JP3413457B2 - ワッシャーシールの取付構造 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 【０００１】 【産業上の利用分野】本発明は、締付け具と固定部材と
の間に装着されるワッシャーシールに関し、具体的には
カバー部材の面圧分布を均一化してワッシャーシールと
ガスケットのヘタリを防ぎ良好な装着作業性と防振性を
ももたらすワッシャーシールの取付構造に関するもので
ある。 【０００２】 【従来の技術】従来、エンジンのロッカーカバーあるい
はオイルパンの如きカバー部材を装着固定するには、カ
バー部材の要所要所にボルト等の締付け具を配設してそ
の周囲に装着したガスケットと共に締付けをなさしめて
おり、そのカバー部材の防振と締付け具の密封などを図
るために締付け具とカバー部材との間に弾性体と補強材
とからなるワッシャーシールを装着している。 【０００３】以下図面を参照しつつ詳述する。この構造
の多くは、図３に示すように、リング形状をなす弾性体
（４）とこれの上方に輪形状の金属製ワッシャー（５）
を配設一体化してワッシャーシールを構成しており、こ
れがボルト（３）と共にカバー部材（２）に装着され、
該ボルト（３）に締付け力を与えることでカバー部材
（２）と該カバー部材（２）に装着されたガスケット
（１）がシリンダヘッド（６）へ取付け固定されてい
た。 【０００４】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図３に
示すようなカバー部材（２）の取付構造にあっては、前
記ワッシャーシールの締付け圧力によってガスケット
（１）に必要なる面圧をカバー部材（２）のフランジ
（２１）へ与えるものであるから該フランジ（２１）の
接触面の平面度が重要となり、締付けたことで少しでも
該フランジ（２１）に歪が生じるとガスケット（１）の
面圧を局部的に弱め密封力を甚だ不安定なものとする。
このため、前記フランジ（２１）に対して狭間隔にボル
ト（３）及びワッシャーシールを配置して歪の防止をな
すか、あるいは該フランジ（２１）そのものの強度を高
める補強材（例えばスティフナー。図示していない）を
増設するなどの強度対策を必要としていた。 【０００５】また、合成ゴム等でなる前記ワッシャーシ
ールの弾性体（４）及びガスケット（１）は、多少の硬
度の差異はあっても性能を保つ最適な締付け圧力はある
一定の幅を有するものであり、一般的に締付けトルク３
０kgf・cm〜６０kgf・cmがその範囲と考えられ、これ以
上の荷重が該弾性体及びガスケット（１）に加わるとト
ルクダウン（応力緩和）したり過大な横流れ変形によっ
て破壊を招いたりする欠点と危険性を有している。本発
明はこのような重大な欠点に鑑み、ガスケット（１）に
対して広い範囲で均一な面圧を与えワッシャーシールの
応力緩和を防いで長期の使用に耐える防振性の良好なシ
ールワッシャーの取付構造を提供することを目的として
いる。 【０００６】 【課題を解決するための手段】本発明は、図１及び図２
に示すように、カバー部材（２）を装着固定するワッシ
ャーシールの取付構造であって、弾性体でシール部本体
（７）を形成し、該シール部本体（７）の補強をなして
その両側に伸びる板バネ（８）を配設すると共に、該板
バネ（８）の両端に吸振パッド（９）を設け、カバー部
材（２）のフランジ部（２１）に取付けることを特徴と
している。 【０００７】 【作用】本発明は、上記したように、エンジンのシリン
ダヘッド（６）へガスケット（１）を装着したカバー部
材（２）を取付けるワッシャーシールであり、図１に示
すように、前記ワッシャーシールはシール部本体（７）
と該シール部本体（７）の補強板を兼ねその両側に伸出
する板バネ（８）と該板バネ（８）の両端に配設した吸
振パッド（９）とで構成されており、前記カバー部材
（２）のフランジ部（２１）のボルト（３）へシール部
本体（７）を取付けて前記ワッシャーシールの板バネ
（８）を介しシール部本体（７）と該板バネ（８）に連
なる両側の吸振パッド（９）をフランジ部（２１）の外
表部へ圧接触せしめる。この複数個の圧縮付与部は前記
のように一箇所のボルト（３）の締付け圧力によって得
られており、該一箇所の締付け圧力を板バネ（８）によ
って両端の吸振パッド（９）まで均等に分散せしめ、こ
の締付け部分の近辺一帯のフランジ（２１）とその内側
部に位置する広範囲のガスケット（１）とが良好な締付
け状態におかれる。 【０００８】 【実施例】本発明を実施するに、図２に示すようなシー
ル本体部（７）の補強をなす部分から伸出する板バネ
（８）のばね強度と伸出寸法は、カバー部材（２）の周
囲に配置するボルト（３）の本数かあるいは該カバー部
材（２）のフランジ強度さらにはシール本体部（７）及
び吸振パッド（９）の硬度などによって決定されるもの
であるが、ボルト配備数においては、その付近に及ぼす
良好な締付け状況から少なくとも通常配備していた本数
の１／２から１／３程度にまで数量を減じることが可能
となる。また、複数の吸振パッド（９）のフランジ（２
１）への接触によって分散されたシール本体部（７）へ
加わる締付け圧力は、組立ラインの空圧レンチなどで締
付けトルク７０kgf・cm〜９０kgf・cm程度の強締付けが
なされても、そのトルクは５０kgf・cm〜６０kgf・cm程
度にまで分散配給され、従来のようなトルクダウン（応
力緩和）や過大な横流れ変形を発生させない。 【０００９】 【発明の効果】上記のような構成によって、以下に示す
優れた効果が得られる。本発明のワッシャーシールは前
記のように、一箇所の締付け圧力によってフランジ（２
１）の締付け近辺一帯とその内側部に位置する広い範囲
のガスケット（１）が良好な締付け状態におかれ、ワッ
シャーシールの応力緩和を防いでガスケット（１）に長
期間不変な締圧を提供する。また、締付け部の付近一帯
に及ぼす良好な締付け状況からボルト配備数を減じるこ
とが可能となる。このボルト配備の減少はカバー部材
（２）の装着作業性を大きく向上させるばかりでなくエ
ンジンそのものの軽量化をも果たす。 【００１０】

【図面の簡単な説明】 【図１】本発明の一実施例を示す断面図である。 【図２】図１のＢ−Ｂ′断面図である。 【図３】本発明の他の実施例を示す断面図である。 【符号の説明】 １ ガスケット ２ カバー部材 ２１ フランジ部 ３ ボルト ４ リング形状をなす弾性体 ５ 輪形状の金属製ワッシャー ６ エンジンのシリンダヘッド ７ シール部本体 ８ 板バネ ９ 吸振パッド

Claims (1)

1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項１】 ガスケットの取付けられたカバー部材に
   あって、前記カバー部材を取付け固定するためにボルト
   と共に用いられるワッシャーシールの取付構造におい
   て、前記ワッシャーシールは弾性体からなるシール部本
   体と、該シール部本体の補強板を兼ねその両側に伸出す
   る板バネと、該板バネの両端に配設した吸振パッドから
   なり、前記カバー部材のガスケットを内掴するフランジ
   部に対し、そのフランジ部のボルトへ前記ワッシャーシ
   ールのシール部本体を装着せしめると共に該フランジ部
   の外表部へ吸振パッドを圧接せしめたことを特徴とした
   ワッシャーシールの取付構造。