JP2000208346A - 内燃機関用点火コイル及びその製造方法 - Google Patents

内燃機関用点火コイル及びその製造方法

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JP2000208346A
JP2000208346A JP11006513A JP651399A JP2000208346A JP 2000208346 A JP2000208346 A JP 2000208346A JP 11006513 A JP11006513 A JP 11006513A JP 651399 A JP651399 A JP 651399A JP 2000208346 A JP2000208346 A JP 2000208346A
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coil
center core
ignition coil
bobbin
combustion engine
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Hideki Okada
秀樹 岡田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】より耐久性及び信頼性に優れた構造を有する内
燃機関用点火コイル及びその製造方法を提供する。 【解決手段】点火コイル14は、ケース内に配設された
センタコア17、サイドコア、二次コイル20、一次コ
イル、イグナイタ、ターミナル等から構成されている。
センタコア17の両端には磁石24が配設され、磁石2
4及びセンタコア17自身の周囲を被覆するようにして
応力緩和材(ゴムブーツ)25が配設されている。二次
ボビン26にはセンタコア17、磁石24及び応力緩和
材25が内包されている。応力緩和材25はその一端が
閉じた袋状(ブーツ状)に形成され、その閉じた端部の
外周辺25Cはその縦断面が所定の曲率を有するように
円弧状に面取り形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関用点火コ
イルに関し、特に内燃機関のプラグホール内に収納配設
されるような長尺状の点火コイルに採用して好適な点火
コイル構造及びその製造方法の改良に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の内燃機関用点火コイルと
しては、例えば特開平9−167709号公報に記載さ
れたものが知られている。図4に、こうした点火コイル
の断面構造についてその一例を示す。
【0003】図4に示すように、この点火コイル101
は、同軸状に配設された一次コイル102、二次コイル
103、センタコア104、及びサイドコア105をは
じめ、図示しない配線を介して上記一次コイル102に
通電を行うイグナイタ106、そして同じく図示しない
配線を介して上記二次コイル103に電気的に接続さ
れ、同二次コイル103に誘起される高電圧を点火プラ
グ(図示せず)に対して印加するターミナル107等を
有して構成されている。
【0004】これら各構成部材はケース108内に配設
されるとともに、同ケース108内に充填されたエポキ
シ樹脂からなる絶縁層109によってそれら配置が固定
され、その各々の電気的な絶縁が確保されている。な
お、上記一次コイル102及び二次コイル103は、そ
れぞれ絶縁性の一次ボビン110及び二次ボビン111
に対して巻装されている。また、この点火コイル101
の下部には、上記点火プラグの頭部が被嵌されるプラグ
キャップ112が装着されている。さらに、上記センタ
コア104の両端(若しくは一端)には磁石113が配
設され、センタコア104共々二次ボビン111に内包
されている。
【0005】一方、こうした構造を有する点火コイル1
01において、一般に上記センタコア104は金属材料
の珪素鋼から形成され、上記二次ボビン111や上記絶
縁層109は樹脂材料から形成されている。このため、
点火コイル101に冷熱サイクルが生じるような場合、
それら異種材料からなるセンタコア104とその周りの
二次ボビン111や絶縁層109との熱膨張係数の差に
起因して内部に応力が発生することとなる。特に、図4
に示されるように、軸方向(図中上下方向)に向かって
長尺状となっている点火コイル101では、センタコア
104、磁石113及び二次ボビン111(特に二次ボ
ビン111の両端部分)等に多大な応力が集中して発生
するようになる。
