JP2000281596A - 末端アセチレン化合物の製造方法 - Google Patents

末端アセチレン化合物の製造方法

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JP2000281596A
JP2000281596A JP11086293A JP8629399A JP2000281596A JP 2000281596 A JP2000281596 A JP 2000281596A JP 11086293 A JP11086293 A JP 11086293A JP 8629399 A JP8629399 A JP 8629399A JP 2000281596 A JP2000281596 A JP 2000281596A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 工業的に簡便な方法で、炭素鎖内部に炭素−
炭素三重結合を有する化合物から炭素鎖末端に炭素−炭
素三重結合を有する化合物の製造方法を提供する。 【解決手段】 炭素鎖内部の特定の位置に炭素−炭素三
重結合を有する原料化合物と、不活性溶媒中に分散させ
たアルカリ金属又はアルカリ金属水素化物とを反応させ
てアルカリ金属アセチリドを合成し、次いで該アルカリ
金属アセチリドを加水分解することにより、炭素−炭素
三重結合を分子内で異性化させて目的化合物を製造す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、香料、フェロモ
ン、医農薬等の中間体として有用な炭素鎖末端に炭素−
炭素三重結合(アセチレン結合)を有する化合物の製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、前記一般式(1)の化合物から前
記一般式(2)の化合物を製造する方法として、強塩基
を用いて分子鎖内部の炭素−炭素三重結合を末端の炭素
−炭素三重結合へ異性化させる方法が知られている。例
えば、Ber.,21,177−179(1888)に
は、2−ペンチンから1−ペンチンへの異性化反応にお
いて金属ナトリウムを用いた例が示されている。しか
し、この文献には具体的な反応条件や収率が記載されて
おらず、反応温度が記載されているだけである。また、
J.Am.Chem.Soc.,97(4),891−
892(1975)の著者は、上記の文献を引用して金
属ナトリウムを用いた異性化では、主に原料化合物のポ
リマー化が起こると記載している。このように金属ナト
リウムを用いた異性化反応では収率が低いことが示唆さ
れる。
【0003】また、Preparative Acet
ylenic Chemistrysecond ed
ition,231−232頁(ELSEVIER社、
1988年発行)には、液体アンモニアとアルカリ金属
とを反応させてアルカリ金属アミドを調製し、次いでこ
のアルカリ金属アミドと炭素鎖内部に炭素−炭素三重結
合を有する化合物を反応させてアルカリ金属アセチリド
とし、続いてこれを加水分解することにより高収率で炭
素鎖末端に炭素−炭素三重結合を有する異性化化合物を
得たとの記載がある。しかしながら、液体アンモニアの
使用は、臭気や毒性などの問題があって、取り扱いが非
常に困難であり、工業的に有利であるとは言えない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来技術の上記のよう
な問題点に鑑み、本発明の目的は、工業的に簡便な方法
で、前記一般式(1)で表わされる炭素鎖内部の特定の
部位に炭素−炭素三重結合を有する化合物から、前記一
般式(2)で表わされる炭素鎖末端に炭素−炭素三重結
合を有する化合物を高収率で得る方法を提供するにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記の課題を
解決するために、工業的規模での実施に適した炭素−炭
素三重結合の異性化方法を確立すべく鋭意検討を加えた
ところ、特定なプロセスに基づいて反応を行なうことに
よって、工業的に通常用いられる装置で前記一般式
(1)で表わされる炭素鎖内部の特定の部位に炭素−炭
素三重結合を有する化合物から、前記一般式(2)で表
わされる炭素鎖末端に炭素−炭素三重結合を有する化合
物への異性化反応が効率よく進行することを見出し、本
発明を完成するに到った。かくして、本発明によれば、
下記一般式(1)で表わされる化合物と、不活性溶媒中
