JP2000156060A - 情報記録媒体用カ―トリッジ - Google Patents

情報記録媒体用カ―トリッジ

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JP2000156060A
JP2000156060A JP11255043A JP25504399A JP2000156060A JP 2000156060 A JP2000156060 A JP 2000156060A JP 11255043 A JP11255043 A JP 11255043A JP 25504399 A JP25504399 A JP 25504399A JP 2000156060 A JP2000156060 A JP 2000156060A
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cartridge
disk
recording
substrate
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JP11255043A
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English (en)
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Satoru Onuki
悟 大貫
Norio Ota
憲雄 太田
Katsusuke Shimazaki
勝輔 島崎
Masashi Yoshihiro
昌史 吉弘
Toshinori Sugiyama
寿紀 杉山
Takeshi Onuki
健 大貫
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Maxell Holdings Ltd
Original Assignee
Hitachi Maxell Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 カートリッジ中で回転する薄型の記録媒体の
所定位置に保持することができるカートリッジを提供す
る。 【解決手段】 カートリッジ181の内面にカートリッ
ジとディスク面との間を流れる空気流を調整する放射状
の凸部157a,bが形成されている。凸部157a,
bの整流作用により、0.85mm以下の厚みを有する
薄型基板10の面位置を一定の高さに維持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄型の記録媒体を
収容するのに好適な記録媒体カートリッジに関する。
【0002】
【従来の技術】コンパクトディスクや光磁気ディスク等
の光記録媒体を高密度化するためのひとつのアプローチ
として、光記録媒体にレーザ光ビームを絞り込む対物レ
ンズの開口数NA(Numerical Aperture)を大きくする
方法がある。しかしながら、対物レンズのNAを大きく
するとレンズの収差が大きくなり、例えば、球面収差は
NAの4乗に、コマ収差はNAの3乗に、非点収差はN
Aの2乗にそれぞれ比例する(尾上守夫監修の「光ディ
スク技術」、ラジオ技術社、第61〜63頁参照)。そ
のため、光記録媒体用の再生装置または記録再生装置に
おいては、一般に、NA=0.5〜0.55の対物レン
ズが用いられてきた。一方、光記録媒体の基板の厚みを
薄くすることによりNAを大きくできることが知られて
おり(T.SUGAYAらのISOM/ODS’93
Digest 第164〜165頁参照)、薄型基板を
用いる方式として、例えば、デジタルビデオディスク規
格の1つとして0.6mm厚の基板を2枚張り合わせた
方式が提案されている。しかしながら、かかる2枚張り
合わせ方式の光記録媒体に、記録方式として現在最も一
般的な光磁気記録方式を用いた場合、特開平1−292
603等に記載された光磁界変調記録やMD等で実用化
されている磁界変調オーバーライト方式が適用できず、
記録時の実効転送レートの高速化の妨げとなる。また、
2枚張り合わせ方式の基板は生産性が低い。このため、
単枚方式で且つ薄い板厚の光記録媒体用の基板が望まれ
る。
【0003】現在、光ディスクに使用されている基板の
厚みは、1.2mm程度であるが、上記のように記録密
度を向上するために基板の厚みを薄くすると、基板の剛
性が低下する。このため、光ディスク等の記録媒体をド
ライブで回転駆動したときに、特に上下振れ(面振れ)
や傾き角を悪化させ、安定な状態で記録媒体を記録再生
することが困難になる。
【0004】一方、磁気ディスクを記録または再生する
際に、磁気ヘッドを磁気ディスクに対して数十nmの間
隔で位置付けている。このため、磁気ディスクの回転時
に面振れをできるかぎり小さくする必要がある。近年、
光ディスクと同様に量産性に優れたプラスチック基板を
用いた磁気ディスクが考案されているが、かかる基板は
アルミ等の金属基板に比べて剛性は低いため、基板の板
厚を薄くした場合に上記のような面振の問題がさらに深
刻化する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】光記録媒体や磁気記録
媒体の基板の薄型化に伴って、記録媒体用のカートリッ
ジを薄型化する要求も高まっている。従来の光磁気ディ
スクカートリッジの断面構造を図17に示す。光磁気デ
ィスク103の記録または再生中は、カートリッジ10
1の内壁と光磁気ディスク103の表面は、充分な空隙
が確保されており、光磁気ディスク103はカートリッ
ジ101の内壁に対して非接触の状態で回転している。
薄型のカートリッジを作製するには、カートリッジの内
壁とディスク基板との空隙をより狭くする必要がある。
しかし、前述のように基板の薄型化すると、基板の剛性
の低下や成型の困難性により基板が変形し易くなり、デ
ィスクとカートリッジの内壁が接触して、定常な回転が
できなくなる可能性がある。ディスクとカートリッジ内
壁との接触が生じると、情報記録領域に傷を発生させ、
正常な記録再生ができなくなるという問題もある。
【0006】前述のように光記録媒体やプラスチック基
板を用いた磁気記録媒体の基板が薄型化されると、基板
成型時の熱応力やその上に形成される金属薄膜からの応
力により基板が変形し、媒体の回転駆動時に面振れが生
じやすくなる。かかる面振が生じた場合でも、良好な記
録再生を確保するために、駆動装置には、光ヘッドを媒
体の情報記録面に対して一定の間隔で維持させるための
自動焦点制御機構が装備されている。かかる自動焦点機
構では、媒体表面からの反射光等の信号強度が一定にな
るように光ヘッドの位置が制御される。しかしこのよう
な自動焦点機構にも対応限度があるため、例えば、面振
がある範囲を超えると記録再生を行う際の誤りが非常に
多くなってしまう。このため、自動焦点機構を正常に動
作させるためにも、記録媒体の情報記録面が駆動装置の
基準位置に対して一定の範囲内に位置するように記録媒
体を回転駆動させることが必要となる。
【0007】本発明の第1の目的は、薄型であるにもか
かわらず剛性が高く、高密度記録に適した記録媒体用基
板及びそれを用いた光記録媒体及び磁気記録媒体等の記
録媒体を提供することにある。
【0008】本発明の第2の目的は、薄型の記録媒体の
再生に好適な再生装置及び記録再生装置を提供すること
にある。
【0009】本発明の第3の目的は、回転中の薄型の記
録媒体の面を所定の位置に保持する機能を備えた、薄型
の記録媒体に好適なカートリッジを提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の態様に従
えば、記録媒体に使用される円板状基板において、上記
記録媒体の記録領域に相当する部分と該記録領域より外
側めの領域に相当する部分とでは互いに基板の厚さが異
なることを特徴とする記録媒体用基板が提供される。本
発明の記録媒体用基板では、記録媒体の記録領域に相当
する部分の基板厚みを該記録領域より外側の領域に相当
する部分の基板厚みと異なるようにしたので、高密度化
のために記録領域の基板厚みを、例えば0.85mm以
下のような薄さにしても基板全体の剛性を維持すること
ができる。上記記録媒体用基板において、記録媒体の記