【0006】そこで、この応力を緩和(吸収)すべく、
センタコア104や磁石113等の周囲、すなわち、セ
ンタコア104と二次ボビン111との間や磁石113
と絶縁層109との間等には、独立気泡ゴム等の応力緩
和材114,114a,114bをそれぞれ配設するよ
うにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このように
センタコアの周辺に応力緩和材を配設する点火コイルに
あっては、図5にそのセンタコア104の一端周辺を拡
大して示すように、磁石113を組み付けた同センタコ
ア104の一端に上記応力緩和材としての円形板状のゴ
ムベース114aを接着し、これを図6に示すような例
えばゴム等にて形成される円筒状の応力緩和材(ゴムチ
ューブ)114に挿入してするようにしている。このセ
ンタコア部は、二次ボビン111内に配設されており、
同二次ボビン111との間隙はエポキシ樹脂等の絶縁物
109にて封止されている。
【0008】しかし、このような構造の点火コイルで
は、上記ゴムチューブ114の周囲が絶縁層109や二
次ボビン111等により覆われて密封状態となっている
ため、膨張したゴムチューブ114の逃げ場がなく、該
ゴムチューブ114自身がその周囲を押圧等して外部に
悪影響を及ぼす場合がある。特に厳しい温度条件にさら
され応力の集中する同ゴムチューブ114の点火プラグ
側端部の角部(ゴムチューブエッジ)114Cから、そ
の応力に起因して、絶縁物109に亀裂Kが入り、これ
が進展して二次ボビン111にも同亀裂Kが発生してし
まうおそれがある(図5参照)。通常、前記二次コイル
103と前記センタコア104との間には最大20,0
00V程度の電位差が発生するが、上述したような亀裂
Kが入るとその亀裂Kを経路とした電気的ショートが発
生して、点火コイルとして機能を果たさなくなる等、そ
の信頼性が著しく低下することとなる。
【0009】また、上記円筒状のゴムチューブ114に
挿入されたセンタコア104を上記二次ボビン111内
に挿入する際に、同ゴムチューブ114にめくれが発生
すると、前記磁石113やセンタコア104が前記エポ
キシ樹脂等の絶縁物109に接触することとなる。この
ような状態において厳しい温度条件にさらされると、上
記点火コイルの構造にあってはその長手方向の熱膨張の
差に起因して、前記ゴムチューブ114のめくれ部分を
起点とした亀裂が入ることとなる。また、同じくチュー
ブ114のめくれ部分を起点として点火コイルの周方向
にも亀裂が発生することがある。このように亀裂が発生
すると、上述したように点火コイルの信頼性が著しく低
下することとなる。
【0010】本発明は、このような実情に鑑みてなされ
たものであって、その目的は、より耐久性及び信頼性に
優れた内燃機関用点火コイル及びその製造方法を提供す
ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明では、センタコアを内包して
なるボビンに巻装されたコイルがケース内に配置される
とともに、前記センタコアは応力緩和材にて被覆され、
絶縁樹脂がそれら応力緩和材の被覆されたセンタコア、
ボビン、及びコイルを覆うようにして同ケース内に充填
されてなる内燃機関用点火コイルにおいて、前記応力緩
和材は前記コイルの出力側に対応した一端が閉じた袋状
に形成されるとともに、その閉じた端部の外周辺は面取
り形成されてなることをその要旨とする。
【0012】同構成においては、応力緩和材は前記コイ
ルの出力側に対応した一端が閉じた袋状に形成される。
さらに、その閉じた端部の外周辺は面取り形成される。
そのため、熱応力に起因して、同外周辺から絶縁樹脂
へ、さらにはボビンへと亀裂が発生することが抑制され
るようになる。その結果、従来の点火コイルと比較し
て、その応力に起因するボビンやその近傍部分における
亀裂等の発生を抑制して、点火コイルの耐久性及び信頼
性の向上を図ることができる。また応力緩和材によって
被覆されたセンタコアをボビン内に挿入する際、応力緩
和材の閉じた端部側からボビン内に挿入するようにすれ
ば、同応力緩和材にめくれが発生することも防止され、
そのめくれに起因した亀裂等の発生も防止される。さら
に、その一端が閉じた袋状に形成されていない応力緩和
材を使用した場合に比べ、点火コイルの部品点数及び製
造工数を低減することもできる。
【0013】また、請求項2に記載の発明では、請求項
1記載の内燃機関用点火コイルにおいて、前記応力緩和
材の前記閉じた端部の外周辺は、その縦断面が所定の曲
