JP2000086999A - 接着剤組成物 - Google Patents

接着剤組成物

Info

Publication number
JP2000086999A
JP2000086999A JP11172345A JP17234599A JP2000086999A JP 2000086999 A JP2000086999 A JP 2000086999A JP 11172345 A JP11172345 A JP 11172345A JP 17234599 A JP17234599 A JP 17234599A JP 2000086999 A JP2000086999 A JP 2000086999A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
adhesive composition
polymer
crosslinkable silyl
silyl group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11172345A
Other languages
English (en)
Inventor
Nobuhiro Hasegawa
伸洋 長谷川
Masayuki Fujita
雅幸 藤田
Kenichi Kitano
健一 北野
Yoshiki Nakagawa
佳樹 中川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP11172345A priority Critical patent/JP2000086999A/ja
Publication of JP2000086999A publication Critical patent/JP2000086999A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性、耐候性、耐久性、耐水性に優れた接
着剤を提供する。 【解決手段】 架橋性シリル基を少なくとも1個有する
ビニル系重合体を主成分とする接着剤組成物を用い、硬
化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ケイ素原子に結合
した水酸基または加水分解性基を有し、シロキサン結合
を形成することにより架橋し得るケイ素含有基(以下、
架橋性シリル基とも言う)を少なくとも一個有するビニ
ル系重合体を含有してなる、接着剤組成物に関する。さ
らに詳しくは、接着耐久性の良好な弾性接着剤組成物に
関する。
【0002】
【従来の技術】ゴム材料をベースにした接着剤は被着体
の動きや衝撃、熱的ショック等を吸収する能力があるた
め、いわゆる弾性接着剤として注目を集めている。中で
も架橋性シリル基を有するポリオキシアルキレン重合体
を用いた弾性接着剤は、その優れた接着性、耐熱性、耐
候性、耐久性、取り扱い性の良さから近年幅広く用いら
れてきている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしこの架橋性シリ
ル基を有するポリオキシアルキレン重合体は、主鎖がポ
リエーテルであるため耐熱性、耐候性、耐久性の点で不
十分であり、これらの改善が望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】架橋性シリル基を少なく
とも1個有するビニル系重合体を接着剤組成物の主成分
として用いることにより、上記課題を解決することを見
出し、本発明に到達した。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明は、一般式1で示される架
橋性シリル基を少なくとも1個有するビニル系重合体を
主成分として用いる接着剤組成物である。 −[Si(R12-b(Y)bO]m−Si(R23-a(Y)a (1) {式中、R1、R2は、いずれも炭素数1〜20のアルキ
ル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20の
アラルキル基、または(R’)3SiO−(R’は炭素
数1〜20の1価の炭化水素基であって、3個のR’は
同一であってもよく、異なっていてもよい)で示される
トリオルガノシロキシ基を示し、R1またはR2が2個以
上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっ
ていてもよい。Yは水酸基または加水分解性基を示し、
Yが2個以上存在するときそれらは同一であってもよ
く、異なっていてもよい。aは0,1,2,または3
を、また、bは0,1,または2を示す。mは0〜19
の整数である。ただし、a+mb≧1であることを満足
するものとする。}上記Yで示される加水分解性基とし
ては特に限定されず、従来公知のものを用いることがで
き、具体的には、水素、ハロゲン原子、アルコキシ基、
アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド
基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシ
基等が挙げられ、加水分解性がマイルドで取り扱いやす
いという点から、アルコキシ基が特に好ましい。該加水
分解性基や水酸基は1個のケイ素原子に1〜3個の範囲
で結合することができ、a+mb、すなわち、加水分解
性基の総和は1〜5の範囲が好ましい。加水分解性基や
水酸基が架橋性ケイ素基中に2個以上結合するときは、
それらは同一であっても、異なっていてもよい。架橋性
ケイ素化合物を構成するケイ素原子は1個でもよく、2
個以上であってもよいが、シロキサン結合により連結さ
れたケイ素原子の場合は20個程度まであってもよい。
【0006】一般式1の架橋性シリル基を少なくとも1
個有するビニル系重合体の主鎖を構成するモノマーとし
ては特に制約はなく、各種のものを用いることができ
る。本発明のビニル系重合体の主鎖の製造に用いられる
ビニル系モノマーとしては特に限定されず、各種のもの
を用いることができる。例示するならば、(メタ)アク
リル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル
酸エチル、(メタ)アクリル酸−n−プロピル、(メ
タ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸−n
−n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メ
タ)アクリル酸−tert−ブチル、(メタ)アクリル
酸−n−ペンチル、(メタ)アクリル酸−n−ヘキシ
ル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アク
リル酸−n−ヘプチル、(メタ)アクリル酸−n−オク
チル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メ
タ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、
(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸フェ
ニル、(メタ)アクリル酸トルイル、(メタ)アクリル
酸ベンジル、(メタ)アクリル酸−2−メトキシエチ
ル、(メタ)アクリル酸−3−メトキシプロピル、(メ
タ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アク
リル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸
ステアリル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)
アクリル酸2−アミノエチル、γ−(メタクリロイルオ
キシプロピル)トリメトキシシラン、(メタ)アクリル
酸のエチレンオキサイド付加物、(メタ)アクリル酸ト
リフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−トリ
フルオロメチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフ
ルオロエチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフル
オロエチル−2−パーフルオロブチルエチル、(メタ)
アクリル酸2−パーフルオロエチル、(メタ)アクリル
酸パーフルオロメチル、(メタ)アクリル酸ジパーフル
オロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオ
ロメチル−2−パーフルオロエチルメチル、(メタ)ア
クリル酸2−パーフルオロヘキシルエチル、(メタ)ア
クリル酸2−パーフルオロデシルエチル、(メタ)アク
リル酸2−パーフルオロヘキサデシルエチル等の(メ
タ)アクリル酸系モノマー;スチレン、ビニルトルエ
ン、α−メチルスチレン、クロルスチレン、スチレンス
ルホン酸及びその塩等のスチレン系モノマー;パーフル
オロエチレン、パーフルオロプロピレン、フッ化ビニリ
デン等のフッ素含有ビニルモノマー;ビニルトリメトキ
シシラン、ビニルトリエトキシシラン等のケイ素含有ビ
ニル系モノマー;無水マレイン酸、マレイン酸、マレイ
ン酸のモノアルキルエステル及びジアルキルエステル;
フマル酸、フマル酸のモノアルキルエステル及びジアル
キルエステル;マレイミド、メチルマレイミド、エチル
マレイミド、プロピルマレイミド、ブチルマレイミド、
ヘキシルマレイミド、オクチルマレイミド、ドデシルマ
レイミド、ステアリルマレイミド、フェニルマレイミ
ド、シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド系モノマ
ー;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリ
ル基含有ビニル系モノマー;アクリルアミド、メタクリ
ルアミド等のアミド基含有ビニル系モノマー;酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸
ビニル、桂皮酸ビニル等のビニルエステル類;エチレ
ン、プロピレン等のアルケン類;ブタジエン、イソプレ
ン等の共役ジエン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、塩
化アリル、アリルアルコール等が挙げられる。これら
は、単独で用いても良いし、複数を共重合させても構わ
ない。なお上記表現形式で例えば(メタ)アクリル酸と
は、アクリル酸および/あるいはメタクリル酸を表す。
【0007】一般式1の架橋性シリル基を少なくとも1
個有するビニル系重合体で、上記のモノマーの中で(メ
タ)アクリル酸系モノマーを40重量%以上用いて合成
することにより得られた(メタ)アクリル系重合体が、
物性面からより好ましい。
【0008】架橋性シリル基を少なくとも1個有するビ
ニル系重合体の分子量については特に制限はないが、5
00〜100000の範囲にあるのが好ましい。分子量
が500以下であると、ビニル系重合体の本来の特性が
発現されにくく、また、100000以上であると、取
り扱いが困難になる。
【0009】架橋性シリル基を少なくとも1個有するビ
ニル系重合体の分子量分布、すなわちゲルパーミエーシ
ョンクロマトグラフィーで測定した重量平均分子量と数
平均分子量の比については特に制限はない。しかし、接
着剤組成物とした際の溶融粘度を低く抑えて取扱いを容
易にし、なおかつ十分な硬化物物性を得るためには、分
子量分布は狭いのが好ましい。分子量分布の値としては
1.8未満が好ましく、より好ましくは1.7以下、さ
らに好ましくは1.6以下、さらに好ましくは1.5以
下、さらに好ましくは1.4以下、さらに好ましくは
1.3以下である。
【0010】架橋性シリル基を少なくとも1個有するビ
ニル系重合体は、種々の重合法により得ることができ、
その方法は特に限定されない。しかし、モノマーの汎用
性、制御の容易性の点からラジカル重合法によって、直
接架橋性シリル基を導入したり、1段階あるいは数段階
の反応で架橋性シリル基に変換できる特定の官能基を有
するビニル系重合体を得、この特定の官能基を架橋性シ
リル基に変換することにより架橋性シリル基を少なくと
も1個有するビニル系重合体を得る方法がより好まし
い。
【0011】ラジカル重合法による架橋性シリル基を含
む特定の官能基を有するビニル系重合体の製造方法は、
アゾ系化合物や過酸化物などを重合開始剤としてビニル
系モノマーを重合する際に、特定の官能基を有するモノ
マーを単に共重合する「一般的なラジカル重合法」と特
定の官能基を末端などの制御された位置に導入する「制
御ラジカル重合法」に分類できる。
【0012】「制御ラジカル重合法」は、特定の官能基
を有する連鎖移動剤を用いることにより末端に官能基を
有するビニル系重合体を得る「連鎖移動剤法」と開始剤
末端が停止反応などを起こさずに生長することによりほ
ぼ設計どおりの分子量の重合体を得る「リビングラジカ
ル重合法」に分類できる。
【0013】「一般的なラジカル重合法」は、簡便な方
法ではあり本発明でも使用可能であるが、特定の官能基
を有するモノマーは確率的にしか重合体中に導入されな
いので、官能化率の高い重合体を得ようとした場合に
は、このモノマーをかなり大量に使う必要があり、逆に
少量ではこの特定の官能基が導入されない重合体の割合
が大きくなるため、特定の官能基を有する重合体を得る
ことは可能であるが、問題点もある。
【0014】「連鎖移動剤法」においても、官能化率の
高い重合体を得ることは可能であり、本発明でも使用可
能であるが、その場合には開始剤に対してかなり大量の
特定の官能基を有する連鎖移動剤が必要であり、処理も
含めて経済面で問題がある。また上記の一般的なラジカ
ル重合法と同様、分子量分布が広く、粘度の高い重合体
しか得られないという問題点もある。
【0015】リビング重合とは狭義においては、末端が
常に活性を持ち続けて分子鎖が生長していく重合のこと
を示すが、一般には、末端が不活性化されたものと活性
化されたものが平衡状態にありながら生長していく擬リ
ビング重合も含まれる。本発明における定義も後者であ
る。「リビングラジカル重合法」は近年様々なグループ
で積極的に研究がなされている。その例としては、コバ
ルトポルフィリン錯体(J.Am.Chem.Soc.
1994、116、7943)やニトロキシド化合物な
どのラジカル捕捉剤を用いるもの(Macromole
cules、1994、27、7228)、有機ハロゲ
ン化物等を開始剤とし遷移金属錯体を触媒とする「原子
移動ラジカル重合」(Atom Transfer R
adical Polymerization:ATR
P)などがあげられる。重合速度が高く、ラジカル同士
のカップリングなどによる停止反応が起こりやすく、制
御の難しいとされるラジカル重合でありながら、リビン
グラジカル重合では停止反応が起こりにくいため、分子
量分布の狭い(Mw/Mn=1.1〜1.5)重合体が
得られるとともに、モノマーと開始剤の仕込み比によっ
て分子量は自由にコントロールすることができる。
【0016】「リビングラジカル重合法」は、その特性
上、分子量分布が狭く、粘度が低い重合体を得ることが
できる上に、特定の官能基を有するモノマーを重合体の
ほぼ任意の位置に導入可能であることから、特定の官能
基を有するビニル系重合体の製造方法としてはより好ま
しい。
【0017】「リビングラジカル重合法」の中でも、有
機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル化合物を
開始剤、遷移金属錯体を触媒としてビニル系モノマーを
重合する「原子移動ラジカル重合法」(例えば、Mat
yjaszewskiら、J.Am.Chem.So
c.1995,117,5614,Macromole
cules 1995,28,7901,Scienc
e 1996,272,866、あるいはSawamo
toら、Macromolecules 1995,2
8,1721を参照)は、上記の「リビングラジカル重
合法」の特徴に加えて、官能基変換反応に比較的有利な
ハロゲン等を末端に有し、開始剤や触媒の設計の自由度
が大きいことから、特定の官能基を有するビニル系重合
体の製造方法としてはさらに好ましい。
【0018】この原子移動ラジカル重合では、有機ハロ
ゲン化物、特に反応性の高い炭素−ハロゲン結合を有す