録領域に相当する部分と、該記録領域より外側の領域に
相当する部分と、該記録領域より内側の領域に相当する
部分とでは、互いに基板の厚さが異なるようにすること
ができる。
【0011】本発明の第2の態様に従えば、記録媒体に
使用される円板状基板において、上記記録媒体の記録領
域に相当する部分が、該記録領域より内側の領域に相当
する部分よりも基板の厚さが厚いことを特徴とする記録
媒体用基板が提供される。この記録媒体用基板もまた第
1の態様と同様に、高密度化のために記録領域の基板厚
みを0.85mm以下に薄くしても基板全体の剛性を維
持することができる。
【0012】本発明の第3の態様に従えば、記録媒体に
使用される円板状基板において、上記基板面上の少なく
とも一部に、基板のヤング率以上のヤング率を有する補
強部材を固着してなることを特徴とする記録媒体用基板
が提供される。本発明では補強部材を基板上に設けるこ
とにより高密度記録化のための薄型基板の剛性を維持す
ることができる。補強部材は、基板内周部または外周部
の記録領域以外の領域に相当する部分に固着することが
できる。
【0013】本発明では本発明の第1、第2または第3
の態様に従う基板を用いて製造された高密度記録に好適
な記録媒体が提供される。記録媒体としては光記録媒体
またはプラスチック基板を用いた磁気記録媒体が好適で
ある。
【0014】本発明の第4の態様に従えば、光ビームを
光記録媒体に照射し、該光記録媒体からの反射光の変化
を光量変化として検出する光記録媒体用の再生装置にお
いて、上記光記録媒体を挟んで対向し且つ該光記録媒体
の上下面に対して回転中に同一幅のエアギャプを形成す
るエアギャプ形成部材を備えることを特徴とする光記録
媒体用再生装置が提供される。本発明の再生装置は、後
述する図6に示したように、対向するエアギャプ形成部
材としてのスライダ66a,66b,66c,66dを
ディスク61を挟んで記録再生用ヘッド65,67近傍
に設ける。スライダはディスク(光記録媒体)61の上
面及び下面(いずれも設計位置)との間に同一幅のエア
ギャプ68a,68b,68c,68dを形成するよう
に配置する。ディスク61を回転させたときにディスク
面の位置が設計位置からずれていると、エアギャプ68
a(68c)とエアギャプ68b(68d)の空気圧が
等しくなるように、ディスク上面または下面に揚力が発
生し、かかる揚力によりディスク61は強制的にスライ
ダ66aとスライダ66b(及びスライダ66cとスラ
イダ66d)間の中間位置に拘束させれる。これによ
り、記録再生時のディスク面位置の上下変動を抑制で
き、記録再生を確実に行えるとともに、フォーカスサー
ボの安定度を増すことができる。さらに、光磁気ディス
クを記録する場合には、記録磁界強度のばらつきを低減
することができる。
【0015】本発明の光記録媒体の再生装置において、
エアギャップ形成部材が、上記光記録媒体を挟んで対向
する一対のスライダであり、該一対のスライダ部材が上
記再生装置の光ヘッド及び磁気ヘッドにそれぞれ固着さ
れていることが好ましい。さらに、上記エアギャップが
0.5mm以下となるようにエアギャップ形成部材が光
記録媒体に対して配置していることが好ましい。本発明
の再生装置は、再生専用の光記録媒体、例えば、光ディ
スク用の再生装置のみならず、追記型又は書換え型光記
録媒体、例えば、光磁気ディスク用等の記録機能を備え
た記録再生装置をも含む概念である。
【0016】本発明の第5の態様に従えば、少なくとも
信号記録領域内での基板厚みが0.85mm以下の円板
状記録媒体が収容されている記録媒体カートリッジにお
いて、回転中の円板状記録媒体の外周部の上下面を支持
する支持手段を有する記録媒体カートリッジが提供され
る。本発明のカートリッジは、基板厚みが0.85mm
以下の薄型記録媒体面の回転時の面振れを抑制して記録
媒体の面位置を安定化するために、記録媒体の外周部の
上下面を支持する支持手段を備える。支持手段として、
媒体外周部を記録媒体の回転に伴って回動可能なローラ
部材または回転中の円板状記録媒体の外周部の上下面を
摺動する摺動部材にすることができる。本発明のカート
リッジは、ローラ状部材または摺動部材と媒体との接触
等により生じた塵等を回収するための集塵手段をさらに
有することが好ましい。
【0017】本発明の第6の態様に従えば、円板状記録
媒体が収容されている記録媒体カートリッジにおいて、
上記カ−トリッジ内面に、記録媒体回転時の空気の流れ
を調整するための凸部及び凹部の少なくとも一方がカー
トリッジ内面の上面と下面とにそれぞれ対称に形成され
ていることを特徴とする記録媒体カートリッジが提供さ
れる。本発明のカートリッジは、記録媒体回転時の空気
の流れを調整するための凸部または凹部がカートリッジ
内面に対称に形成されている。この凸部または凹部は、
凸部または凹部と記録媒体表面との空間を流れる空気流
の流速を変化させ、この流速変化はその空間における圧
力変動をもたらす。記録媒体の信号記録面は、その変動
した空気圧がディスクの上下面において均等になるよう
にディスク上方または下方から力を受け、それによって
信号記録面は一定の位置(高さ方向位置)に維持され
る。特に透明基板に対し、非接触で且つ遠隔的にレ−ザ
光束を集光し、記録媒体に記録再生を行う光記録再生方
式においては、そのオートフォーカス機能を有効範囲で
実行させるために、本発明の空気流によるディスクの信
号記録面を一定の位置に保持させる手法が有効である。
前記凸部とカートリッジ内面との間隔は0.8mm以下
が好ましく、より好ましくは0.6mm以下である。
【0018】本発明のカートリッジにおいて、上記凸部
及び凹部のすくなくとも一方が、カートリッジ内面にお
いて、カートリッジ内に収容された記録媒体の中心から
放射状に形成されていることが好ましい。
【0019】また、本発明のカートリッジは、カートリ
ッジに信号記録または再生用のヘッドがアクセスするた
めのウインドウが形成され、上記ウインドウの記録媒体
の少なくとも入口側に、上記凸部がカートリッジ内側の
上面及び下面に互いに対称に形成されていることが好ま
しい。かかる構造を有することにより、カートリッジ内
側の上面に形成された凸部と記録媒体の上面と間の空気
圧とカートリッジ内側の下面に形成された凸部と記録媒
体の下面と間の空気圧とが等しくなるように、記録再生
領域は、ヘッドによって記録再生される前に、二つの凸
部間の中間位置に位置づけられる。
【0020】本発明の第7の態様に従えば、少なくとも
信号記録領域内での基板厚みが0.85mm以下の円板
状記録媒体が収容されている記録媒体カートリッジにお
いて、前記記録媒体の上面とカートリッジの内側上面の
間隔が記録媒体の下面とカートリッジの内側下面の間隔
と記録媒体半径方向に渡って等しく、且つ該記録媒体の
上面とカートリッジの内側上面の間隔及び該記録媒体の
下面とカートリッジの内側下面の間隔が、記録媒体の内
周側より外周側の方が小さいことを特徴とする記録媒体
のカ−トリッジが提供される。本発明のカートリッジ
は、第6の態様のカートリッジと同様に、上記記録媒体
回転時の記録媒体の上方及び下方の空気の流れを等価に
整流して、特に記録媒体外周部の面位置を一定位置に保
持させることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面を参
照しながら説明するが、本発明はそれらに限定されな
い。
【0022】第1実施例 この実施例では、本発明の第1の目的を達成するための
光記録媒体及び磁気記録媒体用の基板及びそれを用いた
光記録媒体及び磁気記録媒体の具体例について説明す
る。
【0023】実施例1−1 図1は、本発明に従う光ディスクの概観図である。この
光ディスク1の外径及び内径はそれぞれ120mm及び
15mmである。光ディスク1は情報の記録再生が行わ
れない部分、すなわち、リードイン2の内側領域16
(クランピングエリア)及びリードアウト4の外側領域
12の基板厚さが1.2mmであり、リードイン2及び
リードアウト4並びにそれらに挟まれたプログラム領域
14の基板厚さは0.6mmである。リードイン2から
内側領域16へ接続する部分、すなわち、内側領域16
の側壁部は、良好な形状、光学特性及び機械特性のプラ
スチック基板を射出成形により容易に製造できるよう約
