WO2009104580A1 - 吸収性物品 - Google Patents

Abstract

液透過性の表面シート（１００３）と、液不透過性の裏面シート（１００４）と、表面シート（１００３）と裏面シート（１００４）との間に配置され、液体を吸収し保持する吸収体（１００５）とから構成され、着用時には背側から腹側までの長手方向に背側領域、股下領域、腹側領域を有する吸収性本体（１００２）と、吸収性本体（１００２）の幅方向（Ｗ）の両側に設けられた左右一対のサイドフラップ部（１０１０）とを備える。吸収性本体（１００２）の下面とサイドフラップ部（１０１０）に位置する裏面シート（１００４）が連続した一体物で構成される。サイドフラップ部（１０１０）の幅方向端縁と吸収体側縁との間でサイドフラップ部（１０１０）が吸収性本体（１００２）の下面より透湿性を有する高透湿領域（１００６）を有する。

Description

吸収性物品

　本発明は、生理用ナプキン、パンティーライナー、失禁パッド、尿取りパッド等に用いられる吸収性物品に関する。

　また、本発明は、着用者の肌との間にいわゆるポケットが形成されるオムツ等の吸収性物品に関する。

　従来、液透過性の表面シートと、液不透過性の裏面シートと、液体を吸収して保持する吸収体を有する吸収性物品が広く知られている。当該吸収体は、液透過性の表面シートと液不透過性の裏面シートの間に配置されている。このような吸収性物品に関し、特許文献１には、表面シートを液不透過性不織布によって形成すると共に、吸収体と裏面シートとの間にメルトブロー層を設けた構造が開示されている。

　特許文献２には、液不透過性の裏面シートに折り返し部を形成し、この折り返し部に液不透過性不織布を接着した構造が開示されている。折り返し部は吸収体の長手方向の両側縁部に沿って表面シート側に向かって形成されている。

　特許文献３には、吸収体の横方向両側縁から同方向外側へ延出するサイドフラップ部を表面シート及び裏面シートとは別体の複合シートによって形成した構造が開示されている。複合シートは、厚さが５μｍ以上、２０μｍ未満の不透水性シートからなる内層と、坪量が、１０～２５ｇ／ｍ^２の不織布からなる外層とを接することにより形成されるものである。
特開２００１－１０４３７２号公報 特開２００５－２１１１３１号公報 実開平７－２１０２０号公報

　しかしながら、特許文献１に記載された吸収性物品において、不織布からなる表面シートでは、防漏機能に限界がある。表面シートによって塞ぎ止めされた体液に対して、装着者の激しい動きに伴う過度な圧力が作用すると、体液が表面シートを透過して、表面シートから横漏れを生じる。特に、軟便のような高粘性で低い表面張力の流体に対しては、不織布からなる表面シートでは滲み、漏れを発生する問題がある。

　特許文献２に記載の吸収性物品において、吸収体下面と同一物性のフィルムを裏面シートに使用した場合、耐水圧を上げ、***物の漏れを防ぐことはできる。しかしながら、体圧がかかる吸収体下面には、ピンホールが発生し、***物の漏れ出しの危険性が高いため、吸収体下面ではフィルムを厚くしている。このため、体圧がかかり難い他の部分までも不必要に厚くなっている。その結果、吸収体下面は、硬くなってしまい、風合いが悪く、通気性も良くないため、蒸れの原因となっている。

　特許文献３に記載の吸収性物品においては、吸収体と側部のサイドフラップ部とを貼り合わせるため、資材が重複して無駄となる。又、吸収体と側部で異なる資材を配置する必要性があり、資材点数が増える。このため、吸収性物品を製造するための設備が複雑化する。また、吸収体とサイドフラップ部とが貼り合わせにより接合されているため、接合が外れる可能性がある。従って、外れた場合には、***物が吸収性物品から漏れ出る危険性がある。

　以上のことから、いずれの従来技術においても、滲みや漏れを防止でき、しかも蒸れを軽減できる吸収性物品とはなっていない。

　そこで、本発明は、滲みや漏れを防止でき、しかも通気性が良好な吸収性物品を提供することを目的とする。

　本発明の特徴は、吸収性物品（例えば、オムツ１００１Ａ）は、液透過性の表面シート（表面シート１００３）と、液不透過性の裏面シート（裏面シート１００４）と、表面シートと裏面シートとの間に配置され、液体を吸収し保持する吸収体（吸収体１００５）とから構成され、着用時には背側から腹側までの長手方向（長手方向Ｌ）に背側領域（背側領域Ｓ１１）、股下領域（股下領域Ｓ１２）、腹側領域（腹側領域Ｓ１３）を有する吸収性本体（吸収性本体１００２）と、吸収性本体の幅方向（幅方向Ｗ）の両側に設けられた左右一対のサイドフラップ部（サイドフラップ部１０１０）とを備えた吸収性物品であって、吸収性本体の下面とサイドフラップ部に位置する裏面シートが連続した一体物で構成され、サイドフラップ部の幅方向端縁と吸収体側縁との間でサイドフラップ部が吸収性本体の下面より透湿性を有する高透湿領域（高透湿領域１００６）を有することを特徴とする。

　本発明によれば、吸収性本体の下面とサイドフラップ部側の裏面シートとを一体物としているため、吸収性物品は、滲みや漏れを防止することができる。又、サイドフラップ部が高透湿領域となっているため、吸収性物品は、通気度、透湿度が増して蒸れを防ぐことができる。つまり、本発明によれば、滲みや漏れを防止でき、しかも通気性が良好な吸収性物品を提供できる。

図１は、本発明の第１－１実施形態に係るオムツの断面図である。 図２は、本発明の第１－２実施形態に係るオムツの展開状態の平面図である。 図３は、図２のＡ１－Ａ１線断面図である。 図４は、図２のＢ１－Ｂ１線断面図である。 図５は、高透湿化の距離を示すオムツの平面図である。 図６は、高透湿化の距離を示すオムツの平面図である。 図７は、延伸装置の断面図である。 図８は、本発明の第１－３実施形態に係るオムツを示す断面図である。 図９は、本発明の第１－４実施形態に係るオムツを示す断面図である。 図１０は、本発明の第１－５実施形態に係るオムツのを示す断面図である。 図１１は、本発明の第１－６実施形態に係るオムツのを示す平面図である。 図１２は、（ａ）は従来例のオムツの斜視図、（ｂ）は他の従来例のオムツの展開時の平面図である。 図１３は、本発明の第２－１の実施形態に係るオムツを示し、オムツの展開状態の平面図である。 図１４は、本発明の第２－１の実施形態に係るオムツを示し、図１３のＡ２－Ａ２線断面図である。 図１５は、本発明の第２－１の実施形態に係るオムツを示し、図１３のＢ２－Ｂ２線断面図である。 図１６は、本発明の第２－１の実施形態に係るオムツを示し、着用時の図１３のＢ２－Ｂ２線に沿う断面図である。 図１７は、延伸装置の要部断面図である。 図１８は、本発明の第２－１の実施形態に係るオムツを示し、（ａ）はサイドフラップ部の股下領域の中央を外側に引っ張る前の平面図、（ｂ）は一方のサイドフラップ部の股下領域の中央の端部を外側に引っ張った状態の平面図である。 図１９は、本発明の第２－２の実施形態に係るオムツの断面図である。 図２０は、本発明の第２－３の実施形態に係るオムツの断面図である。 図２１は、本発明の第２－４の実施形態に係るオムツの展開状態の平面図である。 図２２は、本発明の第２－５の実施形態に係るオムツの展開状態の平面図である。

　以下、本発明にかかる実施形態を図面に基づいてに説明する。

＜第１の実施形態＞
　（第１－１実施形態）
　図１は、本発明の第１－１実施形態のオムツ１００１Ａの断面図である。吸収性物品であるオムツ１００１Ａは、吸収性本体１００２と、吸収性本体１００２の幅方向Ｗの両側に設けられた左右一対のサイドフラップ部１０１０とを備えている。なお、吸収性本体１００２の幅方向Ｗとは、オムツ１００１Ａの平面視において、背側から腹側までの長手方向Ｌに対して、直交する方向である。

　吸収性本体１００２は、液透過性の表面シート１００３と、液不透過性の裏面シート１００４と、表面シート１００３と裏面シート１００４の間に配置され、液体を吸収し保持する吸収体１００５とから少なくとも構成されている。表面シート１００３において、その幅方向Ｗの両端部は、吸収体１００５を包み込むように折り込まれている。表面シート１００３の折り込まれた箇所及び吸収体１００５は、裏面シート１００４にホットメルト等の糊によって接合されている。

