JP2000071388A - 製缶用積層体及びシームレス缶 - Google Patents

製缶用積層体及びシームレス缶

Info

Publication number
JP2000071388A
JP2000071388A JP24761698A JP24761698A JP2000071388A JP 2000071388 A JP2000071388 A JP 2000071388A JP 24761698 A JP24761698 A JP 24761698A JP 24761698 A JP24761698 A JP 24761698A JP 2000071388 A JP2000071388 A JP 2000071388A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyester
laminate
resin
extrusion
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP24761698A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4366730B2 (ja
Inventor
Kazuhiro Sato
一弘 佐藤
Kenichirou Nakamaki
憲一郎 中牧
Akihiko Morofuji
明彦 諸藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP24761698A priority Critical patent/JP4366730B2/ja
Publication of JP2000071388A publication Critical patent/JP2000071388A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4366730B2 publication Critical patent/JP4366730B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Containers Having Bodies Formed In One Piece (AREA)
  • Shaping Metal By Deep-Drawing, Or The Like (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 金属等の基体にポリエステルの押出コート層
を設けた積層体において、被覆の均一性、被覆の完全
さ、密着性、耐熱性及び成形性に優れ、更に、安価に且
つ歩留まりよく、しかも高速で製造可能な積層体の提
供。 【解決手段】 金属基体と該基体表面に設けられた熱可
塑性ポリエステル層とからなる製缶用積層体において、
熱可塑性ポリエステル層が、芳香族ジカルボン酸成分を
主体とするジカルボン酸成分と全グリコール成分の0.
5モル%以上、20モル%未満が1,4-シクロヘキサンジ
メタノール成分であるグリコール成分を含有し、溶融押
出時の温度において、下記式(1) R=η12.2/η1216 …(1) (η12.2、η1216はそれぞれポリエステルの押
出し温度におけるせん断速度12.2sec−1、1216sec
−1での溶融粘度)で定義される溶融粘度比(R)が
2.0以上、且つη1216が500ポイズ以上であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は製缶用積層体及びこの積
層体を用いて製造されたシームレス缶に関するもので、
より詳細には、高温殺菌されているコーヒー飲料、お茶
類充填に使用でき、高温での貯蔵安定性が顕著に改善さ
れ、且つ、優れた加工性、耐衝撃性(耐デント性)、耐食
性を有し、内容物の保存性に優れた積層体及びこの積層
体から成形されたシームレス容器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、側面無継目缶(サイド・シームレ
ス缶)としては、アルミニウム板、ブリキ板或いはティ
ン・フリー・スチール板等の金属素材を、絞りダイスと
ポンチとの間で少なくとも1段の絞り加工に付して、側
面継目のない胴部と該胴部に、継目なしに一体に接続さ
れた底部とから成るカップに形成し、次いで所望により
前記胴部に、しごきポンチとダイスとの間でしごき加工
を加えて、容器胴部を薄肉化したものが知られている。
また、しごき加工の代わりに、再絞りダイスの曲率コー
ナ部で曲げ伸ばして側壁部を薄肉化することも既に知ら
れている(特公昭56−501442号公報)。
【0003】また、側面無継目缶の有機被覆法として
は、一般に広く使用されている成形後の缶に有機塗料を
施す方法の他に、成形前の金属素材に予め樹脂フィルム
をラミネートする方法が知られており、特公昭59−3
4580号公報には、金属素材にテレフタル酸とテトラ
メチレングリコールとから誘導されたポリエステルフィ
ルムをラミネートしたものを用いることが記載されてい
る。また、曲げ伸ばしによる再絞り缶の製造に際して、
ビニルオルガノゾル、エポキシ、フェノリクス、ポリエ
ステル、アクリル等の被覆金属板を用いることも知られ
ている。
【0004】ポリエステル被覆金属板の製造について
も、多くの提案があり、例えば、特公昭59−3458
0号公報には、金属素材にテレフタル酸とテトラメチレ
ングリコールとから誘導されたポリエステルフィルムを
ラミネートしたものを製缶に用いることが記載されてい
る。また、特開平5−4229号公報には、表面に二軸
配向が残存しているポリエチレンテレフタレートより成
る塗膜が記載され、更に特開平6−172556号公報
には、極限粘度[η]が0.75以上のポリエステルフ
ィルムを金属ラミネートに用いることが提案されてい
る。
【0005】更に、特開平3−101930号公報に
は、金属板と、エチレンテレフタレート単位を主体とす
るポリエステルフィルム層と、必要により金属板とポリ
エステルフィルムとの間に介在する接着プライマー層と
の積層体から成り、該ポリエステルフィルム層は、式 Rx =IA /IB 式中、IA はポリエステルフィルム表面に平行な、面間
隔約0.34nm(CuKαX線回折角が24゜から2
8゜)の回折面によるX線回折強度、IB はポリエステ
ルフィルム表面に平行な、面間隔約0.39nm(Cu
KαX線回折角が21.5゜から24゜)の回折面によ
るX線回折強度、で定義されるX線回折強度が0.1乃
至15の範囲内にあり且つ結晶の面内配向の異方性指数
が30以下であるフィルム層から成ることを特徴とする
絞り缶用被覆金属板が記載されており、また、上記被覆
金属板を絞り再絞り成形し、且つ再絞り成形に際して缶
胴側壁部を曲げ伸ばしにより薄肉化して成る薄肉化絞り
缶が記載されている。
【0006】更にまた、特開平7−195619号公報
には、金属板と、該金属板片面または両面上に設けられ
た樹脂被覆とからなり、この樹脂被覆は、[A]ジカル
ボン酸とジヒドロキシ化合物とから誘導され、ジカルボ
ン酸成分を100モル%とするとき、ジカルボン酸成分
は、テレフタル酸99〜85モル%とイソフタル酸1〜
15モル%とから成る結晶性飽和ポリエステル樹脂層
と、[B]ジカルボン酸とジヒドロキシ化合物とから誘
導され、ジカルボン酸成分はテレフタル酸からなり、ジ
ヒドロキシ成分は、エチレングリコール99〜70モル
%、シクロヘキサンジメタノール1〜30モル%及びジ
エチレングリコール0〜5モル%からなる非晶性飽和ポ
リエステル樹脂層との2層からなると共に、[B]非晶
性飽和ポリエステル樹脂層が上記金属板に接するように
積層されていることを特徴とする絞りしごき缶用樹脂被
服金属板が記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】熱可塑性ポリエステル
を被覆した積層体から形成されたシームレス缶は、成形
前の金属素材に樹脂フィルムを施せばよく、通常の塗装
処理のように、塗膜の焼き付け炉や塗料排ガスの処理施
設が不要で、大気汚染がなく、また成形後の缶体に塗装
処理を行わなくてもよいという利点を与えるものである
が、ポリエステルフィルムとして、二軸延伸されたフィ
ルムを使用する必要があり、このためフィルムのコスト
が高くなるという欠点がある。
【0008】即ち、一般の金属−樹脂積層体において
は、金属基体上に樹脂を押し出しコートすることが広く
行われてているが、ポリエステルの場合にもこの押し出
しコート法が適用できれば、製膜及び延伸に伴う作業や
そのためのコストを低減できることが期待できる。
【0009】しかしながら、金属−ポリエステル積層
体、特にシームレス容器形成用の積層体においては、製
造工程上種々の熱処理を受けるが、この熱処理に際して
未延伸、即ち末配向のポリエステルが熱結晶化(白化−
ラメラの生成)する傾向があり、被覆が脆くなり、加工
性が損なわれるという問題を生じる。積層体のポリエス
テルを分子配向状態に維持しておけば、熱処理の際のラ
メラ化が防止されるので、これが、積層用に配向された
ポリエステルフィルムを用いる理由である。
【0010】また、熱可塑性樹脂を基材上に押出しラミ
ネートして積層体を製造する方法としては押出機とTダ
イを用いる、いわゆるTダイ法が知られているが、ポリ
エステル樹脂をTダイ法で押出ラミネートしようとする
と、押出機およびダイ内部での不安定流動や、Tダイを
出てからの張力不足に起因する、耳ぶれや蛇行現象を生
起するいわゆるドローレゾナンス現象を起こし、均一な
膜厚が得られにくく、また、耳ぶれした両端部をトリミ
ングする必要があることから、歩留まりが悪いなどの問
題点があった。これらの現象は、樹脂の引き取り速度を
上げていったときに特に起こりやすく、ポリエステル樹
脂の高速ラミネーションを非常に困難にしている。ま
た、ポリエステル樹脂は熱劣化による減粘を起こしやす
いため、甚だしい場合にはTダイからポタ落ちするよう
な場合もある。
【0011】従って、本発明の目的は、金属等の基体に
ポリエステルの押出コート層を設けた積層体において、
上記の問題点を解消し、被覆の均一性、被覆の完全さ、
密着性、耐熱性及び成形性に優れた積層体を提供するに
あり、更に、安価に且つ歩留まりよく、しかも高速で製
造することが可能な積層体を提供するにある。
【0012】更に、熱可塑性ポリエステルを被覆した積
層体から形成されたシームレス缶は、耐腐食性について
は、一応満足できる評価は得られているものの、近年、
レトルト殺菌の合理化や効率化のために、高温レトルト
が望まれている。高温でのレトルトでは、内面側のポリ
エステルフィルムからの低分子量成分の溶出量が大きく
なることが分かった。特に、シームレス缶を、缶ウオー
マーやホットベンダーで販売されているコーヒー飲料や
お茶類の充填の用途に用いた場合には、未だある種の問
題を発生することが分かった。
【0013】即ち、高温湿熱条件下では、フィルム中に
必然的に含まれている低分子量成分の内容物への移行量
が大きくなり、また、低分子量成分の中でも、比較的高
分子成分であり、本来水溶液に対する溶解度の極めて小
さいものである成分の抽出が顕著になる。内容物に移行
する量は、厚生省告示規則、及び米国FDA規則による
制限量よりもはるかに少なくとも、高温処理、或いは更
に長期間保存される場合、内容物中に移行した比較的高
分子量の成分は凝集して、粒子サイズが大きくなって、
濁りを生じる場合があり、心理的に好ましいものではな
い。更に、ポリエステル被覆金属積層体のシームレス缶
への成形に際しても、成形性の一層の向上が望まれてい
る。即ち、材料コストの節約のためには、絞り比を向上
させると共に、缶胴の薄肉化を高度に行うことが必要で
あるが、このためには、用いるポリエステル被覆層もこ
の苛酷な加工に耐えるものでなければならない。
【0014】従って、本発明の他の目的は、金属等の基
体にポリエステルの押出コート層を設けるに当たって、
被覆の完全さ及び密着性に優れ且つ成形性に優れたラミ
ネート板を、安価に且つ歩留まりよくしかも高速で製造
できると共に、高温処理及び長期保存において、ポリエ
ステル中に必然的に存在する低分子量成分の内容物中へ
