JP2000081414A - ガス濃度センサの素子抵抗検出装置 - Google Patents

ガス濃度センサの素子抵抗検出装置

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JP2000081414A
JP2000081414A JP11178910A JP17891099A JP2000081414A JP 2000081414 A JP2000081414 A JP 2000081414A JP 11178910 A JP11178910 A JP 11178910A JP 17891099 A JP17891099 A JP 17891099A JP 2000081414 A JP2000081414 A JP 2000081414A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】一時的な電圧変化と電流変化とから素子抵抗を
検出する素子抵抗検出装置において、素子抵抗を正確に
検出する。 【解決手段】A/Fセンサ10は、固体電解質を用いた
センサ素子部を有し、電圧の印加に伴い排ガス中の酸素
濃度に応じた電流信号(素子電流)を出力する。素子抵
抗検出時には、空燃比検出のためにセンサ素子部に印加
した電圧を、センサ特性に応じた周波数で素子抵抗検出
用の電圧に一時的に切り換え、その時の電圧変化と電流
変化とから素子抵抗値を検出する。ここで、素子電流の
検出値は、S/H回路30並びにP/H回路31に入力
される。S/H回路30は、空燃比検出時に素子電流を
サンプルし逐次出力する。P/H回路31は、素子抵抗
検出時に素子電流をピークホールドする。S/H回路3
2は、P/H回路31で保持したピーク値を取り込み、
次回の素子抵抗検出時までその値を保持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば車両用エン
ジンの排出ガス中の酸素濃度など、被検出ガス中の特定
成分の濃度を検出するためのガス濃度センサに適用さ
れ、当該ガス濃度センサの素子抵抗を検出する素子抵抗
検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の車両用エンジンの空燃比制御にお
いては、例えば制御精度を高めるといった要望やリーン
バーン化への要望があり、これらの要望に応えるべく、
エンジンに吸入する混合気の空燃比(排ガス中の酸素濃
度)を広域に且つリニアに検出するリニア式空燃比セン
サ(酸素濃度センサ)が具体化されている。このような
空燃比センサにおいて、その検出精度を維持するために
は同センサを活性状態に保つことが不可欠であり、一般
にはセンサ素子に付設されたヒータを通電制御すること
により当該センサ素子を加熱して活性状態を維持するよ
うにしている。
【0003】ところで、かかるヒータの通電制御におい
ては、センサ素子の温度(素子温)を検出してその素子
温が所望の活性温度(例えば約700℃)になるように
フィードバック制御を実施する技術が従来より開示され
ている。この場合、センサ素子の抵抗(素子抵抗)が素
子温に対して所定の対応関係を有すること(図13)を
利用して素子抵抗を検出し、その検出された素子抵抗か
ら素子温が導き出される。こうした素子温の検出法によ
れば、センサ素子に温度センサを付設することでコスト
アップを招くなどの問題が回避できる。
【0004】限界電流式の空燃比センサを用いた既存の
空燃比検出装置の構成を、図14を用いて説明する。図
14において、マイクロコンピュータ(マイコン)81
は印加電圧指令値を出力し、その電圧指令値はD/A変
換器82、ローパスフィルタ(LPF)83及びドライ
ブ回路84を介して空燃比センサ85の一方の端子に印
加される。同センサ85の他方の端子には電圧バッファ
86を介して基準電圧Vrefが印加される。また、空
燃比センサ85に電圧を印加した時、同センサ85に流
れる電流(素子電流)は電流検出用抵抗87により検出
され、その検出値がA/D変換器88を介してマイコン
81に取り込まれる。
【0005】ガス濃度センサの素子抵抗値を検出する手
法としては、特開平9−292364号公報が開示され
ている。これを図15で説明すると、所定の時定数を持
たせた電圧を単発的にガス濃度センサに印加して一定時
間Ts経過後のピーク電流値ΔI(電流変化量)を計測
し、その時の電圧変化量ΔVとピーク電流値ΔIとから
素子抵抗を検出するものであった(素子抵抗=ΔV/Δ
I)。なお、コンデンサと抵抗とを使った一次のLPF
で時定数が作られる。特にジルコニア等の固体電解質を
用いた限界電流式センサの場合、インピーダンス特性が
印加電圧の周波数1kHz以上の領域で安定することを
利用し、その特性に応じた周波数で電圧が印加されるよ
うになっていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術では、セ
ンサに電圧を印加して一定時間Ts経過後のピーク電流
値ΔI(電流変化量)を計測することで、正確な素子抵
抗(素子インピーダンス)が検出できる。しかしなが
ら、素子劣化等に対応するセンサ特性によりピーク電流
値ΔIの発生時期が変化すると、正確な素子抵抗が検出
できないという問題が生ずる。
【0007】この問題を図16を用いて説明する。図1
6において、印加電圧変化(90)に対して正常時の素
子電流変化は符号91のような波形となり、一定時間T
s経過後に電流ピーク値(図のA点)が計測される。こ
うして電流ピーク値が正確に計測できれば、素子抵抗が
正確に検出できる。しかしながら、センサの個体差や電
極劣化等によって素子電流が符号92,93のように変
化すると、ピーク電流値ΔIの発生時期が「A」から
「B」,「C」のように変化する。この場合、Ts時間
経過のタイミング(実際には、A/D変換器88で読み
取るタイミング)で素子電流を計測すると、ピーク電流
値ΔIを「B1」又は「C1」で計測してしまう。つま
り、B,Cのタイミングで計測される実際の電流ピーク
値よりも低い電流値が計測され、正確な素子抵抗が検出
できない。
【0008】また、印加電圧を所定の時定数で変化させ
るために使用するコンデンサや抵抗等、回路のバラツキ
によっても素子電流波形は変化し、その時の素子電流の
変化は符号94,95のような波形となる。従って、ピ
ーク電流値の発生時期がやはり「A」から「D」,
「E」のように変化し、先程と同様、正確に素子抵抗が
検出できない。
【0009】以上のことから素子抵抗を正確に検出する
ためには、電流ピーク値を正確に計測する必要がある。
なお、先述の通り素子抵抗検出時の印加電圧の周波数を
1kHz以上(センサによっては10kHz程度)とす
る場合には、その電流変化を逐次監視して電流ピーク値
を計測すると、マイコンの演算負荷が過度に増加した
り、他の制御へ悪影響を及ぼすおそれがあった。
【0010】本発明は、上記問題に着目してなされたも
のであって、その目的とするところは、一時的な電圧変
化と電流変化とから素子抵抗を検出する素子抵抗検出装
置において、素子抵抗を正確に検出することができるガ
ス濃度センサの素子抵抗検出装置を提供することであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の素子抵抗検出装
置ではその前提として、固体電解質を用いた素子部を有
し、電圧の印加に伴い被検出ガス中の特定成分の濃度に
応じた電流信号(素子電流)を出力するガス濃度センサ
