JP2000119141A - 水性美爪料の製造方法 - Google Patents

水性美爪料の製造方法

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JP2000119141A JP10293946A JP29394698A JP2000119141A JP 2000119141 A JP2000119141 A JP 2000119141A JP 10293946 A JP10293946 A JP 10293946A JP 29394698 A JP29394698 A JP 29394698A JP 2000119141 A JP2000119141 A JP 2000119141A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 有機溶剤を含まず人体への安全性に優れ、し
かも長期の保存安定性に優れ、美しい色彩光沢と塗布膜
強度密着性を有する水性の美爪料を提供する。 【解決手段】 顔料の平均粒子径が3μm以下で、かつ
該顔料の濃度が60%以下である該顔料と水を必須成分
とし、あらかじめイオン交換能を有する物質で接触処理
された被処理水性混合物と、重量平均分子量が2000
〜20000であり、軟化点温度が120℃以下である
フェニル基含有の化学構造を有するポリエステル高分子
とを該高分子の溶融状態の下で加熱混練しながら、減圧
下で含有する揮発分を除去し、最終的に該顔料が該ポリ
エステル高分子中に該顔料が有している平均粒径で分散
されている顔料とポリエステル高分子の混合物からな
り、有機溶剤、膜形成助剤を実質的に含有しない水性美
爪料を製造することを特徴とする水性美爪料の製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機溶剤を含まず
人体への安全性に優れ、しかも長期の保存安定性に優
れ、美しい色彩光沢と塗布膜強度、密着性を有する水性
の美爪料の分野に属する。
【0002】
【従来の技術】従来の美爪料は有機溶剤系の塗料と類似
の構成になっており、例えば、ニトロセルロース、アル
キッド樹脂等の樹脂と、顔料、可塑剤、有機溶剤で構成
されているのが通常であった。即ち、着色剤である顔料
が樹脂にくるまれ有機溶剤中に懸濁しており、何らかの
手段で塗布されて有機溶剤が揮発することによって、皮
膜となる仕組みのものであった。その際、形成される膜
の硬さは残留する可塑剤が調節機能を担うものであっ
た。そして、使用後の皮膜の除去は、皮膜を溶解しうる
有機溶剤を用いて行われるものであった。
【0003】しかしながら、上記の構成による美爪料は
有機溶剤及び可塑剤を使用しているために、使用される
化学物質の生体への有害性の点からの制限、使用環境の
点から引火性化合物の使用に対する配慮、あるいは有機
溶剤の持つ臭気に対する配慮等がなされて使用に供され
ているのが実情である。
【0004】これに対して有機溶剤を含まない水系の美
爪料の開発が求められ、数多くの開発努力が進められて
いるのも事実である。この美爪料の水性系への転換の手
法の現在の技術水準は下記の点に要約されると言える。
すなわち(1)構成する樹脂に水溶性もしくは水分散性
の樹脂を用いること、(2)溶剤は水と混合しうる有機
溶剤を用いること、(3)可塑剤には親水性の化合物を
用いること、(4)エマルジョン樹脂を使用する際に用
いられる膜形成助剤にも(3)と同様な化合物を用いる
こと、などである。これらの開発努力は特許26868
80、特許2115767および特開平8−22543
4に示されている。
【0005】しかし上記の手法をとっても、美爪料の水
性転換は、(1)顔料を包む樹脂に水溶性樹脂を用いる
際に、その樹脂の屈折率を大きく設計することは水溶化
の条件のために難しく、結果的に高い光沢、あざやかな
色彩を得にくい、(2)複数の顔料を単独にそれぞれ完
全に水溶性樹脂で包み込み、裸の顔料の存在を無くする
ことが難しい、(3)水溶性の有機溶剤あるいは膜形成
助剤を用いないと平滑な面が得られず、完全な水単独の
系を得ることは難しい、(4)また水系の顔料分散溶液
の長期年月に亘る保存安定性が得にくい、(5)油性の
表面を有する爪にそれなりの耐久性を持つ接着力を親水
性の樹脂で持たせるのは難しい、などの技術的克服すべ
き点を持っているのが実情である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は水性の
美爪料を実用に耐えるものにするために必須条件となる
前述の5項目の改良点を克服し、安定な水性の美爪料を
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の技術思想は技術
手段としてつぎの点に要約される。 (1)顔料の表面を包み込むには線状の高分子の方が適
していること、且つ線状の高分子の方が枝別れ高分子よ
り高分子間の絡み合いは同じ分子量で比べると大きいの
で一度包み込むと顔料を裸にしにくいと期待できるこ
と、(2)その時、顔料を包み込む高分子に屈折率を大
きくできるフェニル基を有する線状の高分子を採用する
ことで高い光沢と、鮮やかな色彩を示す顔料分散物を得
ることが期待できること、(3)顔料を包み込む高分子
と水溶化もしくは水に分散させる機能を有する高分子と
を別種の高分子で構成し、顔料はその包み込む高分子に
十分分散させた分散体として利用すべきであること、
(4)水溶化もしくは水に分散させる機能を有する高分
子に有機溶剤あるいは膜形成助剤等を含んでいればこれ
らの化合物は単に、該高分子と混合されているものであ
り、且つ該高分子の溶解力を左右する性質のものである
ので、何らかの外力、すなわち、蒸発、温度変化、ある
いは炭酸ガスのごとき酸性物質の吸収によって系のpH
が変動し溶解している状態が乱され、溶液を経時不安定
にするので余計なものは存在させるべきでないこと、及
び(5)油性面への付着力を確保するためには該分散機
能を有する高分子を疎水性にしておくべきことは論を待
たないが、この手法を採用すると酸価あるいはアミン価
を下げ溶解力を落とす結果となり不安定さを増大させる
こととなる。これを回避するためには阻害要因である不
純物電解質の塩析作用を除去するために電解質を極力排
除すべきであろうと予測されることである。
【0008】本発明者らは上記技術手段の確立に努力し
発明を完成した。すなわち顔料の平均粒子径が3μm以
下で、かつ該顔料の濃度が60%以下である該顔料と水
を必須成分とし、あらかじめイオン交換能を有する物質
で接触処理された被処理水性混合物と、重量平均分子量
が2000〜20000であり、且つ軟化点温度が12
0℃以下であるフェニル基含有の化学構造を有するポリ
エステル高分子とを該高分子の溶融状態の下で加熱混練
しながら、減圧下で含有する揮発分を除去し、最終的に
該顔料が該ポリエステル高分子中に本来該顔料が有して
いる平均粒径で分散されている顔料とポリエステル高分
子の混合物(A)成分を50重量%以下の濃度になるよ
うに有機溶剤に溶解したのち、カチオンもしくはアニオ
ンに解離可能な官能基の含有量が1〜5meq/gであ
る樹脂の80%以下の濃度の有機溶剤溶液(B)成分と
を混合後、中和し、水を加えて希釈相転換する前及び/
又は後に、これをイオン交換能を有する物質と接触させ
ることによってイオン性不純物を除去した後、さらに有
機溶剤を蒸留除去し、これを再度イオン交換能を有する
物質と接触させることにより、水単独に溶解した着色高
分子組成物を必須成分とし、イオン性不純物が抑制さ
れ、かつ、有機溶剤、膜形成助剤を実質的に含有しない
水性美爪料を製造することを特徴とする水性美爪料の製
造方法にある。さらに言うならば、不純物電解質がなけ
れば、あえて分散粒子を融着防止するために固くし、膜
形成所剤の助けにより造膜する手段を講ずる必要はない
のである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の技術思想をさらに詳しく
説明する。まず、顔料が単独で裸の状態で水の中に懸濁
するのを防ぐために、該顔料を包み込むのに適した線形
