WO2023021649A1

WO2023021649A1 - 工作機械

Info

Publication number: WO2023021649A1
Application number: PCT/JP2021/030341
Authority: WO
Inventors: 中村牧人; 室田真弘
Original assignee: ファナック株式会社
Priority date: 2021-08-19
Filing date: 2021-08-19
Publication date: 2023-02-23

Abstract

工作機械（１０）であって、設置面（１２）に設置される加工機本体（１４）と、加工機本体を覆い、且つ、加工機本体と非接触で設置面に設置されるカバー（１６）と、を備える。

Description

工作機械

　本発明は、工作機械に関する。

　特開平０９－１３６２２８号公報には、工作機械が開示される。この工作機械は、除振台（除振装置）と、加工機本体とを備える。加工機本体は、除振台上に設置される。これにより、加工機本体は床の振動から保護される。

　上記先行技術は、少なくとも次の課題を有する。先行技術に係る工作機械は、カバーをさらに備える。カバーは加工機本体を覆う。ここで、カバーと加工機本体とが互いに接触する場合、カバーの振動が加工機本体に伝わる可能性がある。この場合、カバーの振動が、加工機本体により実行される加工の精度に悪影響を与える。

　本発明は、上述した課題を解決することを目的とする。

　本発明の態様は、工作機械であって、設置面に設置される加工機本体と、前記加工機本体を覆い、且つ、前記加工機本体と非接触で前記設置面に設置されるカバーと、を備える。

　本発明の態様に係る工作機械のカバーは、加工機本体と非接触である。したがって、カバーの振動が加工機本体に伝わることが防止される。

図１は、実施形態に係る工作機械の斜視図である。図２Ａは、第１の状態の工作機械の説明図である。図２Ｂは、図２ＡのＩＩＢ枠の拡大図である。図２Ｃは、図２ＡのＩＩＣ枠の拡大図である。図３Ａは、第２の状態の工作機械の説明図である。図３Ｂは、図３ＡのＩＩＩＢ枠の拡大図である。図３Ｃは、図３ＡのＩＩＩＣ枠の拡大図である。図４は、変形例５に係る工作機械の説明図である。

　［実施形態］
　図１は、実施形態に係る工作機械１０の斜視図である。なお、図１には、工作機械１０のみならず、設置面１２と、Ｘ軸線と、Ｙ軸線と、Ｚ軸線とが図示される。

　Ｘ軸線と、Ｙ軸線と、Ｚ軸線とは、互いに直交する。Ｘ軸線とＹ軸線とは、水平方向と平行する方向軸線である。Ｚ軸線は、鉛直方向と平行する方向軸線である。

　工作機械１０は、設置面１２に設置される。設置面１２は、例えば工場屋内の床である。ただし、設置面１２は、工作機械１０を設置可能な面である限りにおいて、工場の床に限定されない。例えば、設置面１２は、床に設置された台座の上面でもよい。工作機械１０は、加工機本体１４と、カバー１６と、を備える。なお、加工機本体１４を図示するために、図１のカバー１６は、あえて二点鎖線で描かれている。

　加工機本体１４は、工具Ｔを用いて加工対象物Ｗを加工する機械装置である。加工機本体１４は、例えば数値制御装置（CNC：Computerized Numerical Controller）により制御される。なお、本実施形態において数値制御装置の図示は省略される。加工機本体１４は、例えば直動機構１８を含む。

　直動機構１８は、工具Ｔと加工対象物Ｗとの相対位置を変えるための機構である。直動機構１８は、例えばガイドレール２０と、スライダ２２とを備える。ガイドレール２０は、所定の方向に沿って延在する。例えば、例示のガイドレール２０は、Ｘ軸線方向に沿って延在する。スライダ２２は、加工対象物Ｗを支持する。また、スライダ２２は、ガイドレール２０をスライドする。したがって、直動機構１８は、Ｘ軸線方向に沿って、加工対象物Ｗを直動させる。なお、直動機構１８は、Ｘ軸線方向以外の方向に沿って加工対象物Ｗを直動させてもよい。

　加工機本体１４は、工具Ｔを直動させるための機構を含んでもよい。また、加工機本体１４は、加工対象物Ｗまたは工具Ｔを、所定の回転方向に沿って回転させるための回転機構を含んでもよい。上記の数値制御装置と、直動機構１８と、上記の回転機構とは、既存の技術に基づいて構成されてもよい。

　カバー１６は、加工機本体１４を覆う部材（スプラッシュガード）である。加工機本体１４が加工対象物Ｗを加工すると、切削粉と切削液とが加工機本体１４の周囲に飛散する。カバー１６は、切削粉と切削液とが拡散することを防止する。