に分散させたアルカリ金属又はアルカリ金属水素化物と
を反応させて、アルカリ金属アセチリドを合成し、次い
で該アルカリ金属アセチリドを加水分解することを特徴
とする下記一般式(2)で表わされる化合物の製造方法
が提供される。
【化3】
【化4】 (一般式(1)及び(2)のは、R、R、R
それぞれ独立に水素、水酸基又は炭化水素基を示
す。また、R、R、Rの二つ以上が互いに
結合して環を構成していてもよい。)
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の製造方法が適用される前
記一般式(1)のR、R、Rは、それぞれ
水素、水酸基、炭化水素基を示す。炭化水素基は直鎖状
であっても分岐していても環状であってもよい。また、
飽和であっても不飽和であってもよいが、アルキニル基
や共役アルケニル基のような不飽和基の場合は、目的と
する三重結合の異性化反応以外にアルキニル基や共役ア
ルケニル基自体が異性化を起こすことがある。R
、Rは、それらの二つ以上が互いに結合して
環を構成していてもよい。また、R、R、R
は異性化反応に影響しない置換基を有していてもよ
い。
【0007】直鎖状炭化水素基の具体例としては、メチ
ル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−
ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オ
クチル基などが挙げられる。分岐状炭化水素基の具体例
としては、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブ
チル基、t−ブチル基、2−メチルブチル基、3−メチ
ルブチル基、イソペンチル基、t−ペンチル基、イソヘ
キシル基などが挙げられる。環状炭化水素基の具体例と
しては、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘ
キシル基などが挙げられる。不飽和炭化水素基の具体例
としては、2−プロペニル基(アリル基)、2−ブテニ
ル基、3−ブテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテ
ニル基、4−ペンテニル基、フェニル基、ベンジル基、
フェネチル基などが挙げられる。R、R、R
の二つ以上が互いに結合して環を構成した具体例と
しては、シクロペンタン環、シクロヘキサン環などが挙
げられる。R、R、Rが異性化反応に影響
しない置換基を有する具体例としては、2−ヒドロキシ
エチル基、2−ニトロエチル基、3−ヒドロキシプロピ
ル基などが挙げられる。
【0008】出発原料である一般式(1)の化合物は、
炭素鎖末端から数えて2番目と3番目、つまりβ位に炭
素−炭素三重結合を有する。その具体例としては、2−
ブチン、2−ブチン−1−オール、2−ペンチン、2−
ヘキシン、2−ヘプチン、5−メチル−2−ヘキシン、
2−オクチン、5−メチル−2−ヘプチン、6−メチル
−2−ヘプチン、5,5−ジメチル−2−ヘキシン、5
−メチル−2−オクチン、6−メチル−2−オクチン、
7−メチル−2−オクチン、3−ペンチン−1−オー
ル、5−ニトロ−2−ペンチン、4−ヘキシン−1−オ
ール、1−メチル−2−ブチン−1−オール、1,1−
ジメチル−2−ブチン−1−オール、1−シクロペンチ
ル−2−ブチン、1−シクロヘキシル−2−ブチン、1
−フェニル−2−ブチン、1−シクロペンチル−1−プ
ロピン、1−シクロヘキシル−1−プロピン、1−プロ
ピニルベンゼンなどが挙げられる。好ましくは、2−ブ
チン、2−ペンチン、2−ヘキシン、2−ブチン−1−
オール、3−ペンチン−1−オール、4−ヘキシン−1
−オールであり、より好ましいのは2−ブチン−1−オ
ールである。
【0009】前記一般式(1)の化合物と反応させるア
ルカリ金属又はアルカリ金属水素化物の具体例として
は、周期表第1属の金属またはその水素化物が挙げられ
るが、好ましくはナトリウム、カリウム、水素化ナトリ
ウム、水素化カリウムである。これらは単独で使用して
も、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0010】アルカリ金属又はアルカリ金属水素化物の
使用量は、前記一般式(1)の化合物1モルに対して、
通常1〜40モル、好ましくは1〜20モル、さらに好
ましくは1〜10モルである。但し、前記一般式(1)
のR、R、Rの少なくとも1つが水酸基で
ある場合、またR、R、Rが炭化水素基で
あって、置換基として水酸基を有している場合などは、
これらの水酸基とアルカリ金属又はアルカリ金属水素化
物が反応して金属アルコラートが生成するので、1つの
水酸基1モルに対して1モルのアルカリ金属又はアルカ
リ金属水素化物が消費される。従って、例えば、前記一
般式(1)の化合物が2−ブチン−1−オールの場合、
アルカリ金属又はアルカリ金属水素化物の使用量は、2
−ブチン−1−オール1モルに対して、通常2〜40モ
ル、好ましくは2〜20モル、さらに好ましくは2〜1
0モルである。このように、前記一般式(1)の水酸基
の数に応じて、アルカリ金属又はアルカリ金属水素化物
の使用量を増量することが推奨される。
【0011】アルカリ金属又はアルカリ金属水素化物を
分散させる不活性溶媒としては、反応に影響しない溶媒
であればよく、例えば、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水
素、エーテルなどが挙げられる。脂肪族炭化水素の具体
例としては、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタ
ン、n−ノナン、n−デカン、イソヘキサン、シクロペ
ンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなど、
芳香族炭化水素の具体例としては、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、エチルベンゼン、テトラリンなど、エー
テルの具体例としては、ジエチルエーテル、ジプロピル
エーテル、ジブチルエーテル、ジペンチルエーテル、テ
トラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジオキサンな
どが挙げられる。これら不活性溶媒は単独で使用しても
よいし、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0012】不活性溶媒を二種以上組み合わせる場合
は、溶媒の種類や量比は特に限定されないが、脂肪属炭
化水素とエーテル、芳香属炭化水素とエーテルとの組み
合わせが推奨される。例えば、シクロヘキサンとテトラ
ヒドロフラン、ベンゼンとテトラヒドロピラン、トルエ
ンとテトラヒドロピラン、トルエンとテトラヒドロフラ
ン、トルエンとジオキサンなどの組合わせが好ましい。
不活性溶媒の使用量は、アルカリ金属又はアルカリ金属
水素化物が分散されるだけの量があれば特に限定されな
いが、アルカリ金属又はアルカリ金属水素化物1モルに
対して、通常50〜1000ml、好ましくは50〜5
00ml、さらに好ましくは50〜200mlである。
【0013】アルカリ金属又はアルカリ金属水素化物を
不活性溶媒に分散する方法は、常法に従って適宜選択す
ればよいが、高速攪拌法、コロイドミル法、ジェット法
などを採用することができる。例えば、攪拌機付きの反
応釜にナトリウムと不活性溶媒を仕込んだのちナトリウ
ムの融点以上の温度に加熱して、高速で攪拌することに
よりナトリウムを不活性溶媒中に分散することができ
る。また、必要に応じてオレイン酸などの分散安定剤を
添加してもよい。アルカリ金属水素化物は、通常粉末状
で供給されるので、不活性溶媒に添加して攪拌すること
により分散することができる。アルカリ金属水素化物が
油添物として供給される場合には、そのまま使用しても
よいし、オイル分を除去して使用してもよい。
【0014】前記一般式(1)の化合物と不活性溶媒中
に分散させたアルカリ金属又はアルカリ金属水素化物と
の反応方法は、特に限定されるものではないが、通常、
アルカリ金属又はアルカリ金属水素化物を分散させた不
活性溶媒中へ、前記一般式(1)の化合物を添加する方
法が採用される。前記一般式(1)の分子中にアルコー
ル性の水酸基が含まれる場合は、アルカリ金属アルコラ
ートが生成するために発熱を伴うことがある。急激な発
熱を防止するためには、出発原料を徐々に添加したり、
分割添加することが推奨される。
【0015】前記一般式(1)の化合物は不活性な溶媒
で適宜希釈して添加してもよい。反応温度は、通常50
〜300℃、好ましくは80〜250℃、さらに好まし
くは100〜200℃である。反応圧力は特に限定され
ないが、通常0.1〜20kgf/cm、好ましく
は0.5〜12kgf/cm、さらに好ましくは
0.8〜8kgf/cmである。加圧下で反応する
場合は、耐圧反応釜を用いることが推奨される。反応時