に近く可撓性を持ち、水に不溶でかつ屈折率の大きなフ
ェニル基含有のポリエステル高分子の中に、本来該顔料
が保有している粒子径の分布に忠実に分散させることが
本発明における第一の手段である。この手段を行うに際
して、通常の塗料化手段のように、採用する当該高分子
の溶液を用い、サンドミルのような高速分散機を用いる
ことも可能であるが、顔料の持つ本来の粒子径分布を忠
実に保持した分散物を得るにはこの手法では長時間の分
散工程を必要とする結果となり好ましくない。
【0010】そのため、本発明では顔料と水とで構成さ
れている顔料の含水ペースト(水性混合物)を用いて、
例えばフラッシング法と言われている手法を採用し、該
高分子と該顔料の含水ペーストを直接減圧機能を具備し
たニーダーで該高分子が溶融する温度で加熱混練し、排
出する水分を減圧蒸留除去することで前記分散を達する
事が出来るのである。しかし、通常のフラッシング法と
異なる点は、使用する顔料の含水ペーストをあらかじめ
該顔料の含水ペースト中に含まれる該顔料粒子を凝集さ
せている不純物電解質のアニオン又はカチオンの特性に
応じて選択されたイオン交換機能を有する物質と接触さ
せその凝集を解きほぐし、本来の該顔料が持っている粒
子径分布に近づけたものを使用することで一段と分散の
工程が時間的に短縮されかつ有効な分散が行われる点に
ある。この手法の採用により、該顔料の含水ペーストに
比べて凝集粒子の多い一般的に供給されている粉末乾燥
顔料も、一度含水ペースト化を行い同様のイオン交換処
理を行うことで、該顔料の含水ペーストと同等な品質の
分散体が得られるのである。本手法は本発明の構成要件
の一つであり、この手法により、生体に優しく、かつ美
しい色彩の水性の美爪料の提供が初めて可能となったの
である。
【0011】上記の手法で得られた顔料分散体を水溶性
もしくは水分散性の美爪料とする手法は、上記分散体を
あらかじめ、該分散体を構成するポリエステル高分子が
溶解できる有機溶剤に出来るだけ濃い濃度に溶解させ着
色溶液を作っておき、これを、別に中和し水で希釈すれ
ば水溶性もしくは水分散性の樹脂溶液となる中和水希釈
前の有機溶剤もしくは含水有機溶剤溶液となっている該
樹脂溶液に顔料に対する該分散体中の高分子と該樹脂溶
液中の樹脂分との総和の比が美爪料として爪の上で美し
い膜を形成するのに適した値になるように混合し、それ
から中和し、水希釈し、相転換された水分散液とすれば
よい。中和、水希釈の工程では高速のホモジナイザー等
の機械力を使用しても良いが、該着色分散液から持ち込
まれる有機溶剤により分散液の粒子は液体微粒子である
ため、大きな機械的せん断力に対して不安定で粒子の融
着を起こさないように注意すべきである。
【0012】このようにして得られた分散液は不完全
で、分散微粒子の融着の原因である該水溶性もしくは水
分散性樹脂から持ち込まれる不純物すなわち低分子の酸
あるいは塩基を顔料分散体のところで述べた類似の方法
で除去することが必要である。それには、まず、該水溶
性もしくは水分散性を司る官能基例えばアニオン性樹脂
であればアニオン交換能を有する物質、カチオン性樹脂
であればカチオン交換機能を有する物質と接触させるこ
とにより安定な微粒子分散液を得ることができるのであ
る。イオン交換工程は中和後であれば水で希釈したあと
で行っても希釈前で行ってもかまわない。この工程は有
機溶剤中でもイオン交換樹脂等に含まれる水分があれば
効果的に進行する。
【0013】このように分散液の安定性を確保した上
で、不要の有機溶剤を減圧下で水を加えながらかつ、p
Hを調節しながら蒸留除去し、水で完全に置換すればよ
い。蒸留する際は発泡を伴うので攪拌機構造、蒸留速度
に注意を要するのは言うまでもない。消泡剤の使用は回
避すべきである。本工程では中和度が高い方が好まし
い。従って、次いで、得られた分散液をイオン交換能を
有する物質と接触させ今度は余分の中和剤を瞬間的に、
静かに微粒子を沈殿させないように緩やかに除去し、該
分散液を低い中和度に保持することで本発明は完結す
る。中和度が低ければ分散液は疎水性に近づき、付着性
等に効果をもたらすからである。本発明を構成する該水
溶性もしくは水分散性樹脂は顔料分散体を構成するポリ
エステル高分子と親和性を有するものであればいかなる
構造のものでも良いが構造的にはフェニル基を有するス
チレン−アクリル樹脂で水溶性もしくは水分散性の樹脂
を用いれば目的を達しうる。
【0014】本発明において使用される顔料分散体は一
時的に凝集して粗大粒子径のものが共存することはあっ
ても、構成粒子が平均粒子径3μm以下である顔料を、
フェニル基を化学構造として内在するポリエステル高分
子中に、本来該顔料が持つ平均粒子径である3μm以下
に分散させたものである。使用する顔料が水を含みペー
スト状であれば該顔料濃度が60%以下であるように調
整し、また、該顔料が乾燥状の顔料であれば水に混合可
能な有機溶剤との混合溶液にした後該顔料濃度が60%
以下になるようにイオン交換水で含水ペーストとする。
いずれの含水ペーストもこれをイオン交換能を有する物
質と接触させ該顔料の凝集の原因となっている不純物電
解質を除去した後、これを分散しようとする上記高分子
の軟化点温度以上の温度で、かつ、1気圧以下の減圧下
で加熱混練し、クローズドシステムで水の除去と該高分
子中への顔料の分散とを同時に行い、水分の完全排除を
終点として分散体を冷却取り出し微粉砕することによっ
てえられる。
【0015】使用可能な顔料は、通常美爪料として使用
できる有機顔料、無機顔料であればよい。例を挙げれ
ば、有機顔料としては、アゾ顔料、フタロシアニン顔料
等、さらにはレーキ系も使用可能である。例えば赤色2
02号、赤色220号、赤色226号、黄色4号、黄色
5号、黄色401号、青色404号等などである。無機
顔料としては、酸化鉄、酸化チタン、パール顔料等であ
る。本発明の目的に合致する高分子はフェニル基を内在
する化学構造を有するポリエステル高分子で、その軟化
点温度が120℃以下であり、かつその分子量はMw=
1000〜50000、特に2000〜20000の範
囲が好ましい。これは製造工程上、融点が明確で溶融の
仕方がシャープである点と膜にしたときの光沢、色の鮮
やかさなどの物性および顔料に対する包み込みの優位性
の点からの選択である。従って、塩化ビニル樹脂、アク
リル樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂、セルロースアセテ
ートブチレート樹脂、変性ポリエチレンなどの単独もし
くは複合系で、あるいはウレタン樹脂、エポキシ樹脂な
どの化合物で変性されたものも上記の条件を満たせば使
用できるのは言うまでもない。この場合は必要に応じて
可塑剤あるいは溶剤を後述のように必要とする。
【0016】本発明では含水該顔料ペーストをこれらの
樹脂と減圧下で混練し、流動状態にある高分子中に分散
し、同時に吐き出される水分を減圧蒸留するが、このと
き高分子が該工程の温度下で十分流動する軟化点を有す
ることが好ましい。しかし、減圧下での工程であるの
で、減圧蒸留可能な溶剤あるいは可塑剤で軟化するので
あれば、水蒸気とともに蒸留除去が可能なので、この条
件に適合する溶剤類および可塑剤の共存下であれば、高
分子の単独の軟化点温度が高くても本発明の工程では可
能である。水と共沸混合物をつくり、工程の温度を120
℃以下にできる溶剤もしくは可塑剤が好ましい。
【0017】使用可能な溶剤としては、メタノール、エ
タノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ア
セトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、シクロヘキサノン、メチルセルソルブ、エチルセル
ソルブ、テトラハイドロフラン、トルエン、酢酸エチ
ル、酢酸ブチルなどがあり、これらを高分子が可塑化す
る程度加えればよい。ただし、減圧蒸留で除去できるよ
うに選択すべきである。
【0018】本発明に使用しうるイオン交換機能を有す
る物質は市販されているイオン交換樹脂ならばいずれで
も使用できる。使用する際は、アニオン交換樹脂であれ
