JP2000143560A - シクロアルケンの塩素化法 - Google Patents
シクロアルケンの塩素化法Info
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Abstract
なく、且つ工業的に実施可能なシクロアルケンの塩素化
法を提供する。 【解決手段】 シクロヘキセンを塩素を用いて塩素化す
るに際し、シクロヘキセンに対して0.02重量%以上
100重量%以下の酸化防止剤共存下で反応させる。
Description
の原料である3−クロルシクロアルケンを得る方法に関
するものである。特に1,3−シクロヘキサジエンの原
料として有用な3−クロルシクロヘキセンを与えるシク
ロヘキセンの塩素化方法に関するものである。さらに、
その3−クロルシクロヘキセンから得られる1,3−シ
クロヘキサジエン及びその重合体の製造方法に関するも
のである。
リビングアニオン重合により高耐熱性で、且つ高剛性の
ポリマーが得られることが知られており、工業的に重要
なモノマーである。この1,3−シクロヘキサジエンか
ら高重合物を得るにあたっては、不純物としてシクロヘ
キセン、ベンゼン、メチルシクロペンテンが含まれてい
ても重合に支障のないことが知られている(特開平7−
196737号公報)。しかし、1,3−シクロヘキサ
ジエンの異性体である1,4−シクロヘキサジエンが不
純物として含まれる場合、重合が円滑に進まず、低分子
量体のみ得られたり、重合が全く進まなくなることが知
られている(例えば、Polym.Prepr.(A
m.Chem.Soc.Div.Polym.Che
m.)12,P.402(1971))。本発明者らが
検討したところ、目的とする高分子量体を得るために
は、1,4−シクロヘキサジエンの含有量が少なくとも
2モル%以下であることが必要である。
法としては、種々の方法が提案されているが、高収率か
つ高純度の1,3−シクロヘキサジエンを得る方法の一
つは、3−ヒドロキシシクロヘキセンを硫酸などの鉱酸
類や結晶性メタロシリケート等の酸触媒を用いて脱水す
る方法が知られている(例えば、特開平8−25343
4号公報等)。
−クロルシクロヘキセンの加水分解により容易に得られ
ることが知られている。従って、3−クロルシクロヘキ
センは、1,3−シクロヘキサジエンを得る有用な原料
である。3−クロルシクロヘキセンから3−ヒドロキシ
シクロヘキセンを経由する1,3−シクロヘキサジエン
への製造ルートを下式に示す。
てはシクロヘキセンの塩素化が考えられるが、シクロヘ
キセンと塩素の反応は既に報告されており、下に示すt
rans−1,2−ジクロルシクロヘキサン(1)、3
−クロルシクロヘキセン(2)、4−クロルシクロヘキ
セン(3)が主に生成することが知られている。
センに暗所、25℃で塩素を反応させるとtrans−
1,2−ジクロルシクヘキサン(1)、3−クロルシク
ロヘキセン(2)及び4−クロルシクロヘキセン(3)
が1.95:1.00:0.60の比率で生成すること
を報告している。さらに彼らは、この塩素化反応は、光
照射下での塩素化が暗所での塩素化と同じ生成物比を与
えると報告している(J.Am.Chem.Soc.,
87(10) P.2161(1965))。彼らは、
反応速度について詳細な検討を行い、trans−1,
2−ジクロルシクロヘキサンがシクロヘキセンの2重結
合への塩素の付加反応により生じ、3−クロルシクロヘ
キセンが2重結合への塩素の協奏的付加・脱離反応及
び、ラジカル反応により生じ、4−クロルシクロヘキセ
ンが、塩素のシクロヘキセンへのラジカル反応から生じ
ることを明らかにしている。
センの塩素化を行った試験結果によれば、原料シクロヘ
キセンの転化率が約70%以下の場合trans−1,
2−ジクロルシクロヘキサン、3−クロルシクロヘキセ
ン、4−クロルシクロヘキセンの比率は、シクロヘキセ
ンの転化率にほぼ無関係に文献に示されている比率で一
定であった。4−クロルシクロヘキセンの選択率は、1
7%であり、3−クロルシクロヘキセンの約1/2量の
4−クロルシクロヘキセンが副生した。
trans−1,2−ジクロルシクロヘキサンの沸点が
189℃/760mmHgであり、3−クロルシクロヘ
キセンの沸点は145℃〜147℃/760mmHgで
ある。従ってtrans−1,2−ジクロルシクロヘキ
サンと3−クロルシクロヘキセンの蒸留分離は一般的蒸
留設備により行うことが可能である。ここで4−クロル
シクロヘキセンが副生した場合、4−クロルシクロヘキ
センの沸点が141℃/720mmHgであり、3−ク
ロルシクロヘキセンの沸点に非常に近いために蒸留分離
によって除くことが困難である。一方、1,3−シクロ
ヘキサジエン合成の原料に4−クロルシクロヘキセン
(3)が含まれていると、下記ルートにより生成物とし
て1,3−シクロヘキサジエン(4)とともに1,4−
シクロヘキサジエン(5)が副生する。
料として3−クロルシクロヘキセンを得るために、4−
クロルシクロヘキセンが副生しないシクロヘキセンの塩
素化方法が求められる。シクロヘキセンを塩素化してい
る他の例としては、G.F.Bloomfieldが8
0℃で塩素化を行っている(J.Chem.Soc.
