JP2004278551A - 転がりねじ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】エンドデフレクタのタングに割れ等の損傷が比較的早期に生じることを抑制することのできる転がりねじ装置を提供する。
【解決手段】転動体としてのボール13が衝突するタング20の先端部20aを円弧状に面取り加工し、タング20の先端部20aとボール13との接触面積を増大させる。
【選択図】 図3
【解決手段】転動体としてのボール13が衝突するタング20の先端部20aを円弧状に面取り加工し、タング20の先端部20aとボール13との接触面積を増大させる。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、モータ等の回転運動を直線運動に変換する機械部品として、例えば工作機械の送り装置などで使用されるボールねじ、ローラねじ等の転がりねじ装置に関するものであり、特に、内部循環式の転がりねじ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
工作機械の送り装置などで使用される転がりねじ装置は、外周面に螺旋状の内側転動体軌道溝を有するねじ軸と、このねじ軸の内側転動体軌道溝と対向する螺旋状の外側転動体軌道溝を内周面に有するナットとを備えており、ねじ軸またはナットの一方が軸回りに回転すると、ナットに組み込まれた多数の転動体が内側転動体軌道溝と外側転動体軌道溝との間に形成された転動体転動路を転動し、これに伴ってナットまたはねじ軸が直線運動するようになっている。
【0003】
このような転がりねじ装置は転動体転動路を転動する転動体を無限循環させる転動体循環部品を備えており、特許文献1に開示された内部循環式の転がりねじ装置では、転動体循環部品として、図5に示すようなエンドデフレクタ18を使用している。このエンドデフレクタ18は転動体転動路を転動する転動体をナットの内部に形成された転動体戻し用貫通路に誘導する転動体誘導路19とタング20とを有しており、転動体転動路を転動する転動体はタング20の先端部に接触して転動体誘導路19に導入されるようになっている。
【0004】
【特許文献1】
実用新案登録第3034052号明細書
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記文献に開示された転がりねじ装置では、タングの先端部がエッジ形状となっており、このエッジ部分で転動体の衝撃荷重を受けるようになっている。このため、エンドデフレクタのタングに割れ等の損傷が比較的早期に生じ、転がりねじ装置の耐久性を低下させることがあった。
本発明は、このような問題点に着目してなされたものであり、エンドデフレクタのタングに割れ等の損傷が比較的早期に生じることを抑制することのできる転がりねじ装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、外周面に螺旋状の内側転動体軌道溝を有するねじ軸と、前記内側転動体軌道溝と対向する螺旋状の外側転動体軌道溝を内周面に有するナットと、前記内側転動体軌道溝と前記外側転動体軌道溝との間に形成された転動体転動路を前記ねじ軸または前記ナットの回転運動に伴って転動する多数の転動体と、これらの転動体を前記ナットの内部に形成された転動体戻し用貫通路に誘導する転動体誘導路を有するエンドデフレクタとを備え、前記転動体転動路を転動する転動体を前記転動体誘導路に導入するためのタングを前記エンドデフレクタに設けて構成される転がりねじ装置において、前記タングの先端部を前記転動体に対して円弧状に面取り加工したことを特徴とする。
【0007】
このような構成によると、タングの先端部に点で当接していた転動体がタングの先端部に面で当接するようになり、タングの先端部と転動体との接触面積が従来のものより増大する。これにより、転動体の衝撃荷重を比較的広い面積で受けることが可能となり、タングの先端部に加わる単位面積当りの負荷荷重が低減されるので、エンドデフレクタのタングに割れ等の損傷が比較的早期に生じることを抑制することができる。また、ナットの転動体戻し用貫通路を転動した転動体がエンドデフレクタの転動体誘導路から出て行くときのタングの返りを防止でき、エンドデフレクタの寿命を向上させることができる。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1記載の転がりねじ装置において、前記転動体の直径に対する比率が0.015以上となる曲率半径で前記タングの先端部を面取り加工したことを特徴とするものであり、このような構成を採用することで、エンドデフレクタのタングに割れ等の損傷が比較的早期に生じることをより効果的に抑制することができ、これにより、転がりねじ装置の耐久性をより一層向上させることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1乃至図3は本発明の一実施形態を示す図であり、図1に示すように、本実施形態に係る転がりねじ装置は、ねじ軸11と、このねじ軸11の軸方向に相対移動する円筒状のナット12と、このナット12に組み込まれた多数の転動体としてのボール13とを備えている。
【0010】
ねじ軸11は軸方向と直交する横断面が円形に形成されており、このねじ軸11の外周面には、螺旋状の内側転動体軌道溝14がねじ軸11の一端部から他端部に亘って形成されている。
ナット12はねじ軸11の外周面と対向する内周面を有しており、このナット12の内周面には螺旋状の外側転動体軌道溝15が形成されている。また、ナット12は比較的肉厚に形成されており、このナット12には転動体戻し用の貫通路16がナット12の軸方向に沿って形成されている。
【0011】
内側転動体軌道溝14および外側転動体軌道溝15は互いに対向しており、ねじ軸11またはナット12の一方が軸回りに回転運動すると、これに伴ってボール13が内側転動体軌道溝14と外側転動体軌道溝15との間に形成された転動体転動路17を転動するようになっている。
ナット12の両端部には、ボール13を無限循環させるためのエンドデフレクタ18が装着されている。このエンドデフレクタ18は転動体誘導路19(図1参照)を有しており、転動体転動路17を転動したボール13はエンドデフレクタ18の転動体誘導路19を通ってナット12の転動体戻し用貫通路16に導入されるようになっている。また、エンドデフレクタ18は例えば樹脂材を所定の形状に射出成形して形成されており、このエンドデフレクタ18には、転動体転動路17を転動するボール13を転動体誘導路19に導入するためのタング20が設けられている。
【0012】
タング20は、エンドデフレクタ18と一体に樹脂材で形成されている。また、タング20は転動体転動路17を転動するボール13から衝撃荷重を受ける先端部20aを有しており、この先端部20aは例えば下式を満たす曲率半径Rでボール13に対して円弧状に面取り加工されている。
R/Dw≧0.015 ‥‥(1)
ただし、Dw:ボール直径
このように、タング20の先端部20aをボール13に対して円弧状に面取り加工すると、タング20の先端部20aに点で接触していたボール13がタング20の先端部20aに面で接触するようになり、タング20の先端部20aとボール13との接触面積が従来のものより増大する。これにより、ボール13の衝撃荷重を比較的広い面積で受けることが可能となり、タング20の先端部20aに加わる単位面積当りの負荷荷重が低減されるので、エンドデフレクタ18のタング20に割れ等の損傷が比較的早期に生じることを抑制することができる。
【0013】
また、タング20の先端部20aをボール13に対して円弧状に面取り加工すると、ナット12の転動体戻し用貫通路16を転動したボール13がエンドデフレクタ18の転動体誘導路19から出て行くときのタング20の返りを防止でき、エンドデフレクタ18の寿命を向上させることができる。
次に、タング先端部20aの曲率半径Rをボール13の直径Dwに対してR/Dw≧0.015とした理由を、表1及び図5を参照して説明する。
【0014】
本発明者らは、タング先端部20aの曲率半径Rとボール直径Dwとの関係を調べるために、表1に示す仕様のエンドデフレクタTP1〜TP7を試料として使用し、使用ボールねじ名:NSKボールねじ(呼び番:40×40×1300)、使用試験機:NSK製ボールねじ高速試験機、試験回転数:1000min−1及び7500min−1、ストローク:1000mm、潤滑グリース:アルバニアNo.2(昭和シェル石油)の試験条件でボールねじ耐久試験を行った。そして、エンドデフレクタTP1〜TP7のタングに損傷が認められるまでの走行距離を測定し、試料番号TP1のエンドデフレクタに損傷が生じた走行距離(回転速度:7500min−1)を基準として各エンドデフレクタの寿命を評価した。その評価結果を図4に示す。
【0015】
【表1】
【0016】
図4から明らかなように、タング先端部20aの曲率半径Rとボール直径Dwとの比をR/Dw≧0.015とした場合はタングに損傷が生じるまでの走行距離比が2.0以上と高い値を示しているのに対し、タング先端部20aの曲率半径Rとボール直径Dwとの比をR/Dw<0.015とした場合はタングに損傷が生じるまでの走行距離比が2.0以下と低い値を示していることがわかる。
【0017】
したがって、ボール13の直径に対する比率が0.015以上となる曲率半径でタング20の先端部20aを面取り加工することで、エンドデフレクタ18のタング20に割れ等の損傷が比較的早期に生じることをより効果的に抑制することができる。
