JP3375410B2 - 光硬化型導電性塗料組成物とこれを用いた帯電防止電磁波シールド性積層体 - Google Patents

光硬化型導電性塗料組成物とこれを用いた帯電防止電磁波シールド性積層体

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JP3375410B2
JP3375410B2 JP01159994A JP1159994A JP3375410B2 JP 3375410 B2 JP3375410 B2 JP 3375410B2 JP 01159994 A JP01159994 A JP 01159994A JP 1159994 A JP1159994 A JP 1159994A JP 3375410 B2 JP3375410 B2 JP 3375410B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、紫外線又は可視光線等
の活性光線で容易に硬化して、導電性に優れると共に透
明性(全光線透過率)、耐擦過傷性及び硬度に優れた塗
膜を形成し得る光硬化型導電性塗料組成物とこれを塗布
してなる帯電防止電磁波シールド性積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】導電性高分子は、その性質を生かし、半
導体ウエハー保存容器、電子・電気部材、半導体製造工
場の床材や壁材に利用されている。一方、高分子に導電
性を付与すべく合成樹脂成形体をカーボン粉末や金属粉
末入り塗料でコーティングしたり、あるいはカーボン粉
末、カーボン繊維、金属繊維等を合成樹脂に練り込んで
成形することが行われている。しかし、上記方法で導電
性を付与した合成樹脂は、一般に不透明となり内容物を
透視することができず、帯電防止の必要な部所を窓部に
することができない欠点があった。
【0003】この欠点を解決すべく、例えば特開昭57
−85866号公報には酸化錫を主成分とする導電性微
粉末を塗料バインダー中に含有した塗料が開示されてい
る。この塗料は透明でかつ帯電防止機能を有する塗膜を
確かに形成し得るが、塗料バインダーが熱可塑性樹脂で
構成されているため得られる塗膜は一般に耐擦傷性を発
現し得ない。また、特開昭60−60166号公報に
は、酸化錫を主成分とする導電性微粉末を(メタ)アク
リルオリゴマーを主成分とする塗料バインダー中に含有
した塗料が開示されている。この塗料は、導電性、透明
性(全光線透過率)、耐擦過傷性、耐溶剤性に優れた塗
膜を形成することを可能にするものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、かかる塗料は
塗膜の膜厚を厚くすると酸化錫による着色により透明性
(全光線透過率)が低下するという欠点を有する。従っ
て、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネートのごとき比較的
表面硬度の低い基材に対して十分な耐擦過傷性を付与す
るためには塗膜の膜厚を厚くする必要があり、塗膜を厚
くした結果、酸化錫による着色が生じてその特徴である
透明性(全光線透過率)が低下してしまう問題点があっ
た。
【0005】本発明はこのような問題点に着目してなさ
れたもので、その課題とするところは、紫外線又は可視
光線等の活性光線で容易に硬化し、導電性に優れると共
に透明性(全光線透過率)、耐擦過傷性及び硬度に優れ
た塗膜を形成し得る光硬化型導電性塗料組成物を提供
し、かつ、この光硬化型導電性塗料組成物を塗布して成
る帯電防止電磁波シールド性積層体を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち請求項1に係る
発明は、分子内に少なくとも2個以上のアクリロイル基
若しくはメタクリロイル基を有する(メタ)アクリレー
ト化合物:100重量部に対し、アンチモンがドープさ
れた酸化錫でコートされている硫酸バリウムより成る平
均粒径0.05〜2μmの導電性粉末:100〜500
重量部、ポリビニルアセタール樹脂からなる分散剤:
0〜50重量部、光重合開始剤:0.1〜10重量部、
および有機溶媒:500〜3000重量部を含有するこ
とを特徴とする光硬化型導電性塗料組成物に関するもの
である。