に適用され、ガス濃度検出途中の一時的な電圧変化と電
流変化とから前記素子部の抵抗値を検出する。
【0012】そして、請求項1に記載の発明では、素子
抵抗検出時の電流変化又は電圧変化を監視し、その監視
結果を保持するためのホールド回路を備える。素子抵抗
検出時における電流変化又は電圧変化を監視してホール
ド回路に記憶保持することで、センサ劣化や回路バラツ
キ等の要因により電流変化や電圧変化のピーク値の発生
時期が変動しても、同ピーク値が容易に且つ正確に計測
できる。その結果、素子抵抗が正確に検出できるように
なる。
【0013】上記発明によれば、ホールド回路の採用に
より、マイコンを使用しない回路構成で素子抵抗検出装
置が実現でき、低コスト化や小型化を図ることが可能と
なる。この場合、マイコンの処理能力の限界により印加
電圧の周波数が制限されることもない。また、マイコン
の演算負荷が過度に増加し、他の制御に悪影響が及ぶな
どの不都合も回避される。仮にマイコンを使用した場合
には、前記の如く電流変化又は電圧変化を監視し、その
監視結果を当該マイコンに入力することで、マイコンの
演算負荷を大幅に低減することが可能となる。つまり、
素子抵抗算出に用いる電流値や電圧値は既にホールドさ
れているので、低速なA/D変換器が使用できる。ま
た、A/D変換時間を考慮しなくてもよいため、素子抵
抗の検出時間が短縮でき、ひいてはガス濃度の検出不可
時間が短縮できる。
【0014】素子抵抗検出時における電流変化と電圧変
化との各データを得るには、前記素子部への印加電圧を
一時的に変化させる手法と、素子部に流れる電流値を一
時的に変化させる手法とが考えられ、具体的には請求項
2,請求項3の構成が適用できる。
【0015】請求項2に記載の発明では、ガス濃度検出
のために前記素子部に印加した電圧を、センサ特性に応
じた周波数で素子抵抗検出用の電圧に一時的に切り換
え、その時の電圧変化と電流変化とから前記素子部の抵
抗値を検出する素子抵抗検出装置において、前記ホール
ド回路は、素子抵抗検出時における電流変化のピーク値
を保持するためのピークホールド回路であるとする。
【0016】また、請求項3に記載の発明では、ガス濃
度検出時に前記素子部に流れる電流の値を、所定値に一
時的に切り換え、その時の電圧変化と電流変化とから前
記素子部の抵抗値を検出する素子抵抗検出装置におい
て、前記ホールド回路は、素子抵抗検出時の電圧変化を
監視するためのピークホールド回路、若しくはサンプル
ホールド回路であるとする。
【0017】上記請求項2,3の発明でもやはり、セン
サ劣化や回路バラツキ等の要因等に関係なく、電流変化
又は電圧変化のピーク値が容易に且つ正確に計測でき
る。その結果、一時的な電圧変化と電流変化とから素子
抵抗を検出する素子抵抗検出装置において、素子抵抗を
正確に検出することができる。
【0018】特に請求項2の発明では、印加電圧の周波
数を1kHz以上(センサによっては10kHz程度)
で変化させる場合にもその時の電流変化を逐次監視して
電流ピーク値が計測できる。それ故、素子抵抗検出時に
電圧をセンサ特性に応じた周波数で切り換える装置に好
適に採用できる。なお、マイコンを使用しない回路構成
で素子抵抗検出装置を実現すれば、マイコンの処理能力
の限界により印加電圧の周波数が制限されることもな
い。
【0019】上記請求項3の発明は、以下の請求項4〜
請求項7での具体化が望ましい。つまり、請求項4に記
載の発明では、素子抵抗検出時に、前記素子部の一方の
端子を一時的に開放状態とした後、素子部へ定電流を流
す定電流源と、前記開放状態での素子部の一方の端子電
圧を保持するホールド回路と、定電流を流した時の端子
電圧の監視結果を保持するホールド回路とを備え、それ
ら各ホールド回路で保持した電圧値の差に基づいて素子
抵抗値を求める。請求項4によれば、定電流源による定
電流の値が素子抵抗検出時における電流変化量となり、
各ホールド回路の出力の差が電圧変化量となる。従っ
て、これら電流変化量と電圧変化量とから素子抵抗値が
算出できる。
【0020】請求項5に記載の発明では、素子抵抗検出
時に、前記素子部に所定の定電流を流す定電流源と、前
記定電流源による電流変化前の素子部の両端子間電圧を
保持するホールド回路と、電流変化後の素子部の両端子
間電圧の監視結果を保持するホールド回路とを備え、そ
れら各ホールド回路で保持した電圧値の差に基づいて素
子抵抗値を求める。請求項5によれば、定電流を流す前
後の電流値の差が素子抵抗検出時における電流変化量と
なり、各ホールド回路の出力の差が電圧変化量となる。
従って、これら電流変化量と電圧変化量とから素子抵抗
値が算出できる。
【0021】上記請求項5の発明では、請求項6に記載
したように、ガス濃度検出の状態から素子抵抗検出の状
態に切り換える時、切り換え直前に素子部に流れる電流
値と同値の定電流を流し、その後、電流値を所定値分だ
け変化させるのが望ましい。
【0022】素子抵抗検出時における電流変化後、その
状態のまま継続して電圧ピーク値を検出する場合には、
その時の電圧変化量から得られる素子抵抗値は素子部の
直流抵抗の値となる(V−I特性上の抵抗支配領域の傾
き)。これに対して、請求項7に記載したように、素子
抵抗検出時における電流変化後、所定の微小時間でのピ
ーク値をホールド回路で記憶保持すれば、素子抵抗値と
して交流インピーダンスが検出できるようになる。
【0023】ところで、前記ホールド回路で保持した電
流変化又は電圧変化の監視結果は、素子抵抗の検出毎に
更新する必要があるため、次回の素子抵抗検出前にクリ
アされる。このとき、仮に前記検出値がクリアされると
(0Vが出力されると)、素子抵抗の検出値が一時的に
無くなる。そのため、素子抵抗の検出値を使ったヒータ
制御や自己診断(ダイアグ処理)に悪影響が及ぶ。そこ
で本発明では、下記の請求項8〜請求項11の構成を採
用することで、各種制御への悪影響を抑制することとし
ている。
【0024】請求項8に記載の発明では、前記ホールド
回路で保持した素子抵抗検出時における電流変化又は電
圧変化の監視結果を、次回の素子抵抗の検出時まで保持
するためのサンプルホールド回路を更に備える。この場
合、電流変化又は電圧変化の監視結果がクリアされた後
にもサンプルホールド回路が素子抵抗出力を保持して出
力するため、素子抵抗の検出値が無くて各種制御に悪影
響が及ぶといった既述の問題が回避される。
【0025】請求項9に記載の発明では、前記ホールド
回路で保持した素子抵抗検出時における電流変化又は電
圧変化の監視結果を取り込むためのローパスフィルタを
備える。この場合、請求項10に記載したように、素子
抵抗検出の直前に前記ホールド回路のホールド値がクリ
アされるのが望ましい。
【0026】請求項9,10の構成によれば、ホールド
回路のセット/リセットに伴い同回路の出力が変化して
もその出力変化がローパスフィルタによりなまされる。
そのため、ホールド回路の出力を素子電流検出値として
継続的に使うことが可能となる。従って、素子抵抗の検
出値が無くて各種制御に悪影響が及ぶといった既述の問
題が回避される。
【0027】請求項11に記載の発明では、前記ホール
ド回路で素子抵抗検出時における電流変化又は電圧変化
を監視する際に、その時の監視結果の使用を一時的に許
可しない旨の信号を出力する。この場合、素子電流検出
値が不確かな時に当該監視結果を各種制御に使わせない
ようにすることができ、各種制御に悪影響が及ぶといっ
た問題が回避される。
