JP2000226772A - 繊維状物処理剤 - Google Patents

繊維状物処理剤

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JP2000226772A
JP2000226772A JP11025477A JP2547799A JP2000226772A JP 2000226772 A JP2000226772 A JP 2000226772A JP 11025477 A JP11025477 A JP 11025477A JP 2547799 A JP2547799 A JP 2547799A JP 2000226772 A JP2000226772 A JP 2000226772A
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polyvinyl alcohol
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average molecular
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JP11025477A
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Katsuhisa Kamio
克久 神尾
Masahiro Okuya
正宏 奥谷
Iwao Kuroda
巌 黒田
Kazuo Hosoda
和夫 細田
Yukiro Kamata
幸郎 釜田
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Miyoshi Yushi KK
Miyoshi Oil and Fat Co Ltd
Original Assignee
Miyoshi Yushi KK
Miyoshi Oil and Fat Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 合成樹脂、ゴム、ワックス等を水に分散させ
た分散液は繊維状物の諸物性を向上させるための処理剤
として用いられているが、従来の処理剤は分散液の安定
性を高めるために、界面活性剤や親水性保護コロイド等
の分散剤を多量に添加しなければならず、それでも十分
な安定性が得られないばかりか、多量の分散剤を含有す
ると繊維状物の諸物性向上効果が十分に得られなくなる
とともに、逆に物性を低下させる虞れもあった。 【解決手段】 本発明の繊維状物処理剤は、疎水性樹脂
が、ポリビニルアルコールと、平均分子量が100万以
上の親水性アニオン系高分子化合物の存在下に水に分散
されており、分散液の安定性に優れるとともに、ポリビ
ニルアルコールの添加量を少なくすることができ、繊維
状物の物性をより向上することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は繊維状物処理剤に関
し、詳しくは、紙、パルプ、各種繊維織物、不織布等の
繊維状物の、剛性、柔軟性、耐水性、撥水・撥油性、平
滑性、耐食性、耐熱性、表面光沢、繊維状物の成形体を
得る際の離型性等の諸物性を向上させる等の目的で利用
される繊維状物処理剤に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】紙、パ
ルプ、各種繊維の織物、不織布等の繊維状物の物性を改
善する目的で、従来より石油ワックス、合成ワックス、
動植物系ワックス等のワックス類、熱可塑性樹脂や熱硬
化性樹脂等の合成樹脂、合成ゴム等を水に分散させた分
散液が繊維状物処理剤として用いられている。
【0003】上記ワックス類、合成樹脂、合成ゴム等の
水分散液を安定化させる目的で、従来より各種界面活性
剤や、ポリビニルアルコールやセルロース等の親水性保
護コロイドが分散剤として用いられている。
【0004】しかしながら、界面活性剤や親水性保護コ
ロイド等の分散剤の、ワックス類、合成樹脂、合成ゴム
等に対する分散作用は必ずしも十分ではなく、添加量が
少ないと分散液の経時的安定性、熱的安定性、機械的安
定性等が低下する虞れがあるが、安定性を高める目的で
これらの分散剤を多量に添加したとしても、十分に満足
できる安定性は得られなかった。また、界面活性剤や親
水性保護コロイドを多量に含有する分散液を繊維状物の
処理に用いた場合、繊維状物が紙の場合には湿潤強度低