【0007】そして、この請求項1記載の発明に係る光
硬化型導電性塗料組成物においては、導電性塗料組成物
の導電性粉末としてアンチモンがドープされた酸化錫で
コートされている硫酸バリウムを適用したことに伴い、
この粉末は屈折率が1.6と樹脂に近く透明性が高いた
め形成する塗膜の厚さを大きく設定しても透明性(全光
線透過率)の低下が起こり難い利点を有している。
【0008】次に、請求項2に係る発明は、請求項1記
載の発明に係る光硬化型導電性塗料組成物を前提とし、
導電性織布若しくは導電性不織布を透明な合成樹脂板の
表面あるいは内部に配設して成る電磁波シールド性樹脂
板の表面に、上記光硬化型導電性塗料組成物を所定量塗
工かつ乾燥し、光硬化させてなることを特徴とする帯電
防止電磁波シールド性積層体に関するものである。
【0009】このような技術的手段において上記光硬化
型導電性塗料組成物は、分子内に少なくとも2個以上の
アクリロイル基若しくはメタクリロイル基を有する(メ
タ)アクリレート化合物:100重量部に対し、アンチ
モンがドープされた酸化錫でコートされている硫酸バリ
ウムより成る平均粒径0.05〜2μmの導電性粉末:
100〜500重量部、ポリビニルアセタール樹脂から
なる分散剤:10〜50重量部、光重合開始剤:0.1
〜10重量部、および有機溶媒:500〜3000重量
部を含有してなるものである。
【0010】まず、(メタ)アクリレート化合物は、分
子内に少なくとも2個以上のアクリロイル基若しくはメ
タクリロイル基を有する(メタ)アクリレート化合物で
あって、耐擦過傷性に優れ硬度が高い。このような(メ
タ)アクリレート化合物として、例えば、エチレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ノナエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、ノナプロピレングリコールジ(メタ)アク
リレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、2,2−ビス[4−(メタ)アクリロキシジエ
トキシ)フェニル]プロパン、1,6−ビス[3−(メ
タ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピル]−ヘキサ
ンジオール等の2官能(メタ)アクリレート、若しくは
ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリ
メチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセ
ロールトリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸トリ
ス[(メタ)アクリロキシエチル]等の3官能(メタ)
アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)ア
クリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)ア
クリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)ア
クリレート等の4官能(メタ)アクリレート等が挙げら
れる。
【0011】また、分子末端に(メタ)アクリロイル基
を2個以上有し分子内にウレタン結合を有するアクリル
系ウレタンオリゴマーは、得られる塗膜の耐擦過傷性が
優れているので好適に用いられる。
【0012】このような分子末端に(メタ)アクリロイ
ル基を有するウレタンオリゴマーは、例えば、1分子内
に2個以上のイソシアネート基を有する化合物と、活性
水素を有するアクリレートまたはメタクリレートを作用
させて調製される。
【0013】1分子内に2個以上のイソシアネート基を
有する化合物としては、例えば、m−フェニレンジイソ
シアネート、p−フェニレンジイソシアネート、トルエ
ン−2,4−ジイソシアネート、トルエン−2,6−ジ
イソシアネート、トルエン−2,5−ジイソシアネー
ト、トルエン−3,5−ジイソシアネート、m−キシリ
レンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキ
サメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネ
ート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、
4,4’−ジイソシアネート−3,3’−ジメチルビフ
ェニル、4,4’−ジイソシアネート−3,3’−ジメ
チルビフェニルメタン等が挙げられる。
【0014】活性水素含有の(メタ)アクリレートとし
ては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、
グリセリンジ(メタ)アクリレート、1,6−ビス(3
−アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピル)−ヘキシル
エーテル、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレ
ート、(メタ)アクリル酸等が挙げられる。
【0015】なお、上記(メタ)アクリレート化合物は
単独で用いられても併用されてもよい。また、この(メ
タ)アクリレート化合物は導電性粉末100重量部に対
して10〜100重量部添加されるのが好ましい。10
重量部未満ではバインダー樹脂の架橋密度が低く、塗膜
の耐摩耗性、耐溶剤性が得られなくなり、また、100
重量部以上では導電性粉末の含有率が少なくなるため導
電性が悪くなるからである。
【0016】次に、請求項1記載の発明に係る光硬化型
導電性塗料組成物に配合される上記導電性粉末は、アン
チモンがドープされた酸化錫でコートされている硫酸バ
リウムより成る平均粒径0.05〜2μmの導電性粉末
であり、例えば、三井金属社から商品名『パストランT
ype−IV』で販売されている。
【0017】この導電性粉末においてその平均粒径が
0.05μmより小さくなると得られる塗膜の導電性が
低下し、また、平均粒径が2μmより大きくなると塗膜
表面の平滑性が低下したり透明性が悪くなる。また、上
記導電性粉末の配合割合は、(メタ)アクリレート化合
物:100重量部に対して100〜500重量部、好ま
しくは200〜500重量部に設定される。100重量
部より少ないと塗膜の導電性が低下し、500重量部を
越えると塗膜の透明性(全光線透過率)や機械的強度が
低下する。
【0018】また、請求項1記載の発明に係る光硬化型
導電性塗料組成物においては導電性粉末の分散性を向上
させるために分散剤が配合される。このような分散剤と
してポリビニルアセタール樹脂を適用するので、塗膜の
透明性(全光線透過率)や塗料の貯蔵安定性が向上す
る。このポリビニルアセタール樹脂は、例えば、ポリビ
ニルアルコールにアルデヒドを縮合反応させてアセター
ル化することにより得ることができる。このアセタール
化は、塩酸、硫酸、硝酸等の酸触媒の存在下、水系媒体
を用いる沈殿法やアルコール等の溶媒を用いる溶解法等
が挙げられる。なお、原料としてポリ酢酸ビニルを用
い、ケン化とアセタール化とを並行的に行ってポリビニ
ルアセタール樹脂を調製してもよい。
【0019】上記ポリビニルアルコールに縮合させるさ
せるアルデヒドとしては、例えば、ホルムアルデヒド、
アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアル
デヒド、ペンチルアルデヒド、ヘキシルアルデヒド、ヘ
プチルアルデヒド、オクチルアルデヒド、2−エチルヘ
キシルアルデヒド、デシルアルデヒド、シクロヘキシル
アルデヒド等が挙げられる。これ等のアルデヒドは単独
で用いられても併用されてもよい。
【0020】また、アセタール部位以外に全水酸基の1
0%以下の割合でアセチル基を含有してもよい。アセタ
ール樹脂中の残存水酸基は全水酸基の2〜60%の範囲
が好ましく、更には5〜40%の範囲がより好ましい。
残存水酸基が2%より少なくなると目的とする導電性粉
末の分散効果が低くなり、また、60%を越えると塗膜
の耐薬品性が低下する。
【0021】なお、ポリビニルアセタール樹脂等分散剤
の配合割合については、(メタ)アクリレート化合物:
100重量部に対して10〜50重量部添加される。配
合割合が10重量部より低くなると導電性粉末の分散効
果及び塗膜の透明性(全光線透過率)に欠ける。また、
50重量部を越えると塗膜の耐擦過傷性、硬度、耐薬品
性に欠ける。
【0022】次に、この発明で使用される光重合開始剤
は、紫外線や可視光線等の活性光線により重合を開始さ
せる性質を有するものであればよく、特に限定されるも
のではない。このような光重合開始剤としては、例え
ば、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ソジウム
メチルジチオカーバメイトサルファイド、ジフェニルモ
ノサルファイド、ジベンゾチアゾイルモノサルファイド
およびジサルファイド等のサルファイド類;チオキサン
トン、2−エチルチオキサントン、2−クロロチオキサ
ントン、2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサ
ントン誘導体;ヒドラゾン、アゾビスイソブチロニトリ
ル等のアゾ化合物;ベンゼンジアゾニウム塩等のジアゾ
化合物;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベン
ゾインエチルエーテル、ベンゾフェノン、ジメチルアミ
ノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジルアントラ
キノン、t−ブチルアントラキノン、2−メチルアント
ラキノン、2−エチルアントラキノン、2−アミノアン
トラキノン、2−クロロアントラキノン等の芳香族カル
ボニル化合物;p−ジメチルアミノ安息香酸メチル、p
−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ
安息香酸ブチル、p−ジエチルアミノ安息香酸イソプロ
ピル等のジアルキルアミノ安息香酸エステル;ベンゾイ
ルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジ
クミルパーオキサイド、キュメンハイドロパーオキサイ
ド等の過酸化物;9−フェニルアクリジン、9−p−メ
トキシフェニルアクリジン、9−アセチルアミノアクリ
ジン、ベンズアクリジン等のアクリジン誘導体;9,1
0−ジメチルベンスフェナジン、9−メチルベンズフェ
ナジン、10−メトキシベンズフェナジン等のフェナジ
ン誘導体;6,4’,4”−トリメトキシ−2、3−ジ
フェニルキノキサリン等のキノキサリン誘導体;2,
4,5−トリフェニルイミダゾイルニ量体、2−ニトロ
フルオレン、2,4,6−トリフェニルピリリウム四弗
化ホウ素塩、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)
−1,3,5−トリアジン、3、3’−カルボニルビス
クマリン、チオミヒラーケトン等が挙げられる。
【0023】本発明においては上記酸化錫が350nm
以下の紫外線を強く吸収し、400nm以上では塗膜の
着色が強くなるため、光重合開始剤の最大吸収波長は3
50〜400nmの範囲にあるものが好ましい。
【0024】また、酸素阻害による感度の低下を防止す
るために、アミン化合物を併用させてもよい。このよう
なアミン化合物としては、脂肪族アミン化合物や芳香族
アミン化合物等の不揮発性のものであれば特に限定され
ず、例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノー
ルアミン等がよく使用され、上記のジアルキルアミノ安
息香酸エステル、ミヒラーケトン等アミノ基含有の光重
合開始剤はアミン化合物としても使用することができ
る。
【0025】本発明においては、この光重合開始剤は、
上記(メタ)アクリレート化合物:100重量部に対し
て0.1〜10重量部の配合割合で添加される。0.1
重量部より少ないと光重合速度が遅く、十分な塗膜の耐
擦過傷性や硬度を得るために長時間の活性光線の照射を
必要とし、時には未硬化となることもある。また、10
重量部より多いと塗膜の導電性、耐擦過傷性、耐熱性、
耐候性等が低下してしまう。
【0026】また、請求項1記載の発明に係る光硬化型
導電性塗料組成物においては、上記導電性粉末の分散
性、塗料の塗工性を良くするために有機溶剤が配合され
る。使用される有機溶媒としては、特に限定されない
が、沸点が80〜160℃程度のものが好適である。沸
点が80℃未満のものでは、塗料の保存中や塗工中、該
溶媒の蒸発により塗料の濃度や粘度が変化するおそれが