　表面シート１００３としては、親水性不織布、織物、開口プラスチックフィルム、開口を有する疎水性不織布等を用いることができる。この実施形態では、坪量が、１０ｇ／ｍ^２のＳＭＳ（スパンボンドとメルトブローの複合不織布、以下ＳＭＳと記す）が、表面シート１００３として用いられている。

　吸収体１００５は、液体吸収保持性を有する積層体である。吸収体１００５は、吸収性のパルプ及び高吸収性ポリマーを混合した混合物からなる。

　裏面シート１００４は、無機材料を充填材として含む樹脂からなる微多孔質の液不透過性フィルムからなる。具体的には、液不透過性フィルムには、約５０重量％の炭酸カルシウムを充填材として含み、坪量が、２２．０ｇ／ｍ^２のポリエチレンからなる微多孔質の透湿性シートが用いられている。充填剤としては炭酸カルシウムの他、硫酸バリウムなどの無機材料を用いることができる。透湿性シートに用いられる樹脂としては、ポリエチレンの他、ポリプロピレン等のオレフィン系熱可塑性樹脂を用いることができる。

　吸収性本体１００２の下面とサイドフラップ部１０１０に位置する裏面シート１００４が連続した一体物で構成される。つまり、サイドフラップ部１０１０は、裏面シート１００４を吸収体１００５の下面から左右の両側に伸ばした部分に形成されている。サイドフラップ部１０１０は、吸収体１００５の両側部に位置している。サイドフラップ部１０１０には、吸収性本体１００２の下面よりも透湿性を有する高透湿領域１００６が設けられる。図１において、高透湿領域１００６は、高い透湿性を備えている。高透湿領域１００６は、吸収性本体１００２の左右両側に設けられている。高透湿領域１００６の透湿度は、吸収性本体１００２の下面側の透湿度に対して１．３～２．５倍以上で、液体が漏れることのないように設定されている。なお、液体が漏れることのないように設定されるとは、液体が漏れることのない範囲内で、高透湿領域１００６の透湿度が設定されていることを示す。

　高透湿領域１００６は、液不透過性シートからなるサイドフラップ部１０１０を幅方向Ｗに延伸することにより作製される（以下、延伸加工と記す）。延伸加工については後述する第１－２実施形態により詳細に説明する。

　サイドフラップ部１０１０の幅方向外側には、液不透過性シートからなる外装シート１０１１が設けられている。外装シート１０１１の側縁部には、弾性部材１０１２が長手方向Ｌに沿って、伸長状態で配置されたギャザー部が設けられている。ギャザー部は、サイドフラップ部１０１０の高透湿領域１００６より透湿性を有している。従って、オムツ１００１Ａにおける透湿度の関係は、「吸収性本体１００２の下面＜高透湿領域１００６＜ギャザー部分」となっている。

　このような第１－１実施形態では、吸収体１００５の下面には、液不透過性シートからなる裏面シート１００４があるため、オムツ１００１Ａは、体液等の滲みや漏れを防止できる。

　サイドフラップ部１０１０を幅方向Ｗに延伸することにより、延伸された幅の分だけ液不透過性シート（裏面シート１００４）が伸ばされる。その結果、充填材による微開孔の孔径が大きくなり高透湿化される。高透湿化により通気度、透湿度が増すため、オムツ１００１Ａは、オムツ１００１Ａ内の蒸れを防ぐことができる。さらには、延伸加工により資材が柔軟化されるため、着用者の使用感が向上する。

　（第１－２実施形態）
　図２～図７は、本発明の第１－２実施形態を示す。図２は、オムツ１００１Ｂの展開状態の平面図である。図３は、図２のＡ１－Ａ１線断面図である。図４は、図２のＢ１－Ｂ１線断面図である。図５及び図６は、高透湿化の距離を示すオムツ１００１Ｂの平面図である。図７は、延伸装置の断面図である。

　なお、以下の第１－２実施形態においては、第１－１実施形態と異なる点を主に説明し、重複する説明を省略する。

　オムツ１００１Ｂは、第１－１実施形態と同様に、吸収性本体１００２と、吸収性本体１００２の幅方向Ｗの両側に設けられた左右一対のサイドフラップ部１０１０とを備えている。

　吸収性本体１００２は、液透過性の表面シート１００３と、液不透過性の裏面シート１００４と、液体を吸収し保持する吸収体１００５とから少なくとも構成されている。吸収体１００５は、表面シート１００３と裏面シート１００４との間に配置されている。吸収性本体１００２は、背側から腹側までの長手方向Ｌに沿って、背側領域Ｓ１１、股下領域Ｓ１２、腹側領域Ｓ１３を有している。吸収性本体１００２は、着用者の背側、股下側及び腹側を被う。

　裏面シート１００４は、液不透過性シート１０１３と外装シート１０１１とを接着して形成されている。液不透過性シート１０１３と外装シート１０１１とからなる裏面シート１００４がサイドフラップ部１０１０を形成している。

　サイドフラップ部１０１０の側縁部に弾性部材１０１２が伸長状態で配置されている。サイドフラップ部１０１０において、外装シート１０１１と液不透過性シート１０１３との重なる部分を幅方向Ｗに延伸加工を施す。サイドフラップ部１０１０において、延伸加工が施された部分は、高透湿化し、高透湿領域１００６となる。

　表面シート１００３は液透過性のシートである。表面シート１００３としては、親水性不織布、織物、開口プラスチックフィルム等の他、開口を有する疎水性不織布等を用いることができる。この実施形態では、表面シート１００３として、坪量が、１０ｇ／ｍ^２のＳＭＳが用いられている。

　裏面シート１００４における液不透過性シート１０１３は、無機材料を充填材として含む樹脂からなる微多孔質の液不透過性フィルムからなる。

　具体的には、液不透過性シート１０１３は、透湿の液不透過性フィルムやこの液不透過性フィルムに不織布を貼り合わせたシートを用いることができる。この実施形態において、液不透過性シート１０１３は、約５０重量％の炭酸カルシウムを充填材として含み、坪量が、２２．０ｇ／ｍ^２のポリエチレンからなる微多孔質の透湿性シートを用いている。充填剤は、炭酸カルシウム、硫酸バリウムなどの無機材料を用いることができる。液不透過性シート１０１３に用いる樹脂には、ポリエチレンの他、ポリプロピレン等のオレフィン系熱可塑性樹脂がある。

　裏面シート１００４における外装シート１０１１は、液不透過性のシートである。この実施形態では、坪量が、１３ｍ／ｍ^２のＳＭＳを用いている。外装シート１０１１は、吸収性本体１００２の側方から裏面にかけて配置されている。液不透過性シート１０１３の左右両側縁には弾性部材１０１２が伸長状態で配置されている。液不透過性シート１０１３は吸収体１００５の側部外方まで延出している。液不透過性シート１０１３と外装シート１０１１は、感熱性接着剤（以下、ＨＭＡ）等で接着されている。

　吸収体１００５は、液体吸収保持性の積層体である。吸収体１００５は、吸収性のパルプ及び高吸収性ポリマーを混合した混合物からなる。

　背側領域Ｓ１１において、サイドフラップ部１０１０の幅方向外側には、ウエストフラップ部１０１４が設けられている。ウエストフラップ部１０１４は液透過性又は液不透過性のシートからなる。ウエストフラップ部１０１４は、吸収性物品１００１Ｂを腹側部で固定できるように、機械係止や粘着テープ等の係止部材１０１５を有している。

　この実施形態においては、外装シート１０１１と液不透過性シート１０１３とをＨＭＡ等によって貼り合わせて裏面シート１００４を形成した。その後、外装シート１０１１に弾性部材１０１２としてのポリウレタン系弾性糸４７０ｄｔｅｘ片側２本を倍率２．２倍に伸長した状態で配置し、弾性糸を外装シート１０１１で巻き込む。さらに、サイドフラップ部１０１０の長手方向Ｌ中央領域において外装シート１０１１が液不透過性シート１０１３と重なる部分を幅方向Ｗに延伸加工した。吸収体１００５を延伸加工後の裏面シート１００４に配置した。この加工手順以外の手順であっても良い。

