JPH11230932A - ガス濃度センサの素子温検出装置 - Google Patents

ガス濃度センサの素子温検出装置

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JPH11230932A
JPH11230932A JP10036071A JP3607198A JPH11230932A JP H11230932 A JPH11230932 A JP H11230932A JP 10036071 A JP10036071 A JP 10036071A JP 3607198 A JP3607198 A JP 3607198A JP H11230932 A JPH11230932 A JP H11230932A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ガス濃度センサの素子温の検出精度を向上させ
る。 【解決手段】車載ECU1は、DMA通信により相互に
通信可能な第1のCPU11と第2のCPU12とを備
える。A/Fセンサ30は、その主要な構成として固体
電解質を有するセンサ素子部32と、同素子部32を加
熱するヒータ33とを有し、センサ素子部32への電圧
印加に伴い排ガス中の特定成分の濃度に応じた電流信号
を出力する。第1のCPU11は、センサ素子部32へ
の印加電圧を一時的に正側或いは負側に切り換え、その
電圧切り換えに伴う電圧変化量と電流変化量とから素子
抵抗をアドミタンス値として算出する。このとき、A/
Fセンサ30の活性温度域において、素子温とアドミタ
ンス値とが比例関係を有することを利用して素子温が検
出される。第2のCPU12は、前記算出したアドミタ
ンス値に基づき素子温を検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガス濃度センサの
素子温検出装置に係り、例えば車載用エンジンからの排
出ガス中の特定成分の濃度を検出するためのガス濃度セ
ンサについてその素子抵抗に基づき同センサの素子温を
検出する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の車載用エンジンの空燃比制御にお
いては、例えば制御精度を高めるといった要望やリーン
バーン化への要望があり、これらの要望に対応すべく、
エンジンからの排出ガス中の特定成分の濃度(例えば酸
素濃度)を広域に且つリニアに検出するガス濃度センサ
が具体化されている。その一例としては、限界電流式空
燃比センサが知られている。こうしたガス濃度センサに
おいて、ガス濃度の検出精度を維持するには固体電解質
などからなるセンサ素子を活性状態に保つことが不可欠
であり、一般にはセンサに付設されたヒータを通電制御
することにより当該センサ素子を加熱して活性状態を維
持するようにしている。
【0003】かかるヒータの通電制御において、センサ
素子の温度(素子温)を検出してその素子温が所望の活
性温度(例えば約700℃)になるようにフィードバッ
ク制御を実施する技術が従来より開示されている。この
場合、センサ素子の抵抗(素子インピーダンス)が素子
温に対して所定の対応関係を有することを利用して素子
インピーダンスを検出し、その検出した素子インピーダ
ンスから素子温を導き出すことが提案されている。
【0004】また、素子インピーダンスを検出する一手
法としては、例えば限界電流式空燃比センサの場合にお
いて、限界電流検出域にかからない抵抗支配域に電圧V
negを印加し、その電圧印加に伴い流れる電流値In
egを計測する。そして、 素子インピーダンス=Vneg/Ineg として素子インピーダンスを検出する。またこの他に、
印加電圧を一時的に正側或いは負側に一時的に変化させ
てその時の電圧変化量と電流変化量とから素子インピー
ダンス(交流インピーダンス)を検出する手法もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来既存の
技術では、素子インピーダンスから素子温への変換時に
誤差が生じ易く、素子温の検出精度が低下するという問
題があった。つまり、素子インピーダンスと素子温と
は、図10の関係を有することが知られている。なお、
図10の縦軸は、上記の如く検出された素子インピーダ
ンスをLSB変換により換算したインピーダンスカウン
ト値を示す。かかる場合、インピーダンスカウント値と
素子温とは比例関係になく、特に素子温の低温域ではイ
ンピーダンスカウント値が飛躍的に大きくなる。
【0006】そのため、活性温度領域においては、イン
ピーダンスカウント値が1カウント違うと、素子温の検
出値が大きくずれてしまう。例えばセンサ素子の所定の
活性温度域において、 ・インピーダンスカウント値が「26」から「25」に
変わると、素子温の検出値が「746℃」から「750
℃」に、 ・インピーダンスカウント値が「25」から「24」に
変わると、素子温の検出値が「750℃」から「760
℃」に、というように素子温のズレ量が大きく(また、
そのズレ量も一定でなく)、精度良く素子温を検出する
ことができないという問題があった。
【0007】本発明は、上記問題に着目してなされたも
のであって、その目的とするところは、素子温の検出精
度を向上させることができるガス濃度センサの素子温検
出装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明では、ガス濃度センサのセン
サ素子への印加電圧を一時的に正側或いは負側に切り換
え(電圧切換手段)、前記の電圧切り換えに伴う電圧変
化量と電流変化量とから素子抵抗をアドミタンス値とし
て算出する(アドミタンス値算出手段)。そして、前記
