JP2000090464A - 光ピックアップ及び情報再生装置 - Google Patents

光ピックアップ及び情報再生装置

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JP2000090464A
JP2000090464A JP10252196A JP25219698A JP2000090464A JP 2000090464 A JP2000090464 A JP 2000090464A JP 10252196 A JP10252196 A JP 10252196A JP 25219698 A JP25219698 A JP 25219698A JP 2000090464 A JP2000090464 A JP 2000090464A
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Japan
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light beam
max
track
detection
irradiation position
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JP10252196A
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English (en)
Inventor
Takuma Yanagisawa
琢磨 柳澤
Shiyougo Miyanabe
庄悟 宮鍋
Hiroki Kuribayashi
祐基 栗林
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Pioneer Corp
Original Assignee
Pioneer Electronic Corp
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Publication date
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    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B7/00Recording or reproducing by optical means, e.g. recording using a thermal beam of optical radiation by modifying optical properties or the physical structure, reproducing using an optical beam at lower power by sensing optical properties; Record carriers therefor
    • G11B7/12Heads, e.g. forming of the optical beam spot or modulation of the optical beam
    • G11B7/135Means for guiding the beam from the source to the record carrier or from the record carrier to the detector
    • G11B7/1353Diffractive elements, e.g. holograms or gratings

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  • Optics & Photonics (AREA)
  • Optical Recording Or Reproduction (AREA)
  • Optical Head (AREA)
  • Signal Processing For Digital Recording And Reproducing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 複数の光ビームを用いてクロストークを除去
する光ピックアップにおいて、環境温度の変化により光
源の発振波長が変化しても安定にクロストークを除去し
て情報の再生が可能な光ピックアップを提供する。 【解決手段】 二つの副ビームBS1及びBS2を用い
て、主光ビームBMを用いて情報を再生時に発生する隣
接トラックからのクロストークを除去しつつ当該情報を
再生する光ピックアップPUにおいて、レーザダイオー
ド7からの原光ビームBを主光ビームBMと二つの検出
用光ビームBS1及びBS2に分離する回折格子6の光学
材料の線膨張係数βの値が、λ0を設計温度でのレーザ
ダイオード7の発振波長、Δλを単位温度当りの発振波
長の変化量、Δtmaxを環境温度の変化許容量、L0を設
計温度での各検出用光ビームBS1及びBS2の照射位置
と主光ビームBMの照射位置との間隔、ΔLmaxを当該
間隔の変化許容量として、λ0、Δλ、Δtmax、LO
maxの各要素間の特定の関数関係であるように構成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスク等の記
録媒体に対して情報を再生する光ピックアップ並びに当
該光ピックアップを有する情報再生装置の技術分野に属
し、より詳細には、隣接する情報トラックからのいわゆ
るクロストークを除去しつつ情報の再生を行う光ピック
アップ並びに当該光ピックアップを有する情報再生装置
の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】従来、光ディスクの如く情報トラックを
形成することにより情報が記録されている記録媒体に対
して光ビームを照射し当該光ビームの反射光に基づいて
情報を再生する際には、再生すべき情報が記録されてい
る情報トラックのみに照射されるべき光ビームの照射範
囲の一部が当該情報トラックに隣接する情報トラックに
も掛かってしまう(この現象は、近年の高密度化され情
報トラック同士の間隔が狭められている記録媒体で特に
顕著である。)ことに起因して発生する隣接トラックか
らのクロストーク(すなわち、当該隣接トラック上の情
報が本来再生すべき情報トラックの情報に混入するこ