【0028】請求項12に記載の発明では、ガス濃度検
出時の素子電流を取り込むためのガス濃度検出用サンプ
ルホールド回路を備え、前記素子抵抗の検出期間におい
て、ガス濃度検出用サンプルホールド回路は同検出期間
の直前における素子電流の検出値を保持する。本構成に
よれば、素子抵抗検出時にはガス濃度検出のための前回
検出値(素子電流の前回値)を保持したまま素子抵抗検
出値が更新され、また、ガス濃度検出時には素子抵抗検
出のための前回検出値(素子電流の前回値)を保持した
ままガス濃度検出値が更新される。そのため、ガス濃度
検出と素子抵抗検出とが連続的に実施でき、何れか一方
の値を検出する際にも他方の値が適正に管理保持でき
る。また、素子抵抗検出時の素子電流の変化によりガス
濃度検出値が変動するといった不具合が未然に防止され
る。
【0029】請求項13に記載の発明では、ガス濃度検
出と素子抵抗検出とを所定のタイミングで切り換えて選
択的に実施させるためのタイミング調整回路を備える。
タイミング調整回路で各種タイミングを調整することに
より、多種多様な演算プログラム(割込み処理)が実施
されるマイコンでタイミングを管理する場合と比べ、各
種タイミングのバラツキが削減できる。
【0030】従来より、ガス濃度センサへの印加電圧を
振幅させてその時の電圧変化量と電流変化量とから素子
抵抗を検出する手法が公知であるが、この検出手法に対
し、請求項14に記載の発明では、ガス濃度検出時に前
記素子部に流れる電流の値を、所定値に一時的に切り換
え、その時の電圧変化と電流変化とから前記素子部の抵
抗値を検出する。かかる検出手法においても、素子抵抗
が精度良く検出できる。なお、電流を一時的に切り換え
た時の電圧変化は、上述の如くホールド回路を用いて計
測しても良いし、マイコンを用いて計測しても良い。
【0031】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)以下、この
発明を空燃比検出装置に具体化した第1の実施の形態を
図面に従って説明する。本実施の形態における空燃比検
出装置は、自動車に搭載される電子制御ガソリン噴射エ
ンジンに適用されるものであって、同エンジンの空燃比
制御システムにおいては空燃比検出装置による検出結果
に基づいてエンジンへの燃料噴射量を所望の空燃比に制
御する。以下の記載では、空燃比センサを用いた空燃比
(A/F)の検出手順、並びに同センサの交流特性を用
いた素子抵抗検出手順を詳細に説明する。
【0032】図1は、本実施の形態における空燃比検出
装置の概要を示す構成図である。図1において、空燃比
検出装置は限界電流式の空燃比センサ(以下、A/Fセ
ンサという)10を備える。A/Fセンサ10は、固体
電解質を有するセンサ素子部10a(図2参照)を備
え、エンジンから排出される排ガス中の酸素濃度を検出
する。すなわち、A/Fセンサ10は、センサ素子部1
0aへの電圧印加に伴い、排ガス中の酸素濃度に応じた
限界電流(素子電流)を出力する。
【0033】ここで、センサ素子部10aの構成を図2
を用いて説明する。センサ素子部10aは大別して、固
体電解質11、ガス拡散抵抗層12、大気導入ダクト1
3及びヒータ14からなり、これら各部材を積層して構
成されている。また、各部材の周囲には保護層15が設
けられている。
【0034】長方形板状の固体電解質11は部分安定化
ジルコニア製のシートであり、その上面(ガス拡散抵抗
層12側)には白金等からなる多孔質の計測電極16が
スクリーン印刷法等により形成されると共に、下面(大
気導入ダクト13側)には同じく白金等からなる多孔質
の大気側電極17がスクリーン印刷法等により形成され
ている。
【0035】ガス拡散抵抗層12は、計測電極16へ排
ガスを導入するための多孔質シートからなるガス透過層
12aと、排ガスの透過を抑制するための緻密層からな
るガス遮蔽層12bとを有する。ガス透過層12a及び
ガス遮蔽層12bは何れも、アルミナ、スピネル、ジル
コニア等のセラミックスをシート成形法等により成形し
たものであるが、ポロシティの平均孔径及び気孔率の違
いによりガス透過率が相違するものとなっている。
【0036】大気導入ダクト13はアルミナ等の高熱伝
導性セラミックスからなり、同ダクト13により大気室
18が形成されている。この大気導入ダクト13は大気
室18内の大気側電極17に大気を導入する役割をな
す。
【0037】大気導入ダクト13の下面にはヒータ14
が取り付けられている。ヒータ14は、バッテリ電源か
らの通電により発熱する発熱体14aと、それを覆う絶
縁シート14bとからなる。但し、図2の構成以外に、
発熱体14aを固体電解質11に埋設したり、発熱体1
4aをガス拡散抵抗層12に埋設したりする構成も可能
である。
【0038】なお上記センサ素子部10aにおいて、計
測電極16に達する排ガスは、ガス透過層12aの鉛直
方向(図の上下方向)からは侵入せず、ガス透過層12
aの側方から侵入する。すなわち、ガス透過層12aの
表面はガス遮蔽層12bに被われているため、排ガスは
図の鉛直方向からは侵入できず、その方向と直交する側
面方向から該透過層12aの内部に侵入する。かかる場
合、ガス透過層12aのガス拡散量は、同透過層12a
の左右方向の寸法(実際には、ガス透過層12aの側面
と計測電極16との距離)に依存するが、この寸法が容
易に且つ自在に設定できることから、ガス透過層12a
の孔径がばらついても均一で安定したセンサ出力が得ら
れるようになる。
【0039】上記構成のA/Fセンサ10において、セ
ンサ素子部10aは理論空燃比点よりリーン領域では酸
素濃度に応じた限界電流を発生する。この場合、センサ
素子部10a(固体電解質11)は酸素濃度を直線的特
性にて検出し得るものであるが、センサ素子部10aを
活性化するには約600℃以上の高温が必要とされ、且
つ同センサ素子部10aの活性温度範囲が狭いため、エ
ンジンの排ガスのみによる加熱では活性状態を維持でき
ない。そのため、本実施の形態では、ヒータ14(発熱
体14a)の加熱制御によりセンサ素子部10aを活性
温度域で保持する。なお、理論空燃比よりもリッチ側の
領域では、未燃ガスである一酸化炭素(CO)等の濃度
が空燃比に対してほぼリニアに変化し、センサ素子部1
0aはCO等の濃度に応じた限界電流を発生する。
【0040】A/Fセンサ10の電圧−電流特性につい
て図3を用いて説明する。図3において、電圧軸V(横
軸)に平行な直線部分がセンサ素子部10aに流れる限
界電流を特定するものであって、この限界電流(素子電
流)の増減は空燃比の増減(すなわち、リーン・リッチ
の程度)に対応している。つまり、空燃比がリーン側に
なるほど限界電流は増大し、空燃比がリッチ側になるほ
ど限界電流は減少する。
【0041】この電圧−電流特性において、電圧軸Vに
平行な直線部分よりも小さい電圧域は抵抗支配領域とな
っており、その抵抗支配領域における一次直線部分の傾
きは、センサ素子部10aにおける固体電解質11の内
部抵抗(これを素子抵抗という)により特定される。こ
の素子抵抗は温度変化に伴い変化し、例えばセンサ素子
部10aの温度が低下すると素子抵抗の増大により上記
傾きが小さくなる。
【0042】一方、図1のスイッチ回路21は、前記A
/Fセンサ10への印加電圧を、空燃比検出用の電圧と
素子抵抗検出用の電圧とで切り換えるための回路であっ
て、図の接点a,b,cの何れかに選択的に接続され
る。接点a,b,cにはそれぞれ電源22,23,24
が接続されている。この場合、スイッチ回路21の切り
