JP2000291384A - シールド掘進機のカッタビット交換方法及びシールド掘進機のカッタ引込機構 - Google Patents

シールド掘進機のカッタビット交換方法及びシールド掘進機のカッタ引込機構

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JP2000291384A
JP2000291384A JP9771799A JP9771799A JP2000291384A JP 2000291384 A JP2000291384 A JP 2000291384A JP 9771799 A JP9771799 A JP 9771799A JP 9771799 A JP9771799 A JP 9771799A JP 2000291384 A JP2000291384 A JP 2000291384A
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Hajime Nakayama
元 中山
Yoshihiko Tabata
喜彦 田畑
Tomokazu Matsui
伴和 松井
Koji Yamada
浩司 山田
Shigeo Fujii
茂男 藤井
Yuzuru Yoshida
譲 吉田
Yuji Sakuma
裕治 佐久間
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カッタビットの交換を地中作業のみで何度で
も繰り返しできるシールド掘進機のカッタビット交換方
法及びシールド掘進機のカッタ引込機構を提供する。 【解決手段】 切羽8とシールドフレーム2内を仕切る
隔壁7との間に固化剤28を充填し、固化剤28の充填
圧によって切羽8の土圧を保持しつつ隔壁7をシールド
フレーム2内にて後退させ、隔壁7に取り付けたカッタ
9をシールドフレーム2内に引き込みつつ、カッタ9の
前方のシールドフレーム2内に固化剤28の固化による
止水壁32を形成した後、止水壁32の後方のシールド
フレーム2内にてカッタビット13を交換し、交換後、
カッタ9を作動させつつ隔壁7を前進させて止水壁32
を掘削し、カッタ9および隔壁7を元の位置に復帰させ
るようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シールド掘進機の
カッタビット交換方法及びシールド掘進機のカッタ引込
機構に関する。
【0002】
【従来の技術】シールド掘進機は、シールドフレーム内
を仕切る隔壁に設けられたカッタを回転させてカッタビ
ットによって切羽を掘削しつつ、シールドフレーム内に
て組み立てたセグメントに反力をとる推進ジャッキによ
ってシールドフレームを前進させるものである。かかる
シールド掘進機によって長距離施工を行う場合、カッタ
ビットが摩耗限界に至るため、摩耗したカッタビットを
交換する必要がある。
【0003】従来、カッタビットの交換は、掘進経路の
途中に地上から中間立坑を設け、そこにシールド掘進機
を導いて中間立坑内にて交換する工法や、カッタ前方の
地山を地上からの薬剤注入や凍結等によって地盤改良し
て地山の自立と止水を確保した後、作業員が隔壁から外
に出て固められた地山を手掘りして交換作業を行う工法
が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの工法
の場合には、掘進経路の途中にて地上からの中間立坑の
構築や薬剤注入等の地上作業が必要となるため、地上の
交通状況等によっては不可能な場合がある。また、掘進
経路が大深度の場合や海底を掘進する場合には、上記地
上作業は実際上不可能である。また、中間立坑の構築や
薬剤注入等による地盤改良は、相当の工事期間およびコ
ストが必要となり、また繰り返し行うことが困難であ
る。
【0005】以上の事情を考慮して創作された本発明の
目的は、カッタビットの交換を地中作業のみで何度でも
繰り返しできるシールド掘進機のカッタビット交換方法
及びシールド掘進機のカッタ引込機構を提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく本
発明に係るシールド掘進機のカッタビット交換方法は、
切羽とシールドフレーム内を仕切る隔壁との間に固化剤
を充填し、固化剤の充填圧によって切羽を保持しつつ隔
