JP2000001634A - 導電性樹脂組成物 - Google Patents

導電性樹脂組成物

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JP2000001634A
JP2000001634A JP16525298A JP16525298A JP2000001634A JP 2000001634 A JP2000001634 A JP 2000001634A JP 16525298 A JP16525298 A JP 16525298A JP 16525298 A JP16525298 A JP 16525298A JP 2000001634 A JP2000001634 A JP 2000001634A
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conductive fine
conductive
resin composition
meth
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JP16525298A
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English (en)
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Hitoshi Nakao
整 中尾
Koji Maruyama
耕司 丸山
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】全光線透過率及び耐擦傷性に優れた塗膜を形成
することができる導電性塗料組成物を提供する。 【解決手段】透明なバイダー樹脂と、表面に角部もしく
は突起形状部を有する導電性微粉末と、有機溶剤とを含
有する導電性樹脂組成物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導電性塗膜を形成
し得る導電性樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体ウェハー保存容器、電子電気部
材、半導体の製造工場の床材、壁材等は、その用途によ
っては帯電防止効果を有することが必要である。そのた
め、従来はこれら部材をカーボン粉末や金属粉入りの塗
料でコーティングしたり、あるいはカーボン粉末、カー
ボン繊維、金属繊維等に練り込んで成形することが行わ
れている。しかしこれらの従来法では塗膜及び成形品自
体が着色しているため不透明であり、内容物を透視する
ことができず、帯電防止の必要な部所を窓部にすること
ができないという問題点があった。
【0003】これらの問題に対し、透明なバインダー樹
脂に、酸化スズにアンチモンあるいはイリジウムをトー
プした導電性微粉末を含有させた、透明性のある導電性
塗料が知られており、更に透明なバインダー樹脂として
紫外線又は可視光線で硬化するものを選択することによ
り耐擦傷性、耐溶剤性を付与したものもある。
【0004】塗膜中の導電性粉末の量は多い方が表面抵
抗値の点では好ましいが、導電性粉末に光の吸収がある
ため全光線透過率の面では好ましくなく、更に塗膜の耐
擦傷性も低下する。よって、透明性が高く、耐擦傷性の
ある導電性のある導電性塗料を得るには、導電性微粉末
の量をできる限り減量していく必要がある。
【0005】導電性塗料が優れた導電性を示すのは、塗
料中の導電性微粉末が適度に凝集しているため、導電性
微粉末同士の接触による、あるいはトンネル効果による
導電の道ができるからである。よって導電性微粉末の量
を減量しつつ導電性を付与するには、導電性微粉末の凝
集状態を3次元的な微細な編み目構造状にするのが最良
であると考えられる。しかしながら、導電性微粉末の形
状が球状であると、粉末の表面エネルギーが粉末表面に
均一に広がっているため、凝集に方向性を持たせること
ができず、上記のような3次元的な網み目構造に近づけ
ることは困難である。
【0006】上記のような透明なバインダー樹脂に、酸
化スズにアンチモンあるいはイリジウムをトープした導
電性微粉末を含有させた塗料では、導電性微粉末の形状
が球状であるために凝集の仕方に方向性がなく、導電性
向上のために必要以上に微粉末を使用する必要があるた
め、塗料の導電性微粉末の光吸収による着色具合が必要
以上に強くなってしまう。同時に、塗膜中のバインダー
樹脂比率が小さいために、又、微粉末の形状が球形であ