間は、他の反応条件や反応のスケールに応じて適宜選択
できるが、通常、前記一般式(1)の化合物の添加開始
から10分〜24時間、好ましくは30分〜12時間で
ある。
【0016】アルカリ金属アセチリドの加水分解は常法
に従って実施できる。例えば、水、希塩酸、希硫酸など
を用いることができるし、酢酸などの有機酸で加水分解
することもできる。また、前記一般式(1)の化合物が
水酸基を有し、該水酸基がアルカリ金属アルコラートに
なっている場合は、アルカリ金属アセチリドの加水分解
と同時に、アルコラート部も加水分解して水酸基に変換
することができる。
【0017】反応生成物である一般式(2)の化合物の
単離精製は、工業的に通常用いられる方法で実施でき
る。例えば、アルカリ金属アセチリドの加水分解処理後
に、有機相と水相とをセパレーターなどによって分液
し、分離した有機相を水や重曹水などの弱アルカリ性水
溶液で洗浄する。この洗浄溶液を分液して得られる有機
相中の水分をモレキュラーシーブズや無水硫酸ナトリウ
ムなどの乾燥剤で除去した後、あるいは乾燥せずにその
まま、蒸留などの精製を行うことによって、目的とする
一般式(2)の化合物を高純度に得ることができる。
【0018】本発明の方法で得られる前記一般式(2)
の化合物の具体例としては、1−ブチン、3−ブチン−
1−オール、1−ペンチン、1−ヘキシン、1−ヘプチ
ン、5−メチル−1−ヘキシン、1−オクチン、5−メ
チル−1−ヘプチン、6−メチル−1−ヘプチン、5,
5−ジメチル−1−ヘキシン、5−メチル−1−オクチ
ン、6−メチル−1−オクチン、7−メチル−1−オク
チン、4−ペンチン−1−オール、5−ニトロ−1−ペ
ンチン、5−ヘキシン−1−オール、1−メチル−3−
ブチン−1−オール、1,1−ジメチル−3−ブチン−
1−オール、1−シクロペンチル−3−ブチン、1−シ
クロヘキシル−3−ブチン、1−フェニル−3−ブチ
ン、プロパギルシクロペンタン、プロパギルシクロヘキ
サン、プロパギルベンゼンなどが挙げられる。好ましく
は、1−ブチン、1−ペンチン、1−ヘキシン、3−ブ
チン−1−オール、4−ペンチン−1−オール、5−ヘ
キシン−1−オールであり、より好ましいのは3−ブチ
ン−1−オールである。本発明の方法で得られる3−ブ
チン−1−オールは、昆虫フェロモンの合成中間体とし
て特に有用な化合物である。
【0019】以上説明したこの発明について、以下にそ
の好ましい実施の態様を要約する。 1.一般式(1)の化合物は2−ブチン、2−ペンチ
ン、2−ヘキシン、2−ブチン−1−オール、3−ペン
チン−1−オール、4−ヘキシン−1−オールである。 2.一般式(1)の化合物は2−ブチン−1−オールで
ある。 3.アルカリ金属はナトリウムである。 4.アルカリ金属水素化物は水素化ナトリウムである。 5.アルカリ金属またはアルカリ金属水素化物の使用量
は、一般式(1)の化合物1モルに対し1〜40モル、
好ましくは1〜20モルである。
【0020】6.アルカリ金属またはアルカリ金属水素
化物を分散させる不活性溶媒は、脂肪族炭化水素、芳香
族炭化水素、エーテルである。 7.アルカリ金属またはアルカリ金属水素化物を分散さ
せる不活性溶媒として、芳香族炭化水素とエーテルとの
混合溶媒を用いる。 8.前記6の脂肪族炭化水素は、n−ペンタン、n−ヘ
キサン、n−ヘプタン、シクロペンタン、シクロヘキサ
ンである。 9.前記6〜7の芳香族炭化水素は、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、エチルベンゼン、テトラリンであり、好
ましくはトルエンである。 10.前記6〜7のエーテルは、ジブチルエーテル、ジ
ペンチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロ
ピラン、ジオキサンであり、好ましくはジオキサンであ
る。 11.不活性溶媒の使用量は、アルカリ金属又はアルカ
リ金属水素化物1モルに対して50〜1000ml、好
ましくは50〜500mlである。
【0021】12.アルカリ金属又はアルカリ金属水素
化物を分散させた不活性溶媒中へ、一般式(1)の化合
物を添加して、アルカリ金属アセチリドを合成する。 13.前記12の反応において、一般式(1)の化合物
を不活性溶媒で希釈して添加する。 14.前記12の反応温度は50〜300℃、好ましく
は80〜250℃である。15.アルカリ金属アセチリ
ドの加水分解は、水、希塩酸、希硫酸、有機酸を用いて
実施する。
【0022】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例によってその範囲を限
定されるものではない。
【0023】実施例1 攪拌装置、リフラックスコンデンサー、滴下ロート、窒
素ラインを装備した200mlのガラス製反応容器にト
ルエン16g、ジオキサン4g、ナトリウム1gを仕込
んだ。油浴中で130℃に加熱して溶媒を還流させ、攪
拌下にナトリウムを分散させた。これに2−ブチン−1
−オール1.48gをトルエン4gとジオキサン1gに
希釈した溶液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、2
5℃に冷却し、直ちに希塩酸30mlを添加してナトリ
ウムブチニリド(アルコール性水酸基はナトリウムアル
コラートになっている)を加水分解した。反応容器中の
有機相を分取してガスクロマトグラフィーで分析した結
果、原料の2−ブチン−1−オールから目的生成物であ
る3−ブチン−1−オールへの異性化率は81.4%で
あった。なお、異性化率はガスクロマトグラフィー分析
のピーク面積パーセントを用いて下記式より求めた。 異性化率(%)=3−ブチン−1−オール/(2−ブチ
ン−1−オール+3−ブチン−1−オール)×100
【0024】上記の加水分解処理液を分液して得た有機
相を10%炭酸水素ナトリウム水溶液20mlで洗浄し
た。この洗浄液を分液して得た有機相を無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥した。乾燥後、無水硫酸ナトリウムをろ別し
た。ロータリーエバポレーターを用いてろ液から反応溶
媒を減圧留去し、3−ブチン−1−オールを主成分とす
る生成物を1.25g得た。
【0025】実施例2〜5 ナトリウム及び溶媒の添加量を変えたほかは、実施例1
と同様に反応を行い、3−ブチン−1−オールを得た。
反応条件と反応成績を表1に示す。なお、表中の反応時
間は、原料である2−ブチン−1−オールの滴下開始か
ら反応液の加熱終了までの経過時間である。実施例2〜
3においては、1時間かけて原料を滴下終了後、直ちに
冷却して加水分解処理した。実施例4〜5においては、
原料の滴下終了後、それぞれ3時間、5時間加熱と攪拌
を継続した。
【0026】
【表1】
【0027】実施例6 原料として3−ペンチン−1オールを1.8g用いたほ
かは、実施例1と同様に反応させた。加水分解処理後の
有機相をガスクロマトグラフィーで分析した結果、3−
ペンチン−1−オール(原料)から4−ペンチン−1−
オール(目的生成物)への異性化率は78.5%であっ
た。
【0028】比較例1 原料として炭素鎖末端から3番目の炭素と4番目の炭素
の間に炭素−炭素三重結合を有する2−ペンチン−1−
オールを用いたほかは、実施例6と同様に反応と生成物
の分析を行った。しかし、ガスクロマトグラフィー分析
では、炭素鎖末端に炭素−炭素三重結合が異性化した4
−ペンチン−1−オール(目的生成物)のピークは認め
られなかった。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、各実施例の結果から明
らかなように、炭素鎖内部にある炭素−炭素三重結合を
高い異性化率で、炭素鎖末端に炭素−炭素三重結合を有
する化合物に変換でき、加えて製造プロセスが簡略化さ
れるという効果を奏する。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表わされる化合物
    と、不活性溶媒中に分散させたアルカリ金属又はアルカ
    リ金属水素化物とを反応させて、アルカリ金属アセチリ
    ドを合成し、次いで該アルカリ金属アセチリドを加水分
    解することを特徴とする下記一般式(2)で表わされる
    化合物の製造方法。 【化1】 【化2】 (一般式(1)及び(2)のR、R、R
    は、それぞれ独立に水素、水酸基又は炭化水素基を
    示す。また、R、R及びRの二つ以上が互
    いに結合して環を構成していてもよい。)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009504579A (ja) * 2005-08-10 2009-02-05 リンデ アーゲー 線状アルファオレフィンの改良乾燥方法

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