JP2006326755A - スローアウェイチップおよびそれを備える転削用工具 - Google Patents

スローアウェイチップおよびそれを備える転削用工具 Download PDF

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Abstract


【課題】 チップの浮き上がりを防ぐとともに、チップの利用率の向上を図ることができるスローアウェイチップを提供する。
【解決手段】 チップ23は、幅方向Cに延びる基準軸線に関して180度回転対称となる略直方体板状に形成され、各主面部86,87の幅方向一方C1側部分に形成される2つの第1切刃30A,30Bと、各主面部86,87に形成されるホルダ22の着座面40に当接する2つの当接部61,62とを有する。180度回転対称に形成されることで、ホルダ22の1つの着座面40に2とおりの装着状態で装着することができ、チップの利用率を向上することができる。また2つの装着状態のいずれであっても、ホルダ基端側の第2逃げ面をホルダ側壁41に当接させることができる。これによってホルダ側壁41でチップ23を押さえることができ、チップ23の浮き上がりを防ぐことができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、転削用工具を構成するスローアウェイチップに関し、特に荒削り用のエンドミルを構成するスローアウェイチップに関する。
従来、略円筒状に形成されるホルダと、ホルダに対して着脱可能なスローアウェイチップとを含んで構成されるスローアウェイ式エンドミルがある。スローアウェイチップ(以下、単にチップと称する)は、被削材を削るための切刃を有する。ホルダにチップが装着された状態で、エンドミルが、ホルダ軸線まわりに回転しながら被削材に接触することで、切刃が被削材を断続切削し、被削材を所望の形状に切削することができる。
特許文献1に第1の従来技術のチップが開示される。第1の従来技術のチップは、略板状に形成され、厚み方向に挿通する貫通孔が形成される。任意の方向からチップを見たときに、貫通孔の軸線に関して180度回転した状態と、回転する前の状態とで、チップは同一形状となる。厚み方向に垂直な平面に投影した場合に、チップは、一対の長辺と、一対の短辺とがそれぞれ形成される。チップは、厚み方向一方側表面の縁辺のうち、一対の長辺にそれぞれ切刃が形成されるとともに、一対の短辺にそれぞれ切刃が形成される。一対の長辺に形成される切刃のいずれかが主切刃となり、一対の短辺に形成される切刃のいずれかが副切刃となる。
チップは、第1の装着状態と、第1の装着状態に対して貫通孔の軸線に対して180度回転した第2の装着状態との両方でホルダに装着可能となる。第1の装着状態では、一対の長辺のうちのいずれか一方の切刃と、一対の短辺のうちのいずれか一方の切刃とによって構成される切刃対で被削材を切削する。また第2の装着状態では、一対の長辺のうちのいずれか他方の切刃と、一対の短辺のうちのいずれか他方の切刃とで構成される切刃対で被削材を切削する。第1の装着状態においてチップの切刃が摩耗して切れ味が悪くなったとしても、第2の装着状態にチップを装着し直すことで、チップの新しい切刃を用いることができ、切れ味を回復することができる。これによって1つのチップの利用率を向上して、1つのチップで切削可能な切削総量を向上することができる。
また特許文献2および3には、第2の従来技術のチップが開示されている。第2の従来技術のチップは、穴加工が可能なスローアウェイ式エンドミルに用いられる。このチップは、略板状に形成され、厚み方向に挿通する貫通孔が形成される。チップは、長手方向に垂直な断面形状が略平行四辺形に形成されるとともに、幅方向に垂直な断面形状が略平行四辺形に形成される。また厚み方向に垂直な平面に投影した場合に、一対の長辺と、一対の短辺とがそれぞれ形成される。チップは、厚み方向一方側表面の縁辺のうち、一方の長辺と一方の短辺とに切刃がそれぞれ形成される。またチップは、厚み方向他方側表面の縁辺のうち、他方の長辺と他方の短辺とに切刃がそれぞれ形成される。
ホルダには、2つのチップがそれぞれ当接する着座面が形成される。第1のチップ着座面に装着されるチップは、ホルダ軸線方向とチップの長手方向とが一致し、厚み方向他方側表面が着座面に当接する。また第2のチップ着座面に装着されるチップは、ホルダ半径方向とチップの長手方向が一致し、厚み方向一方側表面が着座面に当接する。チップは、第1のチップ着座面に装着される場合には、厚み方向一方側に形成される切刃で被削材を切削し、第2のチップ着座面に装着される場合には、厚み方向他方側に形成される切刃で被削材を切削する。
1つのチップを第1のチップ着座面から第2のチップ着座面に装着しなおす場合には、チップをホルダから取外して裏返して、厚み方向一方側表面を第2のチップ着座面に当接させる。同様に、1つのチップを第2のチップ着座面から第1のチップ着座面に装着しなおす場合には、チップをホルダから取外して裏返して、厚み方向他方側表面を第1のチップ着座面に当接させる。このようにチップは、第1のチップ着座面と第2のチップ着座面とのいずれにも装着可能である。第1のチップ着座面に装着した状態でチップの切刃が摩耗して切れ味が悪くなったとしても、第2のチップ着座面にチップを装着することで、チップの新しい切刃を用いることができる。これによって1つのチップの利用率を向上して、1つのチップで切削可能な切削総量を向上することができる。
特許第2580376号公報 特開平11−813号公報 特開2000−271813号公報
第1の従来技術のチップでは、厚み方向一方側表面に形成される2つの長辺と2つの短辺とにそれぞれ切刃が形成される。また第2の従来技術のチップでは、厚み方向一方側表面に形成される一方の長辺と一方の短辺とに切刃が形成されるとともに、厚み方向他方側表面に形成される他方の長辺と他方の短辺とに切刃が形成される。
このように各従来技術では、厚み方向表面において、2つの長辺をそれぞれ形成する2つの長辺部と、2つの短辺をそれぞれ形成する2つの短辺部とにそれぞれ切刃が形成されることになる。言い換えると、厚み方向表面以外の4つの側面すべてに、いずれかの切刃に対応する逃げ面が形成されることになる。この場合、チップに関する設計上の制約が大きく、チップおよびホルダの設計の自由度が低いという問題がある。したがって本発明の第1の目的は、設計上の制約を少なくすることができるスローアウェイチップを提供することである。
また第1の従来技術では、ホルダに装着された状態で、チップのうちホルダ基端部側の短辺部がホルダの側壁に当接する。このホルダの側壁に当接する当接面は、切刃の逃げ面を形成するために、ホルダ基端部に向かうにつれてホルダの着座面から遠ざかる方向に傾斜する。この場合、ホルダの側壁は、着座面と反対側からチップを押さえることができない。
切刃に被削材から反力が与えられると、チップのホルダ基端側には着座面から浮き上がる方向に力を受ける。この場合、チップとホルダとを固定するねじ部材のみでチップが浮き上がる力に抗する必要がある。したがって被削材から与えられる力が大きいと、チップおよびホルダのねじ部材近傍の部分が破損するおそれがある。
たとえばホルダによってチップの厚み方向表面を押さえるような構成にすることで、ねじ部材に与えられる力を小さくすることができる。しかしながら、チップを押さえる押さえ部分を形成するために構造が複雑化するとともに、押さえ部分によって切り屑の排出が阻害されてしまう。さらにねじ部材のみでチップをホルダに装着する場合に比べてチップ交換の手間が複雑化してしまう。