壁をシールドフレーム内にて後退させ、隔壁に取り付け
たカッタをシールドフレーム内に引き込みつつ、カッタ
の前方のシールドフレーム内に固化剤の固化による止水
壁を形成した後、止水壁の後方のシールドフレーム内に
てカッタビットを交換し、交換後、カッタを作動させつ
つ隔壁を前進させて止水壁を掘削し、カッタおよび隔壁
を元の位置に復帰させるようにしたものである。
【0007】この発明によれば、切羽と隔壁との間に固
化剤を充填し、その充填圧によって隔壁およびカッタを
シールドフレーム内にて後退させているので、隔壁およ
びカッタの後退中に切羽を固化剤の充填圧によって保持
でき、切羽の崩落を回避できる。そして、カッタをシー
ルドフレーム内に引き込んだ後、固化剤の固化により形
成された止水壁とシールドフレームとによって切羽の土
砂から隔離・止水された空間内にてカッタビットの交換
を行うので、地上の状況と無関係に交換できる。交換
後、カッタを作動させつつ隔壁を前進させて止水壁を掘
削することにより当初の状態にリセットされる。その
後、再度同様の手順を繰り返すことにより、カッタビッ
トの交換を何度でもできる。
【0008】ところで、このようなカッタビット交換方
法にあっては、カッタのシールドフレーム内での後退量
を稼ぎ、その前方に形成される止水壁を厚くすることが
望まれる。そこで、次の如きシールド掘進機のカッタ引
込機構が発明された。そのシールド掘進機のカッタ引込
機構は、シールドフレームの内周面に夫々軸方向に移動
自在に設けられた前胴および後胴と、該前胴内を前後に
仕切る隔壁に設けられ切羽を掘削するカッタと、上記後
胴内に設けられ既設セグメントに反力をとる推進ジャッ
キと、上記前胴と後胴との間に介設されこれらを近接離
間させる引込ジャッキと、上記前胴または後胴の少なく
とも一方をシールドフレームに係脱させる係脱手段とを
備えたことを特徴としている。
【0009】この発明によれば、通常掘進時には、前胴
または後胴の少なくとも一方を係脱手段によってシール
ドフレームに係合させて一体化し、カッタが切羽から受
ける掘進反力を隔壁→前胴→引込ジャッキ→後胴→推進
ジャッキを介して既設セグメントに支持させ、シールド
フレームを掘進させる。カッタビット交換時には、上記
係脱手段によって前胴および後胴をシールドフレームか
ら切り離してスライドフリーとし、推進ジャッキを収縮
させて後胴を既設セグメント側に後退させると共に引込
ジャッキを収縮させて前胴を後胴側に後退させ、かかる
二段後退によりカッタをシールドフレーム内にて後退さ
せる。このように、カッタを取り付けた前胴と推進ジャ
ッキを取り付けた後胴とをシールドフレーム内で近接離
間させることにより、カッタの後退量を機長(シールド
フレームの長さ)に対して稼ぐことができる。
【0010】なお、地盤条件等が良好で止水壁の厚みを
必要としない場合には、上記引込ジャッキを用いなくて
もよい。この場合、前胴と後胴とを一体化して内胴と
し、その内胴にカッタと推進ジャッキとをそれぞれ設
け、かかる内胴とシールドフレームとを係脱手段により
係脱させるようにする。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を添付
図面に基いて説明する。図1乃至図3は、所定のカッタ
引込機構を備えたシールド掘進機のカッタビット交換方
法の手順を示す説明図である。
【0012】図1(a) に示すように、このシールド掘進
機1は、円筒状のシールドフレーム2を備えている。シ
ールドフレーム2の内周面には、前胴3および後胴4が
夫々軸方向に移動自在に設けられている。前胴3の外周
面には、シールドフレーム2の内周面との間をシールす
るシール部材5および滑り部材6が設けられ、後胴4の
外周面には、シールドフレーム2の内周面との間の滑り
を良好する滑り部材6が設けられている。
【0013】前胴3には、その内部を前後に仕切る隔壁
7が設けられている。隔壁7には、切羽8を掘削するカ
ッタ9が回転自在に設けられている。カッタ9は、シー
ルドフレーム2の内径より小さく形成された内周カッタ
10と、内周カッタ10の端面から径方向に出没自在に
設けられた外周カッタ11およびコピーカッタ12とを
有し、図示しない駆動モータによって回転駆動される。
【0014】内周カッタ10および外周カッタ11に
は、実質的に切羽8を掘削するカッタビット13が取り
