JP2000303369A - 皮革様シート - Google Patents

皮革様シート

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JP2000303369A
JP2000303369A JP11738499A JP11738499A JP2000303369A JP 2000303369 A JP2000303369 A JP 2000303369A JP 11738499 A JP11738499 A JP 11738499A JP 11738499 A JP11738499 A JP 11738499A JP 2000303369 A JP2000303369 A JP 2000303369A
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Japan
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fiber
sheet
polymethylpentene
polymer
leather
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JP11738499A
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Takashi Katayama
隆 片山
Junyo Nakagawa
潤洋 中川
Takeshi Yamazaki
豪 山崎
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ポリエステル系やナイロン系よりも軽量で光沢
感のある皮革様シートを提供する。 【解決手段】ポリメチルペンテン繊維からなる繊維集合
体、および該繊維集合体に含浸された弾性重合体からな
る皮革様シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軽量性および光沢
感に優れる皮革様シートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から皮革様シートを構成する繊維と
しては、ポリエステル系とナイロン系が優れた染色性、
機械的物性を有するために広く用いられている。しかし
ながら、衣料分野、靴、ランドセル等の分野において
は、軽量な皮革様シートが求められている。またポリエ
ステル系やナイロン系の人工皮革は染色性に優れている
ものの、さらに発色性に優れたものや光沢感のあるもの
が求められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
の問題点を解決するものであり、ポリエステル系やナイ
ロン系よりも軽量で光沢感のある皮革様シートを提供す
ることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、ポリ
メチルペンテン系繊維からなる繊維集合体および該集合
体に含浸された弾性重合体からなる皮革様シートであ
る。
【0005】本発明の皮革様シートは、不織布や織編物
等の繊維集合体に含浸された弾性重合体からなり、ポリ
メチルペンテンからなる10μm以下の繊維を含む立毛
繊維で覆われているスエード調の人工皮革とした場合で
あっても、表面層を熱プレスして溶融させて平滑面とし
たり、あるいは表面に重合体層を積層した、いわゆる銀
面層付きの人工皮革の場合であっても、本発明の軽量化
は達成できる。ただし光沢感のある皮革様シートを得る
場合にはスエード調の人工皮革とした場合が適してい
る。
【0006】本発明に用いるポリメチルペンテン系重合
体はポリ−4−メチルペンテン−1およびその共重合体
である。共重合体としては4−メチルペンテン−1と、
例えばエチレン、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−
1、オクテン−1、デセン−1、テトラデセン−1、オ
クタデセン−1等の共重合性オレフィン等を1種以上共