と)により当該再生すべき情報が正確に再生されない場
合がある。
【0003】そこで、このクロストークを除去するに当
たり、本来再生すべき情報トラック以外に当該情報トラ
ックに隣接する隣接トラックにも光ビームを照射(都合
三つの光ビームを照射することになる。)し、本来再生
すべき情報トラックからの反射光に基づく受光信号から
当該隣接する二つの情報トラックからの反射光に基づく
受光信号を夫々差し引いて当該クロストークを除去す
る、いわゆる3ビーム法によるクロストークの除去が行
われることがある。
【0004】ここで、当該3ビーム法によるクロストー
ク除去においては、本来ならば再生すべき情報トラック
からの受光信号とその隣接トラックからの二つの受光信
号を時間的に同時に得るべきところ、記録媒体の半径方
向に三つの光ビームを一列に並べて夫々の情報トラック
に同時に照射すると、夫々の光ビームの照射範囲が互い
に干渉してしまい、各情報トラック上の情報を正確に検
出することができないこととなる。
【0005】そこで、従来では、いわゆる回折格子(一
般には、グレーティング素子と称される場合もある。)
を用いることにより、一つの原光ビームから情報を再生
すべき主光ビームとクロストークを検出してこれを除去
するための二つの検出用光ビームとを生成し、主光ビー
ムの照射位置を中心として二つの検出用光ビームの照射
位置の夫々を前後に(情報トラックに平行な方向に)等
しくずらして配置することにより各情報トラックからの
情報を正確に検出する方法が用いられている。
【0006】そして、この場合における各光ビーム間の
時間的なずれは、夫々の受光信号を電気的に遅延させる
等の処理により解消している。
【0007】なお、上記主光ビームの照射位置と各検出
用光ビームの夫々の照射位置との間隔をLとすると、当
該間隔Lは、光源の発振波長λ、回折格子のピッチD及
び各光ビームを対応する各情報トラック上に集光する対
物レンズの焦点距離Fを用いて以下のように表すことが
できる。
【0008】
【数3】L=F×(λ/D) また、従来においては、上記回折格子に用いられる光学
材料としては、周囲の温度(以下、単に環境温度と称す
る。)の変化に対する安定性の観点から、その線膨張係
数βがなるべく小さいものを用いていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記原
光ビームを射出する光源としては、いわゆるレーザダイ
オードが用いられることが多いが、このレーザダイオー
ドは一般に温度特性が劣悪であり、環境温度が変化する
とその発振波長λも変化してしまう。
【0010】そして、当該発振波長λが変化すると、回
折格子として線膨張係数βが小さい光学材料(すなわ
ち、上記ピッチDの変化が小さい光学材料)を用いてい
たことにも起因して、上式により上記間隔Lが変化し、
その場合には、実際に各光ビームの反射光から得られる
受光信号間における時間差と、電気的に調整する時間差
とが異なることとなり、結果として正確且つ安定にクロ
ストークを除去することができないという問題点を生じ
ることとなる。
【0011】そこで、本発明は、上記の問題点に鑑みて
為されたもので、その課題は、複数の光ビームを用いて
クロストークを除去する光ピックアップにおいて、環境
温度の変化により光源の発振波長が変化しても、正確且
つ安定にクロストークを除去して情報の再生が可能な光
ピックアップ並びに当該光ピックアップを備える情報再
生装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1に記載の発明は、情報トラックを備える
光ディスク等の記録媒体に対して、一の原光ビームを分
離して得られた主光ビームと複数の検出用光ビームを照
射することにより、一の前記情報トラックである再生ト
ラックから前記主光ビームを用いて情報を再生する際に
発生する当該再生トラックに隣接する隣接トラックから
のクロストークを除去しつつ当該情報を再生する光ピッ
クアップにおいて、前記原光ビームを射出するレーザダ
イオード等の光源と、回折により前記原光ビームを分離
し、前記主光ビームと複数の前記検出用光ビームを生成
する回折格子等の回折手段と、前記記録媒体により反射
された前記主光ビームを受光して受光信号を生成するデ
ィテクタ等の受光手段と、を備え、前記回折手段を形成
する光学材料の線膨張係数βの値が、λ0を前記光ピッ
クアップの設計温度での前記光源の発振波長、Δλを単
位温度当りの前記発振波長の変化量、Δtmaxを前記光
ピックアップが用いられる環境温度の予め設定された変
化許容量、L0を前記設計温度での前記記録媒体上にお
ける前記検出用光ビームの照射位置と前記主光ビームの
照射位置との間隔、ΔLmaxを当該記録媒体上における
前記間隔の予め設定された変化許容量として、
【数4】α−Δα1≦β≦α+Δα2 … (1) 但し、 α=Δλ/λ0 Δα1={(1+α×Δtmax)×ΔLmax}/{(L0
ΔLmax)×Δtmax} Δα2={(1+α×Δtmax)×ΔLmax}/{(L0
ΔLmax)×Δtmax} であるように構成される。
【0013】よって、線膨張係数βが上記式(1)で示
される値であるので、環境温度の変化により光源におけ
る発振波長が変化しても、各検出用光ビームの照射位置
と主光ビームの照射位置との間隔の変化を許容範囲内に
収めることができ、正確且つ安定してクロストークの除
去を行うことができる。
【0014】上記の課題を解決するために、請求項2に
記載の発明は、請求項1に記載の光ピックアップにおい
て、前記線膨張係数βが、
【数5】β=α … (2) であるように構成される。
【0015】よって、線膨張係数βが上記式(2)で示
される値であるので、環境温度の変化により光源におけ
る発振波長が変化しても、各検出用光ビームの照射位置
と主光ビームの照射位置との間隔を一定とすることがで
き、正確且つ安定してクロストークの除去を行うことが
できる。
【0016】上記の課題を解決するために、請求項3に
記載の発明は、請求項1又は2に記載の光ピックアップ
において、複数の前記検出用光ビームは、前記記録媒体
上における前記主光ビームの移動について前記主光ビー
ムに先行すると共に一の前記隣接トラックである第1隣
接トラックを照射する第1検出用光ビームと、前記主光
ビームの移動について前記主光ビームに後行すると共に
