JP2000108510A - 光学記録材料 - Google Patents
光学記録材料Info
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Abstract
性、保存安定性および溶媒への溶解性が良好であり、か
つ、感度の高い光学記録材料を提供すること。 【解決手段】 インドレニン系のシアニン色素に特定の
置換基を持たせた化合物からなる。
Description
による熱的情報パターンとして付与することにより記録
する光学記録媒体に使用される光学記録材料に関し、詳
しくは、可視および近赤外領域の波長を有し、かつ低エ
ネルギーのレーザなどにより高密度の光学記録および再
生が可能な光学記録媒体に使用される光学記録材料に関
する。
に光学記録媒体は、媒体と書き込みまたは読み出しヘッ
ドが接触しないので記録媒体が摩耗劣化しないという特
徴を有しており、特に、情報を熱的情報として付与する
光学記録媒体は暗室による現像処理が不要である利点を
有することからその開発が盛んに行なわれている。
て利用するものであり、例えば、基体上に設けた薄い記
録層に、光学的に検出可能なピットを形成させることに
より情報を高密度に記録させることができる。
表面に収束したレーザを走査し、照射されたレーザエネ
ルギーを吸収した記録層にピットを形成させることによ
って行われる。この記録媒体に記録された情報は、形成
されたピットを読み出し光で検出することができる。
は、これまでアルミニウム蒸着膜などの金属薄膜、酸化
テルル薄膜、ビスマス薄膜やカルコゲナイド系非晶質ガ
ラス膜などの無機質が主に用いられていた。
とが困難であり、スパッタリングや真空蒸着法により形
成する必要があったが、その操作は煩雑であり、さらに
上記の無機質を用いた場合には、レーザ光に対する反射
率が高い、熱伝導率が大きい、レーザ光の利用効率が低
いなどの欠点を有していた。
ザによってピットを形成することのできる、光学記録材
料としての色素を主体とする有機化合物を記録層として
用いる方法が提案されている。
ニン系、チアゾール系、イミダゾール系、チオキサゾー
ル系、キノリン系、セレナゾール系などのシアニン色素
が知られている。これらの色素は、シアニン色素カチオ
ンとハロゲンアニオン、過塩素酸アニオンなどの各種ア
ニオンとの塩であり、特に、インドレニン系の色素は感
度が高いので好ましく用いられている。
て、コンパクトディスク(CD)規格に対応した波長7
70〜830nmの近赤外半導体レーザによって書き込
み再生可能な光学記録媒体(CD−R)が実用化されて
いる。
0〜690nmの赤色半導体レーザが開発され、ビーム
スポットをより小さくすることで記録密度を上げ、また
データ圧縮技術などを使って、動画が記録できるほどの
大容量光記録媒体(デジタルバーサティリティーディス
ク、DVD)も開発されている。
記または記録が可能な光学記録媒体(DVD−R)に最
適なシアニン色素に関するものである。
み出しに650nmの波長を利用する光学記録媒体に用
いる色素では、635nmに書き込みのための感度を持
ち、かつ650nmに高い反射率を持つもの、すなわち
分子吸光係数の大きいものが望ましい。
レーザによる書き込みに対応した色素としては、例え
ば、特開昭59−55795号公報に、記録層にインド
カルボシアニン色素を用いた光記録媒体が提案されてい
る。
VD−R規格の吸収波長に対して正確に合致していると
はいえず、また反射率についても充分とはいえなかっ
た。
体の記録層に使用される、光安定性、保存安定性および
溶媒への溶解性が良好であり、かつ、感度の高い光学記
録材料を提供することにある。
ねた結果、インドレニン系のシアニン色素に特定の置換
基を持たせた化合物が、上記目的を達成し得ることを知
見した。
ので、下記〔化2〕(前記〔化1〕と同じ)の一般式
(I)で表される化合物からなることを特徴とする光学
記録材料を提供するものである。
いてさらに詳細に説明する。
化合物は、光学記録媒体の記録層に使用される色素であ
る。
て、R1 およびR2 で表される炭素原子数1〜8のアル
キル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、
イソプロピル、ブチル、第二ブチル、第三ブチル、イソ
ブチル、アミル、第三アミル、ヘキシル、ヘプチル、オ