重合したものである。共重合体の変性量は、耐熱性およ
び耐薬品性の点から10モル%以下とすることが好まし
い。
【0007】本発明において、ポリメチルペンテン系重
合体からなる繊維は中実であっても中空であってもよい
が、本発明の軽量化の効果は中空繊維の方が大きく好ま
しい。またポリメチルペンテン系重合体からなる繊維の
太さは10μmデニール以下であることが好ましい。好
ましくは5μm以下、より好ましくは2μm以下であ
る。繊維の太さが10μmを越えるとスエード調にした
ときに外観が悪くなり、またソフト性や触感も悪くな
る。
【0008】本発明に用いるポリメチルペンテン系重合
体は、従来の皮革様シートに広く用いられているポリエ
ステル繊維やナイロン繊維と比較すると比重が軽いため
軽量化に適している。また吸湿率が低いため、皮革様シ
ートが吸水した状態においても繊維自身の物性に変化は
ない。
【0009】本発明に用いるポリメチルペンテン繊維は
実質的に染色性を有しておらず、汚染程度にしか染色さ
れない。染色性を要求される用途に皮革様シートを用い
る場合には、染色され得る成分をポリメチルペンテン系
重合体に添加して繊維化することが好ましい。目的に応
じて、例えばポリエステル系樹脂やナイロン系樹脂等を
添加して繊維化し、染色性を有するポリメチルペンテン
系繊維からなる皮革様シートを得ることができる。ポリ
メチルペンテン系重合体は、耐熱性が高く、また官能基
を有していないのでポリエステル系樹脂やナイロン系樹
脂等を添加して溶融混練しても反応することなく安定し
て溶融紡糸法で繊維化できる。ポリメチルペンテン系重
合体に添加するポリエステル系樹脂やナイロン系樹脂の
割合は3〜70重量%が好ましく、より好ましくは5〜
65重量%、さらに好ましくは7〜60重量%である。
添加割合が3重量%未満では染色後に十分な発色性が得
られず、70重量%を越えるとポリメチルペンテンによ
る軽量化や光沢性の効果が十分に得られない。ポリメチ
ルペンテン系重合体と組み合わせるポリマーにもよる
が、ポリエステル系樹脂やナイロン系樹脂の添加量を調
整して、ポリメチルペンテン系重合体が繊維表面を覆う
ようにすると光沢感が付与されるとともに、染色したと
きに発色性の良い皮革様シートが得られる。光沢感と発
色性の良さはポリメチルペンテン系重合体の低い屈折率
と可視光領域における透明性から得られるものである。
【0010】本発明においてポリメチルペンテン系重合
体に添加するポリエステル系樹脂としては、例えば、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリヘキサメチレンテレフタレート等の芳香族ポリ
エステル、ポリ乳酸、ポリエチレンサクシネート、ポリ
ブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジ
ペート、ポリヒドロキシブチレート-ポリヒドロキシバ
リレート共重合体、ポリカプロラクトン等の脂肪族ポリ
エステルおよび、これらポリエステルの共重合体があげ
られる。ナイロン系樹脂としては、ナイロン6、ナイロ
ン66、ナイロン610、ナイロン10、ナイロン1
2、ナイロン612等の脂肪族ポリアミド、ナイロン6
Tで代表される芳香族ポリアミドおよびそれらの共重合
体があげられる。特に、染色性、機械的物性の点からポ
リブチレンテレフタレート、ポリエチレンフタレート、ナ
イロン6、ナイロン612、またはこれらを主体とする
共重合体が好ましい。
【0011】本発明に用いるポリメチルペンテン系重合
体、さらに必要により添加されるポリエステル系樹脂お
よびナイロン系樹脂には、必要に応じて銅化合物等の等
の安定剤、着色剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止
剤、帯電防止剤、難燃剤、可塑剤、潤滑剤、結晶化速度
遅延剤を重合反応時、またはその後の工程で添加するこ
とができる。特に熱安定剤としてヒンダードフェノール
等の有機系安定剤、ヨウ化銅等のハロゲン化銅化合物、