換え位置に応じて、電源22〜24のうち何れかの電圧
がA/Fセンサ10の印加電圧Vpとなる。
【0043】ここで、空燃比検出時には、スイッチ回路
21の接点aを介して電源22の電圧がA/Fセンサ1
0に印加される。電源22によれば、例えば前記図3の
特性線L1上の電圧、すなわちその時々の空燃比に対応
した電圧が、印加電圧VpとしてA/Fセンサ10に印
加される(但し、空燃比検出時にVp固定とする構成も
可)。
【0044】また、素子抵抗検出時には、スイッチ回路
21の接点b,cを介して電源23,24の電圧がA/
Fセンサ10に一時的に印加される。電源23,24に
よれば、図4(a)の時刻t2〜t4に見られるよう
に、A/Fセンサ10の印加電圧Vpがそれまでの空燃
比検出用の電圧から正負両側に一時的に変化する。この
場合、A/Fセンサ10の周波数特性に基づき、素子抵
抗検出時における印加電圧Vpの周波数は1kHz以上
として設定される。但し、より安定した特性を得るため
には周波数を3kHz以上とすればよく、周波数を高く
することで、素子抵抗の検出期間、すなわち空燃比の検
出不能となる期間を短縮することが可能となる。
【0045】スイッチ回路21は、タイミング調整回路
25からの切換信号SG1に応じて切り換え動作され
る。タイミング調整回路25は、空燃比検出の途中に一
時的に印加電圧Vpを切り換えて素子抵抗が検出できる
よう、所定のタイミングでスイッチ回路21に切換信号
SG1を出力する。
【0046】印加電圧VpはLPF(ローパスフィル
タ)26に入力され、同LPF26で高周波成分が除去
された後、ドライブ回路27に入力される。LPF26
の時定数は、既述したようにセンサ素子(固体電解質1
1)の内部抵抗を測定するのに適した値(例えば4.5
kHz)となっている。そして、ドライブ回路27の出
力は、電圧AFVとしてA/Fセンサ10の一方の端子
に印加される。
【0047】A/Fセンサ10の他方の端子には、電流
検出用抵抗29を介してオペアンプ28の出力端子が接
続される。電流検出用抵抗29はA/Fセンサ10に流
れる素子電流を電圧値に変換して検出し、その検出値
(素子電流の電圧変換値)はサンプルホールド(S/
H)回路30並びにピークホールド(P/H)回路31
に入力される。
【0048】S/H回路30は、空燃比検出時の素子電
流をサンプルし、タイミング調整回路25から信号SG
2が出力されている期間内(SG2のON期間内)にお
いてサンプル値を逐次更新して出力する。S/H回路3
0の出力は、空燃比の検出値として例えばエンジン制御
用ECU(図示略)に対して出力される。そしてこの空
燃比検出値は、空燃比フィードバック制御等に用いられ
る。
【0049】P/H回路31は、タイミング調整回路2
5から信号SG3が出力されている期間内(SG3のO
N期間内)において素子抵抗検出時の素子電流をピーク
ホールドする。なお、ピークホールドした素子電流の検
出値は、信号SG3がOFFされる度にリセットされ
る。
【0050】P/H回路31にはサンプルホールド(S
/H)回路32が接続されており、このS/H回路32
はタイミング調整回路25から信号SG4が出力されて
いる期間内(SG4のON期間内)においてサンプル値
を逐次更新して出力する。S/H回路32の出力は、素
子抵抗の検出値として例えばエンジン制御用ECUに対
して出力される。そしてこの素子抵抗検出値は、A/F
センサ10の活性判定、活性化制御、異常診断(ダイア
グ処理)等に用いられる。
【0051】因みに、A/Fセンサ10の活性化制御に
おいては、センサ素子部10aの温度(素子温)が所定
の活性温度(例えば700℃)に維持されるよう、素子
温に対して図13の関係にある素子抵抗が目標値に対し
てフィードバック制御される。この素子抵抗(素子温)
のフィードバック制御は、例えば前記ヒータ14への通
電デューティ比を制御することで実現される。
【0052】次に、上記の如く構成される空燃比検出装
置の作用を図4を参照しながら説明する。図4には、空
燃比検出時において一時的に(例えば128msec毎
に)素子抵抗が検出される様子を示す。なお図4におい
て、(a)は印加電圧Vpの変化を、(b)はLPF2
6の通過後の電圧AFVの変化を、(c)は電流検出用
抵抗29により検出される素子電流の変化を、(d),
(e)は信号SG2,SG3の変化を、(f)はP/H
回路31の出力の変化を、(g)は信号SG4の変化
を、それぞれ示す。
【0053】時刻t1以前は、スイッチ回路21が図1
の接点aに接続されており、A/Fセンサ10には空燃
比検出用の電圧Vpが印加される。そして、その電圧印
加に伴い、空燃比(排ガス中の酸素濃度)に応じて流れ
る素子電流が電流検出用抵抗29により検出される。こ
のとき、信号SG2〜SG4のうち、S/H回路30に
入力される信号SG2だけがONとなっており、S/H
回路30はその時々の素子電流の検出値をサンプルし空
燃比検出値(A/F値)として出力する。
【0054】時刻t1では、タイミング調整回路25に
より信号SG2が立ち下げられると共に、信号SG3が
立ち上げられる。信号SG2がON→OFFに切り換え
られた時、S/H回路30は信号切換直前の検出値(A
/F値)を保持する。これにより、A/F出力用の端子
は、時刻t1直前のA/F値出力の状態で保持される。
また時刻t1では、信号SG3がOFF→ONに切り換
えられることで、P/H回路31が素子電流のピークホ
ールドを開始する。
【0055】その後、時刻t2では、タイミング調整回
路25からの切換信号SG1によりスイッチ回路21が
切り換えられて印加電圧Vpが負側→正側の順に変化す
る(時刻t2〜t4)。このとき、印加電圧VpがLP
F26を通して所定の時定数を持って変化する。すなわ
ち、印加電圧VpがなまされながらAFV波形が変化
し、その電圧印加に伴い素子電流が流れる。時刻t2以
降の素子電流のピーク値はP/H回路31にてホールド
される。
【0056】但し、S/H回路30は、時刻t1直前の
素子電流値をホールドしている。そのため、素子抵抗検
出時において印加電圧の変化に伴い素子電流が変化して
も、素子電流波形に応じてA/F出力が変化することは
ない。
【0057】信号SG4がONとなる時刻t3では、一
定期間だけ信号SG4が立ち上げられ、前記P/H回路
31でホールドした素子電流のピーク値がS/H回路3
2でサンプルされると共にそのサンプル値で素子抵抗出
力が更新される。そして、この更新された素子抵抗出力
(電流ピーク値)を基に素子抵抗値が検出される(素子
抵抗値=電圧変化量/電流変化量)。また、素子抵抗の
検出値を使って、素子抵抗(素子温)フィードバックに
よるヒータ通電制御等が実施される。
【0058】その後、時刻t4では印加電圧Vpが空燃
比検出用の電圧値に戻される。また、時刻t5では、信
号SG2が立ち上げられると共に、信号SG3が立ち下
げられる。従って、S/H回路30による素子電流サン
プルが再開され、その素子電流を基に空燃比が検出され
る。また時刻t5では、P/H回路31のサンプルホー
ルド値がクリアされる。時刻t5以降、次回の素子抵抗
検出時までは、先の検出値(SG4=ONでの検出値)
が素子抵抗出力としてS/H回路32から出力される。
【0059】因みに、例えば時間の経過に伴い素子温が
上昇する場合、それに伴い素子抵抗は減少する。そのた
め、素子抵抗検出時におけるVp変化量が一定であれ
ば、素子電流の変化量(P/H回路31のサンプルホー
