WO2006126452A1

WO2006126452A1 - ボールねじ、運動案内装置

Info

Publication number: WO2006126452A1
Application number: PCT/JP2006/310006
Authority: WO
Inventors: Soshi Miyahara
Original assignee: Thk Co., Ltd.
Priority date: 2005-05-24
Filing date: 2006-05-19
Publication date: 2006-11-30
Also published as: TWI351476B; JP5178889B2; JP2011214723A; JP4954065B2; CN101184935A; TW200706774A; JPWO2006126452A1; CN101184935C; DE112006001364T5; DE112006001364B4; CN101776135A; CN101776135B; CN101184935B

Abstract

　高ＤＮ値でボールねじを高速回転させても、舟底掬い部に摩耗が発生し難いボールねじ、及び運動案内装置を提供する。　ボールねじの循環部材２８に、循環路２５の内方に向かって徐徐に幅が狭くなる溝４１を有する舟底掬い部４２を設ける。ねじ軸２１のボール転走溝２１ａを転がるボール２３を舟底掬い部４２の溝４１の両側で抱え込みながら循環部材２８の循環路２５内に掬い上げる。そして、舟底掬い部４２に、ねじ軸２１のボール転走溝２１ａ内に突出するリップ部４３を設ける。舟底掬い部４２がねじ軸２１のボール転走溝２１ａからボール２３を掬い上げ始める掬いポイントＰにて、舟底掬い部４２及びリップ部４３の両方がボール２３に接触する。

Description

明細書

ボールねじ、運動案内装置

技術分野

[0001] 本発明は、ねじ軸とナットとの間に転がり運動可能にボールを介在させたボールねじ、又は軌道部材とスライド部材との間に転がり運動可能にボールを介在させた運動案内装置に関する。

背景技術

[0002] ねじ軸とナットとの間に転がり運動可能にボールを介在させたボールねじは、すべり接触するねじに比べて、ナットに対してねじ軸を回転させる際の摩擦係数を低減できるので、工作機械の位置決め機構、自動車のステアリング、案内装置、運動用ねじ等の様々な分野で実用化されて、る。

[0003] ボールねじは、ねじ軸の螺旋状のボール転走溝とナットのボール転走溝とを同一位置に合わせ、それで生じた溝の中に複数のボールを入れ、ナットの循環部材にボールを循環させるための循環路を形成したものである。ねじ軸のボール転走溝を転がるボールは、図 1に示される循環部材 1のリップ部 2 (舌部とも呼ばれる、以下同様）に接触して、循環部材の循環路内に掬い上げられる。

[0004] し力しながら、工作機械等の高速送りの要求に伴い、ボールねじも高速回転されることが多くなつてきた。従来のボールねじにあっては、ボールねじを高速回転させた場合（ねじ軸の 1分間あたりの回転数にボールの回転径を掛けた値である DN値が回転の速さの目安に使用される）、ボールのリップ部への衝突の繰り返しで、循環部材 1のリップ部 2の根元に応力集中が発生し、これが原因でリップ部 2が金属疲労を起こして破損することがあった。

[0005] この問題を解決するために、出願人は、リップ部 2を設けなくても、ボールを掬い上げることができるボールねじを提案した (特許文献 1、参照)。それは、図 2に示されるように、循環部材 3の両端部に、徐々に幅が狭くなる溝力なる舟底掬い部 4を設けたもので、ボール 5を舟底掬い部 4の溝の両側で徐々に抱え込みながら循環路内に掬い上げる。破損し易いリップ部 2を設けなくてもボール 5を掬い上げられるので、この発明は、高速回転するボールねじに現実的に応用されてきている。

[0006] さらに、出願人は、舟底掬い部をより進化させた特許文献 2に記載の発明を提案した。この発明は、図 3に示されるように、ボール 5間に介在されたスぺーサ 6が舟底掬い部 4に嚙み込まれるのを防止することを目的とする。そして、図 4に示されるように、舟底掬、部 4の底部にボール 5に接触することなくスぺーサ 6にのみ接触するスぺーサ掬い部 7を設け、スぺーサ 6の嚙み込みを防止している。ここで、ボール 5との接触を避けるために、スぺーサ掬い部 7の内周面 8は循環路の内周面 9に対して先端に向かって外側に (言、換えればラッパ状に)傾斜して、る。

[0007] 特許文献 1 :特開 2000— 18359号公報

特許文献 2：特開 2004 - 28192号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0008] し力しながら、最近更なる高い DN値でボールねじを高速回転させる要求が生じてきた。発明者は、更なる高い DN値で長時間ボールねじを回転させた後の舟底掬い部を観察し、舟底掬い部にどのような影響が生じるのかを調べた。すると、ボールを掬い上げる舟底掬い部 4が異常摩耗し、舟底掬い部 4の溝幅が徐徐に広くなり、この結果、図 5 (A)に示されるように、舟底掬い部 4がねじ軸のボール転走溝カゝらボールを掬い上げ始める掬いポイント 10が徐徐に循環路の内方に向かって移動することを知見した。そして、この舟底掬い部 4の異常摩耗によって、最終的にボールがスぺーサ掬、部 7に当たってしま、、あた力も従来のリップ部 2 (図 1参照）でボールを掬ヽ上げるのと同様に、スぺーサ掬い部 7でボールを掬い上げるようになり、最終的にはボールの衝突によってスぺーサ掬い部 7が破損することを知見した。

[0009] 舟底掬、部 4の摩耗は、図 5 (A)に示されるように、ボール 5がねじ軸のボール転走溝力循環部材の循環路 11へと掬い上げられるときに生じるものと、これと反対に、図 5 (B)に示されるように、ボール 5が循環部材の循環路 11からねじ軸へと戻されるときに生じるものとに分けて考えることができる。まず、図 5 (A)に示されるように、ボール 5がねじ軸のボール転走溝力循環部材の循環路 11へと掬い上げられるときに生じる摩耗について説明する。循環路 11をねじ軸の接線方向に配置し、ボール 5をねじ軸の接線方向に掬、上げると、理論上は舟底掬、部 4に無理な力が力からな、。しかしながら実際には、ボール 5が掬い上げられるときに、ボール 5がねじ軸の軸線方向に僅かに落ち込み、舟底掬、部 4の掬、ポイント 10でボール 5が循環路 1 1内に掬い上げられるという軌道が確認される。このため、ボール 5を高速で移動させると、ボール 5がスぺーサ掬!、部 7に接触し、これが原因でスぺーサ掬!、部 7が摩耗する。

[0010] 他方、図 5 (B)に示されるように、ボール 5が循環部材からねじ軸のボール転走溝へ戻されるとき、ナットとねじ軸の間に介在されるボールには予圧が力かっているから、循環部材の循環路 1 1内で後方のボール 5が前方のボール 5を押しながら、前方のボール 5がナットとねじ軸の間に入っていく。ここで、スぺーサ掬い部 7は循環路 1 1の内周面に対して所定の傾斜角度 ex ( aは 10度程度)で傾けられているので、その分循環路 1 1内でのボール 5の移動空間も大きくなり、図 5 (B)に示されるように、後方のボール 5aが、千鳥足のようによろめきながら前方のボール 5を押すことになる。このボール 5の蛇行現象によって、一つ置きのボール 5が舟底掬い部 4を押す。この一つ置きのボールが舟底掬い部 4を押す分力が原因で舟底掬い部 4に摩耗が発生し易くなる。図 6は、舟底掬い部に生じた摩耗状況の一例示す。舟底掬い部 4の底部 4aに向力つて摩耗が生じて、るのがわかる。

[0011] 発明者は、舟底掬、部 4の摩耗が原因で、ボールとスぺーサ掬、部 7とが接触して、スぺーサ掬い部が破損するのを防止するために、スぺーサ掬い部 7の傾斜角度 α を従来の 10度よりも大きい 15度に変更してみた。しかし、やはり同じことが起きてしまつた。つまり、スぺーサ掬い部 7の傾斜角度をいくら増やしても、根本的な問題解決にはならない。

[0012] そこで、本発明は、高 DN値でボールねじを高速回転させても、舟底掬い部に摩耗が発生し難いボールねじ、及び運動案内装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0013] 以下、本発明について説明する。本発明の理解を容易にするために添付図面の参照番号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものでない。

[0014] 上記課題を解決するために請求項 1に記載の発明は、外周面に螺旋状のボール転走溝 (21a)が形成されるねじ軸（21)と、内周面に前記ねじ軸（21)の前記ボール転走溝（21a)に対向する螺旋状の負荷ボール転走溝（22a)が形成されるナット（22 )と、前記ねじ軸（21)のボール転走溝 (21a)と前記ナット（22)の負荷ボール転走溝 (22a)との間に介在される複数のボール（23)と、前記ねじ軸（21)のボール転走溝 ( 21a)と前記ナット（22)の前記負荷ボール転走溝（22a)との間を転がるボール（23) を循環させる循環路（25)を有する循環部材（28)と、を備えるボールねじにぉ、て、前記循環部材 (28)に、前記循環路（25)の内方に向かって徐徐に幅が狭くなる溝（ 41)を有する舟底掬!ヽ部 (42)を設け、前記ねじ軸（21)のボール転走溝 (21a)を転力前記ボール（23)を前記舟底掬!、部 (42)の溝 (41)の両側で抱え込みながら前記循環部材 (28)の前記循環路（25)内に掬い上げ、前記舟底掬い部 (42)に、前記ねじ軸（21)のボール転走溝（21a)内に突出するリップ部 (43)を設け、前記舟底掬

V、部 (42)が前記ねじ軸（21)のボール転走溝 (21a)力前記ボール（23)を掬、上げ始める掬、ポイント (P)にて、前記舟底掬、部 (42)及び前記リップ部 (43)の両方が前記ボール（23)に接触することを特徴とする。

[0015] 請求項 2に記載の発明は、請求項 1に記載のボールねじにおいて、前記リップ部（4 3)に、前記循環部材（28)の内周面に対して、先端に向力つて外側に傾斜させたテーパ面 (43b)を形成し、前記掬、ポイント (P)にて、前記リップ部 (43)の前記テーパ面 (43b)が前記ボール (23)に接触することを特徴とする。

[0016] 請求項 3に記載の発明は、外周面に螺旋状のボール転走溝（21a)が形成されるねじ軸（21)と、内周面に前記ねじ軸（21)のボール転走溝（21a)に対向する螺旋状の負荷ボール転走溝 (22a)が形成されるナット（22)と、前記ねじ軸 (21)のボール転走溝（21a)と前記ナット（22)の負荷ボール転走溝（22a)との間に介在される複数のボール（23)と、前記ねじ軸（21)のボール転走溝 (21a)と前記ナット (22)の負荷ボール転走溝 (22a)との間を転がるボール（23)を循環させる循環路（25)を有する循環部材（28)と、を備えるボールねじにおいて、前記循環部材（28)に、前記循環路（25 )の内方に向かって徐徐に幅が狭くなる溝 (41)を有する舟底掬!ヽ部 (42)を設け、前記ねじ軸（21)の前記ボール転走溝（21a)を転がる前記ボール（23)を前記舟底掬

V、部 (42)の溝 (41)の両側で抱え込みながら前記循環部材 (28)の前記循環路（25 )内に掬い上げ、前記舟底掬い部 (42)に、前記ねじ軸（21)の前記ボール転走溝（2 la)内に突出するリップ部 (43)を設け、前記リップ部 (43)は、基部 (43a)と、先端部 (43b)と、を有し、前記基部 (43a)の内周面は、前記舟底掬い部 (42)で掬い上げる前記ボールに接触できるように、前記循環部材 (28)の前記循環路（25)の内周面に対して、傾斜して、な、か又は先端に向力つて 5度未満外側に傾斜して、ることを特徴とする。

[0017] 請求項 4に記載の発明は、請求項 3に記載のボールねじにおいて、前記リップ部（4 3)の先端部 (43b)の内周面に、前記循環部材 (28)の前記循環路（25)の内周面に対して、先端に向力つて外側に傾斜するテーパ面 (43b)を形成し、前記舟底掬い部 (42)が前記ねじ軸（21)のボール転走溝 (21a)力前記ボール（23)を掬、上げ始める掬!、ポイント (P)にて、前記舟底掬!、部 (42)及び前記リップ部 (43)の前記テーパ面 (43b)の両方が前記ボール（23)に接触することを特徴とする。

[0018] 請求項 5に記載の発明は、請求項 3又は 4に記載のボールねじにおいて、前記ねじ軸（21)の軸線方向からみて、前記リップ部 (43)の前記基部 (43a)を、円弧形状（円 (1))に切り欠くことを特徴とする。

[0019] 請求項 6に記載の発明は、請求項 1な!、し 51、ずれかに記載のボールねじにお!ヽて、前記複数のボール（23)間に、隣り合うボール（23)同士の接触を防止する複数のスぺーサ（24)を介在し、前記リップ部 (43)は、前記スぺーサ（24)に接触して、前記スぺーサ（24)を前記循環部材（28)内へ掬、上げることを特徴とする。

[0020] 請求項 7に記載の発明は、請求項 6に記載のボールねじにおいて、前記スぺーサ（ 24)が接触する前記リップ部 (43)の先端 (43C)を、面取りすることを特徴とする。

[0021] 請求項 8に記載の発明は、ボール転走溝（51a)を有する軌道部材（51)と、このボ一ル転走溝（5 la)に対応する負荷ボール転走溝を有して、前記軌道部材（51)に相対運動自在に組みつけられたスライド部材（52)と、前記軌道レール（51)のボール転走溝 (51a)と前記スライド部材 (52)の負荷ボール転走溝との間に介在される複数のボールと、前記軌道部材（51)のボール転走溝 (51a)と前記スライド部材（52)の前記負荷ボール転走溝との間を転がる前記ボールを循環させる循環路（55)を有する循環部材 (53)と、を備える運動案内装置において、前記循環部材 (53)に、前記循環路（55)の内方に向かって徐徐に幅が狭くなる溝を有する舟底掬い部（61)を設け、前記軌道部材（51)の前記ボール転走溝 (51a)を転がる前記ボールを前記舟底掬、部（61)の溝の両側で抱え込みながら前記循環部材 (53)の前記循環路（55) 内に掬い上げ、前記舟底掬い部（61)に、前記軌道部材（51)の前記ボール転走溝（ 51a)内に突出するリップ部（62)を設け、前記舟底掬い部（61)が前記軌道部材（51 )のボール転走溝 (51a)力前記ボールを掬、上げ始める掬、ポイントにて、前記舟底掬い部（61)及び前記リップ部（62)の両方が前記ボールに接触することを特徴とする。

発明の効果

[0022] 請求項 1の発明によれば、掬いポイントにおいて、舟底掬い部上の 2点とリップ部上の 1点（ただし、リップ部とボールとは 2点以上で接触してもよヽ）の合計 3点でボールを掬、上げるので、舟底掬、部に発生する摩耗を低減することができる。

[0023] 請求項 2に記載の発明によれば、掬いポイントにおいて、舟底掬い部とリップ部のテーパ面との両方がボールを掬い上げる。

[0024] 請求項 3に記載の発明によれば、循環部材の循環路からナット (及びねじ軸)へとボールが戻されるとき、リップ部の基部がよろめくボールを拘束するので、ボールが舟底掬い部を押す分力も小さくなる。したがって、舟底掬い部に発生する摩耗を低減することがでさる。

[0025] 請求項 4に記載の発明によれば、掬いポイントにおいて、舟底掬い部上の 2点とリツプ部の先端側の内周面上の 1点（ただし、リップ部とボールとは 2点以上で接触してもょ、）の合計 3点でボールを掬、上げるので、舟底掬、部で発生する摩耗を低減することがでさる。

[0026] 請求項 5に記載の発明によれば、リップ部に発生する応力集中を緩和することができる。したがって、リップ部が破損するのを防止することができる。

[0027] 請求項 6に記載の発明によれば、ボール間に介在されるスぺーサが舟底掬い部に嚙み込まれるのを防止することができる。

[0028] 請求項 7に記載の発明によれば、スぺーサがリップ部の先端部に引っ掛力るのを防止することができる。 [0029] 請求項 8に記載の発明によれば、掬いポイントにおいて、舟底掬い部上の 2点とリツプ部上の 1点（ただし、リップ部とボールとは 2点以上で接触してもよ、）の合計 3点でボールを掬い上げるので、舟底掬い部に発生する摩耗を低減することができる。図面の簡単な説明

[0030] [図 1]従来のボールねじの循環部材 (リターンパイプ)を示す斜視図

[図 2]従来の舟底掬、部を設けた循環部材 (リターンパイプ)を示す斜視図

[図 3]ボール間に介在させたスぺーサが舟底掬い部に嚙み込まれる例を示す正面図

[図 4]従来のスぺーサ掬、部を設けた舟底掬!、部を示す断面図

[図 5]従来の循環部材の断面図（図中（A)は掬いポイントを示し、図中（B)はボールを転走溝に戻す状態を示す）

[図 6]舟底掬、部の摩耗状況を示す図（図中（A)は舟底掬!ヽ部の全体図を示し、図中（B)は (A)の拡大図を示す）

[図 7]本発明の第 1の実施形態におけるボールねじの断面図

[図 8]ナット本体の軸線方向に沿った断面図

[図 9]エンド部材のナット本体への締結例を示す分解斜視図

[図 10]ボールの軌道を示す図（図中（A)は、ねじ軸の軸線方向からみたボールの軌道の中心線を示し、図中（B)はねじ軸の側方からみたボールの軌道の中心線を示す )

[図 11]ボールの掬い方向を示す図（図中（A)は、ねじ軸の軸線方向からみたボールの掬い方向を示し、図中（B)はねじ軸の側方力みたボールの掬い方向を示す） [図 12]エンド部材の斜視図

[図 13]エンド部材の分解斜視図

[図 14]エンドピースの斜視図

[図 15]Rピースの斜視図

[図 16]リップ部を取り除、た舟底掬!、部を示す図（図中（A)はねじ軸の軸線方向からみた舟底掬い部を示し、図中（B)はねじ軸側からみた舟底掬い部を示し、図中（C) は舟底掬い部の溝幅とボールの掬上げ量との関係を示す）

[図 17]リップ部を設けた舟底掬い部の断面図 [図 18]リップ部の内周面をストレートにした舟底掬い部を示す図（ねじ軸の軸線方向からみた状態）

[図 19]リップ部の内周面をストレートにした舟底掬い部を示す斜視図

[図 20]リップ部の除去部分を示す図（ねじ軸の軸線方向力もみた状態）

[図 21]最終的なリップ部の正面図

[図 22]本発明の第 2の実施形態における運動案内装置を示す斜視図

[図 23]循環部材の斜視図

[図 24]循環部材の方向転換路に沿った断面図

符号の説明

21···ねじ軸

21a…ボール転走溝

22…ナツ卜

22a…負荷ボール転走溝

23· "ボール

24···スぺーサ

25···方向転換路 (循環路）

26· ··ボール戻し通路 (循環路）

27···パイプ体 (循環部材）

28···エンド部材 (循環部材）

41···舟底掬い部の溝

42…舟底掬い部

43···リップ部

43a…基部

43b…先端部 (テーパ面）

43c…先端

51···軌道レール (軌道部材）

5 la…ボール転走溝

52···スライド部材 53· · ·循環部材

55· · ·方向転換路 (循環路）

61 · · ·舟底掬い部

62· · ·リップ部

発明を実施するための最良の形態

[0032] 図 7は、本発明の第 1の実施形態におけるボールねじの断面図を示す。ボールねじは、外周面に螺旋状のボール転走溝 21aが形成されたねじ軸 21と、内周面にボール転走溝 21aに対向する螺旋状の負荷ボール転走溝 22aが形成されるナット 22とを備える。ねじ軸 21のボール転走溝 21aとナット 22の負荷ボール転走溝 22aとの間の負荷転走路 Aには、複数のボール 23が転がり運動可能に配列される。ボール 23には予圧、すなわちねじ軸 21とナット 22とで圧縮荷重が付与される。ボール 23間にはボール 23同士の接触を防止するスぺーサ 24が介在される。

[0033] 負荷転走路 Aを転力 ¾複数のボール 23を循環させるために、ナット 22には負荷転走路 Aの一端と他端を接続する循環路 Bが形成される。循環路 Bはナット 22に組み込まれる循環部材 27, 28内に形成される。この実施形態では、循環部材 27, 28は、パイプ体 27とパイプ体 27の両端に設けられるエンド部材 28とで構成される。ナット 2 2をねじ軸 21に対して相対的に回転させると、ボール 23がボール転走溝 21aと負荷ボール転走溝 22aとの間を荷重を受けながら転がる。負荷転走路 Aの一端まで転がつたボール 23は、エンド部材 28で掬い上げられる。そして、パイプ体 27を経由して反対側のエンド部材 28から元の負荷転走路 Aに戻される。

[0034] 以下に各部の構造について詳しく説明する。図 7に示されるように、ねじ軸 21の外周には所定のリード（リード角 j8 )を有する螺旋状のボール転走溝 2 laが形成される。ねじ軸 21の断面形状は、例えば二つの円弧を組み合わせたゴシックアーチ溝形状等に形成される。この実施形態では、許容荷重を増加させ、且つナット 22の全長を短くするためにボール転走溝 21 aの条数をニ条に設定して、る。勿論ボール転走溝 21aの条数は一条、ニ条、三条等様々に設定することができる。

[0035] 図 8は、ナット本体 29の軸線方向に沿った断面図を示す。ナット本体 29の内周面には、ねじ軸 21のボール転走溝 21aに対向する螺旋状の負荷ボール転走溝 22aが形成される。負荷ボール転走溝 22aの断面形状も、ねじ軸 21のボール転走溝 21aの断面形状と同様に、 2つの円弧を組み合わせたゴシックアーチ溝形状等に形成される。ナット本体 29には、ナット本体 29の軸線と平行に伸びる貫通孔 30aが形成される。この貫通孔 30aにパイプ体 27が挿入され、パイプ体 27の内部に直線状のボール戻し通路 26が形成される（図 7参照)。ナット本体 29の軸線方向の両端面には、凹部 30bが形成され、該凹部 30bにエンド部材 28が取付けられる。エンド部材 28には、円弧状に伸びる方向転換路 25 (図 7参照）が形成される。

[0036] 図 9に示されるように、エンド部材 28はボルト 31等の締結手段でナット本体 29の端面 32に結合される。エンド部材 28をナット本体 29に取り付けることで、パイプ体 27が一対のエンド部材 28間に挟まれる。この実施形態では、ニ条ねじを用いているので、一対のエンド部材 28及びパイプ体 27で構成される循環部材 27, 28が合計 2組設けられているが、勿論循環部材 27, 28の個数はねじ軸 21の条数等によって様々に設定される。

[0037] 図 7に示されるように、ナット本体 29の端面には、エンド部材 28を覆うカバー 34が取り付けられる。このカバー 34には、ねじ軸 21に付着する異物を除去するために並びにナット本体 29の内部から潤滑剤が漏れるのを防止するために、ラビリンスシール又はリング状シール部材 33が組み込まれる。

[0038] 図 10は、螺旋状の負荷転走路 A、円弧状の方向転換路 25及び直線状のボール戻し通路 26を循環するボール 23の軌道を示す。図中（A)は、ねじ軸 21の軸線方向力もみたボール 23の軌道の中心線を示し、図中（B)はねじ軸 21の側方からみたボール 23の軌道の中心線を示す。この図 10に示されるように、負荷転走路 Aでのボール 23の軌道は、半径 BCD/2の螺旋状になる。一方、ボール戻し通路 26でのボール 23の軌道は、ねじ軸 21の軸線 21cに平行な直線になる。そして、方向転換路 25でのボール 23の軌道は、曲率半径 Rの円弧になる。これら負荷転走路 A、方向転換路 25及び無負荷戻し通路 26の繋ぎ目では、ボール 23の軌道の接線方向が連続になつている。

[0039] 図 11は、ボール 23の掬い方向を示す。図 11 (A)に示されるように、ねじ軸 21の軸線方向から見て、ボール 23は負荷転走路 Aの円形状の軌道の接線方向に掬われる。そして、図 11 (B)に示されるように、ねじ軸 21の側方から見て、ボール 23はリード角に一致させた方向に掬われる。

[0040] 図 12は、循環部材を構成するエンド部材 28の斜視図を示す。本発明の特徴は、このエンド部材 28に具現ィ匕されている。エンド部材 28には、方向転換路の内方に向かつて徐徐に幅が狭くなる溝 41を有する舟底掬い部 42が形成される。この舟底掬い部 42の溝 41の両側でボール 23を抱え込みながら、エンド部材 28の方向転換路 25内に掬い上げる。そして、この舟底掬い部 42の溝 41の底部（方向転換路 25の内方側）には、ねじ軸 21のボール転走溝 21a内に突出するリップ部 43が設けられる。

[0041] 図 13に示されるように、エンド部材 28は、方向転換路 25の中心線に沿って、内周側の Rピース 28aと外周側のエンドピース 28bとに二分割される。舟底掬、部 42及びリップ部 43も二分割される。 Rピース 28aは、ナット本体 29の端面に取付けられるフランジ部 44と、該フランジ部 44と一体に形成され、方向転換路 25が形成される本体部 45とから構成される。一方、エンドピース 28bは、 Rピース 28aのフランジ部 44に重ね合わされるフランジ部 45と、該フランジ部 45と一体に形成され、方向転換路 25が形成される本体部 46と、を有する。

[0042] リップ部の基部及び先端部について説明する。図 14は、エンドピース 28bの斜視図を示し、図 15は Rピース 28aの斜視図を示す。リップ部 43は、舟底掬い部 42の底部側の基部 43aと、先端側の先端部 43bとを有する。基部 43aの内周面は、方向転換路 25の内周面に対して、傾斜がつけられていない。一方、先端部 43bの内周面には、方向転換路 25の内周面に対して傾斜がつけられている。

[0043] 以下に舟底掬い部及びリップ部の詳細な構造について説明する。図 16はリップ部 43を取り除いた舟底掬い部 42を示す。図中（A)はねじ軸の軸線方向からみた舟底掬い部 42を示し、図中（B)はねじ軸側からみた舟底掬い部 42を示し、図中（C)は舟底掬い部 42の溝幅 wとボールの掬上げ量 tとの関係を示す。図中（A)に示すように、ねじ軸の軸線方向からみた舟底掬い部 42の溝 41の形状は、円弧形状に形成される。溝 41の曲率半径 R1は、ねじ軸 21のボール転走溝 21aを転がるボール 23の軌道中心線 47の曲率半径 R2よりも小さぐ且つねじ軸 21の外径 21bの曲率半径 R3よりも若干大きい。そして、図中（B)に示すように、溝 21の幅は、方向転換路の内方に向かって徐々に幅が狭くなつている。

[0044] 図 16に基づいて、舟底掬い部 42がねじ軸 21のボール転走溝 21aからボール 23を掬い上げ始める掬いポイントについて説明する。図中（A)に示されるように、ボール転走溝 21aをボール 23が転がるときの、舟底掬い部 42の溝 41上におけるボール 23 の進行方向の寸法を Xとする。ボール 23がボール転走溝 21a上を転がる以上、この寸法 Xは常に一定になる。そして、ボール 23は球形なので、溝 41の幅の寸法 yがこの寸法 Xよりも小さくなつたときに、ボール 23は掬い上げられ始める。つまり、舟底掬い部 42の溝 41の幅 yが、寸法 Xよりも小さくなる位置が掬いポイントとなる。この例では、 yl =xだから、幅が ylになる位置が掬いポイントとなる。

[0045] ボールが掬いポイントまで移動すると、ボール転走溝 21aを転がるボール 23が舟底掬い部 42によって掬い上げられる。掬いポイントを過ぎると、図中（B)に示されるように、溝幅 yは yl " 'y26というように徐徐に狭まる。図中（C)に示されるように、溝幅 yの寸法が狭まると、それに対応してボールカ¾1 " 26の大きさだけ浮き上がる。図中（A )には、ボール 23が浮き上がる際のボール 23の中心線軌道 Sが示されている。ボール 23は掬い上げポイントを通過した後、方向転換路 25の中心線 25aに対して所定の角度 0で掬い上げられる。この角度 γは約 5度である。

[0046] 図 17は、リップ部 43を設けた舟底掬い部 42の断面図を示す。リップ部 43の先端 4 3cは、掬いポイント Pよりも舟底掬い部 42の底部側に後退している。そして、リップ部 43の基部 43aの内周面は、方向転換路 25の内周面に対して傾斜していないのに対し、リップ部の先端部 43bの内周面は、方向転換路 25の内周面に対して、先端に向力つて外側に角度 δ傾斜している。この傾斜角度 δは、掬いポイント Ρにボールが来たときに（このとき、ボール 23はねじ軸 21の軸線方向に落ち込む）、舟底掬い部 42 及び前記リップ部 43の両方がボール 23に接触するように設定される。このため、舟底掬い部 42及びリップ部 43は、理想的には舟底掬い部 42の溝 41の 2点と、リップ部 43の先端部 43bの一点の合計 3点でボール 23を掬う。ここで、リップ部 43は点というよりもむしろ面でボール 23を受ける。したがって、ボール 23を舟底掬い部 42で掬い上げられるとき、ボール 23から舟底掬い部 42にかかる力がリップ部 43に分散され、舟底掬、部 42の摩耗を低減できる。よろめ、たボール 23が舟底掬、部 42からボール転走溝 21aに入り込むときにも、ボール 23が先端部 43bのテーパ面に沿ってねじ軸 21の軸線方向に落ち込むので、舟底掬い部 42が摩耗するのを防止することができる。

[0047] ここで、掬いポイント Pにおいて、ボール 23が最初力も掬い上げ部 42及びリップ部 4 3の三点で接触していなくても、掬い上げ部 42が僅かに許容できる程度に摩耗し、掬 V、ポイント Pが移動し、これが原因でボール 23が掬、上げ部 42及びリップ部 43の三点で当たり始めるようになってもよい。最初力も三点で当たるのが理想ではある力現実的な設計や加工誤差の観点力もこのような場合もある。

[0048] リップ部 43の先端 43c (詳しくは先端部 43bのさらに先端 43c)は、僅かな曲率半径 R、例えば RO. 2で面取りされる。ボール 23と異なり小径のスぺーサ 24は、リップ部 4 3の先端 43cに衝突することもある。面取りすることで、スぺーサ 24がリップ部 43の先端 43cに引っ掛力るのを防止することができる。

[0049] 一方、上述したように、リップ部 43の基部 43aは、方向転換路 25の内周面に対して傾斜しておらず、ストレートのままである。これは、リップ部 43の基部 43aでボール 23 を拘束して、ボール転走溝 21aに向力つて移動するボール 23のよろめきを抑えるためである。図 16 (A)に示されるように、舟底掬い部 42にて、ボール 23は傾斜角度約 5度で掬い上げられる。このため、基部 43aの傾斜角度を 5度未満に設定すると、ボール 23と基部 43aとを接触させることができる。

[0050] 図 18及び図 19は、リップ部 43の内周面を、基部 43aから先端部 43bに亘つてその全体をストレートにした例を示す。このようなリップ部 43の形状を試験的に製造'実験したところ、確かにボール 23のよろめき量は減らすことができた。しかし、舟底掬い部 42でう前【こリップ咅43でボーノレをつてしま!/、、リップ咅43の薄肉の咅分 48【こ欠けが発生した。これは、ボール 23がリップ部 43の薄肉部分 48に当たることが原因となる。すなわち、ボール 23が軌道 49からずれていて、リップ部 43よりの軌道 50を通つていることが原因となる。

[0051] このリップ部 43の欠けの問題を解決するために、図 20に示されるように、薄肉の部分を斜線で示される形状で除去した。すなわち、ボール 23が最もリップ部 43よりの軌道 50を通った場合を仮定し、リップ部 43の先端 43dから垂線 (1)を引き、垂線 (1)を中心位置とし、且つリップ部 43の先端 43dと接するボール 23を描く。このボール 23のエンド部材 28の内部位置に垂線 (2)を引く。垂線 (2)とエンド部材 28の内側 R、すなわち舟底掬、部の溝 41に接する円 (1) (ボール径に応じて円 (1)の径を決める）を描き、円 (1)とリップ部 43の先端 43dを結んだ線分 (3)を描き、斜線部を除去する。リップ部 4 3の基部 43aを、円弧形状に切り欠いたのは、ボール 23が基部 43aに当たるときに発生する応力集中を緩和するためである。なお、この図において、リップ部 43の薄肉の部分 48が二つ見えるのは、リップ部 43がリード角分傾いているからである。除去作業は、例えばエンドミルカ卩ェにより行なわれる。

[0052] 以上により、ボール 23が最もリップ部よりの軌道 50を通ったときの、ボール 23の薄肉部分 48への当たりを回避することができる。し力も、薄肉部分 48を除去することで、残った部分の肉厚をとれるので、リップ部 43の強度アップにも繋がる。なお、リップ部 43を基部 43aから先端 43dに亘つて全体をストレートにすると、斜線部分を除去したとしても、リップ部 43の先端 43dの欠けの問題が残る。このため最終的には、図 17 に示されるように、リップ部 43の先端部 43bの内周面をテーパ面にする。最終的なリップ部 43の正面形状を図 21に示す。

[0053] 図 22は、本発明の第 2の実施形態における運動案内装置を示す。この運動案内装置には、上記ボールねじの舟底掬、部 42及びリップ部 43と同様な技術思想が適用されている。運動案内装置は、ベッドまたはサドル等の固定部上でテーブル等の移動体を案内するもので、固定部上に配設されると共に長手方向に沿ってボール転走溝 51 aが形成された軌道部材としての軌道レール 51と、軌道レール 51のボール転走溝 51aに対応する負荷ボール転走溝を含むボール循環路が形成されて該軌道レール 51に相対運動自在に組みつけられたスライド部材 52と、軌道レール 51のボール転走溝 5 laとスライド部材 52の負荷ボール転走溝との間に収容される複数のボール、及び複数のボール間に介在される複数のスぺーサと、ボール及びスぺーサを循環させるための循環部材 53, 53と、を備える。

[0054] 図 23及び図 24は循環部材 53を示す。図 23は循環部材 53の斜視図、図 24は循環部材 53の方向転換路 55に沿った断面図を示す。循環部材 53には、ボール戻し通路 56とボール転走路 57との間を繋ぐ方向転換路 55が形成されている。より詳しくは、循環部材 53には、方向転換路 55の外周を構成する外周案内部 58が形成されていて、スライド部材 52には、方向転換路 55の内周を構成するアーチ状の内周案内部 59が形成されている。

[0055] 図 23に示すように、循環部材 53の下部には、方向転換路の内方に向力つて徐徐に幅が狭くなる溝を有する舟底掬い部 61が形成される。そして、軌道レール 51のボ一ル転走溝 51aを転がるボール 23を舟底掬い部 61の溝の両側で抱え込みながら方向転換路 55内に掬い上げる。図 24に示すように、舟底掬い部 61の溝は方向転換路 55の中心線 63よりも軌道レール 51側に形成されている。舟底掬い部 61には、軌道レール 51のボール転走溝 51a内に突出するリップ部 62が設けられる。そして、舟底掬！、部 61が軌道レール 51のボール転走溝 5 laからボール 23を掬、上げ始める掬いポイントにて、舟底掬い部 61及びリップ部 62の両方がボール 23に接触する。これは上記第 1の実施形態のボールねじと同様である。

[0056] なお本発明は、上記実施形態に限られることなぐ本発明の要旨を変更しない範囲で種々変更可能である。例えば、上記実施形態では、リップ部の基部及び先端部の内周面の境目で傾斜角度が変えられている力ボールを 3点で掬うことのみを考慮すれば、基部及び先端部の内周面を等しい角度で傾斜させてもよい。また、本発明は、スぺーサを介在させていない総ボールのボールねじにも適用することができる。さらに、本発明はリターンパイプ方式のボールねじに適用することができ、この場合リタ一ンノイブは金属製であっても、榭脂製であってもよヽ。

実施例

[0057] 発明者は、舟底掬い部及びリップ部を以上に記載のように製造し、実際にボールを循環させてみた。その結果、 DN値 21万という高速回転で 500km程度ボールねじを走行させてみた力舟底掬い部及びリップ部に目立った摩耗は発生しな力つた。しかも、ボールが掬いポイントで掬い上げられた後、予想通りの理想的な軌道を通ることを確認した。

[0058] 本明細書は、 2005年 5月 24日出願の特願 2005— 151471に基づく。この内容はすべてここに含めておく。

Claims

請求の範囲

[1] 外周面に螺旋状のボール転走溝が形成されるねじ軸と、

内周面に前記ねじ軸のボール転走溝に対向する螺旋状の負荷ボール転走溝が形成されるナットと、

前記ねじ軸のボール転走溝と前記ナットの負荷ボール転走溝との間に介在される複数のボールと、

前記ねじ軸のボール転走溝と前記ナットの前記負荷ボール転走溝との間を転がるボールを循環させる循環路を有する循環部材と、を備えるボールねじにぉ、て、前記循環部材に、前記循環路の内方に向かって徐徐に幅が狭くなる溝を有する舟底掬、部を設け、前記ねじ軸の前記ボール転走溝を転がるボールを前記舟底掬、部の溝の両側で抱え込みながら前記循環部材の前記循環路内に掬い上げ、前記舟底掬い部に、前記ねじ軸の前記ボール転走溝内に突出するリップ部を設け前記舟底掬、部が前記ねじ軸のボール転走溝力前記ボールを掬、上げ始める掬、ポイントにて、前記舟底掬、部及び前記リップ部の両方が前記ボールに接触することを特徴とするボールねじ。

[2] 前記リップ部に、前記循環部材の内周面に対して、先端に向かって外側に傾斜させたテーパ面を形成し、

前記掬、ポイントにて、前記リップ部の前記テーパ面が前記ボールに接触することを特徴とする請求項 1に記載のボールねじ。

[3] 外周面に螺旋状のボール転走溝が形成されるねじ軸と、

前記ねじ軸のボール転走溝と前記ナットの負荷ボール転走溝との間を転がるボールを循環させる循環路を有する循環部材と、を備えるボールねじにぉ、て、前記循環部材に、前記循環路の内方に向かって徐徐に幅が狭くなる溝を有する舟底掬、部を設け、前記ねじ軸の前記ボール転走溝を転がるボールを前記舟底掬、部の溝の両側で抱え込みながら前記循環部材の前記循環路内に掬い上げ、前記舟底掬い部に、前記ねじ軸のボール転走溝内に突出するリップ部を設け、前記リップ部は、基部と、先端部と、を有し、

前記基部の内周面は、前記舟底掬、部で掬、上げる前記ボールに接触できるように、前記循環部材の前記循環路の内周面に対して、傾斜していないか又は先端に向力つて 5度未満外側に傾斜していることを特徴とするボールねじ。

[4] 前記リップ部の先端部の内周面に、前記循環部材の前記循環路の内周面に対して、先端に向力つて外側に傾斜するテーパ面を形成し、

前記舟底掬、部が前記ねじ軸のボール転走溝力前記ボールを掬、上げ始める掬いポイントにて、前記舟底掬い部及び前記リップ部の前記テーパ面の両方が前記ボールに接触することを特徴とする請求項 3に記載のボールねじ。

[5] 前記ねじ軸の軸線方向からみて、前記リップ部の前記基部を、円弧形状に切り欠くことを特徴とする請求項 3又は 4に記載のボールねじ。

[6] 前記複数のボール間に、隣り合うボール同士の接触を防止する複数のスぺーサを介在し、

前記リップ部は、前記スぺーサに接触して、前記スぺーサを前記循環部材内へ掬 V、上げることを特徴とする請求項 1な、し 5 、ずれかに記載のボールねじ。

[7] 前記スぺーサが接触する前記リップ部の先端を、面取りすることを特徴とする請求項 6に記載のボールねじ。

[8] ボール転走溝を有する軌道部材と、

このボール転走溝に対応する負荷ボール転走溝を有して、前記軌道部材に相対運動自在に組みつけられたスライド部材と、

前記軌道部材のボール転走溝と前記スライド部材の負荷ボール転走溝との間に介在される複数のボールと、

前記軌道部材のボール転走溝と前記スライド部材の前記負荷ボール転走溝との間を転がる前記ボールを循環させる循環路を有する循環部材と、を備える運動案内装 ¾【こ; i l /、て、前記循環部材に、前記循環路の内方に向かって徐徐に幅が狭くなる溝を有する舟底掬ヽ部を設け、前記軌道部材のボール転走溝を転がる前記ボールを前記舟底掬い部の溝の両側で抱え込みながら前記循環部材の前記循環路内に掬い上げ、前記舟底掬い部に、前記軌道部材のボール転走溝内に突出するリップ部を設け、前記舟底掬、部が前記軌道部材のボール転走溝力前記ボールを掬、上げ始める掬!、ポイントにて、前記舟底掬!、部及び前記リップ部の両方が前記ボールに接触することを特徴とする運動案内装置。