ヨウ化カリウム等のハロゲン化アルカリ金属化合物を添
加すると、繊維化の際の溶融滞留安定性が向上するので
好ましい。
【0012】本発明に用いるポリメチルペンテン系重合
体、場合により添加されるポリエステル系樹脂およびナ
イロン系樹脂には、必要に応じて平均粒子径が500n
m以下の微粒子を0.1〜5重量%、重合反応時、また
はその後の工程で添加することができる。微粒子の種類
は特に限定されず、たとえばシリカゲル(コロイダルシ
リカ)、乾式法シリカ、酸化アルミニウムを含有する乾
式法シリカ、粒子表面にアルキル基を有しかつ粒子表面
にシラノール基を封鎖した乾式法シリカ、アルミナゾル
(コロイダルアルミナ)、酸化チタン、炭酸カルシウム
およびそのゾル(コロイダル炭酸カルシウム)等の不活
性微粒子;リン化合物と金属化合物とを変性ポリビニル
アルコールの重合反応系で反応析出せしめた内部析出径
微粒子などをあげることができる。特に平均粒子径が1
5〜70nmのシリカが好ましく、このようなシリカを
添加すると、紡糸性、延伸性が向上するとともに、極細
繊維表面に微細な凹凸を付与することができ、得られる
皮革様シート、特に染色された皮革様シートの深みが増
すとともに色の鮮明性も向上する。
【0013】本発明の皮革様シートは、例えば以下の工
程を組み合わせることにより得られる。すなわち、少な
くとも1成分がポリメチルペンテン系重合体である中
実、中空あるいは海島構造繊維を製造する工程、該繊維
からなる繊維集合体を製造する工程、必要に応じて繊維
集合体を仮固定する工程、該繊維集合体に弾性樹脂液を
含浸し、凝固させて微細な発泡構造を形成する工程、海
島構造繊維の場合、該繊維から海成分ポリマー又は島成
分ポリマーを除去し、ポリメチルペンテン系重合体を残
して極細繊維束又は多孔中空繊維に変性する工程、染色
する工程を必要に応じて順次行うことにより得ることが
できる。
【0014】本発明に用いる中実繊維や中空繊維は公知
の方法で得られる。また海島構造繊維は、ポリメチルペ
ンテン系重合体に対して相溶性の低い1種以上の熱可塑
性ポリマーを混合紡糸あるいは複合紡糸することにより
得られる。海成分となる熱可塑性ポリマーは紡糸条件下
でポリメチルペンテン系重合体より溶融粘度が小さく、
かつ表面張力が大きいポリマーが好ましい。またポリメ
チルペンテン系重合体と溶剤または分解剤に対する溶解
性又は分解性を異にして(ポリメチルペンテンよりも溶
解性又は分解性が大きい)いなければならない。さらに
ポリメチルペンテン系重合体との相溶性の小さいポリマ
ーであり、例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、共重
合ポリエチレン、共重合ポリスチレン、変性ポリエステ
ル、熱可塑性ポリビニルアルコール、などのポリマーか
ら選ばれた少なくとも1種のポリマーがあげられる。特
にポリスチレン又は共重合ポリスチレンはトリクレンに
より、ポリエチレン又は共重合ポリエチレンは加熱トル
エンにより容易に抽出可能であり、またスルホイソフタ
ル酸ソーダ共重合ポリエチレンテレフタレートはアルカ
リにより、熱可塑性ポリビニルアルコールは熱水により
分解除去可能であるので好ましい。そしてこの海島構造
繊維から海成分ポリマーを抽出又は分解除去することに
より該繊維を極細繊維束にすることができる。なお本発
明において海島構造繊維とは、繊維横断面において、海
成分が島成分ポリマーにより複数個に分割されていても
よく、例えば海成分ポリマーと島成分ポリマーとがそれ
ぞれ層となり、多層貼り合わせ状態となっているような
繊維や島成分が芯鞘構造になっている繊維であってもよ
い。なお島成分ポリマーは繊維長さ方向にエンドレスで
連なっていても、あるいは不連続の状態で存在していて
もよい。
【0015】紡糸原糸はいったん捲取られた後、または
捲取ることなく延伸に供され、延伸は熱延伸にて行われ
る。通常50〜100℃程度の温度の水浴中で切断延伸
倍率の0.55倍以上、好ましくは0.70倍以上0.
