ポリ
プロピレン結晶部を有し、且つプロピレン以外の炭素数
2〜20のα−オレフィン、好ましくはエチレン、ブテ
ン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1又はオ
クテン−1、のコモノマーを15モル%以上含有するプ
ロピレン−α−オレフィン共重合体などを例示すること
ができる。また、通常ポリプロピレン系樹脂の柔軟化に
用いられるエチレン−α−オレフィン共重合体、エチレ
ン−プロピレン共重合ゴム、エチレン−プロピレン−非
共役ジエン共重合体ゴム等の改質剤を添加することもで
きる。
【0058】また、上記アクリル系樹脂としては、例え
ばアクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル
酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル又はメタクリル
酸エステル等のアクリル酸誘導体を主成分として単独又
は共重合して得られる熱可塑性樹脂を使用することがで
きる。特に好ましくは、メチルメタクリレート等のメタ
クリル酸エステルを主成分とし、必要に応じて例えばメ
タクリル酸ブチル等のメタクリル酸の長鎖アルキルエス
テルや、アクリル酸メチル等のアクリル酸エステル、メ
タクリル酸又はアクリル酸等から選ばれる単量体等の共
重合成分が添加されて、所望の適宜の柔軟性や熱加工性
等の物性に調製されたメタクリレート系樹脂を使用する
ことができる。
【0059】また、上記ポリエステル系樹脂としては、
例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレ
フタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレー
ト、ポリカーボネート等の他、ジカルボン酸又はジカル
ボン酸エステルとジオールとの縮合重合反応において、
テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカ
ルボン酸及び/又はシクロヘキサンジカルボン酸等の脂
環族ジカルボン酸と、エチレングリコール、1,4−ブ
タンジオール等の脂肪族ジオール及び/又はシクロヘキ
サンジメタノール等の脂環族ジオールとを使用してなる
硬い構造単位と、ジオールとしてポリエチレングリコー
ル、ポリテトラメチレングリコール等の両末端に水酸基
を有するポリエーテル系ジオールを使用し、及び/又
は、ジカルボン酸としてセバシン酸、エイコ酸、ドデカ
ンジオン酸、ダイマー酸等の脂肪族ジカルボン酸及び/
又は脂環族ジカルボン酸を使用してなる柔らかい構造単
位との−(A−B)−n型のブロック共重合体からなり
熱可塑性エラストマーの性質を示す共重合ポリエステル
樹脂等があり、これらをそれぞれ単独で又は混合系で使
用することができる。
【0060】上記構成の化粧シートにあっては、基材シ
ート21上に接着剤層22、隠蔽ベタ印刷層23及び絵
柄印刷層24が順次塗布又は印刷形成されることから、
これらの各層の乾燥の負荷が大きいので、基材シート2
1として耐熱性に乏しい熱可塑性樹脂フィルムを使用す
ると、乾燥炉長の非常に長い大型の乾燥設備を必要とし
たり、低温乾燥にて上記各層を十分に乾燥させる為に製
造速度の制限を余儀なくされたりする場合がある。従っ
て、上記構成の化粧シートを効率よく製造するために
は、基材シート21としては耐熱性に優れた熱可塑性樹
脂フィルムを使用することが求められる。
【0061】係る観点から、上記構成の化粧シートを通
常の印刷設備で生産性良く安価に製造するためには、前
述した各種の熱可塑性樹脂フィルムの中でも、特に耐熱
性に優れしかも安価な、ポリエチレンテレフタレート系
樹脂フィルムを採用することが最も有利である。ポリエ
チレンテレフタレート系樹脂フィルムは二軸延伸により
樹脂分子を配向(結晶化)させることで強度や耐熱性、
耐薬品性、透明性、電気特性等の諸特性に優れた汎用性
のフィルムが容易に得られることから、比較的安価に大
量に市販されていることは周知の通りである。
【0062】基材シート21を構成する熱可塑性樹脂に
は、目的の化粧シートの用途により必要に応じて、例え
ば酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、可
塑剤、滑剤、帯電防止剤、難燃剤、充填剤等の従来公知
の各種の添加剤の1種以上が添加されていても良い。
【0063】酸化防止剤としては例えばフェノール系、
硫黄系、リン系等、紫外線吸収剤としては例えばベンゾ
フェノン系、ベンゾトリアゾール系、サリシレート系、
シアノアクリレート系、ホルムアミジン系、オキザニリ
ド系等、光安定剤としては例えばヒンダードアミン系、
ニッケル錯体系等、熱安定剤としては例えばヒンダード
フェノール系、硫黄系、ヒドラジン系等、可塑剤として
は樹脂の種類にもよるが例えばフタル酸エステル系、リ
ン酸エステル系、脂肪酸エステル系、脂肪族二塩基酸エ
ステル系、オキシ安息香酸エステル系、エポキシ系、ポ
リエステル系等、滑剤としては例えば脂肪酸エステル
系、脂肪酸系、金属石鹸系、脂肪酸アミド系、高級アル
コール系、パラフィン系等、帯電防止剤としては例えば
カチオン系、アニオン系、ノニオン系、両イオン系等、
難燃剤としては例えば臭素系、リン系、塩素系、窒素
系、アルミニウム系、アンチモン系、マグネシウム系、
硼素系、ジルコニウム系等、充填剤としては例えば炭酸
カルシウム、滑石、蝋石、カオリン等から選ばれる1種
又は2種以上の混合系で使用されている。
【0064】基材シート21の厚さには特に制限はな
く、従来の一般の化粧シートの基材シートと同様の厚さ
のものを使用することができる。具体的には、化粧シー
トの用途や樹脂の種類にもよるが、一般に20〜200
μm程度の範囲から選ばれ、特に好ましい範囲は50〜
100μm程度である。
【0065】基材シート21は、染料又は顔料等の着色
剤の添加により、適宜の所望の色彩に着色されていても
良いし、着色剤が添加されていない透明又は半透明のシ
ートであっても良い。特に近年、多品種少量生産や短納
期化、コストダウン等の要請がますます高まっており、
これらに対応するためには、着色されたものとの比較に
おいて、各種の樹脂を使用した各種の厚さや幅、長さ
(巻m数)のものが大量に生産され流通し汎用的に使用
されており、市場において随時安価且つ短納期で調達可
能な、透明又は半透明の熱可塑性樹脂からなるフィルム
乃至シートを使用することが有利である。本発明によれ
ば、前述した通りの特定の組成の隠蔽ベタ印刷層23を
採用することによって、係る透明又は半透明の基材シー
ト21を採用した場合にあっても、十分な隠蔽性と層間
密着強度とを確保することが可能である。
【0066】透明又は半透明の樹脂層25は、絵柄印刷
層24を保護して耐磨耗性や耐溶剤性等の良好な表面物
性を化粧シートに付与する目的で設けられるものであっ
て、一般的には高い透明性を有することが好ましいが、
少なくとも絵柄印刷層24を透視可能な程度の透明性を
備えていれば良く、その限りにおいて任意の所望の色彩
に着色されていても良い。
【0067】この透明又は半透明の樹脂層25を構成す
る樹脂としては、従来の複層構成の化粧シートにおいて
も表面側の透明樹脂層として使用されていた樹脂と同様
の種類の樹脂が適宜使用可能であり、前述した基材シー
ト21の構成材料として列挙した樹脂と同種又は別種の
熱可塑性樹脂であっても良いし、熱硬化性樹脂又は電離
放射線硬化性樹脂等の硬化性樹脂であっても良い。ま
た、複数種の樹脂の層からなる多層積層体としても良
い。但し、環境問題への対応等を考慮すると、基材シー
ト21の場合と同様に、非ハロゲン系樹脂を使用するこ
とが好ましい。
【0068】上記硬化性樹脂としては、例えばメラミン
系樹脂、フェノール系樹脂、尿素系樹脂、エポキシ系樹
脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ジアリルフタレート系
樹脂、ウレタン系樹脂、アミノアルキド系樹脂等の熱硬
化性樹脂や、アクリレート系樹脂、ウレタンアクリレー
ト系樹脂、エステルアクリレート系樹脂、エポキシアク
リレート系樹脂等の紫外線又は電子線等の照射により硬
化する電離放射線硬化性樹脂等を使用することができ
る。
【0069】透明又は半透明の樹脂層25の厚さは、一
般に厚い程耐磨耗性や耐溶剤性等の表面物性や耐候性、
塗装感や深み感、エンボス深さ等の意匠性の面で有利で
あるが、反面化粧シートとしての柔軟性や可撓性、Vカ
ット等の折り曲げ加工性等の面で不利となるので、両者
のバランスの取れる厚み範囲が選ばれる。具体的には、
硬化性樹脂を使用する場合には可撓性の面から概ね20
μm以下に制限され、好ましくは3〜10μm程度の範
囲であるが、熱可塑性樹脂を使用する場合にはこれより
厚く設けることが可能であり、一般に20〜200μ程
度の範囲から選ばれる。従って、耐磨耗性や意匠性等の
面からは熱可塑性樹脂が有利であり、硬化処理が不要で
品質が安定し易い等の製造工程面からも有利である。
【0070】透明又は半透明の樹脂層25の形成方法に
も特に制限はなく、従来公知の任意の方法を適宜適用す
ることができる。具体的には例えば、透明又は半透明の
樹脂層25を構成すべき樹脂を適当な溶媒に溶解乃至分
散した塗工剤を塗布して乾燥固化させる方法、硬化後に
透明又は半透明の樹脂層25を構成すべき樹脂となる未
硬化樹脂組成物を塗工後架橋硬化させる方法、予めフィ
ルム状乃至シート状に成形された透明又は半透明の樹脂
層25をドライラミネート接着剤、感熱接着剤、感圧接
着剤又は電離放射線硬化型接着剤等の適宜の接着剤層2
6を介して接着する方法、或いは接着剤を介さずに熱圧
着又は超音波溶着等の手段によって直接接着する方法、
また特に、透明又は半透明の樹脂層25を形成すべき樹
脂が熱可塑性樹脂である場合には、基材シート21の表
面上に加熱溶融した樹脂をフィルム乃至シート状に押し
出し成形すると同時に接着させる方法等、従来公知の各
種の方法の中から、透明又は半透明の樹脂層25を構成
すべき樹脂の特性に合致した方法を適宜選択して使用す
ることができる。
【0071】なお、後者の方法(押し出しラミネート
法)において絵柄印刷層24と透明又は半透明の樹脂層
25との接着性が劣る場合には、これも公知の様に、絵
柄印刷層24上に予め感熱接着性のアンカー層を設けて
おくか、若しくは透明又は半透明の樹脂層25の構成樹
脂と別途用意した熱接着性樹脂とを共押し出しラミネー
トして、絵柄印刷層24と透明又は半透明の樹脂層25
との間に接着性樹脂層を挟持させることによって、接着
性の向上を図ることができる。勿論、必要に応じて両者
を併用しても良い。
【0072】透明又は半透明の樹脂層25の表面には、
従来公知の如く、必要に応じて所望の適宜の模様のエン
ボス27を設けることもできる。エンボス27の模様の
種類にも特に制限はなく、例えば木目調(特に導管模様
状)、石目調、和紙調、布目調、幾何学模様状等の各種
模様状であっても良いし、或いは例えば単なる艶消状や
砂目状、ヘアライン状、スウェード調等であっても良
い。また、これらのエンボス27の模様を絵柄印刷層2
4の絵柄と同調させることによって更なる意匠性の向上
を図ることも出来るが、その必要がなければ非同調であ
っても良く、また絵柄印刷層24の絵柄と同調した模様
と同調しない模様との両者を含む模様のエンボス27を
設けることもできる。
【0073】エンボス27の形成方法にも特に制限はな
いが、金属製のエンボス版を使用した機械エンボス法が
最も一般的である。またエンボス27の形成時期にも特
に制限はなく、基材シート21との積層前、積層と同時
又は積層後の中から任意の時期を選択することができ、
またこれらの中から選ばれる複数の時期に同一又は異な
る模様のエンボス27を複数回に亘って施すこともでき
る。なお、エンボス27の凹陥部には、必要に応じてワ
イピング法等の手法により着色剤28を充填しても良
く、これによって表面の凹凸模様と同調した色彩模様を
有する意匠性に優れた化粧シートを得ることができる。
【0074】また、化粧シートの表面に更に優れた表面
物性を付与する目的で、透明又は半透明の樹脂層25の
表面にトップコート層29を設けることもできる。トッ
プコート層29の構成材料としては、従来より係る化粧
シートのトップコート層の構成材料として使用されてい
る公知の各種のトップコート剤の中から選ばれる任意の
ものを使用することができる。一般的には、少なくとも
下地を透視可能な透明性を有する必要がある他、化粧シ
ートの用途により要求される耐磨耗性や耐擦傷性、耐溶
剤性、耐汚染性等の表面物性を具備させるべく、硬化性
樹脂を主成分とする材料から構成することが好ましい。
特に、透明又は半透明の樹脂層25が熱可塑性樹脂から
なる場合には、硬化性樹脂からなるトップコート層29
を施すことが好ましい。
【0075】上記トップコート層29の構成材料として
具体的には、例えばメラミン系樹脂、フェノール系樹
脂、尿素系樹脂、エポキシ系樹脂、アミノアルキド系樹
脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、シリコーン
系樹脂等の熱硬化性樹脂や、アクリル系樹脂等の電離放
射線硬化性樹脂等を、好適に使用することができる。ま
た必要に応じて、艶調整剤、滑剤、帯電防止剤、結露防
止剤、抗菌剤、防黴剤等の各種添加剤を適宜添加するこ
とができる。
【0076】トップコート層29の形成方法にも特に制
限はなく、例えばグラビアコート法、ロールコート法、
ディップコート法、エアーナイフコート法、ナイフコー
ト法、コンマコート法、ダイコート法、リップコート
法、キスコート法、ロッドコート法、スプレーコート
法、フローコート法等の従来公知の任意のコーティング
法を適宜適用することができる。
【0077】なお、透明又は半透明の樹脂層25とトッ
プコート層29との密着性が不十分である場合には、ト
ップコート層29の塗工形成に先立ち、透明又は半透明
の樹脂層25の表面に例えばコロナ処理、オゾン処理、
プラズマ処理、電離放射線処理、重クロム酸処理、アン
カー又はプライマー処理等の表面処理を施すことによっ
て、透明又は半透明の樹脂層25とトップコート層29
との間の密着性を向上することができる。
【0078】ところで、係る化粧シートは、従来の化粧
シートと同様、木質系基材や無機質系基材等の各種の基
材の表面に貼付して使用するものであり、一般的には該
貼付の際には例えばウレタン系や酢酸ビニル系等の適宜
の接着剤が使用されるが、基材シート21を構成する樹
脂の種類によっては、係る汎用のラミネート用接着剤と
の接着性が不十分である場合もある。係る場合に備え
て、基材シート21の裏面に、上記した汎用の接着剤と
の接着性に優れた樹脂からなるプライマー層30を設け
ておくことが好ましい。
【0079】プライマー層30としては例えばウレタン
系、アクリル系、エチレン−酢酸ビニル共重合体系、塩
化ビニル−酢酸ビニル共重合体系等の各種のプライマー
剤が知られており、これらの中から基材シート21に合
わせたものを選んで使用する。なお、プライマー層30
に例えばシリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、硫酸バリ
ウム等の粉末を添加しておくと、プライマー層30の表
面が粗面化することによって化粧シートの巻取保存時の
ブロッキングが防止できる他、投錨効果による前記ラミ
ネート用接着剤との接着性の向上を図ることもできる。
【0080】本発明の化粧材の他の変形例として、図3
や図4に示す様な裏面印刷型の化粧シートを挙げること
ができる。これは基本的には、透明又は半透明の基材シ
ート31の裏面に、接着剤層33を介して隠蔽ベタ印刷
層34を設けて構成されるものであって、該隠蔽ベタ印
刷層34の裏面側を、適宜の接着剤を介して合板等の化
粧材基材の表面に貼付して使用されるものである。係る
構成の化粧シートにあっても、基材シート31と隠蔽ベ
タ印刷層34との間に接着剤層33を介在させることに
よって、十分な隠蔽性と層間密着強度とを確保すること
ができる。
【0081】なお、この構成の化粧シートにあっては絵
柄印刷層32は、隠蔽ベタ印刷層34との間に十分な接
着性を有する場合には、図3に示す様に基材シート31
と接着剤層33との間に設けても良いし、図4に示す様
に接着剤層33と隠蔽ベタ印刷層34との間に設けても
良い。しかし、絵柄印刷層32と隠蔽ベタ印刷層34と
の間に十分な接着性が期待できない場合には、図3に示
す様に絵柄印刷層32と隠蔽ベタ印刷層34との間に接
着剤層33を介在させた構成とすることで、十分な接着
性を確保することが望ましい。
【0082】また、図示は省略したが、上記構成の化粧
シートにあっても、熱可塑性樹脂基材シート33の表面
へのエンボス、ワイピング、トップコート等の処理や、
隠蔽ベタ印刷層34の裏面へのプライマー層の形成等
を、必要に応じて適宜施してもよいことは言うまでもな
い。
【0083】
【実施例】以下に本発明の実施例及び比較例を示し、本
発明を更に詳細に説明する。
【0084】実施例1 厚さ25μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレート樹
脂フィルムを基材シートとしてその片面をコロナ放電処
理後、水酸基価25mgKOH/gの飽和ポリエステル
樹脂100重量部にヘキサメチレンジイソシアネートを
3重量部配合した接着剤樹脂組成物をグラビア印刷法に
て乾燥後の厚さ1μmに全面ベタ印刷して接着剤層を形
成した。
【0085】次いで、該接着剤層面に、ポリオール主剤
樹脂中に含有される水酸基に対しイソシアネート基が1
0倍となる比率でヘキサメチレンジイソシアネート系硬
化剤を配合した硬化型ウレタン系樹脂からなる結着剤樹
脂100重量部当たり、隠蔽性無機顔料(酸化鉄系茶、
酸化鉄系黄土及び酸化チタン系白)を主体に少量のカー
ボンブラック、コバルトブルー及びフタロシアニンブル
ーを混合した隠蔽性顔料組成物を700重量部配合して
なる2液硬化型ウレタン樹脂系隠蔽性インキ(東洋イン
キ製造株式会社製)をグラビア印刷法にて乾燥後の厚さ
8μmに全面ベタ印刷して、隠蔽ベタ印刷層を形成し
た。
【0086】この隠蔽ベタ印刷層面に、通常の建材用ウ
レタン系グラビア印刷インキを使用してグラビア印刷法
により木目の絵柄印刷層を形成し、該絵柄印刷層面に、
2液硬化型ウレタン系ドライラミネート接着剤を乾燥後
の厚さ10μmに塗布して接着剤層を形成し、該接着剤
層の乾燥後硬化前に、光安定剤及び紫外線吸収剤が添加
された厚さ80μmの透明なポリオレフィン系樹脂シー
トをドライラミネート接着して透明樹脂層を形成した。
【0087】前記透明樹脂層の表面に、光安定剤及び紫
外線吸収剤を添加した2液硬化型ウレタン系トップコー
ト剤をグラビア印刷法により乾燥後の厚さ5μmに塗工
してトップコート層を形成し、本発明の化粧シートを作
製した。
【0088】得られた化粧シートのシート層間強度(基
材シートと透明樹脂層との間での剥離強度)を測定した
ところ、770N/m(約2.0kgf/inch)以
上であり、この種の化粧シートとして十分なシート層間
強度を有していることが確認された。また、耐熱性も、
100℃120時間後にシート層間強度の低下は軽微で
あり、剥離やフクレの発生なども見られなかった。ま
た、隠蔽性を調べるために色彩色度系にて標準白板と標
準黒板との上での明度差を測定したところ、ΔE=2.
0であり、この種の化粧シートとして十分な隠蔽性を有
することが確認された。また、サンシャインウェザーメ
ーター耐候性試験(ブラックパネル63℃、降雨有)1
000時間後目視にて著しい変化は見られず、摩耗B試
験(日本農林規格特殊合板)1000回にて柄取られ無
しの結果であり、耐候性や耐摩耗性の面でも十分に優れ
ていることが確認された。
【0089】比較例1 上記実施例1において、基材シートと隠蔽ベタ印刷層と
の間の接着剤層の形成を省略し、その他は上記実施例1
と全く同一の要領で化粧シートを作製した。該化粧シー
トについて、上記実施例1と同一の要領でシート層間強
度を測定したところ、約190N/m(約0.5kgf
/inch)程度と、この種の化粧シートとしては不十
分な値であり、剥離状態は基材シートと隠蔽ベタ印刷層
との層間剥離であった。
【0090】比較例2 上記実施例1において、基材シートと隠蔽ベタ印刷層と
の間の接着剤層を省略し、シート層間強度が上記実施例
1と同一水準となるまで隠蔽ベタ印刷層の隠蔽性顔料組
成物の配合比を減らしたところ、隠蔽ベタ印刷層の結着
剤樹脂100重量部当たりの隠蔽性顔料組成物の配合比
は約150重量部となった。こうして得た化粧シートの
隠蔽性を、上記実施例と同一の要領で測定したところ、
ΔE=15.0であり、この種の化粧シートとして隠蔽
性が不十分なものであった。
【0091】
【発明の効果】以上詳細に説明した様に、本発明の化粧
材は、基材と隠蔽ベタ印刷層との間に、接着剤層を設け
たことにより、化粧材に十分な隠蔽性を具備させるため
に隠蔽ベタ印刷層に大量の隠蔽性顔料を配合しても、そ
れによる隠蔽ベタ印刷層の接着性の低下を接着剤層が補
うことにより、化粧材として十分な層間密着性を確保す
ることができる。従って、表面に設ける意匠絵柄の背景
色として適切な色彩の基材が得られない場合であって
も、層間密着性を低下させることなく十分な隠蔽性を持
たせて表面意匠の色調の安定化を図ることができる。
【0092】特に、汎用の化粧材基材への貼付用の化粧
シートにあっては、顧客により要求される多様な意匠に
対応した各種の色彩の基材シートを予め用意しておく必
要がなく、汎用の熱可塑性樹脂フィルムを基材シートに
採用することが可能となるから、安価な汎用の熱可塑性
樹脂フィルムを使用できるので製造原価の低減が可能と
なることに加え、材料の在庫管理や工程管理の負荷も軽
減され、多品種少量生産への対応も容易となる等、数々
の優れた利点を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の化粧材の一例の積層構造を示す模式断
面図である。
【図2】本発明の化粧材の一例の積層構造を示す模式断
面図である。
【図3】本発明の化粧材の一例の積層構造を示す模式断
面図である。
【図4】本発明の化粧材の一例の積層構造を示す模式断
面図である。
【符号の説明】
11‥‥化粧材基材 12‥‥接着剤層 13‥‥隠蔽ベタ印刷層 14‥‥絵柄印刷層 15‥‥表面保護層 21‥‥基材シート 22‥‥接着剤層 23‥‥隠蔽ベタ印刷層 24‥‥絵柄印刷層 25‥‥透明又は半透明の樹脂層 26‥‥接着剤層 27‥‥エンボス 28‥‥着色剤 29‥‥トップコート層 30‥‥プライマー層 31‥‥基材シート 32‥‥絵柄印刷層 33‥‥接着剤層 34‥‥隠蔽ベタ印刷層
フロントページの続き (72)発明者 齋藤 努 東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内 (72)発明者 荷田 崇 東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内 Fターム(参考) 4F100 AA01B AA21 AA23 AH03G AK01A AK01B AK01D AK03 AK41G AK42 AK42A AK51B AS00B AT00A BA02 BA04 BA07 BA10A BA10D CA07 CA13 CA13B CB00 EH46 EJ55 GB07 GB48 GB81 HB00 HB01 HB31 HB31B HB35C JA20G JB12B JB16A JK06 JL09 JN01D YY00B YY00G

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材上に隠蔽ベタ印刷層を少なくとも具備
    する化粧材において、前記基材と前記隠蔽ベタ印刷層と
    の間に、接着剤層を具備することを特徴とする化粧材。
  2. 【請求項2】前記接着剤層が、飽和ポリエステル樹脂を
    主成分とすることを特徴とする請求項1に記載の化粧
    材。
  3. 【請求項3】前記飽和ポリエステル樹脂が水酸基を含有
    することを特徴とする請求項2に記載の化粧材。
  4. 【請求項4】前記飽和ポリエステル樹脂の水酸基価が5
    mgKOH/g以上45mgKOH/g以下であること
    を特徴とする請求項3に記載の化粧材。
  5. 【請求項5】前記接着剤層に、イソシアネート化合物が
    配合されてなることを特徴とする請求項1〜4のいずれ
    かに記載の化粧材。
  6. 【請求項6】前記接着剤層の厚みが、1μm以上30μ
    m以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか
    に記載の化粧材。
  7. 【請求項7】前記隠蔽ベタ印刷層が、結着剤樹脂100
    重量部当たり隠蔽性無機顔料が300重量部以上800
    重量部以下配合された組成物からなることを特徴とする
    請求項1〜6のいずれかに記載の化粧材。
  8. 【請求項8】前記隠蔽ベタ印刷層の結着剤樹脂が、活性
    水素基を含有する化合物と、イソシアネート基を含有す
    る化合物との反応生成物である硬化型ウレタン系樹脂か
    らなることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載
    の化粧材。
  9. 【請求項9】前記活性水素基を含有する化合物と、前記
    イソシアネート基を含有する化合物との配合比率が、イ
    ソシアネート基の数が活性水素基の数の5倍以上20倍
    以下となる比率であることを特徴とする請求項8に記載
    の化粧材。
  10. 【請求項10】前記基材が、熱可塑性樹脂フィルムであ
    ることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の化
    粧材。
  11. 【請求項11】前記熱可塑性樹脂フィルムが、ポリエチ
    レンテレフタレート系樹脂フィルムであることを特徴と
    する請求項10に記載の化粧材。
  12. 【請求項12】前記隠蔽ベタ印刷層上に、絵柄印刷層
    と、透明又は半透明の樹脂層とが順次積層されてなるこ
    とを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の化粧
    材。
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