の移行を極力抑え、濁りを抑制するシームレス缶及びこ
のシームレス缶を製造するための製缶用積層体を提供す
るにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、金属基
体と該基体表面に設けられた熱可塑性ポリエステル層と
からなる製缶用積層体において、前記熱可塑性ポリエス
テル層が、芳香族ジカルボン酸成分を主体とするジカル
ボン酸成分と全グリコール成分の0.5モル%以上、2
0モル%未満、好適には1乃至15モル%が1,4-シクロ
ヘキサンジメタノール成分であるグリコール成分とより
なり、溶融押出時の温度において、下記式(1) R=η12.2/η1216 …(1) 式中、η12.2はポリエステルの押出し温度における
せん断速度12.2sec−1での溶融粘度であり、η
1216はポリエステルの押出温度におけるせん断速度
1216sec−1での溶融粘度である、で定義される溶融粘
度比(R)が2.0以上の範囲にあり且つη1216
500ポイズ以上の範囲にある共重合ポリエステルの層
を備えていることを特徴とする製缶用積層体が提供され
る。本発明によればまた、上記積層体を絞り成形或いは
絞り・しごき成形で形成されることを特徴とするシーム
レス缶が提供される。
【0016】
【発明の実施形態】[作用]本発明は、金属基体と該基
体表面に設けられた熱可塑性ポリエステル層とからなる
製缶用積層体に関するが、この熱可塑性ポリエステルと
して、芳香族ジカルボン酸成分と全グリコール成分の
0.5モル%以上、20モル%未満、好適には1乃至1
5モル%が1,4-シクロヘキサンジメタノール成分である
グリコール成分とよりなる共重合ポリエステルであっ
て、しかも溶融押出時の温度において、前記式(1)で定
義される溶融粘度比(R)が2.0以上の範囲にあり且
つη121 が500ポイズ以上の範囲にある共重合ポ
リエステルを用いたことが本発明の特徴である。本発明
によれば、上記の特徴により、従来技術の問題点を解消
し、被覆の均一性、被覆の完全さ、密着性、耐熱性及び
成形性に優れた積層体を、安価に且つ歩留まりよく、し
かも高速で製造することが可能となり、更にこの積層体
を用いて缶を製造すると、高温処理及び長期保存におい
て、ポリエステル中に必然的に存在する低分子量成分の
内容物中への移行を極力抑え、濁りを抑制することが可
能となる。
【0017】先ず、本発明で用いる共重合ポリエステル
は、多価アルコール成分として上記の限定された量の1,
4-シクロヘキサンジメタノール成分を含有することが、
溶融流動特性の点でも、耐レトルト性の点でも重要であ
る。
【0018】添付図面の図1は、種々のポリエステルに
ついて、前述した溶融粘度比(R)を縦軸、η1216
を横軸として、溶融流動特性をプロットしたグラフであ
る。このグラフから、1,4-シクロヘキサンジメタノール
成分を含有する共重合ポリエステルは、種々のポリエス
テルの中でも溶融粘度比(R)が高く、しかもη12
16の値も大きいという特徴を有していることが理解さ
れる。
【0019】本発明において、剪断速度1216sec
−1での溶融粘度(η1216)を問題としているの
は、押出機やダイス内部では、高剪断速度でポリエステ
ルの溶融押出が行われており、この高剪断速度の一基準
値として上記剪断速度を採用している。また、前記式
(1)の溶融粘度比(R)は、高剪断速度1216se
−1での溶融粘度と低剪断速度12.2sec−1
の溶融粘度との比であって、剪断速度の範囲として10
0倍の範囲をとったものであるが、この比はポリエステ
ル溶融流動体の非ニュートニアン性を示すものである。
即ち、ニュートニアン性流体の場合、溶融粘度比(R)
は1.0であるが、ニュートニアン流体からのずれが大
きくなるに従って、この溶融粘度比(R)は1に比べて
大きな値をとるようになる。
【0020】一般に、ドローレゾナンス現象を抑制する
ためには、安定した流動性を持ち、溶融張力の大きい樹
脂を用いることが有効であるが、ポリエステルでは溶融
張力の増大は粘度の著しい上昇を伴うことから、通常の
押出し機では押出し自体が不能となる場合が多く、高速
押出しは不可能であった。押出し温度を上げて押出し可
能にした場合、樹脂の減粘・張力減少などから、前述の
ドローレゾナンス現象やダイからの溶融樹脂の滴下を引
き起こし、高速ラミネーションを行うことはできない。
【0021】これに対して、本発明においては、前述し
た溶融粘度特性に関連して、剪断速度の大きい押出し機
内部においては、ポリエステル溶融物が低粘度に維持さ
れて低負荷で押出しが可能となると共に、ダイスから解
放された後は剪断が掛からず粘度上昇し溶融張力も増大
するため、樹脂のタレやドローレゾナンス現象が抑制さ
れる。また流路内やダイス内部では、ポリエステル溶融
物は非ニュートン流動特性を持つため、不安定流動を生
じにくく、この点でもドローレゾナンス現象の発生が抑
制されるものである。
【0022】従来、金属−ポリエステル積層体の製造に
使用されているポリエステルの溶融粘度比(R)は1或
いはその前後の値をとるものであり、このようなポリエ
ステルを押出コートで基体上にラミネートすると、後述
する比較例に示すとおり、耳ぶれを発生する。耳ぶれは
高速になるほど激しくなるため、高速押出しを行うこと
はできない。
【0023】これに対して、本発明によれば、溶融粘度
比(R)及びη1216を上記範囲に設定することによ
り、後述する実施例に示すとおり、耳ぶれやボタ落ちの
発生を完全に抑制しながら、100m/min以上の高
速でのラミネートが可能となるのであって、これは本発
明による予想外の利点である。
【0024】本発明に用いるポリエステルにおいて、剪
断速度1216sec−1における溶融粘度(η
1216)は500ポイズ以上であることが必要であ
り、これ以下ではダイスからの溶融樹脂の滴下を生じて
製膜できない。またその上限は押出し機の性能に依存す
るが、一般に押出し機の過度の負荷を軽減させ、メルト
フラクチャーの発生を防止するためには、上記η
1216は4000ポイズ以下であることが望ましい。
一方、溶融粘度比(R)は2.0以上であることが必要
であり、上限は特にないが、工業的に入手しうるポリエ
ステルの上限は10のものである。
【0025】本発明で規定した量の1,4-シクロヘキサン
ジメタノール成分を含む共重合ポリエステルは、高温処
理及び長期保存において、ポリエステル中に必然的に存
在する低分子量成分の内容物中への移行を極力抑え、濁
りを抑制するという予想外の作用効果を示す。後述する
例に示すとおり、1,4-シクロヘキサンジメタノール成分
を含有しない以外は同様の組成からなるポリエステル
は、レトルト試験において濁度4の濁りを発生する(後
述する比較例2参照)のに対して、5モル%の1,4-シク
ロヘキサンジメタノール成分を含有する共重合ポリエス
テルでは、同様の試験において濁りの発生が濁度0.7
に抑制されるのである(後述する実施例1参照)。
【0026】共重合ポリエステル中の1,4-シクロヘキサ
ンジメタノール成分の含有量が本発明の範囲よりも低い
場合、低分子量成分の溶出を抑制するという効果が不十
分であり、一方本発明で規定した範囲を上回ると、内容
物中の香味成分の吸着傾向が増大し、これにより内容物
の保存性が低下するので好ましくない。また、1,4-シク
ロヘキサンジメタノール成分の含有量が過大になると、
ポリエステルが非晶性となり、レトルト殺菌の工程で白
化や腐食を生じるようになる。
【0027】本発明によれば、製膜時或いはラミネート
時のドローレゾナンス現象が解消されるため、利用でき
る膜幅が広く、膜の歩留まりがよく、また製膜時或いは
ラミネート時の生産性に優れるという利点がある。ま
た、押出時のネックインが小さいため、膜のトリミング
幅が小さくて済み、利用できる膜幅が広く、歩留まりが
よくなると共に、膜の平面性も優れたものとなる。この
ため、本発明によると、被覆の均一性及び被覆の完全さ
に優れた共重合ポリエステル被覆層が形成される。本発
明によるラミネート板の共重合ポリエステル被覆層は、
金属等の基体との密着性に優れ且つ容器等への成形性に
も優れている。
【0028】本発明では、上記の通り、特定の溶融粘度
特性の共重合ポリエステルを溶融押出することが重要で
あるが、それと同時に押出物を急冷することが重要であ
る。即ち、押出後に樹脂を急冷することにより、粗大結
晶の生成を抑制し、ラミネート板の容器への成形やフィ
ルムの二軸延伸加工に際して、優れた成形性が保持され
る。
【0029】[熱可塑性共重合ポリエステル]本発明に
用いる熱可塑性ポリエステルは、芳香族ジカルボン酸成
分を主体とするジカルボン酸成分と全グリコール成分の
0.5モル%以上、20モル%未満、好適には1乃至1
5モル%が1,4-シクロヘキサンジメタノール成分である
グリコール成分とを含有するものである。
【0030】ポリエステルが誘導される酸成分として
は、テレフタル酸、イソフタール酸、オルソフタール
酸、P−β−オキシエトキシ安息香酸、ナフタレン−
2,6−ジカルボン酸、ジフェノキシエタン−4,4’
−ジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸等
の二塩基性芳香族ジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタ
ル酸、シクロヘキサンジ酢酸等の脂環族ジカルボン酸、
アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸、トリ
メリット酸、ピロメリット酸、ヘミメリット酸、1,
1,2,2−エタンテトラカルボン酸、1,1,2−エ
タントリカルボン酸、1,3,5−ペンタントリカルボ
ン酸、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン
酸、ビフェニル−3,4,3’,4’−テトラカルボン
酸等の多塩基酸等が挙げられる。勿論、これらは、単独
でも或いは2種以上の組み合わせでも使用される。
【0031】ポリエステルが誘導されるアルコール成分
としては、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、1,6−ヘキシレングリコール、ジエチレングリコ
ール、トリエチレングリコール、1,4−シクロヘキサ
ンジメタノール等のジオール類や、ペンタエリスリトー
ル、グリセロール、トリメチロールプロパン、1,2,
6−ヘキサントリオール、ソルビトール、1,1,4,
4−テトラキス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン等
の多価アルコール等が挙げられる。勿論、これらは、単
独でも或いは2種以上の組み合わせでも使用される。
【0032】本発明に用いる共重合ポリエステルは、芳
香族ジカルボン酸を主体とするジカルボン酸成分から誘
導されるものであり、テレフタール酸等の芳香族ジカル
ボン酸は二塩基酸成分の50モル%以上で存在するのが
好ましい。また、グリコール成分の0.5モル%以上、
20モル%未満、好適には1乃至15モル%が1,4-シク
ロヘキサンジメタノール成分から成るが、それ以外のグ
リコール成分はエチレングリコール及び/またはブチレ
ングリコール、特に好適にはエチレングリコールから成
るのがよい。
【0033】三官能以上の多塩基酸及び/または多価ア
ルコールの多官能成分は、共重合ポリエステル全体当た
り0.05乃至3.0モル%、好ましくは0.1乃至
3.0モル%含有されていることが好ましく、上記含有
量よりも低いと、前述した溶融粘度特性を得ることが困
難となる傾向があり、上記含有量よりも多いと溶融押出
特性が低下したり、被覆層の機械的性質や耐熱性が低下
する傾向がある。多官能成分としては、ペンタエリスリ
トール等の多価アルコールが特に好適である。
【0034】本発明に用いる共重合ポリエステルは、フ
ィルム形成範囲の分子量を有するべきであり、溶媒とし
て、フェノール/テトラクロロエタン混合溶媒を用いて
測定した極限粘度〔η〕は0.5乃至1.5、特に0.
6乃至1.5の範囲にあるのがよい。また、共重合ポリ
エステルの融点(Tm)は、200乃至260℃、また
ガラス転移点(Tg)は、50乃至100℃の範囲にあ
るのがよい。
【0035】本発明に用いる共重合ポリエステルはま
た、溶融押出し時の温度において、0.2乃至2.0グ
ラムの溶融張力を有するものであることが好ましく、溶
融張力が上記範囲よりも低い場合には、ドローレゾナン
ス(耳ぶれ)が発生する傾向があり、一方溶融張力が上
記範囲よりも高い場合には、高速下で膜切れを発生する
傾向がある。
【0036】共重合ポリエステルは更に、溶融押出し時
の温度において、1.3乃至2.0のダイスウェルを有
するものであることが好ましく、溶融張力にも関係する
が、ダイスウェルが上記範囲よりも小さい場合には、ド
ローレゾナンス(耳ぶれ)が発生する傾向があり、一方
ダイスウェルが上記範囲よりも大きい場合には、高速下
で膜切れを発生する傾向がある。
【0037】共重合ポリエステルはまた、下記式(2) d=Mw/Mn …(2) 式中、Mwは重量平均分子量であり、Mnは数平均分子
量である、で定義される多分散度(d)が2.5以上であ
るものであることが好ましく、多分散度(d)が上記の
範囲内にあれば、安定した押出性が確保される。
【0038】本発明の押出加工によるラミネート板の共
重合ポリエステル被覆層の密度と非晶密度の差は、0.
05以下、特に0.03以下という特徴がある。ここで
上記密度の関係式は、下記式 ρ−ρ ≦ 0.05 式中、ρはポリエステル被覆層の密度勾配管法で測定さ
れる密度であり、ρ は上記ポリエステル被覆層を融点
より30℃高い温度で3分間保持し、次いで液体窒素中
で急冷して作成した非晶試料の密度である。で表され
る。
【0039】本発明のラミネート板では、共重合ポリエ
ステル被覆層の密度が、上記の範囲に抑制されているた
め、その構造は非晶に近く、金属等の基体に対する密着
性が向上し、且つ絞りや絞り−しごきに対する加工性が
向上しているものと認められる。
【0040】本発明では、上記の共重合ポリエステル1
00重量部当たり分子量400以上の非イオウ系酸化防
止剤を0.01乃至1.5重量部の範囲で含有させるこ
とが好ましく、これにより、高温での熱処理を受けた後
での耐デント性を著しく向上させることができる。
【0041】即ち、金属−ポリエステル積層体を絞り成
形して成るシームレス缶では、共重合ポリエステル被覆
層に歪みが残留しており、缶の耐久性や耐熱水性の点で
は、この歪みを高温での熱処理により除去することが望
ましい。本発明で用いる特定の共重合ポリエステルは、
それ自体耐デント性に優れたものではあるが、例えば2
40℃で3分間の熱処理を受けると、デント試験後の電
流値(金属露出の尺度)が十数mAという大きな値に達
するのであり、この原因は、共重合ポリエステルが著し
い熱減成を受けるためである。
【0042】樹脂の熱減成防止のために、酸化防止剤を
配合することは一般的であるが、例えば酸化防止剤とし
て最も一般的な2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾー
ル(BHT)を配合したのでは、熱処理時における熱減
成防止も達成されず、デント試験後の電流値も依然とし
て高いレベルである。これはBHTの分子量が小さく、
比較的高温となるポリエステルの溶融押出し条件では、
その多くが揮発してしまい、熱処理時には十分な酸化防
止効果が得られないことに起因する。
【0043】これに対して、分子量400以上の非イオ
ウ系酸化防止剤を選択し、これを前記共重合ポリエステ
ルに配合すると、熱処理時における減成が完全に防止さ
れると共に、デント試験後における電流値を未添加の場
合の値よりも4桁低い値に抑制できるのであって、これ
は本発明における予想外の効果である。尚、使用する酸
化防止剤を非イオウ系と限定しているのは、イオウ系の
酸化防止剤では、添加したポリエステル組成物に着色や
異臭が生じるためである。
【0044】本発明では、上記酸化防止剤を0.01乃
至1.5重量部の限定された量で用いることも重要であ
り、上記範囲を下回ると所定の効果が得られなく、一方
上記範囲を上回ると、ポリエステルのゲル化を生じてシ
ームレス缶への成形が困難となる傾向がある。
【0045】本発明に用いる酸化防止剤は、分子量40
0以上の酸化防止剤であり、これに限定されるものでは
ないが、高分子フェノール系酸化防止剤、例えば、テト
ラキス[メチレン−3(3’,5’−ジ−t−ブチル−
4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)メタン
(分子量1177.7)、1,1,3−トリス(2−メ
チル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタ
ン(分子量544.8)、1,3,5−トリメチルー
2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシベンジル)ベンゼン(分子量775.2)、ビ
ス[3,3’−ビス−(4’−ヒドロキシ−3’−t−
ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエス
テル(分子量794.4)、1,3,5−トリス
(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベン
ジル)−s−トリアジン 2,4,6−(1H,3H,
5H)トリオン(分子量783.0)、トリエチレング
リコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](分子量5
86.8)、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート(分子量638.9)等を用いることが
できる。中でも特に、テトラキス[メチレン−3
(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート)メタンが好適である。
【0046】分子量400以上の酸化防止剤の他の例と
して、トコフェロール系酸化防止剤、例えばα−型、β
−型、γ−型、δ−型等のトコフェロールを挙げること
ができる。α−トコフェロールが特に好適である。
【0047】これらの酸化防止剤は、前記ポリエステル
乃至ポリエステル組成物100重量部当たり0.01乃
至1.5重量部の量で用いる。
【0048】勿論、このポリエステル組成物には、それ
自体公知の樹脂用配合剤、例えば非晶質シリカ等のアン
チブロッキング剤、二酸化チタン(チタン白)等の顔
料、各種帯電防止剤、滑剤等を公知の処方に従って配合
することができる。
【0049】本発明において、用いる共重合ポリエステ
ルには、所望により種々の樹脂改質剤を配合することが
できる。このような樹脂改質剤としては、オレフィン系
樹脂、例えば低−、中−或いは高−密度のポリエチレ
ン、アイソタクティックポリプロピレン、シンジオタク
ティックポリプロピレン、線状低密度ポリエチレン、線
状超低密度ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合
体、ポリブテン−1、エチレン−ブテン−1共重合体、
プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−プロピレ
ン−ブテン−1共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、イオン架橋オレフィン共重合体(アイオノマー)、
エチレン−アクリル酸エステル共重合体、無水マレイン
酸グラフト変性ポリプロピレン、無水マレイン酸グラフ
ト変成ポリエチレン、(メタ)アクリル酸グリシジルエ
ステルグラフト変性ポリプロピレン、(メタ)アクリル
酸グリシジルエステルグラフト変性ポリエチレン等が挙
げられる。これらの樹脂改質剤は、共重合ポリエステル
100重量部当たり50重量部以下で用いるのがよい。
【0050】[金属等の基体]本発明では、ポリエステ
ル層をラミネートすべき基体としては、金属板や金属
箔、紙、他のプラスチックフィルム乃至シート等が挙げ
られる。これらの内でも金属板が好ましく、金属板とし
ては各種表面処理鋼板やアルミニウム等の軽金属板が使
用される。
【0051】表面処理鋼板としては、冷圧延鋼板を焼鈍
後二次冷間圧延し、亜鉛メッキ、錫メッキ、ニッケルメ
ッキ、電解クロム酸処理、クロム酸処理等の表面処理の
一種または二種以上行ったものを用いることができる。
好適な表面処理鋼板の一例は、電解クロム酸処理鋼板で
あり、特に10乃至200mg/mの金属クロム層と
1乃至50mg/m(金属クロム換算)のクロム酸化
物層とを備えたものであり、このものは塗膜密着性と耐
腐食性との組合せに優れている。表面処理鋼板の他の例
は、0.5乃至11.2g/mの錫メッキ量を有す
る硬質ブリキ板である。このブリキ板は、金属クロム換
算で、クロム量が1乃至30mg/mとなるようなク
ロム酸処理或いはクロム酸−リン酸処理が行われている
ことが望ましい。
【0052】更に他の例としては、アルミニウムメッ
キ、アルミニウム圧接等を施したアルミニウム被覆鋼板
が用いられる。
【0053】軽金属板としては、所謂アルミニウム板の
他に、アルミニウム合金板が使用される。耐腐食性と加
工性との点で優れたアルミニウム合金板は、Mn:0.
2乃至1.5重量%、Mg:0.8乃至5重量%、Z
n:0.25乃至0.3重量%、及びCu:0.15乃
至0.25重量%、残部がAlの組成を有するものであ
る。これらの軽金属板も、金属クロム換算で、クロム量
が20乃至300mg/mとなるようなクロム酸処理
或いはクロム酸/リン酸処理が行われていることが望ま
しい。
【0054】金属板の素板厚、即ち缶底部の厚み(tB
)は、金属の種類、容器の用途或いはサイズによって
も相違するが、一般に0.100乃至0.500mmの
厚みを有するのがよく、この内でも表面処理鋼板の場合
には、0.10乃至0.30mmの厚み、また軽金属板
の場合には0.15乃至0.40mmの厚みを有するの
がよい。
【0055】金属箔としては、表面処理鋼箔や軽金属箔
の内、厚みが0.005乃至0.120mmの範囲にあ
るものが使用される。この金属箔は所謂カップ容器を製
造するのに有用である。
【0056】[積層体及びその製造方法]本発明の積層
体の断面構造の一例を示す図2において、この積層体1
は金属基体2と少なくとも内面側に位置する共重合ポリ
エステル層3とから成っている。金属基体2には外面被
膜4が形成されているが、この外面被膜4は共重合ポリ
エステル層3と同様のものであってもよいし、また通常
の缶用塗料や樹脂(ポリエステル)フィルム被覆であっ
てもよい。
【0057】積層体の断面構造の他の例を示す図3にお
いて、共重合ポリエステル層3と金属基体2との間に接
着用プライマーの層5を設けている以外は、図2の場合
と同様である。
【0058】積層体の断面構造の他の例を示す図4にお
いて、共重合ポリエステル層3を下地樹脂層とし、この
共重合ポリエステル層3の上にエチレンテレフタレート
系或いはエチレンナフタレート系のポリエステルの表面
樹脂層6を設けている以外は図2の場合と同様である。
【0059】本発明に用いるポリエステル−金属ラミネ
ート板は、前記共重合ポリエステルを溶融状態で金属基
体上に押出しコートして、熱接着させることにより製造
することができる。また、別法として、予め製膜された
共重合ポリエステルフィルムを金属基体に熱接着させる
ことによっても製造することができる。
【0060】本発明において、押出コートやフィルムの
熱接着に使用する共重合ポリエステル層は、単層であっ
ても、また多層の積層構造のものであってもよい。多層
の場合、下地樹脂層が前述した共重合ポリエステルから
成り、表面樹脂層が前述したエチレンテレフタレート系
或いはエチレンナフタレート系結晶性ポリエステル或い
はエチレンテレフタレート単位を主体としエチレンイソ
フタレート単位を20モル%以下の量で含む共重合ポリ
エステルから成るのがよい。表面樹脂層は、70℃以上
のガラス転移点(Tg)を有することが好ましい。
【0061】本発明に使用する共重合ポリエステル層の
