JP2712694B2 - フェニルクロロチオホルメト類の製造法 - Google Patents

フェニルクロロチオホルメト類の製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明はフェニル クロロチオホルメイト類の製造法
に関する。フェニル クロロチオホルメイト類は医薬、
農薬の製造中間体として非常に有用である。
<従来技術> 従来の製造法としては、二硫化炭素よりパークロロメ
チルメルカプタンを製造する方法(特開平1−261360号
公法等)、並びにパークロロメチルメルカプタンよりチ
オホスゲンを製造する方法(特開平1−257116号公
報)、さらには、チオホスゲンとフェノールよりフェニ
ル クロロチオホルメイト類を製造する方法(特開昭60
−61562号公報)が公知である。
また、中間体を単離精製しない方法として、二硫化炭
素と塩酸混合溶液に塩素ガスを吹込み後、有機溶媒を添
加し、水層を除去し、次いで水およびヨウ化物を添加後
二酸化イオウガスを吹込み、さらにフェノール類、脱ハ
ロゲン化水素試剤を添加し、フェニル クロロチオホル
メイト類を製造する方法が公知である(特開昭62−1203
58号公報)。
<従来技術の課題> 従来技術としては特開平1−261360号公報、特開平1
−257116号公報、特開昭60−61562号公報等、各々の中
間体を製造する方法については、二硫化炭素を原料と
し、順次、反応を行うことにより、目的物のフェニル
クロロチオホルメイトを得ることができるが、中間体の
パークロロメチルメルカプタン並びにチオホスゲンは毒
性が高いため、工業的には単離精製することなく、次反
応を実施することが得策である。
特開昭62−120358号公報に記載された方法において
は、二硫化炭素を原料とし、中間体のパークロロメチル
メルカプタン並びにチオホスゲンを単離精製することな
く、安全にフェニル クロロチオホルメイトを製造して
いるが、反応溶として使用する有機溶媒は、四塩化炭素
等、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素溶媒並びにベ
ンゼン等の芳香族炭化水素溶媒のみであり、ハロゲン化
炭化水素溶媒を用いた場合、該溶媒の比重が1g/ml以上
のため、各工程の反応終了後の排水の除去処理時、水層
が上層となるため、反応器内に有機層を残すためには、
上層の水層を減圧吸引等により上部より除去することが
必要で、繁雑な操作が必要である。また、ハロゲン化炭
化水素溶媒は、近年環境汚染問題や毒性問題が指摘さ
れ、工業的には取扱いが困難となってきている。一方芳
香族炭化水素溶媒は比重が1g/ml以下のため、各工程の
反応終了後の水層除去処理時の操作性は良好となるが、
該溶液は、パークロロメチルメルカプタン並びにチオホ
スゲンにより塩素化され、毒性の高い塩素化芳香族化合
物を副生する恐れがあり、工業的には注意を要する。
さらに反応に用いる二酸化イオウはガスとして供給
し、反応を行うため、余剰の二酸化イオウがガスとして
系外へ流出し、これに同伴しチオホスゲンが流出するた
め工業的には非常に危険である。
<課題を解決するために手段> 本発明者らは、二硫化炭素よりフェニル クロロチオ
ホルメイトの安全な製造法について鋭意検討した結果、
二硫化炭素を酸性水溶液存在下、塩素により塩素化し得
られる反応液に所定の脂肪族炭化水素を添加、抽出の
後、下層の水層を除去、次いで、触媒を添加した後、亜
硫酸水溶液を供給し、反応させ、下層の水層を除去、さ
らにフェノール類の脱ハロゲン化水素試剤水溶液を供給
し反応させることにより、二硫化炭素より反応中間体を
単離精製することなく、容易な操作でしかも、1反応器
でフェニル クロロチオホルメイト類を製造することを
見出だし本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、酸性水溶液存在下、二硫化炭素
を塩素により塩素化し得られる反応液に脂肪族炭化水素