算出したアドミタンス値に基づき素子温を検出する(素
子温検出手段)。
【0009】上記構成によれば、素子抵抗の検出に際
し、素子インピーダンスの逆数であるアドミタンス値が
演算される。つまり、電圧変化量をΔV、電流変化量を
ΔIとした時、 Y=ΔI/ΔV としてアドミタンス値Yが演算される。因みに本明細書
においては、「素子抵抗値」の記載に当たり、その下位
概念として「インピーダンス値」と「アドミタンス値」
とを含むものとしている。
【0010】これにより、インピーダンス値と素子温と
が比例関係にない従来装置の関係(前記図10の関係)
とは異なり、素子温と比例関係を有するアドミタンス値
により素子抵抗値が把握できる。そして、アドミタンス
値から素子温を検出することで、その検出精度が向上す
る。より具体的には、図9に示されるように、アドミタ
ンスカウント値が1カウントずれた場合にも素子温のズ
レ量が小さく(また、そのズレ量もほぼ一定であり)、
従来装置に比べて素子温の検出誤差が大幅に低減でき
る。
【0011】特に請求項2に記載の発明では、ガス濃度
センサの活性温度域において、前記算出したアドミタン
ス値に基づき素子温を検出することとしている。例えば
ガス濃度センサとして空燃比センサに具体化した場合に
おいて、当該センサの活性状態下での素子温制御(素子
温一定のヒータ制御など)が良好に実施でき、ひいては
高精度な空燃比検出や空燃比フィードバック制御が実施
できることとなる。
【0012】また実際には、 ・請求項3に記載したように、前記算出したアドミタン
ス値と素子温とが比例関係にあることを利用して素子温
を検出したり、 ・請求項4に記載したように、ガス濃度センサの活性温
度域内で区分した複数の領域毎に異なる傾きの近似直線
を用い、前記算出したアドミタンス値に基づき素子温を
検出したり、 ・請求項5に記載したように、ガス濃度センサの活性温
度域以下の温度域でマップデータの補間により素子温を
検出したり、 ・請求項6に記載したように、素子温−アドミタンス値
の座標上における非直線領域でマップデータの補間によ
り素子温を検出したりするとよい。
【0013】要するに、図6に示されるように、ガス濃
度センサの活性温度域(約625℃以上の温度域)で
は、素子温とアドミタンス値とが比例関係にあり、両者
の関係は1次式(直線)で近似できる。このとき、1本
の直線で近似することも可能であるが、図示の通り、傾
きの異なる複数の直線で近似することで、素子温検出の
精度がより一層向上する(請求項4)。こうして1次式
を用い、アドミタンス値を素子温に変換することによ
り、換算マップより素子温の算出を行う場合に比べて演
算負荷が軽減できる。
【0014】但し、ガス濃度センサの活性温度域以下の
温度域では、素子温とアドミタンス値との比例関係が解
消される。また、当該温度域(活性温度域以下の領域)
では、素子温−アドミタンス値の座標上で両者の関係が
非直線の関係になる。そのため、換算マップを用いつ
つ、データ補間により素子温を検出する(請求項5,
6)。この場合、換算マップを使用することで、演算負
荷の増大などが懸念されるが、マップの使用はセンサ活
性化までの一時的な期間に限られるため、活性化後の通
常使用時において従来のような不具合が継続されること
はない。
【0015】請求項7に記載の発明では、前記電圧切換
手段は、演算増幅器に応じて基準値を設定し、シャント
抵抗器の信号処理部側の電圧値が基準値を上回れば素子
温検出時の印加電圧を負側に切り換え、シャント抵抗器
の信号処理部側の電圧値が基準値を下回れば素子温検出
時の印加電圧を正側に切り換える。
【0016】つまり、電圧変化量と電流変化量とを正確
に求めるには、演算増幅器の出力能力の範囲内(例え
ば、1.5〜4.5V)で印加電圧を切り換える必要が
ある。この場合、例えば演算増幅器の出力能力の中心電
圧(基準値)に対して余裕のある方向に印加電圧を切り
換えることで、下限値又は上限値への印加電圧のはりつ
きが防止でき、素子抵抗(アドミタンス値)の検出精度
の悪化が回避できる。なおここで、センサ信号を処理す
る信号処理部とは、シャント抵抗器により検出された電
圧値を入力するA/D変換器(CPU)のことを指す。
【0017】また、請求項8に記載の発明では、第1の
CPUは、センサ素子に所定の電圧を印加すると共に、
その電圧印加により流れる電流値を計測し、それら電圧
値と電流値とから素子抵抗をアドミタンス値として演算
する。第2のCPUは、第1のCPUにより演算された
アドミタンス値を受信し、該受信したアドミタンス値に
基づき素子温を検出する。
【0018】請求項8の発明においても、素子抵抗の検
出に際し、素子インピーダンスの逆数であるアドミタン
ス値を用いることで、素子温とアドミタンス値との比例
関係に従い素子抵抗値が把握できる。その結果、上記請
求項1の発明と同様に、素子温の検出精度を向上させる
ことができる。また、素子温検出にかかる各処理を第
1,第2のCPUに適宜分担させることで、演算の効率
化が図られる。因みに、既存の空燃比制御装置への適用
に際し、第1のCPUは、センサ電流(空燃比)や素子
抵抗を検出するためのCPUに相当し、第2のCPU
は、センサ活性化を維持するためのヒータ制御や空燃比
制御を実施するためのCPUに相当する。
【0019】実際には、第1のCPUは、アドミタンス
値の演算時よりも少ないバイト数で第2のCPUに対し
て演算データを送信し(請求項9)、また一方で、第
1,第2のCPUはDMA通信により相互に通信可能に
接続されるものであるとよい(請求項10)。かかる構
成によれば、少ないバイト数で、必要な部分の精度を保
ちながら素子抵抗の情報が送信できる。そのため、DM