　カバー１６は、複数の脚部２４を有する。複数の脚部２４の各々は、Ｚ軸線方向に沿って伸縮可能である。伸縮可能な複数の脚部２４は、例えば複数のアジャスタを有する。Ｚ軸線方向に関するカバー１６の高さは、複数の脚部２４の伸縮に応じて変化する。

　複数の脚部２４は、第２連結部３２（後述）に取り付けられる。ただし、カバー１６の高さを変更可能である限りにおいて、複数の脚部２４の設置位置は特に限定されない。

　ここで、本実施形態の工作機械１０は、加工機本体１４とカバー１６との位置関係に応じて、第１の状態と、第２の状態との２つの状態を有する。第１の状態は、加工機本体１４とカバー１６とが接触する状態である。第２の状態は、加工機本体１４とカバー１６とが非接触の状態である。以下、第１の状態と、第２の状態との詳細が説明される。

　図２Ａは、第１の状態の工作機械１０の説明図である。図２Ｂは、図２ＡのＩＩＢ枠の拡大図である。図２Ｃは、図２ＡのＩＩＣ枠の拡大図である。

　図２Ａは、図１の工作機械１０をＹ軸線に沿って見た場合を示す。ただし、説明のために、図２Ａは、工作機械１０の端面的な図示を含む。図２Ａ～図２ＣのＸ軸線と、Ｚ軸線とは、図１の図示に準ずる。

　第１の状態に関し、加工機本体１４は、第１連結部２８を有する。また、カバー１６は、第２連結部３２を有する。

　第１連結部２８と、第２連結部３２とは、第１の状態において互いに接触する。例えば、第２連結部３２が第１連結部２８に支持される（図２Ａ参照）。その場合、脚部２４は、設置面１２から離れてもよい。ここで、複数の脚部２４がカバー１６内に設置される場合、複数の脚部２４はカバー１６内に収容されてもよい。なお、第１の状態において、加工機本体１４のうち第１連結部２８以外の部分と、カバー１６のうち第２連結部３２以外の部分とが接触してもよい。

　第１連結部２８と、第２連結部３２とは、連結部材３６を介して互いに連結可能である。連結部材３６は、例えばネジである。この場合、第１連結部２８と第２連結部３２とは、互いに連通する穴（ネジ穴）を有する（図２Ｂ、図２Ｃ参照）。連結部材３６は、連通した第１連結部２８と第２連結部３２とに挿入される。

　第１連結部２８は、第１面２６を有する。第２連結部３２は、第２面３０を有する。第１面２６と、第２面３０とは、互いに隣り合う。例示の第１面２６と、第２面３０とは、Ｚ軸線方向において隣り合う。第１連結部２８の穴と、第２連結部３２の穴とが連通する場合、第１面２６と第２面３０とは互いに接触する。

　第１連結部２８と第２連結部３２とは、例えばオペレータが工作機械１０を運搬するために連結される。つまり、オペレータは、加工機本体１４とカバー１６とを連結することで、工作機械１０の全体を容易に運搬できる。

　なお、第１連結部２８と第２連結部３２とを連結部材３６により連結するためには、第１連結部２８と第２連結部３２との相対位置を合わせる必要がある。これに関し、工作機械１０は、位置決め部３４をさらに備える。

　位置決め部３４は、第１連結部２８と第２連結部３２とが連結される場合の、第１連結部２８と第２連結部３２との相対位置を決めるための要素である。例示の位置決め部３４は、Ｘ軸線方向と、Ｙ軸線方向とに関して、第１連結部２８の穴と第２連結部３２の穴とが連通する第１連結部２８と第２連結部３２との相対位置を決める。位置決め部３４は、突出部３８と、穴４０とを有する。

　突出部３８は、加工機本体１４とカバー１６とのどちらか一方に設けられる。本実施形態の突出部３８は、加工機本体１４（第１連結部２８）に設けられる。ただし、突出部３８は、カバー１６（第２連結部３２）に設けられてもよい。突出部３８は、例えば柱形状を有する。ただし、突出部３８の形状は、柱形状に限定されない。例えば、突出部３８は、錐形状（円錐形状／角錐形状）を有してもよい。また、例えば、突出部３８はダイヤピンでもよい。

　穴４０は、加工機本体１４とカバー１６とのうち、収容対象の突出部３８が設けられていない方に設けられる。本実施形態の穴４０は、カバー１６（第２連結部３２）に設けられる。穴４０は、突出部３８を収容する。これにより、穴４０は、加工機本体１４とカバー１６との相対移動を制限する。その結果、第１連結部２８と第２連結部３２との相対位置が決まる。なお、穴４０は、貫通孔でもよい。