ばOHタイプにカチオン交換樹脂であればHタイプにそ
れぞれ活性化されたものを使用すればよい。イオン交換
法は、イオン交換樹脂の充填されているカラムを適度の
濃度にうすめた含水ペーストのスラリーを循環させる
か、あるいはタンク内でイオン交換樹脂とを攪拌させた
のち濾過分離すればよい。イオン交換処理後はスラリー
状のものを遠心分離するか適当な濾材で濃縮して使用す
ればよい。イオン交換機能を有するものであればイオン
交換樹脂でなくとも、イオン交換繊維、イオン交換濾
紙、等いずれでも良い。
【0019】本発明において使用される上記顔料分散体
を水性の分散体にするための樹脂は、酸または塩基によ
る中和によってカチオンもしくはアニオンのイオン性基
に解離可能な官能基を、その乾燥重量あたり1〜5me
q/g含有する樹脂である。イオン性基に解離可能な官
能基として、−COOH、−SO3 H、−OSO3 H、
−OPO(OH)2 などの酸性の官能基、第1級アミノ
基、第2級アミノ基、第3級アミノ基などの塩基性官能
基が挙げられる。イオン性基に解離可能な官能基が1m
eq/g未満の場合には、顔料分散体を含有する高分子
微粒子の水性分散体の粒径が粗大化し、経時的に沈降や
凝集が起きるため好ましくない。イオン性基に解離可能
な官能基が5meq/gを超える場合、顔料分散体を含
有する、高分子微粒子の着色樹脂組成物を使用した、水
系美爪料の耐水性が不良となり好ましくない。上記のイ
オン性基の他に、−OH、−(CH2 CH2 O)n−
H、−CONH2 などの非イオン性親水性基も、本発明
の水性分散体の耐水性などの物性を影響しない範囲で含
まれても良い。具体例としては、スチレン−アクリル酸
共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体の加水分
解物、スチレン−無水マレイン酸共重合物と一価アルコ
ールの反応生成物、メタクリル酸エステル、アクリル酸
エステルとアクリル酸及びメタクリル酸の共重合体、カ
ルボン酸を含有するポリウレタン、スルホイソフタル酸
ナトリウム塩を共重合成分とする共重合ポリエステル、
カルボン酸を含有するポリウレタン−アクリルグラフト
共重合体などの例が挙げられるが、特にこれに限定した
ものではない。あるいはアクリル酸、メタクリル酸又は
イタコン酸などの酸基とジメチルアミノエチルメタクリ
レートのごとき塩基性官能基を上記組成の中に合わせ持
つような構造を有する両性樹脂が使用出来る。分子量に
ついては、ポリスチレン換算でMw=3000〜500
00、特にMw=5000〜100000の範囲が好ま
しい。ガラス転移温度については、本発明の着色樹脂組
成物を水系美爪料としたときの、最終的な要求特性に応
じて最適値を選択されるものであり、特に制限されるも
のではない。
【0020】また、(B)の溶液中の樹脂は単一の高分
子成分からなる必要は必ずしもなく、複数の高分子成分
の混合物であってもよい。なお、混合物の場合には、一
方の高分子成分のイオン性基に転換可能な官能基の含有
率が5meq/gを超えてもよく、混合物全体として、
上記官能基量が1〜5meq/gの範囲にあればよい。
【0021】次に本発明の上記の方法で得られた顔料分
散体を水溶性もしくは水分散性の分散液にする手順を説
明する。まず、上記の顔料分散体を50重量%以下の濃
度に有機溶剤を用いて溶解する。使用する有機溶剤は該
分散体の高分子がポリエステル系であるためケトン系溶
剤が好ましい。この溶剤は後で減圧蒸留で除去するの
で、できるだけ水と共沸する温度が低いものを選択する
ことが好ましい。たとえばメチルエチルケトン、メチル
イソブチルケトンなどである。またこれらとトルエンな
どとの混合溶剤を用いてもかまわないがそのときは該分
散体が十分溶解できる条件で混合比をきめるべきであ
る。
【0022】次にこの溶液を該顔料分散体を水溶性もし
くは水分散性の分散液にするための前述の樹脂溶液と中
和水希釈前に混合する。このときの混合比は顔料に対し
てバインダーである樹脂分すなわち該顔料分散体からく
る高分子の樹脂分とこの樹脂溶液からもたらされる樹脂
分との合計が、実際塗布膜を形成したときの色の濃度、
隠蔽性、膜強度を勘案して決められるべきである。ここ
で用いる該樹脂溶液は水希釈しやすいように水と無限に
混合できるアセトンあるいはアルコール系例えばメタノ
ール、エタノール、あるいはイソプロピルアルコールな
どの単独もしくは混合溶液か、あるいは水をある程度含
むこれらの有機溶剤の含水溶剤が好ましい。
【0023】次に混合によって得られた着色液を中和す
る。該樹脂に両性電解質樹脂を用いた場合は中和は特別
の場合を除いて不要である。中和剤はアニオン系の樹脂
の場合アンモニア、モノメチルジエタノールアミン、ジ
メチルエタノールアミン、モルホリン等のアミン類が使
用できる。カチオン系の中和剤は酢酸が適当である。好
ましい系はアニオン系樹脂あるいは両性系樹脂である。
以下アニオン系樹脂で中和・水希釈工程を説明する。
【0024】中和後の水希釈工程は相転換の工程である
ので、水は攪拌しながら最初少しづつ添加し相転換が進
むに従って添加速度をあげて行う。その際、高速ホモジ
ナイザー、インラインホモジナイザーを用いると効果的
である。分散された液体を構成する微粒子は水に溶けな
い有機溶剤を含む液滴であるので高いせん断力に遭遇す
ると粒子の融着を起こしやすいので注意を有する。また
粒子の融着は含まれる微量の電解質の塩析効果により、
先に顔料分散体を得る工程で説明したように粒子を凝集
肥大化によっても引き起こされる。そのためここでも脱
電解質のためのイオン交換が効果を発揮する。このイオ
ン交換の工程は中和後であれば水で希釈する前でも後で
も両方行っても効果をもたらす。どちらかといえば希釈
前に行ったほうが微粒子を作りやすい。この方法は前述
の顔料分散体の製造工程で説明したイオン交換工程に準
じて行えばよいのである。
【0025】こうして得られた着色分散液を加温しなが
ら減圧蒸留して含まれている有機溶剤を完全に除去すれ
ばよい。このときの注意事項は泡消し攪拌の機械的配慮
と、蒸発による中和剤の補充による系のpHの保持と濃
縮工程であるので脱イオン水の補充である。得られた着
色分散液はさらに瞬間的に系のpHが極端に下がり、分
散安定性を損ねないように今度はカチオン交換により中
和剤であるアミンを限度まで除去すればよい。この工程
で疎水性が付与され爪に対する付着性と肉持感などの物
性が確保されるのである。
【0026】以下実施例等をあげて説明する。
【実施例】合成例1 還流冷却器、滴下ロート、温度計、攪拌装置を備えた反
応器に、メチルエチルケトン120g、イソホロンジイ
ソシアネート180g、ポリカプロラクトンジオール3
60gを仕込み、内温を90℃に制御しながら、窒素雰
囲気下で3時間反応させた。続いて、12gのメタクリ
ル酸−2−ヒドロキシエチルを添加し、90℃で2時間
反応を続けた。その後、20gのエタノールと0.1g
のジブチルすずジラウレートを添加し、さらに2 時間反
応させ、次に冷却後270gのメチルエチルケトンで希
釈した。このようにして、不揮発分60%の二重結合含
有ウレタン樹脂を得た。次に、上記と同じ装置に、得ら
れた二重結合含有ウレタン樹脂150gと100gのメ
チルエチルケトンを仕込み、沸点まで上昇した。一方、
滴下ロートにスチレン60g、アクリル酸ブチル90
g、アクリル酸60gを仕込んだ。さらに別の滴下ロー
トにアゾビスイソブチロニトリル12g、ノフマMSD
(重合調整剤、日本油脂(株)製)5g、メチルエチル
ケトン150gを仕込んだ。沸点を保持したまま、滴下
ロートより上記モノマー及びラジカル重合開始剤を別々
に2時間かけて滴下した。このようにして得られた、ア
クリル−ウレタングラフト共重合体は、固形分50.0
%、粘度1.3PS、50.2mg−KOH/gであっ
た。
【0027】実施例1 赤色202号を10.5重量%、エタノールを18.5
重量%、イオン交換水を71.0重量%を配合したもの
を30分間よく攪拌し、顔料スラリーを作成した。これに
OH型に活性化したイオン交換樹脂SA−20Aをよく