前記再生トラックに対して前記第1隣接トラックと反対
側で相隣接する前記隣接トラックである第2隣接トラッ
クを照射する第2検出用光ビームと、を含んでいると共
に、前記回折手段は、前記第1検出用光ビームの照射位
置と前記主光ビームの照射位置との間隔と前記第2検出
用光ビームの照射位置と前記主光ビームの照射位置との
間隔とが相等しくなるように当該第1検出用光ビーム及
び当該第2検出用光ビームを生成するように構成され
る。
【0017】よって、三つの光ビームを用いたクロスト
ークの除去を正確且つ安定して行うことができる。
【0018】上記の課題を解決するために、請求項4に
記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の
光ピックアップにおいて、前記光学材料がジエチレング
リコールビスアリルカーボネイトであるように構成され
る。
【0019】よって、回折格子がジエチレングリコール
ビスアリルカーボネイトにより形成されているので、環
境温度の変化により光源における発振波長が変化して
も、各検出用光ビームの照射位置と主光ビームの照射位
置との間隔の変化を許容範囲内に収めることができ、正
確且つ安定してクロストークの除去を行うことができ
る。
【0020】上記の課題を解決するために、請求項5に
記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の
光ピックアップにおいて、前記光学材料がポリ−4−メ
チルペンテン−1であるように構成される。
【0021】よって、回折格子がポリ−4−メチルペン
テン−1により形成されているので、環境温度の変化に
より光源における発振波長が変化しても、各検出用光ビ
ームの照射位置と主光ビームの照射位置との間隔の変化
を許容範囲内に収めることができ、正確且つ安定してク
ロストークの除去を行うことができる。
【0022】上記の課題を解決するために、請求項6に
記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の
光ピックアップにおいて、前記光学材料がポリメチルメ
タクリレートであるように構成される。
【0023】よって、回折格子がポリメチルメタクリレ
ートにより形成されているので、環境温度の変化により
光源における発振波長が変化しても、各検出用光ビーム
の照射位置と主光ビームの照射位置との間隔の変化を許
容範囲内に収めることができ、正確且つ安定してクロス
トークの除去を行うことができる。
【0024】上記の課題を解決するために、請求項7に
記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の
光ピックアップにおいて、前記光学材料がポリカーボネ
イトであるように構成される。
【0025】よって、回折格子がポリカーボネイトによ
り形成されているので、環境温度の変化により光源にお
ける発振波長が変化しても、各検出用光ビームの照射位
置と主光ビームの照射位置との間隔の変化を許容範囲内
に収めることができ、正確且つ安定してクロストークの
除去を行うことができる。
【0026】上記の課題を解決するために、請求項8に
記載の発明は、請求項1から7のいずれか一項に記載の
光ピックアップと、各前記検出用光ビームの各前記隣接
トラックからの反射光に基づいて前記クロストークを除
去する減算器等の除去手段と、前記受光信号に基づいて
前記情報トラック上に記録されている情報を再生する復
調部等の再生手段と、を備える。
【0027】よって、環境温度の変化により光源の発振
波長が変化しても、正確且つ安定してクロストークを除
去しつつ情報を再生することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】次に、本発明に好適な実施の形態
について図面に基づいて説明する。
【0029】(I)本発明の原理 始めに、具体的な実施形態を説明する前に、本発明の原
理について説明する。
【0030】上述したように、環境温度が変化すると光
源としての例えばレーザダイオードの発振波長λが変化
する。
【0031】しかしながら、情報再生用の主光ビームと
クロストーク検出用の検出用光ビームとの間隔Lは、上
述したように、回折格子のピッチをD、対物レンズの焦
点距離をFとすると、
【数6】L=F×(λ/D) であるので、この場合に、光源の発振波長λが変化して
も、(λ/D)の項を一定に保てれば、結果として当該
間隔Lを一定に保つことができる。
【0032】すなわち、今、光ピックアップの設計温度
における発振波長をλ0、当該設計温度における回折格
子のピッチをD0とすると、この時の主光ビームの照射
位置と検出用光ビームの照射位置との間隔L0は、
【数7】L0=F×(λ0/D0) となる。
【0033】一方、環境温度が1℃変化したときの発振
波長の変化量をΔλとし、当該環境温度の変化により回
折格子が膨張又は収縮することによるピッチの変化量を
ΔDとすると、環境温度がt℃変化したときの主光ビー
ムの照射位置と検出用光ビームの照射位置との間隔L
(t)は、
【数8】 L(t) =F×(λ0+Δλ×t)/(D0+ΔD×t) =F×[λ0×{1+(Δλ/λ0)×t}]/[D0×{1+(ΔD/D0) ×t}] となる。
【0034】従って、
【数9】ΔD/D0=Δλ/λ0 … (3) が一定であれば、環境温度の変化に依らず、主光ビーム
の照射位置と検出用光ビームの照射位置との間隔を一定
に保つことができる。
【0035】ここで、一般に、ピッチの変化率(ΔD/
0)は当該回折格子の線膨張係数βで表されるから、
結局、環境温度の変化による光源の発振波長の変化率
(Δλ/λ0)と当該線膨張係数βとが等しければ、主
光ビームの照射位置と検出用光ビームの照射位置との間
隔を常に一定に保つことができるのである。
【0036】本発明は、このことを利用し、主光ビーム
と検出用光ビームとを生成する回折格子における線膨張
係数βを光源の発振波長の温度変化量と等しいように設
定することで、当該主光ビームの照射位置と検出用光ビ
ームの照射位置との間隔を一定に保つ。
【0037】(II)実施形態 次に、上記原理に基づく本発明の実施の形態について、
図1及び図2を用いて説明する。
【0038】なお、以下に説明する実施の形態は、記録
されている情報に対応するピットにより同心円状又はス
パイラル状の情報トラックを形成して当該情報を記録し