　次に、サイドフラップ部１０１０に設けた高透湿領域１００６について説明する。図２，図３に示すように、高透湿領域１００６は、液不透過性シート１０１３及び外装シート１０１１とからなる裏面シート１００４に形成されている。この高透湿領域１００６は、サイドフラップ部１０１０の幅方向端縁と吸収体１００５の側端との間に設けられる。高透湿領域１００６は、裏面シート１００４を延伸加工することにより形成される。

　図５は延伸加工を行う部位を示す。オムツ１００１Ｂの長手方向Ｌの全長が４７０ｍｍの場合、裏面シート１００４は、吸収体１００５の側部から幅方向外側に５ｍｍ離れた位置を基準としてさらに幅方向外側に２０ｍｍの幅に延伸加工を施す。吸収体１００５の長手方向Ｌに対しては全長にわたって延伸加工を施す。なお、延伸加工を行う部位の長手方向Ｌの長さに関しては、オムツの長さ、吸収体１００５の幅等によって設計が異なるため制約要件とはならない。オープンタイプオムツ又はパンツタイプオムツの場合には、長手方向前後に配置されたサイドフラップ部の間（パンツの場合は前後パネル間）の長さ全長に亘って高透湿領域１００６を設けることが好ましい。

　外装シート１０１１と液不透過性シート１０１３とをＨＭＡ等で接着して裏面シート１００４とした後、図７に示す延伸装置１０３０を用いて延伸する。

　図７に示すように、延伸装置１０３０は、互いに対向し、且つ噛み合い可能な一対の延伸刃列部１０３１を有する。この一対の延伸刃列部１０３１は、刃の深さが２．５ｍｍ、上下の刃のピッチ間が１．２５ｍｍ、上下の刃の本数が１７本である。延伸刃列部１０３１の設定温度を９０℃として延伸加工をサイドフラップ部１０１０の一部に施す。延伸加工を施すことによって、高透湿領域１００６は、延伸前と比較した場合に１．８倍に延伸される。具体的には、高透湿領域１００６は、延伸前の透湿度平均値１９３５（Ｐａ・２４ｈｒｓ）を、延伸後には３１９１（Ｐａ・２４ｈｒｓ）に約１．６５倍に高透湿化される（表１参照）。

　延伸加工時においては、刃を加熱することにより裏面シート１００４が軟化し、低坪量化し易くなるため、ピンホールを発生させ難くなる。適正な加熱温度は、資材融点の２０～３０度以下が好ましい。液不透過性シート１０１３の材料融点を越える温度で加熱すると、液不透過性シート１０１３が溶融し、破れを生じるため好ましくない。

　裏面シート１００４は、スパイラルスプレーを用いて、ＨＭＡを径１５ｍｍの大きさで、坪量が５ｇ／ｍ^２になるように塗布して、坪量が、２２．０ｇ／ｍ^２の透湿フィルム（液不透過性シート１０１３）と、坪量が、１３ｇ／ｍ^２の液透過性のＳＭＳ（外装シート１０１１）とを貼り合わせたものである。表１はこの延伸結果を示す。

　図５及び図６は延伸（高透湿化）する距離を示す。延伸加工されるサイドフラップ部１０１０の幅は、オムツ１００１Ｂを広げた状態で吸収体１００５の側縁からサイドフラップ部１０１０の最も吸収体１００５側に配置された弾性部材１０１２の内側近傍までの幅Ｘとする（図５）。サイドフラップ部１０１０の股下領域を幅方向Ｗに伸ばした状態における、吸収体１００５の側縁からサイドフラップ部１０１０の最も吸収体１００５側に配置された弾性部材１０１２の内側近傍までの幅Ｙとする（図６）。幅Ｙは、幅Ｘに対して、１．５倍～３．０倍の範囲にあることが好ましい。

　幅Ｙが、幅Ｘに対して、１．５倍未満の場合は、高透湿領域１００６の延伸幅が小さいため、オムツの装着時に、サイドフラップ部１０１０が起立しても高さを確保できない。このため、肌と弾性部材１０１２配置部分との間に隙間が発生し、隙間から***物が漏れ出る可能性がある。

　幅Ｙが、幅Ｘに対して、３．０倍より大きい場合は、高透湿領域１００６の延伸幅が、大きいため、延伸により高透湿化が進む。その結果、資材がダメージを受けやすく、破れや穴開き等の資材破損が発生する可能性が高くなる。資材が破損した場合には、***物が破損部から漏れ出る可能性がある。

　延伸領域（高透湿領域１００６）における透湿度について、延伸加工前の透湿度に対して、延伸加工後の透湿度は、１．３～２．５倍以上であることが好ましい。この場合、延伸加工前の透湿度とは、言い換えると吸収体の下面側の透湿度という意味でもある。そして、延伸加工の前後での透湿度の差が１．３倍未満の場合、透湿度の変化が少ないため延伸加工前とほとんど変化がなく、オムツ内の蒸れ低減効果が低いものとなる。

　なお、延伸加工に適した液不透過性シート１０１３は、フィルム破断伸度が７５０％以上のものが好ましい。破断伸度が７５０％未満のフィルムでは、延伸加工によりピンホールが発生しやすい。ピンホールの発生は、漏れの原因となる場合がある。

　以上の実施形態では、サイドフラップ部１０１０に延伸加工を行うことにより、延伸された幅の分だけ裏面シート１００４が伸ばされる。その結果、充填材による微開孔の孔径が大きくなり、延伸加工を施された高透湿領域１００６は、高透湿化される。このため、高透湿領域１００６は、延伸加工を施していない領域と比較して、資材の坪量が低下し、透湿度が増す（いわゆる高透湿化）。又、高透湿領域１００６は、高透湿化することにより、高透湿領域１００６を構成する資材が柔軟化される。さらに、オムツ１００１ｂは、延伸された幅の分だけ弾性部材１０１２の配置面を液透過性シートの表面よりも高く保つことができる。このため、図４に示すように、オムツ１００１ｂは、延伸加工を施さないオムツと比べて、体液を収容するポケット１０１６を大きくすることができる。

　このように、第１－２実施形態によれば、オムツ１００１ｂは、液不透過性シート１０１３と外装シート１０１１とを貼り合わせて裏面シート１００４とし、裏面シート１００４における吸収体１００５側縁のサイドフラップ部１０１０に高透湿化された高透湿領域１００６を配置している。このため、オムツ１００１ｂは、サイドフラップ部１０１０にフィルム素材を配置した構造となり、耐水圧が高まり、体液の漏れ出しを防ぐことができる。これに加えて、オムツ１００１ｂは、高透湿化の効果により通気性・透湿性を向上させるため、肌トラブルの原因となるオムツ内の蒸れを防ぐことができる。

　さらに、第１－２実施形態によれば、延伸加工により柔軟な領域が、オムツ１００１ｂの内側表面に位置するサイドフラップ部１０１０に形成される。オムツ１００１ｂの内側表面が柔らかいため、オムツ１００１ｂは、延伸加工を施していないオムツと比べて装着違和感を低減できる。

　また、オムツ１００１ｂの内側表面が柔らかいため、弾性部材１０１２の伸縮性が高まり、サイドフラップ部１０１０のオムツ上方への立ち上がりが良くなる。このため、オムツ１００１ｂは、身体にフィットし易く、***物が漏れ出しにくくなる。

　さらに、オムツ１００１ｂは、着用中に体圧が最もかかる吸収体１００５の下面には高透湿領域を配置しておらず、吸収体１００５の下面は、高透湿領域１００６よりも耐水圧を高くしている。従って、オムツ１００１ｂを長時間着用した場合においても、オムツ１００１ｂは、吸収体１００５の下面から***物を染み出したり、湿気を漏れ出さないため、下着や布団を濡れた状態にしない。

　第１－２実施形態によれば、オムツ１００１ｂは、サイドフラップ部１０１０と吸収体１００５の下面において、同一の幅方向Ｗに連続した資材を配置しつつ、それぞれに異なる効果を付与できる。具体的には、サイドフラップ部１０１０は、通気性と透湿性が優れ、吸収体１００５の下面は、耐水圧が優れている。

　この実施形態において、裏面シート１００４を構成する液不透過性シート１０１３と外装シート１０１１との接着は、スパイラルスプレーを用いて、ＨＭＡで接着されていることが好ましい。スパイラルスプレーを用いてＨＭＡで接着すると、資材同士を部分的に接着できるため、接着面積が低密度である。接着面積が低密度である場合、液不透過性シート１０１３の延伸時の伸びは、外装シート１０１１に阻害されにくいため、延伸加工による資材破損が発生しにくい。なお、カーテンコーティングＨＭＡのように、貼り合わせる資材同士の接着面積が高密度である場合、液不透過性シート１０１３の延伸時の伸びは、外装シート１０１１により阻害される。つまり、接着面積が高密度の状態で、延伸加工を行うと資材破損が発生しやすい。なお、ＨＭＡで接着する場合、延伸前にＨＭＡを加熱し、軟化したＨＭＡを使用することが可能である。

　弾性部材１０１２は、裏面シート１００４におけるサイドフラップ部１０１０の延伸加工を施していない領域に配置してあれば良い。弾性部材１０１２の本数は、限定されず、オムツの機能及び設計により異なってもよい。サイドフラップ部１０１０に弾性部材１０１２を複数本配置して、弾性部材１０１２を配置する領域を面状に形成し、着用者に当接させる場合、最も吸収体１００５に近い側に配置される弾性部材１０１２は、高透湿領域１００６と非高透湿領域との境目近傍の非高透湿領域に配置することが好ましい。

　これによれば、高透湿領域１００６と非高透湿領域との剛性差により、高透湿領域１００６と非高透湿領域との境目を折り目として形成し易くなる。また、この折り目により、非高透湿領域は、持ち上げられるため、サイドフラップ部１０１０の弾性部材１０１２を配置する領域と肌とは、皺を発生させずにフィットする。これにより、オムツ１００１ｂは、シール性を高められる。

　なお、以下の第１－３～１－６実施形態においては、第１－１、１－２実施形態と異なる点を主に説明し、重複する説明を省略する。

　（第１－３実施形態）
　図８は本発明の第１－３実施形態を示す。この実施形態のオムツ１００１Ｃでは、裏面シート１００４が液不透過性シート１０１３と外装シート１０１１とを接着して形成されている。表面シート１００３は、吸収体１００５を被い、側方に伸びている。表面シート１００３は、親水性の液透過性シートを用いている。表面シート１００３、液不透過性シート１０１３及び外装シート１０１１は、接着されている。接着部分は、延伸加工（高透湿化）されている。つまり、高透湿領域１００６は、液不透過性シート１０１３と、外装シート１０１１と、表面シート１００３に形成されている。

　オムツ１００１Ｃは、このような構造とすることにより、吸収体１００５の側部からサイドフラップ部１０１０の高透湿領域１００６へ流出した体液を親水性の液透過性シート（表面シート１００３）で、吸収体１００５へ再度誘導できる。

　（第１－４実施形態）
　図９は本発明の第１－４実施形態を示す。この実施形態のオムツ１００１Ｄでは、サイドフラップ部１０１７、１０１８が片側２列ずつに配置されていると共に、２列のサイドフラップ部１０１７、１０１８のそれぞれに対して延伸加工（高透湿化）が施されている。吸収体１００５の側部に２つのサイドフラップ部１０１７、１０１８が配置されているため、オムツ１００１Ｄは、２重に防漏性を機能させることが可能となる。又、裏面シート１００４を構成する液不透過性シート１０１３が、サイドフラップ１０１８に覆われるため、オムツ１００１Ｄは、肌触りも良好となる。

　（第１－５実施形態）
　図１０は本発明の第１－５実施形態を示す。この実施形態のオムツ１００１Ｅでは、サイドフラップ部１０１０が内倒しで形成されており、同様に延伸加工（高透湿化）が施されている。オムツ１００１Ｅは、このような構造とすることにより、吸収体１００５表面がサイドフラップ部１０１０に覆われるため、吸収体１００５の肌に接触する面積を少なくすることができ、***物の肌への逆戻りを少なくすることができる。

　（第１－６実施形態）
　図１１は本発明の第１－６実施形態を示す。この実施形態のオムツ１００１Ｆでは、高透湿領域１００６の長手方向Ｌに沿った、中央部１００６ａと端部１００６ｂとにおいて、中央部１００６ａが端部１００６ｂよりも、より広い領域で高透湿化されている。中央部１００６ａが端部１００６ｂよりも、より広い領域で高透湿化されるため、中央部１００６ａのポケットの幅が端部１００６ｂのポケットの幅よりも広くなる。つまり、オムツ１００１Ｆは、***物が溜まり易い股下領域の容積を広く保つことができる。従って、オムツ１００１Ｆは、オムツからの漏れ出しを抑制することができる。

　この実施形態とするための加工としては、端部１００６ｂと中央部１００６ａの押し込み刃の高さを替える。すなわち、中央部１００６ａの刃の押し込み高さを、端部１００６ｂのそれよりも高くすることにより中央部１００６ａを端部１００６ｂよりも高透湿化することができる。又、中央部１００６ａを端部１００６ｂよりも幅方向Ｗに広い面積で高透湿化する、すなわち高透湿化するもともとの面積を中央部１００６ａと端部１００６ｂで替えることにより、中央部１００６ａを端部１００６ｂよりも高透湿化することができる。

　（その他の第１実施形態）
　本実施形態では、オムツは、高透湿化（延伸加工）された部位を吸収体１００５側部に有するが、オープンタイプのオムツに限定されるものではない。オムツは、長手方向中央部でオムツ本体を二つ折りにし、背側・腹側の両サイドを係止固定したパンツタイプでも良い。このようなオムツによれば、***物が溜まりやすい股間部の容積を広く保つことができるため、オムツからの漏れ出しを抑制することができる。

　また、本発明は、上記オムツに限定されることなく、生理用ナプキンや尿取りパッドなどの吸収性物品に適用することができる。

　本実施形態では、、裏面シート１００４に用いる液不透過性シート１０１３としては、約５０重量％の炭酸カルシウムを充填剤として含むポリエチレンからなるフィルムを用いている。このようなフィルムとして、フィルムの製造加工途中で延伸して微多孔質を形成することにより、オムツの加工時の高透湿化以前より透湿性を有するフィルムを用いても良い。

　同様に、このようなフィルムとして、２０～７０重量％の炭酸カルシウムを充填剤として含み、坪量が、１５～４０ｇ/ｍ^２のポリエチレンからなるフィルムであって、フィルムの製造加工途中でほぼ未延伸の非透湿性のフィルムを使用することもできる。この場合、オムツの加工時に行われる延伸加工により延伸された幅の分だけ裏面シート１００４が伸ばされ、フィルムは、充填剤により微開孔が形成されて透湿性が付与される。

　吸収体１００５下面の体圧のかかりやすい部分では、フィルムは、微多孔質を有していないため、耐水圧をより高く保つことができ、液不透過性シート１０１３からの液の滲み出しを効果的に防止することができる。

　なお、本実施形態では、フィルムとして透湿性フィルムが用いられている。透湿性フィルムに用いられる樹脂として、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、フッ素樹脂を、例えば、溶融製膜延伸法により２０～４０μｍの厚みに成形したものが用いられている。

　なお、日本国特許出願第２００８－０９３８１６号（２００８年３月３１日出願）の全内容が、参照により、本願明細書に組み込まれている。

＜第２の実施形態＞
[背景技術]
　従来、着用者の肌と股下領域との間にいわゆるポケットが形成されるオムツが知られている（例えば、特許文献４）。このオムツ２１００は、図１２（ａ）に示すように、液透過性のトップシート２１０１ａと、液不透過性のバックシート（図示せず）と、液体を吸収し保持する吸収体２１０１ｃとから成る吸収性本体２１０１を備えている。吸収体２１０１ｃは、トップシート２１０１ａと、バックシート（図示せず）との間に配置されている。吸収性本体２１０１は、着用時には背側から腹側までの長手方向に背側領域Ｓ２１、股下領域Ｓ２２、腹側領域Ｓ２３を有し、着用者の股下を中心に背側から腹側を覆う。この吸収性本体２１０１の幅方向の両側には、トップシート２１０１ａとバックシート（図示せず）が延在されることによってサイドフラップ部２１１０が設けられている。この各サイドフラップ部２１１０の股下領域Ｓ２２の外縁には、長手方向に沿って伸長状態で弾性部材２１２０が設けられている。又、各サイドフラップ部２１１０の腹側領域Ｓ２３には、折り返し部２１３０が設けられている。