20゜で傾斜している。同様の理由から、リードアウト
4から外側領域12へ接続する部分、すなわち、外側領
域16の側壁部も約20°で傾斜している。この傾斜角
は45°以下であることが好ましい。図1に示したよう
に、本発明の光記録媒体は、記録再生が行われる領域を
薄くすることによって高密度記録化に対応することがで
きるとともに、記録再生が行われない少なくとも外周部
の厚さを記録再生が行われる領域の厚さより厚く(また
は薄く)することによって薄型の光記録媒体の剛性を高
くすることができる。図1に示した光ディスクは、例え
ば、ポリカーボネート樹脂を、プリフォートマットパタ
ーンが形成されたスタンパを装着した金型中で、図1に
示したような形状に射出成形し、得られたポリカーボネ
ート基板上に金属反射膜及び保護層を順次積層すること
によって製造することができる。
【0024】図2Aに図1の光ディスク1の製造に用い
たポリカーボネート基板10の断面図を示す。図2Aの
断面図は、内側領域16aと外側領域12aの位置及び
それらの領域と記録再生が行われる領域14aの厚さの
差を明瞭にするために誇張して示してある。
【0025】図2B〜図2Gに本発明の光記録媒体用基
板の断面構造の変形例を示す。図2Bは、図2Aの場合
に比べて、外側領域12bの厚さのみが内側領域16b
及び記録再生領域14bの厚さよりも大きい場合を示
し、外側領域12bの厚さが1.2mmであり、記録再
生が行われる領域14b及び内側領域16bの厚さが
0.6mmである。図2Cは、内側領域16cの厚さが
外側領域12c及び記録再生領域14cの領域の厚さよ
りも小さい場合を示し、内側領域16bの厚さが0.3
mmであり、記録再生が行われる領域14b及び外側領
域12bの厚さが0.6mmである。図2Dは、外側領
域12dの厚さが内側領域16d及び記録領域14dの
厚さよりも小さい場合を示し、外側領域12dの厚さが
0.3mmであり、記録再生が行われる領域14d及び
内側領域16dの厚さが0.6mmである。図2Eは、
外側領域12e及び内側領域16eの厚さが記録再生領
域14eの厚さよりも小さい場合を示し、外側領域12
e及び内側領域12eの厚さが0.3mmであり、記録
再生領域14eの厚さが0.6mmである。
【0026】図2Fは、外側領域12f、内側領域16
f及び記録再生領域14fの厚さがそれぞれ異なる場合
を示し、外側領域12fの厚さが1.2mm、内側領域
12fの厚さが0.3mm、記録再生領域14fの厚さ
が0.6mmである。図2Gは、外側領域12g、内側
領域16g及び記録再生領域14gの厚さがそれぞれ異
なる場合を示し、外側領域12gの厚さが0.3mm、
内側領域12gの厚さが1.2mm、記録再生領域14
gの厚さが0.6mmである。
【0027】図2Hは、従来の光ディスクの断面構造を
示し、ディスクの厚みが1.2mmの均一な場合を示
す。図2A〜図2Gにおいて、各領域間の段差部におけ
る傾斜角は図1及び2Aの場合と同様に20°である。
図2A〜図2Gに示した断面構造を有する基板は、ポリ
カーボネート等の樹脂をそれらの断面構造に対応する形
状の金型を用いて射出成型することにより容易に製造す
ることができる。なお、図2A〜図2Gに示した基板の
上面、下面のいずれの面が信号面を構成してもよく、射
出成型の際に、スタンパを用いて所望の面にプリフォー
マットパターンのピット群を形成させることができる。
【0028】次に、図2A,図2B及び図2Cに示した
断面構造を有する基板について、ドライブ上での回転時
における面振れ量を測定した。面振れ量は、光ディスク
機械特性測定装置(小野測器製LM−1200)を用い
て、光ディスクが回転速度1800rpm にて一回転する
間(0°〜360°)のディスク面の上下位置の変動を
調べた。結果を図3に示す。図中、曲線A,B,Cは図
A,図2B及び図2Cに示した基板の測定結果を示し、
曲線Pは、図2Hの従来の基板の結果を示す。図3より
本発明の基板は著しく面振れ量が小さいことがわかる。
図2A〜図2Gに示した本発明に従う光ディスク用基板
は記録再生領域の厚みが0.6mmと薄くても、他の領
域の厚みが異なるために、基板全面で厚みが均一な従来
の基板に比べて基板の剛性を向上させることができる。
従って、本発明の記録媒体用基板を用いて製造した光記
録媒体及び磁気記録媒体は、ディスク回転時の基板の変
形を低減させ、それによって良好な記録再生を行うこと
ができる。基板の剛性を高めるために、特に、図2A,
2B及び2Gに示した構造が好ましい。
【0029】実施例1−2 図4A〜図4Hに、本発明に従う記録媒体用基板の別の
断面構造を示す。図2A〜2Gでは、光ディスクの上面
の外側領域12、記録再生領域14、及び内側領域16
の少なくとも一つの領域の高さを調整することによって
厚みを変更したが、図4A〜図4Hに示したように、光
ディスクの上面と下面が対称になるように各領域の厚み
を変更することができる。このような構造を採用する場
合も、実施例1−1の場合と同様に薄型基板の所定のレ
ベルの剛性を維持することができる。
【0030】実施例1−3 図5Aに本発明の記録媒体用の基板の別の構成例を示
す。この基板50は、厚み0.6mm、直径120mm
の平坦な光ディスク用ポリカーボネート基板の上面の外
側領域12に基板54と同心状の環状の剛性補強部材5
2aが接着剤等により固着されてなる。剛性補強部材5
2aの厚みは、剛性補強部材52aを装着した部分のデ
ィスクの全厚みが1.2mm程度になるように調整する
ことができる。剛性補強部材のディスク内側の側壁は実
施例1−1の光ディスク用基板と同様に45°以下の傾
斜にすることが好ましい。剛性補強板の材料としては、
ポリカーボネートのような基板と同一の材料、アルミニ
ウム、鉄、酸化アルミニウム、酸化シリコン、酸化チタ
ン、窒化シリコン、窒化チタン、炭化シリコンなどが適
当である。剛性を一層高めるために、基板の材料よりも
ヤング率が高い材料を用いるのが好ましい。
【0031】図5B〜図5Gに図5Aの基板の変形例を
示す。図5Bでは、光ディスク用基板54の上面の内側
領域16に基板54と同心状の環状の剛性補強部材52
bが接着剤等により固着されている。図5Cでは、光デ
ィスク用基板54の上面の外側領域12及び内側領域1
6に基板54と同心状の環状の剛性補強部材52c及び
52c’がそれぞれ接着剤等により固着されている。図
5Dでは、光ディスク用基板54の上面及び下面の外側
領域12に基板54と同心状の環状の剛性補強部材52
d及び52d’がそれぞれ接着剤等により固着されてい
る。図5Eでは、光ディスク用基板54の上面及び下面
の内側領域16に基板54と同心状の環状の剛性補強部
材52eがそれぞれ接着剤等により固着されている。図
5Fでは、光ディスク用基板54の上面及び下面の外側
領域12及び内側領域16に基板54と同心状の環状の
剛性補強部材52f及び52f’がそれぞれ接着剤等に
より固着されている。
【0032】図5Gは、図5Bの基板の最外周部が振動
吸収材56で構成されている基板の例を示す。振動吸収
材としては、例えば、ウレタン、シリコーン樹脂、塩化
ビニール、ブチルゴムなどのゴム材、各種高分子材料等
の弾性部材から構成することができる。図5Gに示した
基板構造は、後述する実施例3のカートリッジに収容す
る記録媒体に有効である。また、振動吸収材は図5A〜
Fの各図に用いた剛性補強部材52や内側領域16等に
種々の形状及び配置で貼り付けることにより、種々の振
動モードに対して防振性を発起させることが可能であ
る。また、基板の形状として図2、図4の各図のものを
選択して振動吸収材の弾性係数・形状との組合せにより
最適な構成を得ることができる。
【0033】図5B〜図5Gにおいて、補強部材52の
材料及び基板54の材料及び厚みは図5Aの場合と同様
である。
【0034】図5A〜図5Gに示したように、記録及び
再生が行われる領域以外の領域に剛性補強部材52を固
着したことにより、基板54の剛性を向上することがで
きる。図5A〜図5Gに示した基板について、実施例1
−1で行ったのと同様の方法により、基板回転時の面振
れ量を測定した。0.6mm厚の従来型の平坦な基板と
比較したところ、図5A〜図5Gの基板は面振が抑制さ