　穴４０は、開口端４０１と、ガイド部４２と、制限部４４とを有する（図２Ａ参照）。開口端４０１は、第２面３０に形成される。なお、穴４０が第１連結部２８に設けられる場合、開口端４０１は、第１面２６に形成される。ガイド部４２は、穴４０の幅が穴４０の開口端４０１から徐々に狭まる部分である。制限部４４は、穴４０のうち、ガイド部４２を通過した突出部３８を収容する部分である。制限部４４は、開口端４０１よりも幅狭である。

　突出部３８は、ガイド部４２に沿って、制限部４４に案内される。開口端４０１は制限部４４よりも幅広である。したがって、オペレータは、突出部３８を容易に穴４０に収容させることができる。

　オペレータは、突出部３８を穴４０に収容することで、第１連結部２８と第２連結部３２との位置合わせを容易に達成できる。その結果、オペレータは、第１連結部２８と第２連結部３２とを容易に連結できる。

　図３Ａは、第２の状態の工作機械１０の説明図である。図３Ｂは、図３ＡのＩＩＩＢ枠の拡大図である。図３Ｃは、図３ＡのＩＩＩＣ枠の拡大図である。

　図３Ａは、工作機械１０をＹ軸線に沿って見た場合を示す。ただし、説明のために、図３Ａは、工作機械１０の端面的な図示を含む。図３Ａ～図３ＣのＸ軸線と、Ｚ軸線とは、図１の図示に準ずる。

　オペレータは、加工機本体１４に加工対象物Ｗを加工させる場合は、工作機械１０を第２の状態にする。ここで、工作機械１０の状態を第１の状態から第２の状態に変更する方法は、次に記載の連結解除ステップと、位置規制解除ステップとを含む。

　連結解除ステップにおいて、オペレータは、第１連結部２８と第２連結部３２との連結を解除する。例えばオペレータは、第１連結部２８と第２連結部３２とを連結する連結部材３６を取り除く。その後において、オペレータは、位置規制解除ステップを行う。位置規制解除ステップにおいて、オペレータは、突出部３８を穴４０から抜出する。ここで、オペレータは、例えばカバー１６の高さを変更することで、Ｚ軸線方向に関して第１面２６と第２面３０とを離す。これにより、突出部３８が穴４０から抜出される。なお、オペレータは、脚部２４の伸縮に応じて、カバー１６の高さを容易に変更可能である。

　以上の手順を経て、工作機械１０の状態が第１の状態から第２の状態に変更される。工作機械１０が第２の状態である場合、仮にカバー１６が振動しても、その振動は加工機本体１４に伝わらない。したがって、加工機本体１４は、カバー１６の振動から保護される。

　［変形例］
　以下には、実施形態に係る変形例が記載される。ただし、実施形態と重複する説明は、可能な限り省略される。実施形態で説明済の構成要素の参照符号は、特に断らない限り、実施形態から流用される。

　（変形例１）
　工作機械１０は、複数の第１連結部２８と、複数の第２連結部３２とを備えてもよい。

　（変形例２）
　位置決め部３４は、複数の突出部３８と、複数の穴４０とを有してもよい。

　この場合、複数の突出部３８は、カバー１６に設けられる第１の突出部（３８）と、加工機本体１４に設けられる第２の突出部（３８）とを含んでもよい。また、複数の穴４０は、カバー１６に設けられる第１の穴（４０）と、加工機本体１４に設けられる第２の穴（４０）とを含んでもよい。第１の穴（４０）は、上記第２の突出部（３８）を収容する。第２の穴（４０）は、上記第１の突出部（３８）を収容する。

　（変形例３）
　連結部材３６は、第１連結部２８と第２連結部３２とを連結可能である限りにおいて、ネジに限定されない。例えば、連結部材３６は、磁石またはキャッチャでもよい。

　（変形例４）
　複数の脚部２４の各々は、アジャスタに限定されない。例えば、複数の脚部２４は、ジャッキ、またはシリンダを含んでもよい。

　（変形例５）
　図４は、変形例５に係る工作機械１０の説明図である。

　工作機械１０は、除振装置４６を備えてもよい。除振装置４６は、例えば設置面１２と加工機本体１４との間に設置される（図４参照）。この場合、加工機本体１４は、除振装置４６の上に設置される。カバー１６は、加工機本体１４のみならず除振装置４６をも非接触で覆ってもよい。

　除振装置４６は、設置面１２から伝わる振動を遮る装置である。例えば除振装置４６は、振動を吸収する弾性部材を有する。これにより、除振装置４６は、設置面１２の振動から加工機本体１４を保護する。

