JP2000239594A - 水性顔料分散体、ならびに水性記録液 - Google Patents

水性顔料分散体、ならびに水性記録液

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JP2000239594A JP4627999A JP4627999A JP2000239594A JP 2000239594 A JP2000239594 A JP 2000239594A JP 4627999 A JP4627999 A JP 4627999A JP 4627999 A JP4627999 A JP 4627999A JP 2000239594 A JP2000239594 A JP 2000239594A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 分散到達レベル、分散安定性、分散液粘度等
の全ての面で十分満足できる水性黄色顔料分散体を得
る。 【解決手段】 C.I.ピグメント イエロー74顔料
100重量部に対するアニオン性基含有有機高分子化合
物の使用量を5重量部を越えて25重量部未満とした水
性顔料分散体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水性顔料分散体、
ならびに該顔料分散体を用いた水性記録液に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、サインペン、水性マーカー等の筆
記具や、インクジェットプリンターのインクには、色材
として染料が用いられてきた。染料を用いた記録液は着
色力や鮮明性で優れているが、耐光性や耐水性等に問題
を有していた。
【0003】特開平2−276874号公報は、顔料と
有機高分子化合物との重量割合が規定されており、各種
系列の顔料がいずれも使用できることが記載されてい
る。
【0004】耐光性及び耐水性の問題を解決するため、
近年、上述した用途分野において色材の染料から顔料へ
の転換が活発に検討されている。当該分野、特にインク
ジェット用インクの分野において顔料を色材として使用
するには、固−液二相系である顔料分散体における非常
に高いレベルの分散性および分散安定性が必要とされて
いる。かかる高度の分散性および分散安定性を達成する
ための手段として、特開平9−151342号公報に顔
料をアニオン性基含有有機高分子化合物で被覆したマイ
クロカプセル化顔料分散体が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
2−276874号公報に記載の技術的思想は、どの様
な顔料にも普遍的に当てはまるというものではなく、顔
料個々により、それの好適な使用量範囲はまちまちであ
るというのが実態である。上記特開平9−151342
号公報に記載のマイクロカプセル化顔料分散体も、特に
黄色および赤色系顔料に関しては分散到達レベル、分散
安定性、分散液粘度等の全ての面で十分満足できるもの
ではない場合があった。
【0006】とりわけ、比較的優れた着色力と鮮明性、
および耐光性を示し、バランスのとれた色彩的特徴を有
するC.I.ピグメント イエロー74顔料は安定な分
散体を作ることが困難であった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、C.I.ピグメン
ト イエロー74顔料を用いた場合の、それとアニオン
性基含有有機高分子化合物との重量割合を特定範囲とす
ることにより、かかる諸要求を満足させることを見出
し、本発明を完成させるに至った。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明は、少なくともC.I.ピ
グメント イエロー74顔料とアニオン性基含有有機高
分子化合物を含有する水性顔料分散体であって、C.
I.ピグメントイエロー74顔料100重量部に対する
アニオン性基含有有機高分子化合物の使用量が5重量部
を越えて25重量部未満であることを特徴とする水性顔
料分散体を提供する。
【0009】本発明の水性顔料分散体で使用するアニオ
ン性基含有有機高分子化合物はアニオン性基を有してい
れば特に限定されるものではなく、例えばカルボキシル
基、スルホン基、ホスホ基、チオカルボキシル基等のア
ニオン性基を含有するモノマーの一種以上と、これらア
ニオン性基含有モノマーと共重合し得るその他のモノマ
ーを共重合させて得られるアニオン性基含有有機高分子
化合物が挙げられるが、原料モノマーの入手のしやす
さ、価格等を考慮すると、カルボキシル基またはスルホ
ン基を含有するアニオン性基含有有機高分子化合物が好
ましく、電気的中性状態とアニオン状態の共存範囲を広
く制御できる点でカルボキシル基を含有するアニオン性
基含有有機高分子化合物が特に好ましい。
【0010】本発明の水性顔料分散体で使用するアニオ
ン性基含有有機高分子化合物としては、例えば、架橋部
分を有していてもよい、アニオン性基を有する有機高分
子化合物がある。
【0011】本発明において使用できるアニオン性基含