れていることがわかった。従って、かかる基板から製造
した光ディスクや光磁気記録媒体等の光記録媒体をドラ
イブに装着して回転駆動した場合に、ディスク面の面振
を低下させることができる。
【0035】実施例1−1〜1−3に示した基板を用い
て、光記録媒体の種類に応じて通常行われている方法を
用いて、種々の光記録媒体を製造することができる。例
えば、CDなどの光ディスクの場合には、実施例で製造
した基板上に反射層及び保護層を塗布することによって
製造することができる。また、光磁気ディスクの場合に
は、実施例で製造した基板上にエンハンス層、記録層、
中間層、金属層等をスパッタリングなどにより種々の順
序で積層することで製造することができる。
【0036】実施例1−1〜1−3においては、光ディ
スク及び光ディスク用基板を例にして説明してきたが、
本発明は、プラスチック基板を用いた磁気ディスクにも
適用することができる。例えば、特開平2−21801
0号に記載されたようなエンボスタイプのプラスチック
基板を用いた磁気ディスクに適用することが特に有効で
ある。磁気ディスク用のプラスチック基板の寸法として
は、例えば、外径95mm、内径25mm、厚み1.2
mmにすることができる。基板材料は、特に限定されな
いが、例えば、非晶質ポリオレフィン等の材料を用いる
ことができる。本発明をプラスチック基板を用いた磁気
ディスクに適用することにより、磁気ディスクの回転時
に起こる面振れを防止し、良好な記録及び再生を確保す
ることができる。
【0037】第2実施例 この実施例では、本発明の第2の目的を達成するため
の、薄型の記録媒体の再生(または記録及び再生)に好
適な再生装置の具体例について説明する。本発明のエア
ギャップ形成部材を用いた再生装置の原理を図6を用い
て説明する。図6は本発明の光記録媒体用の再生装置を
光磁気ディスク記録再生装置に適用した場合の光ヘッド
近傍部分を概念的に示した図である。この光磁気ディス
ク記録再生装置は、通常の光磁気ディスク記録再生装置
と同様に、記録再生時に光磁気ディスク61の上面側及
び下面側に、それぞれ、磁気ヘッド65及び光ヘッド6
7が位置するような構造を有する。光ヘッド67にはオ
ートフォーカス用のアクチュエータ64が内蔵されてお
り、永久磁石63a,63bを用いて対物レンズ62を
光磁気ディスク61面に対して近接または離隔させるこ
とができる。
【0038】本発明の記録媒体用の再生装置は、図示し
たディスク移動方向に対して磁気ヘッド65及び光ヘッ
ド67の前方側と後方側に、それぞれ、ディスク61を
挟むように対向する二組のスライダ部材66a,66b
及び66c,66dが配置されている。スライダ部材6
6a,66b及び66c,66dは、各々、図示したよ
うに直方体部材をその対向する角部が異なる傾斜または
曲率を持つような形状に加工されている。スライダ部材
66a,66b及び66c,66dを図6に示したよう
に光磁気ディスク61を挟んで上下対称に配置させるこ
とにより、ディスク回転時に、スライダ部材66a,6
6b,66c,66dと光磁気ディスクの上下面との間
に同一間隔のエアギャップ68a,68b,68c,6
8dを形成することができる。スライダ部材66a及び
66b(スライダ部材66c及び66d)により挟まれ
た空間のうち、ディスク入口側(ディスク移動方向の前
方側の空間)はディスク出口(ディスク移動方向の後方
側の空間)よりも広い間隔でエアギャップを形成してい
る。
【0039】光磁気ディスク61が図示した方向に高速
移動(回転)すると、光磁気ディスク61のトラックの
接線方向の空気の流れがエアギャップ68a,68bに
入り込む。この際、ディスク入口と出口の中間付近では
エアギャップの幅が狭くなるために、各エアギャプ内に
入り込んだ空気の圧力が上がる。この際、ディスク面が
ディスクの成型時や回転時の変形等により設計位置(ス
ライダ部材66aと66bbの中間位置)からずれてい
ると、エアギャップ68aとエアギャップ68b内の空
気圧が異なるために、それらのエアギャップの空気圧を
等しくするようにディスク上下面に力(揚力)が作用す
る。かかる揚力によりディスク面を前記設計位置に位置
付けることができる。従って、ディスクが薄型になって
も回転時にその面位置をエアギャップ形成部材により自
動的に保持することができ、薄型ディスクのディスク面
がカートリッジ内壁と接触することが防止される。スラ
イダ66c及び66d間においても同様の原理に従い、
ディスク61は回転時にスライダ部材66cと66dの
中間位置に自動的に位置づけられる。
【0040】スライダ部材の位置は、対向するスライダ
部材の中間位置がディスクを回転するスピンドルの高さ
から所定距離を隔てた位置、すなわち、ディスク設置基
準高さにディスクの厚みの半分の長さを加えた位置にな
るように設計するのが好ましい。スライダ部材は、後述
する具体例のように、磁気ヘッド65及び光ヘッド67
に固着させることによって所定位置に配置することがで
きる。光磁気ディスク61として基板厚みが0.6mm
のものを用いる場合、各スライダ部材とディスク面で形
成されるエアギャップ68a,68b,68c,68d
の最も狭い間隔が0.1mmになるように設定した。
【0041】実施例2−1 図7及び図8に、図6に示したスライダ部材66a,6
6b,66c,66dの光磁気ディスク再生装置への取
付け例を示す。図7は、ディスク61の下面側にエアギ
ャップ68b,68dを形成するスライダ部材を66
b,66dを、光ヘッド67の支持体70上に設置した
光ヘッド67の斜視図である。スライダ部材66b,6
6dは、長さ3cm、幅8mm、高さ8mmのセラミッ
ク部材を図6に示したような断面形状になるように加工
して作製した。スライダ部材66b,66dをアクチュ
ータ64を挟んで、互いに平行になるよう対物レンズ6
2の中心からそれぞれ2cm離れた位置に配置した。
【0042】図8は、ディスク61の上面側にエアギャ
ップ68a,68cを形成するスライダ部材66a,6
6cを磁気ヘッド65の支持体69上に設置した磁気ヘ
ッド67の斜視図である。スライダ部材66a,66c
は、磁気ヘッド65を挟んで磁気ヘッド65の中心から
それぞれ2cm離れた位置に互いに平行になるように配
置した。スライダ部材66a,66cはスライダ部材6
6b,66dと同一の寸法及び形状を有するセラミック
製の部材である。図7に示したスライダ部材66b及び
66dを装着した光ヘッド67と、図8に示したスライ
ダ部材66a及び66cを装着した磁気ヘッド67と
を、ディスク上下面上に0.1mmのエアギャップをそ
れぞれ形成するように光磁気ディスク記録再生装置に組
み込んだ。磁気ヘッド67自体は、ディスク着脱時には
上方に退避できるようにアクチュエータ(図示しない)
により可動式にした。基板厚さ0.6mmの光磁気ディ
スクをこの光磁気ディスク記録再生装置に装着し、例え
ば、回転数3600rpmで光磁気ディスクを駆動させ
てデータを記録再生することができる。これによりフォ
ーカスサーボの安定度を増すことができる。
【0043】実施例2−2 この例では、スライダ部材66a,66b,66c,6
6dを光ヘッド67及び磁気ヘッド65に固着せずに、
光磁気ディスク記録再生装置の本体のヘッドをアクセス
させるためのリニアアクチュエータの固定部に装着した
例を示す。図9に示したように、スライダ部材66a,
66b,66c,66dを、光磁気ディスク61の最外
周部を挟むような位置に配置する。そして、スピンドル
(図示しない)の高さを基準とする所定位置、すなわ
ち、(光磁気ディスク61の記録再生装置上での設置高
さ)+(光磁気ディスク61の厚さ×0.5)の高さ
(位置)に対して、それぞれ、その上下方向に0.1m
mのエアギャップが形成されるようにスライダ部材66
a,66b,66c,66dを位置付けた。スライダ部
材66a,66b,66c,66dの上面(ディスクに
面する面と対向する面)にローディングモータまたは電
磁式のアクチュエータに接続することにより、それらの
スライダ部材を、ディスク着脱時に上下方向に退避させ
ることができる。ディスク回転後には、ローディングモ
ータ等により各スライダ部材を、ディスク上下面上に
0.1mmのギャップを与える距離までディスクに近づ