るので表面積が小さくバイダー樹脂との密着性も悪いた
めに、塗膜の厚みが薄いと耐擦傷性が悪くなるという問
題点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な従来の問題点を解消し、導電性に優れ、且つ、全光線
透過率及び耐擦傷性に優れた塗膜を形成することができ
る導電性樹脂組成物を提供することを目的としてなされ
たものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本願の請求項1に記載の
発明(本発明1)は、透明なバイダー樹脂と、表面に角
部もしくは突起形状部を有する導電性微粉末と、有機溶
剤とを含有することを特徴とする導電性樹脂組成物であ
る。
【0009】本願の請求項2に記載の発明(本発明2)
は、前記透明なバインダー樹脂が、分子内に少なくとも
2個以上のアクリロイル基もしくはメタアクリロイル基
を有する(メタ)アクリレート化合物であって、且つ、
光重合開始剤を含有する本発明1に記載の導電性樹脂組
成物である。
【0010】本願の請求項3に記載の発明(本発明3)
は、前記導電性微粉末中に、1粒子の表面に粒子径の1
0%以上50%以下の長さを有する角部あるいは高さが
粒子径の30%以上の突起形状部を2箇所以上10箇所
以下有するか、又は、1粒子の表面に粒子径の50%以
上の長さを有する角部を1箇所以上5箇所以下有する特
定形状の導電性微粉末を含有する本発明1に記載の導電
性樹脂組成物である。
【0011】本願の請求項4に記載の発明(本発明4)
は、前記特定形状の導電性微粉末が導電性微粉末全体の
80%以上を占める本発明3に記載の導電性樹脂組成物
である。
【0012】本発明において、透明なバイダー樹脂とし
ては、透明性の高いものであれば適宜使用できるが、耐
擦傷性を考慮すると、分子内に少なくとも2個以上のア
クリロイル基もしくはメタアクリロイル基を有する(メ
タ)アクリレート化合物が好ましい。
【0013】このような(メタ)アクリレート化合物と
しては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノ
ナエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナプロピレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス〔4
−(アクリロキシジエトキシ)フェニル〕プロパン、
2,2−ビス〔4−(メタクリロキシジエトキシ)フェ
ニル〕プロパン、3−フェノキシ−2−プロパノイルア
クリレート、1,6−ビス(3−アクリロキシ−2−ヒ
ドロキシプロピル)−ヘキシルエーテル等の2官能(メ
タ)アクリレート、あるいは、ペンタエリスリトールト
リ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アク
リレート、トリス−(2−ヒドロキシエチル)−イソシ
アヌル酸エステル(メタ)アクリレート等の3官能(メ
タ)アクリレート、その他、ペンタエリスリトールテト
ラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールペンタ
(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ
(メタ)アクリレート等の4官能基以上の(メタ)アク
リレート等が挙げられる。
【0014】更に、アクリレートモノマーの分子内にウ
レタン結合を有するアクリルウレタンオリゴマーを用い
ると、得られる塗膜の耐擦傷性は更に向上する。このよ
うな分子末端にアクリロイル基もしくはアクリロイル基
を有するウレタンオリゴマーの調製は、一例として、1
分子中に2個以上のイソシアネート基を有する化合物
に、活性水素を有するアクリレートもしくはメタクリレ
ートを作用させて行われる。
【0015】1分子中に2個以上のイソシアネート基を
有する化合物としては、例えば、m−ェニレンジイソシ
アネート、p─フェニレンジイソシアネート、トルエン
─2,4─ジイソシアネート、トルエン─2,6─ジイ
ソシアネート、トルエン─2,5ジイソシアネート、ト
ルエン─3,5─ジイソシアネート、m─キシリレンジ
イソシアネート、p─キシリレンジイソシアネート、ヘ
キサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチ
レンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、
4,4′─ジフェニルメタンジイソシアネート、4,
4′─ジイソシアネート─3,3′─ジメチルビフェニ
ル、4,4′─ジイソシアネート─3,3′ジメチルフ
ェニルメタン等が挙げられる。
【0016】活性水素含有のアクリレートもしくはメタ
クリレートとしては、例えば、2─ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、3─ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレー
ト、1,6─ビス(3─アクリロキシ─2─ヒドロキシ
プロピル)─ヘキシルエーテル、ペンタエリスリトール
トリ(メタ)アクリレート、トリス─(2─ヒドロキシ
エチル)─イソシアヌル酸エステル(メタ)アクリレー
ト、(メタ)アクリル酸等が挙げられる。
【0017】このような分子内に少なくとも2個以上の
アクリロイル基もしくはメタアクリロイル基を有する
(メタ)アクリルオリゴマーの量が少なくなると、バイ
ンダー樹脂の架橋密度が低く、塗膜の耐摩耗性、耐溶剤
性が小さく、量が多くなると導電粉末の含有量が少なく
なるので十分な導電性を得にくくなる傾向がある。
【0018】このようなバインダー樹脂を選択する場
合、紫外線、可視光線等により光硬化させるために、適
宜光重合開始剤が添加される。このうような光重合開始
剤としては、例えば、ソジウムメチルジチオカーバメイ
トサルファイド、ジフェニルモノサルファイド、ジベン
ゾチアゾイルモノサルファイド、ジサルファイド等のサ
ルファイド類:チオキサントン、2─エチルチオキサン
トン、2─クロロチオキサントン、2,4─ジエチルチ
オキサントン等のチオキサントン誘導体:ヒドラゾン、
アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物;ベンゼン
ジアゾニウム塩等のジアゾ化合物;ベンゾイン、ベンゾ
インメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベン
ゾフェノン、ジメチルアミノベンゾフェノン、ミヒラー
ケトン、ベンジルアントラキノン、t−ブチルアントラ
キノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアント
ラキノン、2−アミノアントラキノン、2−クロロアン
トラキノン等の芳香族カルボニル化合物;p−ジメチル
アミノ安息香酸メチル、p−ジメチルアミノ安息香酸エ
チル、p−ジメチルアミノ安息香酸ブチル、p−ジエチ
ルアミノ安息香酸イソプロピル等のジアルキルアミノ安
息香酸エステル;ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−
ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、クメ
ンハイドロパーオキサイド等の過酸化物;9−フェニル
アクリジン、9−p−メトキシフェニルアクリジン、9
−アセチルアミノアクリジン、ベンズアクリジン等のア
クリジン誘導体;9,10−ジメチルベンズフェナジ
ン、9−メチルベンズフェナジン、10−メトキシベン
ズフェナジン等のフエナジン誘導体;6,4′,4′′
−トリメトキシ−2,3−ジフェニルキノキサリン等の
キノキサリン誘導体;2,4,5−トリフェニルイミダ
ゾイル二量体、2−ニトロフルオレン、2,4,6−ト
リフェニルピリリウム四弗化ホウ素塩、2,4,6−ト
リス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
3,3′−カルボニルビスクマリン、チオミヒラーケト
ン等が挙げられる。
【0019】又、酸素阻害による感度の低下を防止する
ために、アミン化合物を共存させてもよい。このような
アミン化合物としては、例えば、脂肪族アミンや芳香族
アミン等、不揮発性のものであれば特に限定されること
なく使用される。例えば、トリエタノールアミン、メチ
ルエタノールアミン等がよく使用され、上記ジアルキル
アミノ安息香酸エステル、ミヒラーケトン等のアミノ基
含有の光重合開始剤はアミンとしても使用することがで
きる。
【0020】光重合開始剤の添加量としては、上記アク
リレート化合物に対して0.1〜10重量%が好まし
い。添加量が0.1重量%未満では重合が完全に進ま
ず、硬度、耐擦過傷性が不十分となり、又、10重量%