有有機高分子化合物の代表例としては、架橋部分を有す
るアクリル酸エステル系重合体、架橋部分を有さないア
クリル酸エステル系重合体、架橋部分を有するメタクリ
ル酸エステル系重合体、架橋部分を有さないメタクリル
酸エステル系重合体を挙げることができる。本発明にお
いては、アクリル酸エステルとメタクリル酸エステルと
の両方を包含して(メタ)アクリル酸エステルと呼ぶも
のとする。また(メタ)アクリル酸エステル系重合体と
は、(メタ)アクリル酸エステルを主成分として重合し
た重合体を意味する。
【0012】最適なアニオン性基含有有機高分子化合物
は、アニオン性基がカルボキシル基およびカルボキシラ
ート基の両方を含有するアニオン性基含有有機高分子化
合物である。
【0013】カルボキシル基を含有するモノマーの例と
してはアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル
酸、クロトン酸、イタコン酸、4−ビニル安息香酸等の
不飽和カルボン酸類;コハク酸ビニル、マレイン酸アリ
ル、テレフタル酸ビニル、トリメリット酸アリル等の多
塩基酸不飽和エステル類が挙げられる。またスルホン酸
基を含有するモノマーの例としてはアクリル酸2−スル
ホエチル、メタクリル酸4−スルホフェニル等の不飽和
カルボン酸スルホ置換アルキルまたはアリールエステル
類;スルホコハク酸ビニル等のスルホカルボン酸不飽和
エステル類;スチレン−4−スルホン酸等のスルホスチ
レン類を挙げることができる。
【0014】アニオン性基含有モノマーと共重合し得る
その他のモノマーの例としては、アクリル酸メチル、ア
クリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸
イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソ
ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチル
ヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシ
ル、アクリル酸オクタデシル、アクリル酸シクロヘキシ
ル、アクリル酸イソボルニル、アクリル酸ベンジル、ア
クリル酸2,3−エポキシプロピル、アクリル酸2,3
−エポキシブチル、アクリル酸2,3−エポキシシクロ
ヘキシル、アクリル酸ビニル、メタクリル酸メチル、メ
タクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタク
リル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタク
リル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリ
ル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸n−オクチル、
メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸オクタデシル、メ
タクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸イソボルニ
ル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸2,3−エポ
キシプロピル、メタクリル酸2,3−エポキシブチル、
メタクリル酸2,3−エポキシシクロヘキシル、メタク
リル酸ビニル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチ
ル、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸
エチル、イタコン酸ベンジル、アクリル酸2−ヒドロキ
シエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタク
リル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロ
キシプロピル、アクリル酸2−アミノエチル、アクリル
酸2−アミノプロピル、アクリル酸3−アミノプロピ
ル、アクリル酸2−(メチルアミノ)エチル、アクリル
酸2−(メチルアミノ)プロピル、アクリル酸2−(エ
チルアミノ)エチル、アクリル酸2−(エチルアミノ)
プロピル、アクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル、
アクリル酸3−(ジメチルアミノ)プロピル、等の不飽
和脂肪酸エステル類;アクリルアミド、N−メチルアク
リルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−プロピル
アクリルアミド、N−ジメチルアクリルアミド、N−ジ
エチルアクリルアミド、N−ジプロピルアクリルアミ
ド、N−(2−アミノエチル)アクリルアミド、N−
(2−アミノプロピル)アクリルアミド、N−(3−ア
ミノプロピル)アクリルアミド、N−[2−(メチルア