また第2の従来技術では、第1のチップ着座面に装着された状態で切刃が摩耗したチップは、第2のチップ着座面に装着して新しい切刃で被削材を切削することができる。しかしながら第1のチップ着座面には、新しいチップを装着する必要がある。したがってエンドミルのうち、切刃の摩耗に偏りがある場合、たとえば端面刃のほうが外周刃に比べてチップの摩耗が激しい場合などには、端面刃の切れ味を回復するためには、新しいチップを必要とし、大幅なチップの利用率の向上を見込めない。
したがって本発明の第2の目的は、チップの浮き上がりを防ぐとともに、チップの利用率の向上を図ることができるスローアウェイチップを提供することである。
本発明は、ホルダに装着されることで転削用工具の一部を構成するスローアウェイチップであって、
厚み方向に垂直な第1方向に延びる基準軸線に関して180度回転対称となる略直方体板状に形成されて、厚み方向一方側表面部および厚み方向他方側表面部の第1方向一方側部分に、第1方向に垂直な第2方向に延びる2つの第1切刃と、
厚み方向一方側表面部および厚み方向他方側表面部にそれぞれ形成されて、ホルダの着座面に当接する2つの当接部とを有することを特徴とするスローアウェイチップである。
また本発明は、第1方向他方側表面部に形成されて、ホルダの側壁に当接する第1方向拘束面を有することを特徴とする。
また本発明は、第2方向一方側表面部の少なくとも一部に形成されて、第2方向一方側表面を厚み方向一方から厚み方向他方に進むにつれて基準軸線からの距離が短くなる一方の第2方向拘束面と、
第2方向他方側表面部の少なくとも一部に形成されて、第2方向他方側表面を厚み方向他方から厚み方向一方に進むにつれて基準軸線からの距離が短くなる他方の第2方向拘束面とを有し、
各第2方向拘束面のいずれかは、チップがホルダに装着された場合に、ホルダの側壁に当接することを特徴とする。
また本発明は、厚み方向両側表面部にそれぞれ形成されて、対応する第1切刃に連なる2つの第2切刃を有し、
2つのうち一方の第2切刃は、厚み方向一方側表面部の第2方向一方側部分に形成されて、厚み方向一方側の第1切刃に連なり、
2つのうち他方の第2切刃は、厚み方向他方側表面部の第2方向他方側部分に形成されて、厚み方向他方側の第1切刃に連なることを特徴とする。
また本発明は、厚み方向一方の第1切刃と厚み方向他方の第1切刃との間に延びる第1逃げ面と、各第2切刃に隣接してその第2切刃からそれぞれ厚み方向に延びて、ホルダの側壁に当接する2つの第2方向拘束面となる2つの第2逃げ面とを有し、
2つのうち一方の第2逃げ面は、厚み方向一方側の第2切刃から厚み方向他方に進むにつれて第2方向他方に傾斜し、
2つのうち他方の第2逃げ面は、厚み方向他方側の第2切刃から厚み方向一方に進むにつれて第2方向一方に傾斜することを特徴とする。
また本発明は、厚み方向に挿通して、チップをホルダに固定するための貫通孔が形成され、貫通孔の軸線は、各第2逃げ面と平行に延びることを特徴とする。
また本発明は、各当接部は、ホルダの着座面に当接する平坦な当接面をそれぞれ有し、
一方の第2切刃は、厚み方向一方側の当接部の当接面に沿って延びる仮想延長平面よりも厚み方向他方に退避し、他方の第2切刃は、厚み方向他方側の当接部の当接面に沿って延びる仮想延長平面より厚み方向一方に退避することを特徴とする。
また本発明は、各第1切刃に隣接して対応する第1切刃からそれぞれ第1方向他方に延びる2つの第1すくい面を有し、
2つのうち一方の第1すくい面は、厚み方向一方の第1切刃から第1方向他方に延びるにつれて厚み方向他方に傾斜し、2つのうち他方の第1すくい面は、厚み方向他方の第1切刃から第1方向他方に延びるにつれて厚み方向一方に傾斜し、
2つのうち一方の当接部は、一方の第1すくい面から厚み方向一方に突出し、2つのうち他方の当接部は、他方の第2すくい面から厚み方向他方に突出することを特徴とする。
また本発明は、各当接部は、ホルダの着座面に当接する当接面をそれぞれ有し、各当接面は、第1方向他方表面から厚み方向両側表面部の第1方向中央位置よりも第1方向一方に延びることを特徴とする。
また本発明は、各当接部は、ホルダの着座面に当接する平坦な当接面を有し、
厚み方向一方の第1切刃は、第2方向他方に進むにつれて、厚み方向他方の当接部の当接面に近づいて延び、厚み方向他方の第1切刃は、第1方向一方に進むにつれて厚み方向一方の当接部の当接面に近づいて延びることを特徴とする。
また本発明は、前記スローアウェイチップと、
前記スローアウェイチップを装着するホルダとを含むことを特徴とする転削用工具である。
請求項1記載の本発明によれば、ホルダにチップが装着された転削用工具は、チップに形成される2つの第1切刃のうち、いずれか一方が主切刃となる。転削用工具が、ホルダの回転軸線まわりに回転しながら被削材に接触することで、主切刃が被削材を断続切削する。これによって被削材を予め定める形状に切削することができる。主切刃が被削材に接触するときには、チップは、被削材から切削抵抗に応じた反力を受け、その反力をホルダに与える。
具体的には、チップの厚み方向他方側表面部に形成される当接部をホルダの着座面に当接させることで、厚み方向一方側表面部に形成される第1切刃を主切刃として用いることができる。またチップの厚み方向一方側表面部に形成される当接部をホルダの着座面に当接させることで、厚み方向他方側表面部に形成される第1切刃を主切刃として用いることができる。このようにして、1つのホルダの着座面に対して、1つのチップが2とおりの装着状態を取り得ることができ、チップの利用効率を向上することができる。
また本発明では、第1方向一方側部分の厚み方向両側表面部に2つの第1切刃がそれぞれ形成される。すなわち第1方向他方側部分には、切刃を形成する必要がない。これによって切刃に必要な制約を受けることなく、第1方向他方側部分を任意の形状に形成することができる。これによってチップの設計上の制約を少なくすることができる。たとえば第1方向他方側部分には、切刃を形成するための逃げ面およびすくい面などを形成する必要がなく、厚み方向表面と第1方向表面との交差断面部分を鋭角にする必要もない。また第1方向他方側部分を、切刃と無関係な肉厚に形成することができる。これによって第1方向他方側部分の肉厚を大きくすることでチップの剛性を高めたり、第1方向他方側部分の肉厚を小さくすることでその分ホルダの肉厚を大きくして、ホルダの剛性を高めたりすることができる。
また請求項2記載の本発明によれば、第1方向他方側表面部には、ホルダの側壁に当接する第1方向拘束面が形成される。上述したように第1方向他方側部分には、切刃を形成する必要がない。これによって第1方向他方側部分は、切削加工が行われても、変形したり摩耗したりすることがなく、一方の第1切刃を主切刃として用いた後に、他方の第1切刃を主切刃として用いる場合に、チップの装着不良を防ぐことができる。
また請求項3記載の本発明によれば、一方の第1切刃が主切刃となるようにチップがホルダに装着された場合、他方の第2方向拘束面が、ホルダの側壁に当接する。この場合、ホルダの側壁は、他方の第2方向拘束面をホルダの着座面と反対側から押さえつける。また他方の第1切刃が主切刃となるようにチップがホルダに装着された場合、一方の第2方向拘束面が、ホルダの側壁に当接する。この場合、ホルダの側壁は、一方の第2方向拘束面をホルダの着座面と反対側から押さえつける。
このようにホルダの側壁とチップの第2方向拘束面とが当接することで、チップに被削材から力が与えられた場合に、ホルダの側壁がチップを押さえて、チップのホルダの着座面からの浮き上がりを防ぐことができる。