あり、一方、沸点が160℃を超えるものでは乾燥工程
に時間を要することがあるからである。また、揮発性の
強いものも、塗料の保存中や塗工中、該溶媒の蒸発によ
り塗料の濃度や粘度が変化するおそれがあるので好まし
くない。なお、導電性粉末との親和性の点から、酸素を
含有する溶媒であることが好ましい。
【0027】かかる有機溶媒としては、具体的には、例
えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコー
ル、シクロヘキサノン、エチレングリコールモノメチル
エーテル(メチルセロソルブ)、エチレングリコールモ
ノエチルエーテル(エチルセロソルブ)、ジエチレング
リコールジメチルエーテル、酢酸ブチル、イソプロピル
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、アニソール等が好適に挙げられる。これらは単一で
使用してもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。
なお、この有機溶媒は、上記(メタ)アクリレート化合
物:100重量部に対して500〜3000重量部の配
合割合で添加される。500重量部未満では塗膜の透明
性や塗料の保存安定性が低下し、一方、3000重量部
を超えると塗料の粘度が低くなり過ぎで塗工性が低下し
たり、導電性粉末が沈降しやすくなるからである。
【0028】なお、請求項1記載の発明に係る光硬化型
導電性塗料組成物においては、上記(メタ)アクリレー
ト化合物、導電性粉末、分散剤、光重合開始剤、及び、
有機溶剤の必須構成成分の他に、必要に応じて物性を損
なわない範囲内で、紫外線吸収剤、酸化防止剤、熱重合
禁止剤、レベリング剤、表面改質剤、脱泡剤等の各種添
加剤を添加してもよい。
【0029】そして、請求項1記載の発明に係る光硬化
型導電性塗料組成物の調製は、例えば、(メタ)アクリ
レート化合物、光重合開始剤等を有機溶剤に加えて溶解
させた後、ポリビニルアセタール樹脂からなる分散剤と
導電性粉末を加えて更に混合分散することにより行われ
る。分散には、導電性粉末を塗料中に十分分散させるた
めに塗料の分散や配合に通常用いられる機器、例えばサ
ンドミル、ボールミル、アトライター、高速回転攪拌装
置、三本ロール等が使用される。
【0030】このようにして調製され得られた請求項1
記載の発明に係る光硬化型導電性塗料組成物は、スプレ
ー法、バーコート法、ドクターブレード法、ロールコー
ト法、およびディッピング法等の一般的な塗布方法によ
り対象物に塗布して用いられる。対象物としては、例え
ば塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリメタクリレー
ト、ABS樹脂等のプラスチック板あるいはプラスチッ
クフィルム等が挙げられる。また、ガラス等の無機物質
からなる板やフィルム等も対象物となり得る。乾燥後、
上記光硬化型導電性塗料組成物は、紫外線等の活性光線
により硬化して塗膜を形成するが、紫外線照射に使用さ
れる光源としては、高圧水銀ランプ、メタルハライドラ
ンプ等がある。
【0031】次に、請求項2記載の発明に係る帯電防止
電磁波シールド性積層体は、導電性織布若しくは導電性
不織布を透明な合成樹脂板の表面あるいは内部に配設し
て成る電磁波シールド性樹脂板の表面に、上記請求項1
記載の発明に係る光硬化型導電性塗料組成物を所定量塗
布したものを、熱風、赤外線等で乾燥後、光硬化させて
帯電防止透明硬化塗膜を形成し得ることができる。この
とき、形成する帯電防止透明硬化塗膜の膜厚は1.5〜
5μm、より好ましくは2〜4μmに設定するとよい。
1.5μmより塗膜が薄いと帯電防止性と耐擦過傷性が
低下する。また、5μmより塗膜が厚いと透明性が低く
なってしまう。また、硬化時における紫外線照射量は、
適用する種類にもよるが、通常、1000mJ/cm2
以上である。また、得られた塗膜の表面を必要に応じ
て、バフ研磨等によって研磨仕上げしてもよい。バフ仕
上げすることによって、塗膜の透明性がよくなり外観の
優れた製品を作製することが可能となる。
【0032】
【作用】請求項1記載の発明に係る光硬化型導電性塗料
組成物によれば、分子内に少なくとも2個以上のアクリ
ロイル基若しくはメタクリロイル基を有する(メタ)ア