ミノ)エチル]アクリルアミド、N−[2−(メチルア
ミノ)プロピル]アクリルアミド、N−[3−(メチル
アミノ)プロピル]アクリルアミド、N−[2−(ジメ
チルアミノ)エチル]アクリルアミド、N−[2−(ジ
メチルアミノ)プロピル]アクリルアミド、N−[3−
(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミド、メタク
リルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチル
メタクリルアミド、N−プロピルメタクリルアミド、N
−ジメチルメタクリルアミド、N−ジエチルメタクリル
アミド、N−ジプロピルメタクリルアミド、N−(2−
アミノエチル)メタクリルアミド、N−(2−アミノプ
ロピル)メタクリルアミド、N−(3−アミノプロピ
ル)メタクリルアミド、N−[2−(メチルアミノ)エ
チル]メタクリルアミド、N−[2−(メチルアミノ)
プロピル]メタクリルアミド、N−[3−(メチルアミ
ノ)プロピル]メタクリルアミド、N−[2−(ジメチ
ルアミノ)エチル]メタクリルアミド、N−[2−(ジ
メチルアミノ)プロピル]メタクリルアミド、N−[3
−(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミド、マ
レアミド、N,N−ジメチルマレアミド、フマラミド、
N,N−ジメチルフマラミド、等の不飽和脂肪酸アミド
類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、等の不飽
和ニトリル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ブタ
ン酸ビニル、ヘキサン酸ビニル、2−エチルヘキサン酸
ビニル、オクタデカン酸ビニル、安息香酸ビニル、酢酸
アリル、プロピオン酸アリル、ヘキサン酸アリル、デカ
ン酸アリル、等のカルボン酸不飽和エステル類;エチル
ビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、2−ポリオキ
シエチレン−2−(4−ノニルフェノキシ)メチルエチ
ルアリルエーテル等の不飽和エーテル類;スチレン、α
−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルス
チレン、p−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレ
ン、4−メトキシスチレン、4−クロロスチレン、等ス
チレン類;エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−オ
クテン、ビニルシクロヘキサン、4−ビニルシクロヘキ
セン、等の不飽和炭化水素類;塩化ビニル、塩化ビニリ
デン、テトラフルオロエチレン、3−クロロプロピレ
ン、等の不飽和ハロゲン化炭化水素類;4−ビニルピリ
ジン、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルピロリド
ン、等のビニル置換複素環化合物類;上記例示モノマー
中のカルボキシル基、水酸基、アミノ基等活性水素を有
する置換基を含有するモノマーとエチレンオキシド、プ
ロピレンオキシド、シキロヘキセンオキシド等、エポキ
シド類との反応生成物;上記例示モノマー中の水酸基、
アミノ基等を有する置換基を含有するモノマーと酢酸、
プロピオン酸、ブタン酸、ヘキサン酸、デカン酸、ドデ
カン酸等カルボン酸類との反応生成物等を挙げることが
できる。
【0015】前記アニオン性基含有有機高分子化合物
を、(メタ)アクリル酸エステル系共重合体から選択す
る場合には、少なくともアクリル酸およびメタクリル酸
の炭素数3〜5のアルキルエステルからなる群から選ば
れる1以上の化合物を構成要素とし、その他の単量体と
重合した共重合体を選択するか、または、少なくともア
クリル酸の炭素数3〜5のアルキルエステルおよびメタ
クリル酸の炭素数3〜5のアルキルエステルからなる群
から選ばれる1以上の化合物を構成要素とすると共に、
スチレンをも構成要素として含有する共重合体を選択す
るのが性能上も好ましい。
【0016】かかるアニオン性基含有有機高分子化合物
は、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合等の従来
より公知の種々の反応方法によって合成することができ
る。
【0017】本発明に用いられるアニオン性基含有有機
高分子化合物の重量平均分子量は2,000〜100,
000の範囲にあることがが好ましく、5,000〜5
0,000の範囲にあることが特に好ましい。重量平均
分子量が小さすぎると水性顔料分散体自体の分散安定性
が低下し、大きすぎると分散体の粘度が高くなるだけで
なく、分散性が低下する傾向が認められる。また重量平
均分子量が小さすぎたり大きすぎる場合には、例えばイ
ンクジェットプリンタ用インクに適用した場合に、印字
特性に関して悪影響を及ぼし、長期間安定した印字を行
わせることが困難になる。