付けられている。外周カッタ11およびコピーカッタ1
2は、図1(a) に示すように通常掘進時にはシールドフ
レーム2の外径に合わせて突出されており、図1(b) に
示すようにカッタビット交換時には内周カッタ10内に
引き込まれる。なお、コピーカッタ12は、カーブ掘進
時にカーブの内側を余掘りすべく適宜伸縮される。
【0015】カッタ9で掘削された土砂は、隔壁7の前
方に坑内14から仕切られて形成された土砂取込室15
に一旦取り込まれる。土砂取込室15内の土砂は、隔壁
7に設けられたスクリューコンベヤ16によって坑内1
4側に搬送され、スクリューコンベヤ16の排土口17
に設けたゲートを適宜開閉することにより、土砂取込室
15内の土圧を保ちつつ坑内14に排土され、コンベヤ
や台車等によって後方へ搬送される。
【0016】前胴3と後胴4との間には、これらを近接
離間させる引込ジャッキ18が介設されている。引込ジ
ャッキ18は、その一端が前胴3に隔壁7を介して接続
され、他端が後胴4に固設したブロック19に第1スペ
ーサ20および第2スペーサ21を介して接続されてい
る。引込ジャッキ18は、シールドフレーム2の周方向
に所定間隔を隔てて複数設けられており、1本当たりの
負担荷重が小さくなっている。
【0017】後胴4の内周面には、既設セグメント22
に反力をとって当該後胴4を前進させる推進ジャッキ2
3が設けられている。推進ジャッキ23は、後胴4の周
方向に所定間隔を隔てて複数設けられている。セグメン
ト22は、図示しないエレクタによって、シールドフレ
ーム2内にて組み立てられる。シールドフレーム2の後
部内周面には、既設セグメント22との間をシールする
テールシール24が設けられている。
【0018】後胴4に固設されたブロック19には、当
該後胴4をシールドフレーム2に係脱させる係脱手段と
して、係脱金具25が設けられている。係脱金具25
は、L字状の板材からなり、一端がブロック19に固定
され、他端がシールドフレーム2の内周面に仮止め溶接
される。係脱金具25は、その仮止め溶接時には後胴4
とシールドフレーム2とを一体化し、溶接部切離時には
後胴4をシールドフレーム2に対してスライドフリーと
する。
【0019】かかるシールド掘進機1は、通常掘進時に
は、図1(a) に示すように、外周カッタ11およびコピ
ーカッタ12をシールドフレーム2の外径に合わせて突
出させると共に、係脱金具25によって後胴4とシール
ドフレーム2とを固定した状態として、カッタ9を回転
させつつ推進ジャッキ23を伸長させ、掘進を達成す
る。このとき、切羽8から坑内14への漏水は、前胴3
の外周面に設けたシール部材5により止水される。
【0020】掘進時にカッタ9が切羽8から受ける掘進
反力は、隔壁7→前胴3→引込ジャッキ18→後胴4→
推進ジャッキ23と伝わって既設セグメント22に支持
される。また、シールドフレーム2は、係脱金具25に
よって後胴4に固定されているので、掘進時に取り残さ
れることなく、カッタ9等と一体的に前進する。なお、
係脱金具25は、前胴5とシールドフレーム2との間に
設けてもよい。
【0021】また、かかる掘進時、引込ジャッキ18
は、切羽8から受ける掘進反力によって常に圧縮荷重を
受けるが、第1および第2スペーサ20、21を介設す
ることで前胴3と後胴4とを所定距離離間させつつ収縮
状態となっているため、大きな荷重でも安定して保持で
きる。なお、第1および第2スペーサ20、21を取り
外して引込ジャッキ18を伸長させて前胴3と後胴4と
を所定距離離間させてもよいが、その場合、前胴3と後
胴4との間に別のスペーサ26を介設する。
【0022】さて、シールド掘進機1のカッタビット1
3を交換するときには、先ず、図1(b) に示すように、
推進ジャッキ23を伸長させて既設セグメント22に当
接させて切羽8の荷重を推進ジャッキ23に支持させ
る。そして、隔壁7に取り付けたノズル27から土砂取
込室15へ固化剤28(セメント等:ドットで表す)を
注入し、カッタ9を回転させてカッタ9の裏面に所定の
間隔を隔てて設けた混練翼33によって注入した固化剤
28と土砂取込室15内の土砂とを練り混ぜる。
【0023】なお、混練翼33は、図1(b) 以外の図面
では省略する。かかる混練時(カッタ9の回転時)、外
周カッタ11およびコピーカッタ12は、内周10から