クチル、イソオクチル、第三オクチル、2−エチルヘキ
シルなどが挙げられ、炭素原子数1〜8のアルコキシ基
としては、上記アルキル基から誘導される基が挙げら
れ、炭素原子数1〜8のアルケニル基としては、例え
ば、ビニル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニルな
どが挙げられ、炭素原子数1〜8のアルケニルオキシ基
としては、上記アルケニル基から誘導される基が挙げら
れ、また、ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭
素、ヨウ素などが挙げられる。また、Xで表される炭素
原子数1〜3のアルキレン基としては、例えば、メチレ
ン,エチレン、トリメチレンなどが挙げられる。
は、例えば、塩素アニオン、臭素アニオン、ヨウ素アニ
オン、フッ素アニオンなどのハロゲンアニオン;過塩素
酸アニオン、チオシアン酸アニオン、六フッ化リンアニ
オン、六フッ化アンチモンアニオン、四フッ化ホウ素ア
ニオンなどの無機系アニオン、または、ベンゼンスルホ
ン酸アニオン、トルエンスルホン酸アニオン、トリフル
オロメタンスルホン酸アニオンなどの有機スルホン酸ア
ニオン;オクチルリン酸アニオン、ドデシルリン酸アニ
オン、オクタデシルリン酸アニオン、フェニルリン酸ア
ニオン、ノニルフェニルリン酸アニオンなどの有機リン
酸アニオンなどの有機系アニオン、あるいは、例えば、
クエンチャーアニオンとして、特開昭60−23489
2号公報に記載されたようなアニオンが挙げられる。該
クエンチャーアニオンの代表例としては、下記〔化3〕
の一般式(A)および(B)で表されるアニオンが挙げ
られる。
が1である化合物が、書き込みおよび再生の620〜6
90nmの波長に対して感度に優れるため好ましい。
ち、特に、R1 およびR2 の少なくとも一方がハロゲン
原子である化合物、R1 およびR2 の少なくとも一方が
アルコキシ基である化合物、またはR1 およびR2 の少
なくとも一方がアルケニルオキシ基である化合物が好ま
しい。
例としては、下記化合物No.1〜5などが挙げられ
る。なお、以下の例示では、アニオンを省いたシアニン
色素カチオンで示している。
る本発明の光学記録材料は、上記シアニン色素カチオン
とアニオンとの塩であり、従来周知の方法に準じて製造
することができる。
の具体的な合成例を挙げる。
の合成 温度計、冷却管、窒素導入管つき丸底500mlフラス
コに、4−ヒドロキシフェネチルアルコール48.4
g、KOH39.3g、エタノール78.9gを仕込
み、70℃に加温した。そこへアリルブロマイド46.
6gを90分かけて滴下した後、80℃で1時間反応さ
せた。冷却後、溶媒を留去し、残留物をトルエン200
mlに溶解させ、水200mlで4回、水洗と油水分離
を繰り返した。有機層を取り、溶媒を留去して、第一中
間体である、4−アリロキシフェネチルアルコール4
1.6g(無色透明液体、収率66.8%)を得た。
ール26.7g、ピリジン29.7gを仕込み、0〜1
0℃で撹拌しながらベンゼンスルホン酸クロライド2
6.5gを滴下した。この温度のまま1時間撹拌し、さ
らに室温で1時間撹拌した。次に、クロロホルム100
mlを加えて溶解し、水100mlで2回水洗と油水分
離を行った。有機層を取り、溶媒を留去して、第二中間
体である、4−アリロキシフェネチルベンゼンスルホネ
ート40.5g(無色透明液体、収率84.7%)を得
た。
ンスルホネート15.9g、2,3,3−トリメチル−
5−ニトロインドレニン5.1gを仕込み、135〜1
40℃で1時間反応させ、第三中間体である1−(4'
−アリロキシフェネチル)−2,3,3−トリメチル−
5−ニトロインドレニンのベンゼンスルホン酸塩を得
た。この反応物は、精製せず次の工程にそのまま使用し
た。
ミド0.73g、ピリジン11.9g、無水酢酸1.9
gを仕込み、115℃で1時間反応させた。次に、過塩
素酸ナトリウム・1水和物3.9g、メタノール19.
3gを加え、メタノール還流下で1時間反応させた。溶
媒を留去した後、DMF/メタノール=1/3の混合溶
媒から再結晶を行い、化合物No.1の過塩素酸塩(緑
色結晶)2.5gを得た。
を得た。 ・λmax (クロロホルム溶液、以下同じ)=587.0
nm ・ε(λmax におけるモル吸光係数、以下同じ)=2.