【0018】また本発明に用いられるアニオン性基含有
有機高分子化合物の酸価およびガラス転移点はそれぞれ
30〜220mgKOH/gおよび−20〜60℃の範
囲にあることが好ましい。酸価が低すぎる場合には水性
顔料分散体の分散性や分散安定性が低下し、またインク
ジェットプリンタ用インクに適用した場合の印字安定性
が悪くなる。酸価が高すぎる場合には、インクジェット
プリンタ用インクに適用した場合に画像の耐水性が低下
する。ガラス転移点が高すぎる場合には安定した印字が
得にくく、低すぎる場合には耐摩擦性、耐棒積み性等の
画像保存性が低下する傾向がある。
【0019】本発明の水性顔料分散体中におけるアニオ
ン性基含有有機高分子化合物は、アニオン性基の少なく
とも一部が塩基性物質によってイオン化された形態をと
っていることが分散性、分散安定性の発現のうえで好ま
しい。アニオン性基のうちイオン化された基の最適割合
は、用いるアニオン性基含有有機高分子化合物の組成、
分子量、酸価等により変化するため一意的に限定される
ものではないが、所望の分散性、分散安定性が発現され
る範囲であればよく、通常30〜100%、特に70〜
100%の範囲に設定されることが好ましい。このイオ
ン化された基の割合はアニオン性基と塩基性物質のモル
比を意味しているのではなく、解離平衡を考慮に入れた
ものである。例えばアニオン性基がカルボキシル基の場
合、化学量論的に等量の強塩基性物質を用いても解離平
衡によりイオン化された基(カルボキシラート基)の割
合は100%未満であって、カルボキシラート基とカル
ボキシル基の混在状態である。
【0020】このように、アニオン性基含有有機高分子
化合物の、アニオン性基の少なくとも一部をイオン化す
るために用いられる塩基性物質としては、公知慣用のも
のが挙げられるが、例えばアンモニア、第一級、第二級
もしくは第三級の有機アミン(塩基性含窒素複素環化合
物を含む)、水酸化アルカリ金属からなる群から選ばれ
る化合物が好適には挙げられる。これらの例示した好適
な塩基性物質でアニオン性基の少なくとも一部をイオン
化することにより、カルボキシラート基の対イオンは、
アンモニウムイオン(塩基性含窒素複素環化合物のプロ
トン化カチオンを含む)、アルカリ金属イオンからなる
群から選ばれるカチオンとなる。どが挙げられる。
【0021】本発明で用いられるC.I.ピグメント
イエロー74顔料は粉末状、顆粒状あるいは塊状の乾燥
顔料でも良く、ウェットケーキやスラリーでも良い。
【0022】本発明においては、C.I.ピグメント
イエロー74顔料100重量部に対するアニオン性基含
有有機高分子化合物の使用量が5重量部を越えて25重
量部未満の範囲とすること、中でも10〜20重量部と
することが好ましい。
【0023】本発明の水性顔料分散体は、少なくとも
C.I.ピグメント イエロー74顔料、アニオン性基
含有有機高分子化合物、塩基性物質および水からなる混
合物を分散する工程を含むプロセスによって製造するこ
とができる。
【0024】本発明の水性顔料分散体の製造プロセスに
組み込み得る分散工程以外の工程の例としては、予備分
散工程、溶解工程、希釈工程、蒸留工程、遠心分離工
程、酸析工程、濾過工程、再分散工程、pH調整工程、
充填工程等が挙げられる。
【0025】予備分散工程の例には、溶液状態または溶
融状態の樹脂と顔料を混合、分散し、スラリー状、ペー
スト状もしくはマスターバッチまたはチップと呼ばれる
固体状態にする工程等がある。溶解工程の例には、固体
状のアニオン性基含有有機高分子化合物を有機溶剤、好
ましくは水溶性有機溶剤中、または塩基性物質を含む水
性媒体中に溶解させる工程、もしくはアニオン性基含有
有機高分子化合物の水溶性有機溶剤溶液を塩基性物質を
含む水性媒体中に溶解させる工程等がある。
【0026】本発明では、顔料、アニオン性基含有有機
高分子化合物、塩基性物質および水からなる混合物を分
散する工程を必須として含ませることが好ましい。この
混合物には水溶性有機溶剤を含めるのが好ましい。より
具体的には、少なくとも顔料、アニオン性基含有有機高
分子化合物、塩基性物質、水溶性有機溶剤および水から
なる混合物を分散する工程を含ませることが好ましい。
【0027】本発明の水性分散体としては、分散到達レ
ベル、分散所要時間および分散安定性の全ての面で、よ
り優れた特性を発揮させるに当たっては、顔料がアニオ
ン性基含有有機高分子化合物によって被覆された、カプ
セル化顔料が水性分散体中に分散することが好ましい。
この様な状態を形成するため、顔料がアニオン性基含有
有機高分子化合物を含有する液媒体中に分散している状
態において、前記の後工程として、溶解状態にあるアニ
オン性基含有有機高分子化合物を顔料表面に被覆させる
工程を組み込むことが好ましい。
【0028】溶解状態にあるアニオン性基含有有機高分
子化合物を顔料表面に被覆させる工程としては、アルカ
リ性水性溶液に溶解しているアニオン性基含有有機高分
子化合物を、溶液を酸性化することにより析出させる工
程が好ましい。
【0029】蒸留工程の例には、分散工程において有機