P.114(1944))。彼は、シクロヘキセンに対
して塩素を過剰量用いて塩素化を行い、生成物として塩
素が1個入ったモノクロルシクロヘキセン(収率19
%)とtrans−1,2−ジクロロヘキサン(収率2
8%)、トリクロルシクロヘキサン(収率11%)が得
られたと報告している。しかしながら、モノクロルシク
ロヘキセン中の3−クロルシクロヘキセンと4−クロル
シクロヘキセンの比率については、何も述べていない。
本発明者らが、この文献条件でシクロヘキセンの塩素化
を行った試験結果によれば、原料シクロヘキセンの転化
率は、96%で、生成物中のtrans−1,2−ジク
ロルシクロヘキサン、3−クロルシクロヘキセン、4−
クロルシクロヘキセン、トリクロルシクロヘキサンの比
率(モル%)は、それぞれ、48%、27%、6%、1
9%であり、3−クロルシクロヘキセンに対して4−ク
ロルシクロヘキセンが18%含まれており、1,3−シ
クロヘキサジエンの原料とするには、不適であることが
わかった。
ヘキセンを副生しないシクロヘキセンの塩素化方法とし
て、酸素雰囲気下でシクロヘキセンに塩素を作用する方
法を報告している。(例えば、J.Am.Chem.S
oc.,87(10) P.2161(1965))ま
た、アセトニトリルやアセトンのような極性溶媒中でシ
クロヘキセンに塩素を作用すると4−クロルシクロヘキ
センを副生しないことも同文献中で報告している。しか
し、シクロヘキセンを酸素雰囲気下で塩素化することは
シクロヘキセンの爆発範囲に入る可能性があり工業的に
実現することは難しい。また、溶媒としてアセトニトリ
ルやアセトン中でシクロヘキセンを塩素化を行うと溶媒
が何らかの反応をしたと考えられる構造不明の副生物が
生成すると同文献中に記されており、塩素を基準とする
目的物の収率が低下し、廃棄処理が必要な塩素含有有機
廃棄物が大量に発生する事となり工業的に実施するには
適当な製造法ではないものと推定される。
共存させて塩素を導入することにより4−クロルシクロ
ヘキセンが副生しないでシクロヘキセンの塩素化物を得
る方法も報告されている(Acta Chem.Sca
nd.,24(#2)P.736(1970))。しか
しこの方法も一酸化二塩素が爆発する危険性が知られて
おり、工業的に安定して実施することは難しい。
して、tert−ブチルハイポクロリドを塩素化剤に用
い、ベンゾイルパーオキシド等のラジカル発生剤存在下
でシクロヘキセンを塩素化する方法が報告されている
(例えば、HelveticaChemica Act
a, P.130(1957))。本方法は、前記の塩
素による塩素化に比較すると77%と高収率で3−クロ
ルシクロヘキセンを得ることができ、かつ4−クロルシ
クロヘキセンの副生が無いが、tert−ブチルハイポ
クロリドは、tert−ブチルアルコールと苛性ソーダ
及び、塩素から実験室的には合成されるが、このter
t−ブチルハイポクロリドの製造に際して、tert−
ブチルハイポクロリドが爆発することがあることが知ら
れており、工業的に製造されておらず、安定して大量に
得ることができない。また、貯蔵等の取り扱いも容易で
ない。
クロルシクロアルケンの副生が極めて少なく、且つ工業
的に実施可能なシクロアルケンの塩素化法を提供するこ
とである。
発明者らが鋭意検討した結果驚くべきことに、酸化防止
剤を共存させて塩素化することにより、4−クロルシク
ロヘキセンの生成量を極めて低く抑えることができるこ
とを見出し、本発明に至ったものである。すなわち本発
明は、[1] シクロアルケンを塩素を用いて塩素化す
るに際し、酸化防止剤を該シクロアルケンに対して0.