る有機ハロゲン化物(例えば、α位にハロゲンを有する
カルボニル化合物や、ベンジル位にハロゲンを有する化
合物)、あるいはハロゲン化スルホニル化合物が開始剤
として用いられる。
【0019】上記原子移動ラジカル重合の触媒として用
いられる遷移金属錯体としては、周期表第7族、8族、
9族、10族、11族元素を中心金属とする錯体が用い
ることができる。好ましいものとしては、0価の銅、1
価の銅、2価のルテニウム、2価の鉄又は2価のニッケ
ルの錯体が挙げられる。なかでも、銅の錯体が好まし
い。1価の銅化合物を具体的に例示するならば、塩化第
一銅、臭化第一銅、ヨウ化第一銅、シアン化第一銅、酸
化第一銅、過塩素酸第一銅等である。銅化合物を用いる
場合、触媒活性を高めるために2,2′−ビピリジル及
びその誘導体、1,10−フェナントロリン及びその誘
導体、テトラメチルエチレンジアミン、ペンタメチルジ
エチレントリアミン、ヘキサメチルトリス(2−アミノ
エチル)アミン等のポリアミン等の配位子が添加され
る。また、2価の塩化ルテニウムのトリストリフェニル
ホスフィン錯体(RuCl2(PPh33)も触媒とし
て好適である。ルテニウム化合物を触媒として用いる場
合は、活性化剤としてアルミニウムアルコキシド類が添
加される。更に、2価の鉄のビストリフェニルホスフィ
ン錯体(FeCl2(PPh32)、2価のニッケルの
ビストリフェニルホスフィン錯体(NiCl2(PP
32)、及び、2価のニッケルのビストリブチルホス
フィン錯体(NiBr2(PBu32)も、触媒として
好適である。
【0020】この重合において用いられるビニル系のモ
ノマーとしては特に制約はなく、既に例示したものをす
べて好適に用いることができる。
【0021】上記重合反応は、無溶剤又は各種の溶剤中
で行うことができる。溶剤としては、例えば、ベンゼ
ン、トルエン等の炭化水素系溶媒;ジエチルエーテル、
テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒;塩化メチレ
ン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素系溶媒;アセ
トン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等
のケトン系溶媒;メタノール、エタノール、プロパノー
ル、イソプロパノール、n−ブチルアルコール、ter
t−ブチルアルコール等のアルコール系溶媒;アセトニ
トリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリ
ル系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶
媒;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等
のカーボネート系溶媒等が挙げられる。これらは、単独
又は2種以上を混合して用いることができる。また、上
記重合は、0〜200℃の範囲で行うことができ、好ま
しくは、室温〜150℃の範囲である。
【0022】一般式1で示される架橋性シリル基を少な
くとも1個有するビニル系重合体は、以下に例示する方
法を利用して得ることが可能であるがこれらに限定され
るわけではない。
【0023】架橋性シリル基を少なくとも1個有するビ
ニル系重合体の合成方法としては、(A)アルケニル基
を少なくとも1個有するビニル系重合体に架橋性シリル
基を有するヒドロシラン化合物を、ヒドロシリル化触媒
存在下に付加させる方法(B)水酸基を少なくとも1個
有するビニル系重合体に一分子中に架橋性シリル基とイ
ソシアネート基のような水酸基と反応し得る基を有する
化合物を反応させる方法(C)ラジカル重合によりビニ
ル系重合体を合成する際に、1分子中に重合性のアルケ
ニル基と架橋性シリル基を併せ持つ化合物を反応させる
方法(D)ラジカル重合によりビニル系重合体を合成す
る際に、架橋性シリル基を有する連鎖移動剤を用いる方
法(E)反応性の高い炭素−ハロゲン結合を少なくとも
1個有するビニル系重合体に1分子中に架橋性シリル基
と安定なカルバニオンを有する化合物を反応させる方
法;などがあげられる。
【0024】(A)の方法で用いるアルケニル基を少な
くとも1個有するビニル系重合体は種々の方法で得られ
る。以下に合成方法を例示するが、これらに限定される
わけではない。
【0025】(A−a)ラジカル重合によりビニル系重
合体を合成する際に、例えば下記の一般式2に挙げられ
るような一分子中に重合性のアルケニル基と重合性の低
いアルケニル基を併せ持つ化合物を第2のモノマーとし
て反応させる方法。 H2C=C(R3)−R4−R5−C(R6)=CH2 (2) (式中、R3は水素またはメチル基を示し、R4は−C
(O)O−、またはo−,m−,p−フェニレン基を示
し、R5は直接結合、または炭素数1〜20の2価の有
機基を示し、1個以上のエーテル結合を含んでいてもよ
い。R6は水素、または炭素数1〜10のアルキル基、
炭素数6〜10のアリール基または炭素数7〜10のア
ラルキル基を示す)なお、一分子中に重合性のアルケニ
ル基と重合性の低いアルケニル基を併せ持つ化合物を反
応させる時期に制限はないが、特にリビングラジカル重
合で、ゴム的な性質を期待する場合には重合反応の終期
あるいは所定のモノマーの反応終了後に、第2のモノマ
ーとして反応させるのが好ましい。
【0026】(A−b)リビングラジカル重合によりビ
ニル系重合体を合成する際に、重合反応の終期あるいは
所定のモノマーの反応終了後に、例えば1,5−ヘキサ
ジエン、1,7−オクタジエン、1,9−デカジエンな
どのような重合性の低いアルケニル基を少なくとも2個
有する化合物を反応させる方法。
【0027】(A−c)反応性の高い炭素−ハロゲン結
合を少なくとも1個有するビニル系重合体に、例えばア
リルトリブチル錫、アリルトリオクチル錫などの有機錫
のようなアルケニル基を有する各種の有機金属化合物を
反応させてハロゲンを置換する方法。
【0028】(A−d)反応性の高い炭素−ハロゲン結
合を少なくとも1個有するビニル系重合体に、一般式3
に挙げられるようなアルケニル基を有する安定化カルバ
ニオンを反応させてハロゲンを置換する方法。 M+C−(R7)(R8)−R9−C(R6)=CH2 (3) (式中、R6は上記に同じ、R7、R8はともにカルバニ
オンC−を安定化する電子吸引基であるか、または一方
が前記電子吸引基で他方が水素または炭素数1〜10の
アルキル基、またはフェニル基を示す。R9は直接結
合、または炭素数1〜10の2価の有機基を示し、1個
以上のエーテル結合を含んでいてもよい。M+はアルカ
リ金属イオン、または4級アンモニウムイオンを示す)
7、R8の電子吸引基としては、−CO2R、−C
(O)Rおよび−CNの構造を有するものが特に好まし
い。
【0029】(A−e)反応性の高い炭素−ハロゲン結
合を少なくとも1個有するビニル系重合体に、例えば亜
鉛のような金属単体あるいは有機金属化合物を作用させ
てエノレートアニオンを調製し、しかる後にハロゲンや
アセチル基のような脱離基を有するアルケニル基含有化
合物、アルケニル基を有するカルボニル化合物、アルケ
ニル基を有するイソシアネート化合物、アルケニル基を
有する酸ハロゲン化物等の、アルケニル基を有する求電
子化合物と反応させる方法。
【0030】(A−f)反応性の高い炭素−ハロゲン結
合を少なくとも1個有するビニル系重合体に、例えば一
般式4あるいは5に示されるようなアルケニル基を有す
るオキシアニオンあるいはカルボキシレートアニオンを
反応させてハロゲンを置換する方法。 H2C=C(R6)−R10−O−M+ (4) (式中、R6、M+は上記に同じ。R10は炭素数1〜2
0の2価の有機基で1個以上のエーテル結合を含んでい
てもよい) H2C=C(R6)−R11−C(O)O−M+ (5) (式中、R6、M+は上記に同じ。R11は直接結合、ま
たは炭素数1〜20の2価の有機基で1個以上のエーテ
ル結合を含んでいてもよい)などが挙げられる。
【0031】上述の反応性の高い炭素−ハロゲン結合を
少なくとも1個有するビニル系重合体の合成法は例とし
て、(E−a)ラジカル重合において特開平4−132