溶剤を使用した場合にこれを除去する工程、所望の固形
分濃度にするため余剰の水を除去する工程等がある。遠
心分離工程の例には、水性記録液としての使用適性に悪
影響を及ぼす分散体中の粗大粒子を除去する工程等があ
る。
【0030】酸析工程の例には、分散工程で得られた水
性分散体に塩酸、硫酸、酢酸等の酸を加えて酸性化し、
塩基と塩を形成することによって溶解状態にあるアニオ
ン性基含有有機高分子化合物を顔料粒子表面に析出させ
る工程等がある。この工程により顔料とアニオン性基含
有有機高分子化合物との相互作用を高めることができ
る。その結果、顔料がアニオン性基含有有機高分子化合
物によって被覆された、いわゆるマイクロカプセル化顔
料が水性分散体中に分散している形態を取らせることが
でき、水性分散体として、分散到達レベルや分散安定性
等の物性面や耐溶剤性等の使用適性の面で、より優れた
特性を発揮させることができる。
【0031】濾過工程の例には、遠心分離工程と同様に
分散体中の粗大粒子をカートリッジフィルターやメンブ
ランフィルターにより除去する工程、前述した酸析工程
後に固形分をフィルタープレス、ヌッチェ式濾過装置、
加圧濾過装置等により濾過する工程等がある。再分散工
程の例には、酸析工程、濾過工程によって得られた固形
分に塩基性物質および必要により水や添加物を加えて再
び分散体とする工程がある。それによりアニオン性基含
有有機高分子化合物中のイオン化したアニオン性基の対
イオンを分散工程で用いたものから変更することができ
る。
【0032】また、分散工程において水溶性有機溶剤を
併用することができ、それにより分散工程における液粘
度を低下させることができる場合がある。水溶性有機溶
媒の例としてはアセトン、メチルエチルケトン、メチル
ブチルケトン、メチルイソブチルケトン、等のケトン
類;メタノール、エタノール、2−プロパノール、2−
メチル−1−プロパノール、1−ブタノール、2−メト
キシエタノール、等のアルコール類;テトラヒドロフラ
ン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、
等のエーテル類;ジメチルホルムアミド、N−メチルピ
ロリドン、等のアミド類が挙げられ、とりわけ炭素数が
3〜6のケトンおよび炭素数が1〜5のアルコールから
なる群から選ばれる化合物を用いるのが好ましい。これ
らの水溶性有機溶剤はアニオン性基含有有機高分子化合
物溶液として用いられても良く、別途独立に分散混合物
中に加えられても良い。
【0033】分散工程において用いることのできる分散
装置として、既に公知の種々の方式による装置が使用で
き、特に限定されるものではないが、例えば、スチー
ル、ステンレス、ジルコニア、アルミナ、窒化ケイ素、
ガラス等でできた直径0.1〜10mm程度の球状分散
媒体の運動エネルギーを利用する方式、機械的攪拌によ
る剪断力を利用する方式、高速で供給された被分散物流
束の圧力変化、流路変化あるいは衝突に伴って発生する
力を利用する方式、等の分散方式を採ることができる。
【0034】本発明においてアニオン性基含有有機高分
子化合物が架橋性基を含有している場合、例えばアクリ
ル酸2,3−エポキシプロピル、アクリル酸2,3−エ
ポキシブチル、アクリル酸2,3−エポキシシクロヘキ
シル、メタクリル酸2,3−エポキシプロピル、メタク
リル酸2,3−エポキシブチル、メタクリル酸2,3−
エポキシシクロヘキシル等のエポキシ基を有する不飽和
脂肪酸類の少なくとも1以上からなるモノマーを含んだ
共重合体である場合には、水性分散体製造プロセスにお
いて開環反応させ、架橋させることができる。
【0035】架橋工程は、分散工程以降の任意の段階で
行うことができるが、本発明の水性顔料分散体の特徴で
ある高度の分散安定性を十分発揮させるためには、貯
蔵、輸送、実使用時には架橋反応が完結していることが
好ましく、遠心分離等によって水性分散体中の粗粒を除
去する工程以前に完結させておくことが特に好ましい。
開環反応温度は80〜140℃程度が好ましい。反応温
度は低すぎる場合には反応速度が遅く、反応完結に長時
間を要するため、顔料粒子同士が融着して凝集体を形成
しやすくなる。反応温度が高すぎる場合には、顔料粒子
同士の融着や顔料粒子自体の成長が起こり、いずれにし
ても好ましくない。反応温度が分散体の沸点より高くな
る場合には加圧反応装置を用いる必要がある。
【0036】本発明の水性顔料分散体は、公知慣用の用
途にいずれも使用できるが、例えばこれを含有する水性
記録液は、最も好ましい用途のひとつである。
【0037】本発明の記録液は、少なくともC.I.ピ
グメント イエロー74顔料およびアニオン性基含有有
機高分子化合物を含有する水性顔料分散体に、水溶性有
機溶剤、水等を混合して調製される。必要に応じて、界
面活性剤、水溶性樹脂、防腐剤、粘度調整剤、pH調整
剤、キレート化剤等を添加することもできる。
【0038】記録液の調整に用いることのできる水溶性
有機溶剤の例としては、メタノール、エタノール、1−
プロパノール、2−プロパノール、2−メチル−1−プ