ルド値)は素子温の上昇に従い大きくなる。
【0060】以上詳述した本実施の形態によれば、以下
に示す効果が得られる。 (イ)素子抵抗検出時の電流変化を監視し、その時のピ
ーク値を保持するためのP/H回路31を設けた。素子
抵抗検出時における素子電流のピーク値をP/H回路3
1により検出することで、センサ劣化や回路バラツキ等
の要因により電流ピーク値の発生時期が変動しても、同
ピーク値が容易に且つ正確に計測できる。また、印加電
圧の周波数を1kHz以上(センサによっては10kH
z程度)とする場合にもその電流変化を逐次監視して電
流ピーク値が計測できる。その結果、素子抵抗検出時に
電圧をセンサ特性に応じた周波数で切り換える素子抵抗
検出装置において、素子抵抗を正確に検出することがで
きる。
【0061】(ロ)マイコンを使用しない回路構成で空
燃比検出装置が実現でき、低コスト化や小型化を図るこ
とができる。この場合、マイコンの処理能力の限界によ
り印加電圧Vpの周波数が制限されることもない。ま
た、マイコンの演算負荷が過度に増加し、他の制御に悪
影響が及ぶなどの不都合も回避される。高い周波数で電
圧Vpを切り換えることにより、空燃比が検出不能とな
る期間(素子抵抗の検出期間)を短縮することが可能と
なる。
【0062】(ハ)P/H回路31の後段には同回路3
1で保持したピーク値を取り込み且つ、次回の素子抵抗
の検出時までその値を保持するためのS/H回路32を
設けた。この場合、電流ピーク値のクリア後にもS/H
回路32は当該ピーク値を保持して出力するため、素子
抵抗の検出値が無くて各種制御に悪影響が及ぶといった
問題が回避される。
【0063】(ニ)素子抵抗検出時には、空燃比検出の
ための前回検出値(素子電流の前回値)をS/H回路3
0で保持したまま素子抵抗出力を更新し、また、空燃比
検出時には、素子抵抗検出のための前回検出値(素子電
流の前回値)をS/H回路32で保持したままA/F出
力を更新した。そのため、空燃比検出と素子抵抗検出と
が連続的に実施でき、何れか一方の値を検出する際にも
他方の値が適正に管理保持できる。また、素子抵抗検出
時の素子電流の変化により空燃比検出値が変動するとい
った不具合が未然に防止される。
【0064】(ホ)タイミング調整回路25を設け、同
回路25により信号SG1〜SG4の出力のタイミング
を調整するようにした。これにより、多種多様な演算プ
ログラム(割込み処理)が実施されるマイコンでタイミ
ングを管理する場合と比べ、各種タイミングのバラツキ
が削減できる。
【0065】(ヘ)LPF26の時定数を、センサ素子
の内部抵抗を測定するのに適した値(例えば4.5kH
z)とした。この場合、A/Fセンサ10への印加電圧
の急激な変化が抑制される。また、素子抵抗検出時にお
ける電圧印加を必要以上に長引かせることもなく、その
電圧印加時間が好適に設定される。
【0066】(ト)上記の如く素子抵抗値が精度良く検
出できれば、その検出結果を用いたA/Fセンサ10の
活性化制御(ヒータ通電制御)や異常診断処理等が精度
良く実現できるようになる。
【0067】次に、本発明における第2〜第5の実施の
形態を説明する。但し、以下の各実施の形態の構成にお
いて、上述した第1の実施の形態と同等であるものにつ
いては図面に同一の記号を付すと共にその説明を簡略化
する。そして、以下には第1の実施の形態との相違点を
中心に説明する。
【0068】(第2の実施の形態)上記第1の実施の形
態では、前記図1の通りP/H回路31の出力をS/H
回路32に取り込み、素子抵抗検出後には素子抵抗出力
をS/H回路32でホールドしたが、この構成を変更す
る。本実施の形態では、図5に示されるように、P/H
回路31の後段において、前記図1のS/H回路32に
代えてLPF(ローパスフィルタ)41を設ける。こう
した図5の構成において、各種信号の変化を図7のタイ
ムチャートを用いて説明する。図7では(a)〜(g)
が本実施の形態の動作に相当するが、そのうち(a)〜
(d)は前記図4の(a)〜(d)に一致する。
【0069】図7では、時刻t11で信号SG3が立ち
下げられ、P/H回路31の出力(サンプルホールド
値)がクリアされる。また、時刻t12では信号SG2
が立ち下げられると共に、信号SG3が立ち上げられ
る。これによりその直後の時刻t13で、印加電圧Vp
の変化に伴う素子電流の変化がP/H回路31にて観測
され、そのピーク値がホールドされる。P/H回路31
の出力はLPF41を通過して素子抵抗出力となる。な
お、時刻t14,t15の動作は前記図4の時刻t4,
t5の動作と同じであるため、その説明を省略する。
【0070】かかる場合、P/H回路31の出力がLP
F41を通過することで、時刻t11以降の出力値の変
化が所定の時定数でなまされ、同出力値の急激な変化が
抑制される。このとき、P/H回路31のリセットに伴
いLPF出力(素子抵抗出力)は僅かに変化するが、そ
の変化量は微少であってその際にも素子抵抗の近似値が
計測できる。
【0071】本実施の形態によれば、上記第1の実施の
形態と同様に、素子抵抗検出時に電圧をセンサ特性に応
じた周波数で切り換える素子抵抗検出装置(空燃比検出
装置)において、素子抵抗を正確に検出することができ
る。また特に、P/H回路31の後段にLPF41を設
けたため、P/H回路31の出力を素子電流検出値とし
て継続的に使うことが可能となり、素子抵抗の検出値が
無くて各種制御に悪影響が及ぶといった問題が回避され
る。この場合、素子抵抗検出の直前にP/H回路31の
ホールド値がクリアされることで、P/H回路31のリ
セット時間(図7の時刻t11〜t12)を短くし、素
子抵抗出力が「0V」近くに低下するのを防止すること
ができる。
【0072】(第3の実施の形態)第3の実施の形態で
は、図6に示されるように、P/H回路31の出力をそ
のまま素子抵抗出力とする。また、タイミング調整回路
25は「使用許可」と「使用不許可」と指示するための
使用許可信号を出力する。この使用許可信号は素子抵抗
出力と共に、図示しないエンジン制御用ECUに対して
出力される。
【0073】本実施の形態の動作を図7のタイムチャー
トを用いて説明する。但し、図7では(h)が本実施の
形態特有の作用を示す(それ以外は上記実施の形態に準
ずる)。つまり、P/H回路31の出力をリセットする
よりも若干早い時期(図の時刻t21)に使用許可信号
を立ち下げ、P/H回路31の出力(素子抵抗出力)を
それまでの「使用許可」から「使用不許可」にする。そ
の後、素子抵抗検出用の電圧印加後においてP/H回路
31の出力がほぼ安定する時期(図の時刻t22)に使
用許可信号を立ち上げ、P/H回路31の出力(素子抵
抗出力)を「使用許可」に戻す。
【0074】本実施の形態によれば、上記第1の実施の
形態と同様に、素子抵抗検出時に電圧をセンサ特性に応
じた周波数で切り換える素子抵抗検出装置(空燃比検出
装置)において、素子抵抗を正確に検出することができ
る。特に本実施の形態では、P/H回路31で素子電流
のピーク値を検出する際に、素子抵抗出力の使用を一時
的に許可しない旨の信号を出力するため、素子電流検出
値が不確かな時に当該出力を各種制御に使わせないよう
にすることができ、各種制御に悪影響が及ぶといった問
題が回避される。
【0075】(第4の実施の形態)上記各実施の形態で
は、素子抵抗検出に際しA/Fセンサの印加電圧を、空
燃比検出用の電圧値から素子抵抗検出用の電圧値に一時
的に切り換えたが、本実施の形態では、素子抵抗検出に
際し、A/Fセンサに流れる電流値を一時的に変化させ
ることとする。
【0076】図8は、空燃比検出装置の構成を示す電気
回路図である。図8において、A/Fセンサ10の一方
の端子には、3つの接点a,b,cを持つスイッチ回路
51が接続されている。スイッチ回路51は、A/F検
出の状態と素子抵抗検出の状態とを切り換えるものであ
り、空燃比検出の途中に素子抵抗が検出できるよう、タ
イミング調整回路52により所定のタイミングで切り換
え動作される。
【0077】A/F検出時にはスイッチ回路51の接点
がa側に接続される。そして前記図1と同様に、電源2
2及びドライブ回路27を通じて電圧AFVがA/Fセ
ンサ10に印加され、その時の素子電流(A/Fに応じ
た限界電流)が電流検出用抵抗29により検出されてS
/H回路30に取り込まれる。S/H回路30でサンプ
ル&ホールドされた信号は、A/F出力として外部に出
力される。
【0078】一方、素子抵抗検出時には、スイッチ回路
51の接点がb側又はc側に接続される。接点bは開放
されている。接点cには定電流回路53が接続されてお
り、この定電流回路53は、電流変化により素子抵抗を
検出するための定電流Icstを発生する。
【0079】A/Fセンサ10のスイッチ回路51側の
端子には、S/H回路54とP/H回路55とが各々接
続されており、これらS/H回路54とP/H回路55
のセット/リセットのタイミングはタイミング調整回路
52により操作される。S/H回路54は、スイッチ回
路51が接点b側に接続された時、一時的にサンプル状
態となり、サンプル値を逐次更新して出力する。また、
P/H回路55は、スイッチ回路51が接点c側に接続
された時にピーク値をホールドして出力する。S/H回
路54の出力とP/H回路55の出力とは、差動増幅器
56の−入力端子と+入力端子とにそれぞれ入力され、
差動増幅器56は、S/H回路54に保持した電圧とP
/H回路55に保持した電圧との差を演算する。差動増
幅器56の出力は、S/H回路57を介して素子抵抗出
力として外部に出力される。S/H回路57は、次回の
素子抵抗の検出時まで差動増幅器56の前回出力を保持
するよう構成されている。
【0080】実際の動作を、図9を用いて説明する。時
刻t31以前は、スイッチ回路51が接点a側に操作さ
れており、A/Fセンサ10には電源22によりA/F
検出用の電圧が印加されている(A/F検出動作)。
【0081】時刻t31〜t32では、スイッチ回路5
1が接点b側に操作されてA/Fセンサ10の一端が開
放状態となり、その状態が所定時間(200μsec程
度)保持される。そして、S/H回路54がホールド
(H)状態からサンプル(S)状態に一時的に切り換え
られ、その時のVpの電圧値がS/H回路54によって
記憶保持される。
【0082】また時刻t32では、スイッチ回路51が
接点c側に切り換えられ、A/Fセンサ10に定電流回
路53から定電流Icstが流れる。そして、定電流回
路55による電流変化後、数10μsecが経過する迄
の期間(時刻t32〜t33の期間)で、P/H回路5
5がVpの電圧値をピークホールドし、A/Fセンサ1
0に定電流Icstが流れた時に発生するVp電圧のピ
ーク値が記憶保持される。
【0083】本実施の形態では、素子抵抗値として交流
インピーダンスを検出することとしており、電流変化後
の微小時間(数10μsec)でVp電圧のピーク値を
計測する。なお、電流変化後にその状態を比較的長い間
保持する場合には、その時の電圧変化量から得られる素
子抵抗値は素子直流抵抗となり、これはV−I特性上の
抵抗支配領域の傾きに相当する。素子直流抵抗と素子の
交流インピーダンスとは特定の関係を有し、一般には
「素子直流抵抗>交流インピーダンス」の関係があるこ
とが知られている。
【0084】S/H回路54に保持した電圧値とP/H
回路55に保持した電圧値との差が差動増幅器56によ
って演算され、その演算結果がS/H回路57を経て素
子抵抗出力として外部に出力される。その後、時刻t3
4では、スイッチ回路51が接点a側に戻され、通常の
A/F検出が再開される。
【0085】かかる場合、素子抵抗出力は、外部に接続
されるマイコン等(図示略)によって素子抵抗(交流イ
ンピーダンス)に変換される。このとき、定電流回路5
3による定電流Icstが素子抵抗検出時における電流
変化量となり、S/H回路54とP/H回路55との出
力の差(差動増幅器56の出力)が電圧変化量となる。
差動増幅器56(S/H回路57)の出力を電圧変化
量ΔVとすれば、定電流Icstは既知の一定値である
から、ΔV値とIcst値と基づいて素子抵抗値が算出
される(素子抵抗値=ΔV/Icst)。
【0086】以上第4の実施の形態によれば、素子抵抗
検出時に素子電流を変化させてその時の電圧変化量を計
測する装置において、素子抵抗検出時の電圧変化のピー
ク値をP/H回路55で保持するので、センサ劣化や回
路バラツキ等の要因等に関係なく、電圧変化のピーク値
が容易に且つ正確に計測できる。その結果、素子抵抗を
正確に検出することができる。また、差動増幅器56の
後段にS/H回路57を設けたので、素子抵抗の検出値
が無くて各種制御に悪影響が及ぶといった問題が回避さ
れる。
【0087】(第5の実施の形態)A/Fセンサの素子
抵抗を電流変化によって検出する別の方法を、以下に説
明する。
【0088】図10は、空燃比検出装置の構成を示す電
気回路図である。図10において、A/Fセンサ10の
一方の端子には、2つの接点a,bを持つスイッチ回路
61が接続されている。スイッチ回路61は、A/F検
出の状態と素子抵抗検出の状態とを切り換えるものであ
り、空燃比検出の途中に素子抵抗が検出できるよう、タ
イミング調整回路62により所定のタイミングで切り換
え動作される。
【0089】A/F検出時にはスイッチ回路61の接点
がa側に接続される。そして前記図1と同様に、電源2
2及びドライブ回路27を通じて電圧AFVがA/Fセ
ンサ10に印加され、その時の素子電流(A/Fに応じ
た限界電流)が電流検出用抵抗29により検出されてS
/H回路30に取り込まれる。S/H回路30でサンプ
ル&ホールドされた信号は、A/F出力として外部に出
力される。
【0090】一方、素子抵抗検出時には、スイッチ回路
61の接点がb側に接続される。接点bには、S/H回
路30の出力に応じた定電流IL1を流すための定電流
回路63が接続されている。ここで、A/F検出時には
A/Fセンサ10を流れる素子電流IL0がS/H回路
30によりサンプル&ホールドされ、定電流回路63
は、S/H回路30のホールド値を基に自身の定電流I
L1の値を決定する。定電流回路63によれば、素子抵
抗検出の直前での素子電流IL0と同じ値の定電流IL
1がA/Fセンサ10に流れる。
【0091】また、スイッチ回路61の接点bには、3
つの接点a,b,cを持つスイッチ回路64が接続され
ている。スイッチ回路64は、素子抵抗検出時において
A/Fセンサ10に供給される電流を変更するものであ
り、その接点aは定電流回路65に接続され、接点bは
開放され、接点cは定電流回路66に接続されている。
定電流回路65は、前記定電流IL1と同じ方向に定電
流IL2を流し、定電流回路66は、前記定電流IL1
の逆方向に定電流IL3を流す。
【0092】A/Fセンサ10の両端子間には、S/H
回路67とP/H回路68とが接続され、これら各回路
67,68はA/Fセンサ10の両端子電圧を取り込ん