クリレート化合物:100重量部に対し、アンチモンが
ドープされた酸化錫でコートされている硫酸バリウムよ
り成る平均粒径0.05〜2μmの導電性粉末:100
〜500重量部、ポリビニルアセタール樹脂からなる分
散剤:10〜50重量部、光重合開始剤:0.1〜10
重量部、および有機溶媒:500〜3000重量部を含
有することを特徴としている。
【0033】そして、この組成物においては導電性粉末
としてアンチモンがドープされた酸化錫でコートされて
いる硫酸バリウムを適用したことに伴い、この粉末は屈
折率が1.6と樹脂に近く透明性が高いため形成する塗
膜の厚さを大きく設定しても透明性(全光線透過率)の
低下が起こり難い。
【0034】従って、塗膜の厚さを大きく設定できるた
め、透明性、耐擦過傷性、帯電防止性、及び、硬度に優
れた塗膜の形成を可能にする。
【0035】また、請求項2記載の発明に係る帯電防止
電磁波シールド性積層体によれば、導電性織布若しくは
導電性不織布を透明な合成樹脂板の表面あるいは内部に
配設して成る電磁波シールド性樹脂板の表面に、請求項
1に記載の光硬化型導電性塗料組成物を所定量塗工かつ
乾燥し、光硬化させてなることを特徴としているため、
透明性、耐擦過傷性、帯電防止性を満足した帯電防止電
磁波シールド性積層体を提供することが可能となる。
【0036】
【実施例】以下、本発明の実施例について詳細に説明す
る。
【0037】[実施例1、2 比較例1、2]表1に示
した所定量のジペンタエリスリトールヘキサアクリレー
ト又はペンタエリスリトールトリアクリレートとヒドロ
キノン0.2重量部、2,4−ジエチルチオキサントン
4重量部、及び、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル4
重量部を、表1に示した所定量のエチルセロソルブ又は
シクロヘキサノンに溶解し、アトライターに供給した。
これを攪拌しながら、表1に示した所定量の導電性粉
末、及び、全水酸基に対する残存水酸基の割合が35%
かつ重合度2400のポリビニルアセタール樹脂を添加
した後、10時間分散を行うことにより光硬化型導電性
塗料組成物を調製した。
【0038】得られた塗料組成物をアクリル樹脂、塩化
ビニル樹脂、ポリカーボネートの透明板上に乾燥後の膜
厚が2μm及び4μmになるようにバーコーターにより
塗布した。乾燥は50℃で10分間熱風乾燥させた。こ
れに高圧水銀ランプにより1800mJ/cm2 の光を
照射し紫外線硬化させた。得られた塗膜は、直径30c
mのウール製ポリッシャーを3000rpmで作用させ
ることで表面のバフ仕上げを行った。
【0039】
【表1】 上記の塗膜について、表面固有抵抗をASTM−D25
7、全光線透過率、及び、ヘイズをASTM−D100
3、鉛筆硬度をJIS−K5400に基づく試験法によ
り評価した。また、荷重1kg/cm2 、100回のス
チールウール(#0000)による摺動テストを行い、
塗膜の外観を 1…傷多数、2…傷数本、3…2〜3本
の傷がつく、4…微かに傷が認められる、5…まったく
傷がつかない の5段階で評価した。得られた結果を表
2〜5に示した。
【0040】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】 [実施例3]30デニールのポリエステル繊維を用い平
織り150メッシュの織物にニッケルを無電解メッキし
て導電性織布を得た(メッキの厚み0.38μm、20
重量%)。
【0041】1.5mmのポリ塩化ビニル樹脂板2枚の
間に上記導電性織布を挟み、熱プレスで160℃に加熱
しながら30kg/cm2 に加圧し、2枚の樹脂板を溶
融して上記導電性織布が内部に埋め込まれたまま一体と
なった電磁波シールド板を製造した。
【0042】次に、ジペンタエリスリトールヘキサアク
リレート:100重量部、ヒドロキノン:0.2重量
部、2,4−ジエチルチオキサントン:4重量部、ジメ
チルアミノアセトフェノン:4重量部をエチルセロソル
ブ:780重量部に溶解させ、アトライターに仕込ん
だ。
【0043】これを攪拌しながら、微粒子硫酸バリウム
をアンチモンドープ酸化錫でコートした導電性粉末(三
井金属製 商品名『パストランTypeIV』):30
0重量部、及び、残存水酸基度35%かつ重合度240