を添加、抽出の後、下層の水層を除去、次いで触媒存在
下、亜硫酸水溶液を供給し反応させ得られる反応液よ
り、下層の水層を除去、さらにフェノール類とアルカリ
水溶液を供給し反応させることを特徴とするフェニル
クロロチオホルメイト類の製造法を提供するものであ
る。
<作用> 以下本発明を詳細に説明する。
本発明の製造工程は3工程からなり、酸性水溶液存在
下、二硫化炭素を塩素により塩素化し、得られる反応液
に脂肪族炭化水素を添加、抽出し、下層の水層を除去す
る工程を第一工程、第一工程で得られた反応液を触媒存
在下、亜硫酸水溶液で処理し得られる反応液より下層の
水層を除去する工程を第二工程、さらに第二工程で得ら
れた反応液にフェノール類並びに脱ハロゲン化水素試剤
水溶液を供給し反応させる工程を第三工程と以下省略す
る。
第一工程は、反応器に酸性水溶液並びに二硫化炭素を
仕込み撹拌条件下、塩素を供給し反応させる。
第一工程で使用する塩素量は、原料二硫化炭素に対し
て4.5倍モル以上5.5倍モル量の範囲であり、4.5倍モル
量以下では原料二硫化炭素が残存し、5.5倍モル量以上
では副反応が進行し収率低下をきたすため好ましくな
い。
第一工程で使用する酸性水溶液としては、硫酸、塩酸
水溶液であえればどちらでも良く、また混合して用いて
も何等支障ない。酸性水溶液の濃度としては、硫酸を使
用した場合は20重量%以上必要で、塩酸を使用した場合
は10重量%以上必要である。混合して使用する場合は、
濃度が25重量%以上であれば良い。
また、第一工程での酸性水溶液の使用量は、原料二硫
化炭素に対して33重量比以下、4重量比以上の範囲であ
り、33重量比以上の使用は、液量が大となり、実用的で
はなく、4重量比以下では、反応温度の制御が困難とな
り、安定した反応が行なえない。
第一工程の反応温度としては、0℃以上、30℃以下の
範囲で可能で、0℃以下では、反応液が固結する恐れが
あり好ましくなく、30℃以上では原料二硫化炭素の気散
が発生し好ましくない。
第一工程の反応時間は、条件の違いにより異なるが、
上記温度範囲になるように塩素供給速度を調節する。
さらに、二硫化炭素に対する塩素供給速度が、大であ
るほど高収率でパークロロメチルメルカプタンを得るこ
たができるため、必要に応じて、二硫化炭素1kgに対し
て、400〜1000kcal/hrs・kg程度除熱能力を有する外部
循環冷却装置を備えた反応器で反応を行うことが好まし
い。
第一工程で得られる反応液は、窒素ガスまたは空気を
供給することにより余剰の塩素を除去、次いで、脂肪族
炭化水素溶媒を所定量添加、撹拌の後、静定、分液し、
下層の水層を除去する。
添加する脂肪族炭化水素溶媒としては、炭素数5以上
15以下の化合物であればあらゆるものが使用可能で、例
えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナ
ン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン等の直
鎖脂肪族炭化水素、ジメチルブタン、メチルペンタン、
ジメチルペンタン、メチルヘキサン、トリメチルペンタ
ン、ジメチルヘキサン、メチルヘプタン等の分岐脂肪族
炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロオ
クタン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサ
ン、メチルシクロヘプタン、メチルシクロオクタン、ジ
メチルシクロペンタン、ジメチルシクロヘキサン、ジメ
チルシクロヘプタン、ジメチルシクロオクタン、エチル
シクロペンタン、エチルシクロヘキサン、エチルシクロ
オクタン等の環状脂肪族炭化水素、混合物として、石油
エーテル、石油ベンジン、リグロイン等をあげることが
できるが、好ましくは、工業的に容易に入手可能なもの
として、ペンタン、ヘキサン、オクタン、シクロヘキサ
ン、石油エーテル、石油ベンジン、リグロインである。
また、炭素数5以下の脂肪族炭化水素は常温で気体のた
め本発明に適用できず、炭素数15以上の脂肪族炭化水素
は室温で固体のものもあり、さらに室温で液体のものに
ついても沸点が高く、目的物フェニル クロロチオホル
メイト類との蒸留分離が困難となるため好ましくない。
第一工程の抽出に用いる脂肪族炭化水素の量としては
原料に二硫化炭素に対して、3倍量以上であれば問題な
く、本発明に適用可能であるが、多量の使用は経済的で
はなく、また3倍量以下では有機層の比重は1以上とな
り、抽出後の有機層が下層となり、水層の除去操作が困
難となるため好ましくない。このため通常3倍量以上、
20倍以下の脂肪族炭化水素溶媒を用いる。
抽出終了後、反応器中に残存する有機層はそのまま、
第二工程の反応に用いる。
第二工程は、第一工程で得られた反応液に触媒存在
下、亜硫酸水溶液を供給し反応を行う。触媒は第一工程
の反応液に添加しても良いし、また、供給する亜硫酸水
溶液に溶解させ反応に用いても良い。
第二工程で使用する触媒としては、一塩化イオウ、二
塩化イオウ、アルカリ金属ヨウ化物およびヨウ素であ
り、各々単独で用いても良いしまた二種以上の混合物と
して用いても良い。アルカリ金属ヨウ化物としては、あ
らゆるものが使用可能であるが、好ましくは、ヨウ化カ
リウム、ヨウ化ナトリウムである。
第二工程の触媒の添加量としては、第一工程で使用す
る原料二硫化炭素に対して、あらゆる量比で使用可能で
あるが、余りにも少量では反応速度が小さく工業的では
なく、また大量の使用は反応速度の大きな向上が見られ
ないため経済的ではない。このため、触媒の添加量は、
一種または二種の混合物として、第一工程の原料二硫化
炭素に対して、通常0.25mol%比以上4.8mol%比の範囲
が好ましい。
第二工程で使用する二酸化イオウの量は、第一工程で
原料として使用する二硫化炭素に対して、通常0.9モル
倍量以上であれば可能であるが、余りにも少量では、反
応が完結しない場合があり好ましくなく、また3.0倍量
以上の使用は経済的でないばかりか、副反応により第二
工程の収率が低下する場合がある。従って好ましくは、
第一工程の原料二硫化炭素の対して、0.95モル倍量以
上、3.0倍モル以下が好ましい。
第二工程の反応温度は、0℃以上60℃以下の温度範囲
内であれば問題なく実施出来るが、好ましくは5℃以
上、20℃以下である。
第二工程の亜硫酸水溶液中の二酸化イオウの濃度は、
5重量%以上、飽和溶解度の90wt%以下であれば問題な
く、本発明に適用可能である。
第二工程の反応時間としては、亜硫酸水溶液添加終了
後、0.5〜8時間の範囲で反応は完結する。
第二工程の反応液は静定、分液の後、下層の水層を反
応液より除去する。次いで、必要に応じて、第三工程で
得られるフェニル クロロチオホルメイト類の純度を向
上させるため、水層を除去の後、さらに、水を添加、洗
浄することにより、水溶性の不純物を除去しても良く、
添加する水の量としては、脂肪族炭化水素溶媒溶液の総
量に対して0.1重量倍量以上、10重量倍量の範囲が好ま
しい。
得られた有機層は、精製することなく第三工程に使用
する。
第三工程は、第二工程で得られた反応液にフェノール
類の脱ハロゲン化水素試剤水溶液を供給または、フェノ
ール類を仕込んだ後、脱ハロゲン化水素試剤水溶液を供
給することにより反応を行う。
第三工程で適用可能なフェノール類としては、無置換
のフェノール、メチルフェノール、エチルフェノール、
tert−ブチルフェノール等のアルキル置換フェノール、
β−ナフトール、5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフト
ール等の縮合フェノールをあげることができる。フェノ
ール類の添加量としては、第一工程並びに第二工程の反
応収率によるが、通常第一工程原料の二硫化炭素に対し
て0.60モル倍量以上0.70モル倍量である。
第三工程で使用する脱ハロゲン化水素試剤としては、