を超えても増感効果の向上はほとんど見られず、逆に耐
候性等の耐久性が低下してしまう。
【0021】〔表面に角部もしくは突起形状部を有する
導電性微粉末〕塗膜中の導電性微粉末の量は多い方が表
面抵抗率の面では好ましいが、導電性微粉末に光の吸収
があるため全透過率の面では好ましくなく、更に、塗膜
の耐擦傷性も低下する。よって、透明性が高く、耐擦傷
性のある導電性のある導電性塗膜を得るには、導電性微
粉末の量をできる限り減量していく必要がある。
【0022】導電性塗料が優れた導電性を示すのは、塗
料中の導電性微粉末が適度に凝集しているため、導電性
微粉末同士の接触による、あるいはトンネル効果による
導電性の道ができるからである。よって、導電性微粉末
の量を減量しつつ導電性を付与するには、導電性微粉末
の量を減量しつつ、導電性を付与するためには、導電性
微粉末の凝集状態を3次元的な編み目状態にすることが
最良であると考えられる。しかしながら、導電性微粉末
の形状が球形であると、粉末の表面エネルギーが粉末表
面に均一広がっているため、凝集に方向性を持たせるこ
とができず、上記のような3次元的な編み目構造に近づ
けることは難しくなる。
【0023】本発明では、表面エネルギーの高い、2つ
以上の平面あるいは曲面で構成される角の部分もしくは
突起物を作り出すことにより、凝集を起こし易い部位を
特定し、そのため凝集に方向性を与えることができるた
め、上記のような3次元的な微細な編み目構造を作り出
し易い。これにより少量でも優れた導電性を付与するこ
とが可能となり、導電性微粉末による着色を低く抑え、
全光線透過率を高くすることができる。又、塗膜の導電
性微粉末量が少なく樹脂比率が高いこと、導電性微粉末
の形状を非球形とすることの2点の理由で耐擦傷性を高
くすることができる。
【0024】特定形状の導電性微粉末の1分子の表面の
角部あるいは突起形状部の大きさ及び個数は、粒子径の
10%以上50%以下の長さを有する角部あるいは高さ
が粒子径の30%以上の突起形状部の場合には、2箇所
以上10箇所以下有するのが好ましく、粒子径の50%
以上の長さを有する角部の場合には、1箇所以上5箇所
以下有するのが好ましい。これよりも角部、突起形状部
の大きさが大きく、あるいは、角部、突起形状部の数が
多いと、凝集し易い部位が多過ぎるため凝集に方向性を
持たせにくくなる。又、角部、突起部の大きさが小さい
と十分な表面エネルギーを与えることが難しくなり、そ
の数が少ないと、微細な編み目構造にはならず表面抵抗
が高くなり易い。このような特定形状の導電性微粒子が
導電性粉末全体の80%以上を占めることが好ましい。
これ未満であると、凝集状態が微細な編み目構造にはな
りにくい。
【0025】導電性微粉末の材質は、目的に適合できる
表面抵抗値を有するものであれば問題ないが、表面抵抗
値、全光線透過率の面から、可視光領域の吸収が少ない
酸化スズにアンチモン、イリジウム、リン、フッ素をド
ープしたもの、あるいは、これらをドープした酸化スズ
を硫酸バリウムにコートしたもの、酸化亜鉛に鉛をトー
プしたもの、亜鉛とアンチモンの複合酸化物等が挙げら
れる。その中でも、亜鉛とアンチモンの複合酸化物は特
に吸収が少なく、又、屈折率が樹脂と同程度であること
から、全光線透過率の点では最も好ましい。
【0026】〔有機溶剤〕本発明の導電性樹脂組成物中
には、導電性微粉末の分散性を良くしたり、塗工性を良
くするために、有機溶剤を含有する。本発明において使
用される有機溶剤としては、沸点が低いものもしくは揮
発性の強いものは塗工中の蒸発により塗料粘度が変化し
易いという問題があり、沸点が低すぎると乾燥工程に時
間を要するので、沸点が80〜160℃程度のものが好
ましい。
【0027】このような有機溶剤としては、例えば、メ
チルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘ
キサン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、酢酸ブ
チル、イソプロピルアセトン、アニソール等が挙げら
れ、これらは単独で使用してもよいし、混合して使用し
てもよい。
【0028】〔その他の添加剤〕本発明の導電性樹脂組
成物中には、必要に応じて、紫外線吸収剤、酸化防止
剤、重合禁止剤、レベリング剤、表面改質剤、脱泡剤、
分散剤等の各種の添加剤を含有してもよい。
【0029】〔導電性樹脂組成物の調製方法〕本発明の