0のアセトアセタール樹脂:27重量部を加えて10時
間分散を行うことにより光硬化型導電性塗料組成物を調
製した。
【0044】この塗料組成物を上記電磁波シールド板の
表面に、乾燥時の膜厚が2.5μmになるようにロール
コーターにより塗布し、50℃で10分間熱風乾燥させ
た。これを高圧水銀ランプによりその照射量が1800
mJ/cm2 になるように紫外線照射して硬化させ、帯
電防止透明硬化塗膜を形成した。両面にこの塗膜を形成
した後、表面のバフ研摩により仕上げを行い、帯電防止
電磁波シールド性積層体を作製した。
【0045】この帯電防止電磁波シールド性積層体につ
いてその表面固有抵抗値をASTM−D257、全光線
透過率をASTM−D1003に基づく試験法によりそ
れぞれ測定した。また、耐擦過傷性としてスチールウー
ル(#0000)、荷重500g/cm2 で100回摩
擦させた後の曇価を測定して代用評価とした。これ等の
結果を表6に示す。
【0046】[実施例4]実施例3と同様にして電磁波
シールド板を作製した。
【0047】次に、ジペンタエリスリトールトリアクリ
レート:100重量部、ヒドロキノン:0.2重量部、
2,4−ジエチルチオキサントン:4重量部、ジメチル
アミノアセトフェノン:4重量部をエチルセロソルブ:
780重量部に溶解させ、アトライターに仕込んだ。
【0048】これを攪拌しながら、微粒子硫酸バリウム
をアンチモンドープ酸化錫でコートした導電性粉末(三
井金属製 商品名『パストランTypeIV』):40
0重量部、及び、残存水酸基度35%かつ重合度240
0のアセトアセタール樹脂:50重量部を加えて10時
間分散を行うことにより光硬化型導電性塗料組成物を調
製した。
【0049】この塗料組成物を上記電磁波シールド板の
表面に、乾燥時の膜厚が3.5μmになるようにロール
コーターにより塗布し、50℃で10分間熱風乾燥させ
た。これを高圧水銀ランプによりその照射量が2000
mJ/cm2 になるように紫外線照射して硬化させ、帯
電防止透明硬化塗膜を形成した。両面にこの塗膜を形成
した後、表面のバフ研摩により仕上げを行い、帯電防止
電磁波シールド性積層体を作製した。
【0050】この帯電防止電磁波シールド性積層体につ
いて実施例3と同様に評価した。この結果も表6に示
す。
【0051】[比較例3]実施例3と同様にして電磁波
シールド板を作製した。
【0052】そして、この電磁波シールド板について実
施例3と同様に評価した。この結果も表6に示す。
【0053】
【表6】
【0054】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、透明性、
耐擦過傷性、帯電防止性、及び、硬度に優れた塗膜の形
成できる効果を有している。
【0055】また、請求項2に係る発明によれば、透明
性、耐擦過傷性、帯電防止性を満足した帯電防止電磁波
シールド性積層体を提供できる効果を有している。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 4/02 C09D 5/24 H05F 1/02 H05K 9/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分子内に少なくとも2個以上のアクリロイ
    ル基若しくはメタクリロイル基を有する(メタ)アクリ
    レート化合物:100重量部に対し、アンチモンがドー
    プされた酸化錫でコートされている硫酸バリウムより成
    る平均粒径0.05〜2μmの導電性粉末:100〜5
    00重量部、ポリビニルアセタール樹脂からなる分散
    剤:10〜50重量部、光重合開始剤:0.1〜10重
    量部、および有機溶媒:500〜3000重量部を含有
    することを特徴とする光硬化型導電性塗料組成物。
  2. 【請求項2】導電性織布若しくは導電性不織布を透明な
    合成樹脂板の表面あるいは内部に配設して成る電磁波シ
    ールド性樹脂板の表面に、請求項1に記載の光硬化型導
    電性塗料組成物を所定量塗工かつ乾燥し、光硬化させて
    なることを特徴とする帯電防止電磁波シールド性積層
    体。
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