またチップの厚み方向一方側表面部をクランプ部で押さえて、チップをホルダにクランプする場合に比べて、チップの厚み方向一方側表面部と、その厚み方向一方側表面部に隣接するホルダの隣接部分とをほぼ面一にすることができる。これによってホルダの側壁が切り屑の移動を阻害することを防ぐことができ、切り屑の排出性を向上することができる。
また請求項4記載の本発明によれば、ホルダにチップが装着された転削用工具は、チップに形成される一対の第2切刃のうちのいずれか一方が副切刃となり、ホルダの端面からホルダ軸線方向に突出する。このような転削用工具によって、被削材の加工底面を副切刃でさらえ加工することができ、被削材の加工底面を精度よく仕上げることができる。
また請求項5記載の本発明によれば、一方の第1切刃が主切刃となる場合、他方の第2逃げ面は、他方の第2切刃から厚み方向一方に進むにつれて第2方向一方に傾斜する。すなわち他方の第2逃げ面は、ホルダ基端部に向かうとともに厚み方向他方に向かって傾斜する。これによって他方の第2逃げ面を第2方向拘束面として用いることができ、他方の第2逃げ面をホルダの側壁に当接させることができる。この場合、ホルダの側壁は、他方の第2逃げ面をホルダの着座面と反対側から押さえつける。このようにホルダの側壁とチップとが当接することで、チップに被削材から力が与えられた場合に、ホルダの側壁によってチップが押さえられ、チップのホルダの着座面からの浮き上がりを防ぐことができる。
また第1方向一方側部分、すなわち主切刃が形成されている部分は、切削時に大きな力を受ける部分である。したがって第2方向他方側表面に形成される他方の第2逃げ面を、第2方向拘束面としてホルダの側壁に当接させることで、チップの浮き上がりを効果的に防ぐことができる。このことは、他方の第1切刃が主切刃となる場合についても、同様の効果を得ることができる。
また請求項6記載の本発明によれば、貫通孔の軸線が、各第2逃げ面と平行に延びる。これによって貫通孔を挿通するねじ部材によってホルダの着座面にチップを装着する場合、チップを第2逃げ面と平行に移動させてホルダに装着することができ、ねじ部材によってチップをホルダに締結した場合に、第2方向拘束面となる第2逃げ面とホルダの側壁との間に隙間が形成されることを防ぐことができる。これによってホルダの側壁によって、チップのホルダ基端部側部分を確実に押さえることができ、チップの浮き上がりをさらに確実に防止することができる。
また請求項7記載の本発明によれば、一方の第1切刃が主切刃となる場合、他方の当接部がホルダの着座面に当接する。このとき他方の第2切刃は、着座面から退避することになり、他方の第2切刃が着座面に接触して損傷することを防止できる。これによって第2切刃または着座面が損傷することを防止できる。このことは、他方の第1切刃が主切刃となる場合についても、同様の効果を得ることができる。
また請求項8記載の本発明によれば、各当接部が対応する第1すくい面から厚み方向に突出する。これによって他方の当接部が着座面に当接する場合、一方の当接部が一方の第1すくい面よりも厚み方向に突出する。これによって各すくい面が曲面に形成される場合であっても、当接部が着座面に当接することで、チップを安定して装着することができる。
また一方の第1切刃が主切刃となる場合、主切刃によって削られた切り屑は、第1すくい面に沿って進み、一方の当接部の壁面に接触し、小さくカールする。このように切り屑が小さくカールすることで切り屑排出性を向上することができる。さらに切り屑が、ホルダの切り屑収容空間の壁面に接触することを防ぐことができ、ホルダの摩滅を防ぐことができる。このことは、他方の第1切刃が主切刃となる場合も同様の効果を得ることができる。
また請求項9記載の本発明によれば、各当接部は、第1方向他方表面から厚み方向両側表面部の第1方向中央位置よりも第1方向一方に延びる。これによって当接面を可及的に大きくすることができ、チップを安定してホルダに装着することができる。またチップの一部に応力が集中することを防ぎ、チップが損傷することを防ぐことができる。
また請求項10記載の本発明によれば、厚み方向一方の第1切刃は、第2方向他方に進むにつれて、厚み方向他方の当接面に近づいて延び、厚み方向他方の第1切刃は、第1方向一方に進むにつれて厚み方向一方の当接面に近づいて延びる。これによってエンドミルに装着されたときに形成される主切刃について、ポジティブ方向のアキシャルレーキを付与することができ、切削抵抗を小さくすることができる。
また請求項11記載の本発明によれば、上述したチップがホルダに装着されることによって、チップの利用効率を向上したうえで、第1方向他方側部分を任意の形状に形成することができ、チップの設計上の制約を少なくすることができる。
図1は、本発明の実施の一形態であるスローアウェイチップ23を示す斜視図であり、図2は、スローアウェイチップ23を示す平面図である。また図3は、スローアウェイチップ23を示す幅方向一方C1側の側面図であり、図4は、スローアウェイチップ23を示す幅方向他方C2側の側面図である。図5は、スローアウェイチップ23を示す長手方向一方B1側の側面図であり、図6は、スローアウェイチップ23を示す長手方向他方B2側の側面図である。
転削用工具であるエンドミルは、切刃30,31が形成されたスローアウェイチップ23と、チップ23を着脱可能に装着するホルダとを含んで構成される。ホルダは、略円筒状に形成される。ホルダの軸線方向基端部にはフライス盤に保持される被保持部が形成される。またホルダの軸線方向先端部には、チップ23の切刃30,31がホルダ外周面およびホルダ端面から突出した状態でチップ23を保持する装着部が形成される。このようにホルダ22に各チップ23が装着されて、エンドミルが構成される。
フライス盤は、クランプした被削材と、保持したエンドミルとを相対的に移動駆動する移動駆動手段と、保持したエンドミルを軸線まわりに回転駆動する回転駆動手段とを含む。エンドミルは、ホルダの軸線まわりに回転しながら被削材に接触することで、チップによって形成される切刃が被削材を断続切削する。これによって被削材を予め定める形状に切削することができる。たとえばエンドミルを用いて、被削材に溝加工および肩加工などを施すことができる。エンドミルは、チップ23の切刃30,31が摩耗または折損した場合には、チップ23を180度回転させて取り付けたり、新しいチップ23に取り替えたりすることによって、切削能力を回復することができる。
図1に示すように、チップ23は、大略的に直方体板状に形成され、厚み方向Aに垂直な予め定める第1方向に延びる基準軸線L3に関して180度回転対称に形成される。本実施の形態では、チップ23の厚み方向表面の形状が略長方形形状に形成され、一対の短辺が前記第1方向に延び、一対の長辺が第1方向に垂直な方向に延びる。すなわち前記第1方向は幅方向Cとなり、前記基準軸線L3はチップ23の幅方向Cに延びる。
任意の方向からチップ23を見たときに、チップ23は、基準軸線L3まわりに180度回転させた状態と、回転させる前の状態とで、同一形状となる。またチップ23は、厚み方向一方A1側の表面100と、厚み方向他方A2側の表面101とがそれぞれ平坦に形成され、互いに平行に延びる。各厚み方向Aの表面100,101は、ホルダの着座面に当接する当接面100,101となり、基準軸線L3に対して平行に延びる。