下やサイズ性の低下を引き起こしたり、繊維状物が織物
や不織布等の場合には洗濯堅牢度や摩擦堅牢度の低下を
きたす等の虞れがある。更に、たとえこのような問題を
生じないとしても、分散剤が多量に添加されていると、
繊維状物の剛性、柔軟性、耐水性、撥水・撥油性、平滑
性、耐食性、耐熱性、表面光沢を、予期した程には向上
し得なくなるという問題があり、この種の繊維状物処理
剤としては、界面活性剤や親水性保護コロイド等の添加
量が少なくて、安定性に優れたものが望まれている。
【0005】本発明は上記の点に鑑みなされたもので、
親水性保護コロイドとしてのポリビニルアルコールと、
従来凝集剤として使用されている分子量領域の特定の親
水性アニオン系高分子化合物とを組み合わせて用いるこ
とにより、疎水性樹脂を安定に分散させることができる
ことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち本発明の繊維状物処
理剤は、疎水性樹脂が、ポリビニルアルコールと、平均
分子量が100万以上の親水性アニオン系高分子化合物
の存在下に水に分散していることを特徴とする。
【0007】本発明において、ポリビニルアルコールは
鹸化度が70〜90%であり、且つ平均分子量が5万〜
30万であることが好ましい。また親水性アニオン系高
分子化合物としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレ
イン酸、これらの酸の中和物や部分中和物よりなる群か
ら選ばれた少なくとも1種を主成分とする重合体が好ま
しい。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明において、繊維状物として
は紙、パルプ、天然繊維、半合成繊維、合成繊維、或い
はこれらの混紡糸等の各種繊維や各種繊維の織物、不織
布、編み物等が挙げられる。
【0009】本発明の処理剤の構成成分である疎水性樹
脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、天然樹脂、
ゴム類、ワックス類等が用いられる。
【0010】上記熱可塑性樹脂としては、例えばポリエ
チレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂;ポリス
チレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹
脂);アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合
体(ABS樹脂)等のスチレン系樹脂;ポリアクリレー
ト、ポリメタクリレート等のアクリル系樹脂;ポリエチ
レンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の
芳香族系ポリエステル樹脂;ポリブチレンサクシネート
等の脂肪族系ポリエステル樹脂;ナイロン−6、芳香族
ポリアラミド等のポリアミド樹脂;ポリ塩化ビニル、ポ
リ塩化ビニリデン等の塩素系樹脂等や、ポリカプロラク
トン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹
脂、フッ素系樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリビニル
エーテル、ポリビニルケトン、熱可塑性ポリウレタン、
或いはこれらの共重合体等が挙げられる。
【0011】熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、
エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フラン樹脂、キシレン−
ホルムアルデヒド樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アニ
リン樹脂、アルキッド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、
シリコーン樹脂等が挙げられる。また天然樹脂として
は、セルロース系樹脂、蛋白質系樹脂や、ポリ乳酸系樹
脂、変性デンプン樹脂等のデンプン由来の樹脂等が挙げ
られる。
【0012】更にゴム類としては、塩化ゴム、塩酸ゴ
ム、環化ゴム等の天然系ゴム、ブチルゴム、ブタジエン
ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−
ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、イソプレゴム、多
硫化ゴム、シリコンゴム、アクリルゴム、フッ素ゴム、
ウレタンゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−
プロピレン−ターポリマー、エピクロルヒドリンゴム等
が挙げられる。またワックス類としては、天然ワック
ス、合成ワックスが使用でき、天然ワックスとしては、
キャンデリラワックス、カルナバワックス、ライスワッ
クス、木ろう、ホホバ固体ロウ等の植物系天然ワック
ス、みつろう、ラノリン、鯨ろう等の動物系天然ワック
ス、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン等の鉱
物系天然ワックス、パラフィンワックス、マイクロクリ
スタリンワックス、ペトロラタム等の石油系天然ワック
スが挙げられる。合成ワックスとしては、フィッシャー
・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成
炭化水素類、モンタンワックス誘導体、パラフィンワッ
クス誘導体、マイクロクリスタリンワックス誘導体等の
変性ワックス、硬化ひまし油、硬化ひまし油誘導体等の
水素化ワックス、12−ヒドロキシステアリン酸、ステ
アリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素
等が挙げられる。
【0013】疎水性樹脂は単独で用いられる場合に限ら
ず、2種以上を混合して用いることもできる。上記疎水
性樹脂は、処理対象とする繊維状物の種類、繊維状物の
どのような物性を向上させようとするか等の目的に応じ
て選択する。例えば、紙、各種繊維織物等の平滑性を向
上させる目的では、ワックス類を、撥水・撥油性を向上
させる目的ではシリコーン樹脂、フッ素樹脂等を選択す
ることが好ましい。
【0014】本発明において、ポリビニルアルコールと
特定分子量の親水性アニオン系高分子化合物とを併用し
たことにより、上記疎水性樹脂が安定に分散した分散液
を得ることができる。ポリビニルアルコールとしては、
一般に平均分子量2万〜50万程度のものを用いること
ができるが、親水性アニオン系高分子化合物との相乗作
用により、分散液の安定性をより高めるためには、ポリ
ビニルアルコールは鹸化度が70〜90%で、且つ平均
分子量が5万〜30万のものが好ましい。尚、ポリビニ
ルアルコールの鹸化度は、水酸基価から算出することが
できる。
【0015】また本発明において、親水性アニオン系高
分子化合物として平均分子量が100万以上のものを用
いる。親水性アニオン系高分子化合物の平均分子量が1
00万未満の場合には、良好な安定性が付与されない。
【0016】親水性アニオン系高分子化合物を構成する
単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン
酸やこれらの酸の中和物、部分中和物等の不飽和モノカ
ルボン酸系単量体、マレイン酸、フマル酸、イタコン
酸、シトラコン酸やこれらの酸の中和物、部分中和物等
の不飽和ジカルボン酸系単量体、ビニルスルホン酸、ア
リルスルホン酸、メタクリルスルホン酸、スチレンスル
ホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスル
ホン酸、スルホエチル(メタ)アクリレート、スルホエ
チルマレイミド、3−アリロキシ−2−ヒドロキシプロ
パンスルホン酸やこれらの中和物、部分中和物等の不飽
和スルホン酸系単量体が挙げられる。親水性アニオン系
高分子化合物としては、上記単量体の単独重合体でもこ
れら不飽和モノカルボン酸系単量体、不飽和ジカルボン
酸系単量体、不飽和スルホン酸系単量体等の単量体相互
の共重合体でも、これら不飽和モノカルボン酸系単量
体、不飽和ジカルボン酸系単量体、不飽和スルホン酸系
単量体等の単量体と共重合可能な他の単量体(以下、単
に他の単量体と呼ぶ。)との共重合体でも良い。
【0017】親水性アニオン系高分子化合物として、上
記不飽和モノカルボン酸系単量体、不飽和ジカルボン酸
系単量体、不飽和スルホン酸系単量体等の単量体と他の
単量体との共重合体を用いる場合、他の単量体としては
特に制限はないが、例えば(メタ)アクリルアミド、イ
ソプロピルアミド、t−ブチル(メタ)アクリルアミド
等のアミド系単量体、(メタ)アクリル酸アルキルエス
テル、スチレン、2−メチルスチレン、酢酸ビニル等の
疎水性単量体、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、アリルアルコール、ポリエチレングリコールモノア
リルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアリルエ
ーテル、3−メチル−3−ブテン−1−オール(イソプ
レノール)、ポリエチレングリコールモノイソプレノー
ルエーテル、ポリプロピレングリコールモノイソプレノ
ールエーテル、3−メチル−2−ブテン−1−オール
(プレノール)、ポリエチレングリコールモノプレノー
ルエステル、ポリプロピレングリコールモノプレノール
エステル、2−メチル−3−ブテン−2−オール(イソ
プレンアルコール)、ポリエチレングリコールモノイソ
プレンアルコールエーテル、ポリプロピレングリコール
モノイソプレンアルコールエーテル、N−メチロール
(メタ)アクリルアミド、グリセロールモノアリルエー
テル、ビニルアルコール等の水酸基含有単量体、(メ
タ)アクリルアミドメタンホスホン酸、(メタ)アクリ
ルアミドメタンスルホン酸メチルエステル、2−(メ
タ)アクリルアミド−2−メチルプロパンホスホン酸等
のリン含有単量体、メトキシポリエチレングリコール
(メタ)アクリレート、エトキシプロピレングリコール
(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
【0018】上記親水性アニオン系高分子化合物は、シ
ュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン
酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン
酸等の二塩基酸類や、これら二塩基酸類のアルキルエス
テル類、ヘキサメチレンジイソシアネートグリシジルエ
ーテル、ジフェニルメタンジイソシアネート等のジイソ
シアネート類、エチレングリコールジグリシジルエーテ
ル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、オ
ルソフタル酸ジグリシジルエーテル等のジエポキシ類、
ソルビタンポリグリシジルエーテル、トリメチロールプ
ロパンポリグリシジルエーテル等のポリグリシジルエー
テル類、尿素、グアニジン類、二塩基酸ジハライド、ジ
アルデヒド等で架橋したものでも良い。
【0019】本発明において、上記した親水性アニオン
系高分子化合物のうち、アクリル酸、メタクリル酸、マ
レイン酸や、これらの酸の中和物、部分中和物を単量体
とする単独重合体や共重合体、あるいはこれらの単量体
を主体とする他の単量体との共重合体が好ましい。親水
性アニオン系高分子化合物は、通常、適当な塩基性化合
物で中和して用いる。中和に用いる塩基性化合物とし
て、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金属の水酸
化物、モノエタノールアミン、ジイソプロパノールアミ
ン等のアミン化合物、アンモニア等が用いられる。
【0020】本発明の処理剤中における上記疎水性樹脂
の割合が、処理剤の安定性の上から60重量%以下が好
ましく、ポリビニルアルコール、親水性アニオン系高分
子化合物は、それぞれ疎水性樹脂の重量に対して、0.
3〜10重量%、0.1〜5重量%が好ましい。尚、本
発明において上記平均分子量は、数平均分子量である。
【0021】本発明処理剤は、例えば攪拌装置を有する
密閉槽内に、疎水性樹脂、ポリビニルアルコール、親水
性アニオン系高分子化合物、水を同時に仕込み、加熱攪
拌しながら加圧して疎水性樹脂を分散させる加圧分散
法、加圧下で保持されている熱水中に、疎水性樹脂、ポ
リビニルアルコール、親水性アニオン系高分子化合物を
含む溶融物を添加攪拌して分散させる直接分散法、疎水
性樹脂の有機溶媒溶液を、ポリビニルアルコール、親水
性アニオン系高分子化合物を含む水溶液中に添加攪拌し
て分散させた後、有機溶媒を除去する方法、疎水性樹脂
を加熱溶融させ、これにポリビニルアルコールと親水性
アニオン系高分子化合物を含む水溶液を添加攪拌して疎
水性樹脂を水に分散させる転相法等により得ることがで
きる。
【0022】上記以外の方法でも、疎水性樹脂の水分散
液を得ることができる方法であれば、適宜採用すること
ができるが、疎水性樹脂の幅広い種類に適応が可能な点
で、上記した疎水性樹脂の有機溶媒用液をポリビニルア
ルコール、親水性アニオン系高分子化合物を含む水溶液
中に添加攪拌して分散させる方法が好ましい。また分散
液を調製するに際し、必要により高圧ホモゲナイザー等
の分散装置を併用しても良い。
【0023】本発明の処理剤中には、本発明の所期の目
的を阻害しない範囲において、必要に応じて上記成分以
外に更に、界面活性剤、増粘剤、ポリビニルアルコール
以外の保護コロイド、表面平滑剤、離型剤等を添加する
ことができる。
【0024】本発明の処理剤によって繊維状物を処理す
る方法としては、本発明処理剤を繊維状物に散布、塗布
する方法、本発明の処理剤中に繊維状物を浸漬する方法
等が挙げられる。
【0025】
【実施例】以下、実施例、比較例を挙げて本発明を更に
詳細に説明する。
【0026】実施例1〜7、比較例1〜7 疎水性樹脂として融点140℃のポリエチレンワックス
を用い、これと脱イオン水、及びポリビニルアルコー
ル、親水性アニオン系高分子物質、界面活性剤等を、表
1に示す割合(配合は重量部)で1リットルのオートク
レーブに仕込み、水酸化ナトリウムでpHを8に調整し
た後、150℃に加熱して、1000rpmで15分間
攪拌した後、500rpmで攪拌しながら40℃まで冷
却してポリエチレンワックスが分散した処理剤を得た
(但し、比較例3〜6は分散液が得られなかった。)。
処理剤中に分散しているポリエチレンワックスの粒子径
を、処理剤の製造直後に粒度分布測定装置(堀場製作所
株式会社製:LA−910型粒度分布測定装置)にて測
定した結果を表1に示す。またこの処理剤を、20℃と
40℃の雰囲気下で保持し、それぞれの温度における分
散液の経時安定性を評価した。結果を表1にあわせて示
す。
【0027】
【表1】
【0028】尚、表1に示した分散液の経時安定性は、
100mlのスクリュー管に処理剤50mlを入れ、2
0℃と40℃の恒温槽中で静置した後、一カ月後及び二
カ月後の分散状態を目視観察し、 ○・・・分離が認められない。 △・・・分離が認められるが、スクリュー管の横倒し、
立て直し操作を10回繰り返すと、再分散して均一とな
る。 ×・・・分離が認められると共に沈降物がハードケーキ
状となり、スクリュー管の横倒し、立て直し操作を10
回繰り返しても再分散しない。 として評価した。
【0029】また上記表1に示す、各ポリビニルアルコ
ール(PVAと略す。)、親水性アニオン系高分子化合
物(アニオンと略す。)、界面活性剤は以下の通りであ
る。
【0030】 ・PVA−A:鹸化度88.0%、平均分子量21万 ・PVA−B:鹸化度79.5%、平均分子量12万 ・PVA−C:鹸化度71.5%、平均分子量9万
【0031】・アニオン−A:アクリルアミド/メタク
リル酸(重量比で25/75)共重合体(平均分子量8
00万) ・アニオン−B:アクリルアミド/メタクリル酸(重量
比で90/10)共重合体(平均分子量2100万) ・アニオン−C:アクリルアミド/メタクリルアミド/
メタクリル酸(重量比で55/10/35)共重合体
(平均分子量1600万) ・アニオン−D:アクリルアミド/メタクリル酸/アク
リル酸(重量比で70/10/20)共重合体(平均分
子量80万) ・アニオン−E:アクリルアミド重合体(平均分子量1
800万) ・アニオン−F:アクリルアミド/メタクリル酸/マレ
イン酸(重量比で55/35/10)共重合体(平均分
子量560万)
【0032】・界面活性剤−A:ポリオキシエチレン
(10モル)オレイルエーテル ・界面活性剤−B:ポリオキシエチレン(20モル)ソ
ルビタンモノステアレート ・界面活性剤−C:ポリオキシエチレン(7モル)ノニ
ルフェニルエーテル ・界面活性剤−D:ポリオキシエチレン(9モル)ノニ
ルフェニルエーテル ・界面活性剤−E:ポリオキシエチレン(17モル)ノニ
ルフェニルエーテル
【0033】上記実施例1〜7、比較例1〜7の各処理
剤(比較例については、安定な分散液が得られた比較例
1、2及び7を用いた)により、アクリル/麻混紡糸
(重量比で50/50の混紡、52番双糸)を、以下の
条件で処理し、処理後のアクリル/麻混紡糸の摩擦特性