ロパノール、1−ブタノール、2−メトキシエタノー
ル、2−ブトキシエタノール、2−(2−メトキシエト
キシ)エタノール、2−(2−ブトキシエトキシ)エタ
ノール、2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキ
シ]エタノール、2−[2−(2−ブトキシエトキシ)
エトキシ]エタノール等のアルコール類;1,2−エタ
ンジオール、1,2−プロパンジオール、1,2−ブタ
ンジオール、2,3−ブタンジオール、2,2’−オキ
シビスエタノール、2,2’−エチレンジオキシビス
(エタノール)、チオジエタノール、グリセリン、1,
2,6−ヘキサントリオール等の多価アルコール類;ジ
メチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチ
ル−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジ
ノン等のアミド類;アセトン、メチルエチルケトン、メ
チルn−ブチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケ
トン類;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、
1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタ
ン、2,2’−オキシビス(2−メトキシエタン)、
2,2’−オキシビス(2−エトキシエタン)、2,
2’−エチレンジオキシビス(2−メトキシエタン)、
2,2’−エチレンジオキシビス(2−メトキシエタ
ン)等のエーテル類が挙げられる。記録液中の水溶性有
機溶剤の含有割合は、50重量%以下が好ましく、5〜
40重量%の範囲が特に好ましい。
【0039】本発明の記録液に添加しても良い界面活性
剤としては、アニオン性、カチオン性、両性イオン性、
非イオン性のいずれの活性剤でも良い。
【0040】アニオン性界面活性剤の例としては、ステ
アリン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、半硬化牛脂
脂肪酸ナトリウム、等の脂肪酸塩類;ドデシル硫酸ナト
リウム、ドデシル硫酸トリ(2−ヒドロキシエチル)ア
ンモニウム、オクタデシル硫酸ナトリウム等のアルキル
硫酸エステル塩類;ノニルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、オクタデ
シルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルジフェニ
ルエーテルジスルホン酸ナトリウム等のベンゼンスルホ
ン酸塩類;ドデシルナフタレンスルホン酸ナトリウム、
ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物等のナフタレン
スルホン酸塩類;スルホコハク酸ジドデシルナトリウ
ム、スルホコハク酸ジオクタデシルナトリウム等のスル
ホコハク酸エステル塩類;ポリオキシエチレンドデシル
エーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンドデシル
エーテル硫酸トリ(2−ヒドロキシエチル)アンモニウ
ム、ポリオキシエチレンオクタデシルエーテル硫酸ナト
リウム、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル
硫酸ナトリウム等のポリオキシエチレン硫酸エステル塩
類;ドデシルリン酸カリウム、オクタデシルリン酸ナト
リウム等のリン酸エステル塩類等が挙げられる。
【0041】カチオン性界面活性剤の例としては、酢酸
オクタデシルアンモニウム、ヤシ油アミン酢酸塩等のア
ルキルアミン塩類;塩化ドデシルトリメチルアンモニウ
ム、塩化オクタデシルトリメチルアンモニウム、塩化ジ
オクタデシルジメチルアンモニウム、塩化ドデシルベン
ジルジメチルアンモニウム等の第4級アンモニウム塩類
が挙げられる。
【0042】両性イオン性活性剤の例としては、ドデシ
ルベタイン、オクタデシルベタイン等のアルキルベタイ
ン類;ドデシルジメチルアミンオキシド等のアミンオキ
シド類等が挙げられる。
【0043】非イオン性界面活性剤の例としては、ポリ
オキシエチレンドデシルエーテル、ポリオキシエチレン
ヘキサデシルエーテル、ポリオキシエチレンオクタデシ
ルエーテル、ポリオキシエチレン(9−オクタデセニ
ル)エーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル
類;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポ
リオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキ
シエチレンフェニルエーテル類;ポリ酸化エチレン、コ
−ポリ酸化エチレン酸化プロピレン等のオキシラン重合
体類;ソルビタンドデカン酸エステル、ソルビタンヘキ
サデカン酸エステル、ソルビタンオクタデカン酸エステ