以下、基準軸線L3が延びる方向を幅方向Cと称する。また各当接面100,101に垂直な方向を厚み方向Aとし、他方の当接面101から一方の当接面100に進む方向を厚み方向一方A1とし、一方の当接面100から他方の当接面101に進む方向を厚み方向他方A2とする。また幅方向Cと厚み方向Aとにともに直交する第2方向を長手方向Bとする。
図5および図6に示すように、チップ23は、厚み方向一方A1の表面部として第1主面部87が形成される。第1主面部87の幅方向一方C1側部分90には、一方の第1切刃30Aが形成される。またチップ23は、厚み方向他方A2の表面部として第2主面部86が形成される。第2主面部86の幅方向一方C1側部分90には、他方の第1切刃30Bが形成される。各第1切刃30A、30Bは、互いに平行に延びる。ここで、各当接面100,101に垂直に延びて長手方向Bに延びる仮想平面を考えると、各第1切刃30A,30Bは、前記仮想平面に沿って、長手方向一方B1に進むにつれて厚み方向一方A1に進む。
第1主面部87は、幅方向一方C1側の厚み方向一方A1表面となる一方の第1すくい面85を有する。一方の第1すくい面85は、一方の第1切刃30Aから幅方向他方C2に延びるにつれて厚み方向他方A2に傾斜する。また第2主面部86は、幅方向一方C1側の厚み方向他方A2表面となる他方の第1すくい面83を有する。他方の第1すくい面83は、他方の第1切刃30Bから幅方向他方C2に延びるにつれて厚み方向一方A1に傾斜する。このようにしてチップ23がホルダ22に装着された状態で、各第1すくい面85,83は、正のすくい角が付与される。
一方の第1すくい面85と他方の第1すくい面83とは、第1逃げ面84に隣接する。第1逃げ面84は、チップ23の幅方向一方C1側表面となり、一方の第1すくい面85と他方の第1すくい面83との間にわたって延びる。本実施の形態では、第1逃げ面84は、当接面100,101に垂直でかつ長手方向Bに延び、略平行四辺形形状に形成される。また一方の第1切刃30Aは、一方の第1すくい面85と、第1逃げ面84との交差稜線となる。また他方の第1切刃30Bは、他方の第1すくい面83と、第1逃げ面84との交差稜線となる。
このように各第1切刃30A,30Bは、チップ23の厚み方向A両側表面の幅方向一方C1のいずれかの縁辺となる。チップ23がホルダに装着された状態で、2つの第1切刃30A,30Bのうちのいずれかが、ホルダの外周面から突出して、ホルダ軸線方向に延びる主切刃となる。図3に示すように、一方の第1切刃30Aは、コーナR切刃68から長手方向他方B2に向かうにつれて、他方の当接面101に近づくように厚み方向Aに傾斜する。また他方の第1切刃30Bは、コーナR切刃68から長手方向一方B1に向かうにつれて、一方の当接面100に近づくように厚み方向Aに傾斜する。すなわち、各第1切刃30A,30Bは、捩れ角θを有する捩れ形状に形成される。
また図3および図4に示すように、第1主面部87の長手方向一方B1側部分92には、一方の第2切刃31Aが形成される。また第2主面部86の長手方向他方B2側部分93には、他方の第2切刃31Bが形成される。各第2切刃31A,31Bは、互いに平行に、幅方向Cに延びる。一方の第2切刃31Aは、一方の第1切刃30Aに連なる。また他方の第2切刃31Bは、他方の第1切刃30Bに連なる。本実施形態では、第1切刃30と第2切刃31とは、コーナR切刃68を介してそれぞれ連なる。コーナR切刃68は、円弧状に延びて、第1切刃30と第2切刃31とを連結する。一方の第2切刃31Aは、コーナR切刃68を介して、一方の第1切刃30Aから幅方向他方C2に延びる。また他方の第2切刃31Bは、コーナR切刃68を介して、他方の第1切刃30Bから幅方向他方C2に延びる。
第1主面部87は、長手方向一方B1側の厚み方向一方A1側表面に一方の第2すくい面88を有する。チップ23の長手方向一方B1側表面には、一方の第2逃げ面70が形成される。一方の第2逃げ面70は、一方の第2すくい面88から厚み方向他方A2に屈曲して隣接する。そして一方の第2切刃31Aは、一方の第2すくい面88と、一方の第2逃げ面70との交差稜線となる。
図1に示すように、またチップ23の長手方向一方B1側表面部には、第2切刃31Aが形成される第2切刃形成部分72と、残余の部分となる残余部分73とが形成される。この第2切刃形成部分72は、残余部分73に比べて長手方向一方B1に突出する。第2切刃形成部72は、上述した一方の第2すくい面88と、一方の第2逃げ面70とを有する。残余部分73の長手方向一方B1側表面となる一方の第3逃げ面76は、一方の第2逃げ面70よりも長手方向他方B2に没入して形成される。また一方の第2逃げ面70と一方の第3逃げ面76とは、厚み方向他方A2に進むにつれて長手方向他方B2に進むように傾斜する。
第2主面部86は、長手方向他方B2側の厚み方向他方A2側表面に他方の第2すくい面89を有する。チップ23の長手方向他方B2側表面には、他方の第2逃げ面71を有する。他方の第2逃げ面71は、他方の第2すくい面89から厚み方向一方A1に屈曲して隣接する。そして他方の第2切刃31Bは、他方の第2すくい面89と、他方の第2逃げ面71との交差稜線となる。
またチップ23の長手方向他方B2側表面部には、第2切刃31Bが形成される第2切刃形成部分74と、残余の部分となる残余部分75とが形成される。この第2切刃形成部分74は、残余部分75に比べて厚み方向他方B2に突出する。第2切刃形成部分74は、上述した他方の第2すくい面89と、一方の第2逃げ面71とを有する。残余部分75の長手方向他方B2側表面となる他方の第3逃げ面77は、他方の第2逃げ面71よりも厚み方向一方B1に没入して形成される。また他方の第2逃げ面71と他方の第3逃げ面77とは、厚み方向他方A2に進むにつれて長手方向他方B2に進むように傾斜する。
このように一方の第2切刃31Aは、チップ23の厚み方向一方A1表面の長手方向一方B1の縁辺の一部となり、他方の第2切刃31Bは、チップ23の厚み方向他方A2表面の長手方向他方B2の縁辺の一部となる。チップ23がホルダに装着された状態で、2つの第2切刃31A,31Bのうちのいずれかが、ホルダの端面から突出して、ホルダ半径方向に延びる副切刃となる。ここで、各第2逃げ面70,71および各第3逃げ面76,77は、互いに平行に延びる。
図3に示すように、一方の第2逃げ面70と、他方の当接面101の仮想延長平面との成す角度α1は、90度を超える。同様に、他方の第2逃げ面71と、一方の当接面100の仮想延長平面との成す角度α2は、90度を超える。また第2切刃形成部分72,74が、対応する各残余部分73,75から長手方向Bに突出することによって、残余部分73,75が被削材に接触することが防がれる。また各第2逃げ面70,71が傾斜することによって、副切刃における逃げ角を確保することができる。
またチップ23は、チップがホルダに装着された場合に、ホルダの側壁に当接する長手方向拘束面を有する。具体的には、2つの長手方向拘束面が形成される。一方の長手方向拘束面は、長手方向一方B1側表面部の少なくとも一部に形成されて、長手方向一方B1側表面を厚み方向一方A1から厚み方向他方A2に進むにつれて基準軸線L3からの距離が短くなる。また他方の長手方向拘束面は、長手方向他方B2側表面部の少なくとも一部に形成されて、長手方向他方B2側表面を厚み方向他方A2から厚み方向一方A1に進むにつれて基準軸線L3からの距離が短くなる。
本実施の形態では、第2逃げ面70,71および第3逃げ面76,77が、ホルダの側壁に当接する長手方向拘束面70,76;71,77となる。すなわち一方の第2逃げ面70と一方の第3逃げ面76とが一方の長手方向拘束面70,76となり、他方の第2逃げ面71と他方の第3逃げ面77とが他方の長手方向拘束面71,77となる。