(編成張力及び走行張力)、静電気発生量を測定した。
結果を表2に示す。
【0034】アクリル/麻混紡糸処理条件 処理剤濃度 5% o.w.f. 浸漬温度・時間 50℃×10分 浴比 1:20 絞り 50% 乾燥温度・時間 80℃×60分
【0035】
【表2】
【0036】※1 編成張力は、杉原計器株式会社製
「編成性試験機」を用い、編み針3本、一回捻り2カ所
の条件にて糸速度25mと100mでの張力で編み立て
性を評価した。数値が小さい方が摩擦が少なく、編み立
て性が良好なことを意味する。
【0037】※2 走行張力は、図1に示す装置によ
り、測定する糸条1の一端を低速ワインダー(図示せ
ず)に固定し、糸条1の他端に10gの分銅2を吊り下
げ、糸条1の低速ワインダーから分銅2までの間に、2
つのロードセル3、4を設け、更にこれらのロードセル
3、4の間に位置する糸条1の部分に、摩擦抵抗体とし
て7Gのメリヤス編み針5を6本配置し、糸速度200
mと300mで巻き上げた時の初張力をロードセル3に
より、出張力をロードセル4により測定した。出張力か
ら初張力を差し引いた発生張力を糸−金属間に発生する
摩擦量とした。発生張力の値が小さい方が糸−金属間の
摩擦が少なく糸の平滑性が良好であることを意味する。
【0038】※3 静電気発生量は、走行張力測定時の
発生静電気量を、春日電気株式会社製「集電位測定機:
KS−525型」を用いて測定した。数値が小さい方が
摩擦によって発生する静電気量が少ないことを意味す
る。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の繊維処理
剤は、疎水性樹脂を、ポリビニルアルコールと、平均分
子量100万以上の親水性アニオン系高分子化合物とを
併用して水に分散せしめた構成としたため、分散液の安
定性に優れ、ポリビニルアルコールの使用量を少なくし
た場合でも、優れた安定性を示す。このため分散剤とし
ての界面活性剤を用いることなく、更にポリビニルアル
コールの使用量を少なくすることにより、繊維状物の剛
性、柔軟性、耐水性、撥水・撥油性、平滑性、耐食性、
耐熱性、表面光沢、繊維状物の成形体を得る際の離型性
等の諸物性をより向上できる等の効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】走行張力の測定装置を示す略図である。
フロントページの続き (72)発明者 黒田 巌 愛知県岩倉市野寄町西出1番地の1 ミヨ シ油脂株式会社名古屋工場内 (72)発明者 細田 和夫 愛知県岩倉市野寄町西出1番地の1 ミヨ シ油脂株式会社名古屋工場内 (72)発明者 釜田 幸郎 愛知県岩倉市野寄町西出1番地の1 ミヨ シ油脂株式会社名古屋工場内 Fターム(参考) 4L033 AB01 AC02 AC03 AC04 AC09 AC15 BA01 CA12 CA18 CA27 CA29

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 疎水性樹脂が、ポリビニルアルコール
    と、平均分子量が100万以上の親水性アニオン系高分
    子化合物の存在下に、水に分散していることを特徴とす
    る繊維状物処理剤。
  2. 【請求項2】 ポリビニルアルコールの鹸化度が70〜
    90%であり、且つ平均分子量が5万〜30万である請
    求項1記載の繊維状物処理剤。
  3. 【請求項3】 親水性アニオン系高分子化合物が、アク
    リル酸、メタクリル酸、マレイン酸、これら酸の中和物
    や部分中和物よりなる群から選ばれた少なくとも1種を
    主成分とする重合体である請求項1又は2記載の繊維状
    物処理剤。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106087466A (zh) * 2016-08-29 2016-11-09 盛虹集团有限公司 生物基ptt面料免蒸洗印花工艺用分散染料组合物

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CN106087466A (zh) * 2016-08-29 2016-11-09 盛虹集团有限公司 生物基ptt面料免蒸洗印花工艺用分散染料组合物

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