厚みは、全体として、2乃至100μm、特に5乃至5
0μmの範囲にあるのが金属の保護効果及び加工性の点
でよい。
【0062】ポリエステル−金属ラミネート板の押出コ
ート法による製造方法を説明するための図5において、
金属板11を必要により加熱装置12により予備加熱
し、一対のラミネートロール13、13間のニップ位置
13aに供給する。一方、共重合共重合ポリエステル
は、金属板の両側に配置された押出機のダイヘッド1
4、14を通して薄膜15、15の形に押し出し、ラミ
ネートロール13と金属板11との間に供給され、ラミ
ネートロール13により金属板11に圧着される。ラミ
ネートロール13は、一定の温度に保持されており、金
属板11に共重合ポリエステルから成る薄膜15を圧着
して両者を熱接着させると共に両側から冷却して積層体
16を得る。一般に、形成される積層体16を更に冷却
用水槽18等に導いて、熱結晶化を防止するため、急冷
を行う。
【0063】この押出コート法では、樹脂組成の選択と
ロールや冷却槽による急冷とにより、共重合ポリエステ
ルの層は、結晶化度が、低いレベル、非晶密度との差が
0.05以下に抑制されているため、ついで行う絞り加
工等に対する十分な加工性が保証される。勿論、急冷操
作は上記例に限定されるものではなく、形成されるラミ
ネートに冷却水を噴霧して、ラミネートを急冷すること
もできる。
【0064】金属基体に対する共重合ポリエステルの熱
接着は、溶融ポリエステル層が有する熱量と、金属板が
有する熱量とにより行われる。金属板の加熱温度(T
)は、一般に90℃乃至290℃、特に100℃乃
至280℃の温度が適当であり、一方ラミネートロール
の温度は10℃乃至150℃の範囲が適当である。
【0065】本発明において、積層体の製造に予め製膜
されたポリエステルフィルムを使用することもできる。
このフィルムは、上記共重合ポリエステルをT−ダイ法
でフィルムに成形し、過冷却された未配向のキャストフ
ィルムとする。この未配向のフィルムを熱接着に用いる
こともできるし、また、このキャストフィルムを延伸温
度で、逐次或いは同時二軸延伸し、延伸後のフィルムを
熱固定したものをラミネートの製造に用いることもでき
る。
【0066】ポリエステルフィルムを使用するラミネー
ト方法を説明するための図6において、金属板11を加
熱ロール12により用いるポリエステルの融点(Tm)
以上の温度(T)に加熱し、ラミネートロール1
3、13間に供給する。一方、ポリエステルフィルム1
5は、供給ロール17から巻きほぐされ、ラミネートロ
ール13、13間に金属板11をサンドイッチする位置
関係で供給される。ラミネートロール13、13は、加
熱ロール12よりも低い温度(T)に保たれてお
り、金属板11の両面にポリエステルフィルムを熱接着
させる。ラミネートロール13、13の下方には、形成
されるラミネート板16を急冷するための冷却水18を
収容した水槽が設けられており、この水槽中にラミネー
ト板を導くガイドローラ19が配置されている。
【0067】金属板の加熱温度(T)は、一般にT
m+0℃乃至Tm+100℃、特にTm+0℃乃至Tm
+50℃の温度が適当であり、一方ラミネートロール1
3の温度Tは、70℃乃至180℃、特に80℃乃
至150℃の範囲が適当である。
【0068】ポリエステルフィルムと金属素材の間に所
望により設ける接着プライマーは、金属素材と共重合ポ
リエステル層との両方に優れた接着性を示すものであ
る。密着性と耐腐食性とに優れたプライマー塗料の代表
的なものは、種々のフェノール類とホルムアルデヒドか
ら誘導されるレゾール型フェノールアルデヒド樹脂と、
ビスフェノール型エポキシ樹脂とから成るフェノールエ
ポキシ系塗料であり、特にフェノール樹脂とエポキシ樹
脂とを50:50乃至5:95重量比、特に40:60
乃至10:90の重量比で含有する塗料である。接着プ
ライマー層は、一般に0.01乃至10μmの厚みに設
けるのがよい。接着プライマー層は予め金属素材上に設
けてもよい。
【0069】本発明におけるラミネート板の製造は、上
記の方法に限定されない。即ち、予め形成された延伸乃
至未延伸のフィルムと金属基体等との間に、前述した共
重合ポリエステルを溶融押出する、所謂サンドイッチラ
ミネーションによっても、ラミネート板を製造すること
ができる。この手段は、非常に融点の異なる複数の樹脂
や基材密着性に劣る樹脂を積層できる利点を有する。勿
論、エチレンテレフタレート系高結晶性ポリエステルフ
ィルムと、金属基体を前述したポリエステルブレンド物
の溶融物を介して積層するのにも有利に使用できる。
【0070】[シームレス缶及びその製造]本発明のシ
ームレス缶の一例を示す図7において、このシームレス
缶21は前述したポリエステル−金属ラミネート1の絞
り−再絞り加工による曲げ伸ばし或いは更にしごき加工
により形成され、底部20と側壁部22とから成ってい
る。側壁部22の上端には所望によりネック部23を介
してフランジ部24が形成されている。この缶21で
は、底部20に比して側壁部22は曲げ伸ばし或いは更
にしごき加工により積層体元厚の20乃至95%、特に
30乃至85%の厚みとなるように薄肉化されている。
【0071】本発明のシームレス缶は、上記の共重合ポ
リエステル−金属ラミネート板をポンチとダイスとの間
で、有底カップに絞り−深絞り成形し、深絞り段階で曲
げ伸し或いは更にしごきによりカップ側壁部の薄肉化を
行なうことにより製造される。即ち、薄肉化のための変
形を、缶軸方向(高さ方向)の荷重による変形(曲げ伸
ばし)と缶厚み方向の荷重による変形(しごき)との組
み合わせでしかもこの順序に行う。曲げ伸ばしはエチレ
ンテレフタレート単位のc軸方向への分子配向を与え、
一方しごきはエチレンテレフタレート単位のベンゼン面
のフィルム面に平行な分子配向を与える。
【0072】本発明のシームレス缶は、上記のポリエス
テル−金属ラミネート板を有底カップに絞り成形或いは
更に深絞り成形することにより得られ、好ましくは、こ
の深絞り段階で曲げ伸し或いは曲げ伸しとしごきを行う
ことによりカップ側壁部の薄肉化を行なう。
【0073】例えば、深絞り曲げ延ばし成形(絞り−曲
げ延ばし再絞り成形)によれば、被覆金属板から成形さ
れた前絞りカップを、このカップ内に挿入された環状の
保持部材とその下に位置する再絞りダイスとで保持す
る。これらの保持部材及び再絞りダイスと同軸に、且つ
保持部材内を出入し得るように再絞りポンチ配置する。
再絞りポンチと再絞りダイスとを互いに噛みあうように
相対的に移動させる。
【0074】これにより、前絞りカップの側壁部は、環
状保持部材の外周面から、その曲率コーナ部を経て、径
内方に垂直に曲げられて環状保持部材の環状底面と再絞
りダイスの上面とで規定される部分を通り、再絞りダイ
スの作用コーナ部により軸方向にほぼ垂直に曲げられ、
前絞りカップよりも小径の深絞りカップに成形すること
ができる。
【0075】この際、再絞りダイスの作用コーナー部の
曲率半径(Rd )を、金属板素板厚(tB )の1乃至
2.9倍、特に1.5乃至2.9倍の寸法とすることに
より、側壁部の曲げ引張りによる薄肉化を有効に行うこ
とができる。のみならず、側壁部の下部と上部とにおけ
る厚みの変動が解消され、全体にわたって均一な薄肉化
が可能となる。一般に、缶胴の側壁部を素板厚(tB )
基準で80%以下の厚み、45%迄、特に40%迄の厚
みに薄肉化することができる。
【0076】深絞り缶の場合、下記数式(5) 式中、Dは剪断したラミネート材の径であり、dはポン
チ径である、で定義される絞り比RD は一段では1.1
乃至3.0の範囲、トータルでは1.5乃至5.0の範
囲にあるのがよい。
【0077】また再絞り或いは曲げ伸ばしでは、再絞り
ダイの曲げ伸ばし加工部の後方にしごき加工部を配置し
て、側壁部に対してしごき加工を行うこともできる。
【0078】曲げ伸ばし或いは更にしごきにより、下記
数式(6) 式中、tB は素板厚であり、tW は側壁部の厚みである
で定義されるリダクション率RI が20乃至95%、特
に30乃至85%の厚みになるように薄肉化することが
好ましい。
【0079】絞り成形等に際して、被覆金属板或は更に
カップに、各種滑剤、例えば流動パラフィン、合成パラ
フィン、食用油、水添食用油、パーム油、各種天然ワッ
クス、ポリエチレンワックスを塗布してドライ潤滑によ
る成形を行うのがよい。滑剤の塗布量は、その種類によ
っても相違するが、一般に0.1乃至10mg/dm
特に0.2乃至5mg/dmの範囲内にあるのがよ
く、滑剤の塗布は、これを溶融状態で表面にスプレー塗
布することにより行われる。
【0080】カップへの絞り成形性を向上させるため、
共重合ポリエステル被覆絞りカップの温度をPETのガ
ラス転移点(Tg)以上、特に熱結晶化温度以下の範囲
に予め設定加熱して、樹脂被覆層の塑性流動を容易にし
た状態で成形することが有利である。
【0081】成形後の内面側有機被覆金属製カップは、
カップ開口部の耳の部分を切断する、所謂トリミングを
行った後、印刷工程に付する。このトリミング処理に先
立って、成形後のカップを被覆樹脂のガラス転移点(T
g)以上で融点よりも低い温度に加熱して、被覆樹脂の
歪みを緩和しておくことができる。この操作は、熱可塑
性樹脂の場合特に被覆と金属との密着性を高めるために
有効である。
【0082】ラミネートの絞り−しごき成形は、好適に
は次の手段で行われる。即ち、図8に示す通り、被覆金
属板から成形された前絞りカップ30は、このカップ内
に挿入された環状の保持部材31とその下に位置する再
絞り−しごきダイス32とで保持される。これらの保持
部材31及び再絞り−しごきダイス32と同軸に、且つ
保持部材31内を出入し得るように再絞り−しごきポン
チ33が設けられる。再絞り−しごきポンチ33と再絞
り−しごきダイス32とを互いに噛みあうように相対的
に移動させる。
【0083】再絞り−しごきダイス32は、上部に平面
部34を有し、平面部の周縁に曲率半径の小さい作用コ
ーナー部35を備え、作用コーナー部に連なる周囲に下
方に向けて径の増大するテーパー状のアプローチ部36
を有し、このアプローチ部に続いて小曲率部37を介し
て円筒状のしごき用のランド部(しごき部)38を備え
ている。ランド部38の下方には、逆テーパ状の逃げ3
9が設けられている。
【0084】前絞りカップ30の側壁部は、環状保持部
材31の外周面40から、その曲率コーナ部41を経
て、径内方に垂直に曲げられて環状保持部材31の環状
底面42と再絞りダイス32の平面部34とで規定され
る部分を通り、再絞りダイス32の作用コーナ部35に
より軸方向にほぼ垂直に曲げられ、前絞りカップ30よ
りも小径の深絞りカップに成形される。この際、作用コ
ーナー部35において、コーナー部35と接する側の反
対側の部分は、曲げ変形により伸ばされ、一方、作用コ
ーナー部35と接する側の部分は、作用コーナー部を離
れた後、戻し変形で伸ばされ、これにより側壁部の曲げ
伸ばしによる薄肉化が行われる。
【0085】曲げ伸ばしにより薄肉化された側壁部は、
その外面が径の次第に増大する小テーパー角のアプロー
チ部36と接触し、その内面がフリーの状態で、しごき
部38に案内される。側壁部がアプローチ部を通過する
行程は続いて行うしごき行程の前段階であり、曲げ伸ば
し後のラミネートを安定化させ、且つ側壁部の径を若干
縮小させて、しごき加工に備える。即ち、曲げ伸ばし直
後のラミネートは、曲げ伸ばしによる振動の影響があ
り、フィルム内部には歪みも残留していて、未だ不安定
な状態にあり、これを直ちにしごき加工に付した場合に
は、円滑なしごき加工を行うことができないが、側壁部
の外面側をアプローチ部36と接触させてその径を縮小
させると共に、内面側をフリーの状態にすることによ
り、振動の影響を防止し、フィルム内部の不均質な歪み
も緩和させて、円滑なしごき加工を可能にするものであ
る。
【0086】アプローチ部36を通過した側壁部は、し
ごき用のランド部(しごき部)38と再絞り−しごきポ
ンチ33との間隙に導入され、この間隙(C1)で規制
される厚みに圧延される。最終側壁部の厚みC1は積層
体元厚(t)の20乃至95%、特に30乃至85%の