各長手方向拘束面70,76;71,77のいずれかは、チップ23がホルダに装着された場合に、ホルダの側壁に当接する。具体的には、一方の第2切刃31Aが副切刃となる場合、他方の第2逃げ面71と他方の第3逃げ面77とが、ホルダの側壁に当接する。また他方の第2切刃31Bが副切刃となる場合、一方の第2逃げ面70と一方の第3逃げ面76とが、ホルダの側壁に当接する。またチップ23は、幅方向他方部78に形成されて、ホルダの側壁に当接する幅方向拘束面79をさらに有する。幅方向拘束面79は、幅方向他方C2の全面にわたって延び、各当接面100,101に垂直で、長手方向Bに延びる。幅方向拘束面79は、略平行四辺形形状に形成される。
チップ23は、厚み方向Aに垂直な平面に投影した投影形状が略長方形形状に形成され、厚み方向Aに貫通する貫通孔50が形成される。貫通孔50は、チップ23をホルダに固定するための孔となり、略円筒状に形成される。貫通孔50は、チップ23の長手方向Bおよび幅方向Cにおける略中央位置に形成される。また本実施の形態では、貫通孔50の軸線L2は、各第2逃げ面70,71および第3逃げ面76,77に平行に延び、基準軸線L3に対して直交する。
また第1主面部87および第2主面部86には、ホルダの着座面に当接するための当接部61,62がそれぞれ形成される。一方の当接部61は、一方の第1切刃30Aおよび一方の第2切刃31Bよりも厚み方向一方A1に突出する。一方の当接部61は、一方の第1すくい面85から厚み方向一方A1に突出し、他方の当接部62は、他方の第1すくい面83から厚み方向他方A2に突出する。また他方の当接部62は、他方の第1切刃30Bおよび他方の第2切刃31Bよりも厚み方向他方A2に突出する。そして一方の当接部61に前記一方の当接面100が形成される。また他方の当接部62に前記他方の当接面101が形成される。各当接面100,101は、対応する当接部61,62の起状頂部に形成される平面となる。一方の第2切刃31Aは、厚み方向一方A1側の当接面100に沿って延びる仮想延長平面よりも厚み方向他方A2に退避する。また他方の第2切刃31Bは、厚み方向他方A2側の当接面101に沿って延びる仮想延長平面より厚み方向一方に退避する。すなわち当接面100,101に沿って延びる延長平面は、切刃および逃げ面と交差することがない。
図2に示すように、各当接部61,62は、各第1切刃30A,30Bから幅方向他方C2に退避した位置に形成される。また各当接部61,62は、チップの幅方向他方C2側端部から貫通孔50の軸線L2よりも幅方向一方C1に突出する。本実施の形態では、各当接部61,62は、幅方向一方C1に開放したU字状に形成されて、貫通孔50のまわりを囲む。具体的には、一方の当接部61は、貫通孔50よりも長手方向一方B1側を幅方向Cに延びる第1構成部分63と、貫通孔50よりも長手方向他方B2側を幅方向Cに延びる第2構成部分64と、第1構成部分63と第2構成部分64とを連結し、貫通孔50よりも幅方向他方C2側を長手方向Bに延びる第3構成部分65とを有する。第2構成部分64は、第1構成部分63よりも幅方向一方C1に延びる。第1構成部分63は、その幅方向一方C1側端面が長手方向Bに延びる。また第2構成部分64は、その幅方向一方C1側端面が幅方向一方に向かうにつれて先細、たとえば円形に形成される。また第3構成部分65は、第1主面部87のうちで、貫通孔50に対して幅方向他方C2側のほぼ全域にわたって延びる。また他方の当接部62にも同様の構成部分がそれぞれ設けられる。
チップ23は、第1の装着状態と第2の装着状態とでホルダに装着可能である。第1の装着状態では、チップ23の一方の当接面100がホルダの着座面に当接し、ホルダの側壁に、幅方向拘束面79と、長手方向拘束面となる他方の第2逃げ面71および他方の第3逃げ面77とが当接した状態となる。また第2の装着状態では、チップ23の他方の当接面101がホルダの着座面に当接し、ホルダの側壁に、幅方向拘束面79と、長手方向拘束面となる一方の第2逃げ面70および一方の第3逃げ面76とが当接した状態となる。
第1および第2の装着状態では、チップ23に形成される貫通孔50と、装着部24に形成されるねじ孔とが略同軸となる。この状態でおねじが形成されるねじ部材を、チップ23の貫通孔50およびねじ孔に螺進させることによって、チップ23をホルダの装着部に締結することができ、チップ23をホルダの装着部に装着することができる。チップ23には、ねじ部材の頭部が当接するねじ部材座面が形成される。
第1の装着状態でホルダ22に装着されたチップ23は、大略的に長手方向一方B1が、ホルダ基端部からホルダ先端部に向かうホルダ軸線方向一方に沿って延びる。また大略的に幅方向一方C1が、ホルダ半径方向外方に沿って延びる。また大略的に厚み方向一方A1が、ホルダ22着座面からホルダの外周面接線に沿って回転方向に進む。そして一方の第1切刃30Aおよび第2切刃31Aが、ホルダから突出して、主切刃と副切刃とをそれぞれ構成する。
第2の装着状態でホルダ22に装着されたチップ23は、大略的に長手方向他方B2が、ホルダ基端部からホルダ先端部に向かうホルダ軸線方向一方に沿って延びる。また大略的に幅方向他方C1が、ホルダ半径方向外方に沿って延びる。また大略的に厚み方向他方A2が、ホルダ22の着座面からホルダの外周面接線に沿って回転方向に進む。そして他方の第1切刃30Bおよび第2切刃31Bが、ホルダから突出して、主切刃と副切刃とをそれぞれ構成する。
このように本実施の形態のチップは、略長方形の主面と、その主面の一長辺である第1切刃と、第1切刃に隣接する第1逃げ面と、第1逃げ面に相対するとともに主面の他の長辺に隣接する幅方向拘束面と、主面の一短辺の少なくとも一部であるとともに第1切刃とコーナR切刃を挟んで隣接する第2切刃と、第2切刃に隣接して正の逃げ角が付される第2逃げ面とを具備する。そしてチップ23は、第1逃げ面と幅方向拘束面との中心を結ぶ基準軸線L3に対して、180度回転対称な略板状に形成され、第1切刃および第2切刃が、基準軸線L3に対して回転対称な位置に2つずつ配設される。
図7および図8は、本実施例のチップ23がホルダ22に装着された状態を示すエンドミル20を示す斜視図である。以下、ホルダ22の軸線を単に軸線L1と称する。またホルダ22の軸線L1に沿う軸線方向Xであって、ホルダ22の基端部から先端部に進む方向を軸線方向一方X1と称し、ホルダ22の先端部から基端部に向かう方向を軸線方向他方X2と称する。またホルダ22の半径方向Yに沿って軸線L1に向かう方向を半径方向内方Y1と称し、ホルダ22の半径方向に沿って軸線L1から遠ざかる方向を半径方向外方Y2と称する。またホルダ22の着座面40からホルダ22の外周面接線に沿ってホルダ回転方向に延びる方向を接線方向一方R1とし、ホルダ22の着座面40からホルダ22の外周面接線に沿ってホルダ回転方向と反対方向に延びる方向を接線方向他方R2と称する。
ホルダ22の先端部には、ホルダ22の外周面32および先端部端面33から没入する溝27が形成される。この溝27は、スローアウェイチップ収容空間26と、切り屑収容空間25とを含んで構成される空間である。スローアウェイチップ収容空間26は、チップ23のほぼ全体が収容される空間となる。また切り屑収容空間25は、チップ23によって削り取られた切り屑を一時的に収容する空間となる。スローアウェイチップ収容空間26と切り屑収容空間25とは、隣接して形成される。本実施の形態では、切り屑収容空間25は、スローアウェイチップ収容空間26よりも軸線方向他方X2に延びて、外方に開放される。チップ23の切刃30,31によって被削材から分離された切り屑は、切り屑収容空間25に収容されたあと、切り屑収容空間25に収容された状態で、軸線L1まわりに回転し、切り屑収容空間25の開口から脱出する。