率を有した円弧状に面取り形成されてなることをその要
旨とする。
【0014】同構成においては、応力緩和材の前記閉じ
た端部の外周辺は、その縦断面が所定の曲率を有した円
弧状に面取り形成される。そのため、応力緩和材の端部
外周辺の形状に起因する応力によって、絶縁樹脂、さら
にはボビンやその近傍部分における亀裂等が発生するこ
とを簡易な手段にて好適に抑制することができるように
なる。
【0015】また、請求項3に記載の発明では、請求項
1または2記載の内燃機関用点火コイルにおいて、前記
応力緩和材はゴム材からなることをその要旨とする。同
構成においては、応力緩和材はゴム材によって形成され
る。そのため、上記その一端が閉じた袋状に形成される
とともにその閉じた端部の外周辺は面取り形成される応
力緩和材を、好適に、しかも簡易な手段にて形成するこ
とができる。
【0016】また、請求項4に記載の発明では、請求項
1〜3のいずれかに記載の内燃機関用点火コイルにおい
て、前記センタコアは、少なくとも前記コイルの出力側
に対応した一端に磁石を有し、該磁石共々前記応力緩和
材にて被覆されてなることをその要旨とする。
【0017】同構成では、前記センタコアは、少なくと
も前記コイルの出力側に対応した一端に磁石を有してい
る。そのため、同磁石によって、一次コイルで生じた磁
束に対して反対方向の磁束を磁路中に発生させることが
でき、それは二次コイルの誘導電圧を高めることとなり
点火コイルの点火性能を向上させることができる。
【0018】また、請求項5に記載の発明では、センタ
コアを内包してなるボビンに巻装されたコイルがケース
内に配置されるとともに、前記センタコアは応力緩和材
にて被覆され、絶縁樹脂がそれら応力緩和材の被覆され
たセンタコア、ボビン、及びコイルを覆うようにして同
ケース内に充填される内燃機関用点火コイルの製造方法
において、一端が閉じて袋状に形成された応力緩和材内
に前記センタコアを挿入する工程と、このセンタコアが
挿入された応力緩和材をその閉じた端部側から前記コイ
ルの巻装されたボビン内に挿入する工程と、前記ケース
内に液状の絶縁樹脂を注入して前記応力緩和材に挿入さ
れたセンタコア、ボビン、及びコイル間に同絶縁樹脂を
充填するとともに、当該充填された絶縁樹脂を硬化させ
て絶縁樹脂層を形成する工程とを備えることをその要旨
とする。
【0019】同製造方法では、前記センタコアが挿入さ
れた応力緩和材をその閉じた端部側から前記コイルの巻
装されたボビン内に挿入されるため、同応力緩和材にめ
くれが発生することもない。そのため、そのめくれに起
因した絶縁樹脂、さらにはボビンやその近傍部分におけ
る亀裂の発生は防止され、点火コイルの耐久性及び信頼
性を向上させることができる。また、その一端が閉じた
袋状に形成されていない応力緩和材を使用して点火コイ
ルを製造する場合に比べ、その部品点数及び製造工数を
低減することもできる。
【0020】また、請求項6に記載の発明では、少なく
とも一方端に磁石が配設されたセンタコアを内包してな
るボビンに巻装されたコイルがケース内に配置されると
ともに、前記センタコア及び磁石は応力緩和材にて被覆
され、絶縁樹脂がそれら応力緩和材の被覆されたセンタ
コア、ボビン、及びコイルを覆うようにして同ケース内
に充填される内燃機関用点火コイルの製造方法におい
て、一端が閉じて袋状に形成された応力緩和材内に前記
磁石及びセンタコアを順次挿入する工程と、この磁石及
びセンタコアが挿入された応力緩和材をその閉じた端部
側から前記コイルの巻装されたボビン内に挿入する工程
と、前記ケース内に液状の絶縁樹脂を注入して前記応力
緩和材に挿入されたセンタコア、ボビン、及びコイル間
に同絶縁樹脂を充填するとともに、当該充填された絶縁
樹脂を硬化させて絶縁樹脂層を形成する工程とを備える
ことをその要旨とする。
【0021】同製造方法では、前記少なくとも一方端に
磁石が配設されたセンタコアが挿入された応力緩和材は
その閉じた端部側から前記コイルの巻装されたボビン内
に挿入されるため、同応力緩和材にめくれが発生するこ
ともない。そのため、そのめくれに起因した絶縁樹脂、
さらにはボビンやその近傍部分における亀裂の発生は防
止され、点火コイルの耐久性及び信頼性を向上させるこ
とができる。
【0022】また、請求項7に記載の発明では、請求項
5または6記載の内燃機関用点火コイルの製造方法にお
いて、前記応力緩和材として、その前記閉じた端の外周
辺が予め面取り形成されたものを用いることをその要旨
とする。
【0023】同製造方法では、応力緩和材として、その