　この従来例のオムツ２１００を着用者が着用すると、各サイドフラップ部２１１０の外周が各弾性部材２１２０の収縮によって着用者の足回りに密着すると共に、各サイドフラップ部２１１０の股下領域Ｓ２２の幅寸法が腹側領域Ｓ２３の幅寸法に比べて大きいことから、着用者の股下側に空間、いわゆるポケットができる。このポケットによって着用者から***された尿、便等を横漏れすることなく確実に保持できる。

　他の従来例のオムツ２１５０としては、特許文献５に開示されたものがある。このオムツ２１５０は、図１２（ｂ）に示すように、液透過性のトップシート２１５１ａと、液不透過性のバックシート２１５１ｂと、液体を吸収し保持する吸収体２１５１ｃとから成る吸収性本体２１５１を備えている。吸収体２１５１ｃは、トップシート２１５１ａと，バックシート２１５１ｂの間に配置されている。吸収性本体２１５１は、着用時には背側から腹側までの長手方向に背側領域Ｓ２１、股下領域Ｓ２２、腹側領域Ｓ２３を有し、着用者の股下を中心に背側から腹側を覆う。この吸収性本体２１５１の幅方向の両側には、伸長状態で一対の弾性部材２１５２が設けられている。各弾性部材２１５２は、股下領域Ｓ２２で外側に膨らむように設けられている。これによって、一対の弾性部材２１５２の間隔は、背側領域Ｓ２１及び腹側領域Ｓ２３で狭く、股下領域Ｓ２２で広く設定されている。

　この他の従来例のオムツ２１５０を着用者が着用すると、吸収性本体２１５１の股下領域Ｓ２２の外周が各弾性部材２１５２の収縮によって着用者の足回りに密着すると共に、吸収性本体２１５１の股下領域Ｓ２２では一対の弾性部材２１５２間の間隔が広いことから、着用者の股下側に空間、いわゆるポケットができる。このポケットによって、前記従来例と同様に、着用者から***された尿、便等を横漏れすることなく確実に保持できる。

　　（特許文献４）特開昭６２－１９９８０２号公報（第６頁、図４、図５）
　　（特許文献５）特開平４－２４２６４５号公報（第８頁、図１、図２）
[発明の開示]
　しかしながら、前記した２つの従来例では、着用時に股下領域Ｓ２２にポケットを形成するために、ポケットを形成しないものに比べてオムツ２１００，２１５０の幅方向分だけ余分に資材が必要である。

　又、前者の従来例では、各サイドフラップ部２１１０に折り返し部２１３０を設けるため、製造時の加工が面倒であり、製造コストが高くなるという問題がある。

　後者の従来例では、一対の弾性部材２１５２を曲線状に設ける必要があるため、製造時の加工が面倒であり、製造コストが高くなるという問題がある。

　そこで、本発明は、着用者の股下側にいわゆるポケットを形成するものにあって、使用資材の低減化、製造時の加工の容易化、ひいては製造コストの低下を図ることができる吸収性物品を提供することを目的とする。

　上記目的を達成する本発明の特徴は、液透過性のトップシート（トップシート２００３）と、液不透過性のバックシート（バックシート２００４）と、トップシートとバックシートの間に配置され、液体を吸収し保持する吸収体（吸収体２００５）とから少なくとも構成され、着用時には背側から腹側までの長手方向（長手方向Ｌ）に背側領域（背側領域Ｓ２１）、股下領域（股下領域Ｓ２２）、腹側領域（腹側領域Ｓ２３）を有する吸収性本体（吸収性本体２００２）と、吸収体本体の幅方向（幅方向Ｗ）の両側に設けられた左右一対のサイドフラップ部（サイドフラップ部２０１０）と、各サイドフラップ部の少なくとも股下領域に、長手方向に伸長状態で設けられた一対の弾性部材（例えば、弾性部材ａ）とを備えた吸収性物品(例えば、オムツ２００１Ａ)において、股下領域におけるサイドフラップ部の吸収性本体と最も外側に位置する弾性部材との間には、幅方向に延伸された股下側延伸領域（例えば、股下側延伸領域２０１３）が設けられたことを要旨とする。

　本発明の特徴によれば、着用者が着用すると、各サイドフラップ部の外周が各弾性部材の収縮によって着用者の足回りに密着すると共に、各サイドフラップ部の股下領域の伸張可能な幅寸法が一対の股下側延伸領域によって背側領域や腹側領域のサイドフラップ部の幅寸法より大きいことから、着用者の股下領域にいわゆるポケットができる。各股下側延伸領域は、各サイドフラップ部の股下領域を幅方向に延伸させて設けたため、股下側延伸領域は、股下領域にいわゆるポケットを形成しないオムツと同じ幅の資材で形成できる。又、各サイドフラップ部に折り返しを設けることなく、各サイドフラップ部に弾性部材を曲線状に設けることなく、着用者の股下側にポケットを形成できる。以上より、使用資材の低減化、製造時の加工の容易化、ひいては製造コストの低下を図ることができる。

　また、着用者の股下近くの足回りを覆う各サイドフラップ部の箇所が薄く柔らかい股下側延伸領域であるため、サイドフラップ部は、装着違和感が低い、着用者の足の運動に対する追従性が良い、吸収性本体に対して立ち上がり易い、各サイドフラップ部の外周を締め付け過ぎないでも足回りに密着させることができる等の利点がある。

[発明を実施するための最良の形態]
　以下、本発明にかかる実施形態を図面に基づいて説明する。

（第２－１の実施形態）
　図１３～図１８は、本発明の第２－１の実施形態を示す。図１３は、オムツ２００１Ａの展開状態の平面図である。図１４は、図１３のＡ２－Ａ２線断面図である。図１５は、図１３のＢ２－Ｂ２線断面図である。図１６は、着用状態のオムツ２００１Ａの断面図である。図１７は延伸装置の要部断面図である。図１８（ａ）は、オムツ２００１Ａのサイドフラップ部の股下領域の中央を外側に引っ張る前の平面図である。図１８（ｂ）は、オムツ２００１Ａの一方のサイドフラップ部の股下領域の中央の端部を外側に引っ張った状態の平面図である。

　図１３～図１５に示すように、吸収性物品であるオムツ２００１Ａは、吸収性本体２００２と、吸収性本体２００２の幅方向Ｗの両側に設けられた左右一対のサイドフラップ部２０１０と、一対のサイドフラップ部２０１０の背側の幅方向Ｗの両端に設けられた一対の背側ウエストフラップ部２０２０と、一対のサイドフラップ部２０１０の腹側の幅方向Ｗの両端に設けられた一対の腹側ウエストフラップ部２０２１とを備えている。

　吸収性本体２００２は、液透過性のトップシート２００３と、液不透過性のバックシート２００４と、トップシート２００３とバックシート２００４の間に配置され、液体を吸収し保持する吸収体２００５とから少なくとも構成される。オムツ２００１Ａは、背側及び腹側が決められており、背側から腹側に向かう長手方向Ｌに沿って、順に背側領域Ｓ２１、股下領域Ｓ２２、腹側領域Ｓ２３とが設けられている。吸収性本体２００２は、着用時には背側から腹側までの長手方向Ｌに背側領域Ｓ２１、股下領域Ｓ２２、腹側領域Ｓ２３を有して着用者の背側と股下側と腹側を被う。

　トップシート２００３は、その幅方向Ｗの両端部が吸収体２００５を包み込むように折り込まれている。このように折り込まれたトップシート２００３の箇所と吸収体２００５とがバックシート２００４にホットメルト等の糊によって接合されている。トップシート２００３は、親水性不織布、織物、開口プラスチックフィルム、開口を有する疎水性不織布、坪量が、１０ｇ／ｍ^２であるスパンボンド法/メルトブロー法/スパンボンド法で製造された積層不織布（以下、ＳＭＳと記す。）等より形成される。

　バックシート２００４は、透湿又は非透湿性フィルム、このようなフィルムに不織布を張り合わせたシート等より形成される。吸収体２００５は、液体吸収保持性を有する積層体である。吸収体２００５は、吸収性のパルプ及び高吸収性ポリマーを混合して形成される。

　一対のサイドフラップ部２０１０は、吸収性本体２００２の幅方向Ｗの両側より延在されたバックシート２００４と、液不透過性の外装シート２０１１とから構成されている。外装シート２０１１は、吸収性本体２００２の裏面とバックシート２００４とに重ね配置される。

　バックシート２００４と外装シート２０１１間はホットメルト等の糊で接合されている。外装シート２０１１は、バックシート２００４よりも幅方向Ｗの寸法が長く形成されている。