導電性樹脂組成物の調製は、(メタ)アクリレート化合
物や必要ならば光重合開始剤等を有機溶剤に加えて溶解
させた後、導電性微粉末や必要ならば各種添加剤を加え
て混合分散することにより行われる。混合分散には、通
常、微粉末を塗料中に分散するために用いられる機器、
例えば、サンドミル、ボールミル、アトライター、高速
回転攪拌装置、三本ロール等が使用される。
【0030】〔塗膜の形成〕本発明の導電性樹脂組成物
を用いて塗膜を形成するには、スプレー法、バーコート
法、ドクターブレード法、ロールコート法、ディッピン
グ法等の一般的な塗布方法にて対象物上に塗布した後、
可視光線等の活性光線を照射し硬化させて塗膜を形成す
る方法を採用することができる。対象物としては、例え
ば、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリメタクリ
レート、ABS樹脂等のプラスチック板やプラスチック
フィルム等が挙げられるが、ガラス等の無機物からなる
板状体であってもよい。
【0031】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。実施例 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート100重量
部、ハイドロキノン0.2重量部、ジエチルチオキサン
トン4重量部、p─ジメチルアミノ安息香酸エチル4重
量部を、エチルセロソルブ660重量部に溶解させ、ア
トランターに仕込んだ。これを攪拌しながら、粉砕法に
より得た平均粒径0.1μmのZnSbO5 粉末190
重量部を加え、10時間攪拌分散を行うことにより導電
性樹脂組成物を調製した。
【0032】上記導電性微粉末の形状は、SEM写真で
観測したところ、90%以上の粒子の表面に粒子径に対
して約35%の角部が3〜6個存在していた。この導電
性樹脂組成物を、アクリル樹脂からなる透明板上に乾燥
後の膜厚が2μmになるようにバーコーターにより塗布
した。乾燥は50℃で10分間熱風乾燥させることによ
り行った。これを高圧水銀ランプにより照射量が180
0mj/cm2 になるように紫外線硬化させた。
【0033】比較例1 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート100重量
部、ハイドロキノン0.2重量部、ジエチルチオキサン
トン5重量部、p─ジメチルアミノ安息香酸エチル5重
量部を、エチルセロソルブ1000重量部に溶解させ、
アトライターに仕込んだ。これを攪拌しながら、平均粒
径0.1μmで球形のSbドープSnO 2 粉末370重
量部を加え、10時間攪拌分散を行うことにより導電性
樹脂組成物を調製した。
【0034】記導電性微粉末の形状は、SEM写真で観
測したところ、ほぼ球形で角部あるいは突起形状部は見
当らなかった。この導電性樹脂組成物を、アクリル樹脂
からなる透明板上に乾燥後の膜厚が2μmになるように
バーコーダーにより塗布した。乾燥は50℃で10分間
熱風乾燥させることにより行った。これを高圧水銀ラン
プにより照射量が1800mj/cm2 になるように紫
外線硬化させて塗膜を形成した。
【0035】比較例2 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート100重量
部、ハイドロキノン0.2重量部、ジエチルチオキサン
トン4重量部、p─ジメチルアミノ安息香酸エチル4重
量部を、エチルセロソルブ660重量部に溶解させ、ア
トランターに仕込んだ。これを攪拌しながら、平均粒径
0.1μmで球形のSbドープSnO2粉末190重量
部を加え、10時間攪拌分散を行うことにより導電性樹
脂組成物を調製した。
【0036】記導電性微粉末の形状は、SEM写真で観
測したところ、ほぼ球形で角部あるいは突起形状部は見
当らなかった。この導電性樹脂組成物を、アクリル樹脂
からなる透明板上に乾燥後の膜厚が2μmになるように
バーコーダーにより塗布した。乾燥は50℃で10分間
熱風乾燥させることにより行った。これを高圧水銀ラン
プにより照射量が1800mj/cm2 になるように紫
外線硬化させて塗膜を形成した。
【0037】実施例及び比較例1,2で得られた塗膜に
ついて、表面固有抵抗をASTM─D257、全光線透
過率をASTM─D1003に基づく試験法により評価
した。又、荷重1kg/cm2 、100回のスチールウ
ール(#0000)テストを行い、塗膜の外観を、1.