95倍以下の延伸倍率で延伸される。延伸倍率が切断延
伸倍率の0.55倍未満の場合には十分な強度を有する
人工皮革が得られない。
【0016】これらの繊維を繊維集合体とする。繊維集
合体としては、繊維絡合体が人工皮革様の性能が得られ
やすい点で好ましく、繊維絡合体は、カードで解繊し、
ウェッバーを通してウェッブを形成し、得られた繊維ウ
ェッブは、所望の重さ、厚さに積層し、次いで、公知の
方法、例えばニードルパンチ方法や高圧水流絡合処理方
法等で絡合処理を行って不織布とするか、立毛編織布あ
るいは不織布と編織布の積層などの布帛の状態とするこ
とにより形成される。なお繊維集合体には、ポリメチル
ペンテン系繊維と他の繊維から形成されていてもよい。
【0017】なお、必要に応じて上記方法により製造さ
れた繊維集合体に、ポリビニルアルコール系の糊剤を付
与したり或いは構成繊維の表面を溶融したりして、繊維
集合体構成繊維間を接着し、繊維集合体を仮固定する処
理を行ってもよい。この処理を行うことにより、その後
に行う弾性重合体溶液の含浸等の工程で繊維集合体が張
力等により構造破壊することを防ぐことができる。
【0018】ポリメチルペンテン系重合体繊維からなる
繊維集合体は、前記した特長の他に、熱を受けて繊維が
収縮するので毛羽密度が増加し外観が向上する特長も有
している。収縮方法は熱風中に入れる方法であっても熱
水中に入れる方法であっても良い。
【0019】次に、この布帛に弾性重合体液を含浸し、
加熱乾燥することでゲル化させるかあるいは弾性重合体
の非溶剤を含む液に浸漬して湿式凝固することで弾性重
合体の微細な発泡スポンジを形成する。ここで含浸する
弾性重合体としては、例えば、平均分子量500〜30
00のポリエステルジオール、ポリエーテルジオール、
ポリカーボネートジオール等のジオールあるいはポリエ
ステルポリエーテルジオール等の複合ジオール等から選
ばれた少なくとも1種類のポリマージオールと、4、
4’ージフェニルメタンジイソシアネート、イソホロン
ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートな
どの芳香族系、脂環族系、脂肪族系のジイソシアネート
などから選ばれた少なくとも1種類のジイソシアネート
と、エチレングリコール、イソホロンジアミン等の2個
以上の活性水素原子を有する少なくとも1種類の低分子
化合物とを所定のモル比で反応させて得たポリウレタン
およびその変性物が挙げられ、その他に、ポリエステル
エラストマー、スチレン−イソプレンブロック共重合体
の水素添加物等の弾性重合体およびアクリル系等の樹脂
なども挙げられる。またこれらを混合した重合体組成物
でもよい。しかし、柔軟性、弾性回復性、スポンジ形成
性、耐久性等より上記のポリウレタンが好ましく用いら
れる。
【0020】上記のような重合体を溶剤あるいは分散剤
に溶解あるいは分散させて得た重合体液を繊維集合体に
含浸し、樹脂の非溶剤で処理して湿式凝固させスポンジ
をつくるか、そのまま加熱乾燥し、ゲル化させスポンジ
をつくるかの方法で繊維シートを得る。この重合体液に
は必要に応じて着色剤、凝固調節剤、酸化防止剤、分散
剤等の添加剤が配合されていてもよい。海成分除去後又
は島成分除去後の繊維シートに占める弾性重合体の比率
は固形分として重量比で10%以上、好ましくは30〜
50%の範囲である。弾性体比率が10%未満では緻密
な弾性体スポンジが形成されず、繊維の素抜けが生じや
すくなる。
【0021】次に、弾性重合体を含有した繊維シートを
島成分ポリマー及び弾性重合体の非溶剤であり、かつ海
成分ポリマーの溶剤または分解剤である薬剤によって処