　各サイドフラップ部２０１０の股下領域Ｓ２２の全域と、股下領域Ｓ２２に連続する背側領域Ｓ２１及び腹側領域Ｓ２３の一部領域とには、長手方向Ｌに伸張状態で４列の弾性部材２０１２ａ～２０１２ｄが設けられている。

　外側３列の弾性部材２０１２ａ～２０１２ｃは、バックシート２００４より幅方向Ｗに長く形成された外装シート２０１１の両側部に設けられている。最も内側に位置する弾性部材２０１２ｄは、吸収性本体２００２の側縁と、最も外側に位置する弾性部材２０１２ａとのほぼ中心位置に配置される。弾性部材２０１２ｄは、外装シート２０１１とバックシート２００４との間に設けられている。各弾性部材２０１２ａ～２０１２ｄは、例えばポリウレタン系弾性糸である。

　各サイドフラップ部２０１０の股下領域Ｓ２２で、且つ、吸収性本体２００２と最も外側に位置する弾性部材２０１２ａとの間には、幅方向Ｗに延伸された股下側延伸領域２０１３が設けられている。具体的には、股下側延伸領域２０１３は、吸収性本体２００２と外側から３列目の弾性部材２０１２ｃとの間に設けられている。各股下側延伸領域２０１３は、延伸加工によって他の領域より低坪量化された領域である。各股下側延伸領域２０１３には、サイドフラップ部２０１０の幅方向Ｗに沿って延伸量が小さい密部（符号を付さず）と延伸量が大きい粗部（符号を付さず）とが交互に設けられている。各股下側延伸領域２０１３は、延伸前の幅と比較した場合に１．５～３．０倍の範囲で延伸されている。

　各股下側延伸領域２０１３は、装着時に外部から内部の***物が視認できる透明度を有する。つまり、各股下側延伸領域２０１３の透過率は、外部から内部が透過できる透過率である。光の透過率は、延伸加工によって３％以上上昇し、光の透過率が６１％以上（ＪＩＳ規格のＫ７１０５に準じて測定）であれば、外部から内部の***物を視認できる。

　又、本実施形態の各股下側延伸領域２０１３は、吸収性本体２００２と最も外側に位置する弾性部材２０１２ａとの間に亘ってサイドフラップ部２０１０の幅方向Ｗに設けられている。各股下側延伸領域２０１３は、股下領域Ｓ２２の全範囲に亘ってサイドフラップ部２０１０の長手方向Ｌに設けられている。各股下側延伸領域２０１３は、この実施形態では背側領域Ｓ２１や腹側領域Ｓ２３にまで延在されていない。股下側延伸領域２０１３の具体的な作製方法については、下記に詳述する。

　ウエストフラップ部は、一対の背側ウエストフラップ部２０２０と一対の腹側ウエストフラップ部２０２１とから構成されている。一対の背側ウエストフラップ部２０２０は、一対のサイドフラップ部２０１０の背側領域Ｓ２１に一端側が固定されている。各背側ウエストフラップ部２０２０の先端側には、係止部２０２２が設けられている。

　各係止部２０２２は、機械的な係止力で係止する面ファスナーや粘着力によって係止する粘着テープである。係止部２０２２を面ファスナーとする場合には、腹側ウエストフラップ部２０２１の素材は少なくとも表面が不織布であるシート素材とされる。

　次に、股下側延伸領域２０１３の作製方法を簡単に説明する。サイドフラップ部２０１０は、スパイラルスプレーを用いて、感熱性接着剤（例えば、ホットメルト等。以下、ＨＭＡと記す。）を径１５ｍｍの大きさで、坪量が５ｇ／ｍ^２になるように塗布して、バックシート２００４と、外装シート２０１１とを、張り合わせたものである。なお、バックシート２００４は、坪量が、２３．５ｇ／ｍ^２の非通気性フィルムである。また、外装シート２０１１は、坪量が、１３ｇ／ｍ^２のＳＭＳである。

　股下側延伸領域２０１３を形成する延伸装置２０３０は、図１７に示すように、互いに対向し、且つ、噛み合い可能な一対の延伸刃列部２０３１を有する。各延伸刃列部２０３１は、刃の深さを２．５ｍｍ、一対の刃のピッチ間を１．２５ｍｍ、刃数を１７本に設定される。延伸装置２０３０は、延伸刃列部２０３１の設定温度を１００℃として延伸加工を施す。このようにして延伸することによって、股下側延伸領域２０１３は、延伸前と比較した場合に１．８倍に延伸できる。

　延伸装置２０３０で延伸することによって、股下側延伸領域２０１３には延伸量が小さい密部と延伸量が大きい粗部とがサイドフラップ部２０１０の幅方向Ｗに交互に設けられる。

　延伸量は、上記した緒条件を適宜変更することによって可変できる。サイドフラップ部２０１０の股下領域Ｓ２２の中央を外側に引っ張る前（図１８（ａ）の股下側延伸領域２０１３の幅Ｗ２１に対して、図１８（ｂ）の幅Ｗ２２が、１．５～３．０倍の範囲にある。

　なお、幅Ｗ２２は、一方のサイドフラップ部２０１０の股下領域Ｓ２２の中央の端部を外側に引っ張った状態の股下側延伸領域２０１３の幅である。つまり、幅Ｗ２２が、幅Ｗ２１に対して延伸割合（１．５～３．０倍）だけ伸張可能となる。従って、各サイドフラップ部２０１０の股下領域Ｓ２２は、背側領域Ｓ２１や腹側領域Ｓ２３の幅寸法に比べて延伸割合（１．５～３．０倍）分だけ最大で伸張可能となる。

　外部から内部が透過する透過率は、サイドフラップ部２０１０のシート素材の種類によって異なるため、シート素材の種類によって延伸量を調整し、外部から内部が透過する透過率を得る。

　上記構成のオムツ２００１Ａを着用者が着用すると、図１６に示すように、各サイドフラップ部２０１０の外周が各弾性部材２０１２ａ、２０１２ｂの収縮によって着用者の足回りに密着する。また、各サイドフラップ部２０１０の股下領域Ｓ２２の伸張可能な幅寸法が、一対の股下側延伸領域２０１３によって背側領域Ｓ２１や腹側領域Ｓ２３のサイドフラップ部２０１０の幅寸法より大きいため、着用者の股下側に空間、いわゆるポケットＰができる。

　各股下側延伸領域２０１３は、各サイドフラップ部２０１０の股下領域Ｓ２２を幅方向Ｗに延伸させて形成される。このため、各股下側延伸領域２０１３は、股下領域Ｓ２２にいわゆるポケットＰを形成しないオムツと同じ幅の資材で形成できる。

　また、オムツ２００１Ａは、従来例のように、各サイドフラップ部２０１０に折り返しを設けることなく、又、他の従来例のように、各サイドフラップ部２０１０に弾性部材２０１２を曲線状に設けることなく、着用者の股下側にポケットＰを形成できる。以上より、オムツ２００１Ａは、使用資材の低減化、製造時の加工の容易化、ひいては製造コストの低下を図ることができる。

　また、オムツ２００１Ａは、着用者の股下近くの足回りを覆う各サイドフラップ部２０１０の箇所が薄く柔らかい股下側延伸領域２０１３であるため、オムツ２００１Ａにおいて、装着違和感を低減できる、着用者の足の運動に対する追従性を向上できる、吸収性本体２００２に対して立ち上がり易い、各サイドフラップ部２０１０の外周を締め付け過ぎることなく、足回りに密着させることができる等の利点がある。

　この実施形態では、各股下側延伸領域２０１３は、吸収性本体２００２側縁と最も外側に位置する弾性部材２０１２ａの間の幅方向Ｗに二等分する中心線より吸収性本体２００２側の領域にも設けられているため、次のような利点もある。オムツ２００１Ａを着用した場合には、剛性差のある位置、つまり、吸収性本体２００２とサイドフラップ部２０１０の境界位置より曲がり始めるが、この実施形態ではこの箇所が柔軟性のある股下側延伸領域２０１３とされているため立ち上がり特性が良く、いわゆるポケットＰが形成され易い。