けることができる。実施例2−1の場合と同様に、エア
ギャップによりディスクの面がスライダ部材の中間位置
に位置づけられるので、ディスク自体に成型時の歪み等
の変形があっても記録再生時には矯正され、すなわち回
転しているディスクの上下変動が抑制される。従って、
薄型の記録媒体であっても記録再生を確実に行うことが
でき、さらにフォーカスサーボの安定度を増すこともで
きる。
【0044】上記実施例では、光記録媒体として光磁気
ディスク及びその記録再生装置を例に挙げて説明した
が、それに限らずCD、CD−R、DVD、MD等の種
々の光記録媒体に適用できる。また、実施例で説明した
スライダ部材の材料、形状、配置等は、それらの具体例
に限定されず、前記原理説明に従うエアギャップ形成部
材の作用効果を奏するものであれば、いずれの部材も任
意の位置で使用することができる。
【0045】第3実施例 この実施例では基板厚みが0.85mm以下の薄型の記
録媒体を収容した記録媒体カートリッジの具体例につい
て図10〜図17を参照して説明する。
【0046】実施例3−1 図10は、本発明のカートリッジを光磁気ディスクカー
トリッジに適用した場合のカートリッジの概略構成を示
す。光磁気ディスクカートリッジ100は、アッパーシ
ェル101a及びローアシェル101bから構成された
カートリッジ本体101と、その内部に収容される光磁
気ディスク103と、アッパーシェル101aのシャッ
ターウインドウ106を開閉するシャッター108から
主に構成されている。光磁気ディスク103としては、
基板厚み0.6mm、外径120mmの薄型ディスクが
使用されている。
【0047】回転中の光磁気ディスク103の外周部の
上下面を支持することによって薄型ディスクの変形の抑
制するため、後述するローラ部材105a、105bが
カートリッジ本体101内のシャッターウインドウ10
6の両側に配置されている。記録再生用の光磁気ヘッド
(図示せず)がシャッターウインドウ106の領域内に
接近することからすれば、ディスク103上の記録また
は再生が行われ部分の位置変動を抑制するために、ロー
ラ部材105a、105bは光磁気ヘッドの設置位置近
傍、すなわち、シャッターウインド106の近傍に配置
するのが望ましい。また、カートリッジ本体101内に
は、ローラ部材105a,105bと光磁気ディスク1
03との接触で磨耗粉が発生した場合にそれを拭き取る
ライナー120aがディスク中心に対してローラ部材1
05bと対向する側に設置されている。このライナー1
20a,120b(図12参照)はディスク103の回
転によりディスク面上を摺動し、回転中の光磁気ディス
クの外周部の上下面を支持する手段としても機能する。
ライナー120aの構造及びディスク103との配置関
係は図12において後述する。
【0048】図11に、図10に示したカートリッジ1
00をディスク中心とローラ部材105aの中心とを結
ぶ線で破断した場合のカートリッジ断面図を示す。カー
トリッジ本体101内で、ディスク103はクランプリ
ングプレート104によって回転支持される。ディスク
103は、回転駆動の際に、光磁気ディスク再生装置の
スピンドル114に吸着されモータ軸109の回転によ
って駆動される。ローラ部材105aは、円筒状ローラ
であり、ローラの中心に回転軸107が埋設されてい
る。ローラの中央外周部に溝部111が形成されてい
る。ローラ溝部111はディスク103の最外周部と係
合することによって、すなわちローラ溝部111により
ディスク103の上下面が支持されることによって、デ
ィスク103の面の高さ方向(回転軸方向)の位置上下
変動を抑制することができる。本実施例ではディスク厚
み0.6mmに対して、ローラ部材105aの溝幅は
0.7mmとした。溝幅は、ディスク105の円滑な回
転を確保するため、ディスク厚みに対して0.05〜
0.15mm広くすることが望ましい。また、カートリ
ッジ本体101内でのディスク103の偏心をある程
度、例えば、約100μm許容させるために、溝111
の底部(深さ)はカートリッジ本体101中のディスク
の最外周の設計位置よりも外側に位置するように構成す
ることができる。ローラ回転軸107は、その端部が、
それぞれ、カートリッジ本体101のアッパーシェル1
01a及びローアシェル101bの内側に形成された孔
112a,112bに回動可能に支持されている。
【0049】ローラ部材105aの材料としては、ディ
スク103との接触により生じる磨耗および摩擦力を低
くするため、滑性および耐磨耗性に優れたものが好まし
く、例えばポリアセタール、ポリプロピレン、フッ素系
樹脂等が好ましい。ローラ部材103bは、ローラ部材
103aと同一の構造であり、同一材料から構成されて
いる。図10では、カートリッジ本体101内にローラ
部材を二つ設けたが、ローラ部材103a,bと同一の
ローラ部材を3つ以上ディスク外周部に設置することも
できる。
【0050】図12に、図10のディスク103の回転
中心とライナー120の中心を結ぶ線でカートリッジ本
体101を破断したカートリッジの部分断面図を示す。
ライナー120a及び120bは、それぞれ、カートリ
ッジ本体101のアッパーシェル101a及びローアシ
ェル101bの内側に形成されたライナ支持部123a
及び123b上に固着されている。ライナ120a及び
120bはディスク最外周部を挟み込むように設置され
ている。ライナ120a及び120bは、ローラ部材1
05a,105bとディスク103との接触で磨耗粉が
ディスク上下面に発生した場合、それを拭き取る。ライ
ナー120a及び120bの材料は、フェルトおよびフ
ロッピーディスクのライナーとして用いられているいず
れの材料も使用することができ、例えば不織布が望まし
い。
【0051】図10のカートリッジ本体101内に設け
られた集塵室130について図13を用いて説明する。
集塵室130はカートリッジ本体101の一角に形成さ
れた部屋であり、ディスク103の最外周の延長上に入
口134が設けられている。集塵室130の入り口13
4は、集塵室130に収集された塵等が再びそこから飛
散してディスク103に付着するのを防止するため、ク
サビ状の形状を成している。また集塵室130の内壁の
一部には、例えば、シリコン系の粘着材132が塗布さ
れており、粘着材132は集塵室130に進入した塵等
を粘着する。
【0052】ディスク103とローラ部材105a,b
の接触による静電気の発生を防止するために少なくとも
ディスク表面は静電気防止コーティングを施すことが望
ましい。一層好ましくはカートリッジ内壁およびライナ
ー120a,bに静電気防止材を塗布することが望まし
い。静電気防止材を混入した樹脂でカートリッジを成型
することも有効である。
【0053】実施例3−2 図14に、図10〜図13に示したカートリッジ本体1
01において異なるタイプのローラ部材を用いた例を示
す。図14は、図10に示したカートリッジ100を図
11と同様の位置で切断した断面図を示す。この例で
は、ディスク103の最外周部は、ディスク103の上
面及び下面にそれぞれ接触する一対のローラ部材140
a,140bにより係合される。ローラ部材140a,
140bの形状は円筒型または樽型にすることができ
る。ローラ回転軸142a,142bはそれぞれアッパ
ーシェル101a及びローアシェル101bの内側に形
成されたローラ回転軸支持部材146により回動可能に
支持されている。ローラ部材140aとローラ部材14
0bとの間隔は図11に示したローラ部材の溝幅と同様
である。ディスク103及びその他のカートリッジの構
成は実施例3−1と同様である。
【0054】実施例3−3 図15に、図10〜図13に示したカートリッジ100
においてローラ部材の代わりに摺動部材150a,15
0bを用いた例を示す。図15は、図10に示したカー
トリッジ100を図11と同様の位置で切断した断面図
を示す。この例では、ディスク103の最外周部は、デ
ィスク103の上面及び下面にそれぞれ接触する一対の
半球形の摺動部材150a,150bにより支持され
る。この場合、ディスク103の回転を円滑にするため
に、ディスク103と摺動部材150a,150b間の
摩擦係数は0.3以下が好ましく、一層好ましくは0.