厚みとなるように定める。尚、しごき部導入側の小曲率
部37は、しごき開始点を有効に固定しながら、しごき
部38への積層体の導入を円滑に行うものであり、ラン
ド部38の下方の逆テーパ状の逃げ39は、加工力の過
度の増大を防ぐものである。
【0087】再絞り−しごきダイス32の曲率コーナー
部35の曲率半径Rdは、曲げ伸ばしを有効に行う上で
は、ラミネートの肉厚(t)の2.9倍以下であるべき
であるが、この曲率半径があまり小さくなるとラミネー
トの破断が生じることから、ラミネートの肉厚(t)の
1倍以上であるべきである。
【0088】テーパー状のアプローチ部36のアプロー
チ角度(テーパー角度の1/2)αは1乃至5゜を有す
るべきである。このアプローチ部角度が上記範囲よりも
小さいと、ポリエステルフィルム層の配向緩和やしごき
前の安定化が不十分なものとなり、アプローチ部角度が
上記範囲よりも大きいと、曲げ伸ばしが不均一な(戻し
変形が不十分な)ものとなり、何れの場合もフィルムの
割れや剥離を生じることなしに、円滑なしごき加工が困
難となる。
【0089】小曲率部37の曲率半径Riは、しごき開
始点の固定を有効に行う上では、ラミネートの肉厚
(t)の0.3倍以上、20倍以下であるべきである
が、この曲率半径があまり大きくなるとラミネートの削
れが生じることから、ラミネートの肉厚(t)の20倍
以下にすることが特に好ましい。
【0090】しごき用のランド部38と再絞り−しごき
ポンチ33とクリアランスは前述した範囲にあるが、ラ
ンド長Lは、一般に0.5乃至30mmの長さを有して
いるのがよい。この長さが上記範囲よりも大きいと加工
力が過度に大きくなる傾向があり、一方上記範囲よりも
小さいとしごき加工後の戻りが大きく、好ましくない場
合がある。
【0091】本発明のシームレス缶において、フランジ
部のポリエステル層は、過酷な巻締加工を受けることか
ら、缶側壁部のポリエステル層に比して、マイルドな加
工を受けていることが好ましい。これにより、巻締部の
密封性及び耐腐食性を向上させることができる。この目
的のため、しごき後の缶側壁部の上端に、缶側壁部の厚
みよりも厚いフランジ形成部が形成されるようにする。
即ち、缶側壁部の厚みをt1 及びフランジ部の厚みをt
2 とすると、t2 /t1 の比は、1.0乃至2.0、特
に1.0乃至1.7の範囲に定めるのがよい。
【0092】再絞り−しごき成形後のシームレス缶を示
す図9、図10及び図11において、シームレス缶50
は、素板圧とほぼ同じ厚みを有する底部51と、再絞り
−しごき加工により薄肉化された側壁部52とから成る
が、側壁部52の上部には、これよりも厚肉のフランジ
形成部53が形成されている。フランジ形成部53に
は、種々の構造があり、図10に示した例では、側壁部
52の外面とフランジ形成部53の外面とが同一径の円
筒面上にあり、フランジ形成部53の内面は側壁部52
の内面よりも小さい径を有している。このタイプのフラ
ンジ形成部53は、再絞り−しごきポンチ32におい
て、側壁部が伸ばされてフランジ形成部53が位置する
部分を他の部分に比して小径にしておくことにより形成
される。フランジ形成部53の図9に示した例では、側
壁部52の内面とフランジ形成部53の内面とが同一径
の円筒面上にあり、フランジ形成部53の外面は側壁部
52の外面よりも大きい径を有している。このタイプの
フランジ形成部53は、再絞り−しごきダイのランド部
の長さLを短くすると共に、このランド部に続く部分に
ランド部よりも小径の部分を設けて、フランジ形成部5
3が戻り変形させることにより形成される。フランジ形
成部53の図11に示した例では、フランジ形成部53
の外面は側壁部52の外面よりも大きい径を有すると共
に、フランジ形成部53の内面は側壁部52の内面より
も小さい径を有している。このタイプのフランジ形成部
53は、再絞り−しごきポンチ32において、側壁部が
伸ばされてフランジ形成部43が位置する部分を他の部
分に比して小径にしておくと共に、再絞り−しごきダイ
のランド部の長さLを短くし、更に、このランド部に続
く部分にランド部よりも小径の部分を設けて、フランジ
形成部43が戻り変形させることにより形成される。
【0093】本発明によるシームレス缶は、印刷工程等
を含めて、少なくとも一段の熱処理に付することができ
る。この熱処理には、種々の目的があり、加工により生
じるフィルムの残留歪を除去すること、加工の際用いた
滑剤を表面から揮散させること、表面に印刷した印刷イ
ンキを乾燥硬化させること等が主たる目的である。この
熱処理には、赤外線加熱器、熱風循環炉、誘導加熱装置
等それ自体公知の加熱装置を用いることができる。ま
た、この熱処理は一段で行ってもよく、2段或いはそれ
以上の多段で行うこともできる。熱処理の温度は、18
0乃至240℃の範囲が適当である。熱処理の時間は、
一般的にいって、1秒乃至5分間のオーダーである。熱
処理後の容器は急冷してもよく、また放冷してもよい。
即ち、フィルムや積層板の場合には急冷操作が容易であ
るが、容器の場合には、三次元状でしかも金属による熱
容量も大きいため、工業的な意味での急冷操作は面倒な
ものであるが、本発明では急冷操作なしでも、結晶成長
が抑制され、優れた組合せ特性が得られるのである。勿
論、所望によっては、冷風吹付、冷却水散布等の急冷手
段を採用することは任意である。
【0094】本発明による積層体の内、押出コート法に
よるものやキャストフィルムを用いたものでは、共重合
ポリエステル層は本質的に未配向なものであるが、前述
した絞り加工或いは再絞り加工の際、側壁部のポリエス
テル層が缶軸方向に一軸配向され、この分子配向によ
り、薄肉化された側壁部の共重合ポリエステル層の機械
的強度や腐食成分に対するバリアー性の点で多くの利点
が奏される。勿論、シームレス缶の缶底部のポリエステ
ル層は実質上未配向の状態で残留するが、前述した理由
により、缶底部のポリエステル層も耐デント性に優れた
状態に維持されることはいうまでもない。このタイプの
シームレス缶の側壁部におけるポリエステル層は、複屈
折法で測定した下記式(7)、 Δn=n−n ‥‥(7) nはフィルムの最大配向方向の複屈折率であり、n
はフィルムの厚み方向の複屈折率である、による配向度
(Δn)が0.02乃至0.3の範囲にあることが好適
である。
【0095】得られた缶は、所望により、一段或いは多
段のネックイン加工に付し、フランジ加工を行って、巻
締用の缶とする。また、ネックイン加工に先立って、ビ
ード加工や、特公平7−5128号公報に記載された周
状多面体壁加工を施すことができる。本発明の缶に周状
多面体壁加工を施すと、側壁が外圧によって変形しにく
い耐圧強度に優れた構造となり、更に缶体の手による把
持が容易となり、また缶の意匠性が独特のものとなると
いう利点がある。
【0096】本発明の周状多面体壁缶の一例を示す図1
2において、(A)はこの容器の側面図、(B)は部分
側面断面図及び(C)は水平断面図である。この容器6
0は、前述したラミネートの絞りしごき加工で形成され
た上部開口の側壁部66及び閉塞底部67と上端に巻締
めにより設けられた蓋体68とから成っている。この胴
部60には、周状に多面体壁が形成されており、この多
面体壁は、構成単位面61と、構成単位面同士が接する
境界稜線62及び境界稜線同士が交わる交叉部63を有
し、該境界稜線62及び交叉部63は構成単位面に比べ
て相対的に容器外側に凸、構成単位面61の対向する交
叉部間の部分65は相対的に容器内側に凹となってい
る。またこの多面体壁では、構成単位面61の隣合った
容器軸方向配列が位相差をなした配列とされている。
【0097】この具体例において、構成単位面1は、四
辺形(菱形)abcd(図13参照)から成っており、
構成単位面1の周方向に隣合った容器軸方向配列が丁度
1/2の位相差をなして配列されている。
【0098】図13は構成単位面の説明図であって、
(A)は構成単位面の平面図であり、(B)、(C)及
び(D)は、窪みの曲率半径Rとの関係で構成単位面の
中央部の垂直断面を示す図である。図13の(A)は図
12の容器胴部に使用される多面体壁面の四辺形単位面
61の一例を取り出して示したものであり、菱形abc
dが構成単位面61となっている。菱形における各辺a
b、bc、cd、daは容器側面に形成される境界稜線
62に相当する辺であり、外向きに凸となる頂点a、
b、c、dが交叉部63に該当する。側壁が円筒の場
合、上方頂点aと下方頂点cとは同一径の円周面上に位
置しており、左方頂点bと右方頂点dとは同一径の円周
面上に位置している。配列が1/2の位相差をなしてい
る場合、全ての頂点は同一径の円周面上に位置してお
り、図12の(C)に示す通り、これら頂点に対応する
容器胴部内半径は、最大半径rである。一方、各稜線a
b、bc、cd、daは端で径外方に最も突出している
が、中間に行くに従って容器中心軸からの距離、即ち径
が減少するようになっている。周方向の対角線bdの中
点の径sをとると、この径sはrよりも小さく、図12
の(C)の場合、最小内半径を与える。容器胴上の単位
面を軸方向に投影したとき、頂点acは重なるが、軸方
向の対角線acは、周方向の対角線bdとは重ならずに
対角線bdよりも径外方向に位置しており、四辺形ab
cdは滑らかに湾曲した面となっている。
【0099】図13の(A)において、構成単位面とし
ての菱形寸法は、周方向対角線bdの長さをwとし、軸
方向対角線acの高さをLとすると、w及びLはそれぞ
れ構成単位面の周方向最大巾及び軸方向の最大長さとな
る。軸方向対角線の長さac(高さL)に比して、実際
の構成単位面上のac断面での長さは長く、このac断
面は容器内側に滑らかに窪んだ曲線となっている。構成
単位面のac断面の長さは、窪みの曲率半径R=5t
(図13の(B))、R=0.3r(図13の
(C))、R=r(図13の(D))が大きくなるに従
って、短くなる。各構成単位面において、周方向対角線
bdの長さ(w)と実際の構成単位面上のbd断面での
長さとが異なる場合がある。例えば、図12の(C)で
は、周方向対角線bdと実際の構成単位面上のbd断面
とが一致していて、それらの長さが等しいが、この断面
における辺の中点は周方向対角線bdの位置よりも径外
方向に位置していたり、径内方向に位置している場合が
ある。図12及び図13に示す例では、ac断面が滑ら
かに湾曲しており、bd断面は実質上ストレートである
が、他の具体例を示す図12においては、ac断面もb
d断面も共に内方に滑らかに窪むように湾曲している。
【0100】本発明のラミネートは、重ね合わせ接合部
をもった接着缶の製造にも適応できる。接着缶の製造
は、それ自体公知の方法で行うことができる。例えば、
缶胴の素材となる長方形のラミネート板の両端縁に、予
めテープ状の熱可塑性有機接着剤を融着した後、そのラ
ミネート板を円筒形に曲げ、有機接着剤が融着された端
縁を加熱すると共に、その接着剤が互いに接着するごと
く重ね合わせ、次いで重ね合わせ部分を圧着冷却して接
着を完成させる。
【0101】この際、缶胴継ぎ目の内側となるラミネー
トの切断端面の金属が露出するのを防止するため、テー
プ状接着剤を、その幅方向の一部を折り返し部分として
残して接着し、この折り返し部分を端縁の切断端面を包
囲するごとくほぼ180度折り曲げ、切断端面を被覆保
護するようにするのがよい。
【0102】熱可塑性有機接着剤としては、コポリアミ
ド系接着剤や、コポリエステル系接着剤等が使用され、
これらはテープの形で用いられる。
【0103】本発明のラミネートは更に、溶接缶の製造
にも適応できる。溶接缶の製造には、それ自体公知のラ
ップ接合或いは突き合わせ接合による電気抵抗溶接を用
いることができる。例えば、缶胴の素材となる長方形の
ラミネート板の両端縁を、予めポリエステルフィルムが
施されていない状態としておくか、或いはポリエステル
フィルム層が研磨により除去された状態とし、そのラミ
ネート板を円筒形に曲げ、金属が露出した端縁を重ね合
わせ、次いで重ね合わせ部分を圧着して通電することに
より、溶接による継ぎ目を形成する。
【0104】この溶接による継ぎ目では、金属が露出し
ているので、金属露出面と密着する樹脂被覆層を設け