たディスク状記録媒体としての光ディスクから当該記録
情報を再生する情報再生装置に対して本発明を適用した
場合の実施形態である。
【0039】図1に示すように、実施形態の情報再生装
置Sは、光源としてのレーザダイオード7と、回折手段
としての回折格子6と、ビームスプリッタ4と、対物レ
ンズ2と、受光手段としてのディテクタ5と、三つのA
/Dコンバータ8と、遅延回路9及び10と、除去手段
としての減算器11と、再生手段としての復調部12
と、ゼロクロスサンプル抽出部13と、フィルタ係数演
算回路14と、トランスバーサルフィルタにより構成さ
れる可変係数フィルタ15及び16と、により構成され
ている。
【0040】この構成において、レーザダイオード7、
回折格子6、ビームスプリッタ4、対物レンズ2及びデ
ィテクタ5により実施形態の光ピックアップPUが形成
されている。
【0041】次に、各部の動作を説明する。
【0042】なお、光ディスク1に記録されている記録
情報は、図1に示すように、当該情報に対応する複数種
類の長さを有するピットPがその縦方向に一列に並んで
情報トラックを形成することにより記録されている。ま
た、当該光ディスク1の接線方向の回転速度をVLとす
る。
【0043】先ず、レーザダイオード7は、原光ビーム
としてのレーザ光である光ビームBを出射する。
【0044】そして、回折格子6は、光ビームBを、主
光ビームBMと第1検出用光ビームBS1と第2検出用
光ビームBS2とに分離する。
【0045】なお、本発明に係る当該回折格子6を形成
する光学材料の特性については、後程詳説する。
【0046】次に、ビームスプリッタ4は、主光ビーム
BM、第1検出用光ビームBS1及び第2検出用光ビー
ムBS2夫々の一部を透過して対物レンズ2に到達させ
る。
【0047】そして、対物レンズ2は、当該主光ビーム
BM、第1検出用光ビームBS1及び第2検出用光ビー
ムBS2を光ディスク1に照射する。
【0048】ここで、主光ビームBMは再生すべき情報
が記録されている情報トラック(以下、再生トラックと
称する。)に照射され、当該再生トラック上に中央光ス
ポットCを形成する。
【0049】また、第1検出用光ビームBS1は当該再
生トラックの一つ内側の情報トラック(以下、内側トラ
ックと称する。)に照射され、当該内側トラック上に内
側光スポットINを形成する。
【0050】更に、第2検出用光ビームBS2は当該再
生トラックの一つ外側の情報トラック(以下、外側トラ
ックと称する。)に照射され、当該外側トラック上に外
側光スポットOUTを形成する。
【0051】その後、各情報トラックに照射された主光
ビームBM、第1検出用光ビームBS1及び第2検出用
光ビームBS2は、各情報トラック上のピットPにより
強度変調されると共に光ディスク1で反射されることに
より偏波面が回転され、再び対物レンズ2を介してビー
ムスプリッタ4に到達し、当該ビームスプリッタ4によ
りディテクタ5の受光面の方向へ反射される。
【0052】次に、ディテクタ5で夫々別個独立に受光
された主光ビームBM、第1検出用光ビームBS1及び
第2検出用光ビームBS2は、夫々別個に電気信号に変
換され、夫々主光ビームBMに対応する中央検出信号S
cent、第1検出用光ビームBS 1に対応する内側検出信
号Sin及び第2検出用光ビームBS2に対応する外側検
出信号Soutとして夫々別個にA/Dコンバータ8へ出
力されてディジタル信号に変換される。
【0053】そして、ディジタル化された外側検出信号
Soutはそのまま可変係数フィルタ16に出力される。
【0054】一方、ディジタル化された中央検出信号S
centは、遅延回路9により遅延量DLで遅延された後、
減算器11に出力される。
【0055】更に、ディジタル化された内側検出信号S
inは、遅延回路10により遅延量2×DLで遅延された
後可変係数フィルタ15に出力される。
【0056】ここで、遅延回路9及び10における遅延
量DL(又は2×DL)においては、
【数10】DL=L/VL とされている。このとき、Lは内側光スポットINと中
央光スポットCとの間及び中央光スポットCと外側光ス
ポットOUTとの間の光ディスク1の情報トラックに沿
った方向の距離であり、具体的には、光ディスク1が近
年実用化されているDVDである場合には10μm乃至
20μm程度の値となる。
【0057】次に、上記遅延回路9及び10における遅
延量の設定について説明する。
【0058】すなわち、本実施形態においては、後述す
るように、減算器11において中央検出信号Scentから
内側検出信号Sinを減算することにより当該中央検出信
号Scentにおける上記内側トラックからのクロストーク
を除去すると共に、中央検出信号Scentから外側検出信
号Soutを減算することにより当該中央検出信号Scent
における上記外側トラックからのクロストークを除去し
ているが、このとき、夫々の検出信号は、上述したよう
に光ディスク1の半径方向に一直線に並んだ内側光スポ
ットIN、中央光スポットC及び外側光スポットOUT
に基づいて生成されなければならない。
【0059】しかしながら、実際の情報再生装置Sで
は、回折格子6を用いて光ビームBを分離する場合に
は、夫々の光スポットを光ディスク1の半径方向に一直
線に並べることは、上述したように各光スポット間の干
渉等により困難となる。
【0060】そこで、情報再生装置Sにおいては、先行
している内側光スポットINから生成される内側検出信
号Sinを遅延量2×DLで遅延させると共に中央光スポ
ットCから生成される中央検出信号Scentを遅延量DL
で遅延させることにより、外側光スポットOUTから外
側検出信号Soutが生成された時点で三つの検出信号を
同時に減算器11及び可変係数フィルタ15及び16に
出力することとしている。
【0061】ここで、この遅延処理期間中でも光ディス
ク1自体は速度VLで移動しているので、結局、当該遅
延処理により光ディスク1の半径方向に一直線に並ぶ位
置のピットPに基づく各検出信号が同時に減算器11に
入力されることとなり、正確に上記各クロストークが除
去されるのである。
【0062】次に、可変係数フィルタ15は、フィルタ
係数演算回路14からのフィルタ係数信号Sciに含まれ
ている後述のフィルタ係数を用いて、入力された内側検
出信号Sinをフィルタ処理することにより、内側トラッ
