WO2007010669A1

WO2007010669A1 - アルカリ乾電池

Info

Publication number: WO2007010669A1
Application number: PCT/JP2006/309936
Authority: WO
Inventors: Seiji Wada; Yasushi Sumihiro; Takeshi Okubo
Original assignee: Matsushita Electric Industrial Co., Ltd.
Priority date: 2005-07-15
Filing date: 2006-05-18
Publication date: 2007-01-25
Also published as: EP1914819A1; US20090197165A1; JP2007048730A

Abstract

　電池缶（２）内に正極合剤（４）とセパレータ（５）とゲル状負極（６）を収容し、前記ゲル状負極に貫入させた負極集電体（９）が貫通する内筒部（７ａ）と、電池缶の開口部内周に嵌合する外筒部（７ｂ）と、前記内筒部と外筒部とを連結する連結部（７ｃ）と、この連結部と前記内筒部との間に形成した薄肉部（８）とを有するガスケット（７）と、前記負極集電体の頭部（９ａ）に溶接され、外周縁が前記ガスケットの外筒部の内側に嵌合する負極端子板（１０）とから成る封口体（１１）を前記電池缶の開口部に嵌合し、この電池缶の開口部に形成した溝（１２）にて前記封口体を保持した状態で電池缶の開口縁を内側に折り曲げつつ軸方向にかしめて封口したアルカリ乾電池（１）において、前記ガスケットの連結部に、厚みが一定でかつ径方向中間部に屈曲部（７ｇ）を有する二段形状の環状円盤部（７ｆ）を設けたことにより、安全性と耐漏液性特性を維持しつつ、封口部の軸方向寸法を小さくして放電性能を向上させた。

Description

明細書

アルカリ乾電池

技術分野

[0001] 本発明はアルカリ乾電池に関し、特に封口部の補強ヮッシャを省略してその容積分電池の内容量を大きくして放電性能の向上を図ったアルカリ乾電池に関するものである。

背景技術

[0002] 従来、図 4A〜図 4Bに示すような構成のアルカリ乾電池 21が知られている（例えば、特許文献 1参照)。図 4A〜図 4Bにおいて、有底円筒状で底部に正極端子 23が突出形成されたスチール製の電池缶 22内に、二酸化マンガンと黒鉛を主構成物質とする円筒状の正極合剤 24が内周面に密接して収容され、その内側に有底円筒状のセパレータ 25を介して、ゲルイ匕した電解液に亜鉛粉末を分散させたゲル状負極 26 が収容されている。

[0003] 電池缶 22の開口部には、内筒部 27aと外筒部 27bとそれらの間を連結する連結部 27cを有するガスケット 27がセパレータ 25の開口端に当接させて嵌合配置されている。ガスケット 27の連結部 27cは、外筒部 27bの下端段部 27dから傾斜の小さい円錐筒状に垂下された短いスカート部 27eとその下端カも径方向内側に向けて若干上方に傾斜して延出された環状円盤部 27fにて形成され、その環状円盤部 27fの内周と内筒部 27a外周との間に防爆弁として機能する薄肉部 28が形成されている。このガスケット 27には、外筒部 27bの下端段部 27dと内筒部 27aの上端外周段部 27gとの間にわたって補強ヮッシャ 29が配置されている。ガスケット 27の内筒部 27aを貫通して負極集電体 30がゲル状負極 26内に貫入され、この負極集電体 30の頭部 30aに負極端子板 31が接続固定され、その外周部が補強ヮッシャ 29の外周部に当接されている。

[0004] そして、電池缶 22の開口端力も所定間隔あけた位置に形成された溝 32にてガスケット 27の外周部を支持した状態で電池缶 22の開口端部及びガスケット 27の外筒部 2 7bの上端部が径方向内側に力しめられ、その力しめ部 33にてガスケット 27の外筒部 27bの上端部が軸方向に圧縮され、ガスケット 27にて電池缶 22が封口されるとともに負極端子板 31が固定されている。また電池缶 22の外周面は熱収縮性の榭脂チューブ 34で被覆されている。

[0005] また、他のアルカリ電池として、電池缶の開口部を径大に形成し、その開口部に、内筒部と外筒部と連結部を有し、内筒部の外側に防爆弁として機能する薄肉部を形成したガスケットとその外筒部内に配置した端子板とから成る封口体を嵌合配置し、電池缶の開口部を径方向に圧縮しつつ開口縁を内側にかしめることによって封口するアルカリ電池にぉ、て、ガスケットの外筒部の内側に圧縮変形を吸収する緩衝部を設けることにより、上記径方向のかしめ時に作用する圧縮力によって薄肉部に応力が生じ、防爆弁の作動圧に影響を与えないようにしたものが知られている (例えば、特許文献 2参照)。

特許文献 1：特開 2000 - 3696号公報

特許文献 2：特開平 11― 86810号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0006] ところが、特許文献 1に記載された図 4A〜図 4Bに示すような構成のアルカリ乾電池では、ガスケット 27内に補強ヮッシャ 29を内蔵しているので、封口部の軸方向寸法が大きぐそれだけ電池缶 22の有効内容積力 S小さくなつており、電池の放電性能の向上を図る際の阻害要因になると!/、う問題があった。

[0007] そこで、補強ヮッシャを無くした封口構成にすることが考えられる力図 5に示すように、単純に補強ヮッシャを無くした構成とした場合には、ガスケット 27の外筒部 27bの上端部を内側に力しめ、軸方向に圧縮させた時に、外筒部 27bに発生した歪と応力が連結部 27cに伝播し、そのスカート部 27eを矢印 aに示すように径方向外方に強く引っ張る力が作用し、それがそのまま環状円盤部 27fを介して内筒部 27aとの間に形成されている薄肉部 28に伝播し、薄肉部 28に大きな応力が発生してクラックを生じ、耐漏液性特性が低下したり、防爆弁の作動圧に影響を与えて信頼性が低下するという問題が発生する。

[0008] なお、特許文献 2にお、ては、金属リング (補強ヮッシャ）を設けて!/、な、封口部構成において、径方向の力しめ時に作用する圧縮力で薄肉部に応力が発生するのを防止するため、外筒部の内側に、断面 V字状の切り込みを有して圧縮変形を吸収する緩衝部を設けた構成が開示されてヽるが、上記ガスケットの外筒部を軸方向に圧縮する図 4A〜図 4Bの構成のアルカリ乾電池とは封口の仕方が異なっており、そのまま適用できるものではな、。

[0009] そこで本発明は、上記従来の問題点に鑑み、安全性と耐漏液性特性を維持しつつ、封口部の軸方向寸法を小さくして放電性能の向上を図ることができるアルカリ乾電池を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0010] 上記目的を達成するための本発明のアルカリ乾電池は、電池缶内に正極合剤とセノルータとゲル状負極を収容し、ゲル状負極に貫入させた負極集電体が貫通する内筒部と電池缶の開口部内周に嵌合する外筒部と内筒部と外筒部を連結する連結部と連結部と内筒部の間に形成した薄肉部とを有するガスケットと、負極集電体の頭部に溶接され、外周縁がガスケットの外筒部の内側に嵌合する負極端子板とから成る封口体を電池缶の開口部に嵌合し、電池缶の開口部に形成した溝にて封口体を保持した状態で電池缶の開口縁を内側に折り曲げつつ軸方向にかしめて封口したァルカリ乾電池であって、ガスケットの連結部に、厚みが一定でかつ径方向中間部に屈曲部を有する二段形状の環状円盤部を設けたものである。

[0011] この構成によると、補強ヮッシャを設けていないので、封口部の軸方向寸法を小さくできて放電性能の向上を図ることができ、し力も封口時にガスケットの外筒部の端部が内側に折り曲げられつつ軸方向に圧縮変形されるのに伴って外筒部に発生した歪と応力が連結部に伝播されても、連結部に厚みが一定でかつ径方向中間部に屈曲部を有する二段形状の環状円盤部を設けていることで、その歪と応力が屈曲部での変形によって効果的に吸収され、封口によつて薄肉部に大きな応力が発生せず、薄肉部でのクラック発生を防止して耐漏液性特性が高ぐ防爆弁の作動圧が安定し、安全性と耐漏液性特性を維持することができる。

[0012] また、環状円盤部の傾斜方向並びに屈曲部の屈曲方向として、ガスケットの内筒部外周面と環状円盤部の屈曲部より内周側部分とが成す角度を Al、内筒部外周面と環状円盤部の屈曲部より外周側部分とが成す角度を A2として、 Alが A2より大きぐかつ 90° 以下となるようにすると、セパレータの開口端が当接する部分が凹形状となるため、ゲル状負極のこぼれをより確実に防止できて好適である。

[0013] また、角度差 (Al— A2)を 11〜22° とすることで、上記効果が確実かつ安定して得られるので好適である。

[0014] また、環状円盤部の屈曲部に角張った変曲点を設けることで、この変曲点に応力が集中して環状円盤部がより変形し易くなるため、封口時に外筒部力環状円盤部に伝播された歪と応力が一層効果的に吸収され、耐漏液性特性がさらに向上し、防爆弁の作動圧の一層の安定ィ匕を図ることができる。なお、角張った変曲点としては、変曲点の曲率半径を 0. 2mm以下にするのが好適である。

図面の簡単な説明

[0015] [図 1]図 1A〜図 1Bは、本発明の一実施形態のアルカリ乾電池を示し、図 1Aは縦断面図であり、図 1Bは要部拡大断面図である。

[図 2]図 2は、同実施形態においてガスケットの環状円盤部の屈曲部を角張り形状にした構成例の要部拡大断面図である。

[図 3]図 3は、比較例 1、 2及び実施例 1〜8の要部構成を示す断面図である。

[図 4]図 4A〜図 4Bは、従来例のアルカリ乾電池を示し、図 4Aは縦断面図であり、図

4Bは要部拡大断面図である。

[図 5]図 5は、従来例のアルカリ乾電池における補強ヮッシャを無くした構成例の要部拡大断面図である。

発明を実施するための最良の形態

[0016] 以下、本発明の一実施形態のアルカリ乾電池について、図 1A〜図 1Bを参照して説明する。

[0017] 図 1A〜図 1Bにおいて、 1はアルカリ乾電池で、有底円筒状で底部に正極端子 3が突出形成されたスチール製の電池缶 2内に、二酸化マンガンと黒鉛を主構成物質とする円筒状の正極合剤 4が内周面に密接して収容され、その内側に有底円筒状のセパレータ 5を介して、ゲルイ匕した電解液に亜鉛粉末を分散させたゲル状負極 6が収容されている。電池缶 2の開口部には、内筒部 7aと外筒部 7bとそれらの間を連結する連結部 7cを有するガスケット 7がセパレータ 5の開口端に当接させて嵌合配置されている。連結部 7cの内周と内筒部 7aの外周との間には防爆弁として機能する薄肉部 8が形成されている。このガスケット 7の内筒部 7aを貫通して負極集電体 9がゲル状負極 6内に貫入され、その頭部 9aに負極端子板 10が接続固定されている。負極端子板 10の外周部には短い垂下筒部 10aを介してフランジ部 10bが設けられ、そのフランジ部 10bの外周がガスケット 7の外筒部 7b内周に嵌合され、これらガスケット 7と負極端子板 10にて封口体 11が構成されて、る。

[0018] そして、電池缶 2の開口端力も所定間隔あけた位置に形成された溝 12にて封口体 11の外周部、即ちガスケット 7の外筒部 7b下端を支持した状態で電池缶 2の開口端部及びガスケット 7の外筒部 7bの上端部が径方向内側に力しめられ、そのかしめ部 1 3にてガスケット 7の外筒部 7bの上端部が軸方向に圧縮され、ガスケット 7と負極端子板 10力も成る封口体 11にて電池缶 2が封口されるとともにその負極端子板 10が固定されて!/、る。また電池缶 2の外周面は熱収縮性の榭脂チューブ 14で被覆されてヽる。

[0019] 以上の構成のアルカリ乾電池 1において、ガスケット 7の連結部 7cが、図 1Bに詳細に示すように、外筒部 7bの下端内周に設けられた段部 7dから傾斜の小さ、円錐筒状に垂下された短いスカート部 7eとその下端カも径方向内側に向けて若干上方に傾斜して延出された環状円盤部 7fにて形成されている。さらにその環状円盤部 7fは、厚みが一定でかつ径方向中間部に屈曲部 7gを有する二段形状に形成されている。そして、ガスケット 7の内筒部 7a外周面と、環状円盤部 7fの屈曲部 7gより内周側部分とが成す角度を A1、環状円盤部 7fの屈曲部 7gより外周側部分とが成す角度を A 2として、 A1は 90° 以下、 A1と A2の角度差 (Al— A2)が 11〜22° に設定されている。

[0020] 以上の構成によれば、封口時にガスケット 7の外筒部 7bの端部が内側に折り曲げられつつ軸方向に圧縮変形されるのに伴って外筒部 7bに発生した歪と応力が連結部 7cに伝播され、そのスカート部 7eを径方向外方に引っ張る大きな力が作用しても、連結部 7cの環状円盤部 7fが一定厚みでかつ径方向中間部に屈曲部 7gを有する二段形状に形成されていることで、その歪と応力が屈曲部 7gでの変形によって効果的に吸収されるので、封口によつて薄肉部 8に大きな応力が発生せず、耐漏液性特性が高ぐ防爆弁の作動圧が安定し、安全性と耐漏液性特性を維持できる。しかも、その封口体 11には補強ヮッシャを設けてヽな、ので、封口部の軸方向寸法を小さくでき、その分電池缶 2の有効内容積を大きくできて、放電性能の向上を図ることができる。

[0021] また、環状円盤部 7fの傾斜方向及び屈曲部 7gの屈曲方向として、内筒部 7aの外周面と環状円盤部 7fの屈曲部 7gより内周側部分とが成す角度 A1を鈍角としたり、内筒部 7aの外周面と環状円盤部 7fの屈曲部 7gより外周側部分とが成す角度 A2を A1 より大きくすることも考えられるが、 A1を 90° 以下としかつ A2を A1より小さくすることで、セパレータ 5の開口端が当接する部分が凹形状となるため、ゲル状負極 6のこぼれをより確実に防止できて好適である。また、 A1と A2との角度差 (Al— A2)を 11〜 22° とすることで、上記作用が確実に得られて好適である。

[0022] さらに、環状円盤部 7fの屈曲部 7gにおいて、図 2に詳細に示すように、その電池缶内側面に曲率半径 Rが 0. 2mm以下の鋭く角張った形状の変曲点を設けるのが好適である。このように屈曲部 7gに角張った変曲点を設けることで応力が集中して屈曲部 7gがより変形し易くなり、そのため封口時に外筒部 7bから環状円盤部 7fに伝播された歪と応力が一層効果的に吸収され、耐漏液性特性がさらに向上し、防爆弁の作動圧の一層の安定ィ匕を図ることができる。

実施例

[0023] 次に、本発明の実施例と、比較例としての従来例について説明する。

[0024] 図 3に示すように、

比較例 1として：図 4A〜図 4Bの従来構成のアル力リ乾電池を準備し、

比較例 2として：図 5の構成のアルカリ乾電池を作成し、

実施例 1として：図 1 A〜図 1 Bの構成のアル力リ乾電池 1において、角度 A 1を 79° 、角度 A2を 74° とした乾電池を作成し、

実施例 2として：図 1A〜図 1Bの構成のアルカリ乾電池 1において、角度 A1を 79° 、角度 A2を 68° とした乾電池を作成し、

実施例 3として：図 1A〜図 1Bの構成のアルカリ乾電池 1において、角度 A1を 79° 、角度 A2を 57° とした乾電池を作成し、

実施例 4として：図 1A〜図 1Bの構成のアルカリ乾電池 1において、角度 A1を 79° 、角度 A2を 50° とした乾電池を作成し、

実施例 5として:屈曲部が図 2のように角張った形状の実施例 1と同様の乾電池を作成し、

実施例 6として:屈曲部が図 2のように角張った形状の実施例 2と同様の乾電池を作成し、

実施例 7として:屈曲部が図 2のように角張った形状の実施例 3と同様の乾電池を作成し、

実施例 8として：屈曲部が図 2のように角張った形状の実施例 4と同様の乾電池を作成し、

これら比較例 1、 2及び実施例 1〜8のアルカリ乾電池について、以下の評価試験を行った。

[0025] 耐漏液特性試験として：

1)ヒートショック（80°C環境下に 12時間、 20°C環境下に 12時間の交互繰り返し)保存

2) 80°C恒温保存

を、それぞれ 100個の乾電池について 1〜4ヶ月にわたつて行い、各月経過後に漏液した乾電池の数をチェックした。

[0026] 放電性能試験として：

1 ) 1 OOOmA lOspm/ 1 hpd ( 1分間のうち 10秒を 1 OOOmAで放電

し、残り 50秒はオフのノルスを 1日 1時間放電)放電

2) 1000mA連続放電

3) 100mA連続放電

を行、、比較例 1の放電時間を 100として相対評価した。

[0027] 安全性試験として：

1) 1個直列ショート試験（1個の電池を常温雰囲気でショート）

2) 4個直列ショート試験 (電池を 4個直列にして常温雰囲気でショート） 3) 1Z4個逆接ショート試験 (4個直列の内 1個を逆接し、常温雰囲気でショート) を 20セットについて行い、破裂数をチェックした。

[0028] [表 1]

表 1に、比較例 1 2及び実施例 1 8について、上記耐漏液特性試験、放電性能試験及び安全性試験の結果を示した。

[0029] 表 1から、補強ヮッシャのある比較例 1に比して補強ヮッシャのな、比較例 2及び実施例 1 8は放電性能力 10 25%向上している。また、屈曲部の角度 0° 、すなわち屈曲部のない比較例 2に比して、屈曲部を有する実施例 1 8では、漏液評価で改善が見られるが、実施例 4 8のようにあまり屈曲部での角度差が大き過ぎると、漏液評価でも安全性でも好ましくない傾向が生じている。また、実施例 1 5のように屈曲部での角度差力、さい場合には漏液評価での改善効果が小さいことが分かる。そして、実施例 2 3 6 7のように屈曲部での角度差を 11 22° とすることで、漏液評価でも安全性評価でも補強ヮッシャを有する従来例と同様の効果が維持されている。さらに、屈曲部を角張った形状にした実施例 5 8、特に実施例 5と 8においては、屈曲部の曲率半径 Rが 0. 4mmで角張り形状に形成していない実施例 1 4、特に実施例 1と 4に対して漏液評価及び安全性評価で大きな改善が認められる。

産業上の利用可能性

[0030] 以上説明したとおり本発明のアルカリ乾電池によれば、ガスケットの連結部に、厚みが一定でかつ径方向中間部に屈曲部を有する二段形状の環状円盤部を設けたことで、封口時に外筒部に発生した歪と応力が屈曲部での変形によって効果的に吸収され、封口によつて薄肉部に大きな応力が発生せず、耐漏液性特性が高ぐ防爆弁の作動圧が安定し、安全性と耐漏液性特性を維持でき、しかも補強ヮッシャを設けず、封口部の軸方向寸法を小さくできるので、放電性能の向上を図ることに好適である。

Claims

請求の範囲

[1] 1.電池缶（2)内に正極合剤 (4)とセパレータ（5)とゲル状負極 (6)を収容し、前記ゲル状負極に貫入させた負極集電体 (9)が貫通する内筒部（7a)と、電池缶の開口部内周に嵌合する外筒部（7b)と、前記内筒部と外筒部とを連結する連結部（7c)と、この連結部と前記内筒部との間に形成した薄肉部（8)とを有するガスケット（7)と、前記負極集電体の頭部（9a)に溶接され、外周縁が前記ガスケットの外筒部の内側に嵌合する負極端子板（10)とから成る封口体（ 11)を前記電池缶の開口部に嵌合し、この電池缶の開口部に形成した溝（12)にて前記封口体を保持した状態で電池缶の開口縁を内側に折り曲げつつ軸方向にかしめて封口したアルカリ乾電池であって、前記ガスケットの連結部に、厚みが一定でかつ径方向中間部に屈曲部（7g)を有する二段形状の環状円盤部（7f)を設けたアルカリ乾電池。

[2] 2.ガスケット（7)の内筒部（7a)外周面と環状円盤部（7f)の屈曲部（7g)より内周側部分とが成す角度を Al、内筒部外周面と環状円盤部の屈曲部より外周側部分とが成す角度を A2として、 A1が A2より大きぐかつ 90° 以下である請求項 1に記載のァルカリ乾電池。

[3] 3.角度差 (Al— A2)が 11〜22° である請求項 2に記載のアルカリ乾電池。

[4] 4.環状円盤部（7f)の屈曲部（7g)に角張った変曲点を設けた請求項 1〜3の何れか一項に記載のアルカリ乾電池。