　（変形例６）
　Ｚ軸線方向に関して、第１連結部２８の位置は、第２連結部３２より下方でもよい。この場合、第１の状態において、第１連結部２８の位置が第２連結部３２に支持されてもよい。

　なお、本発明は、上述した実施形態、および変形例に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を取り得る。

　［実施形態から得られる発明］
　上記実施形態および変形例から把握しうる発明について、以下に記載する。

　工作機械（１０）は、設置面（１２）に設置される加工機本体（１４）と、前記加工機本体を覆い、且つ、前記加工機本体と非接触で前記設置面に設置されるカバー（１６）と、を備える。

　これにより、カバーの振動が加工機本体に伝わることが防止される。

　前記加工機本体は、前記工作機械の搬送時に連結部材（３６）に連結される第１連結部（２８）を備え、前記カバーは、前記工作機械の搬送時に前記連結部材に連結されることで、前記連結部材を介して前記第１連結部に連結される第２連結部（３２）を備えてもよい。これにより、オペレータは、工作機械を容易に運搬できる。

　前記工作機械は、前記第１連結部と前記第２連結部とが連結される場合の、前記第１連結部と前記第２連結部との相対位置を決める位置決め部（３４）を備えてもよい。これにより、オペレータは、第１連結部と第２連結部とを容易に位置決めできる。

　前記位置決め部は、前記加工機本体と前記カバーとの一方に設けられる突出部（３８）と、前記加工機本体と前記カバーとの他方に設けられ、前記突出部を収容する穴（４０）と、を有してもよい。これにより、オペレータは、穴に突出部を収容させることで、第１連結部と第２連結部とを容易に位置決めできる。

　前記穴は、前記穴の幅が前記穴の開口端（４０１）から徐々に狭まるガイド部（４２）を有し、前記突出部は、前記ガイド部に案内されることで前記穴に収容されてもよい。これにより、オペレータは、穴に突出部を容易に収容させることができる。

　前記工作機械は、前記カバーの前記設置面と直交する方向の高さを調整するための伸縮可能な脚部（２４）を備えてもよい。これにより、オペレータは、カバーと加工機本体との接触／非接触を容易に変更できる。

　前記工作機械は、前記設置面から伝わる振動を遮る除振装置（４６）を備え、前記加工機本体は前記除振装置の上に設置され、前記カバーは、前記除振装置と前記加工機本体とを非接触で覆ってもよい。これにより、加工機本体が、設置面の振動から保護される。

１０…工作機械　　　　　　　　　　　　　１２…設置面
１４…加工機本体　　　　　　　　　　　　１６…カバー
２４…脚部　　　　　　　　　　　　　　　２８…第１連結部
３２…第２連結部　　　　　　　　　　　　３４…位置決め部
３６…連結部材　　　　　　　　　　　　　３８…突出部
４０…穴　　　　　　　　　　　　　　　　４２…ガイド部
４６…除振装置

Claims

　設置面（１２）に設置される加工機本体（１４）と、
　前記加工機本体を覆い、且つ、前記加工機本体と非接触で前記設置面に設置されるカバー（１６）と、
　を備える、工作機械（１０）。
　請求項１に記載の工作機械であって、
　前記加工機本体は、前記工作機械の搬送時に連結部材（３６）に連結される第１連結部（２８）を備え、
　前記カバーは、前記工作機械の搬送時に前記連結部材に連結されることで、前記連結部材を介して前記第１連結部に連結される第２連結部（３２）を備える、工作機械。
　請求項２に記載の工作機械であって、
　前記第１連結部と前記第２連結部とが連結される場合の、前記第１連結部と前記第２連結部との相対位置を決める位置決め部（３４）を備える、工作機械。
　請求項３に記載の工作機械であって、
　前記位置決め部は、
　前記加工機本体と前記カバーとの一方に設けられる突出部（３８）と、
　前記加工機本体と前記カバーとの他方に設けられ、前記突出部を収容する穴（４０）と、
　を有する、工作機械。
　請求項４に記載の工作機械であって、
　前記穴は、前記穴の幅が前記穴の開口端（４０１）から徐々に狭まるガイド部（４２）を有し、
　前記突出部は、前記ガイド部に案内されることで前記穴に収容される、工作機械。
　請求項１～５のいずれか１項に記載の工作機械であって、
　前記カバーの前記設置面と直交する方向の高さを調整するための伸縮可能な脚部（２４）を備える、工作機械。
　請求項１～６のいずれか１項に記載の工作機械であって、
　前記設置面から伝わる振動を遮る除振装置（４６）を備え、
　前記加工機本体は前記除振装置の上に設置され、
　前記カバーは、前記除振装置と前記加工機本体とを非接触で覆う、工作機械。