クからのクロストーク成分に対応する内側クロストーク
信号Sfiを生成し、減算器11に出力する。
【0063】一方、可変係数フィルタ16は、フィルタ
係数演算回路14からのフィルタ係数信号Scoに含まれ
ている後述のフィルタ係数を用いて、入力された外側検
出信号Soutをフィルタ処理することにより、外側トラ
ックからのクロストーク成分に対応する外側クロストー
ク信号Sfoを生成し、減算器11に出力する。
【0064】なお、上記可変係数フィルタ15及び16
の動作に伴うゼロクロスサンプル抽出部13及びフィル
タ係数演算回路14の動作については、後程詳述する。
【0065】次に、減算器11は、入力された内側クロ
ストーク信号Sfi、中央検出信号Scent及び外側クロス
トーク信号Sfoに基づき、中央検出信号Scentから内側
クロストーク信号Sfiの値及び外側クロストーク信号S
foの値を減算することにより、内側トラック及び外側ト
ラックからのクロストークを夫々除去し、除去信号Sd
を生成して復調部12及びゼロクロスサンプル抽出部1
3へ出力する。
【0066】これにより、復調部12は、当該除去信号
Sdを復調し、光ディスク1上の再生すべき記録情報に
対応する再生信号Ssを生成する。
【0067】次に、可変係数フィルタ15及び16の構
成について、図2を用いて説明する。
【0068】なお、可変係数フィルタ15と可変係数フ
ィルタ16とでは基本的な構成は同一であるので、以下
の説明では、これらを代表して可変係数フィルタ15の
構成について説明する。
【0069】図2に示すように、可変係数フィルタ15
は、トランスバーサルフィルタとして構成されており、
具体的には、直列にn段接続されたD型フリップフロッ
プ回路D1乃至Dnと、係数乗算器M0乃至Mnと、加
算器ADと、により構成されている。
【0070】次に、ゼロクロスサンプル抽出部13及び
フィルタ係数演算回路14の動作と共に、可変係数フィ
ルタ15の動作を説明する。
【0071】先ず、ゼロクロスサンブル抽出部13は、
上記除去信号Sdにおける連続する三つのサンプル間に
おいて、夫々のサンプル値が正から負、又は負から正へ
と推移した場合に、当該三つのサンプルのうち中央のサ
ンプル、すなわちゼロクロスサンプルを抽出し、その値
を誤差信号Seとしてフィルタ係数演算回路14に出力
する。
【0072】そして、フィルタ係数演算回路14は、上
記内側検出信号Sin及び誤差信号Seに基づいて可変係
数フィルタ15におけるフィルタ係数(図2中符号C0
〜Cn参照。)を演算し、これらを含むフィルタ係数信
号Sciを生成して可変係数フィルタ15に出力する。
【0073】これと並行して、フィルタ係数演算回路1
4は、上記外側検出信号Sout及び誤差信号Seに基づい
て可変係数フィルタ16におけるフィルタ係数を演算
し、これらを含むフィルタ係数信号Scoを生成して可変
係数フィルタ16に出力する。
【0074】ここで、フィルタ係数演算回路14は、具
体的には、例えばLMS(Least Mean Square)適応
アルゴリズムにより、上記誤差信号Seが「0」に収束
するように、上記各可変係数フィルタ15及び16用の
各フィルタ係数を逐次更新し、対応するフィルタ係数信
号Sci及びScoを生成する。
【0075】次に、これらにより、可変係数フィルタ1
5内のD型フリップフロップ回路D1乃至Dnは、ディ
ジタル化されて入力される内側検出信号Sinに対応する
入カサンプル値系列を順次シフトしつつ取り込む。
【0076】一方、可変係数フィルタ15内の係数乗算
器M0は、当該内側検出信号Sinに対応する入カサンプ
ル値系列にフィルタ係数C0を乗算して加算器ADに出
力する。
【0077】更に、可変係数フィルタ15内の係数乗算
器M1乃至Mnは、上記D型フリップフロップ回路D1
乃至Dnの夫々からの出力信号にフイルタ係数C1乃至
Cnを夫々別個に乗算し、夫々別個に加算器ADへ出力
する。
【0078】そして、可変係数フィルタ15内の加算器
ADは、上記各係数乗算器からの出力信号を全て加算
し、内側トラックからのクロストークに対応する出カサ
ンプル値系列として上記内側クロストーク信号Sfiを出
力する。
【0079】なお、上記フィルタ信号Scoに含まれるフ
ィルタ係数を用いた可変係数フィルタ16の動作は、入
力されるフィルタ係数の具体的な値が異なる以外は上述
した可変係数フィルタ15の動作と同様であるので、細
部の説明は省略する。
【0080】次に、実施形態の光ピックアップPU内の
回折格子6を形成する光学材料について説明する。
【0081】上述した原理説明において述べたように、
本実施形態では、回折格子6を形成光学材料における線
膨張係数βをレーザダイオード7の発振波長の温度変化
量(環境温度が1℃変化したときに生じる発振波長の変
化量)と等しいように設定することで、当該主光ビーム
BMの照射位置と第1検出用光ビームBS1の照射位置
又は第2検出用光ビームBS2の照射位置との間隔L
(図1参照)を一定に保つ。
【0082】従って、厳密に言えば、回折格子6の光学
材料の線膨張係数βは上記式(3)に示されるように、
当該発振波長の温度変化量Δλ/λ0と等しく設定され
るのが最も望ましい。
【0083】しかしながら、実際には、回折格子6とし
て用いることが可能な光学材料はその種類が限られてい
る。これに対して、発振波長の温度変化量は、レーザダ
イオード7を形成する材料等に起因して様々に変化す
る。
【0084】よって、実施形態の回折格子6では、厳密
に線膨張係数βをレーザダイオード7の発振波長の温度
変化量Δλ/λ0と等しくするのではなく、情報の再生
に支障のない範囲で当該線膨張係数βとして採用し得る
値の範囲を定め、この範囲内に値が存在する線膨張係数
βを有する光学材料を用いて回折格子6を形成する。
【0085】すなわち、実際に回折格子6として用いる
光学材料の線膨張係数βとしては、以下の式(4)に示
す範囲内の値に設定する。
【0086】
【数11】α−Δα1≦β≦α+Δα2 … (4) 但し、 α=Δλ/λ0 Δα1={(1+α×Δtmax)×ΔLmax}/{(L0
ΔLmax)×Δtmax} Δα2={(1+α×Δtmax)×ΔLmax}/{(L0
ΔLmax)×Δtmax} このとき、λ0は光ピックアップPUの設計温度でのレ
ーザダイオード7の発振波長であり、Δλは単位温度当