ル、ソルビタン(9−オクタデセン酸)エステル、ソル
ビタン(9−オクタデセン酸)トリエステル、ポリオキ
シエチレンソルビタンドデカン酸エステル、ポリオキシ
エチレンソルビタンヘキサデカン酸エステル、ポリオキ
シエチレンソルビタンオクタデカン酸エステル、ポリオ
キシエチレンソルビタンオクタデカン酸トリエステル、
ポリオキシエチレンソルビタン(9−オクタデセン酸)
エステル、ポリオキシエチレンソルビタン(9−オクタ
デセン酸)トリエステル等のソルビタン脂肪酸エステル
類;ポリオキシエチレンソルビトール(9−オクタデセ
ン酸)テトラエステル等のソルビトール脂肪酸エステル
類;グリセリンオクタデカン酸エステル、グリセリン
(9−オクタデセン酸)エステル等のグリセリン脂肪酸
エステル類が挙げられる。これらの非イオン性活性剤の
中でもHLBが14以上のものが特に好ましい。
【0044】本発明の水性記録液に添加されても良い水
溶性樹脂の例としては、にかわ、ゼラチン、カゼイン、
アルブミン、アラビアゴム、フィッシュグリュー、アル
ギン酸、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロース、ポリ酸化エチレン、
ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリアク
リル酸、ポリビニルエーテル、ポリビニルピロリドン、
スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸
共重合体、アクリル酸エステル−アクリル酸共重合体等
が挙げられる。
【0045】水溶性樹脂は、定着性や粘度調節、速乾性
を挙げる目的で、必要に応じて使用されるものであり、
記録液に使用する場合の記録液中の水溶性樹脂の含有割
合は、0〜30重量%が好ましく、0〜20重量%が特
に好ましい。
【0046】本発明の水性記録液は、サインペン、マー
カー等の文具類や各種プリンタ、プロッタ類のインクと
して好適に使用することができ、とりわけ、その優れた
分散性、分散安定性を生かしてインクジェット用インク
として好適に使用することができる。
【0047】本発明は以下の通りの具体的な実施形態を
包含する。 1. 少なくともC.I.ピグメント イエロー74顔
料とアニオン性基含有有機高分子化合物を含有する水性
顔料分散体であって、C.I.ピグメント イエロー7
4顔料100重量部に対するアニオン性基含有有機高分
子化合物の使用量が5重量部を越えて25重量部未満で
あることを特徴とする水性顔料分散体。
【0048】2. アニオン性基含有有機高分子化合物
が、少なくともアクリル酸の炭素数3〜5のアルキルエ
ステルおよびメタクリル酸の炭素数3〜5のアルキルエ
ステルからなる群から選ばれる1以上の化合物を構成要
素として含有するアニオン性基含有有機高分子化合物で
ある上記1記載の水性顔料分散体。
【0049】3. アニオン性基含有有機高分子化合物
が、少なくともアクリル酸の炭素数3〜5のアルキルエ
ステルおよびメタクリル酸の炭素数3〜5のアルキルエ
ステルからなる群から選ばれる1以上の化合物とスチレ
ンとを構成要素として含有するアニオン性基含有有機高
分子化合物である上記1記載の水性顔料分散体。
【0050】4. 顔料がアニオン性基含有有機高分子
化合物によって被覆されている上記1〜3記載の水性顔
料分散体。
【0051】5. 上記1〜4記載の水性黄色顔料分散
体を含有することを特徴とする水性記録液。
【0052】
【実施例】以下、実施例及び比較例を用いて本発明を更
に詳細に説明する。以下の実施例及び比較例において、
「部」および「%」は、「重量部」および「重量%」を
表わす。
【0053】<合成例1>(アニオン性基含有有機高分
子化合物の合成) 攪拌装置、滴下装置、温度センサー、および上部に窒素
導入装置を有する環流装置を取り付けた反応容器を有す
る自動重合反応装置(重合試験機DSL−2AS型、轟
産業(株)製)の反応容器にメチルエチルケトン1,0
00部を仕込み、攪拌しながら反応容器内を窒素置換し
た。反応容器内を窒素雰囲気に保ちながら75℃に昇温
させた後、滴下装置よりメタクリル酸n−ブチル350
部、アクリル酸n−ブチル100部、メタクリル酸2−
ヒドロキシエチル150部、メタクリル酸200部、ス
チレン200部および「パーブチル O」(有効成分ペ
ルオキシ2−エチルヘキサン酸t−ブチル、日本油脂
(株)製)80部の混合液を2時間かけて滴下した。滴
下終了後、さらに同温度で15時間反応を継続させて、
酸価130、ガラス転移温度(計算値)47℃、重量平
均分子量21,200のアニオン性基含有有機高分子化
合物溶液を得た。反応終了後、樹脂溶液の不揮発分を5
0%に調整した。
【0054】<例1>冷却用ジャケットを備えた混合槽
に、合成例で得たアニオン性基含有有機高分子化合物、
20%水酸化ナトリウム水溶液、水およびC.I.ピグ
メント イエロー74顔料(シムラーファストイエロー
4190;大日本インキ化学工業(株)製)を仕込み、
攪拌、混合した。ここでそれぞれの仕込量は、C.I.