でその値を保持する。S/H回路67の出力とP/H回
路68の出力とは、差動増幅器69の−入力端子と+入
力端子とにそれぞれ入力され、差動増幅器69はS/H
回路67に保持した電圧とP/H回路68に保持した電
圧との差を演算する。差動増幅器69の出力は、S/H
回路70を介して素子抵抗出力として外部に出力され
る。S/H回路70は、次回の素子抵抗の検出時まで差
動増幅器69の前回出力を保持するよう構成されてい
る。
【0093】ここで、素子抵抗の検出時には、図11に
示されるように現在のA/Fに応じた素子電流IL0を
基準として、A/Fセンサ10に流れる素子電流を一時
的に変化させ(図中A)、この時のセンサ端子間の電圧
変化(図中B)を測定する。そして、素子電流の変化量
とセンサ端子間電圧の変化量とからセンサ素子部の交流
インピーダンスを算出する。
【0094】次に、実際の動作を図12を用いて説明す
る。A/F検出時は、スイッチ回路61が接点a側に操
作されており、A/Fセンサ10には電源22によりA
/F検出用の電圧が印加されている。このとき、A/F
センサ10にはA/F相当の素子電流IL0が流れてい
る。
【0095】素子抵抗検出直前の時刻t41では、S/
H回路30をサンプル(S)状態からホールド(H)状
態に切り換えることにより、素子抵抗検出中の電圧変動
が外部に出力されないようにする。時刻t42では、ス
イッチ回路61の接点がb側に接続され、素子抵抗の検
出が開始される。なお、素子抵抗検出の開始当初には、
スイッチ回路64は接点bに接続されている。
【0096】A/F検出時における素子電流は「IL
0」であり、素子抵抗検出の開始当初にはその素子電流
IL0と同じ定電流IL1が定電流回路63からA/F
センサ10に供給される(IL1=IL0)。この定電
流IL1の値は、図11で示す「IL0(電流変化時の
基準値)」とも一致する。
【0097】時刻t42後、S/H回路67がホールド
(H)状態からサンプル(S)状態に一時的に切り換え
られ、素子電流の変化前のセンサ端子間電圧がS/H回
路67で記憶保持される。
【0098】その後、時刻t43では、スイッチ回路6
4の接点がa側に接続されることにより定電流回路65
が選択され、A/Fセンサ10には「IL1+IL2」
の電流が流れる。この時刻t43では、P/H回路68
が一時的にピークホールドの状態となり、IL2分の電
流変化に伴う電圧変化時のピーク値がP/H回路68に
より記憶保持される。なお本実施の形態でも、素子抵抗
値として交流インピーダンスを検出することとし、電流
変化後、数10μsec経過までのピーク値がP/H回
路68により計測される。
【0099】また、時刻t44〜t45では、スイッチ
回路64の接点がc側に接続されることにより先程のa
側とは逆向きの電流が流れる。つまり、A/Fセンサ1
0に「IL1−IL3」の電流が流され、次回のA/F
検出のための準備が行われる。更にその後、時刻t46
では、スイッチ回路61が接点a側に戻され、通常のA
/F検出が再開される。またその直後に、S/H回路3
0が元のサンプル状態に戻される。
【0100】上記の通り素子電流の変化前後のセンサ端
子間電圧がS/H回路67とP/H回路68とに記憶保
持されると、これら両回路67,68の電圧値の差が差
動増幅器69で差動増幅され、その演算結果が素子抵抗
出力として外部に出力される。素子抵抗出力は、外部に
接続されるマイコン等(図示略)によって素子インピー
ダンスに変換される。
【0101】かかる場合、定電流回路65の定電流IL
2が素子電流変化量ΔI、S/H回路67とP/H回路
68との出力電圧の差(差動増幅器69の出力)が電圧
変化量ΔVとなり、これらΔI、ΔVから素子抵抗値が
算出される(素子抵抗値=ΔV/ΔI)。
【0102】以上第5の実施の形態によれば、素子抵抗
検出時に素子電流を変化させてその時の電圧変化量を計
測する装置において、素子抵抗検出時の電圧変化のピー
ク値をP/H回路55で保持するので、センサ劣化や回
路バラツキ等の要因等に関係なく、電圧変化のピーク値
が容易に且つ正確に計測できる。その結果、素子抵抗を
正確に検出することができる。
【0103】また、差動増幅器69の後段には、その出
力を次回の素子抵抗の検出時まで保持するためのS/H
回路70を設けたので、素子抵抗の検出値が無くて各種
制御に悪影響が及ぶといった問題が回避される。
【0104】なお、本発明は、上記以外に次の形態にて
具体化できる。第1〜第3の実施の形態において、信号
SG1〜SG4を出力するためのタイミング調整回路2
5をマイコンにて具体化する。この場合、マイコンを使
うことでコスト高になるものの、既述の通りP/H回路
31で素子抵抗検出時の電流ピーク値を計測すること
で、同ピーク値を誤差無く検出することができる。その
結果、素子抵抗の検出精度が向上する。またこの場合、
センサ特性に応じた周波数で変化する素子電流を細かく
監視する必要がないため、マイコンの演算負荷が大幅に
低減される。また、第4,第5の実施の形態においても
同様に、タイミング調整回路をマイコンにて具体化して
も良い。
【0105】上記第4,第5の実施の形態において、空
燃比検出装置の構成を以下のように変更する。例えば図
8において、差動増幅器56の後段に、S/H回路57
に代えてLPFを設ける。また図10において、差動増
幅器69の後段に、S/H回路70に代えてLPFを設
ける。本構成によれば、差動増幅器の出力値の変化がL
PFによりなまされ、同出力値を素子電流出力として継
続的に使うことが可能となる。従って、素子抵抗の検出
値が無くて各種制御に悪影響が及ぶといった既述の問題
が回避される。
【0106】また、上記第4,第5の実施の形態におい
て、素子抵抗検出のための電流変化時など、差動増幅器
56,69の出力が安定しない時期に同出力の使用を一
時的に禁止する。この場合、不確かな素子抵抗出力が各
種制御に使われることはなく、各種制御に悪影響が及ぶ
といった問題が回避される。
【0107】上記第4,第5の実施の形態では、素子抵
抗検出時における電流変化に対し、単位時間内(数10
μsec)の電圧ピーク値をピークホールド回路(P/
H回路55,68)で記憶保持したが、この構成を変更
する。例えば、素子抵抗検出時における電流変化に対
し、単位時間前後(数10μsec前後)の電圧変化を
サンプルホールド回路で記憶保持する。かかる場合にも
既述の通り、センサ劣化や回路バラツキ等の要因等に関
係なく、電圧変化のピーク値が容易に且つ正確に計測で
き、結果として素子抵抗を正確に検出することができ
る。
【0108】上記各実施の形態では、図2に示す積層型
A/Fセンサを用いて空燃比検出装置を具体化したが、
同センサをコップ型A/Fセンサに変更してもよい。ま
た本発明は、A/Fセンサを用いた空燃比検出装置以外
にも適用できる。つまり、NOx,HC,CO等のガス
濃度成分が検出可能なガス濃度センサを用いたガス濃度
検出装置にも適用できる。当該他のガス濃度検出装置に
おいても上記実施の形態と同様の手法を用いることで、
センサ素子部の抵抗値が正確に検出できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態における空燃比検出装置の概
要を示す構成図。
【図2】A/Fセンサのセンサ素子部の構成を示す断面
図。
【図3】A/Fセンサの電圧−電流特性を示す図。
【図4】空燃比検出装置の動作を説明するためのタイム
チャート。