傷多数、2.傷数本、3.2〜3本に傷がつく、4.か
すかに傷がつく、5.全く傷がつかない、の5段階で評
価した。その結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】表1からも明らかなように、本発明の実施
例のように、導電性微粉末として表面に角部もしくは突
起形状部を有するものを用いた場合には、比較例1,2
のように導電性微粉末として球形のものを用いた場合に
比べて、導電性微粉末の量が少なくても十分な表面抵抗
値を有し、耐擦傷性に優れた塗膜を形成することができ
る。
【0040】
【発明の効果】本発明の導電性樹脂組成物は、上記のよ
うにされていることにより、導電性微粉末の量が少なく
ても十分な導電性を有し、且つ、全光線透過率及び耐擦
傷性に優れた塗膜を形成することができる。
【0041】導電性樹脂組成物中に、透明なバインダー
樹脂が、分子内に少なくとも2個以上のアクリロイル基
もしくはメタアクリロイル基を有する(メタ)アクリレ
ート化合物であって、且つ、光重合開始剤を含有する
と、更に耐擦傷性に優れた塗膜を形成することができ
る。
【0042】導電性微粉末中に、1粒子の表面に粒子径
の10%以上50%以下の長さを有する角部あるいは高
さが粒子径の30%以上の突起形状部を2箇所以上10
箇所以下有するか、又は、1粒子の表面に粒子径の50
%以上の長さを有する角部を1箇所以上5箇所以下有す
る特定形状の導電性微粉末を含有すると、更に導電性微
粉末の量が少なくても十分な導電性を有する塗膜を形成
することができる。
【0043】上記形状をもつ導電性微粉末が導電性微粉
末全体の80%以上を占めると、一層導電性微粉末の量
が少なくても十分な導電性を有する塗膜を形成すること
ができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J038 CG031 CG141 CH051 CH061 CH131 CH191 DG281 HA216 JA02 JA21 JA33 JA55 JA66 JB03 JB16 JB25 JB28 JC01 JC18 KA03 KA12 KA20 NA20 PB05 PB09 PB11 PC04 PC09

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明なバイダー樹脂と、表面に角部もし
    くは突起形状部を有する導電性微粉末と、有機溶剤とを
    含有することを特徴とする導電性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 前記透明なバインダー樹脂が、分子内に
    少なくとも2個以上のアクリロイル基もしくはメタアク
    リロイル基を有する(メタ)アクリレート化合物であっ
    て、且つ、光重合開始剤を含有することを特徴とする請
    求項1に記載の導電性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 前記導電性微粉末中に、1粒子の表面に
    粒子径の10%以上50%以下の長さを有する角部ある
    いは高さが粒子径の30%以上の突起形状部を2箇所以
    上10箇所以下有するか、又は、1粒子の表面に粒子径
    の50%以上の長さを有する角部を1箇所以上5箇所以
    下有する特定形状の導電性微粉末を含有することを特徴
    とする請求項1に記載の導電性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 前記特定形状の導電性微粉末が導電性微
    粉末全体の80%以上を占めることを特徴とする請求項
    3に記載の導電性樹脂組成物。
JP16525298A 1998-06-12 1998-06-12 導電性樹脂組成物 Pending JP2000001634A (ja)

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