JP2000144576A - 繊維状物処理剤 - Google Patents

繊維状物処理剤

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JP2000144576A
JP2000144576A JP10332066A JP33206698A JP2000144576A JP 2000144576 A JP2000144576 A JP 2000144576A JP 10332066 A JP10332066 A JP 10332066A JP 33206698 A JP33206698 A JP 33206698A JP 2000144576 A JP2000144576 A JP 2000144576A
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cationic polymer
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polyvinyl alcohol
treating agent
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JP10332066A
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English (en)
Inventor
Katsuhisa Kamio
克久 神尾
Masahiro Okuya
正宏 奥谷
Iwao Kuroda
巌 黒田
Kazuo Hosoda
和夫 細田
Yukiro Kamata
幸郎 釜田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Miyoshi Yushi KK
Miyoshi Oil and Fat Co Ltd
Original Assignee
Miyoshi Yushi KK
Miyoshi Oil and Fat Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 合成樹脂、ゴム、ワックス等を水に分散させ
た分散液は繊維状物の諸物性を向上させるための処理剤
として用いられているが、従来の処理剤は分散液の安定
性を高めるために、界面活性剤や親水性保護コロイド等
の分散剤を多量に添加しなければならず、それでも十分
な安定性が得られないばかりか、多量の分散剤を含有す
ると繊維状物の諸物性向上効果が十分に得られなくなる
とともに、逆に物性を低下させる虞れもあった。 【解決手段】 本発明の繊維状物処理剤は、疎水性樹脂
が、ポリビニルアルコールと、カチオン化度が50%以
上で平均分子量が30万以上の親水性カチオン系高分子
化合物の存在下に水に分散されており、分散液の安定性
に優れるとともに、ポリビニルアルコールの添加量を少
なくすることができ、繊維状物の物性をより向上するこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は繊維状物処理剤に関
し、詳しくは、紙、パルプ、各種繊維織物、不織布等の
繊維状物の、剛性、柔軟性、耐水性、撥水・撥油性、平
滑性、耐食性、耐熱性、表面光沢、繊維状物の成形体を
得る際の離型性等の諸物性を向上させる等の目的で利用
される繊維状物処理剤に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】紙、パ
ルプ、各種繊維の織物、不織布等の繊維状物の物性を改
善する目的で、従来より石油ワックス、合成ワックス、
動植物系ワックス等のワックス類、熱可塑性樹脂や熱硬
化性樹脂等の合成樹脂、合成ゴム等を水に分散させた分
散液が繊維状物処理剤として用いられている。
【0003】上記ワックス類、合成樹脂、合成ゴム等の
水分散液を安定化させる目的で、従来より各種界面活性
剤や、ポリビニルアルコールやセルロース等の親水性保
護コロイドが分散剤として用いられている。
【0004】しかしながら、界面活性剤や親水性保護コ
ロイド等の分散剤の、ワックス類、合成樹脂、合成ゴム
等に対する分散作用は必ずしも十分ではなく、添加量が
少ないと分散液の経時的安定性、熱的安定性、機械的安
定性等が低下する虞れがあるが、安定性を高める目的で
これらの分散剤を多量に添加したとしても、十分に満足
できる安定性は得られなかった。また、界面活性剤や親
水性保護コロイドを多量に含有する分散液を繊維状物の
処理に用いた場合、繊維状物が紙の場合には湿潤強度低
下やサイズ性の低下を引き起こしたり、繊維状物が織物
や不織布等の場合には洗濯堅牢度や摩擦堅牢度の低下を
きたす等の虞れがある。更に、たとえこのような問題を
生じないとしても、分散剤が多量に添加されていると、
繊維状物の剛性、柔軟性、耐水性、撥水・撥油性、平滑
性、耐食性、耐熱性、表面光沢を、予期した程には向上
し得なくなるという問題があり、この種の繊維状物処理
剤としては、界面活性剤や親水性保護コロイド等の添加
量が少なくて、安定性に優れたものが望まれている。
【0005】本発明は上記の点に鑑みなされたもので、
親水性保護コロイドとしてのポリビニルアルコールと、
従来凝集剤として使用されている分子量領域の特定の親
水性カチオン系高分子化合物と組み合わせて用いること
により、疎水性樹脂を安定に分散させることができるこ
とを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち本発明の繊維状物処
理剤は、疎水性樹脂が、ポリビニルアルコールと、カチ
オン化度が30%以上で平均分子量が30万以上の親水
性カチオン系高分子化合物の存在下に水に分散している
ことを特徴とする。
【0007】本発明において、ポリビニルアルコールは
鹸化度が70〜90%であり、且つ平均分子量が5万〜
30万であることが好ましい。また親水性カチオン系高
分子化合物としては、メタクリル酸ジメチルアミノエチ
ル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、アクリル酸ジ
メチルアミノエチル、アクリル酸ジエチルアミノエチル
より選ばれた少なくとも1種を主成分とする重合体が好
ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明において、繊維状物として
は紙、パルプ、天然繊維、半合成繊維、合成繊維、或い
はこれらの混紡糸等の各種繊維や各種繊維の織物、不織
布、編み物等が挙げられる。
【0009】本発明の処理剤の構成成分である疎水性樹
脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、天然樹脂、
ゴム類、ワックス類等が用いられる。
【0010】上記熱可塑性樹脂としては、例えばポリエ
チレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、ポリス
チレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹
脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合
体(ABS樹脂)等のスチレン系樹脂、ポリアクリレー
ト、ポリメタクリレート等のアクリル系樹脂、ポリ塩化
ビニル、ポリ塩化ビニリデン等の塩素系樹脂等や、フッ
素系樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリビニルエーテ
ル、ポリビニルケトン、熱可塑性ポリウレタン、或いは
これらの共重合体等が挙げられる。
【0011】熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、
エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フラン樹脂、キシレン−
ホルムアルデヒド樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アニ
リン樹脂、アルキッド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、
シリコーン樹脂等が挙げられる。また天然樹脂として
は、セルロース系樹脂、蛋白質系樹脂、デンプン由来の
樹脂等が挙げられる。
【0012】更にゴム類としては、塩化ゴム、塩酸ゴ
ム、環化ゴム等の天然系ゴム、ブチルゴム、ブタジエン
ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ニトリル−ブタジエ
ンゴム、クロロプレンゴム、イソプレゴム、多硫化ゴ
ム、シリコンゴム、アクリルゴム、フッ素ゴム、ウレタ
ンゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピ
レン−ターポリマー、エピクロルヒドリンゴム等が挙げ
られる。またワックス類としては、天然ワックス、合成
ワックスが使用でき、天然ワックスとしては、キャンデ
リラワックス、カルナバワックス、ライスワックス、木
ろう、ホホバ固体ロウ等の植物系天然ワックス、みつろ
う、ラノリン、鯨ろう等の動物系天然ワックス、モンタ
ンワックス、オゾケライト、セレシン等の鉱物系天然ワ
ックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワ
ックス、ペトロラタム等の石油系天然ワックスが挙げら
れる。合成ワックスとしては、フィッシャー・トロプシ
ュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素
類、モンタンワックス誘導体、パラフィンワックス誘導
体、マイクロクリスタリンワックス誘導体等の変性ワッ
クス、硬化ひまし油、硬化ひまし油誘導体等の水素化ワ
ックス、12−ヒドロキシステアリン酸、ステアリン酸
アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等が挙げ
られる。
【0013】疎水性樹脂は単独で用いられる場合に限ら
ず、2種以上を混合して用いることもできる。上記疎水
性樹脂は、処理対象とする繊維状物の種類、繊維状物の
どのような物性を向上させようとするか等の目的に応じ
て選択する。例えば、紙、各種繊維織物等の平滑性を向
上させる目的では、ワックス類を、撥水・撥油性を向上
させる目的ではシリコーン樹脂、フッ素樹脂等を選択す
ることが好ましい。
【0014】本発明において、ポリビニルアルコールと
親水性カチオン系高分子化合物とを併用したことによ
り、上記疎水性樹脂が安定に分散した分散液を得ること
ができる。ポリビニルアルコールとしては、一般に平均
分子量2万〜50万程度のものを用いることができる
が、親水性カチオン系高分子化合物との相乗作用によ
り、分散液の安定性をより高めるためには、ポリビニル
アルコールは鹸化度が70〜90%で、且つ平均分子量
が5万〜30万のものが好ましい。尚、ポリビニルアル
コールの鹸化度は、水酸基価から算出することができ
る。
【0015】また本発明において、親水性カチオン系高
分子化合物としてカチオン化度が30%以上で、且つ平
均分子量が30万以上のものを用いる。カチオン化度
は、高分子物質中のカチオン系モノマーの量をモル%で
表すもので、コロイド滴定によるコロイド価の測定値
と、構成モノマーの分子量より算出することができる。
親水性カチオン系高分子化合物のカチオン化度が30%
未満の場合や、平均分子量が30万未満の場合には良好
な安定性が付与されない。
【0016】親水性カチオン系高分子化合物としては、
メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエ
チルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノプロピ
ル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸ジエ
チルアミノエチル、アクリル酸ジメチルアミノプロピ
ル、ジメチルアミノメチルメタクリルアミド、ジメチル
アミノエチルメタクリルアミド、ジメチルアミノプロピ
ルメタクリルアミド、ジメチルアミノメチルアクリルア
ミド、ジメチルアミノエチルアクリルアミド、ジメチル
アミノプロピルアクリルアミド等のカチオン性アクリル
系モノマーや、これらカチオン性アクリル系モノマーに
ハロゲン化アルキル、ジアルキル硫酸、モノクロル酢酸
等を反応して得られる、例えばメタクリル酸ジメチルア
ミノエチルメチルクロライド塩、メタクリル酸ジエチル
アミノエチルジメチル硫酸塩、メタクリル酸ジメチルア
ミノプロピルクロル酢酸塩等の4級アンモニウム塩の単
独重合体や共重合体、更にはこれらのカチオン性アクリ
ル系モノマーと、アクリル酸アルキルエステル、アクリ
ル酸ヒドロキシアルキルエステル、アクリル酸ポリオキ
シエチレンエステル、アクリル酸アルコキシポリオキシ
エチレンエステル、メタクリル酸アルキルエステル、メ
タクリル酸ヒドロキシアルキルエステル、メタクリル酸
ポリオキシエチレンエステル、メタクリル酸アルコキシ
ポリオキシエチレンエステル、アクリルアミド、メタク
リルアミド、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリ
ルアミド、イソプロピルアクリルアミド、ジメチルメタ
クリルアミド、ジエチルメタクリルアミド、メチロール
アクリルアミド、モルホリルアクリルアミド等のアクリ
ルモノマーや、エチルビニルエーテル、ヒドロキシブチ
ルビニルエーテル、トリエチレングリコールビニルエー
テル、メトキシトリエチレングリコールビニルエーテル
等のビニルエーテル類、ヒドロキシエチルアリルエーテ
ル、テトラエチレングリコールアリルエーテル、メトキ
シエチレングリコールアリルエーテル等のアリルエーテ
ル類、酢酸ビニル、モノクロル酢酸ビニル、ピバリン酸
ビニル等のカルボン酸ビニル類、ビニルピリジン、ビニ
ルイミダゾール、メチルビニルイミダゾール等のビニル
アミン類、ジアリルアンモニウムクロライド、或いは上
記カチオン性アクリル系モノマーと共重合可能な不飽和
結合を有するモノマーとの共重合体等のアクリル系ポリ
マーが挙げられる。
【0017】更にアクリル系ポリマー以外の親水性カチ
オン系高分子化合物として、ポリエチレンイミン、ポリ
プロピレンイミン、ポリ−3−メチルプロピルイミン、
ポリ−2−エチルプロピルイミン等の環状イミンの重合
体、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン等の不飽和ア
ミンの重合体等や、これらの4級アンモニウム塩等のカ
チオン系ポリマーが挙げられる。またこれらのカチオン
系ポリマーに、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、ア
シル基、ポリオキシアルキレン基、カルボキシアルキル
基等を付加したものでも良い。アルキル基はアルキルハ
ライドを、ヒドロキシアルキル基は1,2−エポキシア
ルカンを、アシル基はアシルハライドを、ポリオキシア
ルキレン基は酸化エチレンを、カルボキシアルキル基は
モノクロル酢酸やアクリル酸等を、それぞれカチオン系
ポリマーと反応させることにより付加させることができ
る。
【0018】上記親水性カチオン系高分子化合物は、シ
ュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン
酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン
酸等の二塩基酸類や、これら二塩基酸類のアルキルエス
テル類、ヘキサメチレンジイソシアネートグリシジルエ
ーテル、ジフェニルメタンジイソシアネート等のジイソ
シアネート類、エチレングリコールジグリシジルエーテ
ル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、オ
ルソフタル酸ジグリシジルエーテル等のジエポキシ類、
ソルビタンポリグリシジルエーテル、トリメチロールプ
ロパンポリグリシジルエーテル等のポリグリシジルエー
テル類、尿素、グアニジン類、二塩基酸ジハライド、ジ
アルデヒド等で架橋したものでも良い。
【0019】本発明において、上記した親水性カチオン
系高分子化合物のうち、カチオン性アクリル系モノマー
のなかでもメタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタク
リル酸ジエチルアミノエチル、アクリル酸ジメチルアミ
ノエチル、アクリル酸ジエチルアミノエチルの単独重合
体や、これらカチオン性アクリル系モノマーの2種又は
3種以上の共重合体、或いはこれらカチオン性アクリル
系モノマーを主体とする、他のモノマーとの共重合体が
特に好ましい。親水性カチオン系高分子化合物として、
カチオン性アクリル系モノマーと他のモノマーとの共重
合体を用いる場合、親水性カチオン系高分子化合物中に
おけるカチオン性アクリル系モノマーの含有率は30モ
ル%以上であることが好ましい。親水性カチオン系高分
子化合物は、通常、適当な酸で中和して用いる。中和に
用いる酸としては、塩酸、硫酸、蟻酸、リン酸等の無機
酸、酢酸、蓚酸、酒石酸、リンゴ酸、安息香酸等の有機
酸のいずれでも良いが、中でも酢酸、リン酸、乳酸が安
全性、価格、熱安定性、着色性等の面で好ましい。
【0020】本発明の処理剤中における上記疎水性樹脂
の割合が、処理剤の安定性の上から60重量%以下が好
ましく、ポリビニルアルコール、親水性カチオン系高分
子化合物は、それぞれ疎水性樹脂の重量に対して、0.
3〜10重量%、0.1〜5重量%が好ましい。尚、本
発明において上記平均分子量は、数平均分子量である。
【0021】本発明処理剤は、例えば攪拌装置を有する
密閉槽内に、疎水性樹脂、ポリビニルアルコール、親水
性カチオン系高分子化合物、水を同時に仕込み、加熱攪
拌しながら加圧して疎水性樹脂を分散させる加圧分散
法、加圧下で保持されている熱水中に、疎水性樹脂、ポ
リビニルアルコール、親水性カチオン系高分子化合物を
含む溶融物を添加攪拌して分散させる直接分散法、疎水
性樹脂の有機溶媒溶液を、ポリビニルアルコール、親水
性カチオン系高分子化合物を含む水溶液中に添加攪拌し
て分散させた後、有機溶媒を除去する方法、疎水性樹脂
を加熱溶融させ、これにポリビニルアルコールと親水性
カチオン系高分子化合物を含む水溶液を添加攪拌して疎
水性樹脂を水に分散させる転相法等により得ることがで
きる。
【0022】上記以外の方法でも、疎水性樹脂の水分散
液を得ることができる方法であれば、適宜採用すること
ができるが、疎水性樹脂の幅広い種類に適応が可能な点
で、上記した疎水性樹脂の有機溶媒用液をポリビニルア
ルコール、親水性カチオン系高分子化合物を含む水溶液
中に添加攪拌して分散させる方法が好ましい。また分散
液を調製するに際し、必要により高圧ホモゲナイザー等
の分散装置を併用しても良い。
【0023】本発明の処理剤中には、本発明の所期の目
的を阻害しない範囲において、必要に応じて上記成分以
外に更に、界面活性剤、増粘剤、ポリビニルアルコール
以外の保護コロイド、表面平滑剤、離型剤等を添加する
ことができる。
【0024】本発明の処理剤によって繊維状物を処理す
る方法としては、本発明処理剤を繊維状物に散布、塗布
する方法、本発明の処理剤中に繊維状物を浸漬する方法
等が挙げられる。
【0025】
【実施例】以下、実施例、比較例を挙げて本発明を更に
詳細に説明する。
【0026】実施例1〜7、比較例1〜7 疎水性樹脂として融点140℃のポリエチレンワックス
を用い、これと脱イオン水、及びポリビニルアルコー
ル、カチオン系高分子物質、界面活性剤等を、表1に示
す割合(配合は重量部)で1リットルのオートクレーブ
に仕込み、酢酸でpHを6に調整した後、150℃に加
熱して、1000rpmで15分間攪拌した後、500
rpmで攪拌しながら40℃まで冷却してポリエチレン
ワックスが分散した処理剤を得た(但し、比較例3〜5
は分散液が得られなかった。)。処理剤中に分散してい
るポリエチレンワックスの粒子径を、処理剤の製造直後
に粒度分布測定装置(堀場製作所株式会社製:LA−9
10型粒度分布測定装置)にて測定した結果を表1に示
す。またこの処理剤を、20℃と40℃の雰囲気下で保
持し、それぞれの温度における分散液の経時安定性を評
価した。結果を表1にあわせて示す。
【0027】
【表1】
【0028】尚、表1に示した分散液の経時安定性は、
100mlのスクリュー管に処理剤50mlを入れ、2
0℃と40℃の恒温槽中で静置した後、一カ月後及び二
カ月後の分散状態を目視観察し、 ○・・・分離が認められない。 △・・・分離が認められるが、スクリュー管の横倒し、
立て直し操作を10回繰り返すと、再分散して均一とな
る。 ×・・・分離が認められると共に沈降物がハードケーキ
状となり、スクリュー管の横倒し、立て直し操作を10
回繰り返しても再分散しない。として評価した。
【0029】また上記表1に示す、各ポリビニルアルコ
ール(表中、PVAと略す。)、親水性カチオン系高分
子化合物(表中、カチオンと略す。)、界面活性剤は以
下の通りである。
【0030】・PVA−A:鹸化度81.0%、平均分
子量22万 ・PVA−B:鹸化度87.5%、平均分子量15万 ・PVA−C:鹸化度75.3%、平均分子量8万
【0031】・カチオン−A:メタクリル酸ジメチルア
ミノエチル/アクリルアミド(重量比で80:20)共
重合体(カチオン化度64%、平均分子量600万) ・カチオン−B:メタクリル酸ジエチルアミノエチル/
アクリルアミド/メタクリルアミド(重量比で93:
5:2)共重合体(カチオン化度84%、平均分子量5
00万) ・カチオン−C:メタクリル酸ジエチルアミノエチル/
アクリルアミド(重量比で50:50)共重合体(カチ
オン化度31%、平均分子量800万) ・カチオン−D:アクリル酸ジメチルアミノメチル/ア
クリルアミド/メタクリルアミド(重量比で33:3
9:28)共重合体(カチオン化度20%、平均分子量
20万) ・カチオン−E:ポリエチレンイミン/1,2−エポキ
シドデカン(重量比で44:56)付加体(カチオン化
度77%、平均分子量225万) ・カチオンF:ポリエチレンイミン/1,2−エポキシ
ドデカン/エチレングリコールジグリシジルエーテル
(重量比で58:32:0.03)付加体(カチオン化
度83%、平均分子量60万)
【0032】・界面活性剤−A:ポリオキシエチレン
(10モル)オレイルエーテル ・界面活性剤−B:ポリオキシエチレン(20モル)ソ
ルビタンモノステアレート ・界面活性剤−C:ポリオキシエチレン(7モル)ノニ
ルフェニルエーテル ・界面活性剤−D:ポリオキシエチレン(9モル)ノニ
ルフェニルエーテル ・界面活性剤−D:ポリオキシエチレン(17モル)ノニ
ルフェニルエーテル
【0033】上記実施例1〜7、比較例1〜7の各処理
剤(比較例については、安定な分散液が得られた比較例
1、2、6及び7を用いた)により、アクリル/麻混紡
糸(重量比で50/50の混紡、52番双糸)を、以下
の条件で処理し、処理後のアクリル/麻混紡糸の摩擦特
性(編成張力及び走行張力)、静電気発生量を測定し
た。結果を表2に示す。
【0034】アクリル/麻混紡糸処理条件 処理剤濃度 5% o.w.f. 浸漬温度・時間 50℃×10分 浴比 1:20 絞り 50% 乾燥温度・時間 80℃×60分
【0035】
【表2】
【0036】※1 編成張力は、杉原計器株式会社製
「編成性試験機」を用い、編み針3本、一回捻り2カ所
の条件にて糸速度25mと100mでの張力で編み立て
性を評価した。数値が小さい方が摩擦が少なく、編み立
て性が良好なことを意味する。
【0037】※2 走行張力は、図1に示す装置によ
り、測定する糸条1の一端を低速ワインダー(図示せ
ず)に固定し、糸条1の他端に10gの分銅2を吊り下
げ、糸条1の低速ワインダーから分銅2までの間に、2
つのロードセル3、4を設け、更にこれらのロードセル
3、4の間に位置する糸条1の部分に、摩擦抵抗体とし
て7Gのメリヤス編み針5を6本配置し、糸速度200
mと300mで巻き上げた時の初張力をロードセル3に
より、出張力をロードセル4により測定した。出張力か
ら初張力を差し引いた発生張力を糸−金属間に発生する
摩擦量とした。発生張力の値が小さい方が糸−金属間の
摩擦が少なく糸の平滑性が良好であることを意味する。
【0038】※3 静電気発生量は、走行張力測定時の
発生静電気量を、春日電気株式会社製「集電位測定機:
KS−525型」を用いて測定した。数値が小さい方が
摩擦によって発生する静電気量が少ないことを意味す
る。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の繊維処理
剤は、疎水性樹脂を、ポリビニルアルコールと、カチオ
ン化度30%以上で平均分子量30万以上の親水性カチ
オン系高分子化合物とを併用して水に分散せしめた構成
としたため、分散液の安定性に優れ、ポリビニルアルコ
ールの使用量を少なくした場合でも、優れた安定性を示
す。このため分散剤としての界面活性剤を用いることな
く、更にポリビニルアルコールの使用量を少なくするこ
とにより、繊維状物の剛性、柔軟性、耐水性、撥水・撥
油性、平滑性、耐食性、耐熱性、表面光沢、繊維状物の
成形体を得る際の離型性等の諸物性をより向上できる等
の効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】走行張力の測定装置を示す略図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 黒田 巌 愛知県岩倉市野寄町西出1番地の1 ミヨ シ油脂株式会社名古屋工場内 (72)発明者 細田 和夫 愛知県岩倉市野寄町西出1番地の1 ミヨ シ油脂株式会社名古屋工場内 (72)発明者 釜田 幸郎 愛知県岩倉市野寄町西出1番地の1 ミヨ シ油脂株式会社名古屋工場内 Fターム(参考) 4L033 AB01 AC02 AC03 AC04 AC05 AC15 BA01 BA08 BA91 CA12 CA19 CA29

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 疎水性樹脂が、ポリビニルアルコール
    と、カチオン化度が30%以上で平均分子量が30万以
    上の親水性カチオン系高分子化合物の存在下に水に分散
    していることを特徴とする繊維状物処理剤。
  2. 【請求項2】 ポリビニルアルコールの鹸化度が70〜
    90%であり、且つ平均分子量が5万〜30万である請
    求項1記載の繊維状物処理剤。
  3. 【請求項3】 親水性カチオン系高分子化合物が、メタ
    クリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチル
    アミノエチル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、アク
    リル酸ジエチルアミノエチルより選ばれた少なくとも1
    種を主成分とする重合体である請求項1又は2記載の繊
    維状物処理剤。
JP10332066A 1998-11-06 1998-11-06 繊維状物処理剤 Pending JP2000144576A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014051757A (ja) * 2012-09-06 2014-03-20 Mitsubishi Rayon Co Ltd 炭素繊維束、その製造方法、炭素繊維チョップ、炭素繊維強化熱可塑性樹脂および成形品

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