02重量%以上100重量%以下の量共存させて塩素化
することを特徴とするシクロアルケンの塩素化法、
[2] 酸化防止剤がフェノール骨格を有することを特
徴とする[1]に記載のシクロアルケンの塩素化法、
[3] 酸化防止剤が2,6−ジ−tert−ブチル−
4−メチルフェノールであることを特徴とする[1]又
は[2]に記載のシクロアルケンの塩素化法、[4]
シクロアルケンがシクロヘキセンであることを特徴とす
る[1]、[2]又は[3]に記載のシクロアルケンの
塩素化法、[5] [1]、[2]、[3]又は[4]
に記載のシクロアルケンの塩素化法によって3−クロル
シクロヘキセンを製造後、該3−クロルシクロヘキセン
を脱塩化水素反応することを特徴とする1,3−シクロ
ヘキサジエンの製造方法、[6] [5]に記載の1,
3−シクロヘキサジエンの製造方法によって1,3−シ
クロヘキサジエンを製造後、該1,3−シクロヘキサジ
エンのみ、または他のモノマーと重合することを特徴と
する1,3−シクロヘキサジエン重合体の製造方法、で
ある。
於けるシクロアルケンは、好ましくは5員環から10員
環のシクロアルケンであり、さらに好ましくは5員環か
ら8員環のシクロアルケンである。特に好ましくはシク
ロヘキセンである。本発明に於ける酸化防止剤は、有機
化合物、無機化合物を問わずラジカルを捕獲する作用の
あるものであればいずれの化合物も用いることができ
る。該酸化防止剤の例としてはフェノール類、チオエー
テル類、ホスファイト類、アザシクロヘキシル骨格を有
するアミン類(以下、ピペリジル類と称す。)、アルコ
ール類、金属塩化物類が挙げられる。その中で好ましい
ものはフェノール骨格を有するフェノール類酸化防止剤
である。
tert−ブチル−4−メチルフェノール(以下BHT
と略す。)、2,4,6−トリ−tert−ブチルフェ
ノール、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、ヒ
ドロキノン、レゾルシン、カテコール、p−ベンゾキノ
ン、2,6−ジメチルフェノール、フェノール、2,
2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチ
ルフェノール)、ビスフェノールA、ビスフェノールF
等があげられる。この中ではBHTが特に好ましい。
3,3’−チオジプロピオナート、ジステアリル3,
3’−チオジプロピナート、4,4’−チオビス(6−
tert−ブチル−3−メチルフェノール)等が挙げら
れる。ホスファイト類の例としては、トリフェニルホス
ファイト、ジフェニルイソデシルホスファト等が挙げら
れる。ピペリジル類の例としては、ビス(2,2,6,
6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート等が挙
げられる。アルコール類の例としては、エタノール、2
−メチル−2−プロパノール等が挙げられる。金属塩化
物の例としては塩化銅(II)等が挙げられる。
の酸化防止剤を単独で用いてもよいし、2種以上を併用
することも可能である。該酸化防止剤の量は該シクロア
ルケンに対して0.02重量%以上100重量%以下の
量であり、好ましくは0.1重量%以上20重量%以下
である。該酸化防止剤の量が0.02重量%未満の場合
選択的な塩素化の効果が小さく、100重量%を超える
量である場合バッチ当たりの生産性が低下すると同時に
酸化防止剤を回収する必要が大となり、製造プロセスが
煩雑となる。
可能であるが、使用量が少ない場合は、反応混合物から
目的物を分離した後に廃棄処理することもできる。本発
明では、シクロアルケンに塩素を反応させるに際し、反
応温度を所定の範囲内に保つことが好ましい。即ち−5
0℃以上500℃以下に保つことが好ましい。さらに好
ましくは、0℃以上300℃以下である。−50℃未満
では、4−クロルシクロヘキセン生成量が増え、塩素化
反応により得られた混合物を脱塩化水素反応した場合
1,3−シクロヘキサジエン中の1,4−シクロヘキサ
ジエンの含有量が増え、好ましくない。また、500℃
を越える温度では、生成した3−クロルシクロヘキセン
の分解が顕著となる。
以下の場合、シクロアルケンは、液体であるから、液体
中に塩素ガスを吹き込んで反応させる。また、反応温度
がシクロアルケンの沸点以上の温度の場合には気相で塩
素と接触させて、反応させることができる。反応は、不
活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。不活性ガスと
しては、窒素、ヘリウム、アルゴン等を用いることがで
きる。不活性ガス雰囲気下に保つ方法としては、塩素ガ
スを上記不活性ガスで希釈する方法が好ましい。さらに
希釈率としては、0℃、常圧において0.01g/リッ
トル以上2.9g/リットル以下の塩素濃度に調整する
ことが好ましい。希釈を行わないと塩素化反応における
反応熱のために反応温度が異常に上昇し、分解物が多く
なることがある。塩素化反応を安定に行うために不活性
ガスで塩素を希釈することが有効である。
備の大型化が容易である点からゲージ圧が1気圧以上1
0気圧以下が好ましい。本発明における塩素化法でのシ
クロアルケンと塩素のモル比は、好ましくは、10:1
から10:15であり、さらに好ましくは、10:3か
ら10:12である。モル比が10:1より少ないと十
分な転化率を得ることができず、反応混合物からの3−
クロルシクロアルケンの単離に多くのエネルギーを要す
ることとなる。またモル比が10:15より多いと3個
以上の塩素原子を有する化合物が多量に生成し、目的物
の収量が低下する。
化を行う場合、原料のシクロアルケンは、無溶媒で反応
させても良いし、塩素に対して不活性の溶媒を用いて希
釈しても良い。溶媒としては、例えば四塩化炭素、クロ
ロホルム、テトラクロロエチレン等のハロゲン系溶媒や
酢酸、二硫化炭素などを用いることができる。気相で反
応を行う場合にも、反応熱の除熱を助ける目的で窒素、
ヘリウム、アルゴン等の不活性気体で希釈した塩素を用
いることが好ましい。また、上記不活性溶媒を気相に同
伴させてもよい。
鉄、塩化鉄等の金属及び、金属塩を触媒として用いても
構わない。本発明においては、塩素化において塩化水素
が同時に生成するので反応器材質は、高温で耐塩酸性に
優れた材質を選定することが好ましく、例えば、グラス
ライニングを施した鉄系材料や、耐酸性のキュプロニッ
ケルを用いることができる。
を塩素化した場合、3−クロルシクロヘキセンとtra
ns−1,2−ジクロルシクロヘキサンと少量の4−ク
ロルシクロヘキセンと塩素が3個以上置換したポリ塩化
シクロヘキサンの混合物が得られる。この混合物を例え
ば減圧蒸留することによって4−クロルシクロヘキセン
の含有量が極めて少ない3−クロルシクロヘキセンを得
ることができる。
化水素して1,3−シクロヘキサジエンに変換する方法
としては、従来公知の方法を用いることができる。例え
ば、3−クロルシクロヘキセンを加水分解により3−ヒ
ドロキシシクロヘキセンに変換し、酸触媒を用いて脱水
することにより1,3−シクロヘキサジエンを得ること
ができる。また、3−ヒドロキシシクロヘキセンをγ−
アルミナやリン酸マグネシウム等の触媒を用いて気相で
脱水反応を行ってもよい。さらには文献(Helv.C
him.Acta,40,P.130(1957))に
記載のある3−クロルシクロヘキセンにジメチルアニリ
ン等の塩基を作用させて塩基の塩酸塩として脱塩化水素
反応を行わせても1,3−シクロヘキサジエンを得るこ
とができる。
1,4−シクロヘキサジエンの含有量が極めて少ない
1,3−シクロヘキサジエンを公知の方法(例えば、W
O94/28038等)で重合することによって平均分
子量の高い(1,3−シクロヘキサジエン)ホモポリマ
ーを得ることができる。また、他のモノマーと共重合さ
せることにより1,3−シクロヘキサジエンユニットを
含む共重合体を得ることができる。
重合できるモノマーとしては、アニオン重合によって重
合可能な従来公知のモノマーを例示することができる。
例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジ
メチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、
1,3−ヘキサジエン等の鎖状共役ジエン系モノマー、
スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、
p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、
1,3−ジメチルスチレン、ジビニルベンゼン、ビニル
ナフタレン、ジフェニルエチレン、ビニルピリジン等の
ビニル芳香族モノマー、メタクリル酸メチル、アクリル
酸メチル、アクリロニトリル、メチルビニルケトン、α
−シアノアクリル酸メチル等の極性ビニル系モノマー、
エチレンオキシド、プロピレンオキシド、環状ラクト
ン、環状ラクタム、環状シロキサン等の極性モノマー、
あるいはエチレン、α−オレフィン系モノマーを例示す
ることができる。これらのモノマーは必要に応じて一種
でも、あるいは二種以上であっても構わない。
に説明する。
回転子を備えた200mlガラス反応器にシクロヘキセ
ン82.0g(1mol)と2,6−ジ−tert−ブ
チル−4−メチルフェノール(BHT)11.0g
(0.05mol)を加えた。反応器に塩素ガス0.5
9g/minを還流温度を維持するように昇温しながら
120分間導入した(還流温度83℃〜136℃)。塩
素導入量71g(1mol)。塩素導入後反応液をガス
クロマトグラフィーにより分析したところ、シクロヘキ
センの転化率は97%であり、生成物中のモル%は3−
クロルシクロヘキセンは33%、trans−1,2−
ジクロルシクロヘキサンは60%、4−クロルシクロヘ
キセンは0.5%、その他は塩素が3個以上置換したポ
リ塩化シクロヘキサンであった。シクロヘキセンを留去
した後に3−クロルシクロヘキセンを73℃〜74℃/
80mmHgで減圧蒸留した。得られた3−クロルシク
ロヘキセンの収率は26%であり、4−クロルシクロヘ
キセンの含有率は0.8モル%であった。
ルフェノール(BHT)を加えなかったこと以外は実施
例1と同様に塩素化反応を行った(還流温度83℃〜1
34℃)。その結果、シクロヘキセンの転化率は、95
%であり、生成物中のモル%は3−クロルシクロヘキセ
ンは26%、trans−1,2−ジクロルシクロヘキ
サンは51%、4−クロルシクロヘキセンは13%、そ
の他は塩素が3個以上置換したポリ塩化シクロヘキサン
であった。実施例1と同様に3−クロルシクロヘキセン
の蒸留を行うと、4−クロルシクロヘキセンの含量が3
2モル%である3−クロルシクロヘキセンと4−クロル
シクロヘキセンの混合物が30%の収率で得られただけ
であり、4−クロルシクロヘキセンを蒸留で除くことは
できなかった。
ルフェノール(BHT)の添加量を1.1g(0.00
5mol)に変えたこと以外は実施例1と同様に塩素化
反応を行った(還流温度83℃〜132℃)。その結
果、シクロヘキセンの転化率は、93%であり、生成物
中のモル%は、3−クロルシクロヘキセンは30%、t
rans−1,2−ジクロルシクロヘキサンは56%、
4−クロルシクロヘキセンは1.0%、その他は塩素が
3個以上置換したポリ塩化シクロヘキサンであった。実
施例1と同様に蒸留を行うと、3−クロルシクロヘキセ
ンの収率は25%であり、4−クロルシクロヘキセンが
2.0モル%含まれていた。
6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(B
HT)を0.01重量%含有する。)に変えたこと以外
は実施例1と同様に塩素化反応を行った(還流温度83
℃〜132℃)。その結果、シクロヘキセンの転化率
は、92%であり、生成物中のモル%は3−クロルシク
ロヘキセンは20%、trans−1,2−ジクロルシ
クロヘキサンは53%、4−クロルシクロヘキセンは1
1%、その他は塩素が3個以上置換したポリ塩化シクロ
ヘキサンであった。実施例1と同様に蒸留を行うと、3
−クロルシクロヘキセンと4−クロルシクロヘキセンの
混合物の収率は26%であり、4−クロルシクロヘキセ
ンが30モル%含まれていた。
回転子を備えた200mlガラス反応器にシクロヘキセ
ン82.0g(1mol)と2,6−ジ−tert−ブ
チル−4−メチルフェノール(BHT)22.0g
(0.1mol)を加えた。反応器に塩素ガス1.3g
/minを窒素ガス100ml/minで希釈したガス
を還流温度を維持するように昇温しながら60分間導入
した(還流温度83℃〜140℃)。塩素導入量78g
(1.1mol)。塩素と窒素の混合ガス導入後反応液
をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、シク
ロヘキセンの転化率は100%であり、生成物中のモル
%は3−クロルシクロヘキセンは29%、trans−
1,2−ジクロルシクロヘキサンは62%、4−クロル
シクロヘキセンは0.1%、その他は塩素が3個以上置
換したポリ塩化シクロヘキサンであった。実施例1と同
様にして3−クロルシクロヘキセンを減圧蒸留した。得
られた3−クロルシクロヘキセンの収率は24%であ
り、4−クロルシクロヘキセンが0.2モル%含まれて
いた。
ルフェノール(BHT)を加えなかった以外は実施例3
と同様に塩素を窒素で希釈して塩素化反応を行った(還
流温度83℃〜131℃)。その結果、シクロヘキセン
の転化率は90%であり、生成物中のモル%は3−クロ
ルシクロヘキセンは10%、trans−1,2−ジク
ロルシクロヘキサンは55%、4−クロルシクロヘキセ
ンは6%、その他は塩素が3個以上置換したポリ塩化シ
クロヘキサンであった。シクロヘキセンを留去した後に
実施例1と同様にして3−クロルシクロヘキセンを減圧
蒸留した。得られた3−クロルシクロヘキセンの収率は
15%であったが、このものには4−クロルシクロヘキ
センが35モル%含まれていた。
ルフェノール(BHT)をハイドロキノン5.5g
(0.05mol)に変えた以外は実施例1と同様に塩
素化反応を行った(還流温度83℃〜133℃)。その
結果、シクロヘキセンの転化率は93%であり、生成物
中のモル%は、3−クロルシクロヘキセンは28%、t
rans−1,2−ジクロルシクロヘキサンは56%、
4−クロルシクロヘキセンは1.0%、その他は塩素が
3個以上置換したポリ塩化シクロヘキサンであった。シ
クロヘキセンを留去した後に実施例1と同様にして3−
クロルシクロヘキセンを減圧蒸留した。得られた3−ク
ロルシクロヘキセンの収率は22%であったが、このも
のには4−クロルシクロヘキセンが2.0モル%含まれ
ていた。
即ちシクロヘキセンに酸化防止剤を添加して塩素により
塩素化する方法により、4−クロルシクロヘキセンの含
有量が極めて少なく、高純度の1,3−シクロヘキサジ
エンに誘導可能な3−クロルシクロヘキセンを容易に製
造することができる。
Claims (6)
- 【請求項1】 シクロアルケンを塩素を用いて塩素化す
るに際し、酸化防止剤を該シクロアルケンに対して0.
02重量%以上100重量%以下の量共存させて塩素化
することを特徴とするシクロアルケンの塩素化法。 - 【請求項2】 酸化防止剤がフェノール骨格を有するこ
とを特徴とする請求項1に記載のシクロアルケンの塩素
化法。 - 【請求項3】 酸化防止剤が2,6−ジ−tert−ブ
チル−4−メチルフェノールであることを特徴とする請
求項1又は2に記載のシクロアルケンの塩素化法。 - 【請求項4】 シクロアルケンがシクロヘキセンである
ことを特徴とする請求項1、2又は3に記載のシクロア
ルケンの塩素化法。 - 【請求項5】 請求項1、2、3又は4に記載のシクロ
アルケンの塩素化法によって3−クロルシクロヘキセン
を製造後、該3−クロルシクロヘキセンを脱塩化水素反
応することを特徴とする1,3−シクロヘキサジエンの
製造方法。 - 【請求項6】 請求項5に記載の1,3−シクロヘキサ
ジエンの製造方法によって1,3−シクロヘキサジエン
を製造後、該1,3−シクロヘキサジエンのみ、または
他のモノマーと重合することを特徴とする1,3−シク
ロヘキサジエン重合体の製造方法。
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JP2001031595A (ja) * | 1999-07-15 | 2001-02-06 | Asahi Chem Ind Co Ltd | 1,3−シクロアルカジエンの製造法 |
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