【図5】第2の実施の形態において空燃比検出装置の構
成の一部を示す図。
【図6】第3の実施の形態において空燃比検出装置の構
成の一部を示す図。
【図7】第2,第3の実施の形態において空燃比検出装
置の動作を説明するためのタイムチャート。
【図8】第4の実施の形態において空燃比検出装置の構
成を示す図。
【図9】第4の実施の形態において空燃比検出装置の動
作を説明するためのタイムチャート。
【図10】第5の実施の形態において空燃比検出装置の
構成を示す図。
【図11】素子抵抗検出時の電流及び電圧変化を示す
図。
【図12】第5の実施の形態において空燃比検出装置の
動作を説明するためのタイムチャート。
【図13】素子抵抗と素子温との関係を示す図。
【図14】従来技術において空燃比検出装置の概要を示
す構成図。
【図15】A/Fセンサの印加電圧と素子電流との推移
を示すタイムチャート。
【図16】電流ピーク値の発生時期の変化を説明するた
めのタイムチャート。
【符号の説明】
10…ガス濃度センサとしてのA/Fセンサ(限界電流
式空燃比センサ)、10a…センサ素子部、11…固体
電解質、25…タイミング調整回路、26…LPF、3
0…サンプルホールド(S/H)回路、31…ピークホ
ールド(P/H)回路、32…サンプルホールド(S/
H)回路、41…LPF、51…スイッチ回路、52…
タイミング調整回路、53…定電流回路、54,57…
S/H回路、55…P/H回路、56…差動増幅器、6
1…スイッチ回路、62…タイミング調整回路、63,
65…定電流回路、67,70…S/H回路、68…P
/H回路、69…差動増幅器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 羽田 聡 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 川瀬 友生 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固体電解質を用いた素子部を有し、電圧の
    印加に伴い被検出ガス中の特定成分の濃度に応じた電流
    信号を出力するガス濃度センサに適用され、ガス濃度検
    出途中の一時的な電圧変化と電流変化とから前記素子部
    の抵抗値を検出する素子抵抗検出装置において、 素子抵抗検出時の電流変化又は電圧変化を監視し、その
    監視結果を保持するためのホールド回路を備えることを
    特徴とするガス濃度センサの素子抵抗検出装置。
  2. 【請求項2】ガス濃度検出のために前記素子部に印加し
    た電圧を、センサ特性に応じた周波数で素子抵抗検出用
    の電圧に一時的に切り換え、その時の電圧変化と電流変
    化とから前記素子部の抵抗値を検出する素子抵抗検出装
    置であり、 前記ホールド回路は、素子抵抗検出時における電流変化
    のピーク値を保持するためのピークホールド回路である
    請求項1に記載のガス濃度センサの素子抵抗検出装置。
  3. 【請求項3】ガス濃度検出時に前記素子部に流れる電流
    の値を、所定値に一時的に切り換え、その時の電圧変化
    と電流変化とから前記素子部の抵抗値を検出する素子抵
    抗検出装置であり、 前記ホールド回路は、素子抵抗検出時の電圧変化を監視
    するためのピークホールド回路、若しくはサンプルホー
    ルド回路である請求項1に記載のガス濃度センサの素子
    抵抗検出装置。
  4. 【請求項4】請求項3に記載の素子抵抗検出装置におい
    て、 素子抵抗検出時に、前記素子部の一方の端子を一時的に
    開放状態とした後、素子部へ定電流を流す定電流源と、
    前記開放状態での素子部の一方の端子電圧を保持するホ
    ールド回路と、定電流を流した時の端子電圧の監視結果
    を保持するホールド回路とを備え、それら各ホールド回
    路で保持した電圧値の差に基づいて素子抵抗値を求める
    ガス濃度センサの素子抵抗検出装置。
  5. 【請求項5】請求項3に記載の素子抵抗検出装置におい
    て、 素子抵抗検出時に、前記素子部に所定の定電流を流す定
    電流源と、前記定電流源による電流変化前の素子部の両
    端子間電圧を保持するホールド回路と、電流変化後の素
    子部の両端子間電圧の監視結果を保持するホールド回路
    とを備え、それら各ホールド回路で保持した電圧値の差
    に基づいて素子抵抗値を求めるガス濃度センサの素子抵
    抗検出装置。
  6. 【請求項6】請求項5に記載の素子抵抗検出装置におい
    て、 ガス濃度検出の状態から素子抵抗検出の状態に切り換え
    る時、切り換え直前に素子部に流れる電流値と同値の定
    電流を流し、その後、電流値を所定値分だけ変化させる
    ガス濃度センサの素子抵抗検出装置。
  7. 【請求項7】請求項4〜6の何れかに記載の素子抵抗検
    出装置において、 電流変化後の電圧変化を監視するためのホールド回路
    は、素子抵抗検出時における電流変化後、所定の微小時
    間でのピーク値を記憶保持するガス濃度センサの素子抵
    抗検出装置。
  8. 【請求項8】前記ホールド回路で保持した素子抵抗検出
    時における電流変化又は電圧変化の監視結果を、次回の
    素子抵抗の検出時まで保持するためのサンプルホールド
    回路を更に備える請求項1〜7の何れかに記載のガス濃
    度センサの素子抵抗検出装置。
  9. 【請求項9】前記ホールド回路で保持した素子抵抗検出
    時における電流変化又は電圧変化の監視結果を取り込む
    ためのローパスフィルタを備える請求項1〜7の何れか
    に記載のガス濃度センサの素子抵抗検出装置。
  10. 【請求項10】請求項9に記載の素子抵抗検出装置にお
    いて、 素子抵抗検出の直前に前記ホールド回路のホールド値が
    クリアされるガス濃度センサの素子抵抗検出装置。
  11. 【請求項11】前記ホールド回路で素子抵抗検出時にお
    ける電流変化又は電圧変化を監視する際に、その時の監
    視結果の使用を一時的に許可しない旨の信号を出力する
    請求項1〜10の何れかに記載のガス濃度センサの素子
    抵抗検出装置。
  12. 【請求項12】ガス濃度検出時の素子電流を取り込むた
    めのガス濃度検出用サンプルホールド回路を備え、前記
    素子抵抗の検出期間において、ガス濃度検出用サンプル
    ホールド回路は同検出期間の直前における素子電流の検
    出値を保持する請求項1〜11の何れかに記載のガス濃
    度センサの素子抵抗検出装置。
  13. 【請求項13】ガス濃度検出と素子抵抗検出とを所定の
    タイミングで切り換えて選択的に実施させるためのタイ
    ミング調整回路を備える請求項1〜12の何れかに記載
    のガス濃度センサの素子抵抗検出装置。
  14. 【請求項14】固体電解質を用いた素子部を有し、電圧
    の印加に伴い被検出ガス中の特定成分の濃度に応じた電
    流信号を出力するガス濃度センサに適用され、ガス濃度
    検出時に前記素子部に流れる電流の値を、所定値に一時
    的に切り換え、その時の電圧変化と電流変化とから前記
    素子部の抵抗値を検出することを特徴とするガス濃度セ
    ンサの素子抵抗検出装置。
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