JP2000199445A - エンジン駆動モ―タ制御装置 - Google Patents

エンジン駆動モ―タ制御装置

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JP2000199445A
JP2000199445A JP10372811A JP37281198A JP2000199445A JP 2000199445 A JP2000199445 A JP 2000199445A JP 10372811 A JP10372811 A JP 10372811A JP 37281198 A JP37281198 A JP 37281198A JP 2000199445 A JP2000199445 A JP 2000199445A
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crankshaft
cylinder
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drive motor
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Toshio Hori
堀  俊雄
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】エンジンのクランク軸を駆動し、かつクランク
軸からの動力で発電を行う機能を有するエンジン駆動モ
ータ制御装置を用いて、短時間に効率良くエンジン始動
できるエンジン駆動モータ制御装置を提供すること。 【解決手段】エンジンを駆動するモータによって、エン
ジンのクランク軸をエンジン停止時の力学的中立位置に
停止させる手段を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジン駆動モー
タの制御装置に係り、特にエンジン始動を短時間に効率
良く行うエンジン駆動モータの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、たとえば特開平5−149221 号
に示される技術が知られている。これは、スタータを用
いてエンジンのクランク軸停止位置をエンジンの停止時
に予め回転負荷の小さい位置に停止させるものである。
これにより次回の始動時にスタータに与える電力が少な
くても大きいクランク軸回転を得ることを意図してい
る。
【0003】ところが、このような先行技術に示される
エンジンは、エンジンを停止させたときのクランク軸回
転方向に対する力学的作用を考慮していない。
【0004】さらに、クランク軸を操作する手段とし
て、スタータを用いているが、一般に多く用いられてい
るスタータは、運転者の操作するスイッチにより通電さ
れるため、この構成を持つエンジンについては、エンジ
ン停止のときにはスタータを作動する手段を取れない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記の如き
問題に鑑みてなされたものであって、その目的とすると
ころは、エンジンのクランク軸を駆動し、かつクランク
軸からの動力で発電を行う機能を有するエンジン駆動モ
ータ制御装置を用いて、短時間に効率良くエンジン始動
できるエンジン駆動モータ制御装置を提供することであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的は、エンジンの
クランク軸を駆動し、かつクランク軸からの動力で発電
を行う機能を有するエンジン駆動モータ制御装置におい
て、エンジンのクランク軸をエンジン停止時の力学的中
立位置に停止させることを特徴とするエンジン駆動モー
タ制御装置によって達成される。
【0007】また、上記目的は、エンジンのクランク軸
を駆動し、かつクランク軸からの動力で発電を行う機能
を有するエンジン駆動モータ制御装置において、エンジ
ンのクランク軸をカム軸位置センサが信号を出力する位
置の直前の位置に停止させることを特徴とするエンジン
駆動モータ制御装置によっても達成される。
【0008】また、上記目的は、エンジンのクランク軸
を駆動し、かつクランク軸からの動力で発電を行うモー
タ機能を有するエンジン駆動モータ制御装置において、
前記エンジン及びモータ制御を終了し電源遮断するとき
は、エンジンのクランク軸をエンジン停止時の力学的中
立位置に停止させる制御を行う、エンジンを一旦停止
し、その後電源遮断しないままエンジンを再始動する可
能性があるときは、エンジンのクランク軸をカム軸位置
センサが信号を出力する位置の直前に停止させることを
特徴とするエンジン駆動モータ制御装置によっても達成
される。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面により本発明のエンジ
ン駆動モータ制御装置の一実施形態について説明する。
【0010】図2は、エンジン駆動モータを搭載したエ
ンジンの一例を模式的に表した図である。エンジン駆動
モータ30はエンジンのクランク軸35に直結して取り
付けられ、エンジン始動時などに従来のスタータと同様
にバッテリ36の電力を受けてクランク軸35を回転さ
せる。また、エンジンが燃焼により自力で回転している
時は、その動力を受けエンジンの運転に必要な電力を発
電し、また、バッテリ36に電力を充電させる。駆動モ
ータ30の上記駆動はコントローラ31により行い、発
電や駆動の程度はコントローラ31に制御装置33から
与えられる指令値によりなされる。制御装置33はエン
ジンの運転条件を種々のセンサ類から検知し、逐次適切