なお、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではない。たとえば、上述した実施形態ではエンドデフレクタを樹脂材で形成したが、必ずしもエンドデフレクタを樹脂材で形成する必要はない。また、本実施の形態では転動体としてボールを例示したが、ボールに限らずローラであってもよい。
【0018】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明に係る転がりねじ装置によれば、タングの先端部に点で当接していた転動体がタングの先端部に面で当接するようになり、タングの先端部と転動体との接触面積が従来のものより増大する。これにより、転動体の衝撃荷重を比較的広い面積で受けることが可能となり、タングの先端部に加わる単位面積当りの負荷荷重が低減されるので、エンドデフレクタのタングに割れ等の損傷が比較的早期に生じることを抑制することができる。また、ナットの転動体戻し用貫通路を転動した転動体がエンドデフレクタの転動体誘導路から出て行くときのタングの返りを防止でき、エンドデフレクタの寿命を向上させることができる。
請求項2の発明に係る転がりねじ装置によれば、エンドデフレクタのタングに割れ等の損傷が比較的早期に生じることをより効果的に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る転がりねじ装置の軸方向断面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る転がりねじ装置の一部を示す斜視図である。
【図3】図2に示すエンドデフレクタの側面図である。
【図4】ボールねじ耐久試験の試験結果を示す図である。
【図5】従来の転がりねじ装置で使用されるエンドデフレクタの斜視図である。
【符号の説明】
11 ねじ軸
12 ナット
13 ボール
14 内側転動体軌道溝
15 外側転動体軌道溝
16 転動体戻し用貫通路
17 転動体転動路
18 エンドデフレクタ
19 転動体誘導路
20 タング
20a 先端部
【発明の属する技術分野】
本発明は、モータ等の回転運動を直線運動に変換する機械部品として、例えば工作機械の送り装置などで使用されるボールねじ、ローラねじ等の転がりねじ装置に関するものであり、特に、内部循環式の転がりねじ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
工作機械の送り装置などで使用される転がりねじ装置は、外周面に螺旋状の内側転動体軌道溝を有するねじ軸と、このねじ軸の内側転動体軌道溝と対向する螺旋状の外側転動体軌道溝を内周面に有するナットとを備えており、ねじ軸またはナットの一方が軸回りに回転すると、ナットに組み込まれた多数の転動体が内側転動体軌道溝と外側転動体軌道溝との間に形成された転動体転動路を転動し、これに伴ってナットまたはねじ軸が直線運動するようになっている。
【0003】
このような転がりねじ装置は転動体転動路を転動する転動体を無限循環させる転動体循環部品を備えており、特許文献1に開示された内部循環式の転がりねじ装置では、転動体循環部品として、図5に示すようなエンドデフレクタ18を使用している。このエンドデフレクタ18は転動体転動路を転動する転動体をナットの内部に形成された転動体戻し用貫通路に誘導する転動体誘導路19とタング20とを有しており、転動体転動路を転動する転動体はタング20の先端部に接触して転動体誘導路19に導入されるようになっている。
【0004】
【特許文献1】
実用新案登録第3034052号明細書
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記文献に開示された転がりねじ装置では、タングの先端部がエッジ形状となっており、このエッジ部分で転動体の衝撃荷重を受けるようになっている。このため、エンドデフレクタのタングに割れ等の損傷が比較的早期に生じ、転がりねじ装置の耐久性を低下させることがあった。
本発明は、このような問題点に着目してなされたものであり、エンドデフレクタのタングに割れ等の損傷が比較的早期に生じることを抑制することのできる転がりねじ装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、外周面に螺旋状の内側転動体軌道溝を有するねじ軸と、前記内側転動体軌道溝と対向する螺旋状の外側転動体軌道溝を内周面に有するナットと、前記内側転動体軌道溝と前記外側転動体軌道溝との間に形成された転動体転動路を前記ねじ軸または前記ナットの回転運動に伴って転動する多数の転動体と、これらの転動体を前記ナットの内部に形成された転動体戻し用貫通路に誘導する転動体誘導路を有するエンドデフレクタとを備え、前記転動体転動路を転動する転動体を前記転動体誘導路に導入するためのタングを前記エンドデフレクタに設けて構成される転がりねじ装置において、前記タングの先端部を前記転動体に対して円弧状に面取り加工したことを特徴とする。
