JP2000135617A - ボ―ルエンドミル用の先端刃チップ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 切刃構成および工具本体への取付け構成の改
善。 【解決手段】 ボ−ルエンドミル用の先端刃チップ１
は、長側面３、短側面４およびこれらの間にある傾斜を
伴なった弧状側面５，５からなる４側面板状からなり、
上面６および下面７基準では、ひっくり返し使用可能な
対称形を呈する。長側面３および弧状側面５，５による
コ−ナ部分には、上面６または下面７によって構成され
るすくい面側には、長側面３の厚み中心に向って凸曲面
または複数の傾斜面からなる帯状面８が形成される。こ
の帯状面８の反対側には、帯状面８と交差する傾斜面９
が前記弧状側面５に隣接して形成される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ボールエンドミル用の
先端刃チップに関し、特にその切刃構成および取付け構
成が改善されるようにしたものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種のボールエンドミル用の先
端刃チップとしては、実開昭５４−２１８９５号、実開
昭５４−２６１９５号、実開昭６３−１４０３１５号公
報等で開示されたものが知られている。

【０００３】前二者は、回転中心部分におけるすくい面
に凸曲面を形成することにより、いわゆる渦巻き刃が構
成されるようにしたものである。

【０００４】これに対し、最後者は、チップの外郭形状
が、一対の長円弧状の側面および短平面状の側面からな
り、この短平面状の側面には、中央側から上下面間の厚
みが減少するように凸曲面が形成されるようにしたもの
であり、またチップの外郭形状が、三つの弧状側面から
なり、そのコ−ナ部分に同じく凸曲面を形成したもので
ある。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た公報にみられる先端刃チップは、工具本体に取付けた
ときにチップ座が二面拘束であるために取付け剛性が弱
く、また深い溝削りなどの切削は予定されていないもの
である。これに対し、この種のボルエンドミルの荒加工
では、突込み横送りの切削が要求され、これに適合する
先端刃チップの開発が要望されるようになってきてい
る。

【０００６】このようなことから、本発明では、先端刃
チップにおける切刃構成および取付け剛性を改善して、
前述した突込み横送りの切削が可能となるようにしたも
のである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、上述の点に鑑
みなされたもので、略平行関係にある長側面および短側
面間には、傾斜を伴なった弧状側面が形成されることに
よって４側面板状を呈しているボールエンドミル用の先
端チップを前提にして改善したものである。

【０００８】すなわち、前記長側面および短側面は、上
面および下面に対して略直角の関係にあり、また前記弧
状側面は、ひっくり返して使用可能になるように上面お
よび下面に対して傾斜を逆にした対称形になっているも
のである。

【０００９】そして、長側面側にあるコ−ナ部分の上面
および下面には、長側面の厚み中心に向って凸曲面また
は複数の傾斜面からなる帯状面が形成され、この帯状面
の反対側には、帯状面と交差する傾斜面が前記弧状側面
に隣接して形成されるようにしたものである。

【００１０】

【作用】本発明のボールエンドミル用の先端刃チップ
は、ひっくり返して使用可能な２コーナ形式のものであ
り、チップ座に対する拘束面が３側面からなることか
ら、切刃チップの取付け剛性が高められているものであ
る。またコーナ部分には、帯状面の形成による刃先構成
が得られることから切削性能良好となるものである。

【実施例】

【００１１】以下、本発明ボールエンドミル用の先端刃
チップにおける一実施例について、図を参照しながら説
明する。

【００１２】図１および図２において、１は、中央取付
け穴２を穿設したボールエンドミル用の先端刃チップで
あり、この先端刃チップ１は、４側面板状からなるもの
である。

【００１３】すなわち、この先端刃チップ１は、略平行
関係にある長側面３および短側面４間には、傾斜を伴な
った弧状側面５，５が形成されるもので、切削時ではひ
っくり返して使用できるように上面６および下面７が対
称形になっている。

【００１４】そして、前記長側面３および弧状側面５、
５によって構成されるコーナ部分は、その上面６および
下面７側には、対称形となる帯状面８が形成され、この
帯状面８の反対側には、帯状面８と交差する傾斜面９が
前記弧状面５に隣接して形成される。この場合、帯状面
８は、長側面３の厚み中心に向って、図示のような凸曲
面または、複数の傾斜面（図示せず）からなる。これ
は、弧状側面５、５に形成される先端逃げ面との交差に
よって凸曲線状のいわゆる渦巻き刃が構成されるもので
ある。

【００１５】これに対し、図３乃至図５は、棒状をなす
工具本体１１に形成されたチップ座１２内で、前記先端
刃チップｌが組込まれるようにしたスローアウェイ式ボ
ールエンドミルを示したものである。

【００１６】そして、前記先端刃チップ１は、工具本体
１１のチップ座１２内に配置されたときには、長側面３
および弧状側面５、５によって構成されるコーナ部分の
一方が工具本体１１の回転中心付近に位置し、上面６ま
たは下面７によって構成されるすくい面が芯高状態にな
って切削に関与する。

【００１７】また、前記チップ座１２は、略コ字状を呈
するもので、長側面３が工具本体１１の軸中心線方向に
あって、前記短側面４とともに、両側壁に当接され、ま
た切削に関与しない弧状側面５が後側壁に当接される。

【００１８】なお、図示されたスロ−アウェイ式ボ−ル
エンドミルは、軸方向に延びる２つのフルート溝１６内
で、先端刃チップ１、弧状刃チップ１３および直刃チッ
プ１４がそれぞれねじ止めされている。この場合、弧状
刃チップ１３は、３っの円弧側面からなるポジチップが
適用され、直刃チップ１４は、４つの傾斜側面からなる
ポジチップが適用されている。

【００１９】さらに、直刃チップ１４の配置について
は、図６で示されるように、弧状刃チップ１３の刃先外
径よりも小さくなる刃先外径を構成するようになってい
るものである。例えば、弧状刃チップ１３の刃先外径が
φ４０ｍｍであれば、直刃チップ１４の刃先外径は、φ
３９ｍｍとなっている。換言すれば、図６で示されてい
るようにδ＝０．５ｍｍで小径側に位置する。これは、
横送りをかけて軸方向の突込み切削を行なったときに有
効となるよう配慮したものである。

【００２０】

【発明の効果】 以上説明したように、本発明のボール
エンドミルの先端刃１は、帯状面８の形成による刃先構
成およびチップ座１２内での３面拘束による取付け構成
を採用したものであるから、取付剛性が向上してボール
エンドミルの荒加工において切削性能の向上が期待でき
るものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明ボールエンドミル用の先端刃チップにお
ける一実施例を示す正面図、

【図２】側面図、

【図３】本発明ボールエンドミル用の先端刃を工具本体
に取付けてスロ−アウェイ式ボ−ルエンドミルを構成し
た要部の正面図、

【図４】図３の底面図、

【図５】同じく図３の一部側面図、

【図６】弧状刃チップおよび直刃チップの回転軌跡にお
ける関係を示す説明図である。

【符号の説明】

１ 先端刃チップ ３ 長側面 ４ 短側面 ５ 弧状側面 ６ 上面 ７ 下面 ８ 帯状面 ９ 傾斜面 １１ 工具本体 １２ チップ座 １３ 弧状刃チップ １４ 直刃チップ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 略平行関係にある長側面３および短側面
   ４間には、傾斜を伴なった弧状側面５，５が形成される
   ことによって４側面板状を呈しているボールエンドミル
   用の先端刃チップにおいて、 前記長側面３および短側面４は、上面６および下面７に
   対して略直角の関係にあり、 また、前記弧状側面５，５は、ひっくり返して使用可能
   になるように上面６および下面７に対して傾斜を逆にし
   た対称形になっており、 さらに、長側面３側にあるコ−ナ部分ですくい面を構成
   する上面６および下面７には、長側面３の厚み中心に向
   って凸曲面または複数の傾斜面からなる帯状面８が形成
   され、この帯状面８の反対側には、帯状面８と交差する
   傾斜面９が前記弧状側面５に隣接して形成されているこ
   とを特徴とするボールエンドミル用の先端刃チップ。