脱イオン水で洗浄し水を切ったもの10重量%と同じく
H型に活性化されたイオン交換樹脂WK−10をよく脱
イオン水で洗浄し該イオン交換樹脂の微粉を取り除いた
ものを10重量%加え30分間静かに攪拌した。粗い金
網でイオン交換樹脂だけを除去し、ついで、ブロード布
で濾別し濃度を20%になるように調節し顔料ペースト
をえた。上記ペーストを60重量%、軟化温度110
℃、重量平均分子量約9000のポリエステル樹脂40
重量%とを混練機に投入した。工程は20分で90℃
に、後10分で95℃に昇温した。加熱を継続しながら
徐々に減圧し、水及び溶剤を蒸留除去した。最終到達温
度は120℃、圧力250mmHg、所要時間は90分
であった。ついで常圧に戻し、冷却後、ブロック状の顔
料分散体を得た。
【0028】ビーカーで該顔料分散体80gをメチルエ
チルケトン50gに溶解し、合成例1で得られた樹脂3
60gを添加し、ディスパーで3時間攪拌した。レーザ
ー光散乱法(日機装(株)製Microtrac)によ
り測定した平均粒子径は0.1μmであった。これをビ
−カーに全量仕込み、室温で攪拌しながら、28%アン
モニア水36.5gを徐々に滴下し、中和操作を行っ
た。ついで、OH型に活性化したアニオン交換樹脂SA
−20A(三菱化学製)10gをイオン交換水で洗浄
し、水をよく切ったものを加え静かに30分間攪拌し
た。これを粗い金網でイオン交換樹脂だけを除去し、全
量フラスコに投入した。室温で攪拌しながら続いて23
0gのイオン交換水を徐々に滴下し、転相を起こさせ
た。
【0029】攪拌を続けながら、減圧下にて有機溶剤を
蒸留回収した。この時pHを時々監視し、さらに脱イオ
ン水を補足しながら行った。そして固形分33.3%の
水性高分子着色組成物を得た。該水性高分子着色組成物
100gとOH型に活性化したアニオン交換樹脂SA−
20A(三菱化学製)10gをイオン交換水で洗浄し、
水をよく切ったものをともにビーカーに加え、静かに30
分間撹拌した。イオン交換樹脂をガーゼで取り除き、イ
オン性不純物を除去した水性高分子着色組成物を得た。
上記水性高分子着色剤を用いた水性ネイル処方は下記の
とおりである。 水性高分子着色組成物 100重量部 シリコン系消泡剤BYK-023 (BYK Chemie 社製) 0.05重量部 イオン交換水 任意量
【0030】実施例2 ビーカーに実施例1の顔料分散体100gと、スチレン
−アクリル酸共重合体(ジョンソン製、ジョンクリル6
8、酸価150mgKOH/g、重量平均分子量Mw=
800)を60g、及び酢酸エチル120gを添加し、
ディスパーで3時間攪拌した。実施例1と同じ方法で測
定した平均粒子径は0.1μmであった。これをフラス
コに全量仕込み、室温で攪拌しながら、28%アンモニ
ア水10gを徐々に滴下し、中和操作を行った。続いて
250gのイオン交換水を徐々に滴下し、転相を起こさ
せた。攪拌を続けながら、減圧下にて有機溶剤を回収
し、固形分38.1%の水性高分子着色組成物を得た。
上記水性高分子着色組成物17.4重量%、水性ポリマ
ーエマルジョン(大成化工製SE−1690E,固形分
40%)を58.3重量%とし、他の添加剤は、実施例
1と同じにして水性ネイルを製造した。
【0031】実施例3 顔料に黄色4号を用い、実施例1の手法に準じて混練
し、ブロック状の顔料分散体を得た。この該顔料分散体
を用いて、実施例1の製法で、中和、相転換し、固形分
28.7%の水性高分子着色組成物を得た。上記水性高
分子着色組成物を13.9重量%、水性ポリマーエマル
ジョンを66.3重量%とし、他の添加剤は実施例1と
同じにして水性ネイルを製造した。
【0032】比較例1 ニトロセルロース樹脂(NC.RS 1/4(FQ
綿))45重量%、赤色202号45重量%をオープン
型ニーダーで5分間、混合した後、可塑剤(フタル酸ジ
ブチル)を10重量%加えて、15分間混練を続けてブ
ロック状のコンパウンドを得た。このコンパウンドを二
本ロール(井上製作所)に供給し、13.6重量%の酢
酸ブチルを添加して、流動性を付与してシート状に成形
した後、得られたシートを折りたたみ再度シートにする
作業を50回繰り返した。得られたシートをペレタイザ
ーで3mm角のチップにカッティングし、顔料分散体を
得た。この該顔料分散体を用いて、実施例1の製法で、
中和、相転換し、固形分28.7%の水性高分子着色組
成物を得た。該水性高分子着色組成物を13.5重量
%、水性ポリマーエマルジョンを65.3重量%とし、
他の添加剤は実施例1と同じにして水性ネイルを製造し
た。
【0033】比較例2 実施例1と製法で、全てのイオン交換を行わない工程で
得られた水性高分子着色組成物を13.5重量%、水性
ポリマーエマルジョンを65.3重量%とし、成膜助剤
としてジエチレングリコールジエチルエーテル6.0
%、可塑剤としてクエン酸アセチルトリブチル2.5%
を添加し、他の添加剤は実施例1と同じにして水性ネイ
ルを製造した。
【0034】比較例3 スチレン−アクリル樹脂(ハイロスH−2190)を固
形分30%に調整した水溶液70重量%に、黄色4号を
9重量%、イオン交換水を21重量%を混合しディスパ
ーで30分間攪拌した。この混合液160ml、同容積
のガラスビーズ(1mmφ)をサンドグラインダー(ア
イメックス製)に仕込み、回転数1600rpmの条件
下で1時間分散し、固形分30.0%の顔料分散体を得
た。該分散体を11.1重量%、水性ポリマーエマルジ
ョンを66.7重量%として、他の添加剤は実施例1と
同じにして水性ネイルを製造した。
【0035】実施例及び比較例で得られた水系美爪料に
ついて、以下の評価方法により、光沢、乾燥性、密着
性、耐水性、等を調べた。 (1)光沢 温度25℃、相対湿度60%の条件下で、爪に塗布し乾
燥させ、4時間後の塗膜を目視により評価した。評価は
以下の3段評価とした。 ○…良好 △…普通 ×…不良
【0036】(2)色の再現性 温度25℃、相対湿度60%の条件下で、爪に塗布し乾
燥させ、4時間後の塗膜で、顔料本来の持っている色の
再現されている度合いを、目視により評価した。評価は
以下の3段評価とした。 ◎…良好 ○…普通 ×…不良
【0037】(3)乾燥性 温度25℃、相対湿度60%の条件下で、爪に塗布し乾
燥させ、その表面を指触することにより乾燥状態をみ
た。評価は以下の3段評価とした。 ◎…乾燥まで2分以上〜3分未満 ○…乾燥まで3分〜4分未満 ×…乾燥まで4分以上
【0038】(4)皮膜硬度 温度25℃、相対湿度60%の条件下で、ガラス板にア
プリケーターで塗布し乾燥させ、4時間後の塗膜の鉛筆
硬度測定した。
【0039】(5)密着性 温度25℃、相対湿度60%の条件下で、ガラス板にア
プリケーターで塗布し乾燥させ、4時間後の塗膜を、1
0×10の碁盤目にわけ、セロハンテープを貼り、はが
したときの剥離した状態により評価した。評価は以下の
2段評価とした。 ○…剥離なし ×…剥離あり
【0040】(6)顔料の耐水性 温度25℃、相対湿度60%の条件下で、爪に塗布し乾
燥させ、4時間後の塗膜を通常のリムーバーで除去し、
顔料の溶出分による爪への汚染状態を目視により評価し
た。評価は以下の2段評価とした。 ○…汚染なし。 ×…汚染あり。
【0041】
【表1】
【0042】表1より明らかなように、本発明による水
系美爪料は、光沢、乾燥性、皮膜硬度、密着性に優れ、
耐水性の悪い顔料も、本発明の水性高分子着色剤とする
ことで、顔料自体の耐水性を向上することができる。さ
らにイオン性不純物の量を抑制することによって、人体
への安全性に優れた効果を有するものである。
【0043】
【発明の効果】本発明は、光沢、被膜硬度、密着性が有
機溶剤型美爪料に遜色のないものであり、従来の水系美
爪料よりも優れ、水に接触することで溶出、あるいは変
色する顔料の、その原因である構造変化を抑えることが
できる。しかも有機溶剤を全く使用していないことから
引火性、爪への悪影響、臭気がない等の効果を有し、さ
らにイオン性不純物の量を抑制することによって、人体
への安全性に優れた効果を有するものである。
【手続補正書】
【提出日】平成11年12月20日(1999.12.