A通信における負荷が大幅に削減できるという効果が得
られる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、この発明を具体化した一実
施の形態を図面に従って説明する。本実施の形態では、
本発明を車両用エンジンの空燃比制御システムに適用
し、同システムの空燃比検出装置として具体化してい
る。車両に搭載される電子制御装置(以下、車載ECU
という)は、エンジン排気管に設けられた限界電流式空
燃比センサ(A/Fセンサ)による検出結果を基に、空
燃比フィードバック(F/B)制御を実施すると共に、
当該A/Fセンサの素子温を監視しつつ同センサを常に
活性状態に保持するためのヒータ加熱制御を実施する。
以下に、その詳細を説明する。
【0021】図1は、車載ECU1と同ECU1により
駆動されるA/Fセンサ30の概要を示す電気的構成図
である。図1において、車載ECU1は、DMA通信に
より相互に通信可能な第1のCPU11と第2のCPU
12とを備える。また、A/Fセンサ30は、その主要
な構成としてセンサ素子部32とヒータ33とを有す
る。
【0022】第1のCPU11は、A/Fセンサ30
(センサ素子部32)に所定の印加電圧を出力し、且つ
電圧印加に伴って流れる電流信号を当該センサ30から
取り込む。これに対し、第2のCPU12は、第1のC
PU11からDMA通信線13を介してA/Fセンサ3
0の素子抵抗に関する情報を入力し、該入力した情報に
基づいて素子温を検出する。また、第2のCPU12
は、前記検出した素子温に応じてA/Fセンサ30の加
熱の要否を判断し、その要否に応じてヒータ制御回路1
4を操作する。センサ加熱を要する場合、ヒータ制御回
路14によりA/Fセンサ30に付設されたヒータ33
が通電され、その通電により当該センサ30が所定の活
性温度(本実施の形態では、約700℃)に保持され
る。
【0023】ここで、A/Fセンサ30の構成を図2を
用いて説明する。図2において、A/Fセンサ30はエ
ンジン排気管39の内部に向けて突設されており、同セ
ンサ30は大別して、カバー31、センサ素子部32及
びヒータ33から構成されている。カバー31は断面コ
字状をなし、その周壁にはカバー内外を連通する多数の
小孔31aが形成されている。センサ素子部32は空燃
比リーン領域における酸素濃度、若しくは空燃比リッチ
領域における未燃ガス(CO,HC,H2 等)濃度に対
応する限界電流を発生する。
【0024】センサ素子部32の構成について詳述す
る。センサ素子部32において、断面コップ状に形成さ
れた固体電解質層34の外表面には、排ガス側電極層3
6が固着され、内表面には大気側電極層37が固着され
ている。また、排ガス側電極層36の外側には、プラズ
マ溶射法等により拡散抵抗層35が形成されている。固
体電解質層34は、ZrO2 、HfO2 、ThO2 、B
i2 O3 等にCaO、MgO、Y2 O3 、Yb2 O3 等
を安定剤として固溶させた酸素イオン伝導性酸化物焼結
体からなり、拡散抵抗層35は、アルミナ、マグネシ
ャ、ケイ石質、スピネル、ムライト等の耐熱性無機物質
からなる。排ガス側電極層36及び大気側電極層37は
共に、白金等の触媒活性の高い貴金属からなりその表面
には多孔質の化学メッキ等が施されている。なお、排ガ
ス側電極層36の面積及び厚さは、10〜100mm^2
(平方ミリメートル)及び0.5〜2.0μm程度とな
っており、一方、大気側電極層37の面積及び厚さは、
10mm^2(平方ミリメートル)以上及び0.5〜2.
0μm程度となっている。
【0025】ヒータ33は大気側電極層37内に収容さ
れており、その発熱エネルギによりセンサ素子部32
(大気側電極層37、固体電極質層34、排ガス側電極
層36及び拡散抵抗層35)を加熱する。ヒータ33
は、センサ素子部32を活性化するに十分な発熱容量を
有している。
【0026】上記構成のA/Fセンサ30において、セ
ンサ素子部32は理論空燃比点よりリーン領域では酸素
濃度に応じた限界電流を発生する。この場合、酸素濃度
に対応する限界電流は、排ガス側電極層36の面積、拡
散抵抗層35の厚さ、気孔率及び平均孔径により決定さ
れる。また、センサ素子部32は酸素濃度を直線的特性
にて検出し得るものであるが、このセンサ素子部32を
活性化するのに約600℃以上の高温が必要とされると
共に、同センサ素子部32の活性温度範囲が狭いため、
エンジンの排ガスだけの加熱ではセンサ素子部32を活
性領域で維持できない。そのため、本実施の形態では、
ヒータ33の加熱制御によりセンサ素子部32を活性温
度域にまで加熱する。なお、理論空燃比よりもリッチ側
の領域では、未燃ガス中の一酸化炭素(CO)等の濃度
が空燃比に対してほぼリニアに変化し、センサ素子部3
2はCO等の濃度に応じた限界電流を発生する。
【0027】センサ素子部32の電圧−電流特性につい
て図3を用いて説明する。図3によれば、A/Fセンサ
30の検出空燃比に比例するセンサ素子部32の固体電
解質層34への流入電流と、同固体電解質層34への印
加電圧とがリニアな特性を有することが分かる。かかる
場合、電圧軸Vに平行な直線部分がセンサ素子部32の
限界電流を特定するものであって、この限界電流(セン
サ電流)の増減は空燃比の増減(すなわち、リーン・リ
ッチ)に対応している。つまり、空燃比がリーン側にな
るほど限界電流は増大し、空燃比がリッチ側になるほど
限界電流は減少する。
【0028】また、この電圧−電流特性において電圧軸
Vに平行な直線部分よりも小さい電圧域は抵抗支配域と
なっており、その抵抗支配域における一次直線部分の傾
きは、センサ素子部32における固体電解質層34の内
部抵抗(素子抵抗)により特定される。この素子抵抗は
温度変化に伴い変化するため、センサ素子部32の温度
が低下すると素子抵抗の増大により上記傾きが小さくな
る。
【0029】一方、図1の車載ECU1において、第1
のCPU11には、A/D変換器の入力端子である2つ
の端子Ch1,Ch2と、D/A変換器の出力端子であ
る2つの端子DAC1,DAC2とが設けられている。
【0030】また、同車載ECU1の空燃比検出回路
は、その主要な構成として ・反転入力端子が抵抗器R2を介してA/Fセンサ30
のプラス側端子AF+(すなわち、前記図2の大気側電
極層37に接続された端子)に接続された演算増幅器O
P1と、 ・A/Fセンサ30のプラス側端子AF+と演算増幅器
OP1の出力端子との間に接続されたシャント抵抗器R
3と、 ・非反転入力端子がA/Fセンサ30のプラス側端子A
F+に接続され、反転入力端子と出力端子とが共通接続
された演算増幅器OP2と、 ・非反転入力端子が演算増幅器OP1の出力端子に接続
され、反転入力端子と出力端子とが共通接続された演算
増幅器OP3と、を備える。
【0031】なお、シャント抵抗器R3は100Ω程度
の抵抗値を有する。演算増幅器OP2,OP3の出力端
子には抵抗器R4,R5が各々接続されている。演算増
幅器OP1の非反転入力端子には、抵抗器R1とコンデ
ンサC1とからなるローパスフィルタ(LPF)20が
接続されている。
【0032】さらに、車載ECU1の空燃比検出回路
は、 ・非反転入力端子が第1のCPU11の端子DAC1に
接続され、反転入力端子と出力端子とが共通接続された
演算増幅器OP5と、 ・非反転入力端子が第1のCPU11の端子DAC2に
接続され、出力端子が抵抗器R6を介してA/Fセンサ
30のマイナス側端子AF−(すなわち、前記図2の排
ガス側電極層36に接続された端子)に接続され、反転
入力端子が抵抗器R7を介してA/Fセンサ30のマイ
ナス端子AF−に接続された演算増幅器OP6と、を備
える。
【0033】また、A/Fセンサ30のマイナス側端子
AF−にはコンデンサC3が接続され、同センサ30の
プラス側端子AF+にはダイオードD1,D2が接続さ
れている。上記コンデンサC3と2つのダイオードD
1,D2とは、空燃比検出回路とA/Fセンサ30とを
結ぶ信号線から高電圧のサージや静電気が侵入すること
を防止するために設けられている。また、同回路には、
主にノイズ除去を目的としてコンデンサ等が適宜設けら
れている。
【0034】上記のように構成された車載ECU1にお
いては、端子DAC1から出力される電圧Vpが演算増
幅器OP5及びLPF20を経由して電圧Voとして出
力される。そして、LPF20から出力される電圧と同
じ電圧Voが演算増幅器OP1、抵抗器R2及びシャン
ト抵抗器R3からなる回路部によってA/Fセンサ30
のプラス端子AF+に印加される。つまり、演算増幅器
OP1は、LPF20の出力電圧VoとA/Fセンサ3
0のプラス側端子AF+とが一致するように、自己の出
力電圧を変化させる。
【0035】一方、A/Fセンサ30のマイナス側端子
AF−には、演算増幅器OP6及び抵抗器R6,R7か
らなる回路部によって第1のCPU11の端子DAC2
から出力されるマイナス側基準電圧Vm(本実施の形態
では、3.0V)が印加される。
【0036】このため、第1のCPU11の端子DAC
1,DAC2から各々出力される電圧Vp,Vmの差
(Vp−Vm)が、A/Fセンサ30の両端子AF+,
AF−間に、混合気の空燃比を検出するための電圧とし
て印加される。例えばVp=3.3V、Vm=3.0V
であれば、A/Fセンサ30には0.3Vが印加され
る。そして、その電圧の印加に伴い、A/Fセンサ30
にはその時々の排ガス中の酸素濃度に応じた限界電流が
流れる。
【0037】また、A/Fセンサ30に流れる電流(セ
ンサ電流i)と同じ電流がシャント抵抗器R3にも流れ
るため、シャント抵抗器R3の両端電位差はセンサ電流
iに比例した値となる。このとき、A/Fセンサ30の
プラス側端子AF+に印加される電圧と同じ電圧Voが
演算増幅器OP2を介して端子Ch1に入力され、シャ
ント抵抗器R3のA/Fセンサ30とは反対側の電圧と
同じ電圧Viが演算増幅器OP3を介して端子Ch2に
入力される。
【0038】第1のCPU11は、端子Ch1,Ch2
にそれぞれ入力される電圧Vo,Viを内部のA/D変
換器でデジタル変換し、その電圧差(Vi−Vo)をシ
ャント抵抗器R3の抵抗値で割ることによりセンサ電流
iを検出する。そして、第1のCPU11は、その検出
したセンサ電流iから、例えば4ms毎に混合気の空燃
比(排ガス中の酸素濃度)を求める。
【0039】一方、第1のCPU11は、空燃比を検出
すべくA/Fセンサ30に印加している電圧を、図8に
示す如く所定時間(例えば、128ms)毎に変化させ
て、A/Fセンサ30の素子抵抗を検出する。本実施の
形態では、端子DAC1の電圧Vpを矩形波状に変化さ
せており、図8には電圧Vpの変化状態を、端子Ch1
に入力される電圧Voの波形として表している。なお、
電圧VpはLPF20を通過する際に所定の時定数を持
った電圧Voに変換されている。また、図8(b)は、
図8(a)にて楕円で囲んだ部分を拡大して示すもので
ある。
【0040】具体的に説明すると、第1のCPU11は
以下の手順にてA/Fセンサ30の素子抵抗を検出す
る。先ず図8の時刻t1では、端子Ch1に入力される
電圧Voを検出する。この時刻t1で検出した電圧を
「Vo(t1)」と記す。
【0041】時刻t1直後の時刻t2では、端子Ch2
に入力される電圧Viを検出する。この時刻t2で検出
した電圧を「Vi(t2)」と記す。時刻t2直後の時
刻t3では、端子DAC1の出力電圧Vpを空燃比検出
用の通常電圧よりもΔVaだけ低い電圧に変化させる。
【0042】時刻t3から予め定められた所定時間T1
が経過した時刻t4では、端子Ch2に入力される電圧
Viを検出する。この時刻t4で検出した電圧を「Vi
(t4)」と記す。時間T1は、時刻t3からセンサ電
流Iの変化分ΔIがピークになると予想される時間に設
定されている。
【0043】時刻t4直後の時刻t5では、端子Ch1
に入力される電圧Voを検出する。この時刻t5で検出
した電圧を「Vo(t5)」と記す。そして、下記の式
(1)により、素子抵抗をアドミタンス値Yとして演算
する。但し、シャント抵抗値R3の抵抗値をRsとす
る。
【0044】
【数1】 なお、上記式(1)において、{Vo(t1)−Vo
(t5)}が印加電圧の変化分ΔVであり、それ以外の
部分がセンサ電流の変化分ΔIである。また、式(1)
における{Vo(t1)−Vo(t5)}は、既知のΔ
Vaに置き換えることも可能である。
【0045】その後、時刻t3から予め定められた所定
時間T2が経過した時刻t6では、端子DAC1の出力
電圧Vpを通常電圧よりもΔVbだけ高い電圧に変化さ
せる。
【0046】時刻t6から予め定められた所定時間T3
が経過した時刻t7では、端子DAC1の出力電圧Vp
を通常電圧に戻す。なお、素子抵抗(アドミタンス値
Y)の演算が終了した時刻t6において、端子DAC1
の出力電圧Vpを通電圧よりも正側(最初の変化方向と
は逆側)に変化させているのは、センサ電流の収束を早
めるためである。すなわち、A/Fセンサ30への印加
電圧を再び通常電圧に復帰させる際に、その電圧を直
接、元の通常電圧に切り換えると、A/Fセンサ30の
素子が有する容量成分に蓄えられた電荷に影響により、
センサ電流は電圧の復帰直後においてピーク電流を発生
し、結果として元の電流値に収束するまでの時間が長く
なる。そこで、本実施の形態では、印加電圧を元の通常
電圧に復帰させる際に、先の電圧変化時とは逆方向の電
圧を短時間印加して、素子の容量成分における電荷の放
電を短時間で終了させ、センサ電流収束のための所要時
間を短縮化するようにしている。この場合、A/Fセン
サ30の素子内を移動する電荷量が正負いずれの変化時
にも略同一量となるように電圧波形を設定すれば、より
効果的である。
【0047】次に、車載ECU1内の第1のCPU11
により実行される素子抵抗の検出手順について、図4の
フローチャートに従い説明する。なお、図4の処理は、
例えば128ms周期で実行される。
【0048】さて、第1のCPU11が図4の処理を開
始すると、先ずステップ101で端子Ch2に入力され
る電圧Viを検出し、この電圧Viが所定の基準値より
も大きいか否かを判別する。基準値は、演算増幅器OP
1(図1参照)の出力能力の中心電圧に相当する。本実
施の形態では演算増幅器OP1の出力能力が1.5〜
4.5Vであるとして「基準値=3.0V」としてい
る。
【0049】Vi>基準値であれば、第1のCPU11
はステップ102に進み、以降の電圧切換の処理におい
て、印加電圧Vpを通常電圧(空燃比検出用電圧)に対
して負側→正側の順に電圧を変化させる旨を決定する。
また、Vi≦基準値であれば、第1のCPU11はステ
ップ103に進み、以降の電圧切換の処理において、印
加電圧Vpを通常電圧(空燃比検出用電圧)に対して正
側→負側の順に電圧を変化させる旨を決定する。
【0050】要するに、例えばVi=2Vの時(ステッ
プ101がNOの時)、電圧Vpを負側に掃引すると、
電圧Voがすぐに演算増幅器OP1の出力能力の下限値
(1.5V)で飽和してしまい、完全に掃引できずに素
子抵抗値が正確に求められなくなる。また逆に、例えば
Vi=4Vの時(ステップ101がYESの時)、電圧
Vpを正側に掃引すると、電圧Voがすぐに演算増幅器
OP1の出力能力の上限値(4.5V)で飽和してしま
い、やはり素子抵抗値が正確に求められなくなる。これ
に対し、上記の通り電圧Viと基準値との比較に応じて
電圧Vpの掃引の方向を決定することで、電圧Viの上
限値又は下限値へのはりつきが防止できる。
【0051】その後、第1のCPU11は、ステップ1
04で端子Ch1に入力される電圧Voを検出し、この
検出した電圧Voを前述のVo(t1)として記憶す
る。また、端子Ch2に入力される電圧Viを検出し、
この検出した電圧Viを前述のVi(t2)として記憶
する。
【0052】続いて、第1のCPU11は、ステップ1
05で端子DAC1の電圧Vpを正側或いは負側に掃引
させる。このとき、前記ステップ101が肯定判別され
ていれば、電圧Vpを負側に掃引させ、前記ステップ1
01が否定判別されていれば、電圧Vpを正側に掃引さ
せる。そして、第1のCPU11は、続くステップ10
6で現在時刻を「Ta」として記憶する。なおこの時刻
Taは、前記図8の時刻t3に相当する時刻である。
【0053】その後、第1のCPU11は、ステップ1
07で所定時間だけ待機する。この待機する時間は、前
記図8の時間T1に相当する時間であって、本実施の形
態では、135μsとしている。
【0054】135μsの経過後、第1のCPU11
は、ステップ108で端子Ch2に入力される電圧Vi
を検出し、この検出した電圧Viを前述のVi(t4)
として記憶する。また、端子Ch1に入力される電圧V
oを検出し、この検出した電圧Voを前述のVo(t
5)として記憶する。
【0055】その後、第1のCPU11は、ステップ1
09で端子DAC1の電圧Vpを前記掃引した方向とは
逆側に変化させる。このとき、前記ステップ101が肯
定判別されていれば、電圧Vpを正側に変化させ、前記
ステップ101が否定判別されていれば、電圧Vpを負
側に変化させる。そして、第1のCPU11は、ステッ
プ110で現在時刻を「Tb」として記憶する。なおこ
の時刻Tbは、前記図8の時刻t6に相当する時刻であ
る。
【0056】また、第1のCPU11は、ステップ11
1で次の式(2)を用い、電圧変化量ΔVと電流変化量
ΔIとからアドミタンス値Yを演算する。
【0057】
【数2】 式(2)は、基本的に前記式(1)と同意のものである
が、シャント抵抗分が後述のLSB変換で補正されるも
のとして式(2)ではシャント抵抗分の演算を省略して
いる。
【0058】その後、第1のCPU11は、ステップ1
12で前記演算したアドミタンス値YをLSB変換して
アドミタンスカウント値Y’を求め、続くステップ11
3で前記LSB変換したアドミタンスカウント値Y’を
第2のCPU12に送信する。このとき、前記ステップ
104〜111の処理が2バイトで演算されるのに対
し、ステップ113ではLSB変換された1バイトのデ
ータがDMA通信により送信される。
【0059】その後、第1のCPU11は、ステップ1
14で現在時刻から前記記憶した時刻Tbを減算した時
間と、前記記憶した時間Tb,Taの時間差(Tb−T
a)とを比較し、 現在時刻−Tb>Tb−Ta が成立するか否かを判別する。
【0060】そして、ステップ114が肯定判別された
時点で、第1のCPU11はステップ115に進み、端
子DAC1の電圧Vpを元の通常電圧(空燃比検出用電
圧)に戻してその後本ルーチンを一旦終了する。前記図
8では、時刻t7でステップ114が肯定判別される。
【0061】次に、車載ECU1内の第2のCPU12
により実行されるヒータ駆動手順について、図5のフロ
ーチャートに従い説明する。なお、図5の処理は、例え
ば128ms周期で実行される。
【0062】さて、第2のCPU12が図5の処理を開
始すると、先ずステップ201で目標素子温Tm(本実
施の形態では、700℃程度)を設定する。また、第2
のCPU12は、続くステップ202で第1のCPU1
1からアドミタンスカウント値Y’を受信する。
【0063】その後、第2のCPU12は、ステップ2
03で前記受信したアドミタンスカウント値Y’が所定
値Ka以下であるか否かを判別する。所定値Kaは、A
/Fセンサ30の活性/未活性の判断を行うためのしき
い値であり、例えば素子温=625℃程度に相当するカ
ウント値である。
【0064】Y’≦Kaの場合(ステップ203がYE
Sの場合)、第2のCPU12はステップ204に進
み、図7の変換マップを補間してアドミタンスカウント
値Y’を素子温Tyに変換する。例えばエンジン始動当
初の暖機途中などにおいては、A/Fセンサ30が未活
性であることから図7の変換マップにより素子温Tyが
算出される。
【0065】一方、Y’>Kaの場合(ステップ203
がNOの場合)、第2のCPU12は、ステップ205
〜207で図6に示す1次式(直線)の近似により素子
温Tyを算出する。つまり、図6において、アドミタン
スカウント値Y’がKaを越える領域(素子温>625
℃の領域)では、傾きの異なる2本の1次式を用いてア
ドミタンスカウント値Y’から素子温が推定される。
【0066】詳細には、第2のCPU12は、ステップ
205でアドミタンスカウント値Y’が所定値Kc以下
であるか否かを判別する。所定値Kcは、A/Fセンサ
30の活性温度域内の所定温度(例えば800℃程度)
に相当するカウント値である。Y’≦Kcの場合(ステ
ップ205がYESの場合)、第2のCPU12はステ
ップ206に進み、次の比例関係式(3)に従い、素子
温Tyを算出する。
【0067】Ty=a×Y’+b …(3) 上記式(3)のa,bは定数である。また、Y’>Kc
の場合(ステップ205がNOの場合)、第2のCPU
12はステップ207に進み、次の比例関係式(4)に
従い、素子温Tyを算出する。
【0068】Ty=c×Y’+d …(4) 上記式(4)のc,dは定数である。つまり、図6にお
いて、アドミタンスカウント値=Ka〜Kcの領域で
は、上記式(3)により素子温が求められ、アドミタン
スカウント値>Kcの領域では、上記式(4)により素
子温が求められることとなる。
【0069】上述の通り素子温Tyを算出した後、第2
のCPU12は、ステップ208で素子温Tyが目標素
子温Tm以上であるか否かを判別する。Ty≧Tmの場
合、第2のCPU12はヒータ33によるセンサ素子部
32の加熱が不要であるとみなし、ステップ209でヒ
ータ33の駆動を停止し、その後本ルーチンを一旦終了
する。また、Ty<Tmの場合、第2のCPU12はヒ
ータ33によるセンサ素子部32の加熱が必要であると
みなし、ステップ210でヒータ33を駆動し、その後
本ルーチンを一旦終了する。
【0070】なお本実施の形態では、前記図4のステッ
プ101〜109の処理が請求項記載の電圧切換手段に
相当し、同ステップ111の処理がアドミタンス値算出
手段に相当する。また、前記図5のステップ203〜2
07の処理が素子温検出手段に相当する。
【0071】以上詳述した本実施の形態によれば、以下
に示す効果が得られる。 (a)本実施の形態では、A/Fセンサ30の素子抵抗
の検出に際し、電圧変化量ΔVと電流変化量ΔIとか
ら、 Y=ΔI/ΔV としてアドミタンス値Yを算出するようにした。そし
て、前記算出したアドミタンス値Yに基づき素子温Ty
を検出するようにした。
【0072】これにより、インピーダンス値と素子温と
が比例関係にない従来装置の関係(前記図10の関係)
とは異なり、素子温と比例関係を有するアドミタンス値
Yにより素子抵抗値が把握できる。そして、アドミタン
ス値Yから素子温を検出することで、その検出精度が向
上する。より具体的には、図9に示されるように、アド
ミタンスカウント値が1カウントずれた場合にも素子温
のズレ量が小さく、素子温の検出誤差が抑制できる(活
性温度域において、1カウントに対する温度ズレ量が1
℃程度にできる)。
【0073】(b)A/Fセンサ30の活性温度域にお
いて、アドミタンス値と素子温とが比例関係にあること
を利用して素子温を検出することとした。そのため、特
に検出精度が要求されるA/Fセンサ30の活性温度域
において、素子温が精度良く検出できる。本実施の形態
では、当該センサ30の活性状態下でのヒータ制御が良
好に実施でき、ひいては高精度な空燃比検出や空燃比フ
ィードバック制御が実施できることとなる。
【0074】(c)A/Fセンサ30の活性温度域を複
数に区分した各領域毎に異なる傾きの1次式(直線)を
用い、アドミタンス値に基づき素子温を検出するように
した。こうして1次式を用い、アドミタンス値を素子温
に変換することにより、換算マップより素子温の算出を
行う場合に比べて演算負荷が軽減できる。また、傾きの
異なる複数の直線を選択的に用いることで、素子温検出
の精度がより一層向上する。
【0075】(d)A/Fセンサの活性温度域以下の温
度域では、マップデータの補間により素子温を検出する
ようにした。この場合、換算マップを使用することで、
演算負荷の増大などが懸念されるが、マップの使用はセ
ンサ活性化までの一時的な期間に限られるため、活性化
後の通常使用時において従来のような不具合が継続され
ることはない。
【0076】(e)演算増幅器OP1の出力能力の中心
電圧を基準値として、シャント抵抗器R3のCPU11
側の電圧値(端子Ch2の入力電圧Vi)が基準値を上
回れば素子抵抗検出時の印加電圧を負側に切り換え、シ
ャント抵抗器R3のCPU11側の電圧値が基準値を下
回れば素子抵抗検出時の印加電圧を正側に切り換えるよ
うにした。この場合、演算増幅器OP1の出力能力の中
心電圧(基準値)に対して余裕のある方向に印加電圧を
切り換えることで、下限値又は上限値への印加電圧のは
りつきが防止でき、素子抵抗(アドミタンス値)の検出
精度の悪化が回避できる。
【0077】また、電圧Viに応じて電圧切換の方向を
決定することにより、第1のCPU11にてその時々の
空燃比のリッチ/リーンが分からなくても適切な切換動
作が実施できる。またこのとき、電圧Viは演算増幅器
OP1の能力によって決まるため、A/Fセンサ30の
個体差や経時変化によって電圧切換の動作が影響を受け
ることはない。
【0078】(f)また本実施の形態では、車載ECU
1内に2CPUシステムを構築し、第1のCPU11で
アドミタンス値を演算し、第2のCPU12でアドミタ
ンス値に応じた素子温を検出するようにした。また、第
1,第2のCPU11,12をDMA通信により相互に
通信可能に接続し、アドミタンス値の演算時よりも少な
いバイト数で第1のCPU11から第2のCPU12に
対して演算データ(アドミタンスカウント値)を送信す
るようにした。かかる構成によれば、少ないバイト数
で、必要な部分の精度を保ちながら素子抵抗の情報が送
信できる。そのため、DMA通信における負荷が大幅に
削減できるという効果が得られる。
【0079】なお、本発明の実施の形態は、上記以外に
次の形態にて実現できる。上記実施の形態では、図6の
関係に従い、A/Fセンサ30の活性温度域(素子温>
625℃の領域)内で、傾きの異なる2本の1次式(直
線)を用いてアドミタンス値を素子温に変換したが、こ
れに代えて、1本の1次式、或いは傾きの異なる3本以
上の1次式を用いてもよい。また、A/Fセンサ30の
活性温度域以下の領域においても、図7の換算マップに
代えて直線近似を行うようにしてもよい。逆に、従来装
置のように、活性温度域で換算マップを用いることも可
能である。
【0080】また、アドミタンス値から素子温を検出す
るのは、A/Fセンサ30の活性温度域だけに限定して
もよい。つまり、活性温度域以外の領域では、素子温の
検出精度の要求が比較的低く、インピーダンス値から素
子温を検出する従来の手法でも許容される。そこで、A
/Fセンサ30の活性温度域ではアドミタンス値から素
子温を検出し、同センサ30の活性温度域以外ではイン
ピーダンス値から素子温を検出する。
【0081】上記実施の形態では、検出した素子温Ty
と目標素子温Tmとの比較結果に応じてヒータ33をO
N/OFF制御したが、この構成を変更する。例えば、
検出素子温と目標素子温との偏差を求め、この偏差が無
くなるようにヒータ通電量(デューティ比制御量、ヒー
タ電力量など)を制御する。つまり、素子温のフィード
バック制御を実施する。この場合、本発明の適用によ
り、素子温フィードバックの制御精度が向上する。
【0082】上記実施の形態では、第1のCPU11に
よりアドミタンス値(素子抵抗)を算出し、第2のCP
Uによりアドミタンス値に応じた素子温を検出したが、
何れか一方のCPUによりアドミタンス値の算出と素子
温検出との両方の処理を実施させることも可能である。
【0083】上記実施の形態では、A/Fセンサ30の
素子温Tyを検出し、その検出結果をヒータ制御に使用
したが、これ以外に、素子温Tyの検出結果をA/Fセ
ンサ30の劣化判定に使用するなどしてもよい。例えば
ヒータ通電量に対する素子温の特性を予め記憶してお
き、この特性の変化に応じてセンサの劣化度合を判定す
る。
【0084】上記実施の形態では、限界電流式空燃比セ
ンサとしてコップ型のA/Fセンサに具体化したが、こ
れに代えて、積層型のA/Fセンサに具体化してもよ
い。なお因みに、積層型A/Fセンサにおいては、昇温
特性に優れるなどの利点が知られている。
【0085】また、本発明は、A/Fセンサを用いた空
燃比検出装置以外にも適用が可能である。つまり、NO
x ,HC,CO等のガス濃度成分が検出可能なガス濃度
センサを用い、同センサにより特定成分の濃度を検出す
るためのガス濃度検出装置にも適用できる。当該他のガ
ス濃度検出装置においても、上記実施の形態と同様の手
法を用いることで、素子温の検出精度が向上し、ひいて
はガス濃度の検出精度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施の形態における車載ECUの概要を
示す電気的構成図。
【図2】A/Fセンサの構成を示す断面図。
【図3】A/FセンサのV−I特性図。
【図4】素子抵抗検出ルーチンを示すフローチャート。
【図5】ヒータ駆動ルーチンを示すフローチャート。
【図6】素子温とアドミタンスカウント値との関係を示
す図。
【図7】素子温算出用マップを示す図。
【図8】素子温検出時のVo電圧波形とVi電圧波形と
を示すタイムチャート。
【図9】素子温とアドミタンスカウント値との関係を示
す図。
【図10】素子温とインピーダンスカウント値との関係
を示す図。
【符号の説明】
1…車載ECU、11…電圧切換手段,アドミタンス値
算出手段を構成する第1のCPU、12…素子温検出手
段を構成する第2のCPU、30…ガス濃度センサとし
てのA/Fセンサ、32…センサ素子部、33…ヒー
タ、34…固体電解質層、R3…シャント抵抗器、OP
1…演算増幅器。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固体電解質を有するセンサ素子への電圧印
    加に伴い被検出ガス中の特定成分の濃度に応じた電流信
    号を出力するガス濃度センサに適用され、 前記センサ素子への印加電圧を一時的に正側或いは負側
    に切り換える電圧切換手段と、 前記の電圧切り換えに伴う電圧変化量と電流変化量とか
    ら素子抵抗をアドミタンス値として算出するアドミタン
    ス値算出手段と、 前記算出したアドミタンス値に基づき素子温を検出する
    素子温検出手段ととを備えることを特徴とするガス濃度
    センサの素子温検出装置。
  2. 【請求項2】前記素子温検出手段は、前記ガス濃度セン
    サの活性温度域において、前記算出したアドミタンス値
    に基づき素子温を検出する請求項1に記載のガス濃度セ
    ンサの素子温検出装置。
  3. 【請求項3】前記素子温検出手段は、前記算出したアド
    ミタンス値と素子温とが比例関係にあることを利用して
    素子温を検出する請求項1又は請求項2に記載のガス濃
    度センサの素子温検出装置。
  4. 【請求項4】前記ガス濃度センサの活性温度域を複数の
    領域に区分し、 前記素子温検出手段は、前記区分した各領域毎に異なる
    傾きの近似直線を用い、前記算出したアドミタンス値に
    基づき素子温を検出する請求項1又は請求項2に記載の
    ガス濃度センサの素子温検出装置。
  5. 【請求項5】前記素子温検出手段は、前記ガス濃度セン
    サの活性温度域以下の温度域でマップデータの補間によ
    り素子温を検出する請求項1に記載のガス濃度センサの
    素子温検出装置。
  6. 【請求項6】前記素子温検出手段は、素子温−アドミタ
    ンス値の座標上における非直線領域でマップデータの補
    間により素子温を検出する請求項1に記載のガス濃度セ
    ンサの素子温検出装置。
  7. 【請求項7】一端が前記ガス濃度センサに接続され、他
    端がセンサ信号を処理するための信号処理部に接続され
    たシャント抵抗器と、前記センサ素子への印加電圧を取
    り込み且つ前記シャント抵抗器の信号処理部側に出力端
    子が接続された演算増幅器とを備える装置であって、 前記電圧切換手段は、前記演算増幅器に応じて基準値を
    設定し、前記シャント抵抗器の信号処理部側の電圧値が
    基準値を上回れば素子温検出時の印加電圧を負側に切り
    換え、前記シャント抵抗器の信号処理部側の電圧値が基
    準値を下回れば素子温検出時の印加電圧を正側に切り換
    える請求項1に記載のガス濃度センサの素子温検出装
    置。
  8. 【請求項8】固体電解質を有するセンサ素子への電圧印
    加に伴い被検出ガス中の特定成分の濃度に応じた電流信
    号を出力するガス濃度センサに適用され、 前記センサ素子に所定の電圧を印加すると共に、その電
    圧印加により流れる電流値を計測し、それら電圧値と電
    流値とから素子抵抗をアドミタンス値として演算する第
    1のCPUと、 前記第1のCPUにより演算されたアドミタンス値を受
    信し、該受信したアドミタンス値に基づき素子温を検出
    する第2のCPUとを備えることを特徴とするガス濃度
    センサの素子温検出装置。
  9. 【請求項9】請求項8に記載の素子温検出装置におい
    て、 前記第1のCPUは、アドミタンス値の演算時よりも少
    ないバイト数で前記第2のCPUに対して演算データを
    送信するガス濃度センサの素子温検出装置。
  10. 【請求項10】請求項8又は請求項9に記載の素子温検
    出装置において、 前記第1,第2のCPUはDMA通信により相互に通信
    可能に接続されているガス濃度センサの素子温検出装
    置。
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