04×105
2〜5の過塩素酸塩を合成し、各化合物についてλmax
およびεを測定した。それらの結果を下記〔表1〕に示
す。
記録層として適用される。これにより、基体上に、上記
一般式(I)で表される化合物からなる薄膜を形成した
光学記録媒体を提供することができる。上記光学記録媒
体の形成にあたっては従来周知の方法を用いることがで
きる。一般には、メタノール、エタノール、などの低級
アルコール類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、
ブチルセロソルブ、ブチルジグリコールなどのエーテル
アルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチル
イソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアル
コールなどのケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸
メトキシエチルなどのエステル類、アクリル酸エチル、
アクリル酸ブチルなどのアクリル酸エステル類、2,
2,3,3−テトラフルオロプロパノールなどのフッ化
アルコール類、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの炭
化水素類、メチレンジクロライド、ジクロロエタン、ク
ロロホルムなどの塩素化炭化水素類などの有機溶媒に、
本発明の光学記録材料を溶解した溶液を基体上に塗布す
ることによって容易に光学記録媒体を形成することがで
きる。
10μであり、好ましくは0.01〜5μの範囲が適当
である。上記記録層の形成方法は特に制限を受けず、例
えばスピンコート法などの通常用いられる方法を用いる
ことができる。
記録層に含有させる際の該記録層に対する使用量は、好
ましくは50〜100重量%である。
料のほかに、必要に応じて、ポリエチレン、ポリエステ
ル、ポリスチレン、ポリカーボネートなどの樹脂類を含
有してもよく、界面活性剤、帯電防止剤、滑剤、難燃
剤、安定剤、分散剤、酸化防止剤、架橋剤などを含有し
てもよい。
クエンチャーとして芳香族ニトロソ化合物、遷移金属キ
レート化合物などを含有してもよい。これらの化合物と
しては、例えば、特開昭59−55795号公報に提案
されているような公知の化合物が用いられる。該化合物
は、記録層に対して好ましくは0〜50重量%の範囲で
使用される。
質は、書き込み光および読み出し光に対して実質的に透
明なものであれば特に制限はなく、例えば、ポリメチル
メタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリカ
ーボネートなどの樹脂、ガラスなどが用いられる。ま
た、その形状は、用途に応じ、テープ、ドラム、ベル
ト、ディスクなどの任意の形状のものが使用できる。
ウム、銅などを用いて蒸着法あるいはスパッタリング法
により反射膜を形成することもできるし、アクリル樹
脂、紫外線硬化性樹脂などによる保護層を形成すること
もできる。
VD、CD−R、DVD−Rなどの光ディスク用色素と
して使用することができ、特に書き込み再生に620〜
690nmの波長の光を用いるDVD−Rに好適であ
る。
明する。しかしながら、本発明は以下の実施例によって
何ら制限を受けるものではない。
50:日本曹達社製)を塗布、加水分解して下地層
(0.01μ)を設けた直径12cmのポリカーボネー
トディスク基板上に、下記〔表1〕に示す色素および芳
香族ニトロソ化合物(DQ−24:旭電化工業(株)
製)の1:0.1(重量比)のエチルセロソルブ溶液を
スピンコーティング法にて塗布して、厚さ100nmの
記録層を形成した。
膜を蒸着法により形成した。
を、3.6m/sで回転させながら半導体レーザ(63
5nm、集光部出力7mW、周波数2kHz)を用いて
基盤裏面側から書き込みを行った。
部出力0.1mW)を読み出し光とし、基盤をとおして
の反射光を検出してスペクトラムアナライザにて、バン
ド巾30kHzでC/N比を測定した。
し、1μ秒巾、3kHzのパルスとして、静止状態で5
分間照射した後および40℃、相対湿度88%の条件下
に2500時間保存した後の、基盤裏面側からの反射率
の変化(%)を測定した。それらの結果を下記〔表2〕
に示す。
いて実施例1と同様に各光学記録媒体を作成し、分光エ
リプソメータ(M−150、日本分光(株)製)を用い
て屈折率(n)と消衰係数(k)を測定した。それらの
結果を下記〔表3〕に示す。
いて実施例1と同様に各媒体を作成し、キセノン耐候性
試験機(テーブルサン、スガ試験機(株)社製)を用い
て、50000ルクスの光を照射し、λmax における吸
光度半減期(λmax における吸光度の値が、媒体作成時
の50%まで低下するのに要する時間)を測定した。そ
れらの結果を下記〔表4〕に示す。
係る前記一般式(I)で表される化合物を用いた場合
は、従来のシアニン色素を用いた場合と比較して、書き
こみ感度に優れ、照射後および保存後の反射率の低下が
著しく小さく、またnとkのバランスが優れることか
ら、極めて信頼性の高い記録が可能となる。
存安定性および溶媒への溶解性が良好であり、かつ感度
の高いものである。
Claims (5)
- 【請求項1】 下記〔化1〕の一般式(I)で表される
化合物からなることを特徴とする光学記録材料。 【化1】 - 【請求項2】 上記一般式(I)において、R1 および
R2 の少なくとも一方がハロゲン原子である請求項1記
載の光学記録材料。 - 【請求項3】 上記一般式(I)において、R1 および
R2 の少なくとも一方がアルコキシ基である請求項1記
載の光学記録材料。 - 【請求項4】 上記一般式(I)において、R1 および
R2 の少なくとも一方がアルケニルオキシ基である請求
項1記載の光学記録材料。 - 【請求項5】 基体上に、上記一般式(I)で表される
化合物からなる薄膜を形成したことを特徴とする光学記
録媒体。
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WO2015029771A1 (ja) | 2013-08-29 | 2015-03-05 | 株式会社Adeka | 色素増感型太陽電池 |
WO2020175321A1 (ja) | 2019-02-28 | 2020-09-03 | 株式会社Adeka | 新規化合物、該化合物を含む組成物及び硬化物 |
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1998
- 1998-10-01 JP JP27997198A patent/JP4090127B2/ja not_active Expired - Fee Related
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WO2020175321A1 (ja) | 2019-02-28 | 2020-09-03 | 株式会社Adeka | 新規化合物、該化合物を含む組成物及び硬化物 |
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