20)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 水性美爪料の製造方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機溶剤を含まず
人体への安全性に優れ、しかも長期の保存安定性に優
れ、美しい色彩光沢と塗布膜強度、密着性を有する水性
の美爪料の分野に属する。
【0002】
【従来の技術】従来の美爪料は有機溶剤系の塗料と類似
の構成になっており、例えば、ニトロセルロース、アル
キッド樹脂等の樹脂と、顔料、可塑剤、有機溶剤で構成
されているのが通常であった。即ち、着色剤である顔料
が樹脂にくるまれ有機溶剤中に懸濁しており、何らかの
手段で塗布されて有機溶剤が揮発することによって、皮
膜となる仕組みのものであった。その際、形成される膜
の硬さは残留する可塑剤が調節機能を担うものであっ
た。そして、使用後の皮膜の除去は、皮膜を溶解しうる
有機溶剤を用いて行われるものであった。
【0003】しかしながら、上記の構成による美爪料は
有機溶剤及び可塑剤を使用しているために、使用される
化学物質の生体への有害性の点からの制限、使用環境の
点から引火性化合物の使用に対する配慮、あるいは有機
溶剤の持つ臭気に対する配慮等がなされて使用に供され
ているのが実情である。
【0004】これに対して有機溶剤を含まない水系の美
爪料の開発が求められ、数多くの開発努力が進められて
いるのも事実である。この美爪料の水性系への転換の手
法の現在の技術水準は下記の点に要約されると言える。
すなわち(1)構成する樹脂に水溶性もしくは水分散性
の樹脂を用いること、(2)溶剤は水と混合しうる有機
溶剤を用いること、(3)可塑剤には親水性の化合物を
用いること、(4)エマルジョン樹脂を使用する際に用
いられる膜形成助剤にも(3)と同様な化合物を用いる
こと、などである。これらの開発努力は特許26868
80、特許2115767および特開平8−22543
4に示されている。
【0005】しかし上記の手法をとっても、美爪料の水
性転換は、(1)顔料を包む樹脂に水溶性樹脂を用いる
際に、その樹脂の屈折率を大きく設計することは水溶化
の条件のために難しく、結果的に高い光沢、あざやかな
色彩を得にくい、(2)複数の顔料を単独にそれぞれ完
全に水溶性樹脂で包み込み、裸の顔料の存在を無くする
ことが難しい、(3)水溶性の有機溶剤あるいは膜形成
助剤を用いないと平滑な面が得られず、完全な水単独の
系を得ることは難しい、(4)また水系の顔料分散溶液
の長期年月に亘る保存安定性が得にくい、(5)油性の
表面を有する爪にそれなりの耐久性を持つ接着力を親水
性の樹脂で持たせるのは難しい、などの技術的克服すべ
き点を持っているのが実情である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は水性の
美爪料を実用に耐えるものにするために必須条件となる
前述の5項目の改良点を克服し、安定な水性の美爪料を
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の技術思想は技術
手段としてつぎの点に要約される。 (1)顔料の表面を包み込むには線状の高分子の方が適
していること、且つ線状の高分子の方が枝別れ高分子よ
り高分子間の絡み合いは同じ分子量で比べると大きいの
で一度包み込むと顔料を裸にしにくいと期待できるこ
と、(2)その時、顔料を包み込む高分子に屈折率を大
きくできるフェニル基を有する線状の高分子を採用する
ことで高い光沢と、鮮やかな色彩を示す顔料分散物を得
ることが期待できること、(3)顔料を包み込む高分子
と水溶化もしくは水に分散させる機能を有する高分子と
を別種の高分子で構成し、顔料はその包み込む高分子に
十分分散させた分散体として利用すべきであること、
(4)水溶化もしくは水に分散させる機能を有する高分
子に有機溶剤あるいは膜形成助剤等を含んでいればこれ
らの化合物は単に、該高分子と混合されているものであ
り、且つ該高分子の溶解力を左右する性質のものである
ので、何らかの外力、すなわち、蒸発、温度変化、ある
いは炭酸ガスのごとき酸性物質の吸収によって系のpH
が変動し溶解している状態が乱され、溶液を経時不安定
にするので余計なものは存在させるべきでないこと、及
び(5)油性面への付着力を確保するためには該分散機
能を有する高分子を疎水性にしておくべきことは論を待
たないが、この手法を採用すると酸価あるいはアミン価
を下げ溶解力を落とす結果となり不安定さを増大させる
こととなる。これを回避するためには阻害要因である不
純物電解質の塩析作用を除去するために電解質を極力排
除すべきであろうと予測されることである。
【0008】本発明者らは上記技術手段の確立に努力し
発明を完成した。すなわち本発明は、 1. 顔料と水を必須成分とする被処理水性混合物であ
って顔料の平均粒子径が3μm以下で顔料の濃度が6
0%以下であり且つあらかじめイオン交換能を有する物
質で接触処理された前記混合物と、重量平均分子量が2
000〜20000であり且つ軟化点温度が120℃以
下であるフェニル基含有の化学構造を有するポリエステ
ル高分子とを該高分子の溶融状態の下で加熱混練しな
減圧下で含有する揮発分を除去することにより、最
終的にポリエステル高分子中に顔料が本来該顔料が有し
ている平均粒径で分散されている顔料とポリエステル
高分子の混合物(A)を得る工程、 2. 混合物(A)を該混合物(A)の濃度が50重量
%以下になるように有機溶剤に溶解する工程、3. 得られた溶液と、カチオンもしくはアニオンに解
離可能な官能基を含有する樹脂で、該官能基の含有量が
1〜5meq/gである樹脂80%以下の濃度で溶解
されている該樹脂の有機溶剤溶液(Bとを混合後、中
する工程、 4. 得られた混合・中和物を希釈相転換し、該
相転換前及び/又は後に、該混合・中和物をイオン交
換能を有する物質と接触させることによってイオン性不
純物を除去する工程、 5. 除去後の液から有機溶剤を蒸留除去する工程、及
6. 蒸留除去後の液をイオン交換能を有する物質と接
触させる工程 を経ることにより、 水単独に溶解した着色高分子組成物
を必須成分とし、イオン性不純物が抑制され、かつ、有
機溶剤、膜形成助剤を実質的に含有しない水性美爪料を
製造することを特徴とする水性美爪料の製造方法
る。さらに言うならば、不純物電解質がなければ、あえ
て分散粒子を融着防止するために固くし、膜形成所剤の
助けにより造膜する手段を講ずる必要はないのである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の技術思想をさらに詳しく
説明する。まず、工程1において、顔料が単独で裸の状
態で水の中に懸濁するのを防ぐために、該顔料を包み込
むのに適した線形に近く可撓性を持ち、水に不溶でかつ
屈折率の大きなフェニル基含有のポリエステル高分子の
中に、本来該顔料が保有している粒子径の分布に忠実に
分散させることが本発明における第一の手段である。こ
の手段を行うに際して、通常の塗料化手段のように、採
用する当該高分子の溶液を用い、サンドミルのような高
速分散機を用いることも可能であるが、顔料の持つ本来
の粒子径分布を忠実に保持した分散物を得るにはこの手
法では長時間の分散工程を必要とする結果となり好まし
くない。
【0010】そのため、本発明の工程1では顔料と水と
で構成されている顔料の含水ペースト(水性混合物)を
用いて、例えばフラッシング法と言われている手法を採
用し、該高分子と該顔料の含水ペーストを直接減圧機能
を具備したニーダーで該高分子が溶融する温度で加熱混
練し、排出する水分を減圧蒸留除去することで前記分散
を達する事が出来るのである。しかし、通常のフラッシ
ング法と異なる点は、使用する顔料の含水ペーストをあ
らかじめ該顔料の含水ペースト中に含まれる該顔料粒子
を凝集させている不純物電解質のアニオン又はカチオン
の特性に応じて選択されたイオン交換機能を有する物質
と接触させその凝集を解きほぐし、本来の該顔料が持っ
ている粒子径分布に近づけたものを使用することで一段
と分散の工程が時間的に短縮されかつ有効な分散が行わ
れる点にある。この手法の採用により、該顔料の含水ペ
ーストに比べて凝集粒子の多い一般的に供給されている
粉末乾燥顔料も、一度含水ペースト化を行い同様のイオ
ン交換処理を行うことで、該顔料の含水ペーストと同等
な品質の分散体が得られるのである。本手法は本発明の