閉じた端部の外周辺が予め面取り形成されたものが用い
られる。そのため、少なくとも熱応力に起因して、同外
周辺から絶縁樹脂へ、さらにはボビンへと亀裂が発生す
ることが抑制されるようになる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の内燃機関用点火コ
イルを具体化した一実施の形態を図面に従って説明す
る。
【0025】図1は、本実施の形態の点火コイルの断面
構造を示す。同図1に示されるように、この点火コイル
14は、大きくはケース16、同ケース16内に同軸状
に配設されたセンタコア17、サイドコア18、点火プ
ラグ(図示略)に放電電圧を印加すべく電磁結合された
一次コイル19及び二次コイル20等を備える。これ
ら、ケース16、センタコア17、サイドコア18、一
次コイル19、及び二次コイル20等により、棒状のコ
イル構造体が構成される。これら各構成部材は、ケース
16内に充填された絶縁樹脂からなる絶縁層23によっ
てそれら配置が固定されるとともに、その各々の絶縁が
確保されている。そして、図示しない燃焼室に連通する
プラグホール内に挿入され、その先端(図中下部)に装
着されたプラグキャップ15を通じて点火プラグに嵌合
されて同点火プラグへの給電を行う。
【0026】以下、点火コイル14を構成するこれら各
構成部材を図1〜図3を参照して詳細に説明する。本実
施の形態の点火コイル14において、前記ケース16
は、例えば熱可塑性樹脂であるPBT(ポリブチレンテ
レフタレート)により略円筒状に形成されている。図1
に示されるように、ケース16の中心部には円柱状をな
すセンタコア17が配設されるとともに、ケース16の
内周面には二枚板からなって略円筒状に形成されたサイ
ドコア18が内嵌されている。センタコア17及びサイ
ドコア18は何れも、例えば強磁性材料の珪素鋼により
形成されており、それらセンタコア17及びサイドコア
18により磁気回路の一部が構成されている。
【0027】センタコア17には、その両端(図中上下
端)にそれぞれ磁石24が配設されており、これら磁石
24及びセンタコア17自身の周囲を被覆するようにし
て例えばゴム材からなる弾性体の応力緩和材(ゴムブー
ツ)25が配設されている。なお、磁石24は、一次コ
イル20で生じた磁束に対して反対方向の磁束を磁路中
に発生させ二次コイルの誘導電圧を高めるためのもので
あり、ゴムブーツ25は、冷熱サイクル等によって点火
コイル14内部に生じる熱応力を緩和(吸収)するため
のものである。
【0028】上記ゴムブーツ25の形状を図2及び図3
に示す。なお、図2は点火コイル14の断面構造の一部
を拡大して示すものであり、図3はゴムブーツ25の外
観を示す。
【0029】同図2及び図3に示されるように、本実施
の形態にあって、上記ゴムブーツ25は、円筒状に形成
されるとともにその一端が閉じたかたちで袋状(ブーツ
状)に形成されている。さらに、その閉じた側の側壁の
外周辺25Cは、その縦断面が所定の曲率を有するよう
な円弧状に面取り形成されている。このように本実施の
形態においては、外周辺25Cを円弧状に面取り形成す
ることにより、角の一極に集中する応力を緩和するよう
にしている。
【0030】また、図1及び図2に示されるように、こ
のゴムブーツ25には、両端に磁石24が組み付けられ
たセンタコア17が挿入され、これらセンタコア17及
び磁石24によってセンタコア部が形成されている。そ
して同センタコア部は、二次ボビン26内に挿入され
る。そして、このセンタコア部と二次ボビン26との間
隙はエポキシ樹脂等の絶縁材23にて充填される。
【0031】一方、上記センタコア部を内包する二次ボ
ビン26は、耐熱性及び絶縁性等に優れた変性PPE
(ポリフェニレンエーテル)により略円筒状に形成され
るとともに、その外周には長手方向に沿って複数のリブ
27が突出形成されている。そして、上記二次コイル2
0は、同二次ボビン26のこれら各リブ27間に積層す
るようにして巻装されている。
【0032】また、図1に示されるように、上記二次ボ
ビン26の下部内面には金属材料からなるターミナル2
2が配設されている。このターミナル22は、図示しな
い配線によって二次コイル20に電気的に接続されてい
る。また、ターミナル22の盤面には菊座28が形成さ
れており、その菊座28には同じく金属材料からなるジ
ョイント29が嵌合されている。このジョイント29
は、ターミナル22に対して所定位置で固定され、その
内面には同じく金属材料からなるスプリング30が配設
