JP4028700B2 - アルカリ乾電池 - Google Patents
アルカリ乾電池 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4028700B2 JP4028700B2 JP2001239411A JP2001239411A JP4028700B2 JP 4028700 B2 JP4028700 B2 JP 4028700B2 JP 2001239411 A JP2001239411 A JP 2001239411A JP 2001239411 A JP2001239411 A JP 2001239411A JP 4028700 B2 JP4028700 B2 JP 4028700B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- terminal plate
- battery case
- outer peripheral
- battery
- cylindrical portion
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Classifications
-
- Y02E60/12—
Landscapes
- Sealing Battery Cases Or Jackets (AREA)
- Primary Cells (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルカリ乾電池に関するもので、特に高容量にしたアルカリ乾電池の封口部の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
アルカリ乾電池は、高濃度のか性カリ水溶液を電解液として用いるため、僅かな隙間があっても電解液がその隙間を伝わるクリーピングにより漏液を起こしやすい。近年、情報端末機をはじめ各種電子機器の小型・軽量化に伴いそれらの電源としてアルカリ乾電池が多用されるようになり、高容量化とともにそれら機器の信頼性にかかわる耐漏液性に関し、さらなる長期信頼性が強く要請されている。
【0003】
従来のアルカリ乾電池の構造を図5に示す。
1は鋼製の電池ケースであり、その底部突出部は正極端子となっている。電池ケース1内には、二酸化マンガンと黒鉛を主とする円筒形の正極合剤2が挿入されている。正極合剤2の内側には、セパレータ3を介して、アルカリ電解液とゲル化剤と亜鉛合金粉末からなるゲル状負極4が充填されている。ゲル状負極4に挿入される負極集電子5は、頂部に負極端子板6を接合して樹脂製封口体7に組み合わされる。
【0004】
封口体7は、図6に示すように、負極集電子5を嵌合させて保持する中央筒部8、外周筒部19、および両筒部を連結する肉薄部10を有し、例えばナイロンの射出成形により作られたものである。外周筒部19は、負極端子板6の周縁部を受ける水平部分19bと、その周縁部から上方に立ち上がる立ち上がり部分19cと、水平部分から下方へ傾斜して伸びる肉厚部19aからなる。肉薄部10は、電池内圧が異常に上昇したときに破断し、負極端子板6の透孔(図示しない)からガスを放出させる安全弁を構成する。
【0005】
電池ケース1は、発電要素を収容した後、開口部近傍に段部1aが設けられる。そして、電池ケース1に、負極集電子5および負極端子板6を組み合わせた封口体7をセットし、電池ケースの開口端を折り曲げて封口体7の立ち上がり部19cの上端を包み込んで内方へかしめる。これによって、負極端子板6の周縁部は外周筒部19を介して電池ケース1の開口端により締め付けられ、電池ケースは液密に密閉される。
【0006】
この種のアルカリ乾電池では、電池ケースの開口端を封口体の外周筒部を包み込んでかしめる際、その応力が封口体の肉厚部19a先端側にかかり、そのために肉厚部19aに連なる肉薄部10にストレスクラックが発生し、漏液を起こす不都合がある。そこで、従来は、端子板の厚みを厚くしたり、端子板と封口体との間に座金を挿入したりして、かしめる際の応力が封口体の肉厚部先端側に伝搬するのを防止していた。しかし、端子板の厚みを厚くしたり座金を付加したりすることは材料コストを引き上げたり組立工数が増加したりするなどの問題が生じるばかりでなく、耐漏液性について十分な信頼性を得ることはできなかった。封口体に用いるナイロンは、強アルカリ水溶液により加水分解を受けやすく、特に応力が加わるとそれが加速され、ストレスクラックによる漏液に至ると想定される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような不都合をなくし、封口体のストトレスクラックによる漏液のない信頼性の優れたアルカリ乾電池を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のアルカリ乾電池は、発電要素を収容した金属製電池ケース、前記電池ケースの開口部を封じる端子板および樹脂製封口体を具備し、前記封口体が、前記端子板と接合された負極集電体を保持する中央筒部、前記電池ケースの開口端と端子板との間に介在する外周筒部、および安全弁として働く肉薄部を有し、前記電池ケースの開口端が前記封口体の外周筒部の上端を包み込むように折り曲げられ、その折り曲げ部が内方へかしめられて前記端子板の周縁部を締め付けたアルカリ乾電池であって、前記封口体の外周筒部が、前記端子板の周縁部下面を受ける部分と、前記端子板の周縁部上面を押さえる部分とに分割されていることを特徴とする。
本発明は、また、発電要素を収容した金属製電池ケース、前記電池ケースの開口部を封じる端子板および樹脂製封口体、並びに前記端子板と樹脂製封口体との間に介在させた金属ワッシャを具備し、前記封口体が、前記端子板と接合された負極集電体を保持する中央筒部、前記電池ケースの開口端と端子板との間に介在する外周筒部、および安全弁として働く肉薄部を有し、前記電池ケースの開口端が前記封口体の外周筒部の上端を包み込むように折り曲げられ、その折り曲げ部が内方へかしめられて前記端子板の周縁部を締め付けたアルカリ乾電池であって、前記封口体の外周筒部が、前記金属ワッシャの周縁部下面を受ける部分と、前記端子板の周縁部上面を押さえる部分とに分割されていることを特徴とするアルカリ乾電池を提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】
上記のように、本発明のアルカリ乾電池は、電池ケースの開口端の折り曲げ部により上端部が包み込まれる封口体の外周筒部が、端子板または金属ワッシャの周縁部下面を受ける部分と、端子板の周縁部上面を押さえる部分とに分割されている。このため電池の封口に当たって、電池ケースの開口端を折り曲げる際の応力が外周筒部の下方へ伝搬することがない。よって、封口体の肉薄部にストレスクラックの発生がなくなり、長期保存によっても漏液が抑制される。
以下に、本発明をその実施の形態を示す図面を参照して詳しく説明する。
【0010】
実施の形態1
図1は、本実施の形態に係るアルカリ乾電池の要部を断面にした正面図である。鋼製の電池ケース1内には、二酸化マンガンと黒鉛を主とする円筒形の正極合剤2、セパレータ3、アルカリ電解液とゲル化剤と亜鉛合金粉末からなるゲル状負極4が充填されている。樹脂製封口体7はナイロンの射出成形により作られたもので、図2に示すように、中央筒部8、外周筒部9、および両者を連結する肉薄部10からなる。そして、外周筒部9は、負極端子板6の周縁部下面を受ける水平部分9bと、その周縁部から上方へ立ち上がった立ち上がり部9cとからなる断面L字状の部分と、負極端子板6の周縁部上面を押さえるための、前記立ち上がり部9cに内接するリング状の部分9dとに分割されている。水平部分9bには肉厚部9aが連なっている。
【0011】
上記のように、封口体7は、その外周筒部9が、負極端子板6の周縁部の下面を受ける断面L字状の部分と、負極端子板6の周縁部の上面を押さえるリング状の部分9dとに分割されているから、封口時に電池ケース1の開口端を内側に折り曲げてかしめたとき、外周筒部の立ち上がり部9cを内方へ過度に屈曲させる必要がない。従って、肉厚部9aの下端が外側へ引っ張られるような強い応力はかからず、肉薄部10にストレスクラックが発生するのを防止することができる。
【0012】
実施の形態2
図3は、本実施の形態における封口体の構造を示す。この実施の形態においては、封口体の外周筒部11は、水平部分11aとその上面のほぼ中央から上方へ突出して負極端子板6の端面に当接する突部11bを有する部分と、負極端子板6の周縁部上面および前記突部11bを覆う水平部分と前記突部の外周を覆う部分からなるリング状の部分とに分割されている。水平部分11aには肉厚部9aが連なっている。本実施の形態においても、封口時に電池ケース1の開口端を内側に折り曲げてかしめたとき、肉厚部9aの下端が外側へ引っ張られるような強い応力はかからず、肉薄部10にストレスクラックが発生するのを防止することができる。
【0013】
実施の形態3
図4は、本実施の形態におけるアルカリ乾電池の要部を断面にした正面図である。図1と異なるのは、負極端子板12の厚みを薄くし、負極端子板12と封口体7との間に金属ワッシャ13を設けたことである。そして、金属ワッシャ13の周縁部を封口体の外周筒部9の水平部上に載せ、金属ワッシャの周縁部上には、負極端子板12の周縁部を載せ、その上に分割されたリング状の部分9dを電池ケース1の開口端の折り曲げ部によりかしめつけている。図では、負極端子板12の外径が金属ワッシャ13のそれと同じとしているが、もっと短くしてもよい。負極端子板12の周縁部は、リング状の部分9dを介して電池ケースの開口端部により金属ワッシャ13上へ密着する構造であればよい。この金属ワッシャを用いた構造においても、図3のような構造の封口体を用いることもできる。
【0014】
【実施例】
以下本発明の実施例を説明する。
実施の形態1および実施の形態2に示す構造の単3形アルカリ乾電池aおよびb、並びに図4に示す構造の従来の単3形アルカリ乾電池について、温度45℃および60℃の環境下に保存した際の漏液発生状況を調べた。その結果をそれぞれ表1および表2に示す。表1および表2から明らかなように、本発明のアルカリ乾電池は、耐漏液性に極めて優れている。
【0015】
【表1】
【0016】
【表2】
【0017】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、耐漏液性に優れたアルカリ乾電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るアルカリ乾電池の要部を切欠した正面図である。
【図2】同電池の封口体、集電子および端子板の組立体の一部を断面にした正面図である。
【図3】本発明の他の実施の形態に係るアルカリ乾電池の封口体、集電子および端子板の組立体の一部を断面にした正面図である。
【図4】本発明の他の実施の形態に係るアルカリ乾電池の要部を切欠した正面図である。
【図5】従来のアルカリ乾電池の要部を切欠した正面図である。
【図6】同電池の封口体、集電子および端子板の組立体の一部を断面にした正面図である。
【符号の説明】
1 電池ケース
2 正極合剤
3 セパレータ
4 ゲル状負極
5 負極集電子
6、12 負極端子板
7 封口体
8 中央筒部
9、11 外周筒部
9a 肉厚部
9b、11a 水平部分
9c、11c 立ち上がり部
9d リング状部
10 肉薄部
11b 突部
13 金属ワッシャ
Claims (4)
- 発電要素を収容した金属製電池ケース、前記電池ケースの開口部を封じる端子板および樹脂製封口体を具備し、前記封口体が、前記端子板と接合された負極集電体を保持する中央筒部、前記電池ケースの開口端と端子板との間に介在する外周筒部、および安全弁として働く肉薄部を有し、前記電池ケースの開口端が前記封口体の外周筒部の上端を包み込むように折り曲げられ、その折り曲げ部が内方へかしめられて前記端子板の周縁部を締め付けたアルカリ乾電池であって、前記封口体の外周筒部が、前記端子板の周縁部下面を受ける部分と、前記端子板の周縁部上面を押さえる部分とに分割されていることを特徴とするアルカリ乾電池。
- 前記封口体の外周筒部において、前記端子板の周縁部下面を受ける部分が、水平部分とその周縁部から上方へ立ち上がった立ち上がり部とからなる断面L字状に構成され、前記端子板の周縁部上面を押さえる部分が、前記立ち上がり部に内接するリング状に構成された請求項1記載のアルカリ乾電池。
- 前記封口体の外周筒部において、前記端子板の周縁部下面を受ける部分が、水平部分とその中央から上方へ突出して前記端子板の端面に当接する突部とから構成され、前記端子板の周縁部上面を押さえる部分が、前記端子板の周縁部上面および前記突部を覆う水平部分と前記突部の外周を覆う部分からなるリング状に構成された請求項1記載のアルカリ乾電池。
- 発電要素を収容した金属製電池ケース、前記電池ケースの開口部を封じる端子板および樹脂製封口体、並びに前記端子板と樹脂製封口体との間に介在させた金属ワッシャを具備し、前記封口体が、前記端子板と接合された負極集電体を保持する中央筒部、前記電池ケースの開口端と端子板との間に介在する外周筒部、および安全弁として働く肉薄部を有し、前記電池ケースの開口端が前記封口体の外周筒部の上端を包み込むように折り曲げられ、その折り曲げ部が内方へかしめられて前記端子板の周縁部を締め付けたアルカリ乾電池であって、前記封口体の外周筒部が、前記金属ワッシャの周縁部下面を受ける部分と、前記端子板の周縁部上面を押さえる部分とに分割されていることを特徴とするアルカリ乾電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001239411A JP4028700B2 (ja) | 2001-08-07 | 2001-08-07 | アルカリ乾電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001239411A JP4028700B2 (ja) | 2001-08-07 | 2001-08-07 | アルカリ乾電池 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003051295A JP2003051295A (ja) | 2003-02-21 |
JP4028700B2 true JP4028700B2 (ja) | 2007-12-26 |
Family
ID=19070171
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001239411A Expired - Fee Related JP4028700B2 (ja) | 2001-08-07 | 2001-08-07 | アルカリ乾電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4028700B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11817591B2 (en) | 2020-05-22 | 2023-11-14 | Duracell U.S. Operations, Inc. | Seal assembly for a battery cell |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007048730A (ja) * | 2005-07-15 | 2007-02-22 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | アルカリ乾電池 |
KR102263435B1 (ko) | 2017-09-13 | 2021-06-11 | 주식회사 엘지에너지솔루션 | 비딩부가 생략된 원통형 전지셀 |
-
2001
- 2001-08-07 JP JP2001239411A patent/JP4028700B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11817591B2 (en) | 2020-05-22 | 2023-11-14 | Duracell U.S. Operations, Inc. | Seal assembly for a battery cell |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2003051295A (ja) | 2003-02-21 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5425526B2 (ja) | 密閉電池 | |
JP3673275B2 (ja) | 電気化学セル用電流コレクタ組立体 | |
US8940422B2 (en) | Sealed battery | |
JP5707568B2 (ja) | アルカリ電池 | |
JP5001497B2 (ja) | 電気化学的電池のための集電子シールアセンブリ | |
WO2007010669A1 (ja) | アルカリ乾電池 | |
JP4507159B2 (ja) | 密閉型電池 | |
JP4028700B2 (ja) | アルカリ乾電池 | |
JP4444394B2 (ja) | 電池 | |
JP3131145U (ja) | ボタン型アルカリ電池 | |
US3834942A (en) | Sealed galvanic battery cell and method for its manufacture | |
JP3761770B2 (ja) | アルカリ乾電池 | |
JP3077215B2 (ja) | 電 池 | |
JP4577702B2 (ja) | 扁平形空気電池 | |
JP2006202637A (ja) | アルカリ電池 | |
JP2008004428A (ja) | アルカリ乾電池 | |
JP2002373711A (ja) | ボタン型空気亜鉛電池およびその製造方法 | |
JP4958161B2 (ja) | アルカリ乾電池 | |
JP2002260624A (ja) | 制御弁式鉛蓄電池 | |
JP2003346781A (ja) | 制御弁式鉛蓄電池 | |
JP3654947B2 (ja) | 角形電池 | |
JP2587244Y2 (ja) | マンガン乾電池 | |
JPS61147453A (ja) | 密閉形電池 | |
CN111261808A (zh) | 一种密封壳体结构、电池和电子设备 | |
JP2002075315A (ja) | アルカリ乾電池 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050119 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20070524 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20070913 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20071012 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101019 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |