JP2000130259A - インテークマニホールドのシール構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 インテークマニホールドをフルフロートする
ことによって、高い密封性能を維持しつつ防振性と防音
性を得さしめる。 【構成】 インテークマニホールド１の取り付け部に形
成した径方向のフランジ１ａへ弾性体から成る断面略コ
字形状のガスケット６を嵌め込み装着し、その上部から
二分割形状の締め付けフランジ７を装着してインテーク
マニホールド１を固定せしめフルフロートさせる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、エンジンのインテーク
マニホールドとシリンダヘッドの取付部の取り付け構造
に関し、両部材の取り付け部の密封と防振を図るインテ
ークマニホールドのシール構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、エンジンのインテークマニホール
ドとシリンダヘッドの取付部は、インテークマニホール
ドの軽量化のために軽量合金化や合成樹脂化が進み、こ
れに加え騒音低減要求などによってインテークマニホー
ルドとシリンダヘッドとの間に柔軟度の多いソフトガス
ケットが挿入されるようになっており、このようなソフ
トガスケットの挿入構造に合わせてその取り付け部の形
状もさまざまな装着構造が開発され実施されるに至って
いる。その実例を図面を基に挙げると、軽量な合金から
成るインテークマニホールド１’においては、図４に示
すように、インテークマニホールド１’のフランジ１ａ
とシリンダヘッド２の取り付け面の全面に接する広面積
のフラットタイプガスケット３が装着され、前記インテ
ークマニホールド１’のフランジ１ａに取り付けた締着
具４よって締め付け固定がなされている。一方、合成樹
脂製のインテークマニホールド１においては、硬度に劣
る合成樹脂材料ゆえフランジ１ａの歪み量が少なからず
あるので、図３に示すように断面が圧縮方向に質量の多
い異形のＯリング５が採用され、前記フランジ１ａに形
成した環状溝１ｂへ装着して、該フランジ１ａに取り付
けられた締着具４によって締付け固定されている。この
ときインテークマニホールド１のフランジ１ａとシリン
ダヘッド２とは前記Ｏリング５の接触面積が少なく反発
弾性が不足するので絞め込まれると硬質物同士が接する
メタルタッチ状態となっている。（図３では締込み前の
状態を示している。）

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながらこのよう
なインテークマニホールド構造では十分な密封性能と防
振性能を発揮し得ない。すなわち、図４で示す軽量合金
製のインテークマニホールド１’のフランジ１ａへフラ
ットタイプガスケット３を装着する構造においては、該
フラットタイプガスケット３が多質量で広面積をもって
接するゆえ充分な面圧を与えるためにはそのフランジ１
ａの取付部へ過度の負荷が加わるので高い強度を必要と
してお、どうしても重量的に不利となる欠点を持つ。ま
た、異形のＯリング５を用いる合成樹脂製のインテーク
マニホールド１の場合、前記のように硬質部材であるシ
リンダヘッド２とメタルタッチする構造であるのでエン
ジンからの振動を直接伝えるものとなり振動防止効果を
全く期待し得ない。本発明はこのような不具合をインテ
ークマニホールドをフルフロートすることによって解消
したものであって、高い密封性能を維持しつつ防振性と
防音性を得さしめることに成功した。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、図１および図
２に示すようにエンジンのシリンダヘッド２とインテー
クマニホールド１とを取り付け密封するインテークマニ
ホールドのシール構造であって、前記インテークマニホ
ールド１の取り付け部に形成した径方向のフランジ１ａ
へ弾性体から成る断面略コ字形状のガスケット６を嵌め
込み装着し、その上部から前記ガスケット６の取り付け
られたインテークマニホールド１のフランジ１ａを覆い
筒部に沿って分割された二分割形状の締め付けフランジ
７を装着して、締付具４をもってインテークマニホール
ド１を固定せしめることを特徴としている。

【０００５】

【発明の実施の形態】本発明は前記のようにエンジンの
シリンダヘッド２とインテークマニホールド１との間に
ガスケット６を介在せしめ、これを締め付けフランジ７
で外部側から締め付けてインテークマニホールド１をフ
ルフロート状態で固定せしめるものであり、このフロー
ト状態を良好に保つために前記インテークマニホールド
１の取り付け部に径方向のフランジ１ａを形成すると共
に、弾性体から成るガスケット６を断面略コ字形状に形
成し、これらを覆う二分割形状の締め付けフランジ７を
もって弾性的にしかも正確に装着せしめることが出来る
ものとなる。

【０００６】

【実施例】図１は、インテークマニホールド１の端縁か
ら流路に対し径方向に延ばしたフランジ１ａへ断面略コ
字形状のガスケット６を側面から挟み込み装着して、そ
の上方から締め付けフランジ７を取り付けた装着状態を
示しており、この締め付けフランジ７は図２に示すよう
に前記ガスケット６の取り付けられたフランジ１ａを覆
うように分割面が複数連接したインテークマニホールド
１の筒部にそれぞれ沿い連なる二分割形状としている。
この二分割形状としては、図２に示すようなインテーク
マニホールド１の取り付け部の全体を覆うフルカバー形
状から、前記フランジ１ａおよびガスケット６のみを部
分的に覆う部分カバー形状（図示していない）まで自由
な選択が可能であり、いずれもガスケット６付きフラン
ジ１ａを拘束し柔軟かつずれのない確実な固定ができる
形状であるなら問題とはならない。

【０００７】

【発明の効果】以上説明したように本発明のインテーク
マニホールドのシール構造は、このインテークマニホー
ルド１を弾性体で成るガスケット６と締め付けフランジ
７にてフルフロート状態に置いており、これにより音と
か振動に対して有効にその低減をなし、またシリンダヘ
ッド２とインテークマニホールド１とが直接接触するこ
とがないので断熱性にも優れる利点がある。また、この
インテークマニホールド１は断面略コ字形状に形成した
ガスケット６によってそのフランジ１ａが完全に浮固定
されているので弾性的に余裕が生じており、従ってイン
テークマニホールド１の歪み量を該ガスケット６で規制
できるためシール性に有利である。勿論、締め付けフラ
ンジ７の二分割構造はインテークマニホールド１の筒部
を両側から抱束するので装着作業性を飛躍的に向上さ
せ、またそれぞれのマニホールド１あるいはガスケット
６への追従性も優れており万全な密封構造となってい
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】インテークマニホールドの装着状態を示した断
面図である。

【図２】締め付けフランジの実施例を示した平面図であ
る。

【図３】インテークマニホールドの従来の装着状態を示
した断面図である。

【図４】インテークマニホールドの従来の装着状態を示
した断面図である。

【符号の説明】

１ インテークマニホールド ２ シリンダヘッド ３ フラットタイプガスケット ４ 締着具 ５ Ｏリング ６ ガスケット ７ 締め付けフランジ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 エンジンのシリンダヘッドとインテーク
   マニホールドとの取り付け部であるインテークマニホー
   ルドのシール構造において、前記インテークマニホール
   ドの取り付け部へ径方向に延びるフランジを形成して、
   このフランジへ断面略コ字形状のガスケットを嵌め込み
   装着せしめ、その上部から前記フランジを覆い筒部に沿
   って分割された二分割形状の締め付けフランジを装着し
   て、締付具にて締付け固定せしめることを特徴とするイ
   ンテークマニホールドのシール構造。