されている。すなわち本実施の形態の点火コイル14に
おいて、二次コイル20、ターミナル22、ジョイント
29及びスプリング30は互いに電気的に接続された関
係にある。
【0033】また、二次コイル20とサイドコア18と
の間には二次コイル20を囲むようにして一次ボビン3
1が配設されており、上記一次コイル19は、その一次
ボビン31の外周に積層するようにして巻装されてい
る。
【0034】また、点火コイル14の下部に装着された
プラグキャップ15は、例えばシリコーンゴム等のゴム
材料により略円筒状に形成されている。このプラグキャ
ップ15には収容部32が形成されており、その収容部
32には点火プラグの頭部が嵌合収容されるようになっ
ている。
【0035】他方、点火コイル14の上部に配設される
イグナイタ21は、外部端子33を介して図示しない制
御装置に電気的に接続されている。なお、イグナイタ2
1は、制御装置からの点火信号に基づき、一次コイル1
9に流す電流を断続制御するためのものである。
【0036】そして、ケース16内のこれら二次コイル
20、一次コイル19、イグナイタ21及びターミナル
22等も、上記エポキシ樹脂等からなる絶縁層23によ
って被覆されている。
【0037】次に、このように構成される本実施の形態
の内燃機関用点火コイル14の製造手順を、特に前記セ
ンタコア部を中心にして、以下に説明する。このセンタ
コア部は以下の手順にて製造される。 (1) まず、センタコア17の両端に磁力によって磁
石24を組み付ける。 (2) 次に、前記ゴムブーツ25に上記磁石24を組
み付けたセンタコア17を挿入してセンタコア部を形成
する。なおこのとき、本実施の形態においては、前記従
来の点火コイルのような円形板状のゴムベース114a
(図5)の装着は不要である。そのため、前記従来の点
火コイルに比べその部品点数及び製造工数を低減するこ
とができる (3) 次に、このセンタコア部をゴムブーツ25の閉
じた側から二次ボビン26内に挿入する。本実施の形態
においては、この応力緩和材がブーツ状であるため、挿
入に伴ってこれがめくれることもない。
【0038】こうして、二次ボビン26内にセンタコア
部を挿入した後は、ケース16内に、二次コイル20、
一次コイル19、サイドコア18、ターミナル22等を
所定位置に配置するとともに、ケース16の一端(図1
中下部)にプラグキャップ15を装着する。その後、適
宜の真空室(図示せず)にてケース16内を真空状態と
しつつ、同ケース16の上方からその内部へ液状のエポ
キシ樹脂を注入し、ケース16内の上記各構成部材を覆
うようにしてその上端までエポキシ樹脂を充填する。さ
らに、ケース16内に充填したエポキシ樹脂をケース1
6と一緒に所定温度まで加熱し、熱硬化性樹脂のエポキ
シ樹脂を硬化させることにより絶縁層23を形成する。
このとき、前記絶縁層23により、ケース16内の各構
成部材は所定位置に埋設されて固定されるとともに、各
構成部材間の絶縁性が確保される。このようにして、本
実施の形態の内燃機関用点火コイル14が製造される。
【0039】以上詳述した本実施の形態によれば、下記
に示す効果が得られるようになる。 (1)本実施の形態では、応力緩和材がゴムチューブ2
5として、その一端が閉じた袋状に形成されている。さ
らに、その閉じた端部の外周辺25Cは、その縦断面が
所定の曲率を有するような円弧状に面取り形成されてい
る。そのため、熱応力に起因して、同外周辺25Cから
絶縁材23へ、さらには二次ボビン26へと亀裂が発生
することが抑制されるようになる。その結果、従来の点
火コイルと比較して、その応力に起因する二次ボビン2
6やその近傍部分における亀裂等の発生を抑制して、点
火コイル14の耐久性及び信頼性の向上を図ることがで
きる。 (2)また、センタコア17が挿入されたゴムブーツ2
5を二次ボビン26内に装着する際、同ゴムブーツ25
の閉じた側から二次ボビン26内に挿入されるため、同
ゴムブーツ25にめくれが発生することもない。そのた
め、そのめくれに起因した亀裂の発生は防止され、点火
コイル14の耐久性及び信頼性を向上させることができ
る。 (3)さらに、その端部が閉じていない応力緩和材を使
用した場合に比べ、ゴムベースが不要となるなど、点火
コイルの部品点数及び製造工数を低減することができ
る。
【0040】なお、本発明は前記実施の形態に限定され
るものではなく、その構成の一部を適宜に変更して次の
ように実施することもできる。 ・ 前記実施の形態では、ゴムブーツ25の閉じた側の
外周辺25Cが、その縦断面が所定の曲率を有するよう