る。樹脂被覆層としては、コポリエステル樹脂、コポリ
アミド樹脂等が適している。
【0105】更に、本発明の積層体は、いわゆるステイ
・オン・タブ型式のイージイオープン蓋やフルオープン
タイプのイージイオープン蓋等のや缶蓋の製造にも用い
ることができる。
【0106】
【実施例】本発明を次の例で説明する。
【0107】 積層体の作成 表1に示した組成の樹脂を用い、表に示した方法にあっ
た前述の積層板作製方法にて積層板を作製した。この
際、各樹脂の最適温度条件にて押出しコート、キャスト
膜製膜を行い、30,50,70,120,150m/
minとラインスピードを変え、ドローレゾナンス現
象、溶融樹脂の滴下現象のない安定した操業が可能な最
大速度を求め、高速でのライン適性を評価した。
【0108】 溶融粘度比R、溶融粘度 東洋精機製作所製キャピログラフ1B型を使用し測定し
た。キャピラリは流入角無しで直径1mm、長さ10m
mのものを用いた。溶融粘度比は、ピストン速度1mm
/min(剪断速度12.16sec−1)と100mm
/min(剪断速度1216sec−1)の比をとった。
溶融粘度は、剪断速度1216sec−1で測定した。
【0109】 樹脂固有粘度(IV) 樹脂200mg分をフェノール/1,1,2,2−テト
ラクロロエタン混合溶液(重量比1:1)に110℃で
溶解し、ウベローデ型粘度計を用いて30℃で比粘度を
測定した。固有粘度は下記式により求めた。 [η]=[(−1+(1+4K’ηsp1/2)/2
K’C](dl/g) K’:ハギンスの恒数(=0.33) C :濃度(g/100ml) ηsp :比粘度[=(溶液の落下時間−溶媒の落下時
間)/溶媒の落下時間]
【0110】 デント試験 コーラを充填した缶を横向きに静置した後、5℃におい
て、金属板の圧延方向に対し直角となる缶軸線上で、缶
のネック加工部の缶底側終点に、径65.5mmの球面
を有する1kgのおもりを60mmの高さから球面が缶
に当たるように落下させて衝撃を与えた。その後、37
℃の温度で貯蔵試験を行い1年後の缶内面の状態を観察
した。
【0111】 レトルト処理試験 95℃で蒸留水を充填後、135℃、30分のレトルト
処理を行い、室温に戻し蒸留水を抜き取り、濁度測定に
供した。また、缶内面の腐食状態を観察した。濁度測定
は、安井機器製簡易型高感度濁度・色度計を用い、検体
100mlを濁度用比色管に採り、検体用セルに入れ、
一方比較用の標準として希釈濁度標準液100mlを採
った濁度用比色管を対照セルに入れ、上部から底部を透
視し両者の底部の明るさを比較して濁度を測定した。
【0112】実施例1 表1に示した組成の樹脂を用い、押出しコートにて積層
体を作製した。この際、150m/minにおいてもド
ローレゾナンス現象、溶融樹脂の滴下現象は認められ
ず、この樹脂は、高速での押出しコート性を有するもの
であった。ここで得られた積層体にワックス系潤滑剤を
塗布し、直径166mmの円盤を打ち抜き、浅絞りカッ
プを得た。次いでこの浅絞りカップを再絞り・しごき加
工を行い、深絞り−しごきカップを得た。この深絞りカ
ップの諸特性は以下の通りであった。 カップ径:66mm カップ高さ:128mm 素板厚に対する缶壁部の厚み65% 素板厚に対するフランジ部の厚み77% この深絞りしごきカップを、常法に従いドーミング成形
を行い、220℃にて熱処理を行った後、カップを放冷
後、開口端縁部のトリミング加工、曲面印刷および焼き
付け乾換 、ネック加工、フランジ加工を行って350
g用のシームレス缶を得た。成形上、問題はなかった。
次いで、コーラ充填によるデント試験及び蒸留水充填に
よるレトルト処理試験に供した。表2に示したように、
デント試験におけるデント部腐食、レトルト試験による
腐食の発生は認められず、良好であった。また、レトル
ト後の濁度も低い値であり、良好であった。これらの結
果より、ここで得られたシームレス缶は、飲料保存用に
優れたものであると評価された。
【0113】実施例2 表1に示した組成の樹脂を用い、キャスト膜を作製し
た。この際、150m/minにおいてもドローレゾナ
ンス現象、溶融樹脂の滴下現象は認められず、この樹脂
は、高速での製膜性を有するものであった。このキャス
ト膜を金属基体に熱接着し積層体を得た。この積層体を
実施例1と同様に成形を行った。表2に示したように、
成形上、問題はなかった。また、どの評価においても、
良好な結果を得ており、ここで得られたシームレス缶
は、飲料保存用に優れたものであると評価された。
【0114】実施例3 表1に示した組成の樹脂を用い、押出しコートにて積層
体を作製した。この際、150m/minにおいてもド
ローレゾナンス現象、溶融樹脂の滴下現象は認められ
ず、この樹脂は、高速での押出しコート性を有するもの
であった。ここで得られた積層体を実施例1と同様に成
形した。表2に示したように、成形上、問題はなかっ
た。また、どの評価においても、良好な結果を得てお
り、ここで得られたシームレス缶は、飲料保存用に優れ
たものであると評価された。
【0115】実施例4 表1に示した組成の樹脂を用い、押出しコートにて積層
体を作製した。この際、150m/minにおいてもド
ローレゾナンス現象、溶融樹脂の滴下現象は認められ
ず、この樹脂は、高速での押出しコート性を有するもの
であった。ここで得られた積層体を実施例1と同様に成
形した。表2に示したように、成形上、問題はなかっ
た。また、どの評価においても、良好な結果を得てお
り、ここで得られたシームレス缶は、飲料保存用に優れ
たものであると評価された。
【0116】実施例5 表1に示した組成の樹脂を用い、押出しコートにて積層
体を作製した。この際、150m/minにおいてもド
ローレゾナンス現象、溶融樹脂の滴下現象は認められ
ず、この樹脂は、高速での押出しコート性を有するもの
であった。ここで得られた積層体を実施例1と同様に成
形した。表2に示したように、成形上、問題はなかっ
た。また、どの評価においても、良好な結果を得てお
り、ここで得られたシームレス缶は、飲料保存用に優れ
たものであると評価された。
【0117】比較例1 表1に示した組成の樹脂を用い、押出しコートにて積層
体を作製した際、70m/minにおいてもドローレゾ
ナンス現象が認められ、高速で安定的に操業できるもの
ではなかった。また、実施例1と同様に成形を行ったと
ころ、缶上部において、フィルムの亀裂が認められた。
この缶を実施例1と同様にデント試験に供したところデ
ント部において、激しい腐食が認められた。さらに、レ
トルト試験に供したところ、ネック部においても、腐食
の発生が激しかった。この腐食による内容物の茶色い濁
りが認められたため、濁度の測定は行わなかった。これ
らの結果よりここで得られた缶は、飲料保存用には、不
適なものであると評価された。
【0118】比較例2 表1に示した組成の樹脂を用い、押出しコートにて積層
体を作製した。この際、150m/minにおいてもド
ローレゾナンス現象、溶融樹脂の滴下現象は認められ
ず、この樹脂は、高速での押出しコート性を有するもの
であった。ここで得られた積層体を実施例1と同様に成
形、評価を行った。成形上、問題はなく、腐食も認めら
れなかった。しかし、濁度の測定値が、実施例1〜5に
比較し大きなものとなった。これらの結果より、ここで
得られた缶は、飲料保存上、大きな問題のあるものでは
なかったが、実施例1〜5に比較し、濁度の点で劣るも
のであった。
【0119】比較例3 表1に示した組成の樹脂を用い、押出しコートにて積層
体を作製した。この際、150m/minにおいてもド
ローレゾナンス現象、溶融樹脂の滴下現象は認められ
ず、この樹脂は、高速での押出しコート性を有するもの
であった。ここで得られた積層体を実施例1と同様に成
形、評価を行った。成形上、問題はなく、デント試験で
の腐食は認められなかった。しかし、レトルト処理によ
り、膜は全体的に白化し、腐食が発生した。この腐食の
ため、濁度の測定は行わなかった。これらの結果より、
ここで得られた缶は、飲料保存用には、不適なものであ
ると評価された。
【0120】比較例4 表1に示した組成の樹脂を用い、押出しコートにて積層
体を作製した際、70m/minにおいてもドローレゾ
ナンス現象が認められ、高速で安定的に操業できるもの
ではなかった。ここで得られた積層体を実施例1と同様
に成形、評価を行った。成形上、問題はなかったが、デ
ント試験で腐食が認められた。これらの結果より、ここ
で得られた缶は、飲料保存用には、不適なものであると
評価された。
【0121】
【表1】
【0122】
【表2】
【0123】
【表3】
【0124】
【発明の効果】本発明によれば、金属等の基体にポリエ
ステルの押出コート層或いは熱接着フィルム層を設ける
に当たって、芳香族ジカルボン酸成分を主体とするジカ
ルボン酸成分と全グリコール成分の0.5モル%以上、
20モル%未満、好適には1乃至15モル%が1,4-シク
ロヘキサンジメタノール成分であるグリコール成分とを
含有し、しかも特定の溶融粘度特性を有するポリエステ
ルを用いることにより、被覆の均一性、被覆の完全さ及
び密着性に優れ且つ成形性に優れたラミネート板を、安
価に且つ歩留まりよくしかも高速で製造することが可能
となった。また、本発明のシームレス缶では、高温処理
及び長期保存において、ポリエステル中に必然的に存在
する低分子量成分の内容物中への移行を極力抑え、濁り
を抑制することが可能となった。勿論、本発明のラミネ
ート材は、上記の優れた特性を有することから、通常の
絞りカップの製造、缶蓋、王冠、キャップ等の製造にも
有用であり、またこの複合フィルムは、一般の包装材と
しても有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】種々のポリエステルについて、溶融粘度比
(R)を縦軸及びη1216を横軸として、ドローレゾ
ナンスとの関係をプロットしたグラフである。
【図2】本発明のラミネートの断面構造の一例を示す断
面図である。
【図3】本発明のラミネートの断面構造の他の例を示す
断面図である。
【図4】本発明のラミネートの断面構造の更に他の例を
示す断面図である。
【図5】押出コートによるラミネートの製造を説明する
ための装置の配置図である。
【図6】フィルムの熱接着によるラミネートの製造を説
明するための装置の配置図である。
【図7】本発明のシームレス缶の構造を示す側面断面図
である。
【図8】本発明のラミネートの絞り−しごき成形を説明
するための図である。
【図9】本発明のシームレス缶のフランジ部の一例を示
す断面図である。
【図10】本発明のシームレス缶のフランジ部の他の例
を示す断面図である。
【図11】本発明のシームレス缶のフランジ部の別の例
を示す断面図である。
【図12】四辺形を構成単位面とする多面体壁を設けた
容器の一例を示し、(A)は平面図、(B)は縦断面図
及び(C)は水平断面図である。
【図13】図12の容器の側面に形成された多面体壁の
構成単位面の一例を示し、(A)は平面図、(B)、
(C)及び(D)は窪んだ部分の曲率半径を変化させて
示す構成単位面の垂直断面図である。
【符号の説明】
1 積層体 2 基体 3 ポリエステル層 4 ポリエステル層 5 接着用ポリエステル層 6 接着用ポリエステル層 7 シームレス容器 8 底部 9 側壁部 10 ネック部 11 フランジ部 12 3ピース容器 13 側壁部 14 シーム部 15 ネック部 16 フランジ部 17 金属板 18 加熱ロール 19 チルロール 20 ニップロール 21 ダイヘッド 22 溶融樹脂膜 23 積層体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3E033 AA07 AA08 BA07 BA17 BB08 CA03 CA07 CA14 DA08 DC03 DD01 DD05 DE12 EA04 FA02 FA10 GA02 4F100 AB01A AK43B AK43J AL01B BA02 DA01 EC03B EC18B EH23B EH46B EJ42B GB16 GB18 GB23 JA06B JB16B JK06 JL01 JN01 YY00B