水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、
水酸化ルビウム、水酸化セシウム、水酸化ベリリウム、
水酸化マグネシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バ
リウム等のアルカリ金属またはアルカリ土類金属水酸
化、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の
アルカリ金属炭酸塩、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナト
リウム等のアルカリ金属炭酸水素塩があげられるが、工
業的には経済性の面で水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウ
ム、炭酸水素カリウムである。
第三工程で使用するハロゲン化水素試剤の添加量は、
反応に供するフェノール類に対して、1当量以上であれ
ば良いが、3当量以上の使用は、何等利益をもたらさ
ず、収率の低下を引起こす場合がある。濃度としてはあ
らゆる濃度での使用が可能であるが、反応で副生する無
機塩が充分溶解する水量、または、フェノール類を溶解
させ反応器へ供給する場合はフェノール類の塩並びに反
応で副生する無機塩が充分溶解する水量であれば何等問
題なく、通常は5重量%以上30重量%以下の脱ハロゲン
化水素試剤水溶液を用いる。
第三工程の反応温度は、0℃以上60℃以下でなおかつ
使用する脂肪族炭化水素の沸点以下であれば実施可能で
あるが、5℃以下では凝結が発生する場合があり、40℃
以上では、収率が低下する場合がある。
第三工程の反応時間は、上記温度範囲で実施可能な脱
ハロゲン化水素試剤の供給速度、または、フェノール類
を溶解させた脱ハロゲン化水素水溶液の供給速度とし、
反応は脱ハロゲン化水素試剤またはフェノール類を溶解
させた脱ハロゲン化水素試剤溶液を供給終了と同時に、
ほぼ完結するが、必要に応じて0.5〜6.0時間程度の熟成
を行っても良い。
反応終了後、反応液より水層を分離除去することによ
り、フェニル クロロチオホルメイト類の溶解した脂肪
族炭化水素溶媒溶液を得る。
得られた粗製フェニル クロロチオホルメイト類の該
溶液は、必要に応じて、未反応で残存するフェノール類
に対して1.05当量以上10当量以下の脱ハロゲン化水素試
剤が濃度として1〜30重量%溶解した水溶液で洗浄の
後、常圧で溶媒を留去し、次いで減圧蒸留を行い、目的
物フェニルクロロチオホルメイト類を得る。
<効果> 本発明により、二硫化炭素を原料とし、フェニル ク
ロロチオホルメイト類を製造する、より工業的で、しか
も安全な製造法が確立された。
<実施例> 以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本
発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
〔実施例1〕 800kcal/Hr・℃(5℃の場合)の冷能力を有する外部
循環冷却装置をを供えた、冷却ジャケット付き100の
グラスライニング反応装置に二硫化炭素4.6kg、20wt%
塩酸46kgを仕込み、外部循環冷却しながら5℃まで冷却
した。
次いで、塩素22.8kgを3時間かけて供給し、供給終了
後、窒素を30/Hrsの速度で20分供給し、余剰の塩素を
除去した。
なお、塩素供給後の反応系の温度は発熱により8℃と
なった。
窒素供給終了後、外部循環冷却装置をとめ、外部循環
系の残液を反応器へ抜き落とした後、ヘキサン23kgを添
加、10分撹拌することにより抽出した後、静定し、下層
の水層を除去した。
反応装置のベントラインにアニリンを四塩化炭素に溶
解させたチオホスゲントラップを取り付けた後、得られ
た反応液に、ヨウ化カリウム89gを添加し、撹拌しなが
らこれに二酸化イオウ4.3kgを溶解させた亜硫酸水溶液3
6.3kgを系内の温度6〜7℃で6時間かけて供給した