な円弧状に面取り形成される例を示したが、同外周辺の
形状は、これが面取りされた形状であれば、特にその縦
断面が円弧状に形成される必要はなく、例えば、その縦
断面がテーパ状に面取り形成されるものであってもよ
い。
【0041】・ 前記実施の形態では、センタコア17
を被覆するとしてゴム材(ゴムブーツ25)を採用した
が、弾性体であればゴム材以外のいかなるものを採用し
てもよく、特にゴム材に限定されるものではない。要
は、その形状が袋状(ブーツ状)でありさえすればよ
い。
【0042】・ 前記実施の形態では、センタコア17
の両端に磁石24を配設することとしたが、センタコア
17の一端の、あるいは両端の磁石24を省略するよう
な構成としてもよい。
【0043】・ 前記実施の形態では、一次コイル19
を二次コイル20の外側に配設するようにしたが、それ
ら一次コイル19と二次コイル20との配設にかかる位
置関係は任意である。
【0044】・ 前記実施の形態では、点火コイル14
をプラグホール内に収納されるタイプのものに具体化し
たが、そのようなタイプに限定されるものではない。ボ
ビンに内包されてなるコアの周囲に応力緩和材が配設さ
れる点火コイルであれば、いかなるタイプの点火コイル
についても本発明を適用することはできる。
【0045】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、応力緩
和材はコイルの出力側に対応した一端が閉じた袋状に形
成されるとともに、さらに、その閉じた端部の外周辺は
面取り形成される。そのため、熱応力に起因して、同外
周辺から絶縁樹脂へ、さらにはボビンへと亀裂が発生す
ることが抑制されるようになる。その結果、従来の点火
コイルと比較して、その応力に起因するボビンやその近
傍部分における亀裂等の発生を抑制して、点火コイルの
耐久性及び信頼性の向上を図ることができる。また応力
緩和材によって被覆されたセンタコアをボビン内に挿入
する際、応力緩和材の閉じた端部側からボビン内に挿入
するようにすれば、同応力緩和材にめくれが発生するこ
とも防止され、そのめくれに起因した亀裂等の発生も防
止される。さらに、その一端が閉じた袋状に形成されて
いない応力緩和材を使用した場合に比べ、点火コイルの
部品点数及び製造工数を低減することもできる。
【0046】請求項2に記載の発明によれば、応力緩和
材の前記閉じた端部の外周辺は、その縦断面が所定の曲
率を有した円弧状に面取り形成されるため、応力緩和材
の端部外周辺の形状に起因する応力によって、絶縁樹
脂、さらにはボビンやその近傍部分における亀裂等が発
生することを簡易な手段にて好適に抑制することができ
るようになる。
【0047】請求項3に記載の発明によれば、応力緩和
材はゴム材によって形成されるため、一端が閉じた袋状
に形成されるとともにその閉じた端部の外周辺は面取り
形成される応力緩和材を、好適に、しかも簡易な手段に
て形成することができる。
【0048】請求項4に記載の発明によれば、前記セン
タコアの少なくとも前記コイルの出力側に対応した一端
に設けられる磁石によって、一次コイルで生じた磁束に
対して反対方向の磁束を磁路中に発生させることがで
き、それは二次コイルの誘導電圧を高めることとなり点
火コイルの点火性能を向上させることができる。
【0049】請求項5に記載の発明によれば、センタコ
アが挿入された応力緩和材をその閉じた端部側から前記
コイルの巻装されたボビン内に挿入されるため、同応力
緩和材にめくれが発生することもない。そのため、その
めくれに起因した絶縁樹脂、さらにはボビンやその近傍
部分における亀裂の発生は防止され、点火コイルの耐久
性及び信頼性を向上させることができる。また、その一
端が閉じた袋状に形成されていない応力緩和材を使用し
て点火コイルを製造する場合に比べ、その部品点数及び
製造工数を低減することもできる。
【0050】請求項6に記載の発明によれば、少なくと
も一方端に磁石が配設されたセンタコアを使用して点火
コイルを製造する場合においても、上記請求項5に記載
の発明と同様な効果を得ることができる。
【0051】請求項7に記載の発明によれば、応力緩和
材として、その閉じた端の外周辺が予め面取り形成され
たものが用いられるため、少なくとも熱応力に起因し
て、同外周辺から絶縁樹脂へ、さらにはボビンへと亀裂
が発生することが抑制されるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の点火コイルの一実施の形態についてそ
の断面構造を示す断面図。