ホルダ22の装着部24は、スローアウェイチップ収容空間26を規定するスローアウェイチップ収容空間形成部となる。具体的には、装着部24は、溝27に対してホルダ回転方向下流側の表面となる着座面40を有する。
着座面40は、平面に形成され、ホルダ22の端面33から屈曲して軸線方向他方X2に延びるとともに、ホルダ22の外周面32から屈曲して半径方向内方Y1に延びる。着座面40は、ホルダ22の軸線方向他方X2に進むにつれて、接線方向他方R2に傾斜する。これによってポジティブ方向のアキシャルレーキ、言い換えると正の軸線方向のすくい角を主切刃に付与することができる。また着座面40のホルダ半径方向外方端部を通過するホルダ22の一半径線を考えると、着座面40は、ホルダ半径方向内方に向かうにつれて、前記一半径線からホルダ回転方向と反対方向に傾斜する。これによって主切刃に対する逃げ角を確保することができ、第1逃げ面84が被削材に接触することを防ぐことができる。
またホルダ22は、チップ23が着座面40に当接した状態で、着座面40に隣接して着座面40に対してホルダ接線方向一方R1に立設する側壁41が形成される。側壁41は、着座面40のホルダ軸線方向他方X2側縁辺から接線方向一方R1に立ち上がる第1側面200と、着座面40のホルダ半径方向内方Y1側縁辺から接線方向一方R1に立ち上がる第2側面201とを有する。
第1側面200は、着座面40のホルダ軸線方向他方X2側縁辺から接線方向一方R1に進むにつれて、ホルダ軸線方向一方X2に延びる。本実施の形態では、図4に示すように、チップ23の他方の当接面101と他方の第2逃げ面71との成す角度を傾斜角度α3とすると、第1側面200は、着座面40に対して傾斜角度α3を有して傾斜する。この傾斜角度α3は、90度未満の角度に設定される。すなわち第1側面200は、着座面40からホルダ接線方向一方R1に進むにつれて、ホルダ軸線方向一方X1に進む。
これによってホルダ22に装着されたチップ23は、長手方向拘束面が第1側面200に当接する。ここで第1側面200は、チップ23の長手方向拘束面に対して、着座面40と反対側から当接する。また第2側面201は、着座面40に対して垂直に立ち上がる。これによってホルダ22に装着されたチップ23は、幅方向拘束面79が第2側面201に当接する。
また装着部24は、着座面40から接線方向他方R2に没入するねじ孔が形成される。ねじ孔の内壁面には、めねじが形成され、チップ23を固定するための凹所となる。ねじ部材がチップ23をクランプしてねじ孔に螺合することによって、チップ23をホルダ22に固定することができる。ねじ孔の軸線は、着座面40に対して前記傾斜角度α3で傾斜し、着座面40から接線方向他方R2にホルダ22に没入するにつれてホルダ軸線方向他方X2に進む。ねじ孔の軸線は、チップ23が着座面40および第1側面200および第2側面201に当接した状態で、チップの貫通孔50の軸線と略同軸となる。
ねじ部材によってホルダ22にチップ23を装着する場合、ねじ部材をねじ孔に螺着させることによって、チップ23がホルダ22の第1側面200に対して平行に移動する。したがってねじ部材によってチップ23をホルダ22に締結した場合に、チップ23の長手方向拘束面と、ホルダ22の第1側面200との間に隙間が形成されることを防ぐことができる。これによってホルダ22の側壁41によって、チップ23のホルダ基端部側部分を確実に押さえることができる。またねじ部材が着座面40に対して傾斜しているので、ねじ部材によって与えられる押圧力は、着座面に垂直な方向の第1の力と、着座面40に平行で軸線方向他方X2に向かう第2の力として与えられる。第2の力がチップ23に与えられることによって、長手方向拘束面とホルダ22の第1側面200との間に隙間が形成されることをさらに確実に防ぐことができる。また各当接部61,62が形成されることで、第1すくい面85の形状に拘わらずに、着座面40に対するねじ孔の傾斜を設定することができる。たとえば第2の力が過剰になることを防ぐことができる。
チップ装着状態では、チップ23の長手方向拘束面よりも、ホルダ22の第1側面200のほうが着座面40と反対側に配置される。切削時には、被削材からホルダ先端側の切刃に反力が与えられると、チップ23のホルダ基端側には着座面40から浮き上がる方向の力を受ける。この場合、本実施形態では、ホルダ22の第1側面200が、チップ23の長手方向拘束面を、着座面40と反対側から押さえつける。これによってねじ形成部分と、ホルダ22の側壁41とで、チップが浮き上がる力に抗することができる。このように複数の箇所で浮き上がる力に抗することができるので、被削材から与えられる負荷が大きくても、ねじ形成部分が破損することを防ぐことができる。またホルダ22によってチップ23の厚み方向表面をクランプ部で押さえて、チップ23をホルダ22にクランプする必要がなく、構造を簡単化するとともに、チップ交換の手間が複雑になることができる。これによって製造コストおよびチップ交換時間の増加を抑えることができる。
またホルダ22の側壁41は、第1側面200から屈曲してホルダ軸線方向他方X2に延びる平坦面202を有する。第1側面200は、チップ23の厚み方向A高さとほぼ同じ高さ寸法に形成されることで、平坦面202とチップ23の接線方向他方R2側表面とは、ほぼ面一に形成される。これによって側壁41に切り屑が接触することが防がれ、切り屑排出性を向上することができる。
以上のような本発明の本実施の形態に従えば、チップ23の厚み方向他方A2の当接部62をホルダ22の着座面40に当接させて、厚み方向一方A1の第1切刃30Aをホルダ22の接線方向一方R1に配置させる。これによって一方の第1切刃30Aを主切刃とし一方の第2切刃31Aを副切刃とすることができ、主切刃および副切刃で被削材を切削することができる。またチップ23の厚み方向一方A1の当接部61をホルダ22の着座面40に当接させて、厚み方向他方A2の第1切刃30Bをホルダ22の接線方向一方R1に配置させる。これによって他方の第1切刃30Bを主切刃とし、他方の第2切刃31Bを副切刃とすることができ、主切刃および副切刃で被削材を切削することができる。このように1つの着座面40に対して、1つのチップ23が2とおりの装着状態を取り得ることができ、チップ23の利用効率を向上することができ、1つのチップ23で切削可能な切削総量を向上することができる。ホルダ22に同一形状のチップ23が複数装着される場合では、その効果が顕著となる。
また本実施の形態では、チップ23の幅方向他方部78には、切刃を形成する必要がない。これによって切刃に必要な制約を受けることなく、幅方向他方部78を任意の形状に形成することができ、チップ23の設計上の制約を少なくすることができる。具体的には、幅方向他方部78には、切刃を形成するための逃げ面およびすくい面などを形成する必要がなく容易に形成することができる。たとえば幅方向他方部78には、幅方向拘束面79が形成されるが、幅方向拘束面79を各当接面100,101に対して垂直に形成することができる。これによって、ホルダ22の第2側面201もまた着座面40に対して垂直にすることができ、ホルダ22についても容易に形成することができる。