構成要件の一つであり、この手法により、生体に優し
く、かつ美しい色彩の水性の美爪料の提供が初めて可能
となったのである。
【0011】上記の工程1の手法で得られた顔料分散体
を水溶性もしくは水分散性の美爪料とする手法は、上記
分散体をあらかじめ、該分散体を構成するポリエステル
高分子が溶解できる有機溶剤に出来るだけ濃い濃度に溶
解させ着色溶液を作っておき(工程2)、これを、別に
中和し水で希釈すれば水溶性もしくは水分散性の樹脂溶
液となる中和水希釈前の有機溶剤もしくは含水有機溶剤
溶液となっている該樹脂溶液に顔料に対する該分散体中
の高分子と該樹脂溶液中の樹脂分との総和の比が美爪料
として爪の上で美しい膜を形成するのに適した値になる
ように混合し、それから中和し(工程3)、水希釈し、
相転換された水分散液とすればよい(工程4)。中和、
水希釈の工程では高速のホモジナイザー等の機械力を使
用しても良いが、該着色分散液から持ち込まれる有機溶
剤により分散液の粒子は液体微粒子であるため、大きな
機械的せん断力に対して不安定で粒子の融着を起こさな
いように注意すべきである。
【0012】このようにして得られた分散液は不完全
で、分散微粒子の融着の原因である該水溶性もしくは水
分散性樹脂から持ち込まれる不純物すなわち低分子の酸
あるいは塩基を顔料分散体のところで述べた類似の方法
で除去することが必要である。それには、まず、該水溶
性もしくは水分散性を司る官能基例えばアニオン性樹脂
であればアニオン交換能を有する物質、カチオン性樹脂
であればカチオン交換機能を有する物質と接触させるこ
とにより安定な微粒子分散液を得ることができるのであ
(工程4)。イオン交換工程は中和後であれば水で希
釈したあとで行っても希釈前で行ってもかまわない。こ
の工程は有機溶剤中でもイオン交換樹脂等に含まれる水
分があれば効果的に進行する。
【0013】このように分散液の安定性を確保した上
で、不要の有機溶剤を減圧下で水を加えながらかつ、p
Hを調節しながら蒸留除去し、水で完全に置換すればよ
(工程5)。蒸留する際は発泡を伴うので攪拌機構
造、蒸留速度に注意を要するのは言うまでもない。消泡
剤の使用は回避すべきである。本工程では中和度が高い
方が好ましい。従って、次いで、得られた分散液をイオ
ン交換能を有する物質と接触させて(工程6)今度は余
分の中和剤を瞬間的に、静かに微粒子を沈殿させないよ
うに緩やかに除去し、該分散液を低い中和度に保持する
ことで本発明は完結する。中和度が低ければ分散液は疎
水性に近づき、付着性等に効果をもたらすからである。
本発明を構成する該水溶性もしくは水分散性樹脂は顔料
分散体を構成するポリエステル高分子と親和性を有する
ものであればいかなる構造のものでも良いが構造的には
フェニル基を有するスチレン−アクリル樹脂で水溶性も
しくは水分散性の樹脂を用いれば目的を達しうる。
【0014】本発明において工程1で使用される顔料分
散体は一時的に凝集して粗大粒子径のものが共存するこ
とはあっても、構成粒子が平均粒子径3μm以下である
顔料を、フェニル基を化学構造として内在するポリエス
テル高分子中に、本来該顔料が持つ平均粒子径である3
μm以下に分散させたものである。使用する顔料が水を
含みペースト状であれば該顔料濃度が60%以下である
ように調整し、また、該顔料が乾燥状の顔料であれば水
に混合可能な有機溶剤との混合溶液にした後該顔料濃度
が60%以下になるようにイオン交換水で含水ペースト
とする。いずれの含水ペーストもこれをイオン交換能を
有する物質と接触させ該顔料の凝集の原因となっている
不純物電解質を除去した後、これを分散しようとする上
記高分子の軟化点温度以上の温度で、かつ、1気圧以下
の減圧下で加熱混練し、クローズドシステムで水の除去
と該高分子中への顔料の分散とを同時に行い、水分の完
全排除を終点として分散体を冷却取り出し微粉砕するこ
とによってえられる。
【0015】使用可能な顔料は、通常美爪料として使用
できる有機顔料、無機顔料であればよい。例を挙げれ
ば、有機顔料としては、アゾ顔料、フタロシアニン顔料
等、さらにはレーキ系も使用可能である。例えば赤色2
02号、赤色220号、赤色226号、黄色4号、黄色
5号、黄色401号、青色404号等などである。無機
顔料としては、酸化鉄、酸化チタン、パール顔料等であ
る。本発明において工程1で使用される高分子はフェニ
ル基を内在する化学構造を有するポリエステル高分子
で、その軟化点温度が120℃以下であり、かつその分
子量はMw=1000〜50000、特に2000〜2
0000の範囲が好ましい。これは製造工程上、融点が
明確で溶融の仕方がシャープである点と膜にしたときの
光沢、色の鮮やかさなどの物性および顔料に対する包み
込みの優位性の点からの選択である。従って、塩化ビニ
ル樹脂、アクリル樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂、セル
ロースアセテートブチレート樹脂、変性ポリエチレンな
どの単独もしくは複合系で、あるいはウレタン樹脂、エ
ポキシ樹脂などの化合物で変性されたものも上記の条件
を満たせば使用できるのは言うまでもない。この場合は
必要に応じて可塑剤あるいは溶剤を後述のように必要と
する。
【0016】本発明では含水該顔料ペーストをこれらの
樹脂と減圧下で混練し、流動状態にある高分子中に分散
し、同時に吐き出される水分を減圧蒸留するが、このと
き高分子が該工程の温度下で十分流動する軟化点を有す
ることが好ましい。しかし、減圧下での工程であるの
で、減圧蒸留可能な溶剤あるいは可塑剤で軟化するので
あれば、水蒸気とともに蒸留除去が可能なので、この条
件に適合する溶剤類および可塑剤の共存下であれば、高
分子の単独の軟化点温度が高くても本発明の工程では可
能である。水と共沸混合物をつくり、工程の温度を120
℃以下にできる溶剤もしくは可塑剤が好ましい。
【0017】工程2で使用可能な有機溶剤としては、メ
タノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルア
ルコール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルセルソルブ、
エチルセルソルブ、テトラハイドロフラン、トルエン、
酢酸エチル、酢酸ブチルなどがあり、これらを高分子が
可塑化する程度加えればよい。ただし、減圧蒸留で除去
できるように選択すべきである。
【0018】本発明において工程1、4及び6で使用し
うるイオン交換機能を有する物質は市販されているイオ
ン交換樹脂ならばいずれでも使用できる。使用する際
は、アニオン交換樹脂であればOHタイプにカチオン交
換樹脂であればHタイプにそれぞれ活性化されたものを
使用すればよい。イオン交換法は、イオン交換樹脂の充
填されているカラムを適度の濃度にうすめた含水ペース
トのスラリーを循環させるか、あるいはタンク内でイオ
ン交換樹脂とを攪拌させたのち濾過分離すればよい。イ
オン交換処理後はスラリー状のものを遠心分離するか適
当な濾材で濃縮して使用すればよい。イオン交換機能を
有するものであればイオン交換樹脂でなくとも、イオン
交換繊維、イオン交換濾紙、等いずれでも良い。
【0019】本発明において工程3の(B)成分で使用
される上記顔料分散体を水性の分散体にするための樹脂
は、酸または塩基による中和によってカチオンもしくは
アニオンのイオン性基に解離可能な官能基を、その乾燥
重量あたり1〜5meq/g含有する樹脂である。イオ
ン性基に解離可能な官能基として、−COOH、−SO
3H、−OSO3H、−OPO(OH)2などの酸性の官
能基、第1級アミノ基、第2級アミノ基、第3級アミノ
基などの塩基性官能基が挙げられる。イオン性基に解離
可能な官能基が1meq/g未満の場合には、顔料分散
体を含有する高分子微粒子の水性分散体の粒径が粗大化
し、経時的に沈降や凝集が起きるため好ましくない。イ
オン性基に解離可能な官能基が5meq/gを超える場
合、顔料分散体を含有する、高分子微粒子の着色樹脂組
成物を使用した、水系美爪料の耐水性が不良となり好ま
しくない。上記のイオン性基の他に、−OH、−(CH
2CH2O)n−H、−CONH2などの非イオン性親水
性基も、本発明の水性分散体の耐水性などの物性を影響
しない範囲で含まれても良い。具体例としては、スチレ
ン−アクリル酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共
重合体の加水分解物、スチレン−無水マレイン酸共重合