【0007】
このような構成によると、タングの先端部に点で当接していた転動体がタングの先端部に面で当接するようになり、タングの先端部と転動体との接触面積が従来のものより増大する。これにより、転動体の衝撃荷重を比較的広い面積で受けることが可能となり、タングの先端部に加わる単位面積当りの負荷荷重が低減されるので、エンドデフレクタのタングに割れ等の損傷が比較的早期に生じることを抑制することができる。また、ナットの転動体戻し用貫通路を転動した転動体がエンドデフレクタの転動体誘導路から出て行くときのタングの返りを防止でき、エンドデフレクタの寿命を向上させることができる。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1記載の転がりねじ装置において、前記転動体の直径に対する比率が0.015以上となる曲率半径で前記タングの先端部を面取り加工したことを特徴とするものであり、このような構成を採用することで、エンドデフレクタのタングに割れ等の損傷が比較的早期に生じることをより効果的に抑制することができ、これにより、転がりねじ装置の耐久性をより一層向上させることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1乃至図3は本発明の一実施形態を示す図であり、図1に示すように、本実施形態に係る転がりねじ装置は、ねじ軸11と、このねじ軸11の軸方向に相対移動する円筒状のナット12と、このナット12に組み込まれた多数の転動体としてのボール13とを備えている。
【0010】
ねじ軸11は軸方向と直交する横断面が円形に形成されており、このねじ軸11の外周面には、螺旋状の内側転動体軌道溝14がねじ軸11の一端部から他端部に亘って形成されている。
ナット12はねじ軸11の外周面と対向する内周面を有しており、このナット12の内周面には螺旋状の外側転動体軌道溝15が形成されている。また、ナット12は比較的肉厚に形成されており、このナット12には転動体戻し用の貫通路16がナット12の軸方向に沿って形成されている。
【0011】
内側転動体軌道溝14および外側転動体軌道溝15は互いに対向しており、ねじ軸11またはナット12の一方が軸回りに回転運動すると、これに伴ってボール13が内側転動体軌道溝14と外側転動体軌道溝15との間に形成された転動体転動路17を転動するようになっている。
ナット12の両端部には、ボール13を無限循環させるためのエンドデフレクタ18が装着されている。このエンドデフレクタ18は転動体誘導路19(図1参照)を有しており、転動体転動路17を転動したボール13はエンドデフレクタ18の転動体誘導路19を通ってナット12の転動体戻し用貫通路16に導入されるようになっている。また、エンドデフレクタ18は例えば樹脂材を所定の形状に射出成形して形成されており、このエンドデフレクタ18には、転動体転動路17を転動するボール13を転動体誘導路19に導入するためのタング20が設けられている。
【0012】
タング20は、エンドデフレクタ18と一体に樹脂材で形成されている。また、タング20は転動体転動路17を転動するボール13から衝撃荷重を受ける先端部20aを有しており、この先端部20aは例えば下式を満たす曲率半径Rでボール13に対して円弧状に面取り加工されている。
R/Dw≧0.015 ‥‥(1)
ただし、Dw:ボール直径
このように、タング20の先端部20aをボール13に対して円弧状に面取り加工すると、タング20の先端部20aに点で接触していたボール13がタング20の先端部20aに面で接触するようになり、タング20の先端部20aとボール13との接触面積が従来のものより増大する。これにより、ボール13の衝撃荷重を比較的広い面積で受けることが可能となり、タング20の先端部20aに加わる単位面積当りの負荷荷重が低減されるので、エンドデフレクタ18のタング20に割れ等の損傷が比較的早期に生じることを抑制することができる。
【0013】
また、タング20の先端部20aをボール13に対して円弧状に面取り加工すると、ナット12の転動体戻し用貫通路16を転動したボール13がエンドデフレクタ18の転動体誘導路19から出て行くときのタング20の返りを防止でき、エンドデフレクタ18の寿命を向上させることができる。
次に、タング先端部20aの曲率半径Rをボール13の直径Dwに対してR/Dw≧0.015とした理由を、表1及び図5を参照して説明する。
【0014】
本発明者らは、タング先端部20aの曲率半径Rとボール直径Dwとの関係を調べるために、表1に示す仕様のエンドデフレクタTP1〜TP7を試料として使用し、使用ボールねじ名:NSKボールねじ(呼び番:40×40×1300)、使用試験機:NSK製ボールねじ高速試験機、試験回転数:1000min−1及び7500min−1、ストローク:1000mm、潤滑グリース:アルバニアNo.2(昭和シェル石油)の試験条件でボールねじ耐久試験を行った。そして、エンドデフレクタTP1〜TP7のタングに損傷が認められるまでの走行距離を測定し、試料番号TP1のエンドデフレクタに損傷が生じた走行距離(回転速度:7500min−1)を基準として各エンドデフレクタの寿命を評価した。その評価結果を図4に示す。
【0015】
【表1】
【0016】
図4から明らかなように、タング先端部20aの曲率半径Rとボール直径Dwとの比をR/Dw≧0.015とした場合はタングに損傷が生じるまでの走行距離比が2.0以上と高い値を示しているのに対し、タング先端部20aの曲率半径Rとボール直径Dwとの比をR/Dw<0.015とした場合はタングに損傷が生じるまでの走行距離比が2.0以下と低い値を示していることがわかる。
【0017】
したがって、ボール13の直径に対する比率が0.015以上となる曲率半径でタング20の先端部20aを面取り加工することで、エンドデフレクタ18のタング20に割れ等の損傷が比較的早期に生じることをより効果的に抑制することができる。
なお、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではない。たとえば、上述した実施形態ではエンドデフレクタを樹脂材で形成したが、必ずしもエンドデフレクタを樹脂材で形成する必要はない。また、本実施の形態では転動体としてボールを例示したが、ボールに限らずローラであってもよい。
【0018】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明に係る転がりねじ装置によれば、タングの先端部に点で当接していた転動体がタングの先端部に面で当接するようになり、タングの先端部と転動体との接触面積が従来のものより増大する。これにより、転動体の衝撃荷重を比較的広い面積で受けることが可能となり、タングの先端部に加わる単位面積当りの負荷荷重が低減されるので、エンドデフレクタのタングに割れ等の損傷が比較的早期に生じることを抑制することができる。また、ナットの転動体戻し用貫通路を転動した転動体がエンドデフレクタの転動体誘導路から出て行くときのタングの返りを防止でき、エンドデフレクタの寿命を向上させることができる。
請求項2の発明に係る転がりねじ装置によれば、エンドデフレクタのタングに割れ等の損傷が比較的早期に生じることをより効果的に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る転がりねじ装置の軸方向断面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る転がりねじ装置の一部を示す斜視図である。
【図3】図2に示すエンドデフレクタの側面図である。
【図4】ボールねじ耐久試験の試験結果を示す図である。
【図5】従来の転がりねじ装置で使用されるエンドデフレクタの斜視図である。
【符号の説明】
11 ねじ軸
12 ナット
13 ボール
14 内側転動体軌道溝
15 外側転動体軌道溝
16 転動体戻し用貫通路
17 転動体転動路
18 エンドデフレクタ
19 転動体誘導路
20 タング
20a 先端部
Claims (2)
- 外周面に螺旋状の内側転動体軌道溝を有するねじ軸と、前記内側転動体軌道溝と対向する螺旋状の外側転動体軌道溝を内周面に有するナットと、前記内側転動体軌道溝と前記外側転動体軌道溝との間に形成された転動体転動路を前記ねじ軸または前記ナットの回転運動に伴って転動する多数の転動体と、これらの転動体を前記ナットの内部に形成された転動体戻し用貫通路に誘導する転動体誘導路を有するエンドデフレクタとを備え、前記転動体転動路を転動する転動体を前記転動体誘導路に導入するためのタングを前記エンドデフレクタに設けて構成される転がりねじ装置において、
前記タングの先端部を前記転動体に対して円弧状に面取り加工したことを特徴とする転がりねじ装置。 - 前記転動体の直径に対する比率が0.015以上となる曲率半径で前記タングの先端部を面取り加工したことを特徴とする請求項1記載の転がりねじ装置。
Priority Applications (5)
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---|---|---|---|
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