な駆動モータ30の運転状態を判断し、コントローラ3
1に指令値を発する。上記センサの一つにクランク軸回
転センサ18とカム軸回転センサ32がある。これらは
それぞれの軸の予め定められた位置に取り付けられたマ
ークがセンサ位置に至ったことを検知し信号を発生す
る。この信号は制御装置33に入力され、制御装置33
は予め定めたアルゴリズムにより該信号を読み取り、ク
ランク軸,カム軸の位相を知り、さらにはそれらの回転
数を検出する。
【0011】さらに、制御装置33の動作のためバッテ
リ36から供給する電源線の途中には、リレー34が設
けられ、制御装置33に供給する電気を遮断すること
は、制御装置33自身が判定し実行できる構造となって
いる。このような構成とすることで、エンジンのアイド
リング時など、本来エンジンが動作不要と判断できると
きは、運転者がエンジン停止操作を行わずとも制御装置
33がエンジン停止を判断し、燃料供給停止などでエン
ジンを停止できる。次に運転者がアクセルペダルを踏む
などエンジン作動が必要となったときに制御装置33が
コントローラ31を介し駆動モータ30を作動させてエ
ンジンを始動させることができる。以上の操作によりア
イドリング時の無駄な燃料消費を避けることができ、燃
費を向上させることができる。
【0012】かかるエンジンの一実施例を以下に説明す
る。
【0013】図3において、エンジン1に吸入される空
気は、エアクリーナ5の入口部6から取り入れられ、吸
入空気量Qaを計測する手段であるエアフローメータ7
を通り、コレクタ8に入る。該コレクタ8に吸入された
空気は、エンジン1の各シリンダ9内に接続された各吸
気管10に分配され、前記シリンダ9の燃焼室内に導か
れる。
【0014】一方、ガソリンなどの燃料は、燃料タンク
11から燃料ポンプ12により吸引加圧され、インジェ
クタ13が配管されている燃料系に供給される。加圧さ
れた燃料は、燃圧レギュレータ14により一定の圧力
(例えば3kg/cm2 )に調圧され、それぞれのシリンダ
9に設けられているインジェクタ13から吸気管10の
中に噴射される。噴射された燃料は、点火コイル15で
高電圧化された点火信号により点火プラグ16で着火さ
れる。
【0015】前記コントロールユニット17には、前記
エアフローメータ7からの吸気流量を示す信号と、クラ
ンク軸回転センサ18からのクランク軸19の角度信号
POSと、排気管20中の触媒21の前に設けたA/F
センサ22からの排ガスの検出信号とが入力されるよう
になっている。
【0016】エアフローメータ7で検出した吸入空気量
信号は、フィルタ処理手段等の処理を施し空気量に換算
演算された後、前記吸入空気量をエンジン回転数で割っ
て、空燃比がストイキ(A/F=14.7 )となるよう
な係数kを乗じて1シリンダ当たりの基本燃料噴射パル
ス幅、即ち、基本燃料噴射量が求められる。その後、該
基本燃料噴射量をもとにエンジンの運転状態に応じた様
々な燃料量補正を施して燃料噴射量を求めた後インジェ
クタを駆動し各気筒に燃料を供給する。また、排気管2
0に備えられたA/Fセンサ22の出力から排気ガスの
実際の空燃比を知ることができるので、所望の空燃比を
得たいときには該A/Fセンサの信号により供給燃料量
を調整する閉ループ制御を行うことで所望の空燃比状態
を得ることができるようになっている。
【0017】ここで、燃料の噴射タイミングと点火タイ
ミングは図4のようになっている。本図は4気筒エンジ
ンの例である。各気筒の行程に同期して噴射すること
は、各気筒のたとえば燃料気化度合いなどの吸入燃料の
性状を、いずれの気筒も同条件とするために好ましいた
め、図4に示すように、例えば排気行程後半での燃料噴
射を行う。点火は、燃焼の火炎伝播速度に見合って圧縮
行程後半で行う。したがって、コントロールユニット1
7は各気筒の行程を認識し、適切な燃料噴射、点火の信
号を出力する。そのため、コントロールユニット17は
カム軸回転センサ32の信号を入力し、処理を行う。カ
ム軸回転センサ32は、例えば図4に示すような信号出
力形態をしている。すなわち、カム軸に予め取り付けら
れているマークがカム軸センサ位置に近づいたときHI
信号を出力し、それ以外はLO信号を出力する。カム軸
のマークを図4のように各気筒行程別に4気筒の場合4
種類設定すれば、それを見分けることによって各気筒の
行程を認識できる。すなわち、各気筒の行程毎に異なる
HI信号の数を配するのである。
【0018】カム軸回転センサ32の信号をコントロー
ルユニット17で読み取るために、コントロールユニッ
ト17の演算素子のなかに予め組み込み、信号の入力を
処理する演算フローの一例を図22に示す。本フロー
は、カム軸の信号がLOからHIへ変化したときにカム
軸信号入力ありとし、起動する。まずステップ101
で、前回の信号入力から今回の信号入力までの時間を計
測する。次にステップ102で前々回と前回の信号入力
間の時間と、ステップ101で求めた前回と今回の信号
入力の時間を比較する。ここで、図4に示すように一連
の各気筒信号パターン、例えば図の最上段気筒が排気行
程にあるときの2個の信号集団の2個目の信号入力時で
あれば、両者の差、または比はほぼ同等となる。
【0019】一方、新たな一連の気筒信号パターンの初
回の信号入力時、例えば図の最上段気筒の排気行程から
吸気行程に移ったときの吸気行程の3個の信号集団の1
個めの信号入力時であれば、今回計測の時間が有意に長
くなる。ステップ102では上記2つのパターンを識別
する。一連の各気筒信号パターンであるときは、ステッ
プ107へ進み、カウンタKに1を加算する。カウンタ
Kは、本フロー全体の構造により機能するカウンタで、