物と一価アルコールの反応生成物、メタクリル酸エステ
ル、アクリル酸エステルとアクリル酸及びメタクリル酸
の共重合体、カルボン酸を含有するポリウレタン、スル
ホイソフタル酸ナトリウム塩を共重合成分とする共重合
ポリエステル、カルボン酸を含有するポリウレタン−ア
クリルグラフト共重合体などの例が挙げられるが、特に
これに限定したものではない。あるいはアクリル酸、メ
タクリル酸又はイタコン酸などの酸基とジメチルアミノ
エチルメタクリレートのごとき塩基性官能基を上記組成
の中に合わせ持つような構造を有する両性樹脂が使用出
来る。分子量については、ポリスチレン換算でMw=3
000〜50000、特にMw=5000〜10000
0の範囲が好ましい。ガラス転移温度については、本発
明の着色樹脂組成物を水系美爪料としたときの、最終的
な要求特性に応じて最適値を選択されるものであり、特
に制限されるものではない。
【0020】また、(B)の溶液中の樹脂は単一の高分
子成分からなる必要は必ずしもなく、複数の高分子成分
の混合物であってもよい。なお、混合物の場合には、一
方の高分子成分のイオン性基に転換可能な官能基の含有
率が5meq/gを超えてもよく、混合物全体として、
上記官能基量が1〜5meq/gの範囲にあればよい。
【0021】次に本発明において顔料分散体を水溶性も
しくは水分散性の分散液にする手順を説明する。まず、
前記の顔料分散体を50重量%以下の濃度に有機溶剤を
用いて溶解する(工程2)。使用する有機溶剤は該分散
体の高分子がポリエステル系であるためケトン系溶剤が
好ましい。この溶剤は後で減圧蒸留で除去するので、で
きるだけ水と共沸する温度が低いものを選択することが
好ましい。たとえばメチルエチルケトン、メチルイソブ
チルケトンなどである。またこれらとトルエンなどとの
混合溶剤を用いてもかまわないがそのときは該分散体が
十分溶解できる条件で混合比をきめるべきである。
【0022】次にこの溶液を該顔料分散体を水溶性もし
くは水分散性の分散液にするための前述の樹脂溶液
(B)と中和水希釈前に混合する(工程3)。このとき
の混合比は顔料に対してバインダーである樹脂分すなわ
ち該顔料分散体からくる高分子の樹脂分とこの樹脂溶液
からもたらされる樹脂分との合計が、実際塗布膜を形成
したときの色の濃度、隠蔽性、膜強度を勘案して決めら
れるべきである。ここで用いる該樹脂溶液(B)は水希
釈しやすいように水と無限に混合できるアセトンあるい
はアルコール系例えばメタノール、エタノール、あるい
はイソプロピルアルコールなどの単独もしくは混合溶液
か、あるいは水をある程度含むこれらの有機溶剤の含水
溶剤が好ましい。
【0023】次に混合によって得られた着色液を中和す
(工程3後段)。該樹脂に両性電解質樹脂を用いた場
合は中和は特別の場合を除いて不要である。中和剤はア
ニオン系の樹脂の場合アンモニア、モノメチルジエタノ
ールアミン、ジメチルエタノールアミン、モルホリン等
のアミン類が使用できる。カチオン系の中和剤は酢酸が
適当である。好ましい系はアニオン系樹脂あるいは両性
系樹脂である。以下アニオン系樹脂で中和・水希釈工程
を説明する。
【0024】中和後の水希釈工程(工程4)は相転換の
工程であるので、水は攪拌しながら最初少しづつ添加し
相転換が進むに従って添加速度をあげて行う。その際、
高速ホモジナイザー、インラインホモジナイザーを用い
ると効果的である。分散された液体を構成する微粒子は
水に溶けない有機溶剤を含む液滴であるので高いせん断
力に遭遇すると粒子の融着を起こしやすいので注意を有
する。また粒子の融着は含まれる微量の電解質の塩析効
果により、先に顔料分散体を得る工程で説明したように
粒子を凝集肥大化によっても引き起こされる。そのため
ここでも脱電解質のためのイオン交換が効果を発揮す
る。このイオン交換の工程は中和後であれば水で希釈す
る前でも後でも両方行っても効果をもたらす。どちらか
といえば希釈前に行ったほうが微粒子を作りやすい。こ
の方法は前述の顔料分散体の製造工程で説明したイオン
交換工程に準じて行えばよいのである。
【0025】こうして得られた着色分散液を加温しなが
ら減圧蒸留して含まれている有機溶剤を完全に除去すれ
ばよい(工程5前段)。このときの注意事項は泡消し攪
拌の機械的配慮と、蒸発による中和剤の補充による系の
pHの保持と濃縮工程であるので脱イオン水の補充であ
る。得られた着色分散液はさらに瞬間的に系のpHが極
端に下がり、分散安定性を損ねないように今度はカチオ
ン交換(工程5後段)により中和剤であるアミンを限度
まで除去すればよい。この工程で疎水性が付与され爪に
対する付着性と肉持感などの物性が確保されるのであ
る。
【0026】以下実施例等をあげて説明する。
【実施例】合成例1 還流冷却器、滴下ロート、温度計、攪拌装置を備えた反
応器に、メチルエチルケトン120g、イソホロンジイ
ソシアネート180g、ポリカプロラクトンジオール3
60gを仕込み、内温を90℃に制御しながら、窒素雰
囲気下で3時間反応させた。続いて、12gのメタクリ
ル酸−2−ヒドロキシエチルを添加し、90℃で2時間
反応を続けた。その後、20gのエタノールと0.1g
のジブチルすずジラウレートを添加し、さらに2 時間反
応させ、次に冷却後270gのメチルエチルケトンで希
釈した。このようにして、不揮発分60%の二重結合含
有ウレタン樹脂を得た。次に、上記と同じ装置に、得ら
れた二重結合含有ウレタン樹脂150gと100gのメ
チルエチルケトンを仕込み、沸点まで上昇した。一方、
滴下ロートにスチレン60g、アクリル酸ブチル90
g、アクリル酸60gを仕込んだ。さらに別の滴下ロー
トにアゾビスイソブチロニトリル12g、ノフマMSD
(重合調整剤、日本油脂(株)製)5g、メチルエチル
ケトン150gを仕込んだ。沸点を保持したまま、滴下
ロートより上記モノマー及びラジカル重合開始剤を別々
に2時間かけて滴下した。このようにして得られた、ア
クリル−ウレタングラフト共重合体溶液(成分(B))
は、固形分50.0%、粘度1.3PS、50.2mg
−KOH/gであった。
【0027】実施例1 赤色202号を10.5重量%、エタノールを18.5
重量%、イオン交換水を71.0重量%を配合したもの
を30分間よく攪拌し、顔料スラリーを作成した。これに
OH型に活性化したイオン交換樹脂SA−20Aをよく
脱イオン水で洗浄し水を切ったもの10重量%と同じく
H型に活性化されたイオン交換樹脂WK−10をよく脱
イオン水で洗浄し該イオン交換樹脂の微粉を取り除いた
ものを10重量%加え30分間静かに攪拌した。粗い金
網でイオン交換樹脂だけを除去し、ついで、ブロード布
で濾別し濃度を20%になるように調節し顔料ペースト
(工程1の被処理混合物)をえた。上記ペーストを60
重量%、軟化温度110℃、重量平均分子量約9000
のポリエステル樹脂40重量%とを混練機に投入した。
工程は20分で90℃に、後10分で95℃に昇温し
た。加熱を継続しながら徐々に減圧し、水及び溶剤を蒸
留除去した。最終到達温度は120℃、圧力250mm
Hg、所要時間は90分であった。ついで常圧に戻し、
冷却後、ブロック状の顔料分散体(成分(A))を得
た。
【0028】ビーカーで該顔料分散体80gをメチルエ
チルケトン50gに溶解し、合成例1で得られた樹脂
液((B)成分)360gを添加し、ディスパーで3時
間攪拌した(工程3前段)。レーザー光散乱法(日機装
(株)製Microtrac)により測定した平均粒子
径は0.1μmであった。これをビ−カーに全量仕込
み、室温で攪拌しながら、28%アンモニア水36.5
gを徐々に滴下し、中和操作を行った(工程3後段)
ついで、OH型に活性化したアニオン交換樹脂SA−2
0A(三菱化学製)10gをイオン交換水で洗浄し、水
をよく切ったものを加え静かに30分間攪拌した。これ
を粗い金網でイオン交換樹脂だけを除去し、全量フラス
コに投入した。室温で攪拌しながら続いて230gのイ
オン交換水を徐々に滴下し、転相を起こさせた(工程
4)
【0029】攪拌を続けながら、減圧下にて有機溶剤を
蒸留回収した。この時pHを時々監視し、さらに脱イオ
ン水を補足しながら行った。そして固形分33.3%の
水性高分子着色組成物を得た(工程5)。該水性高分子
着色組成物100gとOH型に活性化したアニオン交換
樹脂SA−20A(三菱化学製)10gをイオン交換水
で洗浄し、水をよく切ったものをともにビーカーに加
え、静かに30分間撹拌した。イオン交換樹脂をガーゼで
取り除き、イオン性不純物を除去した水性高分子着色組