理することで極細繊維束を発生させる。または海成分ポ
リマー及び弾性重合体の非溶剤であり、かつ島成分ポリ
マーの溶剤または分散剤である薬剤によって処理するこ
とにより多孔中空繊維を発生させる。本発明において、
海島構造繊維から海成分を除去して形成される極細繊維
の細さは10μm以下が好ましい。好ましくは5μm以
下、より好ましくは2μm以下である。なお、この海成
分の除去または島成分の除去は弾性重合体を含浸する前
であってもよい。
【0022】本発明の皮革様シートは、その表面を毛羽
立て、柔軟化処理、染色処理することによりスエード調
の人工皮革が得られる。毛羽立てる方法としてはサンド
ペーパーや針布等を用いたバフがけを用いることができ
る。またエンボス加工、樹脂コート、柔軟化処理、染色
などの処理で銀付き調の皮革様シートとすることもでき
る。銀面処理の方法としては、不織布や織編物等の繊維
集合体に高分子弾性体を含浸した基体層上に、銀面層用
樹脂液をコーティングし,乾燥した後,型押し加工しする
方法や,また別途離型紙上にコーティングした銀面層用
樹脂層を,半乾燥状態のポリウレタン樹脂の接着層を介
して同上の基体層上に接着し、乾燥後に離型紙を剥離す
る、いわゆる離型紙法が知られており、本発明では、ど
ちらの方法でもよい。
【0023】このような皮革様シートからは、靴、鞄、
手袋、小物入れ等の雑貨の他、ソファーの上張り材等の
インテリア用品、衣料等の用途に用いることができる。
【0024】
【実施例】次に本発明を具体的に実施例で説明するが、
本発明はこれら実施例に限定されるものではない。な
お、実施例中の部及び%はことわりのない限り重量に関
するものである。なお、実施例中、目付、厚み、嵩比重
は以下の方法により求めた。 [目付] JIS P8124に準じて、得られた皮革
様シートを10cm角に切り取り、その重量Wを電子天
秤(メトラー社:AE160)で測定し、W/0.01
により坪量(g/m2)を求めた。 [厚み]厚みゲージ(ピーコック)を用いて5点の厚み
を測定し、その平均より厚み(mm)を求めた。 [嵩比重]目付け(g/m2)÷厚み(mm)÷1000より求め
た。
【0025】実施例1 市販のポリメチルペンテン(島成分、三井化学DX82
0)と低密度ポリエチレン(海成分、三井化学製ミラソ
ンFL60)を用いた16島複合紡糸繊維(海成分:島
成分=1:2)を紡糸温度280℃、紡糸速度800m/min
の溶融紡糸により得、これを80℃の温水中で3倍に延
伸し、機械捲縮をかけて乾燥後、51mmにカットして
ステープルとし、クロスラップ法でウェッブを形成、つ
いで両面から交互に1050パンチ/cm2のパンチ密
度のニードルパンチングをおこなった。さらに、カレン
ダーロールでプレスすることで表面の平滑な絡合不織布
をつくった。この絡合不織布にポリテトラメチレンエー
テル系ポリウレタンを主体とする固型分13%のポリウ
レタンのジメチルホルムアミド(DMFと略す)溶液を
含浸し、DMF/水混合液の中に浸して湿式凝固した
後、熱トルエン中で複合紡糸繊維中の海成分を溶出除去
して極細繊維束を発現させ、繊維シートを得た。極細繊
維の平均繊維径(1本の繊維束に存在する極細繊維の全
断面積を本数で割ることにより得られる平均断面積に相
当する円の直径)は4μmであった。繊維シート中のポ
リウレタンの重量比率は40%であった。この繊維シー
トをスライスし、次いでバフがけを行って起毛して厚み
1.3mmの基布にした。得られた基布は柔らかく新規
な触感を有するスエード調で、光沢感のあるものであ
り、目付295g/m2、厚み1.3mm、嵩密度0.
23g/cm3であり、従来のポリエステルやナイロン
で得られたもの(比較例1および2)より著しく軽量な
ものであった。
【0026】比較例1 実施例1でポリメチルペンテンの代わりにナイロン6
(宇部興産UBENYLON)を用い、実施例1と同様
にして繊維径1μm、ウレタンの重量比率が40%の繊
維シートをつくり、厚み1.3mmのスエード調の基布
を得た。このものは、目付が400g/cm2、嵩比重
0.31g/cm3であり、実施例1のものと比べて、
重量のあるものであった。また光沢感においても、実施
例1のものよりも劣るものであった。
【0027】比較例2 実施例1でポリメチルペンテンの代わりにポリエチレン
テレフタレート(クラレ、クラペットSV845)を用
い、実施例1と同様にして繊維径1μm、ウレタンの重
量比率が40%の繊維シートをつくり、厚み1.3mm
のスエード調基布を得た。このものは、目付が405g
/cm2、嵩比重0.31g/cm3であり、実施例1の
ものと比べて、重量のあるものであった。また光沢感に
おいても、実施例1のものよりも劣るものであった。
【0028】実施例2 実施例1で用いたポリメチルペンテンを用い、紡糸温度
280℃、紡糸速度800m/minの溶融紡糸により中空率2
0%の中空繊維を得、これを80℃の温水中で3倍に延
伸し、捲縮をかけて乾燥後、51mmにカットして繊維
径18μmのステープルとし、クロスラップ法でウェッ
ブを形成し、ついで両面から交互に1050パンチ/c
m2のパンチ密度のニードルパンチングをおこなった。
次いでPVA水溶液に含浸しカレンダーロールで熱プレ
スすることで表面の平滑な絡合不織布をつくった。この
絡合不織布にポリテトラメチレンエーテル系ポリウレタ
ンを主体とする固型分13%のポリウレタンのDMF溶
液を含浸し、DMF/水混合液の中に浸して湿式凝固
し、スライスしてバフがけし、起毛して厚み1.5mm
の基布にした。繊維シート中のポリウレタンの重量比率
は42%であった。一方、しぼ付き離型紙(リンテック
TP Rー8)の上に、被覆層としてシリコン変性ポリ
エーテル系ポリウレタン(セイコー化成製US−93
8、100%モジュラス60%、固形分30%)100
部、酸化チタンDUT4093(大日製化工業(株))
30部、DMF30部、メチルエチルケトン30部から
なるポリウレタン樹脂溶液をドライベースで厚さ50ミ
クロンになる様に塗布し、100℃で5分間乾燥して、
被覆層を得た。その上に、2液硬化型ポリエーテル系ポ
リウレタン溶液をドライベースで厚さ30ミクロンとな
るように塗布し、50℃で3分間乾燥し、まだ粘着性を
有している状態で前記の繊維質基体層と貼り合わせ、1
00℃で2分間乾燥し、その後、40℃で3日間放置し
たのち離型紙を剥離し銀面層付きの皮革様シートを得
た。得られた皮革様シートは充実感があり、かつ軽量
(嵩比重0.22g/cm3)なものであった。
【0029】実施例3 実施例1で用いた低密度ポリエチレンと比較例1で用い
たナイロンとを1:1の重量割合で1つの押し出し機で
溶融混練し、別の押し出し機で溶融した実施例1で用い
たポリメチルペンテンとをそれぞれ紡糸ヘッドに導き、
紡糸温度280℃、紡糸速度800m/minの溶融紡糸によ
り、中心部が中空でその周りを芯成分のポリメチルペン
テンが覆い、更にその周りをナイロンと低密度ポリエチ
レンのブレンド物が覆っている中空の芯鞘繊維を得た。
得られた繊維の中空率は15%であった。この中空繊維
を80℃の温水中で3倍に延伸し、捲縮をかけて乾燥
後、51mmにカットして繊維径18μmのステープルと
し、クロスラップ法でウェッブを形成、ついで両面から
交互にニードルパンチングをおこなった。さらに、カレ
ンダーロールで熱プレスすることで表面の平滑な絡合不
織布をつくった。この絡合不織布にポリテトラメチレン
エーテル系ポリウレタンを主体とする固型分13%のポ
リウレタンのDMF溶液を含浸し、DMF/水混合液の
中に浸して湿式凝固し、 熱トルエン中で鞘成分中の低
密度ポリエチレンからなる海成分を溶出除去して極細繊
維束を発現させ、ポリメチルペンテンの中空繊維の周囲
にナイロンの極細繊維が存在する繊維からなるシートを
得た。ナイロンの極細繊維の平均繊維径は0.1μmで
あり、ポリメチルペンテンの中空繊維の繊維径は12μ
mであった。繊維シート中のポリウレタンの重量比率は
38%であった。この繊維シートをスライスし、次いで
バフがけを行って起毛して厚み1.2mmの基布にし
た。得られた基布を茶色の金属錯塩酸性染料(10%o
wf)で染色するとナイロン部分しか染まらないが、全
体的には淡色の光沢感のあるものになった。得られた基
布は充実感があり、かつ軽量(嵩比重0.24g/cm
3)なものであった。
【0030】実施例4 実施例1で用いたポリメチルペンテンと低密度ポリエチ
レンとを3:2の重量割合で溶融混練し、紡糸温度28
0℃、紡糸速度500mでポリメチルペンテンと低密度
ポリエチレンからなる混合紡糸繊維を溶融紡糸により
得、これを150℃の熱風炉で3倍に延伸し、機械捲縮
をかけて乾燥後、51mmにカットして繊維径20μm
のステープルとし、クロスラップ法でウェッブを形成、
ついで両面から交互にニードルパンチングをおこなっ
た。さらにカレンダーロールでプレスすることで表面の
平滑な絡合不織布をつくった。この絡合不織布にポリテ
トラメチレンエーテル系ポリウレタンを主体とする固型
分13%のポリウレタンのDMF溶液を含浸し、DMF
/水混合液の中に浸して湿式凝固した後、熱トルエン中
で混合紡糸繊維中の低密度ポリエチレン成分を溶出除去
して多孔中空状の繊維を発現させ、繊維シートを得た。
繊維シート中のポリウレタンの重量比率は42%であっ
た。この繊維シートをスライスし、次いでバフがけを行
って起毛して厚み1.4mmの基布にした。さらに実施
例2と同様にして離型紙法により銀面層を表層に付与し
た皮革様シートを得た.得られた皮革様シートは充実感
があり、かつ軽量(嵩比重0.22g/cm3)なもの
であった。
【0031】実施例5 実施例1で島成分で用いたポリメチルペンテンのかわり
に、ポリメチルペンテンに比較例1で用いたナイロンを
10重量%添加したものを用い、低密度ポリエチレンを
海成分に用いて16島複合紡糸繊維(海成分:島成分=
1:2)を紡糸温度280℃、紡糸速度800m/minの溶融
紡糸により得、これを80℃の温水中で3倍に延伸し、
機械捲縮をかけて乾燥後、51mmにカットしてステー
プルとし、クロスラップ法でウェッブを形成、ついで両
面から交互にニードルパンチングをおこなった。さら
に、カレンダーロールでプレスすることで表面の平滑な
絡合不織布をつくった。この絡合不織布にポリテトラメ
チレンエーテル系ポリウレタンを主体とする固型分13
%のポリウレタンのDMF溶液を含浸し、DMF/水混
合液の中に浸して湿式凝固した後、熱トルエン中で複合
紡糸繊維中の海成分を溶出除去して極細繊維束を発現さ
せ、繊維シートを得た。ナイロンが10%添加されたポ
リメチルペンテン極細繊維の平均繊維径は1.5μmで
あった。繊維シート中のポリウレタンの重量比率は35
%であった。この繊維シートをスライスし、次いでバフ
がけを行って起毛して厚み0.7mmのシートにした。
得られたシートを茶色の金属錯塩酸性染料(10%ow
f)で染色するとポリメチルペンテンに添加されている
ナイロン部分が染まり,ポリメチルペンテンの透明性と
の相乗効果で鮮明な発色性を有し、かつ光沢感と軽量性
(嵩比重0.25g/cm3)に優れた皮革様シートが
得られた。
【0032】
【発明の効果】本発明により、ポリエステル系やナイロ
ン系よりも軽量で光沢感のある皮革様シートが得られ
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリメチルペンテン系繊維からなる繊維集
    合体および該繊維集合体に含浸された弾性重合体からな
    る皮革様シート。
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