また幅方向他方部78には、厚み方向表面と幅方向表面との交差断面部分を鋭角にする必要もない。また幅方向他方部78について、切刃と無関係な肉厚に形成することができる。本実施の形態にように、幅方向他方部78の肉厚を大きくすることでチップ23の剛性を高めることができる。また幅方向他方C2の肉厚を小さくすることで、その分ホルダ22の肉厚を大きくして、ホルダ22の剛性を高めたりすることができる。
また本実施の形態では、幅方向他方部78には、ホルダ22の側壁41に当接する幅方向拘束面79が形成される。幅方向他方部78は、切刃が形成されないので、切削加工が行われても、変形したり摩耗したりすることがなく、一方の第1切刃30Aを主切刃として用いた後に、他方の第1切刃30Bを主切刃として用いる場合に、チップ23の装着不良を防ぐことができる。
また本実施形態によれば、一方の第1切刃30Aが主切刃となる場合、他方の第2逃げ面71および第3逃げ面77は、ホルダ22の側壁41に当接する。ホルダ22の側壁41は、他方の第2逃げ面71および第3逃げ面77に対して着座面と反対側から当接する。このように長手方向拘束面として、チップ23の他方の第2逃げ面71と他方の非第2逃げ77が、ホルダ22の第1側面200に当接することで、チップ23に被削材から力が与えられた場合に、ホルダ22の側壁41によってチップ23が押さえられ、チップ23の浮き上がりを防ぐことができる。また貫通孔50付近に応力が集中することを防いで、チップ23およびホルダ22の破損を防ぐことができる。上述したようにホルダ22の側壁41でもチップ23を押さえることができるので、ホルダ22に複数のチップ23が装着される場合およびホルダ22の外径が小さい場合など、潜在的にホルダ22の肉厚が小さくなる場合において、ホルダ22の破損をより確実に防ぐことができる。
また本実施の形態では、他方の第2逃げ面71および他方の第3逃げ面77がともに長手方向拘束面となる。すなわち長手方向他方B2側表面のほぼ全面が長手方向拘束面なる。このように広い範囲で当接させることによって、応力が集中することを防いで、長手方向拘束面付近におけるチップ23およびホルダ22の破損を防ぐことができる。また本実施形態によれば、一方の第1切刃30Aが主切刃となる場合、他方の第2逃げ面71が、長手方向拘束面となる。切刃30A,30Bが形成される幅方向一方部は、切削時に大きな力を受ける部分である。したがって幅方向一方部である他方の第2逃げ面71をホルダ22の側壁41に当接させることで、チップ23の浮き上がりをより効果的に防ぐことができる。
また本実施の形態では、チップ23のホルダ接線方向一方R1の表面と、その厚み方向一方側A1表面部に隣接するホルダの側壁41とをほぼ面一にすることができる。これによって切り屑がホルダの側壁41に当接することを防いで、切り屑の排出性を向上することができる。また本実施の形態では、一方の第1切刃30Aが主切刃となる場合、他方の当接部62がホルダ22の着座面40に当接する。他方の当接部62は、他方の第2切刃31Bよりも厚み方向他方A2に突出するので、他方の第2切刃31Bが着座面40に直接当接することを防ぐことができる。これによって他方の第2切刃31Bおよび着座面40が損傷することを防ぐことができる。また他方の第2切刃31Bが摩耗および変形している場合であっても、装着不良を防いで、チップ23をホルダ22に装着することができる。
また本実施の形態では、各当接部61,62が対応する第1すくい面85,83から厚み方向Aに突出する。これによって他方の当接部62が着座面40に当接する場合、一方の当接部61が一方の第1すくい面85よりも厚み方向Aに突出する。一方の第1切刃30Aが主切刃となる場合、一方の切刃によって削られた切り屑は、一方の第1すくい面85に沿って進み、一方の当接部61の壁面に接触し、小さくカールする。このように切り屑が小さくカールすることで切り屑排出性を向上することができる。さらに切り屑が、ホルダ22の切り屑収容空間の壁面に接触することを防ぐことができ、ホルダ22の摩滅を防ぐことができる。
また本実施の形態では、各当接部61,62は、幅方向他方C2側端部から厚み方向両側表面部の第1方向中央位置よりも幅方向一方C1に延びる。これによって当接面100,101を可及的に大きくすることができ、チップ23を安定してホルダ22に装着することができる。またチップ23の一部に応力が集中することを防ぎ、チップ23が損傷することを防ぐことができる。
また本実施の形態では、一方の第1切刃30Aは、各当接面100,101に対して傾斜して形成される。これによってエンドミルに装着されたときに形成される主切刃について、ポジティブ方向のアキシャルレーキを付与することができ、切削抵抗を小さくすることができる。また着座面40がホルダ軸線L1に対して傾斜することで、さらに大きいアキシャルレーキを付与することができる。また本実施の形態では、着座面40が一半径線に対して傾斜することによって、第1逃げ面84が当接面100,101に対して垂直に形成される場合であっても、主切刃に対して大きい逃げ角を付与することができる。また上述した効果は、他方の第1切刃30Bが主切刃となる場合も同様の効果を得ることができる。このような本発明の実施の形態のチップ23の形状は、発明の一例示であって、発明の範囲内で構成を変更することができる。たとえば本実施の形態では、第1逃げ面84は、当接面100,101に垂直に形成されるとしたが、これに限らない。たとえば第1逃げ面84は、厚み方向A中央が幅方向他方C2に没入する略C字形状に形成されてもよい。すなわち逃げ面84は、各当接面100,101との成す角度が鋭角となるように形成されてもよい。これによって第2逃げ面84に逃げ角を確保することができる。また本実施の形態では、第2逃げ面と第3逃げ面が、長手方向拘束面を構成するとしたが、第2逃げ面と第3逃げ面とのいずれか一方であってもよい。具体的には、第3逃げ面を長手方向拘束面とした場合には、チップの浮き上がりをより効果的に防ぐ効果が得られるし、第2逃げ面を長手方向拘束面とした場合には、ねじ部材を中心としたチップの位置ズレ(回転)を防ぐ効果が得られる。
図9は、本発明の実施の他の形態であるチップ123を示す斜視図である。他の実施の形態のチップ123は、第1の実施の形態のチップ23とほぼ同様の形態を示し、同様の構成については同様の符号を付して説明を省略する。第1実施形態では、当接部61,62が貫通孔50を囲んで略U字状に形成されるとしたが、他の実施形態のチップ123は、当接部61,62が各主面部86,87のうち、第1切刃30A,30Bから幅方向他方C2に退避した領域のほぼ全面に形成される。このように形成されることによって、第1の実施形態のチップ23に比べて、チップ123を安定して保持することができる。またチップ123の肉厚を大きくすることができるとともに、チップ123に与えられる応力が一部に集中することを防いで、チップ123の強度を向上することができ、チップの破損をさらに確実に防ぐことができる。
図10は、本発明の実施のさらに他の形態であるチップ223を示す斜視図である。他の実施の形態のチップ123は、第1の実施の形態のチップ23とほぼ同様の形態を示し、同様の構成については同様の符号を付して説明を省略する。第1実施形態では、チップ23のいずれかの第2逃げ面70,71と第3逃げ面76,77との両方が長手方向拘束面となるとした。これに対してさらに他の実施の形態では、第3逃げ面76,77のみが長手方向拘束面となる。これによって第2逃げ面70,71がホルダの第1側面に接触することを防ぐことができ、第2逃げ面70,71が変形した場合であっても、装着不良を防ぐことができる。また長手方向拘束面は、平坦に形成されなくてもよく、ホルダ22に装着された状態で、ホルダ22の接線方向一方R1に露出する露出面が形成されていればよい。この露出面に対してホルダの側壁41が当接することによって、チップ23の浮き上がりを防ぐことができる。たとえば幅方向拘束面は、チップの長手方向両側表面部に形成されて当接面100に対して傾斜する斜面のほか、凹部または凸部の一表面によって形成されてもよい。