突出させたままでもいいが、内周10カッタ内に引き込
んでもよい。また、上記ノズル27は、図例では1本で
あるが複数本隔壁7に取り付けてもよく、さらにそれぞ
れ自在継手を介して隔壁7に取り付け、噴射方向を可変
にできるようにすることが好ましい。
【0024】次に、既設セグメント22とシールドフレ
ーム2とを固定金具29によって固定し、シールドフレ
ーム2の後退を防止する。そして、係脱金具25の仮止
め溶接部を外してシールドフレーム2から切り離し、後
胴4をスライドフリーとする。このとき、切羽8の土圧
は、カッタ9→隔壁7→前胴3→引込ジャッキ18→後
胴4→推進ジャッキ23と伝わって既設セグメント22
に支持されることになる。すなわち、切羽8の土圧は、
推進ジャッキ23が踏ん張って支持している。なお、前
胴3と後胴4との間に別のスペーサ26(図1(a) 参
照)を介設した場合には、そのスペーサ26を除去して
おく。
【0025】次に、第1スペーサ20を取り外し、引込
ジャッキ18を伸長させて第2スペーサ21に盛り換え
る。かかる盛り換えは、第1スペーサ20および引込ジ
ャッキ18を複数並設しておき、一部の引込ジャッキ1
8の盛り換え中は、他の引込ジャッキ18によって切羽
8の土圧を保持するようにして行う。
【0026】次に、図2(c) に示すように、カッタ9の
内部に設けた固化剤28の通路30に注入管31を接続
し、カッタ9の前面から切羽8へ固化剤28を注入する
と共に、上記ノズル27から土砂取込室15へ固化剤2
8を注入する。このときカッタ9は、回転させても止め
てもよい。このように、切羽8と隔壁7との間に固化剤
28を充填することにより、その固化剤28の充填圧に
よって切羽8の土圧を保持しつつ、隔壁7をシールドフ
レーム2内にて後退させ、隔壁7に取り付けたカッタ9
をシールドフレーム2内に引き込みつつ、カッタ9の前
方のシールドフレーム2内に固化剤28の固化による止
水壁32を形成する。
【0027】詳しくは、上記固化剤28の充填に先立っ
て、推進ジャッキ23および引込ジャッキ18の油圧配
管にそれぞれ所定圧のリリーブ弁(図示せず)を介設し
ておき、噴射された固化剤28の充填圧によってそれら
リリーフ弁からオイルをリリーフさせることにより踏ん
張っている推進ジャッキ23および引込ジャッキ18を
それぞれ収縮させ、図2(d) にも示すように、隔壁7と
カッタ9と前胴3と後胴4とをシールドフレーム2内に
て後退させる。かかるカッタ9の後退中、切羽8は、そ
の土圧がリリーフ弁のリリーフ圧に保持されるので、崩
落が回避される。
【0028】なお、図例では、図2(c) において推進ジ
ャッキ23のリリーフ弁のみを作動させて推進ジャッキ
23を収縮させ、その後図2(d) において引込ジャッキ
18のリリーフ弁のみを作動させて引込ジャッキ18を
収縮させたものを開示したが、この順序を逆にしてもよ
く、また、推進ジャッキ23のリリーフ弁と引込ジャッ
キ18のリリーフ弁とを同時に作動させ、推進ジャッキ
23と引込ジャッキ18とを同時に収縮させるようにし
てもよい。
【0029】カッタ9と隔壁7と前胴3と後胴4とがシ
ールドフレーム2内にて後退する際、シールドフレーム
2は、固定金具29によって既設セグメント22に固定
されているので、前胴2や後胴4に引き摺られて後退す
ることはない。また、前胴3の後退時に、切羽8側から
坑内14への漏水は、前胴3の外周面に設けたシール部
材5により止水される。かかる隔壁7およびカッタ9の
後退に伴って、カッタ9の前方のシールドフレーム2内
に充填された固化剤28が時間経過と共に固化し、止水
壁32が形成される。
【0030】ここで、カッタ9の前方と切羽8との間に
は、カッタ9から噴射された固化剤28のみが充填され
るためその固化剤28が固化することにより強度の高い
止水壁32が形成され、カッタ9の後方の土砂取込室1
5には、掘削土砂が残っているため、その掘削土砂と隔
壁7のノズル27から噴射された固化剤28とがカッタ
9の混練翼33によって混練され、それらが比較的強度
の弱い固まりとなる。また、かかる固化剤28の充填を
カッタ9の回転を止めて行った場合には、カッタ9の前
方の固化剤28が固まり始めたときにカッタ9を回転さ
せ、カッタビット13と固化剤28(止水壁32)との
縁を切っておく。
【0031】こうしてカッタ9の前方のシールドフレー
ム2内に高強度の止水壁32が形成されたならば、図3
(e) に示すように、第2スペーサ21を取り外し、引込
ジャッキ18を伸長させて後胴4に固設されたブロック
19に盛り換える。かかる盛り換えは、複数並設された
引込ジャッキ18を順次盛り換えてもよいが、このとき
切羽8の土圧は止水壁32によって支持されてカッタ9
(すなわち引込ジャッキ18)には加わらないため、全
ての引込ジャッキ18を同時にブロック19に盛り換え
てもよい。
【0032】次に、ノズル27から土砂取込室15内に
作泥剤(水やベントナイト液等)を注入しつつカッタ9
を回転させて、土砂取込室内の土砂(比較的強度の弱い
固まり)を混練翼33(図1(b) 参照)によってほぐ
す。これと同時に、引込ジャッキ18を積極的に収縮さ
せてカッタ9を第2スペーサ21の分だけ後退させて止
水壁32から離間させ、カッタ9の前方にカッタビット
13を交換するための空間34を形成する。この空間3
4は、止水壁32とシールドフレーム2と隔壁7とで区
画され、止水壁32によって切羽8の土圧や地下水から
隔離されることになる。
【0033】そして、隔壁7に設けたマンホール(図示
せず)の蓋を開けてそこから作業員が土砂取込室15に
入り、作泥剤および混練翼33によってほぐされた土砂
取込室15の土砂を坑内14に取り出す。この取り出し
にはスクリューコンベヤ16を用いてもよい。土砂取り
出し後、作業員が上記空間34を利用して、摩耗したカ
ッタビット13を新品のカッタビット13に交換する。
このように、カッタビット13の交換は、固化剤28の
固化により形成された止水壁と32シールドフレーム2
とによって切羽8の土圧・地下水から隔離・止水された
空間34内にて行うので、地中作業のみで安全に交換で
きる。
【0034】この際、上記空間34における切羽8の土
圧・地下水に対するシールド性(土圧隔離性・止水性)
を高めるためには、止水壁32の厚さを厚くすればよ
い。そこで、カッタ9のシールドフレーム2内における
後退量をなるべく大きくする必要がある。本実施形態に
あっては、推進ジャッキ23を収縮させて後胴4を既設
セグメント22側に後退させると共に、引込ジャッキ1
8を収縮させて前胴3を後胴4側に後退させ、かかる二
段後退によりカッタ9をシールドフレーム2内にて後退
させているので、カッタ9の後退量を機長(シールドフ
レーム2の長さ)に対して稼ぐことができる。
【0035】すなわち、本実施形態は、カッタ9を取り
付けた前胴3と推進ジャッキ23を取り付けた後胴4と
をシールドフレーム2内で近接離間させるようにしてい
るので、例えばそれら前胴3と後胴4とを一体化した内
筒(図示せず)にカッタ9と推進ジャッキ23とを取り
付けたものと比べると、前胴3と後胴4との近接離間ス
トロークの分だけカッタ9の後退量を機長に対して稼ぐ
ことができる。よって、本実施形態は、機長の割にはカ
ッタ9のシールドフレーム2内における後退量を大きく
でき、止水壁32の厚さを厚くでき、切羽8の土圧・地
下水に対する上記空間34の安全性を高められる。
【0036】こうして、地中作業のみでカッタビット1
3の交換を行った後は、図3(f) に示すように、カッタ
9を回転させつつ推進ジャッキ23および引込ジャッキ
18を伸長させ、カッタ9で止水壁32を掘削しつつカ
ッタ9と隔壁7と前胴3と後胴4とを前進させることに
より、カッタ9および隔壁7を図1(a) に示す元の位置
に復帰させる。このとき、カッタ9によって掘削された
止水壁32の破片は、スクリューコンベヤ16によって
坑内14に搬送される。なお、図3(e) から図3(f) の
工程の途中で、第1および第2スペーサ20、21を、
取り外しと逆の手順で取り付ける。
【0037】その後、図1(a) に示すように、カッタ9
を回転させつつ外周カッタ11とコピーカッタ12とを
シールドフレーム2の外径に合わせて突出させ、係脱金
具25をシールドフレーム2の内周面に仮止め溶接など
によって取り付け、シールドフレーム2と既設セグメン
ト22とを接続していた固定金具29を取り外し、新品
のカッタビット13によって通常の掘進を再開する。な
お、前述したように前胴3と後胴4との間にスペーサ2
6を介設してもよい。
【0038】また、その後の掘進により交換したカッタ
ビット13が摩耗したならば、再び図1乃至図3に示す
作業を行うことにより、カッタビット13の交換を何度