成物を得た(工程6)。上記水性高分子着色剤を用いた
水性ネイル処方は下記のとおりである。 水性高分子着色組成物 100重量部 シリコン系消泡剤BYK-023 (BYK Chemie 社製) 0.05重量部 イオン交換水 任意量
【0030】実施例2 ビーカーに実施例1の顔料分散体100gと、スチレン
−アクリル酸共重合体(ジョンソン製、ジョンクリル6
8、酸価150mgKOH/g、重量平均分子量Mw=
800)を60g、及び酢酸エチル120gを添加し、
ディスパーで3時間攪拌した(工程2及び3前段)。実
施例1と同じ方法で測定した平均粒子径は0.1μmで
あった。これをフラスコに全量仕込み、室温で攪拌しな
がら、28%アンモニア水10gを徐々に滴下し、中和
操作を行った(工程3後段)。続いて250gのイオン
交換水を徐々に滴下し、転相を起こさせた。攪拌を続け
ながら、減圧下にて有機溶剤を回収し、固形分38.1
%の水性高分子着色組成物を得た(工程4〜6)。上記
水性高分子着色組成物17.4重量%、水性ポリマーエ
マルジョン(大成化工製SE−1690E,固形分40
%)を58.3重量%とし、他の添加剤は、実施例1と
同じにして水性ネイルを製造した。
【0031】実施例3 顔料に黄色4号を用い、実施例1の手法に準じて混練
し、ブロック状の顔料分散体を得た(工程1)。この該
顔料分散体を用いて、実施例1の製法で、中和、相転換
し、固形分28.7%の水性高分子着色組成物を得た
(工程2〜6)。上記水性高分子着色組成物を13.9
重量%、水性ポリマーエマルジョンを66.3重量%と
し、他の添加剤は実施例1と同じにして水性ネイルを製
造した。
【0032】比較例1 ニトロセルロース樹脂(NC.RS 1/4(FQ
綿))45重量%、赤色202号45重量%をオープン
型ニーダーで5分間、混合した後、可塑剤(フタル酸ジ
ブチル)を10重量%加えて、15分間混練を続けてブ
ロック状のコンパウンドを得た。このコンパウンドを二
本ロール(井上製作所)に供給し、13.6重量%の酢
酸ブチルを添加して、流動性を付与してシート状に成形
した後、得られたシートを折りたたみ再度シートにする
作業を50回繰り返した。得られたシートをペレタイザ
ーで3mm角のチップにカッティングし、顔料分散体を
得た。この該顔料分散体を用いて、実施例1の製法で、
中和、相転換し、固形分28.7%の水性高分子着色組
成物を得た。該水性高分子着色組成物を13.5重量
%、水性ポリマーエマルジョンを65.3重量%とし、
他の添加剤は実施例1と同じにして水性ネイルを製造し
た。
【0033】比較例2 実施例1製法で、全てのイオン交換を行わない工程で
得られた水性高分子着色組成物を13.5重量%、水性
ポリマーエマルジョンを65.3重量%とし、成膜助剤
としてジエチレングリコールジエチルエーテル6.0
%、可塑剤としてクエン酸アセチルトリブチル2.5%
を添加し、他の添加剤は実施例1と同じにして水性ネイ
ルを製造した。
【0034】比較例3 スチレン−アクリル樹脂(ハイロスH−2190)を固
形分30%に調整した水溶液70重量%に、黄色4号を
9重量%、イオン交換水を21重量%を混合しディスパ
ーで30分間攪拌した。この混合液160ml、同容積
のガラスビーズ(1mmφ)をサンドグラインダー(ア
イメックス製)に仕込み、回転数1600rpmの条件
下で1時間分散し、固形分30.0%の顔料分散体を得
た。該分散体を11.1重量%、水性ポリマーエマルジ
ョンを66.7重量%として、他の添加剤は実施例1と
同じにして水性ネイルを製造した。
【0035】実施例及び比較例で得られた水系美爪料に
ついて、以下の評価方法により、光沢、乾燥性、密着
性、耐水性、等を調べた。 (1)光沢 温度25℃、相対湿度60%の条件下で、爪に塗布し乾
燥させ、4時間後の塗膜を目視により評価した。評価は
以下の3段評価とした。 ○…良好 △…普通 ×…不良
【0036】(2)色の再現性 温度25℃、相対湿度60%の条件下で、爪に塗布し乾
燥させ、4時間後の塗膜で、顔料本来の持っている色の
再現されている度合いを、目視により評価した。評価は
以下の3段評価とした。 ◎…良好 ○…普通 ×…不良
【0037】(3)乾燥性 温度25℃、相対湿度60%の条件下で、爪に塗布し乾
燥させ、その表面を指触することにより乾燥状態をみ
た。評価は以下の3段評価とした。 ◎…乾燥まで2分以上〜3分未満 ○…乾燥まで3分〜4分未満 ×…乾燥まで4分以上
【0038】(4)皮膜硬度 温度25℃、相対湿度60%の条件下で、ガラス板にア
プリケーターで塗布し乾燥させ、4時間後の塗膜の鉛筆
硬度測定した。
【0039】(5)密着性 温度25℃、相対湿度60%の条件下で、ガラス板にア
プリケーターで塗布し乾燥させ、4時間後の塗膜を、1
0×10の碁盤目にわけ、セロハンテープを貼り、はが
したときの剥離した状態により評価した。評価は以下の
2段評価とした。 ○…剥離なし ×…剥離あり
【0040】(6)顔料の耐水性 温度25℃、相対湿度60%の条件下で、爪に塗布し乾
燥させ、4時間後の塗膜を通常のリムーバーで除去し、
顔料の溶出分による爪への汚染状態を目視により評価し
た。評価は以下の2段評価とした。 ○…汚染なし。 ×…汚染あり。
【0041】
【表1】
【0042】表1より明らかなように、本発明による水
系美爪料は、光沢、乾燥性、皮膜硬度、密着性に優れ、
耐水性の悪い顔料も、本発明の水性高分子着色剤とする
ことで、顔料自体の耐水性を向上することができる。さ
らにイオン性不純物の量を抑制することによって、人体
への安全性に優れた効果を有するものである。
【0043】
【発明の効果】本発明は、光沢、被膜硬度、密着性が有
機溶剤型美爪料に遜色のないものであり、従来の水系美
爪料よりも優れ、水に接触することで溶出、あるいは変
色する顔料の、その原因である構造変化を抑えることが
できる。しかも有機溶剤を全く使用していないことから
引火性、爪への悪影響、臭気がない等の効果を有し、さ
らにイオン性不純物の量を抑制することによって、人体
への安全性に優れた効果を有するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C083 AB032 AB051 AB052 AC102 AC792 AC852 AD022 AD091 AD092 AD152 BB26 CC28 EE01 EE07 EE09 FF04

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 顔料の平均粒子径が3μm以下で、かつ
    該顔料の濃度が60%以下である該顔料と水を必須成分
    とし、あらかじめイオン交換能を有する物質で接触処理
    された被処理水性混合物と、重量平均分子量が2000
    〜20000であり、且つ軟化点温度が120℃以下で
    あるフェニル基含有の化学構造を有するポリエステル高
    分子とを該高分子の溶融状態の下で加熱混練しながら、
    減圧下で含有する揮発分を除去し、最終的に該顔料が該
    ポリエステル高分子中に本来該顔料が有している平均粒
    径で分散されている顔料とポリエステル高分子の混合物
    (A)成分を50重量%以下の濃度になるように有機溶
    剤に溶解したのち、カチオンもしくはアニオンに解離可
    能な官能基の含有量が1〜5meq/gである樹脂の8
    0%以下の濃度の有機溶剤溶液(B)成分とを混合後、
    中和し、水を加えて希釈相転換する前及び/又は後に、
    これをイオン交換能を有する物質と接触させることによ
    ってイオン性不純物を除去した後、さらに有機溶剤を蒸
    留除去し、これを再度イオン交換能を有する物質と接触
    させることにより、水単独に溶解した着色高分子組成物
    を必須成分とし、イオン性不純物が抑制され、かつ、有
    機溶剤、膜形成助剤を実質的に含有しない水性美爪料を
    製造することを特徴とする水性美爪料の製造方法。
  2. 【請求項2】 官能基の含有量が1〜5meq/gであ
    る樹脂がスチレン基を含むアクリル樹脂である請求項1
    記載の水系美爪料の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1の製造方法によって製造された
    水性美爪料。
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