706に示されるような、例えば四塩化炭素、塩化エチ
レン、四臭化炭素、臭化メチレンようなハロゲン化物を
連鎖移動剤に用いる方法(連鎖移動剤法)。
【0032】(E−b)前述のような有機ハロゲン化物
等を開始剤とし、遷移金属錯体を触媒とする原子移動ラ
ジカル重合法;などが挙げられるがこれらに限定される
わけではない。
【0033】またアルケニル基を少なくとも1個有する
ビニル系重合体は、水酸基を少なくとも1個有するビニ
ル系重合体から得ることも可能であり、以下に例示する
方法が利用できるがこれらに限定されるわけではない。
水酸基を少なくとも1個有するビニル系重合体の水酸基
に、(A−g)ナトリウムメトキシドのような塩基を作
用させ、塩化アリルのようなアルケニル基含有ハロゲン
化物と反応させる方法。
【0034】(A−h)アリルイソシアネート等のアル
ケニル基含有イソシアネート化合物を反応させる方法。
【0035】(A−i)(メタ)アクリル酸クロリドの
ようなアルケニル基含有酸ハロゲン化物をピリジン等の
塩基存在下に反応させる方法。
【0036】(A−j)アクリル酸等のアルケニル基含
有カルボン酸を酸触媒の存在下に反応させる方法;等が
挙げられる。
【0037】本発明では(A−a)(A−b)のような
アルケニル基を導入する方法にハロゲンが直接関与しな
い場合には、リビングラジカル重合法を用いてビニル系
重合体を合成することが好ましい。制御がより容易であ
る点から(A−b)の方法がさらに好ましい。
【0038】反応性の高い炭素−ハロゲン結合を少なく
とも1個有するビニル系重合体のハロゲンを変換するこ
とによりアルケニル基を導入する場合は、反応性の高い
炭素−ハロゲン結合を少なくとも1個有する有機ハロゲ
ン化物、またはハロゲン化スルホニル化合物を開始剤、
遷移金属錯体を触媒としてビニル系モノマーをラジカル
重合すること(原子移動ラジカル重合法)により得る、
末端に反応性の高い炭素−ハロゲン結合を少なくとも1
個有するビニル系重合体を用いるのが好ましい。制御が
より容易である点から(A−f)の方法がさらに好まし
い。
【0039】また、架橋性シリル基を有するヒドロシラ
ン化合物としては特に制限はないが、代表的なものを示
すと、一般式6で示される化合物が例示される。 H−[Si(R12-b(Y)bO]m−Si(R23-a(Y)a (6) (式中、R1、R2、a、b、m、Yは前記に同じ。)こ
れらヒドロシラン化合物の中でも、特に一般式7 H−Si(R23-a(Y)a (7) (式中、R2、Y、aは前記に同じ)で示される架橋性
基を有する化合物が入手容易な点から好ましい。
【0040】上記の架橋性シリル基を有するヒドロシラ
ン化合物をアルケニル基に付加させる際には、遷移金属
触媒が通常用いられる。 遷移金属触媒としては、例え
ば、白金単体、アルミナ、シリカ、カーボンブラック等
の担体に白金固体を分散させたもの、塩化白金酸、塩化
白金酸とアルコール、アルデヒド、ケトン等との錯体、
白金−オレフィン錯体、白金(0)−ジビニルテトラメ
チルジシロキサン錯体が挙げられる。白金化合物以外の
触媒の例としては、RhCl(PPh33,RhC
3,RuCl3,IrCl3,FeCl3,AlCl3
PdCl2・H2O,NiCl2,TiCl4等が挙げられ
る。
【0041】(B)および(A−g)〜(A−j)の方
法で用いる水酸基を少なくとも1個有するビニル系重合
体の製造方法は以下のような方法が例示されるが、これ
らの方法に限定されるものではない。
【0042】(B−a)ラジカル重合によりビニル系重
合体を合成する際に、例えば下記の一般式8に挙げられ
るような一分子中に重合性のアルケニル基と水酸基を併
せ持つ化合物を第2のモノマーとして反応させる方法。 H2C=C(R3)−R4−R5−OH (8) (式中、R3、R4、R5は上記に同じ) なお、一分子中に重合性のアルケニル基と水酸基を併せ
持つ化合物を反応させる時期に制限はないが、特にリビ
ングラジカル重合で、ゴム的な性質を期待する場合には
重合反応の終期あるいは所定のモノマーの反応終了後
に、第2のモノマーとして反応させるのが好ましい。
【0043】(B−b)リビングラジカル重合によりビ
ニル系重合体を合成する際に、重合反応の終期あるいは
所定のモノマーの反応終了後に、例えば10−ウンデセ
ノール、5−ヘキセノール、アリルアルコールのような
アルケニルアルコールを反応させる方法。
【0044】(B−c)例えば特開平5−262808
に示される水酸基含有ポリスルフィドのような水酸基含
有連鎖移動剤を多量に用いてビニル系モノマーをラジカ
ル重合させる方法。
【0045】(B−d)例えば特開平6−23991
2、特開平8−283310に示されるような過酸化水
素あるいは水酸基含有開始剤を用いてビニル系モノマー
をラジカル重合させる方法。
【0046】(B−e)例えば特開平6−116312
に示されるようなアルコール類を過剰に用いてビニル系
モノマーをラジカル重合させる方法。
【0047】(B−f)例えば特開平4−132706
などに示されるような方法で、反応性の高い炭素−ハロ
ゲン結合を少なくとも1個に有するビニル系重合体のハ
ロゲンを加水分解あるいは水酸基含有化合物と反応させ
ることにより、末端に水酸基を導入する方法。
【0048】(B−g)反応性の高い炭素−ハロゲン結
合を少なくとも1個有するビニル系重合体に、一般式9
に挙げられるような水酸基を有する安定化カルバニオン
を反応させてハロゲンを置換する方法。 M+C−(R7)(R8)−R9−OH (9) (式中、R7、R8、R9、は上記に同じ) R7、R8の電子吸引基としては、−CO2R、−C
(O)Rおよび−CNの構造を有するものが特に好まし
い。
【0049】(B−h)反応性の高い炭素−ハロゲン結
合を少なくとも1個有するビニル系重合体に、例えば亜
鉛のような金属単体あるいは有機金属化合物を作用させ
てエノレートアニオンを調製し、しかる後にアルデヒド
類、又はケトン類を反応させる方法。
【0050】(B−i)反応性の高い炭素−ハロゲン結
合を少なくとも1個有するビニル系重合体に、例えば一
般式10あるいは11に示されるような水酸基を有する
オキシアニオンあるいはカルボキシレートアニオンを反
応させてハロゲンを置換する方法。 HO−R10−O−M+ (10) (式中、R10およびM+は前記に同じ) HO−R11−C(O)O−M+ (11) (式中、R11およびM+は前記に同じ) 等が挙げられる。
【0051】本発明では(B−a)〜(B−e)のよう
な水酸基を導入する方法にハロゲンが直接関与しない場
合には、リビングラジカル重合法を用いてビニル系重合
体を合成することが好ましい。制御がより容易である点
から(B−b)の方法がさらに好ましい。
【0052】反応性の高い炭素−ハロゲン結合を少なく
とも1個有するビニル系重合体のハロゲンを変換するこ
とにより水酸基を導入する場合は、有機ハロゲン化物、
またはハロゲン化スルホニル化合物を開始剤、遷移金属
錯体を触媒としてビニル系モノマーをラジカル重合する
こと(原子移動ラジカル重合法)により得る、末端に反
応性の高い炭素−ハロゲン結合を少なくとも1個有する
ビニル系重合体を用いるのが好ましい。制御がより容易
である点から(B−i)の方法がさらに好ましい。
【0053】また、一分子中に架橋性シリル基とイソシ
アネート基のような水酸基と反応し得る基を有する化合
物としては、例えばγ−イソシアナートプロピルトリメ
トキシシラン、γ−イソシアナートプロピルメチルジメ
トキシシラン、γ−イソシアナートプロピルトリエトキ
シシラン等が挙げられ、必要により一般に知られている
ウレタン化反応の触媒を使用できる。
【0054】(C)の方法で用いる一分子中に重合性の
アルケニル基と架橋性シリル基を併せ持つ化合物として
は、例えばトリメトキシシリルプロピル(メタ)アクリ
レート、メチルジメトキシシリルプロピル(メタ)アク
リレートなどのような、下記一般式12で示すものが挙
げられる。 H2C=C(R3)−R4−R12−[Si(R12-b(Y)bO]m−Si(R23- a (Y)a (12) (式中、R1、R2、R3、R4、Y、a、b、mは上記に
同じ。R12は、直接結合、または炭素数1〜20の2価
の有機基で1個以上のエーテル結合を含んでいてもよ