　この実施形態では、オムツ２００１Ａは、一対のサイドフラップ部２０１０の背側領域Ｓ２１と腹側領域Ｓ２３の両側より張り出すように設けられた背側ウエストフラップ部２０２０及び腹側ウエストフラップ部２０２１を有する。そして、各股下側延伸領域２０１３は、股下領域Ｓ２２の範囲内にのみ設けられている。従って、オムツ２００１Ａを背側ウエストフラップ部２０２０及び腹側ウエストフラップ部２０２１を利用して着用する際、背側ウエストフラップ部２０２０及び腹側ウエストフラップ部２０２１の締め付け力は、股下側延伸領域２０１３に直接に作用しないため、オムツ２００１Ａの股下領域Ｓ２２のポケット形成に支障がなく、又、オムツ２００１Ａの強度低下も招来しない。

　この実施形態では、各股下側延伸領域２０１３は、装着時に外部から内部の***物が視認できる透明度を有するので、オムツ２００１Ａは、股下側延伸領域２０１３を通してオムツ２００１Ａの内部の***物の有無を外側から確認できる。このため、オムツ２００１Ａは、交換時期等を容易に判断できる。

　この実施形態では、各股下側延伸領域２０１３には、サイドフラップ部２０１０の幅方向Ｗに沿って延伸量が小さい密部と、延伸量が大きい粗部と、が交互に設けられている。従って、オムツ２００１Ａの製造過程では、股下側延伸領域２０１３が密部と粗部によって交互に折り畳まれるため、各サイドフラップ部２０１０の外縁が突出せずに直線状となる。このため、オムツ２００１Ａは、製造過程、製品パッケージング過程等での取り扱い性が良い。

　この実施形態では、各股下側延伸領域２０１３は、延伸前と比較した場合に１．５～３．０倍の範囲で延伸されている。ここで、股下側延伸領域２０１３の延伸量が、１．５倍未満であると、サイドフラップ部２０１０の立ち上がり寸法が小さくて弾性部材２０１２が肌に密着しない恐れがある。又、股下側延伸領域２０１３の延伸量が、３．０倍を越すと、サイドフラップ部２０１０の素材に対して延伸によるダメージが大きくて破れや穴あき等の資材破損が発生する恐れがある。

　そのため、股下側延伸領域２０１３の延伸量を１．５～３．０倍の範囲にすれば、オムツ２００１Ａの股下領域Ｓ２２に空間、いわゆるポケットを資材破損の恐れもなく確実に形成できる。

（第２－１の実施形態の各変形例）
　第２―１の実施形態では、サイドフラップ部２０１０は、外装シート２０１１とバックシート２００４の２層から構成されているが、各サイドフラップ部２０１０は、バックシート２００４の１層で構成しても良い。サイドフラップ部２０１０は、外装シート２０１１の１層で構成すれば、外装シート２０１１の使用量を削減できる。

　また、サイドフラップ部２０１０は、外装シート２０１１とバックシート２００４とトップシート２００３との３層で構成しても良い。サイドフラップ部２０１０は、外装シート２０１１とバックシート２００４とトップシート２００３の３層で構成すれば、各サイドフラップ部２０１０の股下側延伸領域２０１３の強度を強くできる。

　バックシート２００４として、股下側延伸領域２０１３に相当する箇所とそれ以外の箇所では、異なるシート素材から成るものを使用しても良い。例えば、股下側延伸領域２０１３の箇所では、延伸加工に適したシート素材を使用し、その以外の箇所では、吸収性本体２００２のバックシートとして適したシート素材を使用すれば、延伸加工性と液不透過性の両方に優れたバックシート２００４となる。

（第２－２の実施形態）
　図１９は、本発明の第２－２の実施形態に係るオムツ２００１Ｂの断面図である。

　図１９に示すように、この第２－２の実施形態に係るオムツ２００１Ｂは、前記第２－１の実施形態に比べて、吸収性本体２００２の構成と各サイドフラップ部２０１０の股下側延伸領域２０１３ａの構成が異なる。つまり、吸収性本体２００２のトップシート２００３とバックシート２００４は、幅方向Ｗの中央箇所のみが接合部２００６によって接合され、幅方向Ｗの両端部では接合されていない。そして、各股下側延伸領域２０１３ａは、吸収性本体２００２と重なる領域（接合されていない箇所）まで延在して設けられている。

　他の構成は、前記第２－１の実施形態と同一であるため、重複説明を省略すると共に図面の同一構成箇所には同一符号を付して明確化を図る。

　この実施形態では、各股下側延伸領域２０１３ａは、吸収性本体２００２と重なる領域まで延在して設けられているので、股下側延伸領域２０１３ａの幅寸法を大きく取ることができるため、オムツ２００１Ｂは、オムツ１Ｄの股下側に形成される空間、いわゆるポケットの深さを深くできる。

（第２－３の実施形態）
　図２０は本発明の第２－３の実施形態に係るオムツ２００１Ｃの断面図である。

　図２０に示すように、この第２－３の実施形態に係るオムツ２００１Ｃは、前記第２－１の実施形態に比べて、各サイドフラップ部２０１０の構成のみが異なる。各サイドフラップ部２０１０は、サイドフラップ部２０１０の幅方向Ｗの外側で内側フラップ部２０１０ａと外側フラップ部２０１０ｂとの２つに分岐されている。内側フラップ部２０１０ａには、肌触りの良いシート素材が使用されている。内側フラップ部２０１０ａ及び外側フラップ部２０１０ｂの双方の先端部には、伸張状態で弾性部材２０１２ａ、２０１２ｂ、２０１２ｃ、２０１２ｅがそれぞれ設けられている。つまり、オムツ２００１Ｃを着用時には、足回りに２重にサイドフラップ部２０１０が密着するため、オムツ２００１Ｃは、横漏れをより確実に防止できる。オムツ２００１Ｃは、内側フラップ部２０１０ａが肌触りの良いシート素材であるため、肌触り性も良い。

　他の構成は、前記第２－１の実施形態と同一であるため、重複説明を省略すると共に図面の同一構成箇所には同一符号を付して明確化を図る。

（第２－３の実施形態の変形例）
　第２－３の実施形態では、内側フラップ部２０１０ａ及び外側フラップ部２０１０ｂの双方の先端部に弾性部材２０１２ａ、２０１２ｂ、２０１２ｃ、２０１２ｅが設けられているが、オムツ２００１Ｃは、内側フラップ部２０１０ａの先端部にのみ伸張状態の弾性部材を設けても良い。この場合、オムツ２００１Ｃは、いわゆる内倒しの立体ギャザー構成となる。

（第２－４の実施形態）
　図２１は本発明の第２－４の実施形態に係るオムツ２００１Ｄの展開状態の平面図である。

　図２１に示すように、この第２－４の実施形態に係るオムツ２００１Ｄは、前記第２－１の実施形態に比べて、各股下側延伸領域２０１３ｂの構成のみが異なる。各股下側延伸領域２０１３ｂは、股下領域での長手方向Ｌの中心位置における延伸領域部が、各サイドフラップ部２０１０の長手方向両端の延伸領域部に比べて、幅方向Ｗに引き延ばした際の幅寸法が大きくなるよう設けられている。これは、股下側延伸領域２０１３ｂは、長手方向Ｌにわたって、延伸加工が施された幅寸法が異なっているためである。具体的には、長手方向Ｌの中心位置における延伸領域部の幅寸法が、長手方向両端の延伸領域部の幅寸法に比べて長く設定されている。

　オムツ２００１Ｄによれば、股下側延伸領域２０１３ｂの端部は、股下側延伸領域２０１３ｂでない箇所に拘束されているため端部での立ち上がり寸法が小さく、中心部で最も立ち上がり寸法が大きいポケット形状となるため、ポケットを形成するに際して無駄のない股下側延伸領域２０１３ｂとすることができる。

　また、股下側延伸領域２０１３ｂは、長手方向Ｌにわたって延伸加工が施された幅寸法を同じとし、単位長さ当たりの延伸量を異ならせることによって、長手方向Ｌの中心位置における延伸領域部が、長手方向両端の延伸領域部に比べて引き延ばした際（着用時）の幅寸法が大きくなるよう設けても良い。

（第２－５の実施形態）
　図２２は、本発明の第２－５の実施形態に係るオムツ２００１Ｅの断面図である。

　図２２に示すように、この第２－５の実施形態に係るオムツ２００１Ｅは、前記第２－１の実施形態に比べて、一対の股下側延伸領域２０１３Ａの構成のみが異なる。各股下側延伸領域２０１３Ａは、各サイドフラップ部２０１０の股下領域Ｓ２２のみならず背側領域Ｓ２１と腹側領域Ｓ２３に共に延在して設けられている。但し、股下側延伸領域２０１３Ａの背側の端部及び腹側の端部は、サイドフラップ部２０１０の背側の端縁及び腹側の端縁にまで達していない。

　この実施形態によれば、オムツ２００１Ｅの内部に形成される空間、いわゆるポケットが股下領域Ｓ２２の他に背側領域Ｓ２１及び腹側領域Ｓ２３にも形成されるため、オムツ２００１Ｅは、***物を一時的に多量に保持でき、***物の横漏れをより確実に防止できる。特に、オムツ２００１Ｅは、便と尿の双方の横漏れ防止に有効である。

（第２－５の実施形態の各変形例）
　第２－５の実施形態の変形例としては、各股下側延伸領域２０１３Ａを、各サイドフラップ部２０１０の股下領域Ｓ２２より背側領域Ｓ２１にのみ延在して設けたものが考えられる。この変形例によれば、オムツは、オムツの内部に形成される空間、いわゆるポケットが股下領域Ｓ２２の他に背側領域Ｓ２１にも形成されるため、特に、便の横漏れ防止に有効である。

　第２－５の実施形態の他の変形例としては、各股下側延伸領域２０１３Ａを、各サイドフラップ部２０１０の股下領域Ｓ２２より腹側領域Ｓ２３にのみ延在して設けたものが考えられる。この他の変形例によれば、オムツは、オムツの内部に形成される空間、いわゆるポケットが股下領域Ｓ２２の他に腹側領域Ｓ２３にも形成されるため、特に、尿の横漏れ防止に有効である。

（その他）
　各実施形態では、各サイドフラップ部２０１０に４列の弾性部材２０１２ａ～２０１２ｄが設けられているが、弾性部材は、サイドフラップ部２０１０の側端部に１列又は２列だけ設けられても良い。弾性部材の本数及び配置位置は、適宜変更可能である。

　なお、各実施形態では、本発明をオープンタイプのオムツに適用した場合を示したが、パンツタイプのオムツにも同様に適用できる。又、本発明は、オムツ以外の吸収性物品にも適用可能である。

　なお、日本国特許出願第２００８－０３７９１６号（２００８年２月１９日出願）の全内容が、参照により、本願明細書に組み込まれている。

　以上のように、本発明に係る吸収性物品は、滲みや漏れを防止でき、しかも通気性が良好である。また、本発明に係る吸収性物品は、着用者の股下側にいわゆるポケットを形成するものにあって、使用資材の低減化、製造時の加工の容易化、ひいては製造コストの低下を図ることができる。このため、オムツ等の吸収性物品において有用である。

Claims (18)

1. 　液透過性の表面シートと、液不透過性の裏面シートと、前記表面シートと前記裏面シートとの間に配置され、液体を吸収し保持する吸収体とから構成され、着用時には背側から腹側までの長手方向に背側領域、股下領域、腹側領域を有する吸収性本体と、
   　前記吸収性本体の幅方向の両側に設けられた左右一対のサイドフラップ部とを備えた吸収性物品であって、
   　前記吸収性本体の下面と前記サイドフラップ部に位置する前記裏面シートが連続した一体物で構成され、
   　前記サイドフラップ部の幅方向端縁と吸収体側縁との間で前記サイドフラップ部が前記吸収性本体の下面より透湿性を有する高透湿領域を有することを特徴とする吸収性物品。
2. 　請求項１記載の吸収性物品であって、
   　前記裏面シートは、無機材料を充填材として含む樹脂からなる微多孔質の液不透過性フィルムからなり、
   　前記高透湿領域が前記液不透過性フィルムに形成されていることを特徴とする吸収性物品。
3. 　請求項１記載の吸収性物品であって、
   　前記裏面シートは、液不透過性シートと外装シートとを接着して形成され、
   　前記液不透過性シートは、無機材料を充填材として含む樹脂からなる微多孔質の液不透過性フィルムからなり、
   　前記高透湿領域が前記液不透過性シート及び前記外装シートに形成されていることを特徴とする吸収性物品。
4. 　請求項１記載の吸収性物品であって、
   　前記裏面シートは、液不透過性シートと外装シートとを接着して形成され、
   　前記液不透過性シートは、無機材料を充填材として含む樹脂からなる微多孔質の液不透過性フィルムからなり、
   　前記高透湿領域が前記液不透過性シートと、前記外装シートと、前記表面シートに形成されていることを特徴とする吸収性物品。
5. 　請求項１に記載の吸収性物品であって、
   　前記背側領域の前記サイドフラップ部の幅方向の両側には、該サイドフラップ部の両側縁からそれぞれ延設された左右一対のウエストフラップ部が形成され、
   　該ウエストフラップ部の幅方向の両側部には着用時に前記腹側領域の前記液不透過性の裏面シートに係合可能な一対の係止部材が設けられていることを特徴とする吸収性物品。
6. 　請求項１に記載の吸収性物品であって、
   　前記サイドフラップ部に、前記吸収性本体の長手方向に沿って弾性部材が伸張状態で配置されていることを特徴とする吸収性物品。
7. 　請求項６に記載の吸収性物品であって、
   　前記弾性部材が伸長状態で配置されたギャザー部は、前記サイドフラップ部の高透湿領域より透湿性を有していることを特徴とする吸収性物品。
8. 　請求項１に記載の吸収性物品であって、
   　前記高透湿領域が、前記サイドフラップ部の幅方向端縁と前記吸収体側縁との間を幅方向外側に向けて延伸させて形成されていることを特徴とする吸収性物品。
9. 　請求項１に記載の吸収性物品であって、
   　前記高透湿領域の透湿度は、前記吸収性本体の下面側の透湿度に対して、１．３～２．５倍以上で、液体が漏れることのないように設定されていることを特徴とする吸収性物品。
10. 　液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、前記トップシートと前記バックシートの間に配置され、液体を吸収し保持する吸収体とから少なくとも構成され、着用時には背側から腹側までの長手方向に背側領域、股下領域、腹側領域を有する吸収性本体と、
    　前記吸収体本体の幅方向の両側に設けられた左右一対のサイドフラップ部と、
    　前記各サイドフラップ部の少なくとも股下領域に、長手方向に伸長状態で設けられた一対の弾性部材とを備えた吸収性物品において、
    　前記股下領域における前記サイドフラップ部の前記吸収性本体と最も外側に位置する前記弾性部材との間には、幅方向に延伸された股下側延伸領域が設けられたことを特徴とする吸収性物品。
11. 　請求項１０記載の吸収性物品であって、
    　前記各股下側延伸領域は、前記吸収性本体側縁と最も外側に位置する前記弾性部材の間の幅方向に二等分する中心線より前記吸収性本体側の領域に設けられたことを特徴とする吸収性物品。
12. 　請求項１０記載の吸収性物品であって、
    　前記各股下側延伸領域は、各サイドフラップ部の前記背側領域と前記腹側領域の少なくともいずれか一方に前記股下領域から延在して設けられたことを特徴とする吸収性物品。
13. 　請求項１０に記載の吸収性物品であって、
    　前記一対のサイドフラップ部の前記背側領域と前記腹側領域の少なくとも一方から外側に張り出すように設けられたウエストフラップ部を有することを特徴とする吸収性物品。
14. 　請求項１０に記載の吸収性物品であって、
    　前記各股下側延伸領域は、前記吸収性本体と重なる領域まで延在して設けられたことを特徴とする吸収性物品。
15. 　請求項１０に記載の吸収性物品であって、
    　前記各股下側延伸領域は、装着時に外部から内部の***物が視認できる透明度を有することを特徴とする吸収性物品。
16. 　請求項１０に記載の吸収性物品であって、
    　前記各股下側延伸領域は、前記股下領域での長手方向の中心位置の延伸領域部が前記各サイドフラップ部の長手方向両端の延伸領域部より引き延ばした際の幅寸法が大きくなるよう設けられたことを特徴とする吸収性物品。
17. 　請求項１０に記載の吸収性物品であって、
    　前記各股下側延伸領域は、前記サイドフラップ部の幅方向に沿って延伸量が小さい密部と延伸量が大きい粗部とが交互に設けられたことを特徴とする吸収性物品。
18. 　請求項１０に記載の吸収性物品であって、
    　前記各股下側延伸領域は、１．５～３．０倍の範囲で延伸されたことを特徴とする吸収性物品。

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