JP4289516B2 - 化粧シート - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種家具類や建築内装材等の表面意匠を付与するとともに表面保護の目的で貼着される、絵柄に同調した凹部が設けられた化粧シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、各種家具類や建築内装材等に表面に装飾あるいは表面保護の目的で貼着される化粧シートとして、表面に絵柄と同調した凹部が形成された化粧シートが知られている。この化粧シートは、例えば、(1)紙質系基材シートの表面に撥液性のあるインキ組成物を部分的に印刷した後、該印刷物の上から全面に合成樹脂塗料を塗工して乾燥させると、撥液性のインキで印刷した部分の上の合成樹脂塗料がはじかれてその部分が凹部として形成されるもの。また、その他の手段として、(2)基材シートに空洞をもつ熱可塑性樹脂フイルムを用いたものが知られている。
【0003】
しかしながら、上記(1)の従来の化粧シートは、基材シートに紙質系シートを用いているため、撥液性のあるインキおよび合成樹脂塗料が基材シートに吸収される割合が大きくなるので、撥液効果が減少され凹凸の段差が小さくなるものである。そのため撥液効果を大きくするために合成樹脂塗料を厚く塗布する方法も考えられるが、撥液が充分に行われず、撥液剤を含む模様の上に合成樹脂塗料が残り凹凸の段差が小さくなってしまう。さらに、基材シートが紙質系シートの場合には、その層間強度が弱いため表面の密着性を低くする必要が生じ、そのためにワックス、シリコーン、フッ素化合物などの撥液剤を添加した合成樹脂塗料が用いられ、撥液性のあるインキ上に塗布されることになるので、この場合も撥液が充分に行われず、撥液剤を含む模様の上に合成樹脂塗料が残り凹凸の段差が小さくなり立体効果の乏しいものとなる。また、基材シートの加工性が弱いため、Vカット、ラッピング等の2次加工で亀裂が生じるという問題があった。
【0004】
また、上記(2)の化粧シートの場合は、基材シートに空洞をもつ熱可塑性樹脂フイルムを用いるため、前記基材シートへの撥液性のあるインキおよび合成樹脂塗料の吸収もないため撥液も十分に行われ立体効果に優れたものとなり、また、基材シートの加工性にも優れるためVカット、ラッピング等の2次加工での問題も解決されたが、木目模様等の茶褐色系の化粧シートとした場合、端面にホワイトラインが目立ち意匠面で見劣りし、また、空洞層から剥離し易いという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、絵柄模様に同調した凹部の深い凹凸模様を有し、端面にホワイトラインの発生がなく、Vカット、ラッピング等の2次加工性に優れた化粧シートを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の解決手段は、基材シートの一方の面に、絵柄模様層または着色下地層を含む絵柄模様層、該絵柄模様層上に撥液物質を含み撥液性を有する硬化型インキによる撥液絵柄層を部分的に形成した後、その上面全面に前記撥液絵柄層によりはじかれる性質を有する透明インキを用いトップコート層を施すことにより、上記撥液絵柄層を形成した部分の前記トップコート層がはじかれて凹状部を形成した化粧シートにおいて、前記基材シートが着色剤を含有したポリエステル樹脂フイルムからなり、前記撥液物質を含み撥液性を有する硬化型インキによる撥液絵柄層が、硬化のときに脱水縮合反応を伴う熱硬化性組成物であるアミノアルキッド樹脂からなり、且つ前記アミノアルキッド樹脂が、メラミン樹脂とアルキッド樹脂の混合比率がメラミン樹脂100重量部に対しアルキッド樹脂が100〜200重量部の範囲からなるアミノアルキッド樹脂であることを特徴とする2次加工性に優れた化粧シートとすることである。この構成とすることにより、基材シートが撥液性を有する硬化型インキ及び透明インキを吸収することが無いため、撥液効果が大きく立体感に優れた意匠性を発現する。また基材シートが着色剤を含有したポリエステル樹脂フイルムからなることにより、木目模様等の茶褐色系の化粧シートとした場合でも化粧シートの端面にホワイトラインの発生がなく、強度、耐熱性、特に耐熱寸法安定性に優れるので、印刷時やトップコート層硬化時にもシートの寸法が安定しており非常に意匠性の高い化粧シートとすることが可能であり、Vカット、ラッピング等の2次加工性にも優れ、燃焼等により容易に廃棄処理のできる化粧シートとなる。
【0007】
また、絵柄模様層と撥液物質を含み撥液性を有する硬化型インキによる撥液絵柄層との間に透明樹脂層を設けたものである。こうすることにより、耐摩耗性がよくなり、微細かつ複雑な形状の凹凸模様に、より深みを持たせることが可能となる。また、前記透明樹脂層が、ガラス転位温度が35〜45℃のウレタン樹脂を使用することを特徴とするものである。
【0008】
さらに、前記トップコート層が、ポリエステルポリオール系樹脂であることを特徴とするものである。また、前記着色剤が無機系顔料からなることを特徴とするものである。こうすることにより、特に、耐光性にも優れ、また、基材シートに隠蔽性を持たせることになり、被貼合せ基材の色の影響を受けなくすることができ、意匠性に優れた化粧板とすることが出来る。
【0009】
また、基材シートが層間強度に優れたポリエステル樹脂フイルムからなるので、前記トップコート層を形成する透明インキにスリップ剤が含有していない構成とすることにより、耐セロテープ性等の表面物性に問題を生じることなく、より撥液効果が高い、段差の大きい凹凸を形成できるものである。
【0010】
さらに、前記トップコート層を10〜15μmの厚みを有するものとすることにより、凹凸感の大きな、意匠性の非常に優れた化粧シートとなり、さらに塗布量も多いので耐摩耗性にも優れたものとなる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の具体的な実施形態を図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の化粧シートの実施例の積層構成を示す断面図、図2は本発明の化粧シートの他の実施例の積層構成を示す断面図、1、10は化粧シート、2は着色ポリエステル樹脂フイルム、3はベタ印刷層、4は絵柄印刷層、5は撥液絵柄層、6はトップコート層、7は透明樹脂層をそれぞれ表している。
【0012】
本発明の化粧シート1の構成は図1に示すように、着色ポリエステル樹脂フイルム2の表面に通常インキによるベタ印刷層3および絵柄印刷層4を設け、その上面に撥液性インキによる撥液絵柄層5を設け、次いで前記撥液絵柄層5を含む全面に透明インキを塗装し、撥液絵柄層5によりはじかれたトップコート層6を形成した構成のものである。
【0013】
本発明に用いる着色ポリエステル樹脂フイルム2とは、いわゆる押出口金から溶融押し出されたフイルムであって、通常、縦方向および横方向の二軸方向に配向させたフイルムであり、ジカルボン酸とグリコールとから縮重合によって得られたポリマーであり、ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバチン酸などが挙げられ、またグリコールとしては、エチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノールなどが挙げられる。具体的には例えばポリエチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリエチレン−p−オキシベンゾエート、ポリ−1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートなどが挙げられる。本発明の場合、特にポリエチレンテレフタレートが好ましい。
【0014】
本発明において、樹脂層には、顔料および/または染料を配合されていることが必要である。顔料としては、無機顔料と有機顔料とに分類することができ、無機顔料としては、酸化チタン白、亜鉛華、鉛白、がーボンブラック、弁柄、朱、黄鉛、群青、コバルト青、コバルト紫、ジンククロメートなどが挙げられる。有機顔料としては、フタロシアニン系、ジオキサジン系、アントラキノン系などの顔料で代表的なものとして、キナクリドン、ウォッチアングレッド、ジオキサジンバイオレット等が挙げられる。また染料としては、天然染料と合成染料に分類することができ、天然染料としては、インジゴ(藍)等が代表される。合成染料としては、アゾ染料、インジゴイド染料、硫化染料、ニトロ染料、ニトロソ染料等が挙げられる。これらの顔料および染料は、1種または2種以上併用して使用することができ、耐光性に優れ、基材シートに隠蔽性を持たすようにするためには、無機顔料が最適である。
【0015】
また、必要によって着色ポリエステル樹脂フイルム2に表面処理を施す、いわゆるコーティングにより、印刷インキの密着性を向上させるためのプライマー処理、あるいは裏面基板との接着のためのプライマーを設けてもよいものである。着色ポリエステル樹脂フイルム2の厚みとしては20〜100μm、コストおよび使用上の取扱の良さから40〜50μmが好ましいものである。
【0016】
また、着色ポリエステル樹脂フイルム2の上面には、必要によりベタ印刷層3及び、例えば、オーク、チーク、ウォルナット等の柾目、板目状の木目模様を現出する絵柄印刷層4を通常インキによりグラビア印刷によって形成されており、これら通常インキによるベタ印刷層3および絵柄印刷層4を形成するインキとしては、従来のセルロース系、塩−酢ビ系、アクリル系、アクリルポリオール系のバインダー用樹脂を利用したものが用いられ、、木目の「照り」を良く表現できるようにするためには、パール顔料や金属粉などの光輝性顔料を添加したものが好ましい。
【0017】
撥液絵柄層5を形成するのに用いる硬化型インキとしては、硬化のときに、収縮を伴う熱硬化性組成物、印刷した模様層に可塑剤又は溶剤を含みその揮発や遊離のときに収縮する組成物を使用する。上記の硬化のときに収縮を伴う熱硬化性組成物としては、常温硬化型樹脂、熱硬化型樹脂、電離放射線硬化性樹脂のなかから選択できる。これらのなかでも硬化のときに脱水縮合反応を伴う熱硬化性組成物である尿素あるいはその誘導体とホルムアルデヒドからなる尿素樹脂、メラミンあるいはその誘導体とホルムアルデヒドからなるメラミン樹脂、更に前記の尿素樹脂又はメラミン樹脂の初期生成物に変性アルキッド樹脂を加えた尿素アルキッド樹脂、メラミンアルキッド樹脂などのアミノアルキッド樹脂が好ましい。
【0018】
本発明の模様層に含まれる撥液物質は、該撥液物質を含んだ模様層表面の臨界表面張力が透明樹脂層を形成するために塗布するワニスの表面張力の値より小さくなるものを使用する。例えば、ワックス、シリコーン、フッ素化合物などがある。ワックスとしては、パラフィン、木蝋、蜜蝋などの天然から得られるものや、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの合成物質などを使用できる。また、シリコーンとしては、末端基にC−S11、C−S12、C−S13を単独又は、混合で1個以上をもつ化合物であって、オイル、ゴム、樹脂、界面活性剤の性状をとるものを使える。フッ素化合物としては、末端基にC−F1 、C−F2 、C−F3 をもつ化合物で、単独又は、混合で1個以上をもつ化合物であって、オイル、ゴム、樹脂、界面活性剤の性状をとるものを使える。その添加量はインキ組成物中に該組成物に対して4〜10重量%混入するのが好ましい。
【0019】
また、撥液絵柄層5はその部分が凹部で有るように見るものにより強く感じさせるためにトップコート層6よりも艶消し度の高いインキを用いて設けることが好ましく、天然木の導管の色調に近づけるためカーボンブラック等の着色顔料を添加したインキを使用してもよい。
【0020】
本発明のトップコート層6は、該トップコート層6を形成する樹脂ワニスの表面張力の値が、上記撥液物質を含んだ模様層の臨界表面張力の値より大きくなるものを使用すればよく、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂などよりなる通常の樹脂ワニスを用途に応じて使用することができる。ここで、常温または熱硬化性樹脂としては、エポキシ化合物とアミン系硬化剤とからなるエポキシ樹脂、ポリオール化合物とイソシアネート化合物とからなるウレタン系樹脂が使用できる。また、トップコート層6には、シリカ、プラスチックビーズなどの無機および/又は有機系の微粒子を艶消し剤及び表面強化剤として添加してもよい。さらに、ワックス、シリコーン、フッ素化合物などからなるスリップ剤を全く添加しない組成とした透明インキでトップコート層6を形成することにより、撥液性物質を含む硬化型インキによる撥液絵柄層5との臨界表面張力の差をより大きなものとすることができるので好ましいものである。即ち、表面の凹凸模様がより深いものとなり、立体感をさらに強調した意匠性の発現が可能となり、また、耐摩耗性にも優れた化粧シートとなる。
【0021】
本発明の化粧シートの他の構成として図2に示すように、前記着色ポリエステル樹脂フイルム2の表面に設けられた通常インキによるベタ印刷層3および絵柄印刷層4の表面全面に透明樹脂層7を形成し、しかるのちに前記透明樹脂層7面に撥液性物質を含む硬化型インキを用いて撥液絵柄層5を形成し、次いで、塗布しトップコート層6を形成する構成とすることも出来る。即ち、ベタ印刷層3および絵柄印刷層4と撥液絵柄層5との間に透明樹脂層7を形成することで、絵柄印刷層の耐摩耗性が向上するとともに、より深い意匠性を表現可能とする。ここで、透明樹脂層7を形成する透明塗料にウレタン樹脂、特にガラス転位温度が35〜45℃のウレタン樹脂を使用することによって、絵柄印刷層4と撥液絵柄層5との密着性および化粧シート全体の伸び率を向上させることができ、Vカット、ラッピング等の2次加工性に優れた化粧シートとすることが可能となる。
【0022】
ここで、特に図示はしないが図1、図2に示す化粧シート1、10の着色ポリエステル樹脂フイルム2と通常インキによるベタ印刷層3の層間にポリエステル系ウレタン樹脂からなるプライマー層を設けてもよく、そうすることで、着色ポリエステル樹脂フイルム2とベタ印刷層3の密着性を向上させることができるとともに、化粧シート1、10に柔軟性と伸度が付与され優れた加工性を発揮することが可能となる。特に、アジピン酸とブチレングリコールとの重縮合反応により作製したポリエステルポリオールと脂環族ポリイソシアネートからなるポリエステル系ウレタン樹脂が好ましいものである。
また、撥液絵柄層5を形成する撥液性物質を含む硬化型インキをアミノアルキッド樹脂、特にメラミン樹脂とアルキッド樹脂の混合比率がメラミン樹脂100重量部に対しアルキッド樹脂が100〜200重量部の範囲からなるアミノアルキッド樹脂とすることで、撥液絵柄層5とトップコート層6との密着性が良好になる。
【0023】
本発明の化粧シートを用いて化粧板を製造するには、上記で得られた化粧シートの、絵柄層を設けない面に酢酸ビニル樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン系樹脂などの接着剤を使用して、合板、MDF、パーチクルボード等の基板に接着積層するものである。さらに、この化粧板の製造において、化粧シートと基板との接着を強固にするために、化粧シートの裏面に予めポリエステル樹脂などのプライマー層を設けてもよいものである。
【0024】
実施例1
厚さ50μmの着色ポリエステル樹脂フイルム(ダイヤホイル(株)製、Z−2102)の表面にニトロセルロース・アルキッド系樹脂(ザ・インクテック(株)製、KL−MAX)からなるインキを使用して着色ベタインキ層と木目模様絵柄層をグラビア印刷し、この木目模様絵柄層に同調した導管模様を撥液剤を含有するアミノアルキッド系樹脂インキ(ザ・インクテック(株)製、SECアミノ)でグラビア印刷し撥液絵柄層を設け、180℃、3秒間の加熱により、溶剤を除去するとともに、撥液絵柄インキ樹脂を硬化する。さらにその印刷面全面にポリエステルポリオール系樹脂よりなる透明塗料(ザ・インクテック(株)製、DAISEC)を10g/m2 (ドライ)塗布して、190℃で20秒間の加熱により硬化させ、木目模様絵柄層に同調した凹状導管模様を有する化粧シートを作製した。
【0025】
実施例2
厚さ50μmの着色ポリエステル樹脂フイルム(ダイヤホイル(株)製、Z−2102)の表面にニトロセルロース・アルキッド系樹脂(ザ・インクテック(株)製、KL−MAX)からなるインキを使用して着色ベタインキ層と木目模様絵柄層をグラビア印刷し、その上に透明ウレタン樹脂を6〜8g/m2 (ドライ)塗布し、さらに、木目模様絵柄層に同調した導管模様を撥液剤を含有するアミノアルキッド系樹脂インキ(ザ・インクテック(株)製、SECアミノ)でグラビア印刷し撥液絵柄層を設け、180℃、3秒間の加熱により、溶剤を除去するとともに、撥液絵柄インキ樹脂を硬化する。さらにその印刷面全面にポリエステルポリオール系樹脂よりなる透明塗料(ザ・インクテック(株)製、DAISEC)を10g/m2 (ドライ)塗布して、190℃で20秒間の加熱により硬化させ、木目模様絵柄層に同調した凹状導管模様を有する化粧シートを作製した。
【0026】
比較例1
基材シートとして、秤量30g/m2 の建材用薄葉紙を使用した以外は実施例1と同様にして化粧シートを作製した。
【0027】
比較例2
基材シートとして、厚み50μmの空洞をもつポリエステルフイルム(東洋紡(株)製、クリスパーGタイプ)を使用した以外は実施例1と同様にして化粧シートを作製した。
【0028】
上記の実施例1、2および比較例1、2の各化粧シートを厚さ2.7mmのMDFにエチレン−酢酸ビニル系接着剤を用いて貼合せた化粧板を作製した。そして、得られた化粧板について、Vカット試験、摩耗試験、ゴバン目セロハンテープ試験の各試験を行い、その結果を表1にまとめて示した。尚、上記実施例1、2および比較例1、2に使用した透明塗料であるポリエステルポリオール系樹脂にはスリップ剤が含有されていないものである。
(1)Vカット試験
得られた化粧板の裏面から、Vカット切削機を用いてVカット加工を行った。この際、シート裏面からVカットの最深部頂点までの距離を0μmとし、温度5℃と25℃の雰囲気中に24時間放置した後、Vカット面に接着剤を塗布し、折り曲げてセロハンテープで固定して折り曲げた外側の化粧シート角面を比較評価した。
〔比較評価(シート割れの長さ)〕
◎:0%、 ○:0〜5%、 △:5〜10%、 ×:10%以上
(2)摩耗試験
日本農林規格に定める摩耗B試験に準じて実施し、摩耗終点に達したときの回転数を読み取り摩耗値を求める。
(3)ゴバン目セロハンテープ試験
カッターナイフにて2mm間隔で基板に到達する100個のゴバン目を作り、その面上にセロハン粘着テープ(ニチバン製、セロテープ)を圧着した。その後に急激に引き剥がし、残存した塗膜の目数を数える
【0029】
【表1】
Figure 0004289516
上記結果より、基材シートとして着色ポリエステル樹脂フイルムを用いた化粧シートはVカット加工性、ゴバン目密着性共に良く、さらに、実施例2の着色層を含む絵柄層と撥液性を有する硬化型インキによる撥液絵柄層との間に透明樹脂層を設けたものは摩耗性の点においても良好な成績を示している。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の化粧シートは、基材シートが撥液性を有する硬化型インキ及び透明インキを吸収することが無いため、撥液効果が大きく立体感に優れた意匠性を発現する。また基材シートが着色剤を含有したポリエステル樹脂フイルムからなることにより、木目模様等の茶褐色系の化粧シート等とした場合でも化粧シートの端面にホワイトラインの発生がなく、強度、耐熱性、特に耐熱寸法安定性に優れるので、印刷時やトップコート層硬化時にもシートの寸法が安定しており非常に意匠性の高い化粧シートとすることが可能であり、Vカット、ラッピング等の2次加工性にも優れ、燃焼等により容易に廃棄処理のできる化粧シートとなる。
【0031】
また、基材シートの着色剤に無機系顔料を用いることで、耐光性にも優れ、また、基材シートに隠蔽性を持たせることにより、被貼合せ基材の色の影響を受けなくすることができ、意匠性に優れた化粧板を得ることが出来る。
【0032】
また、着色下地層を含む絵柄模様層と撥液性を有する硬化型インキによる撥液絵柄層との間に透明樹脂層を設けることによって、耐摩耗性に優れた化粧シートが得られる。
【0033】
また、前記トップコート層をスリップ剤が含有していない透明インキにより形成することで、耐セロテープ性等の表面物性に問題を生じることなく、より撥液効果が高い、段差の大きい凹凸を形成できるので立体感に優れた化粧シートが得られる。
【0034】
さらに、トップコート層を10〜15μmの厚みを有するものとすることで、凹凸感の大きな、意匠性に非常に優れた化粧シートとなり、さらに塗布量も多いので耐摩耗性にも優れた化粧シートを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の化粧シートの実施例の積層構成を示す断面図である。
【図2】本発明の化粧シートの他の実施例の積層構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1、10 化粧シート
2 着色ポリエステル樹脂フイルム
3 ベタ印刷層
4 絵柄印刷層
5 撥液絵柄層
6 トップコート層
7 透明樹脂層

Claims (7)

  1. 基材シートの一方の面に、絵柄模様層または着色下地層を含む絵柄模様層、該絵柄模様層上に撥液物質を含み撥液性を有する硬化型インキによる撥液絵柄層を部分的に形成した後、その上面全面に前記撥液絵柄層によりはじかれる性質を有する透明インキを用いトップコート層を施すことにより、上記撥液絵柄層を形成した部分の前記トップコート層がはじかれて凹状部を形成した化粧シートにおいて、前記基材シートが着色剤を含有したポリエステル樹脂フイルムからなり、前記撥液物質を含み撥液性を有する硬化型インキによる撥液絵柄層が、硬化のときに脱水縮合反応を伴う熱硬化性組成物であるアミノアルキッド樹脂からなり、且つ前記アミノアルキッド樹脂が、メラミン樹脂とアルキッド樹脂の混合比率がメラミン樹脂100重量部に対しアルキッド樹脂が100〜200重量部の範囲からなるアミノアルキッド樹脂であることを特徴とする2次加工性に優れた化粧シート。
  2. 前記絵柄模様層と撥液物質を含み撥液性を有する硬化型インキによる撥液絵柄層との間に透明樹脂層を設けたことを特徴とする請求項1に記載の2次加工性に優れた化粧シート。
  3. 前記透明樹脂層が、ガラス転位温度が35〜45℃のウレタン樹脂を使用することを特徴とする請求項2に記載の2次加工性に優れた化粧シート。
  4. 前記トップコート層が、ポリエステルポリオール系樹脂であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の2次加工性に優れた化粧シート。
  5. 前記着色剤が無機系顔料からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の2次加工性に優れた化粧シート。
  6. 前記トップコート層を形成する透明インキにスリップ剤が含有されていないことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の2次加工性に優れた化粧シート。
  7. 前記トップコート層が10〜15μmの厚みを有することを特徴とする請求項6に記載の2次加工性に優れた化粧シート。
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