でも繰り返しできる。
【0039】なお、地盤条件等が良好で止水壁の厚みを
必要としない場合には、引込ジャッキ18を用いない実
施形態も考えられる。この場合、前胴3と後胴4とを一
体化して内胴とし、その内胴にカッタ9と推進ジャッキ
23とをそれぞれ設け、かかる内胴とシールドフレーム
2とを係脱手段としての係脱金具25により係脱させる
ようにする。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係るシール
ド掘進機のカッタビット交換方法によれば、カッタビッ
トの交換を地中作業のみで何度でも繰り返しできる。ま
た、本発明に係るシールド掘進機のカッタ引込機構によ
れば、機長に対してカッタの後退量を稼ぐことができる
ので、上記シールド掘進機のカッタビット交換方法に用
いるのに好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a) は本発明の一実施形態を示すカッタ引
込機構を備えたシールド掘進機の側断面図であり、図1
(b) は本発明の一実施形態を示すシールド掘進機のカッ
タビット交換方法の工程図である。
【図2】図2(c) および図2(d) は上記シールド掘進機
のカッタビット交換方法の工程図である。
【図3】図3(e) および図3(f) は上記シールド掘進機
のカッタビット交換方法の工程図である。
【符号の説明】
1 シールド掘進機 2 シールドフレーム 3 前胴 4 後胴 7 隔壁 8 切羽 9 カッタ 13 カッタビット 18 引込ジャッキ 22 既設セグメント 23 推進ジャッキ 25 係脱手段としての係脱金具 28 固化剤 32 止水壁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田畑 喜彦 愛知県名古屋市東区東新町1番地 中部電 力株式会社内 (72)発明者 松井 伴和 愛知県名古屋市東区東新町1番地 中部電 力株式会社内 (72)発明者 山田 浩司 愛知県名古屋市東区東新町1番地 中部電 力株式会社内 (72)発明者 藤井 茂男 愛知県知多市北浜町11番1号 石川島播磨 重工業株式会社愛知工場内 (72)発明者 吉田 譲 愛知県知多市北浜町11番1号 石川島播磨 重工業株式会社愛知工場内 (72)発明者 佐久間 裕治 愛知県知多市北浜町11番1号 石川島播磨 重工業株式会社愛知工場内 Fターム(参考) 2D054 BB07

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 切羽とシールドフレーム内を仕切る隔壁
    との間に固化剤を充填し、固化剤の充填圧によって切羽
    を保持しつつ隔壁をシールドフレーム内にて後退させ、
    隔壁に取り付けたカッタをシールドフレーム内に引き込
    みつつ、カッタの前方のシールドフレーム内に固化剤の
    固化による止水壁を形成した後、止水壁の後方のシール
    ドフレーム内にてカッタビットを交換し、交換後、カッ
    タを作動させつつ隔壁を前進させて止水壁を掘削し、カ
    ッタおよび隔壁を元の位置に復帰させることを特徴とす
    るシールド掘進機のカッタビット交換方法。
  2. 【請求項2】 シールドフレームの内周面に軸方向に移
    動自在に設けられた内胴と、該内胴内を前後に仕切る隔
    壁に設けられ切羽を掘削するカッタと、上記内胴内に設
    けられ既設セグメントに反力をとる推進ジャッキと、上
    記内胴をシールドフレームに係脱させる係脱手段とを備
    えたことを特徴とするシールド掘進機のカッタ引込機
    構。
  3. 【請求項3】 シールドフレームの内周面に夫々軸方向
    に移動自在に設けられた前胴および後胴と、該前胴内を
    前後に仕切る隔壁に設けられ切羽を掘削するカッタと、
    上記後胴内に設けられ既設セグメントに反力をとる推進
    ジャッキと、上記前胴と後胴との間に介設されこれらを
    近接離間させる引込ジャッキと、上記前胴または後胴の
    少なくとも一方をシールドフレームに係脱させる係脱手
    段とを備えたことを特徴とするシールド掘進機のカッタ
    引込機構。
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