2以下である。摺動部材150a,150bの材料は、
摩擦係数を低下し且つ活性及び耐磨耗性を向上すべく、
ポリアセタール、ポリプロピレン、フッ素系樹脂等が望
ましい。また、少なくともディスク103の摺動部材と
の接触部あるいは摺動部材自身のいずれがに潤滑剤、例
えばシリコン系潤滑剤を塗布することが望ましい。摺動
部材150a,150bは、アッパーシェル101a及
びローアシェル101bに接合されたコ状の支持部材1
52の端部に対向するように装着される。摺動部材15
0aと摺動部材150bとの間の間隔は図11に示した
ローラの溝幅と同様である。ディスク103及びその他
のカートリッジの構成は実施例3−1及び実施例3−2
と同様である。この摺動部材150a,150bを用い
たカートリッジも、ディスク面の位置を保持することに
よって薄型ディスクの回転動作を安定化させ、それによ
って記録再生を確実に行わせることができる。
【0055】実施例3−1及び3−3に示したディスク
を係合するための部材を用いたカートリッジについて、
回転中のディスク面の上下振れをそれぞれ測定した。測
定は、実施例1で用いたのと同じ光ディスク機械特性測
定装置を用いた。なお、図17に示したような、ディス
クを係合するための部材を持たない従来の光磁気ディス
クカートリッジを比較例として用いた。結果を図16に
示す。図16中、実施例3−1のカートリッジの測定結
果を曲線162、実施例3−3のカートリッジの測定結
果を曲線163、従来のカートリッジの測定結果を曲線
161でそれぞれ示す。従来のカートリッジのディスク
の一周内変動(面振れの幅)が最大0.5mmであった
のに対して、実施例3−1では最大0.12mm、実施
例3−3では0.13mmに低減することができた。な
お、実施例3−2のカートリッジの結果は図示しなかっ
たが、実施例3−1とほぼ同等の曲線が得られ、最大
0.11mmの面振れ幅であった。
【0056】本発明のカートリッジは、カートリッジ内
に収容されるディスクの外径が80mm以上で且つディ
スク基板の厚みが最も薄い部分で0.85mm以下のも
のに有効であり、特に、ディスク外径100mm以上
で、ディスク基板の最小厚み0.65mm以下のものに
有効である。
【0057】実施例3では、光磁気ディスクを収容した
カートリッジについて説明したが、カートリッジに収容
されるディスクの種類は特に限定されず、CD、CD−
ROM、CD−R、相変化型光ディスク、MD、DVD
等の種々の光記録媒体に適用することができる。また、
プラスチック基板を用いた磁気ディスクにも適用するこ
とができ、例えば、リムーバブルタイプの磁気ディスク
カートリッジに有効である。カートリッジに収容させる
記録媒体の種類は特に問わず、その厚みが0.85mm
以下の薄型基板を用いた記録媒体であれば、本発明のカ
ートリッジは任意の記録媒体に適用することができる。
【0058】第4実施例 本実施例では、記録媒体を収容するカ−トリッジ内面に
凸部または凹部を設けることによってディスク回転時の
空気の流れを調整して、調整された空気流により記録再
生時のディスクの信号記録面を一定の高さ位置に付勢す
るためのカ−トリッジの具体例について説明する。
【0059】実施例4−1 図18Aは、光磁気ディスク183を収容したカートリ
ッジ181の内面にディスクの中心から放射状に凸部1
85aが設けられている光磁気ディスクカ−トリッジ1
81の平面図である。図18Aにおいて、説明の便宜
上、カートリッジ181内に収容されたディスク183
の形状及びカートリッジ(アッパーシェル)内面の凸部
185aは透視されている。図18AのA−A線でカー
トリッジ181を切断したカートリッジ断面図を図18
Bに示す。カートリッジ181はアッパーシェル181
a及び181bから構成されており、図18Aはアッパ
ーシェル181aの上方から見た平面図である。アッパ
ーシェル181aには、記録再生時に光ヘッドがディス
ク183にアクセスできるようにシャッターウインドウ
187が形成されている(シャッターは図示しない)。
カートリッジ181には直径120mm、基板の厚み
0.6mmの光磁気ディスク183が収納されている。
【0060】図18A及び18Bに示したように、カー
トリッジ181のアッパーシェル181a及び181b
の内側面には、それぞれ、ディスク中心から放射状に延
びた帯状の凸部185a及び185bがディスク183
に対して対称に形成されている。凸部185a及び18
5bは半径方向外側に向かうに従って扇形状にその幅が
広がり、凸部185a及び185bのアッパーシェル1
81a及びローアシェル181bの内面からの高さはそ
れぞれ0.5mmである。また、アッパーシェル181
aの凸部185aとディスク183の上面との間隔及び
ローアシェル181b凸部185bとディスク183の
下面との間隔はそれぞれ0.8mm以下が好ましく、さ
らに好ましくは0.6mm以下であり、この実施例では
0.5mmである。凸部185a,185bはディスク
中心から広がり角20°となるように形成されており、
ディスクの周上に45°おきに設けられている。凸部1
85a及び185bは、ディスク183の半径20mm
(クランピングプレート用開口部189の縁部)の位置
からのから半径61mmまでの位置に延在する。
【0061】凸部185a,185bをカ−トリッジ内
面に設けることにより、ディスク回転時に、ディスクの
周方向に向かって発生した空気の流れを径方向に誘導
し、ディスク外周部の圧力を上昇させ、上昇した圧力を
ディスクの上下面から均等に印加することにより、特に
変動の大きいディスク外周部の面位置を安定化させるこ
とができる。
【0062】実施例4−2 図19A及び19Bに、図18A及び18Bに示したカ
ートリッジの変形例を示す。図19A及びそのA−A断
面図である19Bに示したカートリッジ191は、実施
例4−1のカートリッジ181と同様にアッパーシェル
191a及び191bから構成されており、カートリッ
ジ191は、直径120mm、基板の厚み0.6mmの
光磁気ディスク183を収納する。このカートリッジ1
91では、凸部195a,195bがアッパーシェル1
91a及びローアシェル191bの内側面上で、ディス
クの中心から外周に向けて、ディスクの回転方向に弧1
96を描くように放射状に形成されている。凸部195
a,195bを区画する弧196は、ディスクの円周
(直径120mm)上に中心を置き、半径60mmで描
かれている。弧196の中心をディスクの円周上で1/
16周ごとに設定して総計16個の弧を描いた。弧19
6により区画された凸部の断面形状は、図19Bに示し
たように鋸刃状であり、弧196の位置で突出し、その
部分でカートリッジ内面とディスク面との間隔が最小と
なり、次の弧まで徐々にその間隔が広がる。即ち、弧1
96の位置で隣接する凸部間の段差が生じて、凸部19
5間の境界を形成している。弧の位置での突出高さは
0.5mmであり、その位置での凸部195a,195
bとディスク183の面との間隔は実施例4−1の場合
と同様に0.5mmである。かかる構造の凸部195
a,195bをカートリッジ191内面にディスク18
3に対して対称に設けることによって、ディスク183
の回転によりディスクの周方向に向かって発生した空気
の流れを径方向に誘導し、ディスク外周部の圧力を上昇
させ、上昇した圧力をディスクの上下面から均等に印加
することにより、変動の大きいディスク外周部の面位置
を安定化させることができる。
【0063】実施例4−3 図20A及び20Bに、図19A及び19Bに示したカ
ートリッジの変形例を示す。図20A及びそのA−A断
面図である20Bに示したカートリッジ201は、実施
例4−2のカートリッジ191と同様に、凸部205a
及び205bがそれぞれアッパーシェル201a及びロ
ーアシェル201bの内側面上で、ディスクの中心から
外周に向けて、ディスクの回転方向に弧を描くように放
射状に形成されている。凸部205aと凸部205bの
断面形状はディスク183に対して互いに対称である
が、図20Bに示すように、実施例4−2の場合と異な
り、描かれた弧206の部分のみが凸部を形成してい
る。
【0064】図20C,及び20Dに、図20A及び2
0Bに示したカートリッジ201と同様に、凸部がカー
トリッジのアッパーシェル及びローアシェルの内側面上
で、ディスクの中心から外周に向けてディスクの回転方
向に弧を描くように放射状に形成されているカートリッ
ジの断面構造を示す。弧の描き方は実施例4−2で説明
したのと同様であるが、弧により区画される凸部(また
は凹部)の断面形状はそれぞれ異なる。図20Cでは、
アッパーシェル201c及びローアシェル201dにお
いてディスク外周部に弧206の中心を1/16周毎に
設定するが、ディスク外周部の1/8周毎に設定した弧
の中心により描かれた弧の部分が最大高さとなり且つそ
れに隣接する弧の部分が最も低くなるように凸部202
a及び凸部202bを形成した。図20Dでは、図20
Bの場合とは対照的に、アッパーシェル201e及びロ
ーアシェル201fの内側面において弧206の部分が
凹部203a,203bを形成する場合を示す。カート
リッジ内面の凸部とディスク表面との間隔は0.8mm
以下が好ましく、一層好ましくは0.6mm以下であ
る。図20A〜図20Dに示したカートリッジにおいて
は、いずれも凸部の高さが0.5mm、ディスクと凸部
の間隔が0.5mmであった。
【0065】図20A〜Dに示した構造の凸部または凹
部をカートリッジ内面に設けることによって、ディスク
183の回転によりディスクの周方向に向かって発生し
た空気の流れを径方向に誘導し、ディスク外周部の圧力
を上昇させ、上昇した圧力をディスクの上下面から均等
に印加することにより、特に変動の大きいディスク外周
部の面位置を安定化させることができる。
【0066】実施例4−4 この実施例では、カートリッジ内に収容されたディスク
の表面とカ−トリッジの内面との間隔が、ディスク内周
部より外周部で小さいカ−トリッジの具体例を示す。
【0067】図21は、ディスク183の中心軸を通る
面で切断したカートリッジの断面図を示す。カートリッ
ジ210は、例えば、直径120mm、基板の厚さが
0.6mmの光磁気ディスクを収納する。カ−トリッジ
210を構成するアッパーシェル210a及びローアシ
ェル210bの肉厚は、ディスク半径位置において等価
であり、且つディスク183の内周側から外周側に向か
って徐々に厚くなっている。すなわち、アッパーシェル
210aの内面とディスク上面とにより円錐状の空間が
形成され、同様にローアシェル210bの内面とディス
ク下面とにより円錐状の空間が形成されている。これに
よりディスク183の外周での空気の流速が高まりディ
スク外周部の圧力を上昇させ、ディスク外周部の面位置
を安定化させることが可能である。外周部付近のディス
ク面とカ−トリッジ(アッパーシェル210a及び21
0bの内側面)との間隔をそれぞれディスクの厚さ以下
の0.5mmとした。図21に示した構造を、実施例4
−1、4−2または4−3に示したカ−トリッジ内面の
凸部(または凹部)を放射状に設けた構造と併用するこ
とで、薄型ディスクの面位置の安定化をさらに向上する
ことができる。
【0068】実施例4−5 この実施例では、光磁気ディスク等の記録媒体を収容す
るカートリッジにおいて、ディスクの表面とカ−トリッ
ジの内面との間隔がシャターウインドウ付近とその他の
領域とでは異なる構造を有するカ−トリッジの具体例に
ついて説明する。図22Aに、この構造を採用したカー
トリッジの平面図を、図22Bに図22Aの平面図のA
A線で切断したカートリッジの断面図を示す。
【0069】カートリッジ220は、光磁気ディスク1
83(図22Aに図示しない)を収容し、アッパーシェ
ル220aとローアシェル220bとを接合してなる。
アッパーシェル220aには、光磁気ディスク183を
記録または再生する際に光ヘッドがアクセスすることが
できるようにシャッターウインドウ187が形成されて
いる。シャッターウインドウ187を区画する長手方向
の対向するエッジ225,226のうち、エッジ226
からエッジ225の方向に光磁気ディスク183が回転
するものとする。図22Bの断面図に示したように、ア
ッパーシェル220aの内側面は、シャッターウインド
ウ187を区画するエッジ部225,226のうちディ
スク183の回転方向(図中矢印)の後方(ディスク面
がシャッターウインドウ187の領域からカートリッジ
に入る入口側)のエッジ部225近傍においてディスク
183に向かって突出した凸部222aが形成されてお
り、ディスク183との間に狭いエアギャップ228a
を形成している。ローアシェル220bの内側面は、ア
ッパーシェル220aの凸部222aとディスク183
に対して対称な凸部222bを形成しており、凸部22
2bとディスク183との間にエアギャップ228bを
形成している。本実施例ではディスク183の厚さ0.
6mmに対し、凸部222aとディスク183の上面と
のエアギャップ228a及び凸部222bとディスク1
83の下面との間のエアギャップ228bをそれぞれ
0.5mmとした。かかるエアギャップは本発明の効果
を奏するために、0.8mm以下、より一層好ましくは
0.6mm以下である。
【0070】アッパーシェル220aの内側面は、ディ
スク183の回転方向の前方(ディスク面がシャッター
ウインドウ187の領域を出る出口側)のエッジ部22
6では、アッパーシェル220aの内側面がディスク1
83に向かって突出した凸部221aを形成し、凸部2
21aとディスク183の上面との間隔は前記エアギャ
ップと同様の0.5mmである。かかるエアギャップは
本発明の効果を奏するために0.8mm以下、より一層
このましは0.6mm以下である。凸部221aからデ
ィスク進行方向の後方に向かうに従ってアッパーシェル
220aの肉厚は薄くなり、アッパーシェル220aの
内側面とディスク183の上面との間隔は徐々に広がっ
ている。ローアシェル220bの内側面は、アッパーシ
ェル220aの凸部221aと対称に凸部221bが形
成され、ディスク183の下面との間に0.5mmのエ
アギャップを形成している。そして、アッパーシェル2
20aの内面と同様に、凸部221bからディスク進行
方向後方に向かうに従ってローアシェル220bの肉厚
は薄くなる。上記凸部222a,222b及び221
a,221bは、シャッターウインドウ187のエッジ
225及び226に渡って延在しており、従って、光ヘ
ッドがシャッターウインドウ187のどの位置(ディス
ク半径方向)にあっても、後述するディスク面の位置制
御作用により安定した記録再生特性が得られる。
【0071】図22Bに示した断面構造において、カー
トリッジ内面とディスク表面との間隔が、凸部222
a、凸部222bにおいてその他の部分より狭くなって
いるため、この部分での空気流による圧力を高めること
ができる。カ−トリッジ内面とディスク表面との間隔が
変動する場合、カ−トリッジ内面とディスク表面との距
離が相対的に小さくなると空気流の流速が速くなり圧力
が上昇し、カ−トリッジ内面とディスク表面との距離が
相対的に大きくなると空気流の流速が遅くなり圧力が下
降する。カートリッジの内面の構造をアッパーシェルと
ローアシェルとでディスクに対して対称な構造にしてお
き、ディスク面がアッパーシェル内面に形成された凸部
とローアシェル内面に形成された凸部との中間地点にあ
れば、上昇した空気圧はディスクの上面側及び下面側で
等しくなる。一方、ディスク回転中に、ディスクの表面
の位置(高さ)が記録再生のための基準位置(凸部22
2aと凸部222bとの中間位置)からはずれている場
合に、凸部222aと凸部222bとの間の空間ではデ
ィスクの上下面において空気圧の差を生じ、かかる空気
圧の差が、ディスク上面と凸部222aとの空間の圧力
とディスク下面と凸部222bとの空間の圧力と等しく
するように、ディスク183を凸部222bとの中間位
置に移動させる。従って、回転変動によるディスク面の
上下振動を抑制することができる。さらに、ディスク1
83自体に多少の歪みがあっても凸部222a,222
b間を通過する際にその面位置が矯正される。
【0072】記録再生は、シャッターウインドウ187
の領域内で光ヘッドでディスク面を走査することにより
行われるので、シャッターウインドウ187の手前でデ
ィスク上下面にかける圧力を上昇させることが望まし
い。また、ディスク183がシャッターウインドウ18
7を通り過ぎた後に、カ−トリッジ内面とディスク面と
の間隔を狭めてディスク面にかかる圧力を上昇させるこ
とができる。
【0073】この実施例では、ディスク183として基
板の厚さが0.6mmのものを用いたが、本発明のカー
トリッジは基板の厚さが0.85mm以下、好ましくは
0.65mmより薄いディスクに対して、特に有効であ
る。また、かかる薄いディスクとして第1実施例で説明
した基板厚さが記録領域と他の領域とで異なるディスク
(記録媒体)が好適である。この実施例のカートリッジ
構造は、実施例4−1,4−2,4−3または4−4の
構造と組合わせて用いることができ、それにより記録ま
たは再生中のディスクの面の位置を一層安定化すること
ができる。
【0074】実施例4−1〜4−5では光磁気ディスク
カートリッジを例に上げて説明してきたが、本発明はそ
れに限定されず、再生専用、追記型、書換型のあらゆる
光記録媒体を収容したカートリッジに適応可能である。
さらには光記録媒体に限らず、基板がプラスチックで構
成された磁気記録媒体を収容したカートリッジ、例え
ば、リムーバブルタイプの磁気ディスクカートリッジに
も有効に用いることができる。また、カートリッジ本体
の材料や寸法等は特に限定されず、現在使用されている
カートリッジの材料を含む任意の材料を使用することが
できる。
【0075】
【発明の効果】本発明の記録媒体用の基板及びそれを用
いた記録媒体は、高密度記録用の光記録媒体、例えば、
CD、CD−R、CD−ROM、MD、DVD、MOや
リムーバブルタイプの磁気記録媒体に有効であり、特
に、基板の厚さが0.85mm以下の薄型の高密度記録
媒体に有効である。また、本発明の光記録媒体用の再生
装置は、薄型の光記録媒体の面位置を一定の位置に保持
させるように作用するエアギャップ形成部材を備えるた
め、薄型の光記録媒体を安定な状態で記録再生すること
ができる。また、本発明のカートリッジは薄型の高密度
記録媒体を収容するのに好適であり、記録再生時に信号
記録面を一定の高さに維持することができる。本発明の
記録媒体を本発明のカートリッジに適用することによっ
て一層カートリッジを薄型化することができ、一層安定
な状態で薄型記録媒体を記録再生することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に従う光ディスクの概観図であ
る。
【図2】図2は、図1に示した光ディスク製造用のカー
ボネート基板の断面図及びその変形例(B〜G)を示す
断面図である。
【図3】図3は、図2の(A)〜(C)に示した断面構
造を有する基板について、ドライブ上での回転時におけ
る面振れ量の測定結果を示すグラフである。
【図4】図4の(A〜H)は、本発明に従う記録媒体用
基板の別の構造を示す断面図である。
【図5】図5の(A〜G)は、本発明に従う記録媒体用
基板のさらに別の構造を示す断面図である。
【図6】図6は、本発明に従う光記録媒体再生装置の原
理図である。
【図7】図7は、実施例2−1において、スライダ部材
66b,66dの光ヘッドへの取付け例を示す概念図で
ある。
【図8】図8は、実施例2−1において、スライダ部材
66a,66cの磁気ヘッドへの取付け例を示す概念図
である。
【図9】図9は、実施例2−2における光記録媒体再生
装置の概略構成図である。
【図10】図10は、本発明の記録媒体カートリッジの
概略構成図である。
【図11】図11は、本発明の記録媒体カートリッジに
使用されるローラ部材の構造を示す部分断面図である。
【図12】図12は、本発明の記録媒体カートリッジに
使用されるライナーの構造を示すカートリッジの部分断
面図である。
【図13】図13は、本発明の記録媒体カートリッジに
使用される集塵室の構造を示すカートリッジの部分断面
図である。
【図14】図14は、本発明の記録媒体カートリッジに
使用される別のローラ部材の構造を示す部分断面図であ
る。
【図15】図15は、本発明の記録媒体カートリッジに
使用される摺動部材の構造を示す部分断面図である。
【図16】図16は、本発明の第3実施例に従うカート
リッジの効果を説明するグラフである。
【図17】図17は、従来の光磁気ディスクカートリッ
ジの構造を示す断面図である。
【図18】図18の(A及びB)は、それぞれ、本発明
の実施例4−1の記録媒体カートリッジの構造を示す平
面図及びそのA−A線断面図である。
【図19】図19の(A及びB)は、それぞれ、本発明
の実施例4−2の記録媒体カートリッジの構造を示す平
面図及びそのA−A線断面図である。
【図20】図20の(A及びB)は、それぞれ、本発明
の実施例4−3の記録媒体カートリッジの構造を示す平
面図及びそのA−A線断面図であり、図20の(C〜
E)は、(B)の断面構造の変形例を示す断面図であ
る。
【図21】図21は、本発明の実施例4−4のカートリ
ッジの構造を示す断面図である。
【図22】図22の(A及びB)は、それぞれ、本発明
の実施例4−5の記録媒体カートリッジの構造を示す平
面図及びそのA−A線断面図である。
【符号の説明】
10 ディスク基板 14 記録領域 64 アクチュエータ 66a−d スライダ部材 157a,b 凸部 181 カートリッジ 183 ディスク 187 ウインドウ 222a、222b 凸部 225、226 エッジ部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉山 寿紀 茨城県つくば市大字田中1296−1 (72)発明者 大貫 健 茨城県結城郡千代川村鎌庭381−13

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円板状記録媒体が収容されている記録媒
    体カートリッジにおいて、 上記カ−トリッジ内面に、記録媒体回転時の空気の流れ
    を調整するための凸部及び凹部の少なくとも一方がカー
    トリッジ内面の上面と下面とにそれぞれ対称になるよう
    に形成されていることを特徴とする記録媒体カートリッ
    ジ。
  2. 【請求項2】 上記円板状記録媒体は、少なくとも信号
    記録領域内での基板厚みが0.85mm以下であること
    を特徴とする請求項1に記載の記録媒体カートリッジ。
  3. 【請求項3】 上記円板状記録媒体は、少なくとも信号
    記録領域内での基板厚みが0.6mm以下であることを
    特徴とする請求項1に記載の記録媒体カートリッジ。
  4. 【請求項4】 カートリッジ内面の上面に形成された凸
    部と記録媒体上面の間隔が、カートリッジ内面の下面に
    形成された凸部と記録媒体下面の間隔と等しいことを特
    徴とする請求項1記載の記録媒体カートリッジ。
  5. 【請求項5】 前記凸部及び凹部の少なくとも一方が記
    録媒体回転時の空気の流れを調整することにより記録媒
    体の信号記録面を一定の位置に保持させることを特徴と
    する請求項1記載の記録媒体カ−トリッジ。
  6. 【請求項6】 前記凸部及び凹部のすくなくとも一方
    が、カートリッジ内面において、カートリッジ内に収容
    された記録媒体の中心から放射状に形成されていること
    を特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の記録
    媒体カ−トリッジ。
  7. 【請求項7】 前記凸部及び凹部の少なくとも一方が、
    カートリッジ内面において、カートリッジ内に収容され
    た記録媒体の中心から外周に向けて記録媒体の回転方向
    に弧を描くように放射状に形成されていることを特徴と
    する請求項6に記載の記録媒体カ−トリッジ。
  8. 【請求項8】 前記凸部と記録媒体表面との間隔が0.
    6mm以下である請求項6記載の記録媒体カ−トリッ
    ジ。
  9. 【請求項9】 前記記録媒体が、光記録媒体またはプラ
    スチック基板を用いた磁気記録媒体であることを特徴と
    する請求項6に記載の記録媒体カートリッジ。
  10. 【請求項10】 上記カートリッジに信号記録または再
    生用のヘッドがアクセスするためのウインドウが形成さ
    れ、上記ウインドウの記録媒体の少なくとも入口側に、
    上記凸部がカートリッジ内側の上面及び下面に互いに対
    称に形成されていることを特徴とする請求項1記載の記
    録媒体カートリッジ。
  11. 【請求項11】 前記凸部と記録媒体表面との間隔が
    0.6mm以下である請求項9記載の記録媒体カ−トリ
    ッジ。
  12. 【請求項12】 前記記録媒体が、光記録媒体またはプ
    ラスチック基板を用いた磁気記録媒体であることを特徴
    とする請求項10に記載の記録媒体カートリッジ。
  13. 【請求項13】 前記円板状記録媒体が、信号記録領域
    と該記録領域より外側の部分とでは互いに基板の厚さが
    異なることを特徴とする請求項10記載の記録媒体カー
    トリッジ。
  14. 【請求項14】 円板状記録媒体が収容されている記録
    媒体カートリッジにおいて、 前記記録媒体の上面とカートリッジの内側上面の間隔が
    記録媒体の下面とカートリッジの内側下面の間隔と記録
    媒体半径方向に渡って等しく、且つ該記録媒体の上面と
    カートリッジの内側上面の間隔及び該記録媒体の下面と
    カートリッジの内側下面の間隔が、記録媒体の内周部よ
    り外周部の方が小さいことを特徴とする記録媒体のカ−
    トリッジ。
  15. 【請求項15】 前記記録媒体の上面とカートリッジの
    内側上面の間隔及び該記録媒体の下面とカートリッジの
    内側下面の間隔が、記録媒体の内周部から外周部に向か
    って徐々に小さくなることを特徴とする請求項14記載
    の記録媒体のカ−トリッジ。
  16. 【請求項16】 前記記録媒体が、光記録媒体またはプ
    ラスチック基板を用いた磁気記録媒体であることを特徴
    とする請求項14または15に記載の記録媒体カートリ
    ッジ。
  17. 【請求項17】 前記円板状記録媒体が、信号記録領域
    と該記録領域より外側の部分とでは互いに基板の厚さが
    異なることことを特徴とする請求項15記載の記録媒体
    カートリッジ。
  18. 【請求項18】 前記円板状記録媒体は、少なくとも信
    号記録領域内での基板厚みが0.85mm以下であるこ
    とを特徴とする請求項14記載の記録媒体カートリッ
    ジ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100459699B1 (ko) * 2002-02-14 2004-12-04 삼성전자주식회사 공기 펌핑용 그루브를 가진 하드 디스크 드라이브
US7450338B2 (en) 2004-02-19 2008-11-11 Samsung Electronics Co., Ltd. Hard disk drive cover with protruding blades for reducing disk and HGA vibration

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