後、さらに7℃で8時間熟成した。なお、亜硫酸水溶液
供給中、ベントラインにガス流出は無く、また、飛散し
たチオホスゲンも検出されなかった。
得られた反応液より下層の水層を除去した後、水23kg
を添加、撹拌、静定の後、下層の水層を除去し、これ
に、フェノール3.8kgを添加した後、水酸化カリウム2.4
kgを溶解した水溶液(水酸化カリウム濃度28%,液総量
8.6kg)を系内温度7℃で1時間かけて滴下し、さらに
同温度で2時間熟成を行った。
得られた反応液より水層を除去した後、有機層30.0kg
を得、ガスクロマトグラフイーで分析の結果、フェニル
クロロチオホルメイト収量6.7kg、フェノール基準収
率96%であった。
〔実施例2〜4〕 実施例1と同じ反応装置を用い、表1に示した条件
下、反応を行った。
結果を表1中に示した。
〔比較例1〕 実施例1と同じ反応装置に、二硫化炭素4.6kg、20wt
%塩酸46kgを仕込み、外部循環冷却しながら5℃まで冷
却した。
次いで、塩素23.2kgを3時間かけて供給し、供給終了
後、窒素を30/Hrsの速度で20分供給し、余剰の塩素を
除去した。
なお、塩素供給時発熱により系内の温度は8℃となっ
た。
窒素供給終了後、実施例1と同様に外部循環系の残液
を反応器に抜き落とした後、四塩化炭素23kgを添加抽
出、静定し、上層の水層を上部より 減圧ラインにより吸引除去したが、理論計算上約4排
水が系内に残存したため、再度水20を添加し洗浄し
た。
洗浄終了後、反応器のベントラインにアニリンを四塩
化炭素に溶解させたチオホスゲントラップを取り付けた
後、水32kg、ヨウ化カリウム89gを仕込み、撹拌しなが
らこれに、二酸化イオウ4.3kgを6時間かけてバブリン
グ供給した。二酸化イオウの供給中、発熱が大で、系内
の温度は、6℃〜12℃へ上昇した。また、二酸化イオウ
供給中、反応器のベントラインより余剰の二酸化イオウ
がガスとして流出し、これに同伴され、チオホスゲン12
0gが系外に流出した。二酸化イオウ供給終了後、さらに
12℃で8時間熟成を行なった後、静定し、上層の水層を
上部より減圧吸引ラインにより吸引除去した。上部吸引
除去のため、排水の完全除去が困難で、約3程度排水
が残存していた。
さらに、水23を添加撹拌することにより洗浄を行な
い、次いで、同様に上部の水層除去した後、フェノール
3.8kgを添加し、さら水酸化カリウム2.4kgを溶解させた
水溶液(水酸化カリウム濃度28%,液総量8.6kg)を系
内温度7℃で1時間かけて供給し、さらに同温度で2時
間熟成を行なった。
得られた反応液より水層を除去した後、有機層29.8kg
を得、ガスクロマトグラフィーで分析の結果、フェニル
クロロチオホルメイト収量、6.6kgであった。
反応結果は、何等問題は認められなかったが、各反応
終了後の排水除去操作が繁雑で、また、二酸化イオウ供
給時、チオホスゲンが系外に流出した。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸性水溶液存在下、二硫化炭素を塩素によ
    り塩素化し得られる反応液に脂肪族炭化水素を添加、抽
    出の後、下層の水層を除去、次いで触媒存在下、亜硫酸
    水溶液を供給し反応させ得られる反応液より下層の水層
    を除去、さらにフェノール類と脱ハロゲン化水素試剤水
    溶液を供給し反応させることを特徴とするフェニル ク
    ロロチオホルメイト類の製造法。
  2. 【請求項2】脂肪族炭化水素溶媒が炭素数5〜15の直
    鎖、分岐または環状化合物であることを特徴とする請求
    項(1)記載の製造法。
  3. 【請求項3】触媒が一塩化イオウ、二塩化イオウ、アル
    カリ金属ヨウ化物またはヨウ素のうち、一種または二種
    以上の混合物であることを特徴とする請求項(1)記載
    の製造法。
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