【図2】同実施の形態の点火コイルの断面構造を拡大し
て示す部分断面図。
【図3】同実施の形態の応力緩和材の外形を示す斜視
図。
【図4】従来の点火コイルの断面構造例を示す断面図。
【図5】同従来の点火コイルの断面構造を拡大して示す
部分断面図。
【図6】同従来の点火コイルの応力緩和材の外形を示す
斜視図。
【符号の説明】
14…点火コイル、16…ケース、17…センタコア、
18…サイドコア、19…一次コイル、20…二次コイ
ル、23…絶縁層、24…磁石、25…応力緩和材(ゴ
ムブーツ)、26…二次ボビン、31…一次ボビン。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】センタコアを内包してなるボビンに巻装さ
    れたコイルがケース内に配置されるとともに、前記セン
    タコアは応力緩和材にて被覆され、絶縁樹脂がそれら応
    力緩和材の被覆されたセンタコア、ボビン、及びコイル
    を覆うようにして同ケース内に充填されてなる内燃機関
    用点火コイルにおいて、 前記応力緩和材は前記コイルの出力側に対応した一端が
    閉じた袋状に形成されるとともに、その閉じた端部の外
    周辺は面取り形成されてなることを特徴とする内燃機関
    用点火コイル。
  2. 【請求項2】請求項1記載の内燃機関用点火コイルにお
    いて、 前記応力緩和材の前記閉じた端部の外周辺は、その縦断
    面が所定の曲率を有した円弧状に面取り形成されてなる
    ことを特徴とする内燃機関用点火コイル。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の内燃機関用点火コ
    イルにおいて、 前記応力緩和材はゴム材からなる内燃機関用点火コイ
    ル。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載の内燃機関
    用点火コイルにおいて、 前記センタコアは、少なくとも前記コイルの出力側に対
    応した一端に磁石を有し、該磁石共々前記応力緩和材に
    て被覆されてなることを特徴とする内燃機関用点火コイ
    ル。
  5. 【請求項5】 センタコアを内包してなるボビンに巻装
    されたコイルがケース内に配置されるとともに、前記セ
    ンタコアは応力緩和材にて被覆され、絶縁樹脂がそれら
    応力緩和材の被覆されたセンタコア、ボビン、及びコイ
    ルを覆うようにして同ケース内に充填される内燃機関用
    点火コイルの製造方法において、 一端が閉じて袋状に形成された応力緩和材内に前記セン
    タコアを挿入する工程と、 このセンタコアが挿入された応力緩和材をその閉じた端
    部側から前記コイルの巻装されたボビン内に挿入する工
    程と、 前記ケース内に液状の絶縁樹脂を注入して前記応力緩和
    材に挿入されたセンタコア、ボビン、及びコイル間に同
    絶縁樹脂を充填するとともに、当該充填された絶縁樹脂
    を硬化させて絶縁樹脂層を形成する工程と、 を備える内燃機関用点火コイルの製造方法。
  6. 【請求項6】 少なくとも一方端に磁石が配設されたセ
    ンタコアを内包してなるボビンに巻装されたコイルがケ
    ース内に配置されるとともに、前記センタコア及び磁石
    は応力緩和材にて被覆され、絶縁樹脂がそれら応力緩和
    材の被覆されたセンタコア、ボビン、及びコイルを覆う
    ようにして同ケース内に充填される内燃機関用点火コイ
    ルの製造方法において、 一端が閉じて袋状に形成された応力緩和材内に前記磁石
    及びセンタコアを順次挿入する工程と、 この磁石及びセンタコアが挿入された応力緩和材をその
    閉じた端部側から前記コイルの巻装されたボビン内に挿
    入する工程と、 前記ケース内に液状の絶縁樹脂を注入して前記応力緩和
    材に挿入されたセンタコア、ボビン、及びコイル間に同
    絶縁樹脂を充填するとともに、当該充填された絶縁樹脂
    を硬化させて絶縁樹脂層を形成する工程と、 を備える内燃機関用点火コイルの製造方法。
  7. 【請求項7】請求項5または6記載の内燃機関用点火コ
    イルの製造方法において、 前記応力緩和材として、その前記閉じた端部の外周辺が
    予め面取り形成されたものを用いることを特徴とする内
    燃機関用点火コイルの製造方法。
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