い。) 一分子中に重合性のアルケニル基と架橋性シリル基を併
せ持つ化合物を反応させる時期に特に制限はないが、特
にリビングラジカル重合で、ゴム的な性質を期待する場
合には重合反応の終期あるいは所定のモノマーの反応終
了後に、第2のモノマーとして反応させるのが好まし
い。
【0055】(D)の連鎖移動剤法で用いられる、架橋
性シリル基を有する連鎖移動剤としては例えば特公平3
−14068、特公平4−55444に示される、架橋
性シリル基を有するメルカプタン、架橋性シリル基を有
するヒドロシランなどが挙げられる。
【0056】(E)の方法で用いられる、反応性の高い
炭素−ハロゲン結合を少なくとも1個有するビニル系重
合体は前述のとおり(E−a)〜(E−b)の方法で得
ることができる。一分子中に架橋性シリル基と安定化カ
ルバニオンを併せ持つ化合物としては一般式13で示す
ものが挙げられる。 M+C−(R7)(R8)−R13−C(H)(R14)−CH2−[Si(R12-b (Y)bO]m−Si(R23-a(Y)a (13) (式中、R1、R2、R7、R8、Y、a、b、m、は前記
に同じ。R13は直接結合、または炭素数1〜10の2価
の有機基で1個以上のエーテル結合を含んでいてもよ
い、R14は水素、または炭素数1〜10のアルキル基、
炭素数6〜10のアリール基または炭素数7〜10のア
ラルキル基を示す。) R7、R8の電子吸引基としては、−CO2R、−C
(O)Rおよび−CNの構造を有するものが特に好まし
い。
【0057】また、架橋性シリル基が少なくとも1個分
子鎖の末端に有するビニル系重合体を、有機ハロゲン化
物、またはハロゲン化スルホニル化合物を開始剤、遷移
金属錯体を触媒として用いる重合法で得るためには、開
始点となる反応性の高い炭素−ハロゲン結合を2個以上
有する有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル
化合物を開始剤として用いるのが好ましい。それらの具
体例としては、
【0058】
【化1】 (式中、Rは炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜
20アリール基、または炭素数7〜20アラルキル基を
表す。C64は、フェニレン基を表す。nは0〜20の
整数を表す。Xは塩素、臭素、またはヨウ素を表す。)
【0059】
【化2】 (式中、Xは塩素、臭素またはヨウ素を表す。nは0〜
20の整数を表す。C64は、フェニレン基を表す。)
等があげられる。
【0060】架橋性シリル基を少なくとも1個分子鎖の
末端に有するビニル系重合体は上記のほかにも、得るこ
とができる。
【0061】架橋性シリル基を有する有機ハロゲン化物
を開始剤として用いれば、片末端に架橋性シリル基を有
し、他の末端が一般式2の構造を有するビニル系重合体
が得られる。このようにして得られる重合体の停止末端
のハロゲンを架橋性シリル基含有置換基に変換すれば、
両末端に架橋性シリル基を有するビニル系重合体を得る
ことができる。その変換方法としては、既に記載した方
法を使用することができる。
【0062】架橋性シリル基を有する有機ハロゲン化物
としては特に制限はないが、例えば一般式14、15に
示す構造を有するものが例示される。 R1516C(X)−R17−R18−C(H)(R19)CH2−[Si(R12-b( Y)bO]m−Si(R23-a(Y)a (14) (式中、R1、R2、a、b、m、X、Yは上記に同じ。
15、R16は、独立して水素、または炭素数1〜20の
アルキル基、炭素数6〜20のアリール基、または炭素
数7〜20のアラルキル基、または他端において相互に
連結したもの、R 17は−C(O)O−、−C(O)−、
または、o−,m−,p−フェニレン基を示す。R18
直接結合、または炭素数1〜10の2価の有機基で1個
以上のエーテル結合を含んでいてもよい、R19は水素、
または炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10の
アリール基または炭素数7〜10のアラルキル基を示
す。) (R23-a(Y)aSi−[OSi(R12-b(Y)bm−CH2−C(H)(R 19 )−R18−C(R15)(X)−R17−R16 (15) (式中、R1、R2、R15、R16、R17、R18、R19
a、b、m、X、Yは上記に同じ) 架橋性シリル基を有する有機ハロゲン化物を開始剤とし
て用いると、片末端が架橋性シリル基、他の末端がハロ
ゲンである重合体が得られるが、この重合体のハロゲン
を置換できる、同一または異なった官能基を合計2個以
上有する化合物を用いて、ハロゲン末端どうしをカップ
リングさせることによっても、両末端に架橋性シリル基
を有するビニル系重合体を得ることができる。
【0063】末端ハロゲンを置換できる、同一または異
なった官能基を合計2個以上有する化合物としては特に
制限はないが、ポリオール、ポリアミン、ポリカルボン
酸、ポリチオール、およびそれらの塩、アルカリ金属硫
化物等が好ましい。
【0064】アルケニル基を有する有機ハロゲン化物を
開始剤に用いれば、片末端にアルケニル基を有し、他の
末端がハロゲンである重合体が得られる。このようにし
て得られる重合体の末端のハロゲンをアルケニル含有置
換基に変換すれば、両末端にアルケニル基を有するビニ
ル系重合体を得ることができ、このアルケニル基を上述
の方法などで架橋性シリル基に変換すれば、両末端に架
橋性シリル基を有するビニル系重合体を得ることができ
る。
【0065】ゴム的な性質が要求される用途において
は、ゴム弾性に大きな影響を与える架橋点間分子量が大
きくとれるため、架橋性シリル基の少なくとも1個は分
子鎖の末端にあることが好ましく、全て分子鎖末端にあ
るのがさらに好ましい。
【0066】従って、架橋性シリル基の少なくとも1個
有するビニル系重合体を合成する際に用いる、水酸基、
ハロゲンあるいはアルケニル基を少なくとも1個有する
ビニル系重合体は、これらの官能基が分子鎖の末端に存
在するものであることが好ましい。
【0067】架橋性シリル基を少なくとも1個有するビ
ニル系重合体、中でも(メタ)アクリル系重合体を製造
する方法は、例えば特公平3−14068、特公平4−
55444、特開平6−211922などに開示されて
いるが、これらの方法は「連鎖移動剤法」を用いている
ので、これらの架橋性シリル基は比較的高い割合で末端
に存在するが、得られる重合体の分子量分布が一般的に
は2以上と広く、粘度が高くなるという問題がある。従
って分子量分布の狭い、粘度の低い、高い割合で末端に
架橋性シリル基を有するビニル系重合体を得るにはリビ
ングラジカル重合法を用いるのが好ましい。
【0068】接着促進剤は、本発明による重合体自体が
ガラス、ガラス以外のセラミック類、金属等に対して接
着性を有するものの、より安定的な接着性を得るために
用いるのが好ましい。接着促進剤としては、フェノー
ル、クレゾール、キシレノール、レゾルシノール、アル
キルフェノール、変性フェノール(たとえば、カシュー
オイル変性フェノール、トールオイル変性フェノールな
ど)などのフェノール系化合物とホルマリン、パラホル
ムアルデヒドなどのアルデヒド系化合物との反応により
得られるレゾール型またはノボラック型のフェノール樹
脂;硫黄;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェ
ノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、
ビスフェノールAプロピレンオキシド付加物のグリシジ
ルエーテル型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂などのエポキシ樹脂;テトラブチルチタネー
トなどのアルキルチタネート類、トリレンジイソシアネ
ート、ジフェニルメタンジイソシアネートなどの芳香族
ポリイソシアネート;γ−アミノプロピルトリメトキシ
シラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−
アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(β−ア
ミノエチル)―γ−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、N−(β−アミノエチル)―γ−アミノプロピルト
リエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)―γ−ア
ミノプロピルメチルジメトキシシランなどのような一分
子中にアミノ基と架橋性シリル基有する化合物;γ−グ
リシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシド
キシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプ
ロピルメチルジメトキシシランなどのような一分子中に
エポキシ基と架橋性シリル基有する化合物;γ−メルカ
プトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロ
ピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチ
ルジメトキシシランなどのような一分子中にメルカプト
基と架橋性シリル基有する化合物;γ−イソシアナート
プロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアナートプロ
ピルトリエトキシシラン、γ−イソシアナートプロピル
メチルジメトキシシランなどのような一分子中にイソシ
アナート基と架橋性シリル基有する化合物;上記のよう
な一分子中にアミノ基と架橋性シリル基有する化合物と
一分子中にエポキシ基と架橋性シリル基有する化合物あ
るいは一分子中にイソシアナート基と架橋性シリル基有
する化合物の反応物;γ−(メタ)アクリロキシプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロ
ピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプ
ロピルメチルジメトキシシランなどのような一分子中に
(メタ)アクリロキシ基と架橋性シリル基有する化合物
と上記のような一分子中にアミノ基と架橋性シリル基有
する化合物の反応物;などが挙げられる。これらは単独
で使用しても2種類以上併用しても良い。なかでも物性
および接着性の制御が比較的容易な一分子中にアミノ基
と架橋性シリル基有する化合物、一分子中にエポキシ基
と架橋性シリル基有する化合物、一分子中にメルカプト
基と架橋性シリル基有する化合物、一分子中にアミノ基
と架橋性シリル基有する化合物と一分子中にエポキシ基
と架橋性シリル基有する化合物の反応物、一分子中に
(メタ)アクリロキシ基と架橋性シリル基有する化合物
と一分子中にアミノ基と架橋性シリル基有する化合物の
反応物などのような一分子中に炭素および水素以外の原
子を有する有機基と架橋性シリル基を有する化合物が好
ましい。接着性の高さから、上記の炭素および水素以外
の原子を有する有機基がアミノ基、イソシアネート基あ
るいはこれらが反応することにより生成する基である含
窒素有機基である、一分子中に含窒素有機基と架橋性シ
リル基を有する化合物がさらに好ましい。
【0069】上記接着促進剤は、架橋性シリル基を少な
くとも1個有するビニル系重合体100重量部に対し、
0.01から20重量部使用されるのが好ましい。0.
01重量部では接着性の改善効果が発現しにくく、20
重量部越えると硬化物の物性に悪影響を与える。接着促
進剤の添加量は、好ましくは0.1〜10重量部、さら
に好ましくは0.5〜5重量部である。
【0070】本発明の組成物を硬化させるにあたっては
縮合触媒を使用してもしなくてもよい。縮合触媒として
はテトラブチルチタネート、テトラプロピルチタネート
等のチタン酸エステル;ジブチル錫ジラウレート、ジブ
チル錫ジアセチルアセトナート、ジブチル錫マレエー
ト、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジメトキシ
ド、ジブチル錫オキシドとカルボン酸エステルあるいは
カルボン酸あるいは水酸基含有化合物の反応物、オクチ
ル酸錫、ナフテン酸錫等の有機錫化合物;オクチル酸
鉛、ブチルアミン、オクチルアミン、ジブチルアミン、
モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタ
ノールアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテ
トラミン、オレイルアミン、オクチルアミン、シクロヘ
キシルアミン、ベンジルアミン、ジエチルアミノプロピ
ルアミン、キシリレンジアミン、トリエチレンジアミ
ン、グアニジン、ジフェニルグアニジン、2,4,6−
トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、モルホリ
ン、N−メチルモルホリン、1,3−ジアザビシクロ
(5,4,6)ウンデセン−7等のアミン系化合物ある
いはそれらのカルボン酸塩;ラウリルアミンとオクチル
酸錫の反応物あるいは混合物のようなアミン系化合物と
有機錫化合物との反応物および混合物;過剰のポリアミ
ンと多塩基酸から得られる低分子量ポリアミド樹脂;過
剰のポリアミンとエポキシ化合物の反応生成物;アミノ
基を有するシランカップリング剤、例えば、γ−アミノ
プロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチ
ル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン等の公知の
シラノール触媒1種または2種以上を必要に応じて用い
ればよい。使用量は末端に架橋性シリル基を有するビニ
ル系重合体に対し、0〜10重量%で使用するのが好ま
しい。加水分解性基Yとしてアルコキシ基が使用される
場合は、この重合体のみでは硬化速度が遅いので、硬化
触媒を使用することが好ましい。
【0071】本発明の接着剤組成物には、機械物性の調
整を目的として、各種の充填材を配合することができ
る。充填材としてはフュームドシリカ、沈降性シリカ、
無水ケイ酸、含水ケイ酸およびカーボンブラックのよう
な補強性充填材;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、
ケイソウ土、焼成クレー、クレー、タルク、酸化チタ
ン、ベントナイト、有機ベントナイト、酸化第二鉄、酸
化亜鉛、活性亜鉛華およびシラスバルーンなどのような
充填材;石綿、ガラス繊維およびフィラメントのような
繊維状充填材が使用できる。これら充填材で強度の高い
硬化物を得たい場合には、主にヒュームドシリカ、沈降
性シリカ、無水ケイ酸、含水ケイ酸、カーボンブラッ
ク、表面処理微細炭酸カルシウム、焼成クレー、クレー
および活性亜鉛華などから選ばれる充填材を添加でき
る。また、低強度で伸びが大である硬化物を得たい場合
には、主に酸化チタン、炭酸カルシウム、タルク、酸化
第二鉄、酸化亜鉛およびシラスバルーンなどから選ばれ
る充填材を添加できる。これら充填材は1種類で使用し
てもよいし、2種類以上混合使用してもよい。
【0072】本発明において、物性および粘度の調整の
ために可塑剤を使用することができる。該可塑剤として
は、ジブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジ
(2−エチルヘキシル)フタレート、ブチルベンジルフ
タレート等のフタル酸エステル類;ジオクチルアジペー
ト、ジオクチルセバケート等の非芳香族二塩基酸エステ
ル類;ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチ
レングリコールジベンゾエート等のポリアルキレングリ
コールのエステル類;トリクレジルホスフェート、トリ
ブチルホスフェート等のリン酸エステル類;塩化パラフ
ィン類;アルキルジフェニル、部分水添ターフェニル等
の炭化水素系油等を単独、または2種以上混合して使用
することができるが、必ずしも必要とするものではな
い。なおこれら可塑剤は、重合体製造時に配合すること
も可能である。
【0073】本発明における配合組成物ではその他に、
シラノール基または加水分解性基を含有するポリシロキ
サンなどの変成剤;紫外線硬化性樹脂、酸素硬化性樹脂
等のタックおよび耐候性改良剤、顔料、老化防止剤、紫
外線吸収剤、難燃剤などのような添加剤も任意に使用し
てよい。
【0074】垂れ防止材としてはポリアミドワックス
類、水添ヒマシ油誘導体類;ステアリン酸カルシウム、
ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸バリウム等の
金属石鹸類等が挙げられ、使用目的によって適宜使用で
きる。
【0075】着色剤としては必要に応じて通常の無機顔
料、有機顔料、染料等が使用できる。
【0076】物性調整剤あるいは脱水剤としては例え
ば、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシ
ラン、トリメチルメトキシシラン、n−プロピルトリメ
トキシシランジメチルジイソプロペノキシシラン、メチ
ルトリイソプロペノキシシランなどの各種シランカップ
リング剤、シリコーンワニス類;ポリシロキサン類等が
必要に応じて添加される。前記物性調整剤を用いること
により、本発明の組成物を硬化させた時の硬度を上げた
り、硬度を下げ、伸びを出したりし得る。
【0077】本発明の接着剤組成物は、すべての配合成
分を予め配合密封保存し、施工後空気中の湿分を吸収す
ることにより硬化する1成分型として調製することも可
能であり、硬化剤として別途硬化触媒、充填材、可塑
剤、水等の成分を配合しておき、該配合材と重合体組成
物を使用前に混合する2成分型として調整することもで
きる。取り扱いが容易で、施工時のミスも少ない一成分
型がより好ましい。
【0078】
【実施例】以下に、本発明の具体的な実施例を比較例と
併せて説明するが、本発明は、下記実施例に限定される
ものではない。
【0079】下記実施例および比較例中「部」および
「%」は、それぞれ「重量部」および「重量%」を表
す。
【0080】下記実施例中、「数平均分子量」および
「分子量分布(重量平均分子量と数平均分子量の比)」
は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GP
C)を用いた標準ポリスチレン換算法により算出した。
ただし、GPCカラムとしてポリスチレン架橋ゲルを充
填したもの(shodex GPC K−804;昭和
電工(株)製)、GPC溶媒としてクロロホルムを用い
た。 (製造例1)還流管および攪拌機付きの10Lのセパラ
ブルフラスコに、CuBr(42.0g、0.293m
ol)を仕込み、反応容器内を窒素置換した。アセトニ
トリル(559mL)を加え、オイルバス中70℃で4
5分間攪拌した。これにアクリル酸ブチル(1.00k
g)、2、5−ジブロモアジピン酸ジエチル(176
g、0.488mol)、ペンタメチルジエチレントリ
アミン(4.00mL、3.32g、19.2mmo
l)(これ以降トリアミンと表す)を加え、反応を開始
した。70℃で加熱攪拌しながら、アクリル酸ブチル
(4.00kg)を190分かけて連続的に滴下した。
アクリル酸ブチルの滴下途中にトリアミン(4.00m
L、3.32g、0.0192mol)を追加した。反
応開始より310分経過後に1,7−オクタジエン
(1.44L、1.07kg、9.75mol)、トリ
アミン(20.5mL、17.0g、98.1mol)
を加え、引き続き70℃で210分加熱攪拌した。
【0081】反応混合物をヘキサンで希釈し、活性アル
ミナカラムを通した後、揮発分を減圧留去することによ
りアルケニル基末端重合体(重合体[1])を得た。重
合体[1]の数平均分子量は14000、分子量分布は
1.3であった。
【0082】還流管付10Lセパラブルフラスコに、重
合体[1](2.7kg)、安息香酸カリウム(142
g)、N,N−ジメチル酢酸アミド(2.7L)を仕込
み、窒素気流下70℃で25時間加熱攪拌した。加熱減
圧下でN,N−ジメチル酢酸アミドを除去した後、トル
エンで希釈した。トルエンに不溶な固体分(KBrおよ
び余剰な安息香酸カリウムを活性アルミナカラムで濾過
した。ろ液の揮発分を減圧留去することにより重合体
[2]を得た。
【0083】還流管付2L丸底フラスコに、重合体
[2](2.7kg)、珪酸アルミ(540g、協和化
学製、キョーワード700PEL)、トルエン(2.7
L)を仕込み、窒素気流下100℃で5時間加熱攪拌し
た。珪酸アルミを濾過により除去した後、ろ液のトルエ
ンを減圧留去することにより重合体[3]を得た。
【0084】1L耐圧反応容器に重合体[3](760
g)、ジメトキシメチルヒドロシラン(46.3mL、
0.38mol)、オルトぎ酸メチル(13.7mL、
0.13mmol)、および0価白金の1,1,3,3
−テトラメチル−1,3−ジビニルジシロキサン錯体を
仕込んだ。ただし、白金触媒の使用量は、重合体のアル
ケニル基に対してモル比で10−3当量とした。反応混
合物を100℃で1時間加熱した。混合物の揮発分を減
圧留去することにより、シリル基末端重合体(重合体
[4])を得た。得られた重合体の数平均分子量はGP
C測定(ポリスチレン換算)により15000、分子量
分布は1.4であった。重合体1分子当たりに導入され
た平均のシリル基の数を1H NMR分析により求めた
ところ、2.0個であった。 (実施例1) 製造例1で得られた重合体[4]100
gと、膠質炭カル(白石化学製:Vigot10S)1
20g、可塑剤としてDOP50gおよび接着付与剤N
−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメト
キシシラン(日本ユニカー製:A−1120)2gとを
混練し、更にこの配合物に硬化触媒としてジブチル錫ジ
アセチルアセトナート(日東化成:U−220)1gを
混ぜてガラス板上に硬化物を作製した。 (比較例1)重合体[3]の代わりに末端が加水分解性
シリル基で変性された分子量約1万のポリオキシプロピ
レングリコールを用いた以外は実施例1と同様にして硬
化物を作製した。
【0085】実施例1と比較例1で作製した硬化物の耐
候性、耐熱性の結果を表1に示した。
【0086】
【表1】
【0087】
【発明の効果】架橋性シリル基を少なくとも1個有する
ビニル系重合体を主成分とする接着剤組成物を用いるこ
とにより、耐熱性、耐候性、耐久性などに優れた接着剤
を得る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北野 健一 兵庫県神戸市兵庫区吉田町1−2−80 鐘 淵化学工業株式会社機能性材料RDセンタ ー神戸研究所内 (72)発明者 中川 佳樹 兵庫県神戸市兵庫区吉田町1−2−80 鐘 淵化学工業株式会社機能性材料RDセンタ ー神戸研究所内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式1で示される架橋性シリル基を少な
    くとも1個有するビニル系重合体を主成分とする接着剤
    組成物。 −[Si(R12-b(Y)bO]m−Si(R23-a(Y)a (1) {式中、R1、R2は、いずれも炭素数1〜20のアルキ
    ル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20の
    アラルキル基、または(R’)3SiO−(R’は炭素
    数1〜20の1価の炭化水素基であって、3個のR’は
    同一であってもよく、異なっていてもよい)で示される
    トリオルガノシロキシ基を示し、R1またはR2が2個以
    上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっ
    ていてもよい。Yは水酸基または加水分解性基を示し、
    Yが2個以上存在するときそれらは同一であってもよ
    く、異なっていてもよい。aは0,1,2,または3
    を、また、bは0,1,または2を示す。mは0〜19
    の整数である。ただし、a+mb≧1であることを満足
    するものとする。}
  2. 【請求項2】一般式1で示される架橋性シリル基を少な
    くとも1個有するビニル系重合体と接着促進剤を含有す
    る接着剤組成物。
  3. 【請求項3】接着促進剤が一分子中にヘテロ原子と架橋
    性シリル基を有する化合物である請求項2記載の接着剤
    組成物。
  4. 【請求項4】一分子中にヘテロ原子と架橋性シリル基を
    有する化合物が一分子中に窒素原子と架橋性シリル基を
    有する化合物である請求項3記載の接着剤組成物。
  5. 【請求項5】ビニル系重合体が(メタ)アクリル系重合
    体である請求項1〜4記載の接着剤組成物。
  6. 【請求項6】ビニル系重合体のゲルパーミエーションク
    ロマトグラフィーで測定した重量平均分子量と数平均分
    子量の比が1.8未満である請求項1〜5記載の接着剤
    組成物。
  7. 【請求項7】ビニル系重合体の製造法がリビングラジカ
    ル重合法であることを特徴とする請求項1〜6記載の接
    着剤組成物。
  8. 【請求項8】ビニル系重合体の製造法が有機ハロゲン化
    物、またはハロゲン化スルホニル化合物を開始剤、遷移
    金属錯体を触媒としてビニル系モノマーをラジカル重合
    することを特徴とする請求項1〜7記載の接着剤組成
    物。
  9. 【請求項9】一般式1で示される架橋性シリル基を分子
    鎖末端に少なくとも1個有する請求項1〜8記載の接着
    剤組成物。
  10. 【請求項10】一般式1で示される架橋性シリル基を少
    なくとも1個有するビニル系重合体が以下の工程: (1)有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル
    化合物を開始剤、遷移金属錯体を触媒としてビニル系モ
    ノマーをラジカル重合することによりハロゲンを末端に
    有するビニル系重合体を製造し、(2)アルケニル基を
    有するオキシアニオンを反応させてハロゲンを置換する
    ことにより、末端にアルケニル基を有するビニル系重合
    体を製造し、(3)一般式1で示す架橋性シリル基を有
    するヒドロシラン化合物を反応させる;により得られる
    重合体である、請求項1〜9記載の接着剤組成物。
  11. 【請求項11】一般式1で示される架橋性シリル基を有
    するビニル系重合体が以下の工程: (1)ビニル系モノマーをリビングラジカル重合法によ
    り重合することにより、ビニル系重合体を製造し、
    (2)続いて重合性の低いアルケニル基を少なくとも2
    個有する化合物を反応させることにより末端にアルケニ
    ル基を有するビニル系重合体を製造し、末端アルケニル
    基を一般式1で示す一般式1で示す架橋性シリル基を有
    するヒドロシラン化合物を反応させるシリル基含有置換
    基に変換する;により得られる重合体である、請求項1
    〜9記載の接着剤組成物。
  12. 【請求項12】湿分を吸収することにより架橋硬化でき
    るように一液型に梱包された請求項1〜11記載の接着
    剤組成物。
JP11172345A 1998-06-19 1999-06-18 接着剤組成物 Pending JP2000086999A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11172345A JP2000086999A (ja) 1998-06-19 1999-06-18 接着剤組成物

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10-172962 1998-06-19
JP17296298 1998-06-19
JP11172345A JP2000086999A (ja) 1998-06-19 1999-06-18 接着剤組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000086999A true JP2000086999A (ja) 2000-03-28

Family

ID=26494729

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11172345A Pending JP2000086999A (ja) 1998-06-19 1999-06-18 接着剤組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000086999A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004074381A1 (ja) 2003-02-24 2004-09-02 Kaneka Corporation 硬化性組成物
WO2007029733A1 (ja) 2005-09-08 2007-03-15 Kaneka Corporation 硬化性組成物
WO2008041768A1 (fr) 2006-10-05 2008-04-10 Kaneka Corporation Composition durcissable
JP2015520774A (ja) * 2012-04-27 2015-07-23 株式会社クラレ アクリル系粘着剤組成物および粘着製品

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004074381A1 (ja) 2003-02-24 2004-09-02 Kaneka Corporation 硬化性組成物
WO2007029733A1 (ja) 2005-09-08 2007-03-15 Kaneka Corporation 硬化性組成物
WO2008041768A1 (fr) 2006-10-05 2008-04-10 Kaneka Corporation Composition durcissable
US7977399B2 (en) 2006-10-05 2011-07-12 Kaneka Corporation Curable composition
JP2015520774A (ja) * 2012-04-27 2015-07-23 株式会社クラレ アクリル系粘着剤組成物および粘着製品

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4101366B2 (ja) 硬化性組成物
JP3688897B2 (ja) 接着性硬化性組成物
US6407146B1 (en) Curable composition
US6552118B2 (en) Curable adhesive composition
US6479584B1 (en) Resin composition, polymer, and process for producing polymer
US7223817B2 (en) Polymer, processes for producing polymer and composition
US7129294B2 (en) Functional groups-terminated vinyl polymers
JP3842445B2 (ja) 硬化性組成物
JP4435591B2 (ja) 硬化性組成物
JP2010106159A (ja) アスファルト防水シート用接着剤組成物
JP4777604B2 (ja) 硬化性組成物
JP3751753B2 (ja) 末端にアルケニル基を有する重合体の製造方法及び該重合体を用いた硬化性組成物
JPH11116617A (ja) 重合体及び用途
JP2000129199A (ja) プライマ―組成物
JP4177935B2 (ja) 反応性ホットメルト接着剤
JP2000086999A (ja) 接着剤組成物
JP3962184B2 (ja) 樹脂組成物、重合体及び重合体の製造方法
JP2000128924A (ja) 末端にアルケニル基を有する重合体の製造方法及び該重合体を用いた硬化性組成物
JP2004059782A (ja) 硬化性組成物
JP2000119527A (ja) 電気、電子部品材料用組成物および電気、電子部品材料
JP5564170B2 (ja) アスファルト防水シート用接着剤組成物
JP2000143853A (ja) 発泡性樹脂組成物およびこれを用いた発泡体
JP2001011321A (ja) 硬化性組成物
JP2001323016A (ja) ビニル系重合体の精製方法
JP2001323021A (ja) ビニル系重合体の精製方法