また変形例として、幅方向拘束面についても、ホルダ22に装着された状態で、ホルダ22の接線方向一方R1に露出する露出面が形成されることが好ましい。この場合、長手方向拘束面と幅方向拘束面とがそれぞれホルダの側壁に当接することで、さらに確実にチップの浮き上がりを防ぐことができる。
以上のような本実施の形態は、発明の例示に過ぎず発明の範囲内で構成を変更することができる。たとえば転削用工具として、エンドミルについて説明したが、副切刃を有しない他の転削用工具、たとえばフライス用転削用工具であっても同様の効果を得ることができる。またホルダ22の外形については本実施例に限定されず、基準軸線L3まわりに180度回転対称に形成されていればどのような形状であってもよい。たとえば第1切刃が延びる方向に長辺が、第2切刃が延びる方向に短辺が形成される長方体形状であるとしたが、第1切刃が延びる方向に短辺が、第2切刃が延びる方向に長辺が形成される直方体形状に形成されてもよい。
本発明の実施の一形態であるスローアウェイチップ23を示す斜視図である。 スローアウェイチップ23を示す平面図である。 スローアウェイチップ23を示す幅方向一方C1側の側面図である。 スローアウェイチップ23を示す幅方向他方C2側の側面図である。 スローアウェイチップ23を示す長手方向一方B1側の側面図である。 スローアウェイチップ23を示す長手方向他方B2側の側面図である。 本実施例のチップ23がホルダ22に装着された状態を示すエンドミル20を示す斜視図である。 本実施例のチップ23がホルダ22に装着された状態を示すエンドミル20を示す斜視図である。 本発明の実施の他の形態であるチップ123を示す斜視図である。 本発明の実施のさらに他の形態であるチップ223を示す斜視図である。
符号の説明
20 エンドミル
22 ホルダ
23 スローアウェイチップ
30 第1切刃
31 第2切刃
40 ホルダの着座面
41 ホルダの側壁
61,61 当接部
70,71第2逃げ面
79 長手方向拘束面
84 第1逃げ面
87 第1主面部
86 第2主面部
85,83 第1すくい面
88,89 第2すくい面
100,101 当接面

Claims (11)

  1. ホルダに装着されることで転削用工具の一部を構成するスローアウェイチップであって、
    厚み方向に垂直な第1方向に延びる基準軸線に関して180度回転対称となる略直方体板状に形成されて、厚み方向一方側表面部および厚み方向他方側表面部の第1方向一方側部分に、第1方向に垂直な第2方向に延びる2つの第1切刃と、
    厚み方向一方側表面部および厚み方向他方側表面部にそれぞれ形成されて、ホルダの着座面に当接する2つの当接部とを有することを特徴とするスローアウェイチップ。
  2. 第1方向他方側表面部に形成されて、ホルダの側壁に当接する第1方向拘束面を有することを特徴とする請求項1記載のスローアウェイチップ。
  3. 第2方向一方側表面部の少なくとも一部に形成されて、第2方向一方側表面を厚み方向一方から厚み方向他方に進むにつれて基準軸線からの距離が短くなる一方の第2方向拘束面と、
    第2方向他方側表面部の少なくとも一部に形成されて、第2方向他方側表面を厚み方向他方から厚み方向一方に進むにつれて基準軸線からの距離が短くなる他方の第2方向拘束面とを有し、
    各第2方向拘束面のいずれかは、チップがホルダに装着された場合に、ホルダの側壁に当接することを特徴とする請求項1または2記載のスローアウェイチップ。
  4. 厚み方向両側表面部にそれぞれ形成される2つの第2切刃を有し、
    2つのうち一方の第2切刃は、厚み方向一方側表面部の第2方向一方側部分に形成されて、厚み方向一方側の第1切刃に連なり、
    2つのうち他方の第2切刃は、厚み方向他方側表面部の第2方向他方側部分に形成されて、厚み方向他方側の第1切刃に連なることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のスローアウェイチップ。
  5. 厚み方向一方の第1切刃と厚み方向他方の第1切刃との間にわたって延びる第1逃げ面と、各第2切刃に隣接してその第2切刃からそれぞれ厚み方向に延びて、ホルダの側壁に当接する2つの第2方向拘束面となる2つの第2逃げ面とを有し、
    2つのうち一方の第2逃げ面は、厚み方向一方側の第2切刃から厚み方向他方に進むにつれて第2方向他方に傾斜し、
    2つのうち他方の第2逃げ面は、厚み方向他方側の第2切刃から厚み方向一方に進むにつれて第2方向一方に傾斜することを特徴とする請求項4記載のスローアウェイチップ。
  6. 厚み方向に挿通して、チップをホルダに固定するための貫通孔が形成され、貫通孔の軸線は、各第2逃げ面と平行に延びることを特徴とする請求項5記載のスローアウェイチップ。
  7. 各当接部は、ホルダの着座面に当接する平坦な当接面をそれぞれ有し、
    一方の第2切刃は、厚み方向一方側の当接部の当接面に沿って延びる仮想延長平面よりも厚み方向他方に退避し、他方の第2切刃は、厚み方向他方側の当接部の当接面に沿って延びる仮想延長平面より厚み方向一方に退避することを特徴とする請求項3〜6のいずれか1つに記載のスローアウェイチップ。
  8. 第1切刃に隣接し、隣接する第1切刃から第1方向他方に延びる2つの第1すくい面を有し、
    2つのうち一方の第1すくい面は、厚み方向一方の第1切刃から第1方向他方に延びるにつれて厚み方向他方に傾斜し、2つのうち他方の第1すくい面は、厚み方向他方の第1切刃から第1方向他方に延びるにつれて厚み方向一方に傾斜し、
    2つのうち一方の当接部は、一方の第1すくい面から厚み方向一方に突出し、2つのうち他方の当接部は、他方の第2すくい面から厚み方向他方に突出することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載のスローアウェイチップ。
  9. 各当接部は、ホルダの着座面に当接する当接面をそれぞれ有し、各当接面は、第1方向他方表面から厚み方向両側表面部の第1方向中央位置よりも第1方向一方に延びることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載のスローアウェイチップ。
  10. 各当接部は、ホルダの着座面に当接する平坦な当接面を有し、
    厚み方向一方の第1切刃は、第2方向他方に進むにつれて、厚み方向他方の当接部の当接面に近づいて延び、厚み方向他方の第1切刃は、第1方向一方に進むにつれて厚み方向一方の当接部の当接面に近づいて延びることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載のスローアウェイチップ。
  11. 請求項1〜10のいずれか1つに記載のスローアウェイチップと、
    前記スローアウェイチップを装着するホルダとを含むことを特徴とする転削用工具。
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