ピグメント イエロー74顔料が1,000部、アニオ
ン性基含有有機高分子化合物はC.I.ピグメント イ
エロー74顔料に対し所定の比率となる量、20%水酸
化ナトリウム水溶液はアニオン性基含有有機高分子化合
物の酸価が90%中和される量、水は混合液の不揮発分
を30%とするのに必要な量である。
【0055】混合液を直径0.3mmのジルコニアビー
ズを充填した分散装置(SCミルSC100/32型、
三井鉱山(株)製)に通し、循環方式により6時間分散
した。分散装置の回転数は2700回転/分とし、冷却
用ジャケットには冷水を通して分散液温度が40℃以下
に保たれるようにした。
【0056】分散終了後、混合槽より分散原液を抜き採
り、次いで水10,000部で混合槽および分散装置流
路を洗浄し、分散原液と合わせて希釈分散液を得た。ガ
ラス製蒸留装置に希釈分散液を入れ、メチルエチルケト
ンの全量と水の一部を留去し、濃縮分散液を得た。
【0057】室温まで放冷後、濃縮分散液に攪拌しなが
ら10%塩酸を滴下してpH3.5に調整したのち、固
形分をヌッチェ式濾過装置で濾過、水洗した。ケーキを
容器に採り、アニオン性基含有有機高分子化合物の酸価
が95%中和される量の20%水酸化カリウム水溶液と
水200部を加え、分散攪拌機(TKホモディスパ20
型、特殊機化工業(株)製)にて再分散した。遠心分離
器(50A−IV型、(株)佐久間製作所)にて粗大粒
子を除去したのち、不揮発分を調整して不揮発分20%
の水性顔料分散体を得た。この水性顔料分散体は経時分
散安定性に優れたものであった。
【0058】<例2>(インクジェットプリンタ用水性
記録液の安定性評価) 例1で得られた水性顔料分散体を用い、特開平7−22
8808号公報記載の実施例1を参考にしてインクジェ
ットプリンタ用インクを調整した。インク組成を以下に
示す。
【0059】 水性顔料分散体 25部トリエチレンク゛リコールモノフ゛チルエーテル 10部シ゛エチレンク゛リコール 15部 エタノール 5部サーフィノール 465(エアフ゜ロタ゛クツ社製) 0.8部 水 49.2部
【0060】このようにして調製したインクについて分
散安定性と平均粒径を評価した。分散安定性は70℃、
3日間貯蔵後のニス別れの程度を尺度とし、顔料分の沈
降により生じた上層の半透明部分の全分散液高さに対す
る割合で表した。平均粒径はレーザードップラ式粒度分
析計マイクロトラック(UPA150型、リーズ&ノー
スロップ社製)で測定したメディアン径をもって平均粒
径とした。
【0061】
【表1】表 1
【0062】表1からわかる通り、顔料100部に対す
るアニオン性基含有有機高分子化合物の使用量が10〜
20重量部とした場合には、インキ化して水性記録液と
した後であっても、顔料マイクロカプセルの粒子径変化
が少なく、しかもニス別れが全くないことから分散安定
性にも優れていることが明らかである。これは、インク
を微小ノズルより吐出させ飛翔記録させる様な、インク
ジェットプリンター用インク用途においては、特に有利
な効果である。
【0063】
【発明の効果】本発明のC.I.ピグメント イエロー
74顔料の水性分散体は、C.I.ピグメント イエロ
ー74顔料100重量部に対するアニオン性基含有有機
高分子化合物の使用量を5重量部を越えて25重量部未
満としたので、分散性および分散安定性に優れており、
インクジェットプリンタ用インク等の記録液に使用した
場合に貯蔵安定性や演色性、透明性に優れた記録液を与
え、鮮明な画像を形成することができる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J037 AA30 CC13 CC14 CC15 CC16 CC17 DD24 EE03 FF07 FF09 FF15 FF22 FF23 4J039 AD03 AD04 AD10 AD11 AD12 AD13 AD14 AD23 AE07 BE01 BE22 CA06 DA02 EA17 EA35 EA42 EA44 GA24

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともC.I.ピグメント イエロ
    ー74顔料とアニオン性基含有有機高分子化合物を含有
    する水性顔料分散体であって、C.I.ピグメント イ
    エロー74顔料100重量部に対するアニオン性基含有
    有機高分子化合物の使用量が5重量部を越えて25重量
    部未満であることを特徴とする水性顔料分散体。
  2. 【請求項2】 アニオン性基含有有機高分子化合物が、
    少なくともアクリル酸の炭素数3〜5のアルキルエステ
    ルおよびメタクリル酸の炭素数3〜5のアルキルエステ
    ルからなる群から選ばれる1以上の化合物を構成要素と
    して含有するアニオン性基含有有機高分子化合物である
    請求項1記載の水性顔料分散体。
  3. 【請求項3】 アニオン性基含有有機高分子化合物が、
    少なくともアクリル酸の炭素数3〜5のアルキルエステ
    ルおよびメタクリル酸の炭素数3〜5のアルキルエステ
    ルからなる群から選ばれる1以上の化合物とスチレンと
    を構成要素として含有するアニオン性基含有有機高分子
    化合物である請求項1記載の水性顔料分散体。
  4. 【請求項4】 顔料がアニオン性基含有有機高分子化合
    物によって被覆されている請求項1〜3記載の水性顔料
    分散体。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4記載の水性黄色顔料分散体
    を含有することを特徴とする水性記録液。
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