一連の各気筒信号パターンの数を数えるものである。ス
テップ107へ演算フローが至ったときは、その回のカ
ム信号入力あり処理を終了する。一方ステップ102で
一連の各気筒信号パターンの初回であると判定したとき
は、ステップ103へ進む。ここで、本実施例では、カ
ム信号にクランク軸角度制御の基準位置を示すという機
能も併せ持たせてある。すなわち、各気筒の一連の信号
パターンの1個めの信号入力を、クランク軸位相の所定
位置、たとえばBTDC110 度としておけば、コントロール
ユニット17はクランク軸位相も併せ認識することがで
きる。ステップ103では、この基準位置を認識するも
のである。
【0020】次に、フローはステップ104からステッ
プ106を順に処理していく。ステップ104では、ス
テップ107で加算したカウンタKの値を読み、各気筒
の一連の信号パターンの信号数を認識する。この数によ
りステップ105で、現在の各気筒の行程と、クランク
軸位相を認識することができる。ステップ106では、
カウンタKを0とする。カウンタKはステップ105で
一連の信号パターンの信号数を記憶しておくという機能
を終了しているので、ステップ106では、次の信号パ
ターンの信号数を数える準備のためにその処理を行う。
【0021】以上説明したように、カム軸回転センサの
信号情報をもとにコントロールユニットは各気筒の位相
を認識することができるが、一方それを行うためにはク
ランク軸が少なくとも1行程分回転する必要がある。ま
た、多くのクランク軸回転を必要とするケースは、信号
パターンの直後からクランク軸回転が始まったときで、
信号パターン直後から次の信号パターン開始までと、そ
の後1行程を必要とする。これは、エンジンを停止し電
源を遮断した状態にあるときから、運転を開始するため
コントロールユニット他に電源を供給し始めたときに
は、コントロールユニットは、クランク実位相,クラン
ク軸位置を認識していないため、その後のエンジン始動
で燃料供給と点火を開始するまで駆動モータなどの外部
の動力でクランク軸を回転させる必要があることを示し
ている。
【0022】コントロールユニットが電源供給を受け、
作動を開始したときに、クランク軸位相を認識できない
理由は、イグニッションOFFにより電源供給を遮断さ
れてから、クランク軸の回転が停止するまではクランク
軸の慣性モーメントと回転抵抗の関係が一義的に決まら
ないことにより、クランク軸停止位置を推定することが
不可能だからである。さらに、エンジン停止中に何らか
の外力でクランク軸が回転させられた時も、それを検出
するのは不可能である。
【0023】以上のことから、エンジンの始動時の挙動
を整理すると、まずコントロールユニットに電源が供給
され、プログラムが作動を開始する。続いて駆動モータ
などの外力によりクランク軸が回転を開始し、カム軸回
転センサが所定位置で信号を出力し、コントロールユニ
ットはカム軸回転センサの信号を読み取って各気筒の行
程を認識する。この認識によってコントロールユニット
は燃料噴射,点火の信号を発生させ、燃焼が起きること
によってエンジンは自力で回転を開始する。
【0024】ここで、始動に要する時間は短い程好まし
いが、前述したようにコントロールユニットの気筒認識
までには時間を必要とし、かつその時間はクランク軸の
回転開始位置によって変動する。一方、前述したように
駆動モータは、バッテリの動力を用いてクランク軸を回
転させることができるため、クランク軸を任意の位置に
停止させることが可能である。この操作は、図2の説明
で前述したように供給電源の断操作を制御装置が行える
ため、運転者がイグニッションスイッチをOFFしても電
源供給断となることはなく、イグニッションスイッチO
FF中でも行うことができる。そこで、駆動モータをエ
ンジン停止時に所定の位置でクランク軸を停止させれ
ば、次回始動時のクランク軸位置を特定することができ
る。
【0025】ここで、エンジン停止中の、クランク軸に
外力がかからないときの力学釣り合いを考える。図1は
4気筒エンジンの場合の各気筒のクランク軸位相と筒内
圧力の関係を表している。筒内圧力が高いと、コンロッ
ドを介してクランクに軸トルクを与える。まず、吸気,
排気の気筒ではバルブが開いているため、筒内圧力は大
気と等しく、クランク軸にはトルクを与えない。一方圧
縮行程にある気筒は吸気,排気バルブとも閉じており、
そのTDCに近づくにつれ筒内圧力が高くなり、したが
ってクランク軸に与えるトルクは大きくなる。吸気行程
にある気筒も同じく吸気,排気バルブとも閉じているた
め、そのTDCに近づくにつれ筒内圧力が高くなり、ク
ランク軸にトルクを与える。よって、吸気,圧縮の両行
程にある気筒の筒内圧力が等しくなる、図中の矢印で示
す交点が、力学上の釣り合い点となる。ここでは、クラ
ンク軸回転に伴う抵抗を無視しているので、実際には必
ずしも釣り合い点でクランク軸が停止するものではな
い。しかし、釣り合い点が最も安定したクランク軸の停
止位置であり、ここにクランク軸を停止させると、新た
な外力が加わらない限りクランク軸が他の位相に移動す
ることはない。したがって、イグニッションOFF時に
駆動モータでクランク軸位相を図1のクランク軸停止位
置に導けば、多くの場合に、次回のエンジン始動時にク
ランク軸位相と各気筒の行程を、カム軸回転センサの信
号発生前に予測推定することができる。この予測推定に
基づきコントロールユニットが燃料噴射,点火を行えば
始動に要する時間を短くすることができる。
【0026】図1は4気筒エンジンの例であったが、図
8に6気筒エンジンの例を示す。6気筒エンジンでは4
気筒エンジンを各気筒間の行程間隔が異なるため、力学
的つりあいのクランク軸位相が4気筒の場合と異なり、
図の矢印で示した位置となる。したがってこの位相にク
ランク軸を停止させれば図1で説明したのと同様の効果
を得ることができる。また、図示しないが、3気筒,5
気筒,8気筒といったいずれかの気筒を持つエンジンで
も必ず力学的つりあいのクランク軸位相が存在するた
め、その位相にクランク軸を停止させれば図1で説明し
たのと同様の効果を得ることができる。
【0027】また、上述の吸、排気バルブはカム軸を介
して駆動される構成での説明であるが、いわゆる電磁式
吸、排気バルブでも力学的つりあい点が存在するため、
同様の考えが適用できる。
【0028】ここで、クランク軸を所望のクランク軸位
相に停止させるための、制御装置33に組み込まれる制
御アルゴリズムの一実施例を図23に示す。本フローは
クランク軸回転センサ18からの信号入力があった時実
行するようにしている。まず、ステップ111で、クラ
ンク軸位置信号入力があったことによりそのクランク軸
位相を認識する。次にステップ112で実際のクランク
軸位相と図1の説明したような、予め求められる目標の
クランク軸位相とを比較し、目標位相となったかを判定
する。目標であればステップ115へと進み、駆動力の
供給を停止させ処理を終了する。これによりクランク軸
の回転は停止し、新たなクランク軸位置信号は発生せ
ず、本図のフローは起動されなくなり、クランク軸は停
止状態で安定する。
【0029】ステップ112で目標位相に到っていない
と判定したときにはステップ113へ進み、目標位相と
の偏差を計算する。この偏差に基づきステップ114で
は目標位相へ到達するに必要な駆動力を計算する。本実
施例では、前記偏差により駆動力を数値テーブルを検索
することにより求める手法を採っている。このような手
法で求めた駆動力をクランク軸に与えることにより、ク
ランク軸は所望の回転速度で目標のクランク軸位相へと
回転する。ステップ114で予め設定しておく数値テー
ブルの設定値は、エンジンの回転抵抗力を始めとするク
ランク軸回転に関する力学的因子から、目標クランク軸
位相となるに最も確からしい値を予め設定しておけば良
い。
【0030】次に、前述したように本来エンジンが動作
不要と判断できるときに燃料供給停止などでエンジンを
停止し、次に運転者がアクセルペダルを踏むなどエンジ
ン作動が必要となったときに制駆動モータを作動させて
エンジンを始動させる場合について述べる。
【0031】エンジン動作不要時に、自動的にエンジン
を停止させる場合、前述の説明のように駆動モータを用
いてクランク軸を任意の位置に停止できるが、一方次回
アクセル操作などエンジン動作が必要となったときに、
すぐにエンジンが始動,自力回転できるようになってお
くことが必要となる。また、前述したようにエンジンに
燃料,点火を与えるのはクランク軸のある1点の位相、
前述の説明ではカム軸位置信号の先頭信号を基準として
燃料噴射弁、点火コイル操作を行う。したがって、素早
く燃料,点火を供給しエンジンが自力回転できるように
するための一つの手段として、クランク軸停止位置を、
カム軸位置センサが基準位置を発生する直前とすること
がある。
【0032】図21を用いて説明すると、カム軸センサ
信号の、左から各2個,3個の信号群の先頭信号が基準
位置を示すものであり、クランク軸が図のA,Bの各位
置で停止している2つの場合を考える。初回の基準位置
を認識するまでに必要なクランク軸回転は、A,Bの各
場合において図のようになり、BはAに対し短い回転で
基準位置まで達することができるのは、自明である。
【0033】すなわちエンジン始動の要求があったと
き、駆動モータがクランク軸を回転させるとすぐに基準
位相信号がカム軸位置センサから出力され、それにより
コントロールユニットは基準位置認識に基づき、エンジ
ン停止前の各気筒認識によって燃料噴射と点火の指令を
発することができる。すなわち、クランク軸再回転開始
後初回のカム軸基準位置信号の入力から燃料,点火の供
給が可能となり、短い時間でエンジンの再始動が可能と
なる。
【0034】このように自動的にエンジンを停止させる
ときのクランク軸停止位相を操作する方法は、図23で
説明した手順と同一で可能である。しかし、エンジンを
自動停止させる場合と、完全停止させる場合では、クラ
ンク軸停止位相が必ずしも同じとは限らない。すなわ
ち、前者は基準位置信号手前、後者は力学的中立点であ
り、これらは要求の背景が異なるため、一致しないこと
が考えられる。さらに、基準位置信号手前のクランク軸
位相は力学的中立点ではないため、エンジンのクランク
軸回転抵抗が小さいときには、目標の位相にクランク軸
を留めておくため駆動モータから駆動力を与えてクラン
ク軸の回転を阻止する必要がある。
【0035】以上の事情から、エンジン自動停止時と、
エンジン完全停止時の両方の駆動モータ制御を行うアル
ゴリズムの一例を図24に示す。フローの起動条件、ア
ルゴリズムの流れは図23と同じであるが、駆動力の指
示値を自動停止時と完全停止時で区別するためステップ
124,ステップ127が新たに加わり、それらの判定
結果によって、クランク軸位相が目標値に至ったときの
駆動力をステップ128,ステップ129でそれぞれ区別
して与えている。すなわち、自動停止時は、クランク軸
を目標位相に保持しておくに必要な駆動力Aとし、完全
停止時は駆動力供給を停止する。
【0036】同様に、クランク軸が目標位相に到ってい
ないときも、駆動力をステップ125,ステップ126で
区別して与えている。すなわち、目標クランク軸位相が
異なっているため、偏差に対し与えるべき駆動力が異な
ることに、両者に相応した駆動力をステップ125,ス
テップ126で区別して与えることができるようになっ
ている。
【0037】また、図24には表していないが、目標ク
ランク軸位相を自動停止時と完全停止時で区別して判定
するのは言うまでもない。以上により、自動停止時と完
全停止時とも、クランク軸位相を目標位相に停止,保持
できる。ここで言う自動停止時のカム軸位置センサの基
準位置直前とは、該基準位置にクランク軸停止位相を制
御する際の制御精度を見込んだ手前であり、その中で最
も該基準位置に近い位相とすればよい。具体的には、例
えば図4の矢印で示したような位相である。
【0038】以上説明したアルゴリズムでの、実際の駆
動モータの駆動力制御の状態を説明する。まず。図5
は、自動停止を行った時の一例である。車輌は所定の車
速で走行している状態から、車速を低下させ停止する。
このときアクセルは操作されていないため、エンジン回
転数は概略アイドル回転の状態で車輌が停止する。ここ
までは、駆動モータはエンジンから動力を受け、エンジ
ン運転に必要な電力、その他に必要な電力を発電してい
る。ここで、エンジンはアイドル状態にあり、車輌は停
止しているので、エンジンはアイドル回転を持続してお
く必要はない。そこで、自動停止実行の判定を行い、エ
ンジンは停止し、エンジン回転数は0となる。エンジン
停止に伴って図24で説明したように、目標のクランク
軸位相にクランク軸を導くため、駆動モータは発電状態
から駆動状態に変化し、クランク軸操作を開始する。本
例では、急なエンジン停止が運転者に違和感を与えない
よう、停止直後は積極的に駆動力を与え、なめらかなエ
ンジン回転数の低下をさせるようにしており、したがっ
て駆動力は一時大きな値を取り、その後目標位相が近づ
くに従って減少している。クランク軸位相が、目標のカ
ム軸信号基準位置直前となったとき、駆動モータは目標
位相にクランク軸を保持するに必要な駆動力を一定に出
力したまま、次回の始動に対して待機している。
【0039】次に図6は、所定の車速で走行している状
態から停止し、イグニッションスイッチを断としエンジ
ンを完全停止させる場合の例を示している。まず、イグ
ニッションスイッチが断となる、図の矢印で示す時刻ま
では図5の例と動作は同じである。イグニッションスイ
ッチが断となったとき、自動停止モードから完全停止モ
ードへと制御状態が変化する。これにより目標のクラン
ク軸位相がカム軸信号基準位置直前から力学的中立点へ
と変更になり、新しい目標位相へとクランク軸を回転さ
せるため、モータ駆動力は大きくなり、目標位相である
力学的中立点に至ったところで、駆動力を0とする。そ
の後供給電力を断とできる判断を行い、自身への電源供
給を断として、システム運転を完全停止させる。
【0040】図8は、自動停止に至った後、運転者のア
クセル操作でエンジン始動を行ったときの一例である。
エンジン停止、クランク軸位相保持に至る動作は図5と
同じであるが、その後図の矢印で示す事項に運転者のア
クセル操作による加速指令が発生する。これに伴い駆動
モータは、大きい駆動力でクランク軸に回転を与え、エ
ンジンを始動させる。このとき、クランク軸停止の位相
はカム軸信号基準位置直前であるため、クランク軸回転
の直後にカム軸信号を出力でき、かつ各気筒の行程を予
め認識しているため、素早い燃料,点火の供給開始がで
きる。エンジンが燃料点火の供給を受け自力回転が可能
になると駆動モータは発電状態となり、エンジンからの
動力により発電を行う。それとともに加速に指令に伴っ
て、エンジン出力により車速が増加していく。
【0041】以上の動作の際の、各気筒の行程の様子を
詳細に説明する。図13は4気筒エンジンの、上記説明
中のエンジン始動時の各気筒の行程と燃料噴射,点火の
挙動を表したものである。図の矢印で示す位置から始動
を開始する。始動直後、最初に認識するカム軸センサ信
号により基準位置を認識し、該認識により排気行程にあ
る#1気筒に燃料噴射AAを行い、圧縮行程にある#4
気筒に点火BBを行う。点火BBは、気筒内に燃料が供
給されていないため、爆発には至らない。同様の理由
で、最初の爆発が発生するのは、AAの燃料に点火を行
うDDとなる。
【0042】これを、本発明を用いない例と比較する。
図12は、本発明を用いないときの、図13と同じ始動
時の挙動を示したものである。始動開始位置からクラン
ク軸が回転を始め、図の正しい位相認識の位置で各気筒
の行程を認識し、これに基づき吸気行程にある#3気筒
に燃料噴射AAを行い、圧縮気筒にある#2気筒に点火
BBを行う。この場合の最初の爆発が発生するのは、A
Aの燃料に点火を行うDDとなる。ここで、図13と図
12を比較すると、図13の最初の爆発が始動開始から
1気筒分早く、早いエンジンの自力回転が可能となるこ
とが分る。
【0043】以上の説明では、エンジン始動時に各気筒
の行程を推定して燃料噴射,点火を行うことが前提であ
ったが、例えばエンジン完全停止中に外力によってクラ
ンク軸を回転させると、必ずしも推定した各気筒の行程
が正しいものとはならない。したがって、推定の各気筒
の行程認識によって行った燃料噴射と点火は、誤った気
筒に対して行われることとなる。その一例を図9に示
す。本例は、図13と同じ条件において、本来は#1気
筒が排気行程であるときに、クランク軸がエンジン停止
中に外力などにより回転することで、#3気筒が排気行
程にあるとコントロールユニットが誤認識している場合
を示している。
【0044】始動直後、最初に認識するカム軸センサ信
号により基準位置を認識し、該認識により排気行程にあ
ると誤認識している#3気筒に燃料噴射AAを行い、圧
縮行程にあると誤認識している#4気筒に点火BBを行
う。点火BBは実際には吸気行程にあるが、気筒内に燃
料が供給されていないため、爆発には至らない。次に図
の矢印で示す位置で正しい各気筒の行程位相を認識す
る。したがって、それ以降は正しい行程認識によりある
べき気筒へ燃料噴射,点火を行うことができる。ここ
で、#3気筒に着目すると、正しい行程認識で噴射を行
うべきはCCの位置である。しかし、燃料はAAの時点
ですでに供給されており、吸気ポート中に存在してい
る。このため、CCで再度燃料噴射を行うと、要求量の
2倍の燃料を供給することとなり、空燃比過濃となり、
EEでの点火を行っても失火してしまう。そこで、図の
CCのタイミングでは、燃料噴射を行わないのが良い。
これにより、EEで点火を行い正常な爆発を得ることが
できる。
【0045】図10は同様に、図13と同じ条件におい
て、本来は#1気筒が排気行程であるときに、#4気筒
が排気行程にあるとコントロールユニットが誤認識して
いる場合を示している。
【0046】始動直後、最初に認識するカム軸センサ信
号により基準位置を認識し、該認識により排気行程にあ
ると誤認識している#4気筒に燃料噴射AAを行い、圧
縮行程にあると誤認識している#1気筒に点火BBを行
う。点火BBは実際には排気行程にあるが、気筒内に燃
料が供給されていないため、爆発には至らない。次に図
の矢印で示す位置で正しい各気筒の行程位相を認識す
る。
【0047】ここで、#4気筒に着目すると、正しい行
程認識で噴射を行うべきはCCの位置である。しかし、
燃料はAAの時点ですでに供給されており、吸気ポート
中に存在している。このため、CCで再度燃料噴射を行
うと、図9での説明と同様の理由でEEでの点火を行っ
ても失火してしまう。そこで、図のCCのタイミングで
は、燃料噴射を行わないようにする。これにより、EE
で点火を行い正常な爆発を得ることができる。
【0048】図11は同様に、図13と同じ条件におい
て、本来は#1気筒が排気行程であるときに、#2気筒
が排気行程にあるとコントロールユニットが誤認識して
いる場合を示している。
【0049】始動直後、最初に認識するカム軸センサ信
号により基準位置を認識し、該認識により排気行程にあ
ると誤認識している#2気筒に燃料噴射AAを行い、圧
縮行程にあると誤認識している#3気筒に点火BBを行
う。点火BBは実際には膨張行程にあるが、気筒内に燃
料が供給されていないため、爆発には至らない。次に図
の矢印で示す位置で正しい各気筒の行程位相を認識す
る。
【0050】ここで、#2気筒に着目すると、正しい行
程認識で噴射を行うべきはCCの位置である。ここで、
AAの時点で噴射を行った燃料は、吸気弁が開いている
ため直接気筒内にポート中に吸入される。このため、図
9,図10で説明した場合と異なり、正しい行程認識に
より燃料噴射を行っても、供給燃料量が過多となる気筒
はない。さらに、DDで行う点火は、AAでの燃料噴射
により爆発させることができる。一方、#1気筒に着目
すると、EEは正規の燃料噴射時期ではないが、正しい
行程認識ができた時点で吸入行程にある気筒に対しEE
のような燃料噴射を行うと、AAでの燃料噴射と同様の
理由で、FFの点火で爆発を得ることができる。誤った
行程認識での燃料噴射AAの燃料がDDで爆発するので
あるから、EEで燃料噴射を行い、FFの点火で爆発を
得ることができ、正しい行程認識による燃料噴射,点火
による初回の爆発であるGGと、連続して爆発を得るこ
とができる。
【0051】図11で説明した例では、各気筒の行程認
識を誤ったことにより気筒認識を誤らなかった場合より
さらに1気筒分早い初回爆発を得ることができている
が、これは、燃焼状態の都合などから本来行わないこと
にしている吸気行程での燃料噴射が発生してしまうこと
により生じる現象である。燃焼状態の都合などにより、
本来排気行程での燃料噴射を行うことにしている場合
は、正しい行程認識の推定値により始動するとき図18
に示すような挙動となり、図示しないが図11で説明し
たような行程誤認識により初回爆発が早期化することは
発生しない。また、図示しないが行程認識の推定値が誤
っていた場合は、図示しないが、図9,図10で説明し
たような考え方で、気筒に供給される燃料量を適正化す
る方法が該推定値の誤りかたにより特定でき、それに沿
った燃料噴射の実行方法が特定できる。
【0052】以上の説明では、吸気ポートに噴射した燃
料は、その噴射時期によらず同量がシリンダ内に吸入さ
れるものとして説明したが、厳密には、吸気ポート内で
の燃料挙動は噴射時期によって異なる。よって、シリン
ダ内に吸入される燃料の量は噴射時期によって異なる。
これにより、誤った行程認識により噴射された燃料がシ
リンダ内に吸入される量が、正しい気筒認識により噴射
した場合の燃料量より少なくなる場合は、図9,図10
のCCでの燃料噴射は行わないのではなく、不足分だけ
を噴射するようにすれば良い。
【0053】以上の操作により、吸気ポート噴射式エン
ジンにおいて、誤った推定行程認識による燃料噴射を行
った場合でも余分な燃料過多を発生することなくエンジ
ンを始動させることができる。
【0054】また、図13で説明したように点火BBは
気筒内に燃料が存在しないため、点火を行っても爆発が
発生しない。しかし、何らかの理由で前回の燃焼が正常
でなく、燃料が気筒内に残留していた場合には爆発が発
生することが考えられる。一方、図9に示す場合で、#
2気筒に燃料が残留していた場合には、BBの点火によ
り本来でない爆発が発生する可能性があり、開いている
吸気弁から火炎が吸気管に遡上し、バックファイアが発
生することが考えられる。そこで、図20で示すように
行程認識を推定値としているとき点火を行わないように
すると、前述の本来でない爆発を発生させなくすること
ができる。かつ、気筒内に燃料が残留していない状態は
本来制御が意図している状態であり、このときは爆発は
発生しないのだから点火を行わないことによる不都合は
ない。具体的には、図20において、図13においては
点火を行っていたBBにおいて点火を行わず、カム軸セ
ンサの信号によって行程認識が完了したDDの位置で始
動開始後初回の点火を行うようにする。
【0055】また、燃料噴射の形態が特徴的に吸気ポー
トに燃料噴射を行うエンジンと異なるエンジンとして筒
内燃料噴射エンジンがある。この構成概略を図19に示
す。特徴的なことは、図3の吸気ポート燃料噴射エンジ
ンでは、インジェクタ13が吸気ポート内に燃料噴射す
る構造であるのに対し、インジェクタ13の燃料噴射口
がシリンダ内に開口しており、シリンダ内に燃料を噴射
する構造としている点である。したがって燃料噴射は、
噴射した燃料が圧縮行程後半で燃焼に供されるように、
吸気行程または圧縮行程で行う。ここで、吸気行程で噴
射を行うと、噴射した燃料は圧縮行程後半までにシリン
ダ内に拡散する時間を確保でき、気筒内で均質な燃焼を
行うことができ、圧縮行程中に噴射を行うと、噴射した
燃料は拡散するに十分な時間がない。ここで、気筒内に
局所的に分布する燃料を点火プラグ16の近傍に導くよ
うに操作し点火を行うと局所的に燃焼に良好な空燃比を
生成できるため良好な燃焼を行え、気筒全体では希薄な
空燃比での燃焼とすることができる。一般に、始動時な
どの良好な燃焼を行うための条件を満たしにくい条件で
は、圧縮行程での噴射で良好な燃焼は成立しにくい。一
方吸気行程での噴射は燃焼成立のための要件が圧縮行程
での噴射より厳しくないため、始動時は吸気行程で燃料
噴射を行うのが好ましい。
【0056】かかるエンジンにおいて、図13で説明し
たようなエンジン始動時において、吸気ポート噴射エン
ジンと同様の効果を得る燃料噴射,点火の方法を図14
に示す。始動後初回の燃料噴射は吸気行程である#2気
筒にAAのように行い、DDの点火において初回の爆発
を得る。したがって、カム軸センサ信号入力による各気
筒の行程認識後に燃料噴射,点火を開始するより1気筒
分早く爆発を得ることができている。このことは吸気ポ
ート燃料噴射式エンジンと同様である。
【0057】また、推定による各気筒の行程認識が誤っ
ていた場合を筒内噴射式エンジンで考えると、図15,
図16,図17に示す状態となる。すなわち、図15で
は本来#2気筒に初回燃料噴射を行うべきところを#1
気筒に燃料噴射した場合であり、図16では本来#2気
筒に初回燃料噴射を行うべきところを#3気筒に燃料噴
射した場合であり、図17では本来#2気筒に初回燃料
噴射を行うべきところを#4気筒に燃料噴射した場合で
あり、誤認識の形態は吸気ポート燃料噴射式エンジンの
図9,図10,図11での説明と同じである。筒内噴射
式エンジンにおいても誤って燃料噴射を行った気筒の燃
料が余分となり、正しい気筒認識による噴射を行った場
合は燃料過多となる現象は吸気ポート燃料噴射式エンジ
ンと同様であるが、筒内噴射式エンジンでは、噴射した
燃料の挙動が吸気ポート噴射式エンジンとは異なる。例
えば図15において、AAで噴射した燃料は、排気行程
中のシリンダ内に噴射されるが、このとき該気筒の排気
弁は開となっており、噴射した燃料の一部は排気弁から
排気管へ流出し、一部がシリンダ内に残留する。したが
ってCCでの燃料噴射は、吸気ポート噴射式エンジンの
ように噴射を行わないのではなく、排気弁から排気管へ
流出した量を噴射する必要がある。
【0058】図16では、AAで噴射した燃料は、膨張
行程中のシリンダ内に噴射され、その後排気行程を経る
ので、やはり一部が排気管へ流出する。したがって、図
15での説明と同様にCCでの燃料噴射は、排気弁から
排気管へ流出した量を噴射する必要がある。
【0059】図17でも同様に、AAで噴射した燃料は
圧縮行程中のシリンダ内に噴射され、前述したように燃
焼することなく、排気行程を経るので、図15での説明
と同様にCCでの燃料噴射は、排気弁から排気管へ流出
した量を噴射する必要がある。
【0060】以上の操作により、筒内噴射式エンジンに
おいて、誤った推定行程認識による燃料噴射を行った場
合でも余分な燃料過多を発生することなくエンジンを始
動させることができる。
【0061】以上の説明では4気筒エンジンでの例を示
したが、他の気筒数を有するエンジンについても挙動は
同様であり、本発明を適用できる。
【0062】以上の説明では、コントロールユニット1
7と、制御装置33は別体として説明してきたが、両者
は、その総機能規模により一体でも別体でも良く、効率
の良い方法を選択すれば良い。別体とするときは、通信
などの手段により、例えばエンジン停止判定,アクセル
操作量などの情報を互いに共用すると良い。
【0063】以上、本発明の制御装置のいくつかの実施
形態について詳述したが、本発明は、前記実施形態に限
定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発
明の精神を逸脱しない範囲で、設計において種々の変更
ができるものである。
【0064】
【発明の効果】以上の記載から理解されるように、本発
明の制御装置は、エンジンのクランク軸を駆動し、かつ
クランク軸からの動力で発電を行う機能を有するエンジ
ン駆動モータ制御装置を用いて、短時間に効率良くエン
ジン始動できるエンジン駆動モータ制御装置を提供でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の動作を説明する図。
【図2】本発明を適用したエンジンの構成を説明する
図。
【図3】本発明を適用したエンジンの構成を示す図。
【図4】本発明の一実施例の動作を説明する図。
【図5】本発明の一実施例の動作を説明する図。
【図6】本発明の一実施例の動作を説明する図。
【図7】本発明の一実施例の動作を説明する図。
【図8】本発明の一実施例の動作を説明する図。
【図9】本発明の一実施例の動作を説明する図。
【図10】本発明の一実施例の動作を説明する図。
【図11】本発明の一実施例の動作を説明する図。
【図12】本発明を用いない例の動作を説明する図。
【図13】本発明の一実施例の動作を説明する図。
【図14】本発明の一実施例の動作を説明する図。
【図15】本発明の一実施例の動作を説明する図。
【図16】本発明の一実施例の動作を説明する図。
【図17】本発明の一実施例の動作を説明する図。
【図18】本発明の一実施例の動作を説明する図。
【図19】本発明を適用したエンジンの構成を示す図。
【図20】本発明の一実施例の動作を説明する図。
【図21】エンジンの特性を説明する図。
【図22】本発明を適用する制御の方法を説明する図。
【図23】本発明の一実施例の制御方法を説明する図。
【図24】本発明の一実施例の制御方法を説明する図。
【符号の説明】
1…エンジン本体、2…吸気バルブ、3…排気バルブ、
4…ETC、5…エアクリーナ、6…吸気口、7…エア
フローメータ、8…コレクタ、9…シリンダ、10…吸
気管、11…燃料タンク、12…燃料ポンプ、13…イ
ンジェクタ、14…燃圧レギュレータ、15…点火コイ
ル、16…点火プラグ、17…コントロールユニット、
18…クランク軸回転、19,35…クランク軸、20
…排気管、21…触媒、30…駆動モ−タ、31…コン
トローラ、32…カム軸回転センサ、33…制御装置、
34…リレー、36…バッテリ。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 43/00 301 F02D 43/00 301H 301B 45/00 310 45/00 310G 362 362S F02P 5/15 F02P 5/15 E Fターム(参考) 3G022 CA01 CA10 FA08 GA01 GA02 3G084 BA00 BA09 BA13 BA14 BA16 CA00 CA01 DA09 EB08 EC02 FA00 FA07 FA29 FA33 FA36 FA38 3G093 AA16 AB00 BA21 BA22 CA00 CA02 DA00 EA05 EA12 EB00 EC02 FA12 FB02 3G301 HA27 JA00 KA04 KA28 MA11 MA19 MA24 NB07 PD03A PE03A PE03Z PE05Z

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジンのクランク軸を駆動し、かつクラ
    ンク軸からの動力で発電を行う機能を有するエンジン駆
    動モータ制御装置において、エンジン停止のときエンジ
    ンのクランク軸を力学的中立位置に停止させることを特
    徴とするエンジン駆動モータ制御装置。
  2. 【請求項2】エンジンのクランク軸を駆動し、かつクラ
    ンク軸からの動力で発電を行う機能を有するエンジン駆
    動モータ制御装置において、エンジン停止のときエンジ
    ンのクランク軸をカム軸位置センサが信号を出力する位
    置の直前の位置に停止させることを特徴とするエンジン
    駆動モータ制御装置。
  3. 【請求項3】エンジンのクランク軸を駆動し、かつクラ
    ンク軸からの動力で発電を行うモータ機能を有するエン
    ジン駆動モータ制御装置において、前記エンジン及びモ
    ータ制御を終了し電源遮断するときは、エンジンのクラ
    ンク軸をエンジン停止時の力学的中立位置に停止させる
    制御を行い、エンジンを一旦停止し、その後モータ制御
    の電源遮断しないときは、エンジンのクランク軸をカム
    軸位置センサが信号を出力する位置の直前の位置に停止
    させることを特徴とするエンジン駆動モータ制御装置。
  4. 【請求項4】請求項2において、クランク軸を所定の位
    置に停止させた後、該位置を保持するようエンジン駆動
    モータを制御することを特徴とするエンジン駆動モータ
    制御装置。
  5. 【請求項5】請求項1または請求項2のいずれかにおい
    て、クランク軸停止後のエンジン再始動において、クラ
    ンク軸の位置認識を、クランク軸およびカム軸の位置セ
    ンサによる認識に先立って、クランク軸の停止位置と認
    識することを特徴とするエンジン駆動モータ制御装置。
  6. 【請求項6】請求項5において、クランク軸およびカム
    軸の位置センサによる認識に先立って、クランク軸の停
    止位置と認識したクランク軸の認識位置が実際のクラン
    ク軸認識位置と異なったときその差異に基づいて、燃料
    量を補正することを特徴とするエンジン駆動モータ制御
    装置。
  7. 【請求項7】請求項5において、クランク軸およびカム
    軸の位置センサによる認識に先立って、クランク軸の停
    止位置と認識したクランク軸の認識位置として制御を行
    っているときは、点火を行わないことを特徴とするエン
    ジン駆動モータ制御装置。
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