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属基体と該基体表面に設けられた熱可
    塑性ポリエステル層とからなる製缶用積層体において、
    前記熱可塑性ポリエステル層が、芳香族ジカルボン酸成
    分を主体とするジカルボン酸成分と全グリコール成分の
    0.5モル%以上、20モル%未満が1,4-シクロヘキサ
    ンジメタノール成分であるグリコール成分を含有し、溶
    融押出時の温度において、下記式(1) R=η12.2/η1216 …(1) 式中、η12.2はポリエステルの押出し温度における
    せん断速度12.2sec−1での溶融粘度であり、η
    1216はポリエステルの押出温度におけるせん断速度
    1216sec−1での溶融粘度である、で定義される溶融粘
    度比(R)が2.0以上の範囲にあり且つη1216
    500ポイズ以上の範囲にある共重合ポリエステルの層
    を備えていることを特徴とする製缶用積層体。
  2. 【請求項2】 前記ポリエステル層が押出コート或いは
    キャストフィルムの熱接着で形成されていることを特徴
    とする請求項1記載の製缶用積層体。
  3. 【請求項3】 請求項1乃至2の何れかに記載の積層体
    を絞り成形或いは絞り・しごき成形で形成されることを
    特徴とするシームレス缶。
JP24761698A 1998-09-01 1998-09-01 製缶用積層体及びシームレス缶 Expired - Fee Related JP4366730B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24761698A JP4366730B2 (ja) 1998-09-01 1998-09-01 製缶用積層体及びシームレス缶