りの当該発振波長の変化量であり、Δtmaxは光ピック
アップPUが用いられる環境温度の予め設定された変化
許容量であり、L0は当該設計温度での光ディスク1上
における第1検出用光ビームBS1の照射位置又は第2
検出用光ビームBS2の照射位置と主光ビームBMの照
射位置との間隔であり、ΔLmaxは当該光ディスク1上
における当該間隔の予め設定された変化許容量である。
【0087】ここで、上記各パラメータのうち、
「λ0」及び「Δλ」はレーザダイオード7の材質等に
より予め設定されるものである。また、「L0」は第1
検出用光ビームBS1、第2検出用光ビームBS2及び主
光ビームBMの夫々の光ディスク1上における照射範囲
の広さに応じて、各光ビームが相互に干渉し合わないよ
うに設定されるものであり、光ディスク1がDVDであ
る場合には、上述したように「L0」は10μm乃至2
0μm程度とされる。
【0088】次に、パラメータΔtmaxについては、光
ピックアップPUが設置される可能性のある環境温度を
考慮して設定されるものであり、例えば、設計温度を2
5℃とすると、パラメータΔtmaxは60℃程度とされ
る(この場合に上記考慮される環境温度の範囲は、−3
5℃から85℃の範囲ということになる。)。
【0089】次に、パラメータΔLmaxの設定について
説明する。
【0090】上述したように、パラメータΔLmaxは、
光ディスク1上における第1検出用光ビームBS1の照
射位置又は第2検出用光ビームBS2の照射位置と主光
ビームBMの照射位置との間隔の変化許容量であるが、
この値は、実施形態のクロストーク除去の方法では、夫
々の光ビームにより実際に読み出した情報の内容が問題
とされるので、誤りなく情報が再生できる各光ビームの
間隔の範囲に基づいて設定される。
【0091】そして、これに加えて、パラメータΔL
maxは、可変係数フィルタ15又は16におけるトラン
スバーサルフィルタとしてのいわゆるタップ数をも考慮
して設定される。
【0092】これについて説明すると、図2に示す可変
係数フィルタ15又は16においては、一のD型フリッ
プフロップ回路における遅延量は、光ディスク1上のピ
ットPの長さの単位Tに対して、1Tの遅延量とされて
いる。
【0093】そして、このタップ数が多い場合には、第
1検出用光ビームBS1の照射位置又は第2検出用光ビ
ームBS2の照射位置と主光ビームBMの照射位置との
間隔が変化することにより一のD型フリップフロップ回
路からの出力に誤差が含まれていても、他のD型フリッ
プフロップ回路からの出力の中に読み出すべきピットP
に対応する正しい検出値が含まれているので、それらを
加算器ADにより加算することにより、内側クロストー
ク信号Sfi又は外側クロストーク信号Sfoをより正しく
生成できる確率が高くなる。
【0094】以上のことから、遅延回路9又は10にお
けるタップ数が多くなるほどパラメータΔLmaxは大き
くなり、より具体的には、光ディスク1が上記DVDの
場合を例に取ると、タップ数が1しかないときはパラメ
ータΔLmaxは約±1Tとされ、タップ数が連続3タッ
プ(図2においてn=3のとき)であるときは約±2T
とされ、タップ数が連続5タップ(図2においてn=5
のとき)であるときは約±3Tとされる。
【0095】
【実施例】次に、回折格子6として具体的に用いる光学
材料の例について図3を用いて説明する。
【0096】第1例として、パラメータλ0を0.4μ
mとし、パラメータΔλを0.08nm/℃とし、パラ
メータΔtmaxを60℃とし、パラメータΔLmaxを1T
(=0.08μm)とした場合に、パラメータL0を1
5.0μmとすると、上記式(4)より、線膨張係数β
の取り得る範囲は、
【数12】11.06×10-5(℃-1)≦β≦28.9
5×10-5(℃-1) となり、この場合には、回折格子6の材料としては、線
膨張係数βの値が11.7×10-5(℃-1)であるジエ
チレングリコールビスアリルカーボネート(商品名CR
−39)や、線膨張係数βの値が同じく11.7×10
-5(℃-1)であるポリ−4−メチルペンテン−1(商品
名TPX)等を用いることができる。
【0097】そして、実際にジエチレングリコールビス
アリルカーボネート又はポリ−4−メチルペンテン−1
により回折格子6を形成した場合(図3(a)中実線で
示す。)には、温度による第1検出用光ビームBS1
照射位置又は第2検出用光ビームBS2の照射位置と主
光ビームBMの照射位置との間隔の変化は、図3(a)
に示すように、ガラス(線膨張係数β=0)により回折
格子6を形成した場合(図3(a)中破線で示す。)に
比して、その変化量は許容範囲(すなわち、2×ΔL
maxの範囲)内に納まっている。
【0098】また、第2例として、パラメータλ0、パ
ラメータΔλ、パラメータΔtmax及びパラメータΔL
maxを第1例と同様とし、パラメータL0を10.0μm
とすると、上記式(4)より、線膨張係数βの取り得る
範囲は、
【数13】6.61×10-5(℃-1)≦β≦33.39
×10-5(℃-1) となり、この場合には、回折格子6の材料としては、線
膨張係数βの値が7×10-5(℃-1)であるPMMA
(Poly Methyl Methacrylate)や、線膨張係数βの値
が8×10-5(℃-1)であるPC(Poly Carbonate)
等をも用いることができる。
【0099】そして、実際にジエチレングリコールビス
アリルカーボネート又はポリ−4−メチルペンテン−1
により回折格子6を形成した場合(図3(b)中実線で
示す。)、PMMAにより回折格子6を形成した場合
(図3(b)中一点鎖線で示す。)及びPCにより回折
格子6を形成した場合(図3(b)中二点鎖線で示
す。)には、温度による第1検出用光ビームBS1の照
射位置又は第2検出用光ビームBS2の照射位置と主光
ビームBMの照射位置との間隔の変化は、図3(b)に
示すように、ガラスにより回折格子6を形成した場合
(図3(b)中破線で示す。)に比して、いずれもその
変化量は許容範囲内に納まっている。
【0100】これにより、環境温度の変化によりレーザ
ダイオード7の発振波長が変化しても、これを相殺して
第1検出用光ビームBS1の照射位置又は第2検出用光
ビームBS2の照射位置と主光ビームBMの照射位置と
の間隔の変化を許容範囲内とすることができる。
【0101】以上説明したように、実施形態の情報再生
装置Sの構成によれば、回折格子6を形成する光学材料
の線膨張係数βの値が、λ0を光ピックアップPUの設
計温度でのレーザダイオード7の発振波長、Δλを単位
温度当りのレーザダイオード7の発振波長の変化量、Δ
maxを光ピックアップPUが用いられる環境温度の変
化許容量、L0を設計温度での光ディスク1上における
主光ビームBMの照射位置と第1検出用光ビームBS1
の照射位置又は第2検出用光ビームBS2の照射位置と
の間隔、ΔLmaxを光ディスク1上における当該間隔の
変化許容量として、
【数14】α−Δα1≦β≦α+Δα2 但し、 α=Δλ/λ0 Δα1={(1+α×Δtmax)×ΔLmax}/{(L0
ΔLmax)×Δtmax} Δα2={(1+α×Δtmax)×ΔLmax}/{(L0
ΔLmax)×Δtmax} であるので、環境温度の変化によりレーザダイオード7
における発振波長が変化しても、主光ビームBMの照射
位置と第1検出用光ビームBS1の照射位置又は第2検
出用光ビームBS2の照射位置との間隔の変化を許容範
囲内に収めることができ、正確且つ安定してクロストー
クの除去を行うことができる。
【0102】また、線膨張係数βを、
【数15】β=Δλ/λ0 とすることができた場合には、環境温度の変化により当
該発振波長が変化しても、主光ビームBMの照射位置と
第1検出用光ビームBS1の照射位置又は第2検出用光
ビームBS2の照射位置との間隔を一定とすることがで
き、より正確且つ安定してクロストークの除去を行うこ
とができる。
【0103】更に、環境温度の変化によりレーザダイオ
ード7の発振波長が変化しても、正確且つ安定してクロ
ストークを除去しつつ情報を再生することができる。
【0104】なお、上述の実施形態においては、二つの
検出用光ビームを用いてクロストークを除去する場合に
ついて説明したが、これ以外に、三つ以上の検出用光ビ
ームを用いて三つ以上の情報トラックからの情報を検出
し、これを用いてクロストークを除去する場合におい
て、各検出用光ビームの照射位置と主光ビームの照射位
置との間隔を許容範囲内とする場合にも本発明を適用す
ることができる。
【0105】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の
発明によれば、回折手段を形成する光学材料の線膨張係
数βの値が、λ0を光ピックアップの設計温度での光源
の発振波長、Δλを単位温度当りの発振波長の変化量、
Δtmaxを光ピックアップが用いられる環境温度の変化
許容量、L0を設計温度での記録媒体上における検出用
光ビームの照射位置と主光ビームの照射位置との間隔、
ΔLmaxを記録媒体上における間隔の変化許容量とし
て、
【数16】α−Δα1≦β≦α+Δα2 但し、 α=Δλ/λ0 Δα1={(1+α×Δtmax)×ΔLmax}/{(L0
ΔLmax)×Δtmax} Δα2={(1+α×Δtmax)×ΔLmax}/{(L0
ΔLmax)×Δtmax} であるので、環境温度の変化により光源における発振波
長が変化しても、各検出用光ビームの照射位置と主光ビ
ームの照射位置との間隔の変化を許容範囲内に収めるこ
とができ、正確且つ安定してクロストークの除去を行う
ことができる。
【0106】従って、環境温度が変化した場合でも、確
実にクロストークを除去しつつ正確に記録媒体から情報
を再生することができる。
【0107】請求項2に記載の発明によれば、請求項1
に記載の発明の効果に加えて、線膨張係数βが、
【数17】β=α であるので、環境温度の変化により光源における発振波
長が変化しても、各検出用光ビームの照射位置と主光ビ
ームの照射位置との間隔を一定とすることができ、正確
且つ安定してクロストークの除去を行うことができる。
【0108】従って、環境温度が変化した場合でも、よ
り効果的にクロストークを除去しつつ正確に記録媒体か
ら情報を再生することができる。
【0109】請求項3に記載の発明によれば、請求項1
又は2に記載の発明の効果に加えて、複数の検出用光ビ
ームが、第1検出用光ビーム及び第2検出用光ビームを
含んでいると共に、回折手段が、第1検出用光ビームの
照射位置と主光ビームの照射位置との間隔と第2検出用
光ビームの照射位置と主光ビームの照射位置との間隔と
が相等しくなるように当該第1検出用光ビーム及び当該
第2検出用光ビームを生成するので、三つの光ビームを
用いたクロストークの除去を正確且つ安定して行うこと
ができる。
【0110】請求項4に記載の発明によれば、請求項1
から3のいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、回
折格子がジエチレングリコールビスアリルカーボネイト
により形成されているので、環境温度の変化により光源
における発振波長が変化しても、各検出用光ビームの照
射位置と主光ビームの照射位置との間隔の変化を許容範
囲内に収めることができ、正確且つ安定してクロストー
クの除去を行うことができる。
【0111】請求項5に記載の発明によれば、請求項1
から3のいずれか一項に記載の発明の効果に加えて回折
格子がポリ−4−メチルペンテン−1により形成されて
いるので、環境温度の変化により光源における発振波長
が変化しても、各検出用光ビームの照射位置と主光ビー
ムの照射位置との間隔の変化を許容範囲内に収めること
ができ、正確且つ安定してクロストークの除去を行うこ
とができる。
【0112】請求項6に記載の発明によれば、請求項1
から3のいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、回
折格子がポリメチルメタクリレートにより形成されてい
るので、環境温度の変化により光源における発振波長が
変化しても、各検出用光ビームの照射位置と主光ビーム
の照射位置との間隔の変化を許容範囲内に収めることが
でき、正確且つ安定してクロストークの除去を行うこと
ができる。
【0113】請求項7に記載の発明によれば、請求項1
から3のいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、回
折格子がポリカーボネイトにより形成されているので、
環境温度の変化により光源における発振波長が変化して
も、各検出用光ビームの照射位置と主光ビームの照射位
置との間隔の変化を許容範囲内に収めることができ、正
確且つ安定してクロストークの除去を行うことができ
る。
【0114】請求項8に記載の発明によれば、請求項1
から7のいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、環
境温度の変化により光源の発振波長が変化しても、正確
且つ安定してクロストークを除去しつつ情報を再生する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の情報再生装置の概要構成を示すブロ
ック図である。
【図2】実施形態の遅延回路の概要構成を示すブロック
図である
【図3】各光ビームの間隔の温度変化量を示す実施例で
あり、(a)は第1例を示す図であり、(b)は第2例
を示す図である。
【符号の説明】
1…光ディスク 2…対物レンズ 4…ビームスプリッタ 5…ディテクタ 6…回折格子 7…レーザダイオード 8…A/Dコンバータ 9、10…遅延回路 11…減算器 12…復調部 13…ゼロクロスサンプル抽出部 14…フィルタ係数演算回路 15、16…可変係数フィルタ C…中央光スポット IN…内側光スポット OUT…外側光スポット P…ピット B…光ビーム BM…主光ビーム BS1…第1検出用光ビーム BS2…第2検出用光ビーム S…情報再生装置 Sin…内側検出信号 Sout…外側検出信号 Scent…中央検出信号 Ss…再生信号 Sc…制御信号 Sd…除去信号 Sfi…内側クロストーク信号 Sfo…外側クロストーク信号 Sci、Sco…フィルタ係数信号 Se…誤差信号
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 栗林 祐基 埼玉県鶴ヶ島市富士見6丁目1番1号 パ イオニア株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 5D044 BC04 CC05 CC06 5D119 AA14 DA05 LB10 MA08

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 情報トラックを備える記録媒体に対し
    て、一の原光ビームを分離して得られた主光ビームと複
    数の検出用光ビームを照射することにより、一の前記情
    報トラックである再生トラックから前記主光ビームを用
    いて情報を再生する際に発生する当該再生トラックに隣
    接する隣接トラックからのクロストークを除去しつつ当
    該情報を再生する光ピックアップにおいて、 前記原光ビームを射出する光源と、 回折により前記原光ビームを分離し、前記主光ビームと
    複数の前記検出用光ビームを生成する回折手段と、 前記記録媒体により反射された前記主光ビームを受光し
    て受光信号を生成する受光手段と、を備え、 前記回折手段を形成する光学材料の線膨張係数βの値
    が、λ0を前記光ピックアップの設計温度での前記光源
    の発振波長、Δλを単位温度当りの前記発振波長の変化
    量、Δtmaxを前記光ピックアップが用いられる環境温
    度の予め設定された変化許容量、L0を前記設計温度で
    の前記記録媒体上における前記検出用光ビームの照射位
    置と前記主光ビームの照射位置との間隔、ΔLmaxを当
    該記録媒体上における前記間隔の予め設定された変化許
    容量として、 【数1】α−Δα1≦β≦α+Δα2 但し、 α=Δλ/λ0 Δα1={(1+α×Δtmax)×ΔLmax}/{(L0
    ΔLmax)×Δtmax} Δα2={(1+α×Δtmax)×ΔLmax}/{(L0
    ΔLmax)×Δtmax} であることを特徴とする光ピックアップ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の光ピックアップにおい
    て、 前記線膨張係数βが、 【数2】β=α であることを特徴とする光ピックアップ。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の光ピックアップ
    において、 複数の前記検出用光ビームは、 前記記録媒体上における前記主光ビームの移動について
    前記主光ビームに先行すると共に一の前記隣接トラック
    である第1隣接トラックを照射する第1検出用光ビーム
    と、 前記主光ビームの移動について前記主光ビームに後行す
    ると共に前記再生トラックに対して前記第1隣接トラッ
    クと反対側で相隣接する前記隣接トラックである第2隣
    接トラックを照射する第2検出用光ビームと、 を含んでいると共に、 前記回折手段は、前記第1検出用光ビームの照射位置と
    前記主光ビームの照射位置との間隔と前記第2検出用光
    ビームの照射位置と前記主光ビームの照射位置との間隔
    とが相等しくなるように当該第1検出用光ビーム及び当
    該第2検出用光ビームを生成することを特徴とする光ピ
    ックアップ。
  4. 【請求項4】 請求項1から3のいずれか一項に記載の
    光ピックアップにおいて、 前記光学材料がジエチレングリコールビスアリルカーボ
    ネイトであることを特徴とする光ピックアップ。
  5. 【請求項5】 請求項1から3のいずれか一項に記載の
    光ピックアップにおいて、 前記光学材料がポリ−4−メチルペンテン−1であるこ
    とを特徴とする光ピックアップ。
  6. 【請求項6】 請求項1から3のいずれか一項に記載の
    光ピックアップにおいて、 前記光学材料がポリメチルメタクリレートであることを
    特徴とする光ピックアップ。
  7. 【請求項7】 請求項1から3のいずれか一項に記載の
    光ピックアップにおいて、 前記光学材料がポリカーボネイトであることを特徴とす
    る光ピックアップ。
  8. 【請求項8】 請求項1から7のいずれか一項に記載の
    光ピックアップと、 各前記検出用光ビームの各前記隣接トラックからの反射
    光に基づいて前記クロストークを除去する除去手段と、 前記受光信号に基づいて前記情報トラック上に記録され
    ている情報を再生する再生手段と、 を備えることを特徴とする情報再生装置。
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