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24761698A JP4366730B2 (ja) 1998-09-01 1998-09-01 製缶用積層体及びシームレス缶

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000071388A true JP2000071388A (ja) 2000-03-07
JP4366730B2 JP4366730B2 (ja) 2009-11-18

Family

ID=17166169

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24761698A Expired - Fee Related JP4366730B2 (ja) 1998-09-01 1998-09-01 製缶用積層体及びシームレス缶

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4366730B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003305805A (ja) * 2002-02-01 2003-10-28 Toyobo Co Ltd 樹脂被覆金属板の製造方法
JP2004009662A (ja) * 2002-06-11 2004-01-15 Toyo Kohan Co Ltd 滑剤を含有しない有機樹脂被覆金属板およびその製造方法
WO2005046989A1 (ja) * 2003-11-17 2005-05-26 Toyo Kohan Co., Ltd. 多層樹脂フィルム、樹脂被覆金属板、多層樹脂フィルムの製造方法、および樹脂被覆金属板の製造方法
WO2006013633A1 (ja) * 2004-08-06 2006-02-09 Toyo Kohan Co., Ltd. 多層樹脂フィルム、樹脂被覆金属板、多層樹脂フィルムの製造方法、および樹脂被覆金属板の製造方法
WO2006038252A1 (ja) * 2004-09-30 2006-04-13 Toyo Kohan Co., Ltd. 多層樹脂フィルム、および多層樹脂フィルムの製造方法
JP2014210363A (ja) * 2013-04-18 2014-11-13 Jfeスチール株式会社 ラミネート金属板、ラミネート金属板の製造方法および食品用缶詰容器

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003305805A (ja) * 2002-02-01 2003-10-28 Toyobo Co Ltd 樹脂被覆金属板の製造方法
JP2004009662A (ja) * 2002-06-11 2004-01-15 Toyo Kohan Co Ltd 滑剤を含有しない有機樹脂被覆金属板およびその製造方法
WO2005046989A1 (ja) * 2003-11-17 2005-05-26 Toyo Kohan Co., Ltd. 多層樹脂フィルム、樹脂被覆金属板、多層樹脂フィルムの製造方法、および樹脂被覆金属板の製造方法
WO2006013633A1 (ja) * 2004-08-06 2006-02-09 Toyo Kohan Co., Ltd. 多層樹脂フィルム、樹脂被覆金属板、多層樹脂フィルムの製造方法、および樹脂被覆金属板の製造方法
KR101022266B1 (ko) * 2004-08-06 2011-03-21 도요 고한 가부시키가이샤 다층수지필름, 수지피복 금속판, 다층수지필름의 제조방법,및 수지피복 금속판의 제조방법
WO2006038252A1 (ja) * 2004-09-30 2006-04-13 Toyo Kohan Co., Ltd. 多層樹脂フィルム、および多層樹脂フィルムの製造方法
JP2014210363A (ja) * 2013-04-18 2014-11-13 Jfeスチール株式会社 ラミネート金属板、ラミネート金属板の製造方法および食品用缶詰容器

Also Published As

Publication number Publication date
JP4366730B2 (ja) 2009-11-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2457840B1 (en) Aluminum drawn/ironed can and method for producing same
JPH0755552B2 (ja) 深絞り缶の製造方法
JP6309741B2 (ja) 樹脂被覆金属板及びシームレス缶
JP6484173B2 (ja) 有機樹脂被覆金属板、その製造方法、その有機樹脂被覆金属板を加工して成る金属缶、及び、缶蓋
JP2611738B2 (ja) ポリエステル−金属ラミネート板及びそれを用いたシームレス缶
US6099924A (en) Laminate and container made of the same
JPH09295374A (ja) ラミネート板及びこれを用いた製缶方法
KR102441780B1 (ko) 용기용 수지 피막 금속판
JP2970459B2 (ja) シームレス缶
KR101218534B1 (ko) 2 피스 캔체용 라미네이트 강판 및 2 피스 캔체의 제조 방법, 그리고 2 피스 라미네이트 캔체
JP2001353812A (ja) 樹脂被覆シームレス缶
JP4366730B2 (ja) 製缶用積層体及びシームレス缶
JP3262031B2 (ja) 積層体及びそれを用いた容器
JP3807037B2 (ja) 押出ラミネート法及びこの方法により得られる製缶用ラミネート
JPH1191773A (ja) 被覆アルミニウムシームレス缶及びその製造方法
JP5609012B2 (ja) スチール製絞りしごき缶及びその製造方法
US9758272B2 (en) Resin-coated seamless aluminum can
JP4775532B2 (ja) 樹脂被覆シームレス缶
JP7195052B2 (ja) 容器用樹脂被覆金属板、その樹脂被覆金属板からなる容器、及びその樹脂被覆金属板の製造方法
JP3915187B2 (ja) 積層体及びそれを用いた容器
JP2002347170A (ja) 自己潤滑性を有する樹脂被覆金属板及びその製造方法、並びに金属缶及び缶蓋
JP2874582B2 (ja) 積層体及びそれを用いた容器
JP4168466B2 (ja) 製缶用積層体及びシームレス缶
JP2001353811A (ja) 樹脂被覆シームレス缶
JPH11216805A (ja) 積層体及びそれを用いた容器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050823

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20071225

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080205

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080403

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090519

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090714

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090804

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090817

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120904

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120904

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120904

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120904

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130904

Year of fee payment: 4

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130904

Year of fee payment: 4

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees